JP2761028B2 - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

Info

Publication number
JP2761028B2
JP2761028B2 JP1088169A JP8816989A JP2761028B2 JP 2761028 B2 JP2761028 B2 JP 2761028B2 JP 1088169 A JP1088169 A JP 1088169A JP 8816989 A JP8816989 A JP 8816989A JP 2761028 B2 JP2761028 B2 JP 2761028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
emulsion
rhenium
complex
photographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1088169A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0220855A (ja
Inventor
アントワネット ジャニュソニス ゲイル
ウォルター ジョーンズ ライフ
レイモンド バンテイン ジェイムス
トフォロン オルム ミラ
スタンレー イーカス レイモンド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPH0220855A publication Critical patent/JPH0220855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2761028B2 publication Critical patent/JP2761028B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • G03C1/08Sensitivity-increasing substances
    • G03C1/09Noble metals or mercury; Salts or compounds thereof; Sulfur, selenium or tellurium, or compounds thereof, e.g. for chemical sensitising
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/015Apparatus or processes for the preparation of emulsions
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/485Direct positive emulsions
    • G03C1/48515Direct positive emulsions prefogged
    • G03C1/48523Direct positive emulsions prefogged characterised by the desensitiser

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真に関する。より詳細には、本発明は、ハ
ロゲン化銀写真乳剤及びこれらの乳剤を含有する写真要
素に関する。
〔従来の技術〕
トリベリ(Trivelli)及びスミス(Smith)による194
8年8月31日発行の米国特許第2,448,060号には、式R2MX
6(式中、Rは水素、アルカリ金属又はアンモニウム基
であり、Mは原子量が100を超える第8〜10族元素であ
り、Xはハロゲン原子、例えば、塩素又は臭素である)
で表される化合物を、ハロゲン化銀乳剤を製造するいず
れかの段階、即ち、ハロゲン化銀粒子の沈澱前若しくは
沈澱中、第一熟成(物理熟成)前若しくは熟成中、第二
熟成(化学熟成)前若しくは熟成中、又は塗布の直前に
添加することにより、ハロゲン化銀乳剤を増感すること
ができることが教示されている。
更なる研究により、乳剤製造工程において、金属化合
物をハロゲン化銀粒子の沈澱中に乳剤に導入するか又は
その後に導入するかで、ハロゲン化銀乳剤における金属
化合物の写真効果に顕著な差があることが判明した。前
者の場合、金属がドーパントとしてハロゲン化銀粒子に
入り込むことができるので、たとえ極めて低濃度でしか
存在しない場合でも、写真特性を変化させるのに効果的
であることが一般的に認められている。ハロゲン化銀粒
子の沈澱が完了した後に金属化合物を乳剤に導入する場
合、金属化合物は粒子表面に吸収されることができる
が、しゃく解剤の相互作用により粒子接触がほとんど不
可能になることがある。ハロゲン化銀粒子の生成後に金
属を添加する場合には、ドーパントとしてハロゲン化銀
粒子に含有せしめる場合に比較して、限界写真効果を示
すには、はるかに高濃度の金属が必要である。ハロゲン
化銀粒子の生成中に金属化合物を添加することによる金
属ドーピングと、ハロゲン化銀粒子の生成後に乳剤に金
属化合物を添加することによる金属増感剤との技術上の
相違が、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disc
losure)、第176巻、1978年12月発行、アイテム17643に
説明されている。即ち、リサーチ・ディスクロージャー
の第IA章には粒子の沈澱中に導入される金属についての
記載があり、第IIIA章には化学増感中に導入される金属
増感剤についての記載があって、そこには各方法に関連
した全く異なった従来技術の教示事項が載せられてい
る。リサーチ・ディスクロージャーは、英国のP010 7DD
ハンプシャーのエムスワースにあるケネス・マソン・パ
ブリケーションズ社により発行されている。
スタウファー(Stauffer)等による米国特許第2,458,
442号には、ハロゲン化銀乳剤の塗布の前、好ましくは
乳剤の最終熟成後に乳剤にレニウム化合物を含有せしめ
ることが開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、両心立方結晶格子構造を示す感輻射
線ハロゲン化銀粒子からなる、改善された写真特性を示
すハロゲン化銀写真乳剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した本発明の目的は、内部にレニウムイオンを含
有する面心立方結晶格子構造を示す感輻射線ハロゲン化
銀粒子からなる写真ハロゲン化銀乳剤により達成され
る。
レニウムをドーパントとしてハロゲン化銀粒子に含有
せしめることにより、種々の写真用途に関して、ハロゲ
ン化銀乳剤の写真特性を向上させることができることが
見出された。
ハロゲン化銀写真は、像形成に関する広範囲の必要性
を満たすことができる。アマチュアの35mmの写真家は、
最小の薄明かりから真昼の海浜及びスキーの環境にわた
る照明条件下で、一日だけあるいは数ヵ月の期間にわた
って写真をとったり、直ちに現像したり又は数ヵ月後に
現像したり、夏における直射日光及び息苦しくなる程の
熱条件下又は真冬に一晩中自動車の中に放置されたりす
る条件下で、所有するカメラで可能なシャッター速度の
全範囲、一般的には、1秒の1/10以上から1秒の1/1000
以下のシャッター速度の範囲で、信頼性のある画像をと
ることを期待している。フィルムを代表とする複雑な化
学系にとって、これらは厳しい要求である。速度、コン
トラスト、カブリ、感圧性、相反則不軌及び潜像保存等
のパラメータの全ては、許容される写真性能を達成する
のに重要である。
これに対して、特殊写真及びプロフェッショナル写真
の場合には、アマチュア写真家のように、単一のフィル
ムに対して多様な要求はしないが、常に満足しなければ
ならないさらに厳しい性能上の基準が課せられる。アク
ションや運動の研究のための写真の場合には、極めて早
い写真速度が必要である。シャッター速度を早くするに
は、高照度露光が必要なことがある。このような用途の
場合には、高照度相反則不軌を防止しなければならな
い。天体写真の場合にも、高レベルの写真感度が要求さ
れるが、天体からの弱い光を捕らえるために、露光時間
を数時間に延ばすことができる。このような用途の場
合、低照度相反則不軌を防止する必要がある。医療用放
射線写真の場合には、高写真感度が必要とされるととも
に、局部圧力により感度が変化しないこと(例えば、キ
ンク減感)が、大きなフォーマットにおいては特に重要
である。又、ポートレート写真の場合には、低いコント
ラストからかなり高いコントラストの範囲から適当なコ
ントラストを選択して所望のビューアーレスポンスが得
られるようにする必要がある。グラフィックアーツ写真
の場合には、極めて高いレベルのコントラストが要求さ
れる。ある場合には、感度を減少(部分減感)させて、
通常の安全赤照明よりも視覚の疲労が少ない照明条件下
(例えば、室内灯及び/又は緑若しくは黄色光)でフィ
ルムを取り扱えるようにすることが好ましいこともあ
る。カラー写真の場合には、フィルムの有効寿命全体に
わたって、青色、緑色及び赤色の感光記録を慎重に調和
させる必要がある。ほとんどのハロゲン化銀写真材料は
ネガ像を生じるが、多くの用途でポジ像が必要とされて
いる。このようなことから、ポジ像の直接生成及びネガ
型写真材料を反転処理することによるポジ像の生成の両
方が、かなりの写真のニーズを満足する。
本発明は、粒子のレニウムドーピングにより、レニウ
ムドーピングを欠く別の同様な乳剤と比較して、改善さ
れた写真特性を示す写真乳剤を提供する。どのような写
真特性が向上するかは、粒子のハロゲン化物含量、粒子
の表面増感又はカブリ、ハロゲン化銀粒子構造における
レニウムに隣接したリガンド及びレニウムドーピングの
レベルによって異なる。写真上の利点の具体例を、以下
に説明する。
元素の周期律表の周期及び族についての引用は、全
