JPH0845066A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH0845066A
JPH0845066A JP17865694A JP17865694A JPH0845066A JP H0845066 A JPH0845066 A JP H0845066A JP 17865694 A JP17865694 A JP 17865694A JP 17865694 A JP17865694 A JP 17865694A JP H0845066 A JPH0845066 A JP H0845066A
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JP
Japan
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recording medium
thin film
magnetic recording
magnetic
carbon
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Application number
JP17865694A
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English (en)
Inventor
Toshio Ishida
寿男 石田
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Tsutomu Okita
務 沖田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行性、耐久性および保存性に優れた薄膜金
属型磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性
金属薄膜を有する磁気記録媒体において、該強磁性金属
薄膜上には下記の式で示される炭素鎖が短いるリン化合
物と炭素鎖が長いリン化合物をそれぞれ少なくとも1種
が存在している磁気記録媒体である。 【化1】 ただし、Rは、炭素数が4以上10以下もしくは、炭素
数が14以上21以下のフッ素含有炭化水素鎖あるいは
炭素水素鎖、nは、1以上3以下の整数 Mは、水素、アルカリ金属、アンモニウムもしくは1級
から4級までのアルキルアンモニウムである。 【効果】 強固な保護膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】走行性、耐久性及び保存性に優れ
た磁気記録媒体、特に強磁性金属薄膜型磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体の潤滑剤を磁性層表面に塗布することによっ
て、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性および走行耐
久性を改善することが行われている。とくに、磁気記録
媒体では記録の高密度化により磁性層表面はより平滑に
なり、また磁気記録媒体はさまざまな環境で使用され、
かつ記録された情報は数年から数十年にわたって保存さ
れる。そのため多様な環境下での走行耐久性および保存
安定性が要求されており、従来の潤滑剤では十分な効果
を発揮し得なくなっている。さらに、カムコーダすなわ
ちカメラ一体型ビデオテープレコーダや小型のビデオテ
ープレコーダは、外部で使用されることが多く、磁気記
録媒体には幅広い環境条件での使用に耐える潤滑性能が
必要とされている。また、強磁性金属薄膜型磁性層は高
密度記録に有利であり、今後の高精細度化、デジタル化
等の磁気記録密度向上のために強磁性金属薄膜型が期待
されているが、記録層の金属がごく薄い酸化層でのみ保
護されているので、強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体に
あっては、保存性の大幅な向上が可能な潤滑剤の提供が
求められている。
【0003】電磁変換特性が優れ高密度記録用の磁気記
録媒体して期待されている強磁性金属薄膜を非磁性支持
体上に形成したいわゆる強磁性金属薄膜型磁気記録媒体
にあっては、有機フッ素化合物を潤滑剤とすることが有
効であることが知られている。パーフルオロアルキル基
を含む有機フッ素化合物は、疎水性であると同時に疎油
性の性質も有しており、水および油中においても界面活
性剤としての性質を発揮することはよく知られている。
また、表面エネルギーを低下させる特性も有しており、
これらの性質を利用して有機フッ素化合物を塗布して材
料の滑り性や潤滑性を改善することが行われている。
【0004】しかしながら、これらの従来の潤滑剤で
は、幅広い環境条件下での使用に耐える潤滑性能が必要
とされている。そこで、有機フッ素化合物に代えて、あ
るいは有機フッ素化合物に加えて各種の物質を使用する
ことが行われている。例えば、特公平4−50644号
公報には、リン含有極圧剤を用いることが記載されてお
り、極圧剤による走行性付与を目的としているが、強磁
性金属薄膜の改善の効果はまだ小さいため低速摺動では
