JP2565564B2 - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真に関する。より詳細には、本発明は、ハ
ロゲン化銀写真乳剤及びこれらの乳剤を含有する写真要
素に関する。
〔従来の技術〕
トリベリ(Trivelli)及びスミス(Smith)による1948
年8月31日発行の米国特許第2,448,060号には、式R2MX6
(式中、Rは水素、アルカリ金属又はアンモニウム基で
あり、Mはパラジウム又は白金三つ組み遷移金属であ
り、Xはハロゲン原子、例えば、塩素又は臭素である)
で表されるパラジウム又は白金三つ組み遷移金属化合物
を、ハロゲン化銀乳剤を製造するいずれかの段階、即
ち、ハロゲン化銀粒子の沈澱前若しくは沈澱中、第一熟
成(物理熟成)前若しくは熟成中、第二熟成(化学熟
成)前若しくは熟成中、又は塗布の直前に添加すること
により、ハロゲン化銀乳剤を増感することができること
が教示されている。
上記式で表される化合物は、水溶性の六配位重遷移金
属錯体である。水に溶解すると、R2は2つの陽イオンと
して解離し、遷移金属及びハロゲン配位子は六配位陽イ
オン錯体として分散する。
更なる研究により、乳剤製造工程において、遷移金属
化合物をハロゲン化銀粒子の沈澱中に乳剤に導入するか
又はその後に導入するかで、ハロゲン化銀乳剤における
遷移金属化合物の写真効果に顕著な差があることが判明
した。前者の場合、遷移金属がドーパントとしてハロゲ
ン化銀粒子に入り込むことができるので、たとえ極めて
低濃度でしか存在しない場合でも、写真特性を変化させ
るのに効果的であることが一般的に認められている。ハ
ロゲン化銀粒子の沈澱が完了した後に遷移金属化合物を
乳剤に導入する場合、遷移金属化合物は粒子表面に吸収
されることができるが、しゃく解剤の相互作用により粒
子接触がほとんど不可能になることがある。ハロゲン化
銀粒子の生成後に遷移金属を添加する場合には、ドーパ
ントとしてハロゲン化銀粒子に含有せしめる場合に比較
して、限界写真効果を示すには、はるかに高濃度の遷移
金属が必要である。ハロゲン化銀粒子の生成中に遷移金
属化合物を添加することによる金属ドーピングと、ハロ
ゲン化銀粒子の生成後に遷移金属化合物を添加すること
による遷移金属増化合物感剤との技術上の相違が、リサ
ーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)、
第176巻、1978年12月発行、アイテム17643に説明されて
いる。即ち、リサーチ・ディスクロージャーの第I A章
には粒子の沈澱中に導入される金属増感剤についての記
載があり、第III A章には化学増感中に導入される金属
増感剤についての記載があって、そこには各方法に関連
した全く異なった従来技術の教示事項が載せられてい
る。リサーチ・ディスクロージャーは、英国のP010 7DD
ハンプシャーのエムスワースにあるケネス・マソン・パ
ブリケーションズ社により発行されている。
遷移金属ドーパントはハロゲン化銀粒子中で極めて小
濃度において検出されることができること、及び通常粒
子の沈澱中に導入する遷移金属化合物における残りの元
素ははるかに検出されにくい(例えば、ハロゲン化物若
しくはアコ配位子又はハロゲン化物イオン)ので、粒子
の分析は、粒子構造体における遷移金属ドーパント濃度
を検出したり定量化することに集中している。トリベリ
及びスミスは遷移金属の陰イオン六配位ハロゲン化物錯
体のみを用いることを教示しているが、挙げられている
遷移金属化合物のほとんどでないにしても多くは、ハロ
ゲン化銀粒子の生成中に導入すると、遷移金属の単純塩
及び遷移金属錯体を無差別に一緒に固まりにしてしま
う。このことは、粒子の生成における配位子の包接及び
この包接による性能の変化についてはいままで見落とさ
れてきたことを示している。
事実、写真に関する文献を調査しても、遷移金属がパ
ラジウム及び白金三つ組み遷移金属以外である化合物
で、化合物の残りがハロゲン化物配位子以外、ハロゲン
化物及びアコ配位子、解離して溶液中で陰イオンを形成
するハロゲン化物又は溶液中で解離して陽イオンを生成
するアルカリ金属成分によって提供されるような遷移金
属化合物を粒子の生成中に添加することに関する教示が
ほとんどなされていない。
〔発明が解決しようとする課題〕 ハロゲン化銀写真は、像形成に関する広範囲の必要性
を満たすことができる。アマチュアの35mmの写真家は、
最小の薄明かりから真昼の海浜及びスキーの環境にわた
る照明条件下で、一日だけあるいは数カ月の期間にわた
って写真をとったり、直ちに現像したり又は数カ月後に
現像したり、夏における直射日光及び息苦しくなる程の
熱条件下又は真冬に一晩中自動車の中に放置されたりす
る条件下で、所有するカメラで可能なシャッター速度の
全範囲、一般的には、1秒の1/10以上から1秒の1/1000
以下のシャッター速度の範囲で、信頼性のある像をとる
ことを期待している。フィルムを代表とする複雑な化学
系にとって、これらは厳しい要求である。速度、コント
ラスト、カブリ、感圧性、高照度及び低照度相反則不軌
並びに潜像保存等のパラメータの全ては、許容される写
真性能を達成するのに重要である。
これに対して、特殊写真及び専門写真の場合には、ア
マチュア写真家のように、単一のフィルムに対して多様
な要求はしないが、常に満足しなければならないさらに
厳しい性能上の基準が課せられる。アクションや運動の
研究のための写真の場合には、極めて早い写真速度が必
要である。シャッター速度を早くするには、高照度露光
が必要なことがある。このような用途の場合には、高照
度相反則不軌を防止しなければならない。天体写真の場
合にも、高レベルの写真感度が要求されるが、天体から
の弱い光を捕らえるために、露光時間を数時間に延ばす
ことができる。このような用途の場合、低照度相反則不
軌を防止する必要がある。医療用放射線写真の場合に
は、高写真感度が必要とされるとともに、局部圧力によ
り感度が変化しないこと(例えば、キンク減感)が、大
きなフォーマットにおいては特に重要である。又、ポー
トレート写真の場合には、低いコントラストからかなり
高いコントラストの範囲から適当なコントラストを選択
して所望のビューアーレスポンスが得られるようにする
必要がある。グラフィックアーツ写真の場合には、極め
て高いレベルのコントラストが要求される。ある場合に
は、感度を減少(部分減感)させて、通常の安全赤照明
よりも視覚の疲労が少ない照明条件下(例えば、室内灯
及び/又は緑若しくは黄色光)でフィルムを取り扱える
ようにすることが好ましいこともある。カラー写真の場
合には、フィルムの有効寿命全体にわたって、青色、緑
色及び赤色の感光記録を慎重に調和させる必要がある。
ほとんどのハロゲン化銀写真材料はネガ像を生じるが、
多くの用途でポジ像が必要とされている。このようなこ
とから、ポジ像の直接生成及びネガ形写真材料を反転処
理することによるポジ像の生成の両方が、かなりの写真
のニーズを満足する。
像に関する特定の要件を満足させるためにハロゲン化
銀写真材料の特性を適応させようとする際、感輻射線ハ
ロゲン化銀粒子に遷移金属ドーパントを利用することが
一般的に行われた。しかしながら、遷移金属ドーピング
により乳剤特性を変えることに関する進歩は、停滞して
しまった。このことは、粒子内において用いられる遷移
金属の数が限られているだけでなく、遷移金属の可能な
濃度及び配置の数も限定されていることによるものであ
る。
本発明は、遷移金属及びその配位子の両方を有する遷
移金属錯体は、感間輻射線ハロゲン化銀粒子の面心立方
結晶構造の内部に包接されて写真特性を変えることがで
きるという知見に基づくものである。更に、遷移金属の
みならず配位子も、写真性能を決定する際に重要な役割
を果たす。ハロゲン化銀粒子に含有せしめるための一種
以上の新規な配位子を選択することにより、ハロゲン化
銀写真乳剤を有効に改質することができる。
本発明の目的は、改善された写真特性を示す、面心立
方結晶格子構造の感輻射線ハロゲン化銀粒子を有するハ
ロゲン化銀写真乳剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的は、内部にニトロシル又はチオニトロシ
ル配位配位子及び周期律表の第5〜10族の元素から選択
される遷移金属を含有する面心立方結晶格子構造を示す
感輻射線ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀写真乳
剤を提供することにより達成することができる。
元素の周期律表の周期及び族についての引用は、全
て、米国化学会によって採用されており、1985年2月4
日発行のケミカル アンド エンジニアリング ニュー
ズ(Chemical and Engineering News)の第26頁に記載
されている周期律表のフォーマットを基本としている。
この形式では、周期については番号付は従来のままであ
るが、族のローマ数字の番号付及びA及びB族の呼称
(米国とヨーロッパでは反対の意味をもつ)を変更し
て、単に、族に対して左から右に1〜18の番号をつけて
ある。
「ドーパント」とは、ハロゲン化銀粒子内に含有され
る銀又はハロゲン化物イオン以外の物質を意味する。
「遷移金属」とは、元素の周期律表の第3〜12族のい
ずれかの元素を意味する。
「重遷移金属」とは、元素の周期律表の第5〜6周期
の遷移金属を意味する。
「軽遷移金属」とは、元素の周期律表の第4周期の遷
移金属を意味する。
「パラジウム三つ組遷移金属」は、第8〜10族におけ
る第5周期元素、即ちルテニウム、ロジウム及びパラジ
ウムを意味する。
「白金三つ組遷移金属」は、第8〜10族における第6
周期元素、即ちオスミウム、イリジウム及び白金を意味
する。
「EPR」とは、電子常磁性共鳴を意味する。
「ESR」とは、電子スピン共鳴を意味する。
「pKSP」とは、化合物の溶解度積定数の負対数を示
す。
又、特記のない限り、粒子サイズは粒子の平均有効円
直径であり、平均有効円直径とは粒子の投影面積に等し
い面積を有する円の直径である。
