JPH07311936A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH07311936A JPH07311936A JP10406494A JP10406494A JPH07311936A JP H07311936 A JPH07311936 A JP H07311936A JP 10406494 A JP10406494 A JP 10406494A JP 10406494 A JP10406494 A JP 10406494A JP H07311936 A JPH07311936 A JP H07311936A
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Abstract
及び繰り返し走行耐久性に優れるとともに、特に高密度
の磁気記録が可能な耐食性にも優れた金属薄膜型磁気記
録媒体を提供すること。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に強磁
性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、該磁性層上にR1 −OPO(OH)2で表される燐
酸モノエステル化合物とR2 −COO−R3下で表され
るフッ素含有脂肪酸エステル化合物とさらに炭素数14
〜40の炭化水素の水素原子の一部をフッ素原子で置換
したフッ化炭化水素が存在することを特徴とする磁気記
録媒体であり、R1 は炭素数8〜26の炭化水素基、R
2 およびR3 は炭素数8〜26の炭化水素基またはその
一部または全部の水素原子をフッ素原子で置換したフッ
素炭化水素基であって、R2 とR3 は同一であっても異
なっていても良く、少なくとも一方にフッ素原子があ
る。
Description
とする磁気記録媒体に関し、その磁性層上に存在させる
潤滑剤の組成を特定することにより、特に、走行性、耐
久性および保存性に優れた金属薄膜型磁気記録媒体に関
する。
気記録媒体の潤滑剤を磁性層表面に塗布することによっ
て、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性および走行耐
久性を改善することが行われている。特に、磁気記録媒
体では記録の高密度化により磁性層表面はより平滑にな
り、また磁気記録媒体は様々な環境で使用され、かつ記
録された情報は数年から数十年にわたって保存される。
そのため多様な環境下での走行耐久性および保存安定性
が要求されており、従来の潤滑剤では十分な効果を発揮
し得なくなっている。
デオテープレコーダや8ミリビデオのような小型のビデ
オテープレコーダは戸外で使用されることが多く、磁気
記録媒体には幅広い環境条件での使用に耐える性能が必
要とされている。また、高密度記録に有利であり、今後
のハイビジョン化、ディジタル化等の磁気記録密度向上
のために強磁性金属薄膜を磁性層とする金属薄膜型磁気
記録媒体が期待されているが、磁性層が金属の極く薄い
酸化層でのみ保護されているだけであるので、金属薄膜
型磁気記録媒体にあっては、走行性や耐久性を保証する
だけではなく、保存性をも大幅に向上できる潤滑層用素
材の提供が求められている。
高密度記録化を可能にするために、表面を平滑化し、磁
性層の組成をCoNi−O系からCo−O系やCo−O
を含むCo−Fe等のCoを主体とした高Bm化の方向
に改良が行われているが、これらのコバルトの含有割合
の多いものでは安定な走行性、良好な耐久性並びに耐食
性を得ることが困難であった。
ミナ、チタニア、グラファイト、無定型カーボン、酸化
コバルト、窒化チタン及び炭化クロム等の保護膜を形成
して耐久性を向上させる方法も検討されているが、充分
な保護作用を得るためには厚さを厚くせねばならずその
ためスペーシングロスを生じるので、出力が低下して高
密度化の妨げになり好ましくなかった。
剤として、様々な構造の潤滑性能に優れた炭化水素系、
フッ素系の潤滑剤が検討されており、とくに分子内に親
水性官能基を有する有機フッ素化合物は、走行耐久性を
大幅に改善することができることが知られている。とこ
ろが、特性の優れた潤滑剤を使用しても電磁変換特性を
改善した平滑な金属薄膜型の磁気記録媒体においては、
繰り返し摺動により磁性層上に付着した潤滑剤が徐々に
失われ、特性が劣化するという問題があった。
ことによって、特性を改善することが行われている。例
えば、カルボキシル基、エステル基、燐酸エステルを導
入することが、特開昭59−119537号公報や特公
平4−50644号公報等に記載されているが、低温で
の繰り返し走行耐久性に乏しいという問題があった。そ
こで2種類以上の潤滑剤を併用して、特性を向上させよ
うとする検討も数多くなされてきた。
を併用することが特開昭62−141625号公報に記
載されており、それぞれの潤滑剤を単独で使用した場合
に比べ低温での繰り返し走行耐久性を著しく向上させる
ことができるが、耐食性、特に高温高湿環境下での保存
性が乏しいという問題があった。
素系エステル潤滑剤を併用することが、特開昭62−2
36120号公報や特開昭62−103824号公報等
に記載されているが、トリエステルやジエステルは磁性
膜に対する吸着性が弱く、耐摩耗性が向上しないため必
ずしも満足な特性は得られなかった。特開平4ー205
712号公報には2種類の潤滑剤からなる層を形成し
て、磁性層側及びバックコート層側の潤滑剤の量を規定