て、米国化学会によって採用されており、1985年2月4
日発行のケミカル アンド エンジニアリング ニュー
(Chemical and Engineering News)の第26頁に記載
されている周期律表のフォーマットを基本としている。
この形式では、周期については番号付は従来のままであ
るが、族のローマ数字の番号付及びA及びB族の呼称
(米国とヨーロッパでは反対の意味をもつ)を変更し
て、単に、族に対して左から右に1〜18の番号をつけて
ある。
「ドーパント」とは、ハロゲン化銀粒子内に含有され
る銀又はハロゲン化物イオン以外の物質を意味する。
「pKsp」とは、化合物の溶解度積定数の負対数を示
す。
又、特記のない限り、粒子サイズは粒子の平均有効円
直径であり、平均有効円直径とは粒子の投影面積に等し
い面積を有する円の直径である。
通常β及びγ相のみを形成するヨウ化銀とは異なり、
塩化銀及び臭化銀の各々は、岩塩型の面心立方結晶格子
構造を形成する。銀イオン2と臭化物イオン3の結晶構
造1の4個の格子面を第1図に示す。第1図において、
イオンの上層は{100}結晶面である。第1図の底部か
ら数えて4列のイオンは{100}結晶面であり、上層の
イオンによって占められている{100}結晶面と垂直に
交差している。銀イオン2a及び臭化物イオン3aを含有し
ている列は、両方の交差面にある。2個の各{100}結
晶面において、各銀イオン及び各臭化物イオンは、それ
ぞれ4個の臭化物イオン及び4個の銀イオンに隣接して
いる。3次元においては、各内部銀イオンは、同一{10
0}結晶面で4個及び面の各側面に1個ずつ、即ち、合
計6個の臭化物イオンに隣接している。これと同様の関
係が、各内部臭化物イオンにある。
塩化銀結晶におけるイオンの配列は、塩化物イオンは
臭化物イオンより小さいことを除いて、第1図に示した
ものと同様である。写真乳剤におけるハロゲン化銀粒子
は、ハロゲン化物として臭化物を単独、ハロゲン化物と
して塩化物を単独、又はこれら2つの混合物を用いて生
成することができる。又、通常、写真ハロゲン化銀乳剤
に少量のヨウ化物イオンを含有せしめる。塩素、臭素及
びヨウ素は、それぞれ第3、第4及び第5周期元素であ
るので、ヨウ化物イオンは臭化物イオンよりも大きい。
臭化銀立方結晶格子構造において、ヨウ化銀が別個の相
として分離する前は、ヨウ化物イオンが総ハロゲン化物
の40モル%をも占める場合がある。写真乳剤において
は、ハロゲン化銀粒子のヨウ化物濃度は、銀に対して20
モル%を超えることはめったになく、一般的には、10モ
ル%未満である。しかしながら、特殊な用途では、ヨウ
化物の使用法が大きくことなる。例えば、ヨウ化物が存
在すると特定レベルの粒状度では速度を早めることがで
きることから、高速(ASA100以上)カメラフィルムでは
ヨウ臭化銀が用いられる。又、放射線写真の場合には、
通常、5モル%のヨウ化物を含有する臭化銀乳剤又はヨ
ウ臭化銀乳剤が用いられる。グラフィックアーツ及びカ
ラー紙に用いられる乳剤は、一般的に50モル%を超える
量、好ましくは70モル%を超える量、最適には85モル%
を超える量の塩化物を含有しているが、ヨウ化物の含有
量は5モル%未満、好ましくは2モル%未満であり、塩
化物又はヨウ化物以外のハロゲン化物の残りは臭化物で
ある。
本発明は、レニウムが粒子の立方結晶構造の内部に導
入された写真ハロゲン化銀乳剤に関する。各レニウム
は、結晶粒子において、銀イオンの一つと直接置換した
ものであるとみなすことができる。レニウムを、ハロゲ
ン化銀粒子を生成するのに用いられるのと同様のハロゲ
ン化物の塩の形態で反応容器に入れる場合、レニウムが
結晶格子構造に入る正確な機構は、最終結果には大きな
影響を及ぼさない。
第7族遷移金属であるレニウムは、六配位錯体、即
ち、レニウム及び6個の配位子、通常ハロゲン化物配位
子を含有する錯陰イオンの形態で製造される。粒子の沈
澱中にレニウムに関連する配位子の選択により、写真性
能が大きく左右されることが判明した。従って、単にレ
ニウムだけでなく、レニウム六配位錯体もトーパントと
してハロゲン化銀の沈澱中に、粒子構造に入るものと思
われる。このような取り込まれる錯体のパラメータは、
空間に六配位レニウム錯体を収容するために、結晶構造
から除去しなければならない。1個の銀イオン及び6個
の隣接するハロゲン化物イオン(以下、まとめて「7個
の空格子点イオン」と称する)の特性を考えるとおおよ
そ理解できる。レニウムとその6個の架橋配位子からな
る6配位錯体は、7個の空格子点イオンに取って変わる
ものと思われる。このことは、遷移金属は裸イオン(ba
re ion)としてハロゲン化銀粒子に取り込まれるとする
一般的な見解とは異なる重要な点である。
更に、第1図において、銀は第5周期であり臭素は第
4周期であるけれども、銀イオンは臭化物イオンよりも
はるかに小さいことに留意しなければならない。又、格
子には、臭化物イオンよりもまだ大きいヨウ化物イオン
が収容されることが知られている。このことにより、レ
ニウムの大きさはその取り込みに対しては何ら障害とな
ならないことが分かる。7個の空格子点イオンから引き
出される最後の事柄として、6個のハロゲン化物イオン
は、空格子点イオン基の中心を形成する単一の銀イオン
に対してイオン引力を示すだけでなく、他の隣接銀イオ
ンにも引きつけられることが挙げられる。
本発明では、ハロゲン化銀粒子内部において、レニウ
ムを、取り込まれるレニウム六配位錯体を完成するもの
と考えることができる6個の隣接ハロゲン化物、即ち交
互に存在する配位子とともに用いる。ハロゲン化物配位
子以外の配位子を有するレニウム配位錯体はハロゲン化
銀立方結晶格子構造に入ることができることを理解する
たためには、レニウムとその配位子との間の引力は、イ
オン性ではなく、イオン結合よりも強い共有結合による
ものであることを考慮する必要がある。六配位錯体の大
きさは、その錯体を形成している原子の大きさだけでな
く、原子間の結合の強度によっても決まるので、たとえ
錯体を形成している個々の原子の数及び/又は直径が空
格子点イオンを超えても、配位錯体は、ハロゲン化銀結
晶構造における、他の場合なら空格子点イオンによって
占有される間隙に空間をふさぐようにして収容されるこ
とができる。このことは、共有結合強度により結合距離
が著しく減少するので、その結果、錯体全体の大きさが
減少することによるものである。レニウム配位錯体の多
原子配位子が、結晶構造内部の単一のハロゲン化物イオ
ンの空格子点の空間に収容されることができるというの
が、本発明独特の認識である。
適当なレニウム配位錯体を選択する際には空間的適合
性が重要であるが、考慮しなければならない他の因子と
して、錯体と、結晶格子構造における隣接イオンとの適
合性がある。本発明によれば、レニウム錯体用の架橋配
位子を選択することにより適合させることができる。立
方結晶格子構造における1列の銀及びハロゲン化物イオ
ンを見てみると、次の関係があることが分かる。
Ag+X-Ag+X-Ag+X-Ag+X-,等 ここにおいて、ハロゲン化物イオンXがその列におけ
る隣接する両方の銀イオンを引きつけていることが分か
る。結晶構造において、1列の銀及びハロゲン化物イオ
ンにレニウム配位錯体が存在することを考慮すると、次
の関係があることが分かる。
Ag+X-Ag+-L-Re-L-Ag+X-,等 (式中、Lは架橋配位子である)。
1列の銀及びハロゲン化物イオンのみを示したが、錯
体は、交点としてレニウムを有する銀及びハロゲン化物
イオンからなる3つの同一の垂直列の一部分を形成して
いることが理解できる。四配位レニウム錯体では、配位
子は共通面に存在する2つの交差列の各々に配置してい
るのに対して、レニウム六配位錯体では、配位子は3つ
の同一の交差しているイオン列の各々に位置している。
架橋配位子は、2つ以上の金属中心間の架橋基としての
役割を果たすものである。架橋配位子は、単座配位子で
も多座(ambidentate)配位子でもよい。単座架橋配位
子は、2個(又はそれ以上)の異なる金属原子に対して
2つ(又はそれ以上)の結合を形成する配位原子を一つ
だけ有している。ハロゲン化物等の単原子配位子及び供
与体として可能な原子を一つだけ含有している配位子の
場合、架橋の単座形態は一つだけ可能である。2つ以上
の供与体原子を有する多元素配位子も、架橋の際機能す
ることができ、多座配位子と呼ばれる。
ハロゲン化銀粒子に含有せしめるレニウム六配位錯体
は、広義には、下記の式で表されるものである: 〔ReL6k ……(I) (式中、Lは同一でも異なっていてもよい架橋配位子
であり、kは0,−1,−2,−3又は−4の整数である)。
本発明の最も簡単な態様では、レニウム配位子はハロ
ゲン化物配位子、即ち、単原子単座架橋配位子である。
配位子を形成しているハロゲン化物は、粒子構造の残り
の部分を形成しているものと同一でも異なっていてもよ
い。フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物配位子のい
ずれをも用いることができるが、塩化物及び臭化物配位
子が一般的に好ましい。最大2個のハロゲン化物配位子
が、アコ配位子(H2O)を有するレニウム六配位錯体に
おいて置換されてもよい。
上記で述べたマクダグル(McDugle)等により、ニト
ロシル及びチオニトロシル配位子を遷移金属配位錯体の
一部分として、ハロゲン化銀粒子に含有せしめることが
できることが見出された。ニトロシル配位子は、一般的
には、下記の構造を有する単座架橋配位子であるとされ
ている。
一方、チオニトロシル(−NS)配位子は、厳密に単座
又は厳密に多座架橋配位子として分類されることはでき
ない。遷移金属に対する結合は窒素原子を介してである
が、窒素又は硫黄原子を介して隣接銀ンイオンが引力を
示すと考えるのが妥当であろう。
好ましいレニウムニトロシル及びチオニトロシル配位
錯体は、下式で表すことができる: 〔ReL4(NY)L′〕m ……(II) (式中、Lはニトロシル又はチオニトロシル配位子以