写真感度は、特記のない限り、相対感度で示されてい
る。
通常β及びγ相のみを形成するヨウ化銀とは異なり、
塩化銀及び臭化銀の各々は、岩塩型の面心立方結晶格子
構造を形成する。銀イオン2と臭化物イオン3の結晶構
造1の4個の格子面を第1図に示す。第1図において、
イオンの上層は{100}結晶面である。第1図の底部か
ら数えて4列のイオンは{100}結晶面であり、上層の
イオンによって占められている{100}結晶面と垂直に
交差している。銀イオン2a及び臭化物イオン3aを含有し
ている列は、両方の交差面にある。2個の各{100}結
晶面において、各銀イオン及び各臭化物イオンは、それ
ぞれ4個の臭化物イオン及び4個の銀イオンに隣接して
いる。3次元においては、各内部銀イオンは、同一{10
0}結晶面で4個及び面の各側面に1個づつ、即ち、合
計6個の臭化物イオンに隣接している。これと同様の関
係が、各内部臭化物イオンにある。
塩化銀結晶におけるイオンの配列は、塩化物イオンは
臭化仏イオンより小さいことを除いて、第1図に示した
ものと同様である。写真乳剤におけるハロゲン化銀粒子
は、ハロゲン化物として臭化物を単独、ハロゲン化物と
して塩化物を単独、又はこれら2つの混合物を用いて生
成することができる。又、通常、写真ハロゲン化銀乳剤
に少量のヨウ化物イオンを含有せしめる。塩素、臭素及
びヨウ素は、それぞれ第3、第4及び第5周期元素であ
るので、ヨウ化物イオンは臭化物イオンよりも大きい。
臭化銀立方結晶格子構造において、ヨウ化銀が別個の相
として分離する前は、ヨウ化物イオンが総ハロゲン化物
の40モル%をも占める場合がある。写真乳剤において
は、ハロゲン化銀粒子のヨウ化物濃度は、銀に対して20
モル%を超えることはめったになく、一般的には、10モ
ル%未満である。しかしながら、特殊な用途では、ヨウ
化物の使用法が大きくことなる。例えば、ヨウ化物が存
在すると特定レベルの粒状度では感度を早めることがで
きることから、高感度(ASA100以上)カメラフィルムで
はヨウ臭化銀が用いられる。又、放射線写真の場合に
は、通常、5モル%のヨウ化物を含有する臭化銀乳剤又
はヨウ臭化銀乳剤が用いられる。グラフィックアーツ及
びカラー紙に用いられる乳剤は、一般的に50モル%を超
える量、好ましくは70モル%を超える量、最適には85モ
ル%を超える量の塩化物を含有しているが、ヨウ化物の
含有量は5モル%未満、好ましくは2モル%未満であ
り、塩化物又はヨウ化物以外のハロゲン化物の残りは、
臭化物である。
本発明は、遷移金属錯体が粒子の立方結晶構造の内部
に導入された写真ハロゲン化銀乳剤に関する。このよう
な取り込まれる錯体のパラメータは、空間に六配位レニ
ウム錯体を収容するために、結晶構造から除去しなけれ
ばならない、1個の銀イオン及び6個の隣接するハロゲ
ン化物イオン(以下、まとめて「7個の空格子点イオ
ン」と称する)の特性を考えるとおおよそ理解できる。
7個の空格子点イオンは、−5の正味電荷を示す。この
ことは、陰イオン遷移金属錯体は中性又は陽イオン遷移
金属錯体よりも容易に結晶構造に含有含有せしめること
ができるであろうことを示している。又、このことは、
六配位遷移金属が光発生正孔又は電子を捕捉する能力
は、かなりの程度まで、導入される錯体の正味電荷が置
換する7個の空格子点イオンよりもより負の程度が大き
いか小さいかによって決まることも示している。このこ
とは、遷移金属は裸イオン(bare ion)としてハロゲン
化銀粒子に取り込まれ、正孔又は電子捕捉正は専らそれ
らの酸化状態との相関関係によるものであるとする一般
的な見解とは異なる重要な点である。
更に、第1図において、銀は第5周期であり臭素は第
4周期であるけれども、銀イオンは臭化物イオンよりも
はるかに小さいことに留意しなければならない。又、格
子には、臭化物イオンよりもまた大きいヨウ化物イオン
だ収容されることが知られている。このことにより、第
5周期及び第6周期遷移金属のサイズは、それ自体、そ
の取り込みに対しては何ら障害となならないことが分か
る。7個の空格子点イオンから引き出される最後の事柄
として、6個のハロゲン化物イオンは、空格子点イオン
基の中心を形成する単一の銀イオンに対してイオン引力
を示すだけでなく、他の隣接銀イオンにも引きつけられ
ることが挙げられる。
本発明では、ハロゲン化銀粒子内部において、中央遷
移金属イオン及び配位配位子を含有する遷移金属錯体を
用いる。含有せしめるのに好ましい配位錯体は六配位錯
体である。これは、遷移金属イオンが銀イオンの位置を
占めるができ、六配位配位子が置換した銀イオンに隣接
する6個のハロゲン化物イオンの位置を占めることがで
きるからである。又、配位錯体は、四配位錯体等の別の
多配位錯体であってもよい。このような錯体は、銀イオ
ンの一つと置換できるとともに、結晶格子構造を形成す
る単一平面に存在するハロゲン化物イオンに隣接するこ
とができる。四配位錯体及び六配位錯体の両方とも、写
真学的に有効なハロゲン化銀の面心立方結晶格子構造と
適合する空間配置を示す。六配位錯体は、6個の配位子
が結晶構造において銀イオンに隣接する6個のハロゲン
化物イオンと空間的に類似していることから、最も適合
性がある。
ハロゲン化物配位子又は上記したイーチャス(Eachu
s)により開示されてるアコ配位子以外の配位子がハロ
ゲン化銀立方体結晶格子構造に収容されることができる
ことを理解するためには、遷移金属とその配位子との間
の引力は、イオン性ではなく、イオン結合よりも強い共
有結合によるものであることを考慮する必要がある。六
配位錯体の大きさは、その錯体を形成している原子の大
きさだけでなく、原子間の結合の強度によっても決まる
ので、たとえ錯体を形成している個々の原子の数及び/
又は直径が空格子点イオンを超えても、配位錯体は、ハ
ロゲン化銀結晶構造における、他の場合なら空格子点イ
オンによって占有される間隙に空間をふさぐようにして
収容されることができる。このことは、共有結合強度に
より結合距離が著しく減少するので、その結果、錯体全
体の大きさが減少することによるものである。遷移金属
配位錯体の多原子配位子が、結晶構造内部の単一のハロ
ゲン化物イオンの空格子点の空間に収容されることがで
きるというのが、本発明独特の認識である。
適当な遷移金属配位錯体を選択する際には空間的適合
性が重要であるが、考慮しなければならない他の因子と
して、錯体と、結晶格子構造における隣接イオンとの適
合性が挙げられる。本発明によれば、遷移金属錯体用の
架橋配位子を選択することにより適合させることができ
る。立方結晶格子構造における1列の銀及びハロゲン化
物イオンを見てみると、次の関係があることが分かる。
Ag+X-Ag+X-Ag+X-Ag+X-、等 ここにおいて、ハロゲン化物イオンXがその列における
隣接する両方の銀イオンを引きつけていることが分か
る。結晶構造において、1列の銀及びハロゲン化物イオ
ンに遷移金属配位錯体が存在することを考慮すると、次
の関係があることが分かる。
Ag+X-Ag+−L−M−L−Ag+X-、等 (式中、Mは遷移金属であり、Lは架橋配位子であ
る)。
1列の銀及びハロゲン化物イオンのみを示したが、錯体
は、交点として遷移金属Mを有する銀及びハロゲン化物
イオンからなる3つの同一の垂直列の一部分を形成して
いることが理解できる。四配位錯体では、配位子は共通
面に存在する2つの交差列の各々に位置しているのに対
して、六配位錯体では、配位子は3つの同一の交差して
いるイオン列の各々に位置している。架橋配位子は、2
つ以上の金属中心間の架橋基としての役割を果たすもの
である。架橋配位子は、当座配位子でも多座(ambident
ate)配位子でもよい。単座架橋配位子は、2個(又は
それ以上)の異なる金属原子に対して2つ(又はそれ以
上)の結合を形成する配位原子を一つだけ有している。
ハロゲン化物等の単原子配位子及び供与体として可能な
原子を一つだけ含有している配位子の場合、架橋の単座
形態は一つだけ可能である。2つ以上の供与体原子を有
する多元素配位子も、架橋の際機能することができ、多
座配位子と呼ばれる。
本発明の要件を満足する遷移金属配位錯体は、一種以
上のニトロシル又はチオニトロシル配位子を含有するも
のである。ニトロシル配位子は、一般的には、下記の構
造を有する単座架橋配位子であるとされている。
一方、チオニトロシル(−NS)配位子は、厳密に単座又
は厳密に多座架橋配位子として分類されることはできな
い。遷移金属に対する結合は窒素原子を介してである
が、窒素又は硫黄原子を介して隣接銀ンイオンが引力を
示すと考えるのが妥当であろう。
ハロゲン化銀の結晶構造を考慮することにより、単純
遷移金属ハロゲン化物塩及びハロゲン化物配位子のみを
含有する六配位遷移金属錯体のどちらかを用いて同一の
写真効果を得ることができることは当該技術分野におい
てほとんど実証されたことは明らかである。従来技術で
は、ハロゲン化物イオンの包接に起因する写真特性の利
点又は改善についての認識がなく、又、アコ配位包接に
よる写真特性の改善についてなんらの考察がなされてい
ない。後者の点について、ハロゲン化銀粒子は、一般的
に、ハロゲン化物イオンを含有する水性媒体で沈澱され
るので、六配位金属遷移錯体におけるハロゲン化物ハロ
ゲン化物を1個又は2個のアコ配位子で置換することに
より粒子構造の改善がなされるかどうか大きな疑問であ
る。これには、アコ配位子が沈澱前若しくは沈澱中にハ
ロゲン化物イオンと置換するという解釈と、アコ吸蔵が
一般的に理解されているよりはもっと普通に起こるとす
る解釈の2つの考えられる解釈がある。本発明は、従来
技術の一般的に受け入れられている教示事項とは相反す
るものである。上記したトリベリ及びスミスの発見以来
40年間、当該技術分野において広範な実験研究がなさ
れ、単純塩の形態でハロ配位子遷移錯体又はこれに類似
するアコ配位子に置換された一種以上のハロ配位子を有
するハロ錯体を、沈澱媒体に添加することにより遷移金
属をハロゲン化銀粒子の内部に導入するかしないかとは
無関係に同様の写真性能が得られることが報告されてい
る。
これに対して、本発明は、遷移金属配位錯体のニトロ