する方法が提案されているがこの方法によっても充分な
潤滑性は得られていない。
成した面とは逆の面に設けたバックコート層に潤滑剤を
付与し、摺動によって失われる磁性層面の潤滑剤を随時
バック面から供給する方法が、特公昭57−29767
号公報、特開昭58−188326号公報、特開昭60
−63711号公報、特開昭60−63712号公報、
特開昭62−209718号公報、特開平1−2112
15号公報等に記載されている。このような塗布方法に
よって繰り返し走行耐久性が改善されるものの、バック
面にのみ潤滑剤を塗布した場合には、耐久性の確保が困
難であり、バックコート層と磁性層の両者に塗布した場
合には、磁性層上に潤滑剤が過剰に存在してしまい静止
摩擦係数が上昇して貼り付きを生じる等の問題があっ
た。強磁性金属薄膜を磁性層とする磁気記録媒体の実用
上の問題点である耐食性の面でも、分子内に極性基を有
するフッ素系潤滑剤のみでは不充分であり、防錆剤の併
用などが提案されているが、一般に知られている潤滑剤
と防錆剤の併用では耐食性の確保が困難であった。
低く安定しており、スチル耐久性及び繰り返し走行耐久
性に優れるとともに、特に高密度の磁気記録が可能な耐
食性に優れた磁気記録媒体を提供するものである。
磁性支持体の少なくとも一方の面上に強磁性金属薄膜か
らなる磁性層を有する磁気記録媒体において、該磁性層
上に下記化学式(1)で表される燐酸モノエステル化合
物と下記化学式(2)で表されるフッ素含有脂肪酸エス
テル化合物とさらに炭素数14〜40の炭化水素の水素
原子の一部をフッ素原子で置換したフッ化炭化水素が存
在することを特徴とする磁気記録媒体により達成され
る。 R1 −OPO(OH)2 … (1) 但し、R1 は炭素数8〜26の炭化水素基である。 R2 −COO−R3 … (2) 但し、R2 およびR3 は炭素数8〜26の炭化水素基ま
たはその一部または全部の水素原子をフッ素原子で置換
したフッ素炭化水素基であって、R2 とR 3 は同一であ
っても異なっていても良く、少なくとも一方にはフッ素
原子がある。即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に形成された強磁性金属薄膜の磁性層上に炭素数
と特定した燐酸モノエステル化合物、炭素数を特定した
フッ素含有脂肪酸エステル化合物さらに炭素数を特定し
たフッ化炭化水素の3種の化合物を潤滑剤として存在さ
せることにより、強磁性金属薄膜型の実用上の問題点で
ある走行性、耐久性及び耐食性の全てにおいて良好な特
性を改善しようとするものである。
エステル化合物は磁性層に強く吸着もしくはその金属元
素と化学的な反応をして強固な保護膜を形成すると考え
られ特に耐食性を大幅に改善することができる。そし
て、さらに前記脂肪酸エステルと前記フッ化炭化水素を
併用することにより、フッ素含有脂肪酸エステルは強磁
性金属薄膜に対して吸着性を有するが燐酸モノエステル
ほど吸着性が高くないので、非吸着分子の挙動による流
体潤滑性を得ることができる。一方、フッ化炭化水素は
分子内に極性基がないために脂肪酸エステルよりも更に
高い流体潤滑性が期待できる。また、フッ化炭化水素化
合物は、フッ素がある脂肪酸エステル化合物との相溶性
が比較的良好で磁性層上での脂肪酸エステル化合物の凝
集や析出を抑えることができるために、流体潤滑性を両
者を併用することによりさらに優れた流体潤滑性が期待
できるのである。以上のように本発明の磁気記録媒体に
おいては、フッ素含有脂肪酸エステル化合物及びフッ化
炭化水素化合物の両者を共に使用することにより、両者
の晶析を抑えることができるので潤滑剤の混合被膜とし
て均一なものにし易く、各々を単独で使用するよりもそ
の利点を充分に発揮できるのである。そして、両者単独
の特性からは予期できないほどスチル耐久性や繰り返し
走行耐久性などを大きく向上させることができる点に本
発明の大きな特徴がある。本発明の磁気記録媒体におい
ては、さらに磁性層が設けられたのとは反対側の面にバ
ックコート層を設けて、そのバックコート層中もしくは
その表面上に前記脂肪酸エステル及びフッ化炭化水素を
存在させることにより、磁性層面と磁気ヘッドの摺動に
より徐々に磁性層から消失してゆく潤滑剤をテープ状媒
体を巻き取った際にバックコートから潤滑剤を磁性層側
に転写することにより補充することができるので、繰り
返し走行耐久性を優れたものにすることができる。従っ
て、本発明の磁気記録媒体はテープ状の媒体であるとそ
の特徴を効果的に利用することができる。また、磁性層
表面上に例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア、酸化コバルトなどの酸化物、窒化チタンなどの窒
化物、炭化クロム等の炭化物、グラファイト、無定型カ
ーボンなどの炭素からなる保護膜を形成しその上に前記
3種の潤滑剤化合物を存在させることにより、特に、磁
性層の耐摩耗性を向上させることができる。以上、本発
明の本質的な特徴に対する理解を容易にするために主た
る構成とその作用効果に付いてその概略を説明した。以
下に本発明の個々の構成要件について更に詳細に説明す
る。
ステル化合物は前記化学式(1)で表される分子構造の
ものであり、その疎水鎖R1は、炭素数8〜26であ
り、好ましくは10〜20である。またこの炭化水素基
は直鎖飽和炭化水素基が望ましいが、不飽和炭化水素基