外の架橋配位子、好ましくはハロゲン化物配位子であ
り; L′はL又は(NY)であり; Yは酸素又は硫黄であり; mは0,−1,−2又は−3である)。
ハロゲン化物配位子は、上記したものから選択するこ
とができ、最大2個のハロゲン化物ハロゲン化物をアコ
配位子で置換することができる。
シアン化物配位子は、レニウムを含有せしめた配位錯
体中の1〜6個のハロゲン化物配位子と置換することが
できる。好ましい態様においては、上記したキーバート
(Keevert)等及びマルチェッチ(Martchetti)等によ
り見出された下記の式を満足する混入せるレニウム配位
錯体を使用することができる: 〔Re(CN)6-yLYn ……(III) (式中、Lはシアン化物、ニトロシル又はチオニトロ
シル配位子以外の架橋配位子、好ましくはハロゲン化物
又はアコ配位子であり; yは0,1又は2の整数であり; nは−2,−3又は−4である)。
又、他の配位子も使用可能である。架橋配位子じ上記
した以外の好ましいものとしては、シアネート配位子、
チオシアネート配位子、セレノシアネート配位子、テル
ロシアネート配位子及びアジド配位子が挙げられる。他
の架橋配位子を選択してもよい。
粒子に含有せしめるレニウム配位錯体は、ほとんどの
場合、正味イオン電荷を示す。従って、1個以上の対イ
オンは、通常、この錯体に関連しており、電荷中性化合
物を形成する。錯体及びその対イオンは、ハロゲン化銀
粒子の生成に用いられるような水性媒体に導入すると解
離するので、対イオンはほとんど重要性を有していな
い。アンモニウム及びアルカリ金属対イオンは、これら
の陽イオンがハロゲン化銀沈澱操作によく適合している
ことが知られており、本発明の要件を満足する陰イオン
六配位錯体に特に適している。
本発明の要件を満足する六配位遷移金属錯体の実例を
表1に示す。
レニウムを、表1に開示したような単純塩又は配位錯
体の形態で、ハロゲン化銀粒子に他の金属ドーパントを
含有せしめる際に用いられるのと同様の操作により、ハ
ロゲン化銀粒子に含有せしめることができる。これに関
した事項が下記の刊行物に記載されている:ワーク(Wa
rk)による米国特許第2,717,833号:ベリマン(Berrima
n)による米国特許第3,367,778号;バート(Burt)によ
る米国特許第3,445,235号;ベーコン(Bacon)等による
米国特許第3,446,927号;コルト(Colt)による米国特
許第3,418,122号;ベーコン(Bacon)による米国特許第
3,531,291号;ベーコン(Bacon)による米国特許第3,57
4,625号;特公昭49-33781号(優先日:1968年5月10
日);特公昭48-30483号(優先日;1968年11月2日);
大久保等による米国特許第3,890,154号;スペンス(Spe
nce)等による米国特許第3,687,676号及び第3,690,891
号;ギルマン(Gilman)等による米国特許第3,979,213
号;モッター(Motter)による米国特許第3,703,584
号;特公昭45-32738号(優先日;1970年10月22日);シ
バ(Shiba)等による米国特許第3,790,390号;ヤマスエ
(Yamasue)等による米国特許第3,901,713号;ニシナ
(Nishina)等による米国特許第3,847,621号;リサーチ
・ディスクロージャー、第108巻、1973年4月発行、ア
イテム10801;サカイ(Sakai)による米国特許第4,126,4
72号;ドステス(Dostes)等による防衛公開第T962,004
号及びフランス特許第2,296,204号;英国特許明細書第
1,527,435号(優先日:1975年3月17日);特開昭51-10
7,129号(優先日:1975年3月18日);ハブ(Habu)等に
よる米国特許第4,147,542号及び第4,173,483号;リサー
チ・ディスクロージャー、第134巻、1975年6月発行、
アイテム13452;特開昭52-65,432号(優先日:1975年11月
26日);特開昭52-76,923号(優先日:1975年12月23
日);特開昭52-88,340号(優先日:1976年1月26日);
特開昭53-75,921号(優先日:1976年12月17日);大塚等
による米国特許第4,221,857号;特開昭54-96,024号(優
先日:1978年1月11日);リサーチ・ディスクロージャ
ー、第181巻、1979年5月発行、アイテム18155;カニサ
ワ(Kanisawa)等による米国特許第4,288,533号;特開
昭56-25,727号(優先日:1979年8月7日);特開昭56-5
1,733号(優先日:1979年10月2日);特開昭55-166,637
号(優先日:1979年12月6日);及び特開昭56-149,142
号(優先日:1970年4月18日)。
ハロゲン化銀粒子を形成するとき、水性媒体に、可溶
性銀塩、通常硝酸銀、及び一種以上の可溶性ハロゲン化
物塩、通常ハロゲン化アンモニウム若しくはハロゲン化
アルカリ金属をいっしょに入れる。このとき、ハロゲン
化銀は高いpKsp値(室温で塩化銀の場合9.75〜ヨウ化銀
の場合16.09)を有しているので、ハロゲン化銀の沈澱
が起こる。遷移金属錯体をハロゲン化銀と共沈させる場
合、pKsp値の高い化合物も生成する。pKsp値が低すぎる
と、沈澱が起こらない。一方、pKsp値が高すぎると、化
合物が沈澱して別個の相を形成する。レニウム錯体の銀
対イオン化合物の場合の最適pKsp値は、写真ハロゲン化
銀のpKsp値の範囲、即ち、約8〜20、好ましくは約9〜
17の範囲内又はその近くでなければならない。
本発明の要件を満足するレニウムドーパントは、銀1
モル当たり、遷移金属ドーピングに際して従来から用い
られてきたのと同様の濃度でハロゲン化銀粒子に含有せ
しめることができる。これに関しては、極めて広範囲の
濃度が知られており、上記したドステス(Dostes)等に
より教示されている、ネガ型乳剤における低照度相反則
不軌及びキンク減感を減少するためのAg 1モル当たり10
-10モルの低濃度から、上記したスペンサー(Spencer)
等により教示されている、色素減感を防止するためのAg
1モル当たり10-3モルの高濃度の範囲で使用される。有
効な濃度は、粒子のハロゲン化物含量、ドーパントに存
在する配位子及び所望の写真効果により大きく異なる。
本発明の要件を満足する混入せるレニウムドーパント
は別として、ハロゲン化銀粒子、ハロゲン化銀粒子が一
部分を構成している乳剤及びそれらを含有せしめる写真
要素は、種々の従来の形態をとることができる。これら
の従来の特徴並びに各教示事項に特に関連した特許及び
刊行物が、上記したリサーチ・ディスクロージャー、ア
イテム17643に記載されている。この開示事項は、本発
明において使用することができる。本発明の要件を満足
する遷移金属配位錯体は、平板状粒子乳剤、特に薄く
(0.2μm未満)及び/又は高いアスペクト比(>8:1)
平板状粒子乳剤に含有せしめることが好ましい。これら
の平板状粒子乳剤については、例えばウイルガス(Wilg
us)等による米国特許第4,434,226号;コフロン(Kofro
n)等による米国特許第4,439,420号;ダウベンディーク
(Daubendiek)等による米国特許第4,414,310号、第4,6
93,964号及び/又は第4,672,027号;アボット(Abott)
等による米国特許第4,425,425号及び第4,425,426号;ウ
エイ(Wey)による米国特許第4,399,215号;ソルベルグ
(Sorberg)等による米国特許第4,433,048号;ディッカ
ーソン(Dickerson)等による米国特許第4,414,304号;
ミグノット(Mignot)による米国特許第4,386,156号:
ジョーンズ(Jones)等による米国特許第4,478,929号;
エバンス(Evans)等による米国特許第4,504,570号;マ
スカスカイ(Maskasky)による米国特許第4,400,463
号、第4,435,501号、第4,643,966号、第4,684,607号、
第4,713,320号及び第4,713,323号;ウエイ(Wey)等に
よる米国特許第4,414,306号;並びにソウインスキ(Sow
inski)等による米国特許第4,656,122号に記載されてい
る。
特定の写真特性の向上を達成するために、本発明の要
件を満足する混入せる六配位遷移金属錯体をどのように
して用いるかを以下に具体的に説明する。
カブらされた直接ポジ乳剤 前カブリ直接ポジ乳剤又は直接ポジ光漂白乳剤〔ジェ
ームズ(James)、ザ セオリー オブ ザ ホトグラ
フィック プロセス(The Theory of the Photographic
Process)、マクミラン社、第4版、1977年発行、第18
5及び186頁に種類の一つとして記載されている)の粒子
に、レニウムを、裸陽イオンとしてか又は式Iを満足す
る錯体のいずれかの形態で含有せしめることが特に好ま
しい。有効な濃度は、銀1モル当たり10-8モルの小濃度
からレニウムの溶解限界、一般的には銀1モル当たり約
10-3モルの範囲である。本発明における典型的な濃度
は、銀1モル当たり約10-6〜10-4モルの範囲である。
本発明の好ましい具体的態様の一つにおいては、直接
ポジ乳剤は、必要に応じて、レニウム1モル当たり約10
-5〜10-4モルのレニウムでドープしたヨウ化物を最大約
3モル%含有する表面カブリ塩化銀粒子又は臭化銀粒子
を含有している。レニウムは、式I(但し、Lは塩化物
又は臭化物ハロゲン化銀単独又は最大2個のアコ配位子
との組み合わせたもの)を満足する錯体の形態で含有せ
しめることが好ましい。
他の好ましい態様においては、レニウムを、式IIを満
足する錯体の形態で含有せしめる。この際、濃度は、上
記した一般的な範囲でよい。
本発明においては、光漂白乳剤には、表面カブリハロ
ゲン化銀粒子が用いられる。露光により、表面カブリを