シル及び/又はチオニトロシル配位子が写真性能を改善
するのに重要な役割を果たすという認識によるものであ
る。本発明の要件を満足する遷移金属配位錯体の好まし
いものとしては、下式で表される六配位錯体が挙げられ
る: 〔ML4(NY)L′〕 ……(I) (式中、Mは元素の周期律表の第5〜10族の元素から選
ばれる遷移金属であり、 Lは架橋配位子であり、 L′はL又は(NY)であり、 Yは酸素又は硫黄であり、 nは0、−1,−2又は−3である)。
本発明による写真乳剤において、立方体結晶格子構造
は、写真性能を改善するための少なくとも1個の新規な
(本技術分野において)ニトロシル又はチオニトロシル
配位子を含有する遷移金属配位錯体、好ましくは六配位
遷移金属錯体を内部に有している。残りの配位子として
は、更なるニトロシル又はチオニトロシル架橋配位子等
の適当な架橋配位子を選択することができる。
ニトロシル及びチオニトロシル架橋配位子以外の架橋
配位子の好ましいもの具体例としては、アコ配位子、ハ
ロゲン化物配位子(具体的には、フッ化物、塩化物、臭
化物及びヨウ化物)、シアン化物配位子、シアネート配
位子、チオシアネート配位子、セレノシアネート配位
子、テルロシアネート配位子及びアジド配位子が挙げら
れる。又、他の架橋配位子を選択してもよい。ニトロシ
ル又はチオニトロシル配位子は、総配位子の一つ又は二
つを占めることが好ましく、又、アコ配位子も、存在す
る場合には、配位子の一つ又は二つを占めることが好ま
しい。ニトロシル及びチオニトロシル配位子の他に最大
5個のハロゲン化物及び/又はシアン化物を包含する六
配位遷移金属錯体が特に好ましい。
本発明の実施には、配位錯体を形成することのできる
いずれの遷移金属も用いることができる。周期律表の第
5〜10族の遷移金属が、四配位子及び六配位錯体を形成
することが知られている。第5〜7族における遷移金属
の好ましいものとしては軽(第4周期)遷移金属が挙げ
られ、第8〜10族では白金及びパラジウム三つ組重遷移
金属が好ましい。
ほとんどの場合、粒子に含有せしめる遷移金属配位錯
体は、正味イオン電荷を示す。従って、一種以上の対イ
オンは、通常、錯体と結合して電荷中性化合物を生成す
る。錯体及びその対イオンは、ハロゲン化銀粒子の生成
に用いられるような水性媒体に導入すると解離するの
で、対イオンはほとんど重要性を有していない。アンモ
ニウム及びアルカリ金属対イオンは、これらの陽イオン
がハロゲン化銀沈澱操作によく適合していることが知ら
れており、本発明の要件を満足する陰イオン六配位錯体
に特に適している。
本発明の要件を満足する六配位遷移金属錯体の実例を
表1に示す。
表1 TMC−1 〔V(NO)(CN)-3 TMC−2 〔Cr(NO)(CN)-3 TMC−3 〔Mn(NO)(CN)-3 TMC−4 〔Fe(NO)(CN)-2 TMC−5 〔Ru(NO)Cl5-2 TMC−6 〔Ru(NO)Br5-2 TMC−7 〔Ru(NO)I5-2 TMC−8 〔Ru(NO)F5-2 TMC−9 〔Ru(NO)Cl3(H2O) TMC−10 〔Ru(NO)Cl3Br(H2O)〕-1 TMC−11 〔Ru(NO)Cl4(OCN)〕-2 TMC−12 〔Ru(NO)Cl4(CN)〕-2 TMC−13 〔Ru(NO)I4(TeCN)〕-2 TMC−14 〔Ru(NO)Cl4(SCN)〕-2 TMC−15 〔Ru(NO)Br4(SeCN)〕-2 TMC−16 〔Ru(NO)I4(SeCN)〕-2 TMC−17 〔Ru(NO)Cl3(CN)-2 TMC−18 〔Ru(NO)Br2(CN)-2 TMC−19 〔Ru(NO)I2(CN)-2 TMC−20 〔Ru(NO)Cl4(N)-2 TMC−21 〔Ru(NO)Cl(CN)-2 TMC−22 〔Ru(NO)Br(SCN)-2 TMC−23 〔Ru(NO)I(CN)-2 TMC−24 〔Ru(NO)(CN)-2 TMC−25 〔Os(NO)Cl5-2 TMC−26 〔Os(NO)Br5-2 TMC−27 〔Os(NO)I5-2 TMC−28 〔Os(NO)F5-2 TMC−29 〔Os(NO)Cl4(TeCN)〕-2 TMC−30 〔Os(NO)Br4(OCN)〕-2 TMC−31 〔Os(NO)I4(TeCN)〕-2 TMC−32 〔Os(NO)Cl4(SeCN)〕-2 TMC−33 〔Os(NO)Br4(SeCN)〕-2 TMC−34 〔Os(NO)I4(SeCN)〕-2 TMC−35 〔Os(NO)Cl3(CN)-2 TMC−36 〔Os(NO)Br2(CN)-2 TMC−37 〔Os(NO)I2(SCN)-2 TMC−38 〔Os(NO)Cl2(SCN)-2 TMC−39 〔Os(NO)Cl(CN)-2 TMC−40 〔Os(NO)Br(CN)-2 TMC−41 〔Os(NO)I(SCN)-2 TMC−42 〔Os(NO)(CN)-2 TMC−43 〔Re(NO)(CN)-3 TMC−44 〔Re(NO)Cl5-2 TMC−45 〔Re(NO)Br5-2 TMC−46 〔Re(NO)Cl2(CN)-2 TMC−47 〔Ir(NO)Cl5-1 TMC−48 〔Ir(NO)Br5-1 TMC−49 〔Ir(NO)I5-1 TMC−50 〔Ir(NO)Cl3BrI〕-1 TMC−51 〔Ru(NS)Cl5-2 TMC−52 〔Os(NS)Br5-2 TMC−53 〔Ru(NS)I5-2 TMC−54 〔Os(NS)Cl4(N3)〕-2 TMC−55 〔Ru(NS)Br4(N3)〕-2 TMC−56 〔Os(NS)I4(N3)〕-2 TMC−57 〔Ru(NS)Cl4(CN)〕-2 TMC−58 〔Os(NS)Br4(CN)〕-2 TMC−59 〔Ru(NS)I4(CN)〕-2 TMC−60 〔Os(NS)Cl4(SCN)〕-2 TMC−61 〔Ru(NS)Br4(SCN)〕-2 TMC−62 〔Os(NS)I4(SCN)〕-2 TMC−63 〔Ru(NS)Cl4(SeCN)〕-2 TMC−64 〔Os(NS)Br4(SeCN)〕-2 TMC−65 〔Ru(NS)I4(SeCN)〕-2 TMC−66 〔Os(NS)Cl3(CN3-2 TMC−67 〔Ru(NS)Br3(N3-2 TMC−68 〔Os(NS)Cl3(SCN)-2 TMC−69 〔Ru(NS)Cl3(SeCN)-2 TMC−70 〔Ru(NS)Cl2(N3-2 TMC−71 〔Ru(NS)I2(CN)-2 TMC−72 〔Os(NS)Br2(SCN)-2 TMC−73 〔Ru(NS)Cl2(SeCN)-2 TMC−74 〔Ru(NS)Cl2(N3-2 TMC−75 〔Os(NS)I2(CN)-2 TMC−76 〔Ru(NS)Br2(SCN)-2 TMC−77 〔Os(NS)Cl2(SeCN)-2 TMC−78 〔Ru(NS)Cl(N3-2 TMC−79 〔Ru(NS)I(CN)-2 TMC−80 〔Ru(NS)Cl(SCN)-2 TMC−81 〔Os(NS)Cl(SeCN)-2 TMC−82 〔Ru(NS)(CN)-2 TMC−83 〔Ru(NS)(SCN)-2 TMC−84 〔Os(NS)(SeCN)-2 TMC−85 〔Ru(NS)(N3-2 TMC−86 〔MO(NO)(CN)-2 表1に示した化合物から出発して、六配位遷移金属錯
体を含有せしめることにより利点を生じさせるハロゲン
化銀写真乳剤を製造するための操作は、ハロゲン化銀粒
子に遷移金属ドーパントを導入することに関する従来技
術の教示事項を考慮することにより容易に理解すること
ができる。このような教示事項は下記の刊行物に記載さ
れている:ワーク(Wark)による米国特許第2,717,833
号;ベリマン(Berriman)による米国特許第3,367,778
号;バート(Burt)による米国特許第3,445,235号;ベ
ーコン(Bacon)等による米国特許第3,446,927号;コル
ト(Colt)による米国特許第3,418,122号;ベーコン(B
acon)による米国特許第3,531,291号;ベーコン(Baco
n)による米国特許第3,574,625号;特公昭49−33781号
(優先日:1968年5月10日);特公昭48−30483号(優先
日:1968年11月2日);大久保等による米国特許第3,89
0,154号;スペンス(Spence)等による米国特許第3,68
7,676号及び第3,690,891号;ギルマン(Gilman)等によ
る米国特許第3,979,213号;モッター(Motter)による
米国特許第3,703,584号;特公昭45−32738号(優先日:1
970年10月22日);シバ(Shiba)等による米国特許第3,
790,390号;ヤマスエ(Yamasue)等による米国特許第3,
901,713号;ニシナ(Nishina)等による米国特許第3,84
7,621号;リサーチ・ディスクロージャー、第108巻、19
73年4月発行、アイテム10801;サカイ(Sakai)による
米国特許第4,126,472号;ドステス(Dostes)等による
防衛公開第T962,004号及びフランス特許第2,296,204
号;英国特許明細書第1,527,435号(優先日:1975年3月
17日);特開昭51−107,129号(優先日:1975年3月18
日);ハブ(Habu)等による米国特許第4,147,542号及
び第4,173,483号;リサーチ・ディスクロージャー、第1
34巻、1975年6月発行、アイテム13452;特開昭52−65,4
32号(優先日:1975年11月26日);特開昭52−76,923号
(優先日:1975年12月23日);特開昭52−88,340号(優
先日:1976年1月26日);特開昭53−75,921号(優先日:
1976年12月17日);大塚等による米国特許第4,221,857
号;特開昭54−96,024号(優先日:1978年1月11日);
リサーチ・ディスクロージャー、第181巻、1979年5月
発行、アイテム18155;カニサワ(Kanisawa)等による米
国特許第4,288,533号;特開昭56−25,727号(優先日:19