や側鎖が導入された枝分かれ構造の炭化水素基であって
も良い。炭素数が少ないと、良好な保護効果が得られ
ず、逆に余り多くなると結晶性が高まり、塗布適性が低
下し潤滑効果が劣化するので好ましくない。また、燐酸
モノエステルの一部が燐酸ジエステルであってもよい。
その際燐酸ジエステルは多くとも燐酸モノエステルの5
0重量%、望ましくは30重量%に抑えるべきである。
燐酸ジエステルの割合が余り多くなると本発明の目的が
充分に達成できなくなる。本発明の磁気記録媒体で使用
できる燐酸モノエステル化合物としては、具体的には、
C12H250PO3H2,C16H33OPO3H2,C8H17O
PO3H2,C18H3 70PO3H2,C18H350PO3H2,
C18H370PO3H2等を挙げることができる。中でも、
高い境界潤滑性が得られるC12H250PO3H2,C16H
33OPO3H2,C18H370PO3H2等が好ましい。
フッ素含有脂肪酸エステル化合物は、前記化学式(2)
で表される分子構造のものであり、疎水鎖(R2 および
R3)は直鎖飽和炭化水素または直鎖飽和炭化水素のフ
ッ素化物が好ましいが、この疎水鎖中に不飽和結合や枝
分かれ構造を有していても良い。疎水鎖の長さは炭素数
8〜26であり、好ましくは8〜20、更に好ましくは
8〜18である。炭素数が少ないと良好な潤滑性が得ら
れず、また炭素数が余り多くなると結晶性が高まり均一
に塗布ができなくなるので共に好ましくない。さらに潤
滑剤の揮発性を抑え、良好な潤滑効果を得るためは分子
中の2つの疎水鎖のうち少なくとも一方は炭素数が10
以上のものであることが好ましい。前記フッ素含有脂肪
酸エステルは、具体的にはC8 F17COOC18H37、C
8F17(CH2 )2 COOC18H37、C17H35COO
(CH2 )2 C8 F17、C17H33COO(CH2 )2 C
8 F17、C17H31COO(CH2 )2 C8 F17、C8F
17(CH2 )10COO(CH2 )10C8 F17等のフッ素
系エステルが挙げられる。
合計の炭素数の和は24〜38、望ましくは24〜30
とすることが潤滑性を良好にするために望ましい。
は、これらのフッ素系潤滑剤は通常の有機溶剤に溶解す
ることが好ましく、そのためにはエステル結合の一方に
フッ素を含有しない炭化水素鎖をもつ化合物を使用する
か、フルオロアルキル基のアルキル部とパーフルオロア
ルキル基の割合を溶解性を高める方向に調整すれば良
い。 また結晶性が高く、融点の高いエステルを使用す
ると磁性層表面やバックコート層表面に析出を生じるこ
とがあるため、さらに低温度での潤滑性を考慮するとエ
ステルの融点は30℃以下のものが望ましい。本発明の
磁気記録媒体に潤滑剤として使用するフッ化炭化水素
は、炭素数が14〜40、好ましくは16〜28であ
り、更に好ましくは18〜24であってその水素原子の
一部をフッ素原子で置換したものである。炭素数が余り
多くなると結晶性が高まりスチル耐久性や繰り返し走行
耐久性の劣化を招く。また余り少ないと揮発性が高くな
るので特性の経時劣化を生じることがあるので好ましく
ない。炭素鎖中のフッ素原子の比率は、水素原子とフッ
素原子の個数比率で3:1〜1:2であるのが望まし
い。フッ素の比率が余り高くなると通常有機溶剤(非フ
ッ素系の炭化水素系溶剤)に対する溶解性や塗布適性が
損なわれることがある。本発明におけるフッ化炭化水素
は、直鎖飽和炭化水素の片方もしくはその両方がフッ素
で置換されているものまたは枝分かれしているもの、不
飽和結合を有するもの等種々のものが使用できる。具体
的には、CF3(CF2)9(CH2)15CH3、CF3(C
F2)7(CH2)1 7CH3、CF3(CF2)7(CH2)6
(CF2)7 CF3、(CF3)2CF(CF2)4(C
H2)15CH3、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)8
(CF2)4CF(CF3)2等が挙げられる。中でも好ま
しいものは、流体潤滑性に優れる両末端の分子鎖がフッ
素化されたものまたは片末端もしくは両末端の分子鎖が
分岐構造であるフッ素化された分子鎖の化合物である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層上における前記3種の潤
滑剤化合物の存在量は、磁性層上に存在する燐酸モノエ
ステルの重量をA、フッ素系脂肪酸エステルの重量を
B、フッ化炭化水素の重量をCとしたとき、その単位面
積当たりの存在量の合計量が、1mg/m2 < A+
B+C < 50mg/m2、望ましくは2mg/m2
< A+B+C < 20mg/m2、特に望ましくは
5mg/m2< A+B+C < 10mg/m2のもの
である。潤滑剤の存在量が余り少ないと本発明の目的を
充分に達成することができずまた余り多くなると静止摩
擦係数が増大するので望ましくない。本発明の磁性層上
に存在させる前記3種の化合物の混合比は、以下のよう
にすることが望ましい。前記3種の化合物の混合比は重
量比でほぼ1:1:1のほぼ同量ずつ混合されていると
効果的である。さらに詳細には燐酸モノエステルの重量
をA、フッ素系脂肪酸エステルの重量をB、フッ化炭化
水素の重量をCとしたとき、望ましくは0.2<A/
(B+C)< 10であり、さらに望ましくは、1.0
<A/(B+C)<5である。このとき 0.1< C
/B <2であることが望ましく、更に望ましくは0.