効果が得られた場合でも高速摺動でははなはだ不十分で
あり広範囲の温湿度での走行耐久性は不十分であった。
【0005】また、特開昭62−236120号公報に
は、従来の有機フッ素化合物からなる潤滑剤とともに極
圧剤を使用し、厳しい条件下の摺動時に金属薄膜表面を
改質する試みがなされている。しかしこの方法では極圧
剤以外の潤滑剤吸着膜と極圧剤の相互作用により金属薄
膜の改質効果は小さかった。また一般に知られている亜
リン酸トリデシル等の極圧剤は改質効果を高めるため
に、その強磁性金属薄膜上での存在量を増加させると未
反応の極圧剤や反応生成物の存在により摩擦係数の増大
を招くことがあった。そこで、特開平5−28462号
公報に記載のように、潤滑剤とリン酸を併用する方法も
検討されたが、この場合にはリン酸の酸性による保存性
の懸念があった。また、米国特許明細書第506997
3号には、フルオロアルキルリン酸エステルによって、
μ値、ジッター等が改善されたが、低温での走行耐久性
はまだ不十分であった。
【0006】また、以上のような潤滑剤を磁気記録層に
塗布することの他に、例えばパーフルオロアルキルポリ
エーテルおよびその誘導体を用いることが特開昭60−
61918号、特開昭61−107528号、米国特許
明細書第3778308号、特公昭60−10368
号、米国特許明細書第4897211号、特開平3−1
02614号等に記載されているが、摺動部材との低速
の摩擦係数は高く、十分な走行性を付与することはでき
ず、かつ保存性については亜硫酸ガス等の酸性ガス腐食
については磁性層が腐食したり、甚だしい場合には磁性
層の離脱を起こし、実用に耐えるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度記録
媒体、特に記録密度を飛躍的に向上させる、スパッタリ
ング等の方法によって得られる強磁性金属薄膜型の磁気
記録媒体に走行性、耐久性、保存性を付与した磁気記録
媒体を提供するものである。また、屋外での使用環境で
も十分な走行性、耐久性を持つ磁気記録媒体を提供する
ことを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
の少なくとも一方の面に強磁性金属薄膜を有する磁気記
録媒体において、該強磁性金属薄膜上には下記一般式
(1)〜(4)で表される短い炭素鎖を有するリン化合
物のうちの少なくとも1種と下記一般式(5)〜(8)
で表される長い炭素鎖を有するリン化合物のうちの少な
くとも1種とが存在している磁気記録媒体である。
【0009】
【化3】
【0010】ただし、上記(1)〜(4)の一般式にお
いて、R1〜R4は、炭素数が4以上10以下のフッ素含
有炭化水素鎖あるいは炭素水素鎖、X1、X2は、O、S
もしくはN Y2、Y4は、O、SもしくはN nは、1以上3以下の整数 M1〜M4は、水素、アルカリ金属、アンモニウムもしく
は1級から4級までのアルキルアンモニウムである。
【0011】
【化4】
【0012】ただし、上記(5)〜(8)の一般式にお
いて、R5〜R8は、炭素数が14以上21以下のフッ素
含有炭化水素鎖あるいは炭素水素鎖、X5、X6は、O、
SもしくはN Y6、Y8は、O、SもしくはN nは、1以上3以下の整数 M5〜M8は、水素、アルカリ金属、アンモニウムもしく
は1級から4級までのアルキルアンモニウムである。
【0013】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に形成した強磁性金属層上、または非磁性支
持体の強磁性金属薄膜を形成した面とは反対の面のいず
れか一方の面上に、前記リン含有化合物を含有させるこ
とにより、電磁変換特性が優れている金属薄膜型磁気記
録媒体が有する耐久性、走行性、耐腐食性等のの問題点
を著しく向上させるものである。
【0014】本発明において、式(1)〜(8)のリン
化合物は、直鎖状、分岐を有した飽和、不飽和の炭素鎖
を有しており、炭素鎖としては電子吸引性の疎水鎖であ
るフッ素含有炭化水素鎖が極圧反応特性を向上させるの
で好ましく、フッ素含有炭素鎖としては、 CF3(CF2m(CH2n−、あるいはCF3(C
2m-1(CH2n−…(9) で表されるフルオロアルキル基と、アルキル基から構成
されていることが好ましく、短い炭素鎖を有するリン化
合物におけるR1〜R4は、式(9)において、mは2以
上6以下のパーフルオロアルキル基と炭素数nが2以上
6以下であるアルキル基からなり、パーフルオロアルキ
ル基とアルキル基の炭素数の合計は4以上10以下であ
ることが好ましく、さらに5以上10以下であることが
好ましく、6〜8であることがとくに好ましい。
【0015】炭素鎖の長さが10よりも長い場合には、
極圧反応時の反応助剤的な作用が得られない。さらに、
炭素鎖の鎖長が4よりも短い場合には、摺動時の熱等に
よって揮発するために充分な効果が得られない。また、
フルオロアルキル基とアルキル基から構成されているの
で、メチルエチルケトン、エタノール等の通常の有機溶
剤に可溶であるという特徴を有しており、オゾン層破壊