79年8月7日);特開昭56−51,733号(優先日:1979年1
0月2日);特開昭55−166,637号(優先日:1979年12月
6日);及び特開昭56−149,142号(優先日:1970年4月
18日)。
ハロゲン化銀粒子を生成するとき、水性媒体に、可溶
性銀塩、通常硝酸銀、及び一種以上の可溶性ハロゲン化
物塩、通常ハロゲン化アンモニウム若しくはハロゲン化
アルカリ金属をいっしょに入れる。このとき、ハロゲン
化銀は高いpKSP値(室温で塩化銀の場合9.75〜ヨウ化銀
の場合16.09)を有しているので、ハロゲン化銀の沈澱
が起こる。遷移金属錯体をハロゲン化銀と共沈させる場
合、pKSP値の高い化合物も生成する。pKSP値が低すぎる
と、沈澱が起こらない。一方、pKSP値が高すぎると、化
合物が沈澱して別個の相を形成する。遷移金属錯体の銀
又はハロゲン化物対イオン化合物の場合の最適pKSP
は、写真ハロゲン化銀のpKSP値の範囲、即ち、約8〜2
0、好ましくは約9〜17の範囲内又はその近くでなけれ
ばならない。
ハロゲン化物配位子のみ又はアコ及びハロゲン化物配
位子のみを有する遷移金属錯体は、ハロゲン化銀と共沈
することが知られているので、1個又は2個の新規な配
位子の置換は一般的に共沈には問題がない。式1で表さ
れる全ての配位子は、たとえ錯体の配位子の全てを占め
ていても、所望のpKSP範囲の銀化合物及び共沈すること
のできる遷移金属錯体を生成する。
本発明の要件を満足する遷移金属錯体は、銀1モル当
たり、遷移金属ドーピングに際して従来から用いられて
きたのと同様の濃度でハロゲン化銀粒子に含有せしめる
ことができる。これに関しては、極めて広範囲の濃度が
知られており、上記したドステス(Dostes)等により教
示されている、ネガ形乳剤における低照度相反則不軌及
びキンク減感を減少するためのAg1モル当たり10-10モル
の低濃度から、上記したスペンサー(Spencer)等によ
り教示されている、色素減感を防止するためのAg1モル
当たり10-3モルの高濃度の範囲で使用される。有効な濃
度は、粒子のハロゲン化物含量、選択される遷移金属、
その酸化状態、含有せしめる特定の配位子及び所望の写
真効果により大きく異なり、表面減感せずに表面潜像形
成乳剤の性能向上させるには、銀1モル当たり10-6の濃
度が好ましい。一般的には、銀1モル当たり10-9〜10-6
モルの濃度が用いられている。遷移金属を用いてコント
ラストを増加するとともに、付随的又は意図的に感度を
減少させようとするグラフィックアーツ乳剤の場合に
は、他のネガ形乳剤よりは遷移金属ドーパント濃度が高
く、通常、銀1モル当たり最大10-4モルである。通常直
接ポジ乳剤で求められているような内部電子捕捉の場合
には、一般的に教示されている濃度は銀1モル当たり10
-6モル以上であり、通常用いられている濃度は銀1モル
当たり10-6〜10-4モルである。
本発明の要件を満足する混入された(内型の)遷移金
属配位錯体は別として、ハロゲン化銀粒子、ハロゲン化
銀粒子が一部分を構成している乳剤及びそれらを含有せ
しめる写真要素は、種々の従来の形態をとることができ
る。これらの従来の特徴並びに各教示事項に特に関連し
た特許及び刊行物が、上記したリサーチ・ディスクロー
ジャー、アイテム17643に記載されている。本発明の要
件を満足する遷移金属配位錯体は、平板状粒子乳剤、特
に薄く(0.2μm未満)及び/又は高いアスペクト比
(>8:1)平板状粒子乳剤に含有せしめることが好まし
い。これらの平板状粒子乳剤については、例えば、ウイ
ルガス(Wilgus)等による米国特許第4,434,226号;コ
フロン(Kofron)等による米国特許第4,439,520号;ダ
ウベンディーク(Daubendiek)等による米国特許第4,41
4,310号、第4,693,964号及び/又は第4,672,027号;ア
ボット(Abott)等による米国特許第4,425,425号及び第
4,425,426号ウエイ(Wey)による米国特許第4,399,215
号;ソルベルグ(Sorberg)等による米国特許第4,433,0
48号;ディッカーソン(Dickerson)等による米国特許
第4,414,304号;ミグノット(Mignot)による米国特許
第4,386,156号;ジョーンズ(Jones)等による米国特許
第4,478,929号;エバンス(Evans)等による米国特許第
4,504,570号;マスカスカイ(Maskasky)による米国特
許第4,400,463号、第4,435,501号、第4,643,966号、第
4,684,607号、第4,713,320号及び第4,713,323号;ウエ
イ(Wey)等による米国特許第4,414,306号;並びにソウ
インスキ(Sowinski)等による米国特許第4,656,122号
に記載されている。
特定の写真特性の向上を達成するために、本発明の要
件を満足する内型六配位遷移金属錯体をどのようにして
用いるかを以下に具体的に説明する。
A:非ハロゲン化物の具体的な利点 ここで述べる利点は、面心立方結晶格子構造を示すい
ずれのハロゲン化銀でも実現可能である。以下に述べる
具体的を利点は、以下Bにおいてより詳細に説明する高
塩化物乳剤及び必要に応じてヨウ化物を含有する臭化物
乳剤について認められたものである。ヨウ化物は臭化銀
への溶解度限界(約40モル%)まで乳剤中に存在するこ
とができるが、一般的には、総銀に対して20モル%未満
の濃度、より一般的には10モル%未満の濃度で存在す
る。乳剤中のヨウ化物の存在の有無とは無関係に、本発
明による錯体を含有せしめることにより、実質的に同様
の結果が得られる。
A−1:カブリ直接ポジ乳剤 前カブリ直接ポジ乳剤又は直接ポジ光漂白乳剤〔ジェ
ームズ(James)、ザ セオリー オブ ザ ホトグラ
フィック プロセス(The Theory of the Photograp
hic Process)、マラミラン社、第4版、1977年発行、
第185及び186頁に種類の一つとして記載されている)の
粒子に、式Iを満足する錯体のいずれかを含有せしめる
ことが特に好ましい。有効な濃度は、銀1モル当たり10
-8モルの小濃度から錯体の溶解限界、一般的には銀1モ
ル当たり約10-3モルの範囲である。本発明における典型
的な濃度は、銀1モル当たり10-6〜10-4モルの範囲であ
る。
意図する種類の光漂白乳剤では、表面カブリハロゲン
化銀粒子を用いる。露光により、表面カブリを漂白する
光発生正孔を生じる。錯体を含有せしめることにより乳
剤の感度が上昇することは、錯体が内部に電子を補捉し
ていることを示している。このため、カブリの表面漂白
に有効な正孔の数を減少する光発生正孔・電子対の再結
合を防止する。
当該技術分野においてよく理解されているように、写
真感度の利点の実質的なものは、還元と金増感剤の組み
合わせを用いて表面カブリを発生させることにより実現
することができる。この種の乳剤の例としては、内部に
上記した錯体を組み入れた粒子を含有しているもの及
び、さもなければ、ベリマン(Berriman)による米国特
許第3,367,778号並びにイリングシワース(Illingswort
h)による米国特許第3,501,305号、第3,501,306号及び
第3,501,307号の教示事項に一致しているものが挙げら
れる。
感度の減少 写真用途のあるものにおいては、感度を減少させて、
視覚的により好ましい作業条件下で写真材料を取り扱う
ことができるように(例えば、室内灯及び/又は緑若し
くは黄色光)感度を減少することが好ましいことがあ
る。
高塩化物濃度でこのような目的を達成するための六配
位錯体の好ましいものとしては下記を満足するものが挙
げられる: 〔M1(NO)(L1 ……(II) (式中、mは0、−1,−2又は−3であり、M1はクロ
ム、レニウム、ルテニウム、オスミウム又はイリジウム
であり、 L1はハロゲン化物及びシアン化物配位子のうちの一種
若しくはそれらの組み合わせ又はこれらの配位子と最大
2個のアコ配位子の組み合わせである)。
式IIの錯体は、感知できる感度減少を付与するいずれ
の濃度でも用いることができるが、過度の感度減少をさ
けるために、式IIの錯体を、銀1モル当たり1x10-4モル
未満の濃度で用いることが好ましい。特に好ましい濃度
は、銀1モル当たり1x10-9〜5x10-5の範囲である。式II
におけるニトロシル(NO)をチオニトロシル(NS)で置
換すると、写真感度の著しい減少も認められる。
B:高塩化物乳剤 この見出しに続いて挙げられている具体的実施態様
は、全て高ハロゲン化銀乳剤に関するものである。この
ような乳剤は、50モル%を超える(好ましくは70モル%
を超え、最適には85モル%を超える)塩化物を含有して
いる。又、乳剤は、5モル%未満(好ましくは2モル%
未満)のヨウ化物を含有し、もしハロゲン化物の残りが
ある場合には、臭化物である。
B−1:グラフィックアーツ乳剤 少なくとも一種のニトロシルハロゲン化物及び選択さ
れた族の遷移金属の一つを含有する六配位錯体を高塩化
物ハロゲン化銀粒子に含有せしめることにより、コント
ラストを大幅に向上(増加)することができる。この用
途に使用するのに好ましい六配位錯体は、式IIを満足す
るものである。濃度は、好ましくは銀1モル当たり2x10
-8〜1x10-4モルであり、最適には銀1モル当たり2x10-8
〜3x10-5モルでである。グラフィックアーツの用途の場
合、乳剤は単分散され、平均粒子サイズは0.7μm未満
が好ましく、最適には0.4μm未満である。
B−2:低照度相反則不軌の減少 金及び/又は中間カルコゲン(即ち、硫黄、セレン及
び/又はテルル)で表面増感し且つ式IIを満足する錯体
を含有せしめた高塩化物乳剤において、低照度相反則不
軌が減少することが認められた。上記A−2における感
度を減少するのに好ましい濃度と同様の濃度が、低照度
相反則不軌を減少させる場合にも好ましい。
B−3:カラーペーパー カラーペーパー(カラー印画紙)は、一般的に、3つ
の色生成層単位を包含しており、各単位には、少なくと
も一種の感輻射線ハロゲン化銀乳剤及び減色混色の原色