1<C/B<1である。燐酸モノエステル化合物の比率
が小さいと耐摩耗性が不足し、また、余り大きいと磁性
層表面で析出したり摩擦係数を上昇させるようになる。
フッ素含有脂肪酸エステル化合物の比率が小さいと繰り
返し走行耐久性、特に、低湿度下での磁気ヘッド汚れが
増大し、また、余り大きいと磁性層表面で析出したり、
摩擦係数を増大させたりする。フッ化炭化水素の比率が
小さいとスチル耐久性が劣化し、また、余り大きいと磁
性層表面で析出したり、摩擦係数を増大させたりする。
の面にバックコート層がある場合の潤滑剤の総量及び3
種の化合物の混合比並びに脂肪酸エステル及びフッ化炭
化水素の磁性層側とバックコート層側における存在量の
比率は以下のようにすることが望ましい。バックコート
層に存在する燐酸モノエステルの重量をA’、フッ素系
脂肪酸エステルの重量をB’、フッ化炭化水素の重量を
C’、磁性層上に存在する燐酸モノエステルの重量を
A、フッ素系脂肪酸エステルの重量をB、フッ化炭化水
素の重量をCとしたとき、単位面積当たりの塗布量は、
2mg/m2<A’+B’+C’< 50mg/m2、望
ましくは5mg/m2<A’+B’+C’<30mg/
m2であり、特に望ましくは10mg/m2<A’+B’
+C’<20mg/m 2である。また、0.01<(A
+B+C)/(A’+B’+C’)<10、望ましくは
0.1<(A+B+C)/(A’+B’+C’)<2で
ある。さらに0.01<A’/(B’+C’)<1であ
り、さらに望ましくは、0.05<A’/(B’+
C’)<0.5である。このとき0.1<C’/B’<
2であり、さらに望ましくは、0.1<C’/B’<1
である。即ち、本発明の効果を充分に発揮し、さらに、
磁性層表面もしくは磁性層上の保護膜表面に潤滑剤とし
て作用する前記3種の化合物の転写を行うためには、強
磁性金属薄膜より、通常、はるかに空隙がたくさんある
バックコート層により多くの潤滑剤を保持させておくの
が有利であるからである。磁性層上に保護膜がありその
上に前記3種の潤滑剤化合物を存在させる場合の存在量
及びその混合比率は、磁性層上に直接存在させる場合と
本質的に変わらないが、カーボン膜のような強磁性金属
薄膜を構成する金属や金属酸化物と比較し、親水性に乏
しい素材が保護膜として強磁性金属薄膜上にある場合に
は、潤滑剤の析出や摩擦係数の上昇を招き易くなるた
め、その存在量を減少させる必要がある。
面、バックコート層もしくは保護膜上に潤滑剤用化合物
を存在させるには、潤滑剤として使用する燐酸モノエス
テル化合物、フッ素含有脂肪酸エステル化合物及びフッ
化炭化水素を有機溶剤に溶解した溶液を塗布する混合塗
布法、燐酸モノエステル化合物を塗布し、その後フッ素
含有脂肪酸エステル化合物とフッ化炭化水素化合物の混
合物をを塗布する逐次塗布法を用いることができるが、
燐酸モノエステル化合物が磁性層もしくはバックコート
層や保護膜との吸着特性が良好であるので、燐酸モノエ
ステル化合物からなる潤滑剤層を形成した後に、フッ素
含有脂肪酸エステル化合物の潤滑剤層を形成することが
好ましい。
酸モノエステル化合物を塗布乾燥した後、炭化水素系も
しくはフッ素で一部を置換した脂肪酸エステル化合物や
フッ化炭化水素化合物を含有したバックコート層を形成
して巻き取ることによってバックコート層のフッ素含有
脂肪酸エステル化合物からなる潤滑剤を磁性層表面に転
写させることが特に好ましい。バックコート層として
は、従来公知のものが使用できる。即ち、結合剤樹脂中
にカーボンブラック等の非磁性微粒子を分散させた塗布
膜である。その厚さは0.3μm〜1.0μmであるこ
とが望ましい。
エステル化合物やフッ化炭化水素化合物は、巻取り時に
バックコート層から供給されるために繰り返し走行後で
あっても磁性層表面に存在するフッ素含有脂肪酸エステ
ル化合物やフッ化炭化水素化合物の量はほとんど変化せ
ず、良好な走行耐久性を得ることができる。また、フッ
素含有化合物を磁性層上に塗布すると、その化合物が有
機溶剤に可溶であっても、塗布後乾燥時に微細な塗布ム
ラや化合物が析出することがあったが、バックコート層
から転写する方法では、フッ素含有脂肪酸エステル化合
物からなる潤滑剤をバックコート層に混合あるいは塗布
することにより、バックコート層から巻取り時の接触に
より磁性層側へ転写させることができるので、磁性層上
に直接塗布する場合よりも塗布ムラが発生しにくく、ま
た潤滑剤の析出も起こりにくいので、使用することがで
きる潤滑剤の種類が多くなるという利点もある。バック
コート層にフッ素含有脂肪酸エステル化合物及びフッ化
炭化水素化合物を含有させる方法としては予め作成した
バックコート層上にフッ素含有脂肪酸エステル化合物や
フッ化炭化水素化合物を塗布してもよいし、バックコー
ト層を作成する際に、バックコート層の塗布液中にフッ
素含有脂肪酸エステル化合物及びフッ化炭化水素化合物
を混合しても良い。このように潤滑剤用の各化合物をバ
ックコート層上に付与した場合には、磁性層もしくは保