漂白する光発生正孔を生じる。レニウムの含有により乳
剤の感度が増加することから、レニウム単独又はその配
位子との組み合わせにおいて、内部で電子を捕捉してい
ることが分かる。このため、カブリの表面漂白に有効な
正孔の数を減少する光発生正孔・電子対の再結合が防止
される。
当該技術分野においてよく理解されているように、ス
ピードセンシトメトリーの利点の実質的なものは、還元
と金増感剤の組み合わせを用いて表面カブリを発生させ
ることにより実現することができる。この種の乳剤の例
としては、内部に上記した錯体を組み入れた粒子を含有
しているもの及び、さもなければ、ベリマン(Berrima
n)による米国特許第3,367,778号並びにイリングスワー
ス(Illingsworth)による米国特許第3,501,305号、第
3,501,306号及び第3,501,307号の教示事項に一致してる
ものが挙げられる。
ネガ型乳剤における感度の減少 写真用途のあるものにおいては、感度を減少させて、
視覚的により好ましい作業条件下で写真材料を取り扱う
ことができるように(例えば、室内灯及び/又は緑若し
くは黄色光)感度を減少することが好ましいことがあ
る。
又、最近、レーザースキャンニングによりフルトーン
写真像を形成しようとする試みにおいて、感度を減少さ
せる別の必要性が生じた。市販のレーザーは、高照度レ
ベルと限定された出力変調性を示し、所望の勾配のある
像濃度とは異なり、レーザーで照射された全ての部分で
最大濃度が生じることが判明した。乳剤の平均粒子サイ
ズを小さくすることが、写真感度を減少させる公知の方
法であるが、平均粒子サイズを約0.3μmを超える値に
維持し、好ましい(より短波長、例えば、青・黒)像ト
ーンとするとともに、バッチ毎の乳剤特性の再現性を大
きくすることが好ましい。ハロゲン化銀粒子表面に吸着
することができる公知の減感剤があることは言うまでも
ないが、粒子表面で、吸着した減感剤が、好ましくない
表面相互作用に起因する種々のリプリケーション及びプ
ロセス制御上の問題を生じる場合がある。必要量が非常
に少なくてよいとともに、得られる結果が広範囲の条件
にわたって再現性がよいことから、理想的な感度減少剤
として内部ドーパントが挙げられる。分かる程度に感度
を減少することのできるいずれの濃度でもレニウムドー
パントを用いることができるが、レニウムは、一般的に
は、銀1モル当たり1x10-4モル未満の濃度で用いられ
る。以下に記載する具体的な最適レニウム濃度は、具体
的な用途との相関関係により異なる。
高塩化物濃度乳剤における六ハロゲン化レニウム錯体 本発明の好ましい態様の一つにおいては、高塩化物濃
度乳剤を六ハロゲン化レニウム錯体でドープする。高塩
化物濃度乳剤は、50モル%を超える(好ましくは70モル
%を超える、最適には85モル%を超える)塩化物を含有
している。又、この乳剤は、5モル%未満(好ましくは
2モル%未満)のヨウ化物を含有しており、残りのハロ
ゲン化物がある場合には臭素である。高塩化物濃度乳剤
の最も単純な例としては、塩化銀乳剤が挙げられる。
高塩化物濃度ハロゲン化銀乳剤の粒子が、銀1モル当
たり約10-9〜10-7モルのレニウム(六ハロゲン化レニウ
ムの形態で添加したもの)を含有するとき、写真学的に
有効な感度の減少が認められた。ハロゲン化物配位子
は、好ましくは塩化物及び臭化物配位子である。
臭化銀及びヨウ臭化銀乳剤における六塩化レニウム錯体 本発明の別の好ましい態様によれば、必要に応じてヨ
ウ化物を含有する臭化銀は、レニウム(沈澱中に六塩化
錯体の形態で添加する)でドープすると、写真学的に有
効な感度の減少を示すことが認められた。この際の乳剤
は、純粋な臭化銀乳剤でよい。又、ヨウ化物は、従来か
ら用いられている量、例えば、銀に対して0.1モル%の
少量から40モル%の範囲で存在していてもよい。より一
般的には、ヨウ化物は、具体的な写真用途に応じて1〜
5〜10〜20モル%の濃度で存在している。例えば、放射
線写真像の場合には、通常、5モル%以下のヨウ化物を
用い、白黒像の場合には、一般的に、10モル%未満のヨ
ウ化物を用い、又、重層効果のために高レベルのヨウ化
物を必要とすることがあるカラー写真の場合には、しば
しば、最大20モル%のヨウ化物を用いることがある。
臭化銀及びヨウ臭化銀の粒子が銀1モル当たり約10-8
〜10-7モルのレニウム(六塩化物の形態で添加したも
の)を含有するときに、最適な感度の減少が認められ
た。
臭化銀及びヨウ臭化銀乳剤における六臭化レニウム錯体 前記した乳剤の六塩化レニウムの代わりに六臭化レニ
ウム錯体を用いる場合には、銀1モル当たり10-7〜10-5
モルのドーパント濃度で写真学的に有効な写真感度の最
適な減少が得られる。銀1モル当たり約10-7〜10-6モル
の範囲の濃度で、最適な感度の減少が認められる。
レニウムニトロシル及びチオニトロシル錯体 一種以上のニトロシル又はチオニトロシル配位子を含
有するレニウム六配位錯体をハロゲン化銀乳剤に含有せ
しめる場合、有効な写真感度の減少が得られる。この効
果は乳剤のハロゲン化物含量には左右されないように思
われる。例えば、上記で説明した高塩化物濃度乳剤、臭
化銀乳剤及びヨウ臭化銀乳剤の各乳剤において、有効な
感度減少効果が達成される。
本発明において、好ましい六配位錯体は、式IIを満足
するものである。特に好ましい濃度は、銀1モル当たり
1x10-9〜5x10-5ルの範囲である。
ネガ型乳剤における低照度相反則不軌の減少 写真露光量は、露光時間と強度の積である。ある場合
には、露光照度を減少すると、同一の露光レベルとする
ために露光時間を延長して相殺したとしても、写真感度
が低下することがある。この減少は、低照度相反則不軌
と呼ばれる。
本発明によれば、レニウムドーパントを含有せしめる
ことにより、低照度相反則不軌を減少させることができ
る。研究により、感度を減少させるために使用する上記
したレニウムドーパントにより、高照度写真感度が極め
て大きく減少し、ある場合には、低照度写真感度が実際
にわずかに増加する。従って、感度の減少に関連して上
記で説明した乳剤及びレニウムドーパントも、低照度相
反則不軌を減少させるために適用できる。しかしなが
ら、実際において、感度を全体的にかなり減少させるよ
りは低照度相反則不軌を減少することが求められる場合
には、レニウムドーパントの濃度は当然制限される。
臭化銀乳剤及びヨウ臭化銀乳剤における六臭化レニウム
錯体 本発明の好ましい一態様においては、六臭化レニウム
錯体を銀1モル当たり約10-7〜10-5モルの濃度で粒子に
含有せしめると、臭化銀乳剤及びヨウ臭化銀乳剤におけ
る低照度相反則不軌を減少させることができる。低照度
感度の相対的な減少が立方体粒子乳剤において認められ
たのとは全く異なり、低照度相反則不軌の減少が立方体
及び八面体粒子乳剤の両方に認められる。ここで、「立
方体粒子」及び「八面体粒子」とは、当該技術分野にお
いて認められている意味、即ち、それぞれ主に{100}
及び{111}に結合した粒子を示す意味で用いられる。
高塩化物乳剤におけるレニウムニトロシル及びチオニト
ロシル錯体 金及び/又は中間カルコゲン(即ち、硫黄、セレン及
び/又はテルル)で表面増感し且つ式IIを満足する内型
錯体を含有する高塩化物乳剤において、低照度相反則不
軌の減少が認められた。
上記B−4で述べた感度の減少に好ましく用いられる
濃度は、低照度相反則不軌の減少にも好ましい。
高塩化物濃度グラフィックアーツ乳剤 式IIを満足するレニウム錯体を、グラフィックアーツ
に有効な高塩化物濃度乳剤に含有せしめると、本発明に
関する乳剤の特性の向上が認められた。例えば、コント
ラストの増加及び上記した感度の減少に起因する室内等
の影響の減少の両方が認められる。グラフィックアーツ
用の場合、式IIのレニウム錯体は、1モル当たり2x10-8
〜1x10-4モル、最適には2x10-8〜3x10-5モルの濃度で粒
子中に含有せしめるのが好ましい。又、グラフィックア
ーツ用の場合には、乳剤を単分散させ、且つ乳剤の粒子
サイズが0.7μm未満、最適には0.4μm未満であること
が好ましい。
高濃度塩化物乳剤で感度を増加させるシアン化レニウム
錯体 式IIIを満足するようなシアン化レニウム錯体を硫黄
及び/又は金増感高塩化物濃度乳剤に含有せしめると、
驚くべきことに、理想的に増感してあるがシアン化レニ
ウム錯体を含有せしめていない乳剤に対して、感度を増
加できることが判明した。粒子中のレニウム錯体の濃度
は、銀1モル当たり1x10-6〜5x10-4モルが好ましい。
又、銀1モル当たり10-5〜10-4モルの濃度が最適である
と思われる。
臭化銀及び沃臭化銀乳剤において感度を増加するシアン
化レニウム錯体 式IIIを満足するようなシアン化レニウム錯体は、臭
化銀及びヨウ臭化銀乳剤の安定性を増加することが判明
した。安定性の向上は、感度及び最小濃度レベルの両方
の面で認められる。粒子中のレニウム錯体の濃度として
は、銀1モル当たり1x10-6〜5x10-4モルが好ましい。
又、銀1モル当たり10-5〜10-4モルの濃度が最適である
と思われる。
〔実施例〕
本発明は、以下に述べる具体的な実施例を参照するこ
とによりよりよく理解することができる。
実施例1 単分散塩化銀Cs2Re(NO)Cl5の有無により変化をつけ
て、2種類の塩化銀乳剤を調製した。
対照乳剤IAを、Cs2Re(NO)Cl5の不存在下で次のように
して製造した。
まず、次の組成を有する3種類の溶液を調製した。
溶液1 ゼラチン 240g 蒸留水 6000ml 溶液2 塩化ナトリウム 584g 蒸留水を加えて全量 5000ml 溶液3 硝酸銀 1360g 蒸留水 2640ml 40℃で溶解 蒸留水を加えて全量 4000ml 40℃で溶解 溶液1を、46℃に維持した反応容器に入れた。溶液1
に、マクブライド(McBride)による米国特許第3,271,1
57号に開示されている種類のチオエーテルハロゲン化銀
熟成剤を0.6g添加した。その後、この溶液のpKgを、溶