像色素を生成することのできる少なくとも一種の主薬を
含有している(カプラー及び他の従来の色素像生成主薬
については、上記したリサーチ・ディスクロージャー、
アイテム17643、第VII節参照)。カラーペーパーを形成
する際に使用するのが好ましい高塩化物乳剤は、臭化物
が総ハロゲン化物の20モル%未満、好ましくは総ハロゲ
ン化物の5モル%未満を占め、ヨウ化物が総ハロゲン化
物の1モル%未満を占め、又、ヨウ化物が存在する場合
は微量で存在することが好ましく、ハロゲン化物の残り
は塩化物である。
式IIを満足する錯体を、上記のA−2,B−1及びB−
2で記載したようなカラーペーパーの粒子に含有せしめ
ると、上記のA−2,B−1及びB−2で記載したのと同
様の一般的な効果を得ることができる。
〔実施例〕
本発明は、以下に述べる具体的な実施例を参照するこ
とによりよりよく理解することができる。
実施例1 ドーパントとしてのK2Ru(NO)Cl5の存在の有無で変
化をつけて、ゼラチン等のペプタイザーを使用せずにAg
Cl粉末を調製した。
溶液は以下のようにして調製した。
溶液1/1 硝酸銀 33.98g 蒸留水を加えて全量 100ml 溶液2/1 塩化カリウムム 15.66g 蒸留水を加えて全量 100ml ゼラチンの不存在下で、暗所で、100mlの2MAgNO3(溶
液1/1)を排出ビュレットを通し、100mlの2.1M KCl(5
%過剰)(溶液2/1)を第2排出ビュレットを通して共
通の反応容器に添加して、AgCl格子に陰イオン遷移金属
錯体〔Ru(NO)Cl5-2を含有せしめた。〔Ru(NO)C
l5-2錯体は、通常カリウム塩の形態で添加する。反応
容器には、最初に水100mlを入れておき、約50℃に予備
加熱しておいた。AgNO3及びKClの添加中には、反応容器
を激しく撹拌した。反応中、室温の反応物の流入によ
り、反応容器中の温度が50℃よりも数度下がった。添加
は一般的に約6〜7分で完了した。添加速度は、KClビ
ュレットでの添加速度がAgNO3の添加速度と等しいか僅
かに早いが、1ml以上早くはしないという唯一の基準に
おいて、手動で制御した。ドーパントは、第3ピペット
を介する場合とKCl溶液を介する場合の両方で添加した
が、2つの添加方法の間には、顕著な差はなかった。ド
ーパントは、別個のピペットを介して添加するとき、沈
澱の全体中に多数の個々の工程ごとに添加し、KClとと
もにKCl排出ビュレットを介して添加するときは、沈澱
の全体中に連続的に添加した。試料を水(沈澱したAgCl
の0.2モルに対して約500mlの水)で充分洗浄した。次
に、試料を、1回当たりアセトン約50mlで数回洗浄し、
毎回洗浄後にアセトンを傾しゃし、#2定性濾紙を用い
て濾過し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥するまで開
放ガラス皿に保存した。
AgClにドープし、365nmの輻射線に照射した〔Ru(N
O)Cl5-2試料を、約20Kの温度に冷却後、電子スピン
共鳴(ESR)分光分析したところ、測定g値が、g′
(垂直方向)が2.020±0.001でありg″(平行方向)が
1.933±0.001であるESRスペクトルが得られた。14N(I
=1、存在度99.63%)による更なる分裂28.3±0.5ガウ
スが、スペクトルのg領域に明瞭に得られた。このスペ
クトルは、電気化学還元により生成した常磁性〔Ru(N
O)(2,2′−ビピリジン)2Cl〕錯体に関する文献に
記載されているESRスペクトルに非常に類似している
〔アール ダブリュ キャラハン(R.W. Callahan)及
びティー ジェイ メーヤー(T.J. Meyer)、インオー
ガ ケム(Inorg.Chem.),16(3),574(1977)〕。
〔Ru(NO)(2,2′−ビピリジン)2Cl〕+2と〔Ru(NO)
Cl5-2は、両方とも「Ru(NO)」単位を有している。
観察されたESRスペクトルは、γ輻射線処理後の〔Fe(N
O)(CN)-2中心での電子捕捉によりハロゲン化ア
ルカリ格子に生じる〔Fe(NO)(CN)-3中心のESR
にも非常によく類似している〔エム ビー デー ブル
ーム(M.B.D. Bloom)、ジェイビー レイノー(J.B. R
aynor)、ケイ デー ジエイ ルート(K.D.J. Root)
及びエム スイ アール シモンズ(M.C.R. Symon
s)、ジェイ ケムソ サイ(J. Chem. Soc.)(A),3
212(1971)〕。
〔Ru(NO)Cl5-2でドープしたAgClに常磁性を生じ
た光のESRスペクトルのg′領域において観察された窒
素分裂の大きさは、捕捉された光発生電子が主にニトロ
シル配位子の窒素原子に存在することを示している。こ
のことは、デー グエンツブルガー(D. Guenzburge
r)、エイ ガーニア(A. Garnier)及びジェイ ダノ
ン(J. Danon)、インオーガニカ ケミカ アクツ(In
organica Chimica Acts.),21,119(1977)による分子
軌道エネルギーの計算と完全に一致し、電子が入ること
ができる〔Ru(NO)Cl5-2用の最低未充填分子軌道は
ほとんど完全ににルテニウム錯体のニトロシル部分にあ
ることを示している。ESRのデータは、取り込まれた〔R
u(NO)Cl5-2中心を含有するAgCl試料を365nm輻射線
に照射すると、反磁性〔Ru(NO)Cl5-2中心での電子
の捕捉により常磁性〔Ru(NO)Cl5-3を生じることを
示している。
〔Ru(NO)Cl5-2でドープしたAgCl粉末についての7
7゜Kでのマルチスキャンフーリェ変換赤外(FTIR)吸
収測定では、1923cm-1でルテニウム錯体であるK2Ru(N
O)Cl5のカリウム塩に関して観察されるものと実質的に
同一である最大赤外吸収バンドを示した。
〔Ru(NO)Cl5-2錯体はアコ化し難いので、錯体の
安定性をモニターとして光学吸収分光分析を用いて、ア
コ化が認められる前に水中で50℃で数時間加熱してもよ
い。〔Ru(NO)Cl5-2錯体は、特徴的な光学吸収スペ
クトルを有し、一連のアコ化したものは次式で表され
る:〔Ru(NO)Cl5-x−(H2O)x-2(式中、X=1,
2,3,4又は5である)〔イー イー マーサー(E.E. Me
rcer)、ダブリュ エム キャンベル(W.M. Campbel
l)及びアール エム ウオレス(R.M. Wallace)、イ
ンオーグ ケム(Inorg. Chem.),3(7),1018(196
4)〕。アコ化により問題を生じない方法で、Ru(NO)C
l5 -2をドーパントとしてAgCl沈澱中に添加した。更に、
特別に調製した〔Ru(NO)Cl4(H2O)〕-1(モノアコ化
種)及び〔Ru(NO)Cl3(H2O)(ジアコ化種)の
試料をドーパントとして使用した結果、光化学的に活性
な中心は〔Ru(NO)Cl5-2錯体であることが、ESRによ
る常磁性〔Ru(NO)Cl5-3の生成の確認により明確に
示された。ドーパントレベルが、〔Ru(NO)Cl5-2,
〔Ru(NO)Cl4(H2O)〕-1及び〔Ru(NO)Cl3(H
2O)の3つのドーパントに関して一定に保たれた
場合には、〔Ru(NO)Cl4(H2O)〕-1を添加したときES
Rにより観察される〔Ru(NO)Cl5-3は、ペンタクロロ
錯体〔Ru(NO)Cl5-2を添加したときとほぼ同じであ
ったが、〔Ru(NO)−Cl3(H2O)を添加したとき
はペンタクロロ錯体〔Ru(NO)Cl5-2レベルの約10%
しかなかった。〔Ru(NO)Cl4(H2O)〕-1と〔Ru(NO)
Cl3(H2O)の両方とも、Cl-1イオンと反応して
〔Ru(NO)Cl5-2を生成するが、反応速度は〔Ru(N
O)−Cl3(H2O)の方が〔Ru(NO)Cl4(H2O)〕
-1よりも非常に遅い。
ゼラチンは、光学吸収分光分析により測定したとき、
30℃で2日間までは0.5%ゼラチン溶液において、〔Ru
(NO)Cl5-2に関するニトロシル基のアコ化又は損失
の傾向を示さない。
〔Ru(NO)Cl5-2錯体自体は、水溶液中で光化学反
応を起こしてニトロシルの損失を生じ、〔RuCl5(H
2O)〕-2錯体を生成する〔エー ビー ニコルシキー
(A.B. Nikol‘skii)、エー エム ポポフ(A.M. Pop
ov)及びアイ ブイ バシレブスキー(I.V. Vasilevsk
ii)、コード キム(Koord.Khim),2(5),671(197
6)並びにエー ビー ニコルシキー及びエー エム
ポポフ、ドクラデー アカド ノーク エスエスアー
(Doklady .Akad.Nauk SSSR),250(4),902(198
0)〕。
NO損失に関する量子効率が極めて低くても、〔Ru(N
O)Cl5-2錯体の光化学分解を防止するために常に注意
が払われた。〔RuCl5(H2O)〕〕-2錯体におけるルテニ
ウム酸化状態は+3であり、AgClの沈澱中にAgCl格子に
含有せしめたとき、ESRにより、露光しなくとも常磁性R
u(+3)中心が存在することが分かる。AgClに含有せ
しめたとき、NO配位子の損失により、構造及び錯体の光
化学作用が完全に変化する。
上記の考察の全体から、〔Ru(NO)Cl5-2錯体がニ
トロシル(NO)配位子を保持したままAgCl格子に取り込
まれたことが、非常にはっきりと実証された。AgClの沈
澱中にニトロシルが損失して〔RuCl6-3又は〔RuCl
5(H2O)〕〕-2等の非ニトロシル錯体を生成すると、
〔Ru(NO)Cl5-2におけるレニウムの+2酸化状態が
〔RuCl6-3又は〔RuCl5(H2O)〕-3錯体における+3
酸化状態へ酸化するであろう。〔RuCl6-3又は〔RuCl5
(H2O)〕-3錯体は、それ自体常磁性であり、AgClに含
有せしめると、露光前でもESRにより観察できる。〔RuC
l6-3で意図的にドーピングしても、ドーパントが〔Ru
(NO)Cl5-2であるときに得られるものと同様のもの
は得られない。例えば、AgCl中における〔RuCl6-3
関するESRで分析した結果〔デー エー コリガン(D.