護膜上に直接塗布する場合に比べ、燐酸モノエステル化
合物が密着した吸着膜を形成できるため、耐摩耗性に優
れた媒体を作成することができる。そして、フッ素含有
脂肪酸エステル化合物やフッ化炭化水素化合物は燐酸モ
ノエステル化合物の吸着膜上に存在することとなり、燐
酸モノエステル化合物とフッ素含有脂肪酸エステル化合
物の混合物を塗布した場合に比べ、良好な潤滑特性を示
す。
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メタノール、エタノール及びイソプロパノ
ール等から選ばれる炭化水素系溶剤を主成分とする有機
溶剤に溶解するので、フッ素系の有機溶剤を使用するこ
となく塗布して乾燥することによって磁気記録媒体の製
造することができる。このように、炭化水素系溶剤に溶
解できるので、従来のフッ素系化合物のようにオゾン層
の破壊という環境問題を起こす恐れがないという実用上
極めて大きな利点を有している。
エステル化合物を主体とした潤滑剤が磁気記録媒体の表
面に極めて強固に吸着した潤滑層を形成していること
は、磁気記録媒体表面を溶剤で洗浄した後にESCA、
XPS等の分析装置で潤滑剤に含まれているフッ素およ
びリンの量を定量することによって確認することができ
る。すなわち、燐酸モノエステル化合物を含有する潤滑
層上にバックコート層からフッ素含有脂肪酸エステル化
合物を転写した磁気記録媒体は、洗浄によってもリンの
量は変化しないが、フッ素はほとんど測定で検出されな
くなる。これに対して、潤滑剤を逐次塗布法や混合塗布
法で作成した磁気記録媒体では洗浄によってリンの量が
若干減少し、フッ素の量は減少するものの洗浄前と大差
が無い測定値が得られる。
前記3種の化合物は、強磁性金属薄膜上にシリカ、アル
ミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルトなどの酸化
物、窒化チタンなどの窒化物、炭化クロム等の炭化物、
グラファイト、無定型カーボンなどの炭素からなる保護
膜を形成した後に、その上に形成しても更にその効果を
高めることができる。即ち、前記保護膜の保護作用に更
に本発明における潤滑剤の効果が付加されて、苛酷な条
件での磁気ヘッドとの摺動にも充分に耐えて、媒体表面
に摩耗がなく、表面の潤滑性を長期間保持できる磁気記
録媒体とすることができる。従って前記保護膜として
は、ヘッド材質と同等またはそれ以上の硬度を有する硬
質膜が好ましく、さらに炭素保護膜は摺動中に焼き付き
を生じ難く、その効果が安定して持続するので好まし
い。前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、スパッタリ
ング法等で作成したアモルファス、グラファイト、ダイ
ヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からなるカーボ
ン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモンドライク
カーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。この炭素膜
はビッカース硬度で1000kg/mm2 以上、好まし
くは2000kg/mm2 以上の硬質の炭素膜である。
また、その結晶構造はアモルファス構造であり、かつ非
導電性である。そして、本願発明におけるダイヤモンド
状炭素膜の構造をラマン光分光分析によって測定した場
合には、1520〜1560-1cmにピークが検出され
ることによって確認することができる。炭素膜の構造が
ダイヤモンド状構造からずれてくるとラマン光分光分析
により検出されるピークが上記範囲からずれるととも
に、炭素膜の硬度も低下し、本願発明の目的を達成する
のが困難となってくる。
構造は、ラマン分光法の他に、X線電子分光法(ESC
A)によっても同定することができる。特に、ESCA
によって同定する場合、C−1sのプラズモン損失エネ
ルギーが26±1eVであるとさらに良好な炭素膜とな
る。ここでいうプラズモン損失エネルギーは、炭素膜に
X線を照射して測定されるC−1sスペクトルのメイン
ピークから、プラズモン損失により生ずるピークのずれ
をX線電子分光装置(例えば、パーキンエルマー社製、
PHI−560)により測定されるものである。炭素保
護膜の硬度が減少すると摩擦特性は改善されるが耐磨耗
性が不足し、所望の走行耐久性を得ることができない。
とくに、スチル耐久性が大幅に低下してしまう。これら
のダイヤモンド状炭素保護膜はスパッタリングやCVD
によって作製することができるが、生産性、品質の安定
性および厚み10nm以下の超薄膜でも良好な耐磨耗性
を確保できるという点からCVDによって作製すること
が好ましく、とくに高周波プラズマによって分解した化
学種を基板にバイアス電圧を印加して加速することが好
ましい。この炭素保護膜の材料となるプラズマ化される