液2で7.6に調整した。溶液のpKgを7.6に維持しなが
ら、溶液2と溶液3を、同時に、15分間かけて溶液1に
注いだ。沈澱後、混合物を38℃に冷却し、リサーチ・デ
ィスクロージャー、第102巻、1972年10月発行、アイテ
ム10208に記載されている限外濾過により洗浄した。洗
浄の終わりに、銀1モル当たりゼラチン60gを含有して
いる乳剤濃度を、銀1モル当たり2000g未満に調整し
た。平均粒子サイズは0.26μmであった。
溶液2及び3を同時に注いだ2分後に、2.3mlの溶液
4を、シリンジにより、溶液2を反応容器に排出するラ
インに注入した。
Cs2Re(NO)Cl5を、反応容器内において銀の最終の1モ
ル当たりのCs2Re(NO)Cl5濃度が1.3x10-7モルであり且つ
粒子における銀の最終の1モル当たりのCs2Re(NO)Cl5
度が4.7x10-8モルとなるに充分な量を、溶液2と同一の
溶液に溶解して溶液4を調製した。
上記の方法で調製した塩化銀乳剤に、従来の金化学増
感及び緑色スペクトル増感に付した後、色素生成カプラ
ー分散液とともに写真印画紙ベース上に、1m2当たりAg
280mg、カプラー430mg及びゼラチン1.66gの付着量で塗
布した。塗工要素を、0.5〜100秒の時間範囲で、濃度階
段光学ウエッジを介し、一定の総露光量を維持するため
の適当な中性濃度フィルターを用いて露光した。この被
膜をカラープリント現像液で処理した。
レニウム含有乳剤では、対照と比較して、足コントラ
ストの増加と低照度コントラスト相反則不軌の減少が認
められた。
実施例2 粒子に含有せしめた六配位遷移金属錯体の異なる、一
連の臭化銀八面体乳剤(平均縁端長さ:0.45μm)を調
製した。
対照2Aを、遷移金属錯体の不存在下において、下記の
ようにして調製した。
溶液1(2) ゼラチン(骨) 50g 蒸留水 2000ml 溶液2(2) 臭化ナトリウム 10g 蒸留水 100ml 溶液3(2) 臭化ナトリウム 412g 蒸留水を加えて全量 1600ml 溶液4(2) 硝酸銀(5モル) 800ml 蒸留水を加えて全量 1600ml 溶液5(2) ゼラチン(フタル化) 50g 蒸留水 300ml 溶液6(2) ゼラチン(骨) 130mg 蒸留水 400ml 溶液1(2)のpHを、40℃で硝酸を用いて3.0に調整
した。その後、溶液1(2)の温度を70℃に調整した。
溶液1(2)のpKgを溶液2(2)で8.2に調整した。溶
液3(2)と溶液4(2)を、同時に、最初の4分間は
一定速度で、次の40分間は速度を増加させて調整溶液1
(2)に注いだ。次に、この添加速度を、最後の2分間
(総添加時間:46分間)の間維持した。pAgは全体を通し
て8.2に維持した。溶液3(2)と溶液4(2)の添加
後、温度を40℃に調整し、pHを4.5に調整し、且つ溶液
5(2)を添加した。この混合物を5分間放置後、pHを
3.0に調整し、ゲルを沈降させた。同時に、温度を15℃
に低下し、液体層を傾しゃした。減少した体積分を蒸留
水で補充した。pHを4.5に再調整し、混合物を0.5時間40
℃に保った後、pHを3.0に調整し、沈降と傾しゃを繰り
返した。溶液6(2)を添加し、pHとpAgを、それぞれ
5.6及び8.2に調整した。乳剤を、銀1モル当たり1.5mg
のNa2S2O3.5H2O及び銀1モル当たり2mgのKAuCl4を用い
て70℃で40分間熟成した。塗布を、27mg Ag/dm2及び86m
gゼラチン/dm2の付着量となるように行った。このよう
にして作成した試料を、365nmの輻射線に0.01,0.1,1.0
及び10.0秒間照射後、ヒドロキノン−エロン(商標)
(N−メチル−p−アミノフェノールヘミサルフェー
ト)現像液で6分間現像した。
対照乳剤2Aと同様の方法で対照2A′を調製した。この
乳剤をバッチ毎の乳剤性能の分散を示すのに用いた。乳
剤2A′を対照2Aと同様の方法で熟成した。
溶液1(TMC)又は溶液2(TMC)を最初の4分間の核
生成期間後及び成長期間の最初の35分間中に溶液3
(2)に添加した以外は、対照16Aと同様の方法で、乳
剤2B及び2Cを調製した。溶液3(2)の一部をとってお
き、製造の最後の7分間に添加する遷移元素を含有しな
い臭化ナトリウム源とした。乳剤を乳剤2Aと同様の方法
により熟成した。
溶液1(TMC)又は溶液2(TMC)は、対照2Aの成長期
間38〜40分間の間に添加された溶液3(16)に、それぞ
れCs2Re(NO)Cl5(表2参照)を0.26mg及び66mgを溶解し
て調製した。含有せしめた遷移金属錯体は、表2に示さ
れている表面感度の減少から明らかなように、効果的な
電子トラップとして機能する。
実施例3 本実施例により、ニトロシル配位子を含有するレニウ
ム錯体でドープした乳剤の特性を、ドープしない対照と
の比較において説明する。
ドープしてない0.15μm塩化銀対照乳剤を以下の方法
によた沈澱させた。
溶液A(反応容器) ゼラチン(骨) 40.0g 蒸留水 666.0ml 温 度 40.6℃ pH(H2SO4) 3.0 溶液B(塩) NaCl 66.6g 蒸留水 317.2cc 温 度 40.6℃ 溶液C(銀) AgNO3 170.0g 蒸留水 301.3cc 温 度 30.8℃ 溶液B及び溶液Cを、同時に、溶液Aが入っているよ
く攪拌した反応容器に、一定流量(B=20.3ml/分;C=2
2.3ml/分)で添加した。溶液B及び溶液Cの総注入時間
は15分であった。乳剤の沈澱をpAgを7.4にして制御し
た。沈澱の終わりに、乳剤のpHを4.5に調整し、40.6℃
で30〜40分間限外濾過して、pAgを6.2にした。この乳剤
を冷却することによりゲル化した。銀1モル当たり4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデ
ン1.0g及び銀1モル当たりビス(ビニルスルホニル)メ
タン5.0gを含有する被膜を形成した。被膜の銀及びゲル
の付着量は、それぞれ3.3gAg/m2及び2.7gゲル/m2であ
った。
表3に示したドーパントを添加した以外は、上記で説
明したのと同様の方法でレニウムニトロシル錯体でドー
プした実施例乳剤を調製し、塗布した。ドーパントは、
水溶液中で30秒間行う沈澱開始30秒後に添加した(蒸留
水1ml当たり1.0mgのドーパント)。塗工試料の全てを、
ハロゲン化金属光源を用いて露光し、LD-220 QT大日本
(商標)スクリーンプロセッサーを用いて、ヒドロキノ
ン−(4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニ
ル−3−ピラゾリドン)現像液(pH10.4,35℃)で35秒
間現像した。
表3にまとめたセンシトメトリーの結果から、ドープ
処理しない対照乳剤に対して、ニトロシル含有錯体によ
り、非常に好ましいコントラストの増加と感度の減少が
生じることが明らかである。
実施例4 本実施例により、カブリ直接ポジ乳剤で反転像を生じ
させるためのドーパントとしてのレニウムの有効性を説
明する。
対照4A 従来のダブルジェット法により、0.16μm AgCl未ドー
プ処理対照乳剤を製造した。この乳剤を、銀1モル当た
り10mgの二酸化チオ尿素で60分間65℃で仕上げを行うこ
とにより還元カブリを行った。この乳剤を、4.16g/m2
塗布密度でフィルム支持体上に塗布後、階段濃度試験体
を介して、バーキイ アルコア(Berkey ASCOR)(商
標)真空プリンターにより15秒間紫外線に照射した。塗
布した乳剤を、ヒドロキノン−4−フェニル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドン)現像液(pH10.5)で、43℃
で15秒間現像した。
その結果、像は何も認められなかった。又、全ての露
光レベルで、3.8を超える濃度が認められた。このこと
は、光発生した正孔・電子対が表面カブリの顕著な漂白
なしに再結合したことを示している。言い換えれば、粒
子は、効果的な内部電子トラップを欠いている。
実施例4B 従来のダブルジッント法により、0.16μm AgCl対照乳
剤を調製した。但し、この際、反応容器に、銀の最終の
1モルに対して1x10-5モルのK2ReCl6を加えた。このレ
ニウム錯体は、20%の濃度で反応容器に添加して試験し
た。
この乳剤を、銀1モル当たり2.6gの二酸化チオ尿素で
60分間65℃で仕上げを行うことにより還元カブリを行っ
た。
この乳剤を、4.16g/m2の塗布密度でフィルム支持体上
に塗布した。塗布した乳剤の別の試料を、階段濃度試験
体を介して、20秒及び60秒間365nm線に照射した。次
に、試料を、pH 10.15のヒドロキノン低亜硫酸塩濃度リ
ス現像剤で、165秒間20℃で現像した。
その結果、最大濃度が3.2で最小濃度が0.9の反転像が
得られた。このことは、含有せしめたレニウムが、光発
生した電子を内部で捕捉し、それにより、光発生した正
孔・電子対の再結合を減少させて、光発生した正孔が表
面被りを漂白することを示している。
実施例4C 乳剤の沈澱の工程までは実施例4Bの操作を繰り返し、
表面カブリ、塗布、露光及び処理を実施例4Aで述べた方
法により行った。
その結果、最大濃度5.6及び最小濃度0.9の反転像が得
られた。
実施例4D 銀1モル当たり2mgのジメチルアミノボランを用い
て、40℃で乳剤の還元カブリを行った以外は、実施例4C
の操作を繰り返した。
その結果、最大濃度が5.7を超え、最小濃度が約1.1の
反転像が得られた。
実施例4E 反応容器に、沈澱の初めに銀の最終の1モル当たり1x
10-5モルのK2ReCl6が存在するようにした以外は、対照4
Aの操作を繰り返した。
対照4Aと同一の方法で一試料4E(1)の還元カブリを
行った。第二試料4E(2)の還元金カブリを、銀1モル
当たり2.6mgの二酸化チオ尿素(30分,55℃)及び銀1モ
ル当たり4mgの無水テトラクロロ金酸カリウム(30分,55
℃)を用いて行った。両方の試料とも、最大濃度は3.8