A.Corrigan)、アール エス イーチャス(R.S. Eachu
s)、アール イー グラブス(R.E. Graves)及びエム
テー オルム(M.T. Olm)、ジェイ ケム フィズ
(J. Chem. Phys.),70(12),5676(1979)〕は、AgCl
中における〔Ru(NO)Cl5-2に関するものとは全く異
なる。〔Ru(NO)Cl5-2ドーパントをAgCl沈澱中に添
加すると、イオンカップリングプラズマ/原子放出分光
分析により、Ruが約100%の効率で粉末に含有せしめら
れることが分かる。
ドーパント〔Ru(NO)Cl5-2を使用しない対照AgCl
粉末は、いずれの条件下でも、ルテニウム中心のためES
Rスペクトルを示さず、ニトロシル赤外吸収も示さず、
また、イオンカップリングプラズマ/原子放出分光分析
で分析してもルテニウムが検出されなかった。
実施例2 配位錯体のカリウム塩及びセシウム塩を出発原料とし
て、実施例1と同様の方法を用いて、〔Os(NO)Cl5
-2陰イオン配位錯体を、ゼラチン等のペプタイザーの不
存在下で、塩化銀粉末に含有せしめた。〔Os(NO)C
l5-2ドープ処理したAgCl試料を365nmの輻射線に照射
する事により、常磁性中心が生じ、これは、照射試料を
約20゜Kに冷却後ESRを用いて観察できた。常磁性中心に
関する測定g値は、g′が1.918±0.003であり、g″が
1.706±0.001であった。g′領域におけるスペクトルの
分裂は、実施例1における類似のルテニウム中心のもの
ほど明瞭ではなかったが、ESRスペクトルにより、光の
照射によって不対電子が主に窒素原子にあるところに中
心が生じたことが分かった。実施例1との類似性及び実
施例1に示した文献との類似性からみて、実施例2で生
じた中心は、〔Os(NO)Cl5-2中心での電子捕捉によ
り生じた〔Os(NO)Cl5-3である。
ドーパント〔Os(NO)Cl5-2を使用しない対照AgCl
粉末は、いずれの条件下でも、〔Os(NO)Cl5-2ドー
パントの存在下で生じるESRスペクトルに類似したESRス
ペクトルを示さなかった。
実施例3 同一の試料を共ドープするのにK2Ru(NO)Cl5及びK2O
s(CN)を使用した以外は、実施例1と同様の方法に
よりAgCl粉末試料を調製した。365nmの輻射線へ照射
後、この試料はをESR分析したところ、〔Ru(NO)Cl5
-2中心が電子を捕捉していて〔Ru(NO)Cl5-3を生成
し、且つ〔Os(CN)-4中心が正孔を捕捉して〔Os
(CN)-3を生成していることが分かった。これらの
2つの中心は同質の電子種(光発生電子又は光発生正
孔)については競合していなかった。このことは、実施
例1と完全に一致する。
実施例4 乳剤1 0.55μm未ドープ処理AgCl(対照) 46℃で、ゼラチン240gを、マクブライド(McBride)
による米国特許第3,271,157号に記載されている種類の
チオエーテルハロゲン化銀熟成剤1.2gとともに水6リッ
トルを入れた反応容器に添加した。塩化物濃度を0.041
モル濃度に調製した。ゼラチン溶液を激しく撹拌しなが
ら、ハロゲン化物イオン濃度を上記の値に維持するに充
分な量の塩化ナトリウム水溶液とともに濃硝酸銀水溶液
を導入した。充分な材料を添加して、平均縁端長さが約
0.55μmの塩化銀立方粒子を調製した。洗浄後、乳剤の
一部分を金増感し、余分のゼラチン及び展着剤を添加し
て塗布用試料を調製した。酢酸セルロースフィルム支持
体に塗布した被膜をステップタブレットを介して365nm
の輻射線に照射後、ヒドロキノン・エロン(商標)現像
液で12分間処理した。被膜を定着及び洗浄後、カブリよ
りも0.15高い濃度で写真感度を測定した。又、コントラ
ストを測定したところ3.5であった。
乳剤2 0.55μm〔Os(NO)Cl5-2ドープ処理したAgC
l(実施例) CszOs(NO)Cl5を含有する第二ハロゲン化物溶液(最
終的に銀1モル当たり1.4x10-8の濃度となる量:0.075m
g)を、13%の硝酸銀を導入した後1%の硝酸銀の添加
とともに同時に添加した以外は、乳剤1に関して上記で
説明した操作を繰り返した。写真感度の減少が認められ
たが、コントラストは4.6に増加した。
乳剤3 0.5μm〔Os(NO)Br5-2ドープ処理したAgCl
(実施例) 1モル当たりK2〔Os(NO)Br51.0mgを含有する第二ハ
ロゲン化物溶液を、13%の硝酸銀を導入した後1%の硝
酸銀の添加とともに同時に添加した以外は、乳剤2に関
して上記で説明した操作を繰り返した。その結果、反応
容器内のドーパント濃度は、最終的な銀1ル当たり1.4x
10-6モルとなった。
この乳剤を化学的及びスペクトル増感せずに塗布後、
オスミウムニトロシルペンタブロミド配位錯体を用いな
いことだけが異なる対照乳剤の被膜と比較した。
対照乳剤の写真感度に対して、乳剤3の写真感度の減
少が認められた。更に、対照乳剤と比較して、乳剤3に
おいてコントラストが4.4から2.5に減少する利点が認め
られた。
乳剤4 0.5μm〔Os(NO)I5-2ドープ処理したAgCl
(実施例) 1モル当たりK2〔Os(NO)I51.35mgを含有する第二ハ
ロゲン化物溶液を、13%の硝酸銀を導入した後1%の硝
酸銀の添加とともに同時に添加した以外は、乳剤2に関
して上記で説明した操作を繰り返した。その結果、反応
容器内のドーパント濃度は、最終的な銀1ル当たり1.4x
10-6モルとなった。
対照乳剤の写真感度に対して、乳剤4の写真感度の減
少が認められた。更に、対照乳剤と比較して、乳剤4に
おいてコントラストが4.4から2.9に減少する利点が認め
られた。
乳剤5 最終的な銀1モル当たりK2Ru(NO)F5・H2O8.06mg
(2.5x10-5モル)を含有する第三水溶液を硝酸銀溶液と
同時に添加した以外は、対照乳剤1に関連して上記した
操作を繰り返した。第三水溶液は、13%の硝酸銀を添加
後に添加を始め、約75%の硝酸銀を添加した時点で終了
させた。
乳剤5を硫黄及び金増感し、対照乳剤1の同様に増感
した被膜と比較した。その結果、写真感度の減少ととも
にコントラストが2.2から2.8に増加する利点が認められ
た。
乳剤6 0.5μmK2Os(NS)Cl5ドープ処理したAgCl(実
施例) 最終的な銀1モル当たりK2Os(NS)Cl512.3mg(2.5x1
0-5モル)を含有する第三水溶液を硝酸銀溶液と同時に
添加した以外は、乳剤1に関連して上記した操作を繰り
返した。第三水溶液は、13%の硝酸銀を添加後に添加を
始め、約75%の硝酸銀を添加した時点で終了させた。
乳剤1及び乳剤6の未増感部分を、同様に塗布、露光
及び処理した。対照乳剤1と比較して、乳剤6では写真
感度が減少する利点が得られた。
実施例5 本発明では、K2Ru(NO)Cl5の濃度を変化させた一連
の乳剤を、ニトロシルを含有しない錯体(K2RuCl6)及
び未ドープ処理の対照の両方と写真学的に比較した。
未ドープ処理の0.27μmヨウ臭塩化銀対照乳剤AgCl90
Br9I1を、以下の方法により沈澱させた。
溶液A (反応容器) ゼラチン(骨) 50.0g MaCl 2.0g KI 1.7g 蒸留水 1050.0ml 温度 68.0℃ pH(H2SO4) 2.95 溶液B(塩) NaCl 57.9g KBr 10.7g 蒸留水 297.0cc 温度 32.0℃ 溶液C(Ag) AgNO3 170.0g 蒸留水 682.0ml 2N H2SO4 0.8cc 温度 45.0℃ 溶液D(ゲル) ゼラチン(骨) 48.6g 蒸留水 400.0ml 溶液E(凝集剤) Na2SO4 131.0g 蒸留水 404.0ml 温度 43.0℃ 溶液Aを入れた反応容器をよく撹拌しながら、そこに
一定流量(51.2cc/分)で溶液Bを添加した。溶液Bの
添加5分後に、溶液Cを一定流量(113.7cc/分)で反応
容器に添加した。総添加時間は6.0分であり、一方、溶
液Cの添加は6.3分で完了した。この乳剤を11分間68℃
に維持した後、30℃に冷却した。溶液Eをこの乳剤に添
加し、30分内に生じた凝固物を沈降させ、その後、残存
液体を傾しゃした。溶液Dを添加後、凝固物を40℃で再
分散し、冷却してゲル化し、ヌードル状とした後、洗浄
した。再分散乳剤のpH及びpAgをそれぞれ4.5及び6.0に
調整後、銀1モル当たりNa2S2O3・H2O1.1mg及び銀1モ
ル当たりKAuCl42.6mgの存在下で熱処理(62℃、5分
間)した。銀1モル当たり4−ヒドロキシ−6−メチル
1,3,3a,7−テトラアザインデン1.0g及び銀1モル当たり
ホルムアルデヒド1.84gを含有する塗布液を調製した。
水溶液(蒸留水1cc当たり0.025mg)からの30秒間の沈澱
の開始5分後にK2Ru(NO)Cl5又はK2RuCl6を添加し含有
せしめた、5個のドープ処理した乳剤も調製し、上記と
同様にして塗布した。塗布試料の全てを、ラッテン(Wr
atten)(商標)フィルター36,39及び38Aを入れたイー
ジー・アンド・ジー(EG&G)センシトメーターで10-3
秒間照射し、コダマティック17(商標)プロセッサーを
用いて、pH10.5のヒドロキノン現像液で37.8℃において
30秒間現像した。
センシトメトリーの結果(表2)から明らかなよう
に、ニトロシル含有ルテニウム錯体(K2Ru(NO)Cl5
とニトロシル未含有ルテニウム錯体(K2RuCl6)の両方
を未ドープ処理対照と比較すると、ニトロシル含有ルテ
ニウム錯体(K2Ru(NO)Cl5)は非常に望ましいコント
ラストの増加を生じるとともに濃度との相関関係におい
て感度を減少させるのに対して、ニトロシル未含有ルテ