炭素化合物は、とくに制限されるものではないが、炭化
水素系、ケトン系、アルコール系の化合物が挙げられ
る。特に、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアル
カン、あるいはエチレン、プロピレン等のアルケン、ま
たはアセチレン等のアルキンをはじめとした炭素含有化
合物を原料としたプラズマCVDによって硬質炭素保護
膜を形成することが好ましい。これらの被膜形成性の物
質は、一般に13.3〜0.133N/m2 、好ましく
は6.67〜2.67N/m2 の分圧でプラズマ発生装
置内に導入される。また、前記原料気体の他に水素、ア
ルゴン等の不活性気体を同時に導入することもできる。
この場合、望ましい混合気体としては、メタンなどの炭
化水素とアルゴンが挙げられる。この場合、その混合割
合は、一般に炭化水素:アルゴン=6:1〜2:1が望
ましい。硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特性の
悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が薄い
と耐磨耗性が不足するために、膜厚2.5〜20nmが
好ましく、とくに好ましくは5〜10nmである。ま
た、この硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤との密着を
さらに向上させる目的で硬質炭素保護膜表面を酸化性も
しくは不活性気体によって表面処理しても良い。
る強磁性金属薄膜は、コバルトを主体とした従来より公
知の金属または合金を微量の酸素雰囲気で真空斜め蒸着
法で作成されたものが望ましい。特に電磁変換特性を改
善するため磁性層を構成する金属原子の90%以上はコ
バルトであるCo−O、Co−Oを含有するCo−Fe
等が好ましい。また、金属原子の95%以上はコバルト
であることが好ましく、97%以上であることがより好
ましい。 磁性層の厚みは、100〜3000nmとす
るのが望ましく、さらに望ましくは120〜2000n
mである。また、強磁性金属薄膜は電磁変換特性を改善
するため重層構成としたり、非磁性下地層や中間層を有
していても良い。
バルトである強磁性金属薄膜は磁気特性に優れているが
耐候性が悪く、さらに走行性、耐久性の面でも実用上問
題であった。ところが、本発明のような潤滑層を使用す
ることにより上記のようにその90%以上がコバルトで
ある組成であっても耐食性、走行性、耐久性の面で優れ
た実用に充分耐え得る磁気記録媒体とすることができ
る。本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤化合物とし
てさらにパーフルオロポリエーテルを併用することもで
きる。パーフルオロポリエーテルは磁性層上に直接塗布
してもよいが、燐酸モノエステル化合物の配向の乱れを
最小限に止めるため、バックコート層に付与し、これを
転写させる方法がより望ましい。
テルとしては、パーフルオロメチレンオキシド、パーフ
ルオロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プ
ロピレンオキシド重合体(CF2 CF2 CF2O)n 、
パーフルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(C
F3 )CF2O)nまたはこれらの共重合体等が挙げら
れ、アルコール、メチルエステル基などの極性基を含ん
でもよい。具体的にはデュポン社製KRYTOX143
AZ、157SL、モンテフルオス社製FOMBLIN
Z−DOL、Z−DEAL等が使用できる。パーフルオ
ロポリエーテルを使用する場合にはフッ素含有脂肪酸エ
ステル化合物と同様にバックコート層用の液中に混合し
てもよいし、あらかじめ作成したバックコート層上にフ
ッ素含有脂肪酸エステル化合物を塗布する際に混合して
塗布すればよい。
厚さ3〜10μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アミドポリイミド等のフイルムが好ましく、走行性を改
善するためその表面に粒径5〜20nmの無機フィラー
を付与したものが好ましい。また、ベースの内部にフィ
ラーを含有し、ベース表面に凹凸を形成したものでも良
い。
が、複素環類の防錆剤を併用するとさらに耐食性を高め
ることができる。本発明で使用できる防錆剤を例示する
とベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、
ピリミジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核に
アルキル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、
2−メルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン
環化合物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有
複素環類およびこの誘導体等が挙げられる。
デン環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
特に好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アルコ
キシの場合にはROCOCH2 −のRは、C3 H7 −、
C6 H13−、フェニル、またアルキル基の場合には、C
6 H13−、C9 H19−、C17H35−が挙げられ、アルキ
ルアミドの場合にはRNHCOCH2 −のRはフェニ
ル、C3 H7 −が挙げられる。また、チオウラシル環化
合物には、下記に示すものが挙げられる。
し、本発明をさらに詳細に説明する。表面に粒径18n
mのシリカの球状フィラーを有する厚さ10μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にコバルト−ニッケ
ル合金Co95Ni5を酸素含有雰囲気中で磁性金属蒸気
流の前記ポリエチレンテレフタレートフイルムに対する
入射角が45°となるようにして、70nmの厚さで2
回斜め蒸着し、全厚140nmの2層構成の強磁性金属
膜を得た。なお、2層とも薄膜を構成する磁性金属の柱
状結晶の傾きは同じ向きとなるようにした。その後熱処
理を施し、カーリングを修正した。
エチレンテレフタレートの非磁性支持体の裏面にカーボ
ンブラックと樹脂結合剤からなるバックコート層を溶液
塗布法にて作成し、その後、前記強磁性金属薄膜上に表
1記載の燐酸モノエステル化合物、フッ素含有脂肪酸エ
ステル化合物、フッ化炭化水素の混合エタノール溶液を
ワイヤーバー法で塗布、乾燥した。各化合物の塗布量は
強磁性金属薄膜単位面積当たり、燐酸モノエステル化合
物は3mg/m2、フッ素脂肪酸エステル化合物は5m
g/m2、、フッ化炭化水素は5mg/m2となるように
塗布した。この原反を幅8mmに裁断した磁気記録媒体
を8mmVTR用のカセットハーフに組み込んで測定用
試料とした。
層上に表1記載の燐酸モノエステルのメチルエチルケト
ン溶液を塗布した後、非磁性支持体の裏面にカーボンブ
ラックと樹脂結合剤からなるバックコートを作成した。
さらにこのバックコート上に表1記載のフッ素系脂肪酸
エステルとフッ化炭化水素の混合エタノール溶液を塗
布、乾燥した。各化合物の塗布量は強磁性金属薄膜単位
面積当たり、燐酸モノエステル化合物は3mg/m2、
フッ素脂肪酸エステル化合物は5mg/m2、、フッ化
炭化水素は5mg/m2となるように塗布した。この原
反を幅8mmに裁断し8mmビデオ用磁気記録媒体を作
成し、8mmVTR用のカセットハーフに組み込んで測
定用試料とした。
強磁性金属薄膜上に以下に示すプラズマCVD法により
炭素保護膜を作成した以外は、前記実施例及び比較例と
同一の条件で磁気記録媒体の試料を作成した。メタンを
原料として流量150sccmで供給するとともに、ア
ルゴンをキャリアーとして流量50sccmの流量で供
給し、600Wの高周波電力を印加するとともに、パス
ローラを介して磁性層表面には−400Vの直流電圧を
印加し、気体導入部に設置されたアノードには+500
Vの直流電圧を印加し、発生したプラズマを加速させて
搬送速度5m/分で温度20℃の磁性層表面にダイヤモ
ンド状炭素からなる硬質炭素保護膜を形成した。得られ
た炭素保護膜は、膜厚80nm、ラマン分光法によって
炭素保護膜がダイヤモンド状炭素であることを確認し
た。また、同一の方法で別途作成した保護膜のビッカー
ス硬度は2,200kg/mm2 であった。さらにこの
炭素保護膜上に表1記載のリン酸モノエステルのメチル
エチルケトン溶液を塗布、乾燥し、非磁性支持体の裏面
にカーボンブラックと樹脂結合剤からなるバックコート
層を作成した。このバックコート層上に表1記載のフッ
素系脂肪酸エステルとフッ化炭化水素の混合エタノール
溶液を塗布、乾燥した。この原反を幅8mm幅に裁断し
た8mmビデオ用磁気テープを8mmVTR用のカセッ
トハーフに組み込んで測定用試料とした。
の試料の摩擦係数、スチル耐久性、繰り返し走行耐久性
及び対腐蝕性を以下の条件で測定した。その結果が表2
である。 〔評価方法〕 摩擦係数(μ値)の測定 23℃70%RHの環境において磁気テープとステンレ
スポール(材質SUS420J)とを20gの張力(T
1 )で巻き付け角180°で接触させた、磁気テープを
3.3cm/秒の速度で走行させるのに必要な張力(T
2 )を測定し、下記計算式により磁気テープの、摩擦係
数μを求めた。 μ=1/π・ln(T2 /T1 ) スチル耐久性の測定 (A条件)23℃10%RHの環境において、8mmV
TR(富士写真フイルム(株)製FUJIX−M6)を
使用して走行テンション20gでカラーバー画像を記憶
した後、スチル制限機構を動作させないでスチル状態で