を超え、最小濃度は約0.10〜0.15であった。
実施例4F 反応容器に、沈澱の初めに銀の最終の1モル当たり1x
10-4モルのK2ReCl6が存在するようにした以外は、対照4
Aの操作を繰り返した。
乳剤4F(1)及び乳剤4F(2)の2つの試料を、乳剤
試料4E(1)及び4E(2)と同様にして仕上げを行っ
た。乳剤の第三試料4F(3)を銀1モル当たり10mgの二
酸化チオ尿素(30分,55℃)及び銀1モル当たり2mgの無
水テトラクロロ金酸カリウム(30分,55℃)を用いて行
った。試料を、実施例4Eと同様な方法により、露光、塗
布及び処理した。
試料4F(1)及び4F(2)は、乳剤試料4F(1)及び
4F(2)よりも高感度であったが、最大濃は低かった。
試料4F(3)も、乳剤試料4Eよりも高感度であった。試
料4F(3)は、最大濃度が5.7で最小濃度が0.08であっ
たが、最小濃度に到達するのに必要とする露光量を超え
る0.51ogEの露光量で0.2に増加した。このことは、露光
過度の場合再反転す傾向を示しているが、過度の露光を
行わなかった被膜の感光応答を妨害しない。
実施例4G 粒子サイズを0.26μmに増加し、レニウムドーパント
の濃度を銀の最終の1モル当たり1.7×10-5モルに調整
した以外は、乳剤4Bと同様の乳剤を調製した。乳剤の還
元カブリを、銀1モル当たり二酸化チオ尿素10mg、無水
テトラクロロ金酸カリウム4mg及び5−メチルベンゾト
リアゾール50mgを用いて行った。乳剤4Bと同様の方法に
より、この乳剤を塗布、露光及び処理した。この乳剤
は、最大濃度が5.6で、最小濃度が0.06と低く、又、最
小濃度は異なった試料では若干のバラツキがあった。
実施例5 立方体塩化銀乳剤 本実施例では、塩化銀写真乳剤の感度を減少する際の
レニウムドーパントの有効性について説明する。
一連の単分散塩化銀立方体粒子乳剤を沈澱させて、ヘ
キサハロレニウム酸塩〔ReX6-2陰イオン錯体によるド
ーピングの写真性能に及ぼす影響を評価した。立方体縁
端長さが約0.16μmである系列を、下記の方法で調製し
た。
ゼラチン74gと蒸留水1.6リットルでケトル溶液を調製
し、pHを40℃で3.0に調整した。次に、温度を49℃に上
昇後、pAgを7.0に調整した。pAgを7.0に制御しながら、
3.0N硝酸銀と3.3N塩化カリウムをダブルジェット添加し
て、乳剤を沈澱させた。硝酸銀の流量は、終始100cc/分
の一定値を維持した。総硝酸銀の10%を添加後、試薬の
添加を低下し、温度を35℃に低下し、ドーパント塩の冷
却水溶液を、銀の最終の1モル当たり10モル部の概略濃
度で添加した。混合物を2分間攪拌後、温度を、4分間
かけて49℃に戻した。銀及び塩の添加を再開し、合計2
モルの塩化銀が沈澱するまで添加を継続した。含有せし
めたドーパントの量は、中性子活性化分析により求めた
(表4参照)。
この乳剤を、ユッツイ(Yutzy)及びラッセル(Russe
l)による米国特許第2,614,929号に記載の凝集法により
洗浄し、金増感し、酢酸セルロース支持体上に塗布し
た。その後、20″,3000゜Kで露光した後、ヒドロキノン
−エロン(商標)(N−メチル−p−アミノフェノール
ヘミサルフェート)現像液で6分間現像液で6分間現像
して写真学上の評価を行った。写真特性の評価結果を表
4に示す。
実施例6 立方体臭化銀乳剤 本実施例では、臭化銀立方体粒子乳剤の感度の減少及
び相反性特性の向上に関するレニウムドーパント〔K2Re
X6(式中、Xはハロゲン化物である)の形態で添加〕の
有効性について説明する。
立方体縁端長さが約0.17μmである一連の単分散臭化
銀立方体粒子乳剤を、下記の方法で調製した。
ゼラチン40gと蒸留水1.7リットルでケトル溶液を調製
し、pHを40℃で3.0に調整した。次に、温度を75℃に上
昇後、pAgを7.4に調整した。pAgを7.4に制御しながら、
4.5N硝酸銀と3.9N塩化カリウムをダブルジェット添加し
て、乳剤を沈澱させた。硝酸銀の流量は、終始17cc/分
の一定値に維持した。総硝酸銀の10%を添加後、試薬の
添加を停止し、温度を35℃に低下し、ドーパント塩の冷
却水溶液を、乳剤の最終の1モル当たり10モル部の概略
濃度で添加した。混合物を更に2分間攪拌後、温度を、
6.5分間かけて75℃に戻した。銀及び塩の添加を再開
し、合計2モルの臭化銀が沈澱するまで、pAGを制御し
ながら添加を継続した。含有せしめたドーパントの量
は、中性子活性化分析により求めた(表5参照)。
この乳剤を、ユッツイ(Yutzy)及びラッセル(Russe
l)による米国特許第2,614,929号に記載の凝集法により
洗浄し、硫黄及び金増感し、酢酸セルロース支持体上に
塗布した。その後、365nmで露光した後、ヒドロキノン
−エロン(商標)現像液で12分間現像して写真学上の評
価を行った。写真特性の評価結果を表5に示す。
実施例7 八面体臭化銀乳剤 本実施例では、八面体粒子臭化銀乳剤におけるレニウ
ムドーパント〔K2ReX6(式中、Xはハロゲン化物であ
る)の形態で添加〕の有効性について説明する。
立方体縁端長さが約0.21μmである一連の単分散臭化
銀立方体粒子乳剤を、下記の方法で調製した。
ゼラチン20gと蒸留水1.6リットルでケトル溶液を調製
し、pHを40℃で3.0に調整した。次に、温度を75℃に上
昇後、pAgを7.8に調整した。pAgを7.8に制御しながら、
4.0N硝酸銀と4.0N臭化カリウムをダブルジェット添加し
て、乳剤を沈澱させた。硝酸銀の流量は、総硝酸銀の10
%を8cc/分で添加後、試薬の添加を停止し、温度を35℃
に低下し、臭化カリウムでpAgを9.8に調整後、ドーパン
ト塩の冷却水溶液を、乳剤の最終の1モル当たり10モル
部の概略濃度で添加した。混合物を更に2分間攪拌後、
温度を、5.5分間かけて75℃に戻した。銀及び塩の添加
を再開し、pAGを8.3で制御しながら、流量を1分当たり
2ccの速度で48cc/分まで増加し、合計2モルの臭化銀が
沈澱するまで添加を継続した。含有せしめたドーパント
の量は、中性子活性化分析により求めた(表6参照)。
乳剤を、ユッツイ(Yutzy)及びラッセル(Russel)に
よる米国特許第2,614,929号に記載の凝集法により洗浄
し、硫黄及び金増感し、酢酸セルロース支持体上に塗布
した。その後、365nmで露光した後、ヒドロキノン−エ
ロン(商標)現像液で12分間現像して写真学上の評価を
行った。写真特性の評価結果を表6に示す。
〔発明の効果〕 本発明による乳剤が粒子に表面カブリを付す光漂白乳
剤の形態をとる場合、レニウムドーパントの存在により
乳剤の感度が増加する。又、本発明の乳剤がネガ型乳剤
の形態をとる場合、レニウムドーパントの存在させるこ
とにより、感度を制御したり及び/又は低照度相反則不
軌を減少させることができる。更に、乳剤が高塩化物濃
度乳剤の形態をとる場合、ドーパントとしてレニウムを
存在させることにより、室内光下で取り扱うことができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は臭化銀結晶構造の概略図であり、イオンの上層
が{100}結晶面に沿って存在する。 1……結晶構造、2,2a……銀イオン、及び 3,3a……臭化物イオン。
フロントページの続き (72)発明者 ジェイムス レイモンド バンテイン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,カードーガン スクエア 19 (72)発明者 ミラ トフォロン オルム アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ウィクリフ ドライブ 181 (72)発明者 レイモンド スタンレー イーカス アメリカ合衆国,ニューヨーク,14618, ロチェスター,サン ラファエル ドラ イブ 30 (56)参考文献 特公 平6−12404(JP,B2) 米国特許3790390(US,A) 米国特許4835093(US,A) 米国特許4847191(US,A) 欧州公開336689(EP,A1) 欧州公開242190(EP,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/035 G03C 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にレニウムイオンを含有する面心立方
    結晶格子構造を示す感輻射線ハロゲン化銀粒子からな
    る、ハロゲン化銀写真乳剤。
JP1088169A 1988-04-08 1989-04-10 ハロゲン化銀写真乳剤 Expired - Lifetime JP2761028B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US179380 1988-04-08
US07/179,380 US4835093A (en) 1988-04-08 1988-04-08 Internally doped silver halide emulsions

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0220855A JPH0220855A (ja) 1990-01-24
JP2761028B2 true JP2761028B2 (ja) 1998-06-04

Family

ID=22656362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1088169A Expired - Lifetime JP2761028B2 (ja) 1988-04-08 1989-04-10 ハロゲン化銀写真乳剤

Country Status (3)

Country Link
US (1) US4835093A (ja)
EP (1) EP0336689A1 (ja)
JP (1) JP2761028B2 (ja)