ニウム錯体(K2RuCl6)は感度又はコントラストのいず
れかにおいてほとんど変化を示さない。
実施例6 K2Ru(NO)Cl5の存在の有無及びそのレベルで変化を
つけて、一連の単分散塩化銀乳剤を調製した。
以下のようにして、K2Ru(NO)Cl5の不存在下で対照
乳剤1Aを調製した。
下記の組成の3つの溶液を調製した。
溶液1 ゼラチン 240g 蒸留水 6000ml 溶液2 塩化ナトリウム 584g 蒸留水を加えて全量 5000ml 溶液3 硝酸銀 1360g 蒸留水 2640ml 40℃で溶解 蒸留水を加えて全量 4000ml 40℃で溶解 溶液1を46℃に維持した反応容器に入れた。溶液1
に、マクブライド(McBride)による米国特許第3,271,1
57号に記載されている種類のチオエーテルハロゲン下銀
熟成剤を0.6g添加した。次に、溶液のpAGを溶液2で7.6
に調整した。
pAGを7.6に維持しながら、溶液2及び3を、同時に、
15分間かけて溶液1に注いだ。沈澱に続いて、混合物を
38℃に冷却後、リサーチ・ディスクロージャー、第102
巻、1972年10月発行、アイテム10208に記載されている
限外濾過により洗浄した。洗浄の終わりに、銀1モル当
たりゼラチン60gを含有している乳剤の濃度を、銀1モ
ル当たり2000g未満に調整した。平均粒子サイズは0.26
μmであった。
溶液2及び3を同時に注いで2分後、2.3mlの溶液4
をシリンジを用いてライン排出溶液2に注入して反応容
器に入れたこと以外は、対照乳剤1Aと同様にして実施例
乳剤1Bを調製した。
溶液4は、溶液2と同一の溶液(反応容器内で最終的
な銀1モル当たりK2Ru(NO)Cl5100mg、即ち、2.6x10-7
モルとにするに充分な量)にK2Ru(NO)Cl5を溶解する
ことにより調製した。
上記で調製した塩化銀を従来の金化学増感及び緑色ス
ペクトル増感に付した後、色素形成カプラーの分散液を
用いて、写真印画紙支持体上に、1m2当たり銀280mg、カ
プラー430g及びセラチン1.66gの付着量となるよう塗布
した。次に、塗布した要素を、階段濃度ウエッジを介し
て、0.5〜100秒の範囲で、総露光量を一定に維持するた
めの適当な中性濃度フィルターを用いて露光した。被膜
をカラープリント現像液で処理した。
表3に、露光時間0.5秒での各被膜に関する反射濃度
1.0での感度を、標準を100として示す。露光時間100秒
での相対感度により相反則不軌を評価した。感度100は
相反則不軌を生じない好ましい状態を示す。コントラス
ト相反性の尺度として、0.31ogEを表す点又は濃度1を
得るのに必要とするよりも2倍少ない露光量での0.5秒
の露光の場合の濃度を示した。露光時間を100秒に増加
するときの足濃度、即ち、「δ足(トウ)」を記録し
た。濃度1.0を得るのに必要とするよりも2倍大きい露
光量を示す点での0.5秒の露光の場合について同様の濃
度を示す。露光時間を100秒に増加する場合、このよう
なより大きな露光応答における変化、即ち、「δ肩(シ
ョルダー)」も、露光時間の増加に伴うコントラストの
変化の目安である。望ましい不変コントラストは「δ
肩」0.0に相当する。
表3から明らかなように、K2Ru(NO)Cl5の存在によ
り、カラーペーパーのマゼンタ記録における露光時間に
伴う感度及びコントラストの変化が大きく減少する。
実施例7 反応容器の温度を75℃にした以外は、対照乳剤1Aと同
様の方法で対照乳剤1Cを調製した。
反応容器の温度を75℃にするとともに、最終的な銀1
モル当たり25μg、即ち、銀1モル当たり6.5x10-8モル
とするに充分な量のK2Ru(NO)Cl5を添加した以外は、
実施例乳剤1Bと同様の方法で対照乳剤1Dを調製した。
銀の付着量を183mg/m2に減少するとともに、乳剤をス
ペクトルの緑色部分ではなく赤色を増感した以外は、乳
剤1C及び1Dを乳剤1A及び1Bと同様に増感及び塗布した。
乳剤1C及び1Dを、乳剤1A及び1Bと同様の方法により露光
及び処理した。結果を表4にまとめて示す。
表4から明らかなように、K2Ru(NO)Cl5の存在によ
り、カラーペーパーのシアン記録における露光時間に伴
う感度の変化が大きく減少する。
実施例8 チオエーテル熟成剤レベルを1.2gとした以外は、対照
乳剤1Aと同様の方法で対照乳剤1Eを調製した。
チオエーテル熟成剤レベルを1.2gとするとともに、最
終的な銀1モル当たり10μg、即ち、銀1モル当たり2.
6x10-8モルとするに充分な量のK2Ru(NO)Cl5を添加し
た以外は、実施例乳剤1Bと同様の方法で対照乳剤1Fを調
製した。
溶液4に、最終的な銀1モル当たり9.4μg、即ち、
銀1モル当たり1.42x10-8モルとするに充分な量のCs2Os
(NO)Cl5を添加した以外は、実施例乳剤1Fと同様の方
法で対照乳剤1Gを調製した。
乳剤1C及び1Dと同様の方法により、乳剤1E,1F及び1G
を増感、塗布及び試験した。結果を表5にまとめて示
す。
表5から明らかなように、K2Ru(NO)Cl5又はCsOs(N
O)Cl5を含有する実施例乳剤は、感度及びコントラスト
の変化を減少する。
実施例9 実施例6に記載したのと同様の操作により、銀1モル
当たり2.6x10-8モルのK2Os(NO)Cl5を添加含有せしめ
た乳剤を調製した。分析により、銀1モル当たり1.8x10
-8モルの〔Os(NO)Cl5-2が粒子に取り込まれたこと
が分かった。又、足コントラストの増加及び低照度コン
トラスト相反則不軌の減少が認められた。
実施例10 Cs2Os(NO)Cl5の濃度を銀1モル当たり8.7x10-8モル
とした以外は、実施例9と同様の操作を繰り返した。同
様の写真効果が認められた。
実施例11 実施例6に記載したのと同様の操作により、銀1モル
当たり1.3x10-7モルのCs2Re(NO)Cl5を添加含有せしめ
た乳剤を調製した。分析により、銀1モル当たり4.7x10
-8モルの〔Re(NO)Cl5-2が粒子に取り込まれたこと
が分かった。又、足コントラストの増加及び低照度コン
トラスト相反則不軌の減少が認められた。
実施例12 Cs2Re(NO)Cl5の代わりに同量のK2Ir(NO)Cl5を用
いた以外は、実施例11と同様の操作を繰り返した。同様
の写真効果が認められた。
実施例13 実施例6に記載したのと同様の操作により、2.6x10-8
〜6x10-7モルのK2Ru(NO)Br5を含有する乳剤を調製し
た。沈澱中の六配位錯体の導入により、低照度コントラ
スト相反則不軌の減少が認められた。分析により、87%
の〔Ru(NO)Br5-2が粒子に取り込まれたことが分か
った。
実施例14 K2Ru(NO)Br5の代わりにK2Ru(NO)I5を用いた以外
は、実施例13の操作を繰り返した。錯体の導入により、
乳剤が部分的に減感した。
実施例15 実施例6に記載した方法により、反応容器に銀1モル
当たり2.5x10-5モルのK2Ru(NO)Cl5を含有する乳剤を
調製した。イリングシワース(Illingsworth)による米
国特許第3,501,307号に記載されているようにして、二
酸化チオ尿素及びクロロ金酸カリウムを用いて、この乳
剤を還元及び金カブリした。更なる減感剤を用いずに、
この乳剤の被膜を、10秒間、ステップウエッジを介して
365nmの輻射線に照射後、ヒドロキノン・エロン(商
標)(N−メチル−p−アミノフェノールヘミサルフェ
ート)現像液で3分間処理した。未露光部分の最大濃度
が1.4であるのに対して、露光により所望の最小濃度0.0
8を生じた。
実施例16 粒子に六配位遷移金属を含有せしめるかどうかが異な
る、平均縁端長さが0.45μmである一連の臭化銀八面体
乳剤を調製した。
以下の操作により、遷移金属錯体を含有しない対照16
Aを調製した。
6個の溶液を以下のようにして調製した。
溶液1(16) ゼラチン(骨) 50g 蒸留水 2000ml 溶液2(16) 臭化ナトリウム 10g 蒸留水 100ml 溶液3(16) 臭化ナトリウム 412g 蒸留水を加えて全量 1600ml 溶液4(16) 硝酸銀(5M) 800ml 蒸留水を加えて全量 1600ml 溶液5(16) ゼラチン(フタル化) 50g 蒸留水 300ml 溶液6(16) ゼラチン(骨) 130g 蒸留水 400ml 溶液1(16)のpHを硝酸により40℃で3.0に調整し
た。又、溶液1(16)の温度を70℃に調整し。次に、溶
液2(16)を用いて、pAgを8.2に調整した。調整した溶
液1(16)に、溶液3(16)及び4(16)を、同時に、
最初の4分間は一定速度で注ぎ、次の40分間は導入速度
を増加させた。その後、添加速度を最終の添加の2分間
維持した(総添加時間:46分)。pAgは添加中8.2に維持
した。溶液3(16)及び4(16)を添加後、温度を40℃
に調整し、pHを4.5に調整後溶液5(16)を添加した。
混合物を5分間そのまま維持した後、pHを3.0に調整
し、ゲルを沈降させた。同時に、温度を15℃に低下さ
せ、液体層を傾しゃした。減少した体積分を蒸留水で補
充した。pHを4.5に再調整し、混合物を0.5時間40℃に保
った後、pHを3.0に調整し、沈降と傾しゃを繰り返し
た。溶液6(16)を添加し、pHとpAgを、それぞれ5.6及
び8.2に調整した。乳剤を、銀1モル当たり1.5mgのNa2S
2O3・5H2O及び銀1モル当たり2mgのKAuCl4を用いて70℃
で40分間熟成した。塗布を、27mg Ag/dm2及び86mgゼラ
チン/dm2の付着量となるように行った。このようにして
作成した試料を、365nmの輻射線に0.01,0.1,1.0及び10.