画像を再生し、出力が初期の−6dBとなるまでの時間
を測定して評価した。 (B条件)ー10℃環境でのスチル耐久性は市販の8m
mム−ビー(富士写真フイルム(株)製 FUJIX
V−88)でカラーバー信号を記録した後再生し、スチ
ル制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生し、
出力が初期のー6dBとなるまでの時間を測定して評価
した。 (C条件)5℃10%RHの環境条件において、8mm
VTR(SONY(株)製 EVーS700)を改造し
て、シリンダーの回転数が通常の回転数の2倍となるよ
うにして、カラーバー信号を記録した後再生し、スチル
制限機構を作動させずにスチル状態で画像を再生し、出
力が初期のー6dBとなるまでの時間を測定して評価し
た。 繰り返し走行耐久性 23℃10%RHの環境条件において、8mmVTR
(SONY(株)製 EVーS1500)を用いて、
7.6MHzの単一波信号を60分間記録後、これを1
00回連続繰り返し再生し、100回後の出力の変化と
ヘッド汚れを調べた。ヘッド汚れは摺動部、非摺動部に
全く汚れが観察されないものを○、摺動部にはっきりと
汚れが観察されるものを×、それ以外を△とした。 耐食性 27℃、80%RH、亜硫酸ガス1ppmの環境に磁気
記録媒体を72時間保存し、保存後のテープ表面を目視
観察し、試験前とほとんど変化が見られないものを○、
テープ全面の金属光沢は残っているものの腐食が観察さ
れるものを△、磁性層の一部もしくは全部が腐食により
溶解したものを×とした。
表される特定の燐酸モノエステル化合物と前記化学式
(2)で表される特定のフッ素含有脂肪酸エステル化合
物とさらに炭素数14〜40の炭化水素の水素原子の一
部をフッ素原子で置換したフッ化炭化水素を存在させる
ことにより、走行性、様々な環境条件下での耐久性及び
耐食性が共に優れた金属薄膜型磁気記録媒体を得ること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に
強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、該磁性層上に下記化学式(1)で表される燐酸
モノエステル化合物と下記化学式(2)で表されるフッ
素含有脂肪酸エステル化合物とさらに炭素数14〜40
の炭化水素の水素原子の一部をフッ素原子で置換したフ
ッ化炭化水素が存在することを特徴とする磁気記録媒
体。 R1 −OPO(OH)2 … (1) 但し、R1 は炭素数8〜26の炭化水素基である。 R2 −COO−R3 … (2) 但し、R2 およびR3 は炭素数8〜26の炭化水素基ま
たはその一部または全部の水素原子をフッ素原子で置換
したフッ素炭化水素基であって、R2 とR 3 は同一であ
っても異なっていても良く、少なくとも一方にフッ素原
子がある。 - 【請求項2】 非磁性体の片面に強磁性金属薄膜からな
る磁性層があり、もう一方の面に非磁性粉末と結合剤樹
脂を主体とするバックコート層がある磁気記録媒体にお
いて、該磁性層上に前記化学式(1)で表される燐酸モ
ノエステル化合物と前記化学式(2)で表されるフッ素
含有脂肪酸エステル化合物とさらに炭素数14〜40の
炭化水素の水素原子の一部をフッ素原子で置換したフッ
化炭化水素が存在しており、該バックコート層には、該
フッ素含有脂肪酸エステル化合物及び該フッ化炭化水素
のうちの少なくともどちらか一方が含有されていること
を特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】 非磁性支持体の少なくとも一方の面上に
強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、該磁性層上には保護膜があり、該保護膜上に
は、前記化学式(1)で表される燐酸モノエステル化合
物と前記化学式(2)で表されるフッ素含有脂肪酸エス
テル化合物とさらに炭素数14〜40の炭化水素の水素
原子の一部をフッ素原子で置換したフッ化炭化水素が存
在することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項4】 非磁性体の片面に強磁性金属薄膜からな
る磁性層があり、もう一方の面に非磁性粉末と結合剤樹
脂を主体とするバックコート層がある磁気記録媒体にお
いて、該磁性層上には保護膜があり、該保護膜上には、
前記化学式(1)で表される燐酸モノエステル化合物と
前記化学式(2)で表されるフッ素含有脂肪酸エステル
化合物とさらに炭素数14〜40の炭化水素の水素原子
の一部をフッ素原子で置換したフッ化炭化水素が存在し
ており、該バックコート層には、該フッ素含有脂肪酸エ
ステル化合物及び該フッ化炭化水素のうちの少なくとも
どちらか一方が含有されていることを特徴とする磁気記
録媒体。
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