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4945035A (en) * 1988-04-08 1990-07-31 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US4835093A (en) 1988-04-08 1989-05-30 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions
US4937180A (en) * 1988-04-08 1990-06-26 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US4981781A (en) * 1989-08-28 1991-01-01 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US5037732A (en) * 1989-08-28 1991-08-06 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US5240828A (en) * 1989-12-22 1993-08-31 Eastman Kodak Company Direct reversal emulsions
US5024931A (en) * 1990-01-05 1991-06-18 Eastman Kodak Company Photographic emulsions sensitized by the introduction of oligomers
EP0514450B1 (en) * 1990-02-06 1994-04-20 Eastman Kodak Company Photographic recording material provided with an absorbing layer for photographic speed reduction
DE69222385T2 (de) * 1991-03-22 1998-04-09 Eastman Kodak Co Kombinationen von dotierungen mit iridium und uebergangsmetallnitrosylkomplexen in silberhalogenid
JPH04305644A (ja) * 1991-04-03 1992-10-28 Konica Corp ハロゲン化銀カラー写真感光材料
DE69230387T2 (de) 1991-04-22 2000-06-29 Fuji Photo Film Co Ltd Photographische Silberhalogenidmaterialien und Verfahren zu ihrer Verarbeitung
US5320938A (en) * 1992-01-27 1994-06-14 Eastman Kodak Company High chloride tabular grain emulsions and processes for their preparation
JPH05281642A (ja) * 1992-04-01 1993-10-29 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP2913529B2 (ja) * 1992-06-05 1999-06-28 富士写真フイルム株式会社 内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたカラー拡散転写写真フィルムユニット
JPH06102604A (ja) * 1992-09-22 1994-04-15 Konica Corp ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料
JPH06242539A (ja) * 1993-01-12 1994-09-02 Eastman Kodak Co コントラスト改良用ドーピング剤含有ハロゲン化銀写真乳剤
US5256530A (en) * 1993-01-12 1993-10-26 Eastman Kodak Company Photographic silver halide emulsion containing contrast improving grain surface modifiers
US5252451A (en) * 1993-01-12 1993-10-12 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally and externally modified silver halide grains
US5385817A (en) * 1993-01-12 1995-01-31 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally and externally modified silver halide grains
US5360712A (en) * 1993-07-13 1994-11-01 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions and processes for their preparation
US5411855A (en) * 1993-12-16 1995-05-02 Eastman Kodak Company Photographic element exhibiting improved speed and stability
US5399479A (en) * 1993-12-16 1995-03-21 Eastman Kodak Company Photographic element exhibiting improved speed and stability
US5457021A (en) * 1994-05-16 1995-10-10 Eastman Kodak Company Internally doped high chloride {100} tabular grain emulsions
US5491058A (en) 1994-08-09 1996-02-13 Eastman Kodak Company Film for duplicating silver images in radiographic films
DE69519906T2 (de) 1994-08-26 2001-07-19 Eastman Kodak Co Ultradünne Tafelkorn-Emulsionen mit Sensibilisierungs-Steigerungen (II)
DE69517372T2 (de) 1994-08-26 2001-02-15 Eastman Kodak Co Tafelkornemulsionen mit verbesserter Sensibilisierung
US5480771A (en) * 1994-09-30 1996-01-02 Eastman Kodak Company Photographic emulsion containing transition metal complexes
US5462849A (en) * 1994-10-27 1995-10-31 Eastman Kodak Company Silver halide emulsions with doped epitaxy
US5474888A (en) * 1994-10-31 1995-12-12 Eastman Kodak Company Photographic emulsion containing transition metal complexes
US5500335A (en) * 1994-10-31 1996-03-19 Eastman Kodak Company Photographic emulsion containing transition metal complexes
US5853951A (en) * 1995-10-05 1998-12-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic material
JP3508081B2 (ja) 1995-10-30 2004-03-22 コニカミノルタホールディングス株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤および処理方法
US5935772A (en) * 1995-11-21 1999-08-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic light-sensitive material and package thereof
JP3448724B2 (ja) 1995-11-29 2003-09-22 コニカ株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料用現像剤及びその処理方法
EP0933671B1 (en) * 1998-01-30 2001-11-21 Agfa-Gevaert N.V. A photosensitive image-forming element containing tabular silver halide (iodo)bromide crystals which are internally modified with a metal ligand complex forming deep electron traps