0秒間照射後、ヒドロキノン−エロン(商標)(N−メ
チル−p−アミノフェノールヘミサルフェート)現像液
で6分間現像した。
対照乳剤16Aと同様の方法で対照16A′を調製した。こ
の乳剤をバッチ毎の乳剤性能の分散を示すのに用いた。
乳剤16A′を対照16Aと同様の方法で熟成した。
溶液1(TMC)、溶液2(TMC)又は溶液3(TMC)を
最初の4分間の核生成期間後及び成長期間の最初の35分
間中に溶液3(16)に添加した以外は、対照16Aと同様
の方法で、乳剤16B、16C及び16Dを調製した。溶液3(1
6)の一部をとっておき、製造の最後の7分間に添加す
る遷移元素を含有しない臭化ナトリウム源とした。乳剤
を乳剤16Aと同様の方法により熟成した。
溶液1(TMC)、溶液2(TMC)又は溶液3(TMC)
は、対照16Aの成長期間35分間の間に添加された溶液3
(16)に、それぞれCs2Os(NO)Cl5(表6参照)を0.26
mg〜66mgを溶解して調製した。含有せしめた遷移金属錯
体は、表6に示されている表面感度の減少から明らかな
ように、効果的な電子トラップとして機能する。
溶液4(TMC)、溶液5(TMC)、溶液6(TMC)又は
溶液7(TMC)を最初の4分間の核生成期間後及び成長
期間の最初の35分間中に溶液3(16)に添加した以外
は、対照16Aと同様の方法で、乳剤16E、16F,16G及び16H
を調製した。溶液3(18)の一部をとっておき、製造の
最後の7分間に添加するドーパントを含有しない臭化ナ
トリウム源とした。これらの乳剤を乳剤16Aと同様の方
法により熟成した。
溶液4(TMC)、溶液5(TMC)、溶液6(TMC)又は
溶液7(TMC)は、対照16Aの成長期間38〜40分間の間に
添加された溶液3(16)に、K2Ru(NO)Cl5(表6参
照)を0.076mg〜39mgを溶解して調製した。含有せしめ
た遷移金属錯体は、表6に示されている表面感度の減少
から明らかなように、効果的な電子トラップとして機能
する。
溶液8(TMC)及び溶液9(TMC)を最初の4分間の核
生成期間後及び成長期間の最初の35分間中に溶液3(1
6)に添加した以外は、対照16Aと同様の方法で、実施例
16I及び16Jを調製した。溶液3(16)の一部をとってお
き、製造の最後の7分間に添加する遷移金属を含有しな
い臭化ナトリウム源とした。これらの乳剤を乳剤16Aと
同様の方法により熟成した。
溶液8(TMC)及び溶液9(TMC)は、対照16Aの成長
期間38〜40分間の間に添加された溶液3(16)に、Cs2R
e(NO)Cl5(表6参照)をそれぞれ0.26mg及び66mgを溶
解して調製した。含有せしめた遷移金属錯体は、表6に
示されている表面感度の減少から明らかなように、効果
的な電子トラップとして機能する。
溶液10(TMC)及び溶液11(TMC)を最初の4分間の核
生成期間後及び成長期間の最初の35分間中に溶液3(1
6)に添加した以外は、対照16Aと同様の方法で、実施例
16K及び16Lを調製した。溶液3(16)の一部をとってお
き、製造の最後の7分間に添加する遷移金属を含有しな
い臭化ナトリウム源とした。これらの乳剤を乳剤16Aと
同様の方法により熟成した。
溶液10(TMC)及び溶液11(TMC)は、対照16Aの成長
期間の最初の35分間の間に添加された溶液3(16)に、
K2Os(NS)Br5(表6参照)をそれぞれ0.28mg及び70mg
を溶解して調製した。含有せしめた遷移金属錯体は、表
6に示されている表面感度の減少から明らかなように、
効果的な電子トラップとして機能する。
溶液12(TMC)を最初の4分間の核生成期間後及び成
長期間の最初の35分間中に溶液3(16)に添加した以外
は、対照16Aと同様の方法で、実施例16Mを調製した。溶
液3(16)の一部をとっておき、製造の最後の7分間に
添加する遷移金属を含有しない臭化ナトリウム源とし
た。これらの乳剤を乳剤16Aと同様の方法により熟成し
た。
溶液12(TMC)は、対照20Aの成長期間の最初の35分間
の間に添加された溶液3(16)に、K2Ru(NO)I5(表6
参照)を84mgを溶解して調製した。含有せしめた遷移金
属錯体は、表6に示されている表面感度の減少から明ら
かなように、効果的な電子トラップとして機能する。
実施例17 本実施例により、ニトロシル配位子を含有する種々の
遷移金属錯体でドープした乳剤と、ドープしない対照と
を写真学的に比較する。
ドープしてない0.15μm塩化銀銀対照乳剤を以下の方
法により沈澱させた。
溶液A(反応容器) ゼラチン(骨) 40.0g 蒸留水 666.0ml 温度 40.6℃ pH(H2SO4) 3.0 溶液B(塩) NaCl 66.6g 蒸留水 317.2cc 温度 40.6℃ 溶液C(銀) AgNO3 170.0g 蒸留水 301.3cc 温度 30.8℃ 溶液B及び溶液Cを、同時に、溶液Aが入っているよ
く撹拌した反応容器に、一定流速(B=20.3ml/分、C
=22.3ml/分)で添加した。溶液B及び溶液Cの総注入
時間は15分であった。乳剤の沈澱をpAgを7.4にして制御
した。沈澱の終わりに、乳剤のpHを4.5に調整し、40.6
℃で30〜40分間限外濾過して、pAgを6.2にした。この乳
剤を冷却することによりゲル化した。銀1モル当たり4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザイン
デン1.0g及び銀1モル当たりビス(ビニルスルホニル)
メタン5.0gを含有する被膜を形成した。被膜の銀及びゲ
ルの付着量は、それぞれ3.3g Ag/m2及び2.7gゲル/m2
あった。
表7に示したドーパントの添加の有無で変化をつけ
て、上記で説明したのと同様の方法で7つのドープ処理
乳剤を調製し、塗布した。ドーパントは、水溶液中で30
秒間行う沈澱開始30秒後に添加した(蒸留水1ml当たり
1.0mgのドーパント)。
塗工試料の全てを、ハロゲン化金属光源を用いて露光
し、LD−220QT Dainippon(商標)スクリーンプロセッ
サーを用いて、ヒドロキノン−(4−ヒドロキシメチル
−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン)現像
液(pH10.4、35℃)で35秒間現像した。
表7にまとめたセンシトメトリーの結果から、ドープ
処理しない対照乳剤と比較して、ニトロシル含有錯体に
より、非常に好ましいコントラストの増加と感度の減少
が生じることが明らかである。
〔発明の効果〕 本発明は、遷移金属配位錯体のニトロシル及び/又は
チオニトロシル配位子をハロゲン化銀乳剤に含有せしめ
ると、写真上の利点が生じるという知見に基づくもので
ある。即ち、新規の配位子を光漂白乳剤の粒子に含有せ
しめると、感度の上昇が認められる。ネガ形乳剤におい
ては、錯体を用いて感度を制御することができる。ま
た、グラフィックアーツ用に用いられるような高塩化物
乳剤の場合、コントラストを大幅に向上させることがで
きる。硫黄及び金で表面増感する高塩化物乳剤の場合、
配位錯体を包接させることにより、低照度相反則不軌を
減少させることができる。カラープリント乳剤の場合に
は、新規な配位錯体を包接させることにより、感度を制
御したり、低照度相反則不軌を減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は臭化銀結晶構造の概略図であり、イオンの上層
が{100}結晶面に沿って存在する。 1……結晶構造、2,2a……銀イオン、 3,3a……臭化物イオン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン アンソニー ハーフナー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14543, ラッシュ,ワーデル ロード 475 (72)発明者 ジョン エドワード キーバート,ジュ ニア アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ウエストフォールロード 1696 (72)発明者 アルフレッド ポール マーチェッティ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14526, ペンフィールド,ヘンダーソンドライブ 227

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にニトロシル又はチオニトロシル配位
    配位子及び周期律表の第5〜10族の元素から選択される
    遷移金属を含有する面心立方結晶格子構造を示す感輻射
    線ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀写真乳剤。
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