US6162599A (en) * 1998-01-30 2000-12-19 Agfa-Gevaert, N.V. Photosensitive image-forming element containing silver halide crystals which are internally modified with a metal ligand complex forming deep electron traps
JP4137348B2 (ja) * 2000-06-13 2008-08-20 富士フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
US8034542B2 (en) 2006-03-28 2011-10-11 Fujifilm Corporation Conductive film and manufacturing method thereof, and transparent electromagnetic shielding film
JP5009116B2 (ja) 2006-09-28 2012-08-22 富士フイルム株式会社 自発光表示装置、透明導電性フイルム、エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池用透明電極及び電子ペーパー用透明電極
JP5588597B2 (ja) 2007-03-23 2014-09-10 富士フイルム株式会社 導電性材料の製造方法及び製造装置
EP2009977A3 (en) 2007-05-09 2011-04-27 FUJIFILM Corporation Electromagnetic shielding film and optical filter

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3790390A (en) 1970-12-30 1974-02-05 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic silver halide light-sensitive materials
US4835093A (en) 1988-04-08 1989-05-30 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions
US4847191A (en) 1986-04-15 1989-07-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Silver halide photographic materials having rhodium cyanide dopants

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2448060A (en) * 1945-08-30 1948-08-31 Eastman Kodak Co Photographic emulsions sensitized with salts of metals of group viii of the periodicarrangement of the elements
US2458442A (en) * 1947-10-17 1949-01-04 Eastman Kodak Co Fog inhibitor for photographic emulsions
US2950972A (en) * 1954-11-24 1960-08-30 Gen Aniline & Film Corp Photographic emulsions having increased sensitivity to x-ray and gamma ray radiation
GB1059782A (en) * 1962-09-11 1967-02-22 Eastman Kodak Co Photographic silver halide emulsions and sensitive materials prepared therefrom
US3890154A (en) * 1969-12-24 1975-06-17 Fuji Photo Film Co Ltd Light-sensitive silver halide photographic materials
JPS5232569B2 (ja) * 1972-08-31 1977-08-23
US4147542A (en) * 1975-05-27 1979-04-03 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Silver halide photographic emulsions for use in flash exposure
US4269927A (en) * 1979-04-05 1981-05-26 Eastman Kodak Company Internally doped surface sensitized high chloride silver halide emulsions and photograhic elements and processes for their preparation
US4471050A (en) * 1982-12-20 1984-09-11 Eastman Kodak Company Silver halide emulsions and photographic elements containing composite grains
JPH07113739B2 (ja) * 1986-03-14 1995-12-06 コニカ株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3790390A (en) 1970-12-30 1974-02-05 Fuji Photo Film Co Ltd Photographic silver halide light-sensitive materials
US4847191A (en) 1986-04-15 1989-07-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Silver halide photographic materials having rhodium cyanide dopants
US4835093A (en) 1988-04-08 1989-05-30 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions

Also Published As

Publication number Publication date
EP0336689A1 (en) 1989-10-11
US4835093A (en) 1989-05-30
JPH0220855A (ja) 1990-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2761028B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JP2565564B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
US4142900A (en) Converted-halide photographic emulsions and elements having composite silver halide crystals
JPH08101474A (ja) 輻射線感性乳剤及び写真要素
US4981781A (en) Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
JPS59177535A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤およびその製造方法
JPH08211530A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
US5631126A (en) Epitaxially sensitized tabular grain emulsions containing speed/fog sulfodihydroxy aryl enhancing addenda
EP0515894A1 (en) High edge cubicity tabular grain emulsion
EP0743554B1 (en) Photographic emulsions with high speed and low granularity
JPS6342769B2 (ja)
JPS6343734B2 (ja)
JPH08101473A (ja) 輻射線感性乳剤及び写真要素
US5358841A (en) Method for preparing a silver halide emulsion
JPS63305344A (ja) 経時カブリ等の少ない改良されたハロゲン化銀写真感光材料
US6727055B1 (en) High bromide cubic grain emulsions
JPH08101472A (ja) 輻射線感性乳剤及び写真要素
JP2002287280A (ja) ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法
JP2603168B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JPH08171164A (ja) 輻射線感性乳剤
JPH09258363A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0869066A (ja) 高端立方性平板状粒子乳剤
JPH08171161A (ja) 輻射線感性乳剤
JPH07319096A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09160183A (ja) X線画像形成方法