係数の高く高価なフッ素系の有機溶剤を使用することな
く、磁気記録媒体を作製することができる。
【0016】また、炭素鎖が長いリン化合物において、
5〜R8は、式(9)において、mは2以上9以下のパ
ーフルオロアルキル基と炭素数nが4以上11以下のア
ルキル基からなり、パーフルオロアルキル基とアルキル
基の炭素数の合計は14以上21以下であることが好ま
しく、14以上19以下であることがさらに好ましく、
16〜18であることがとくに好ましい。
【0017】炭素鎖が長いリン化合物は、炭素数が14
よりも短いと形成される保護膜が強固ではなくなり、炭
素数が21を超えると短い炭素鎖を有するリン化合物が
存在しても、極圧反応性が不十分であるために強固な保
護膜を形成することができない。炭素鎖とリン原子との
結合原子であるX1〜X8は、とくに酸素原子であること
が好ましい。
【0018】また、本発明の磁気記録媒体に使用する長
い炭素鎖を有するリン化合物としては、例えば、リン酸
エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸エステル、チ
オ亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン
酸エステル、リン酸チオエステル、亜リン酸チオエステ
ル、チオリン酸チオエステル、チオ亜リン酸チオエステ
ル、リン酸アミド、亜リン酸アミド、チオ亜リン酸アミ
ド、チオリン酸アミド、ピロリン酸エステル等を挙げる
ことができるが、好ましくは強い保護膜を作り易い、リ
ン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸エステ
ル、チオ亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホス
フィン酸エステル、リン酸チオエステル、亜リン酸チオ
エステル、チオリン酸チオエステル、チオ亜リン酸チオ
エステル、特にはリン酸エステル、亜リン酸エステル、
チオリン酸エステル、チオ亜リン酸エステル、リン酸チ
オエステル、亜リン酸チオエステル、チオリン酸チオエ
ステル、チオ亜リン酸チオエステルを挙げることができ
る。また、エステルの鎖数nは1から3までのいずれで
も良いが、磁性層への吸着性が大きなnが1または2が
極圧反応を促進し易いので好ましい。
【0019】また、炭素鎖が短いリン化合物におけるリ
ン化合物の化学構造としては、例えば、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル、チオリン酸エステル、チオ亜リ
ン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エス
テル、リン酸チオエステル、亜リン酸チオエステル、チ
オリン酸チオエステル、チオ亜リン酸チオエステル、リ
ン酸アミド、亜リン酸アミド、チオ亜リン酸アミド、チ
オリン酸アミド、ピロリン酸エステル等を挙げることが
できるが、長い炭素鎖を有するリン化合物と効果的に反
応させるためには、長い炭素鎖のリン化合物と同じ構造
を持つものが好ましい。
【0020】本発明で使用する非磁性支持体としては、
厚さ5〜15μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド等のフ
イルムが好ましい。非磁性支持体上には、非磁性下地層
を形成し、走行性、耐久性の改善を行うことが好まし
い。本発明で使用できる磁性層はコバルトを主体とした
従来より公知の金属または合金を微量の酸素雰囲気で真
空斜め蒸着法で作成されたものである。特に電磁変換特
性を改善するため磁性層を構成する金属原子の90%以
上はコバルトであるCo−O、Co−Oを含有するCo
−Fe等が好ましい。また、コバルトが金属原子の95
〜100%であることが好ましく、97〜100%であ
ることがより好ましい。磁性層は、単層、平行型多層、
非平行型多層のいずれでも良く、蒸着スパッタリング等
によって形成することができる。なお、ここでいうコバ
ルト100%とは、通常の意味で言う純粋に近いコバル
トのことであり、ファイブナイン以上程度の純度のもの
をいう。磁性層の厚みは、100〜3000nmとする
のが望ましく、さらに望ましくは120〜2000nm
である。
【0021】磁性層を構成する金属原子のほとんどがコ
バルトである強磁性金属薄膜は磁気特性に優れているが
耐候性が悪く、さらに走行性、耐久性の面でも実用上問
題であった。ところが、本願発明のような潤滑層を使用
することにより上記のようにその90%以上がコバルト
である組成であっても耐食性、走行性、耐久性の面で優
れた実用に充分耐え得る磁気記録媒体とすることができ
る。また、磁性層の表面にグラファイト構造もしくはダ
イヤモンドライク構造の炭素保護膜を、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン等のアルカン、あるいはエチレ
ン、プロピレン等のアルケン、またはアセチレン等のア
ルキンをはじめとした炭素含有化合物を原料としたプラ
ズマCVDによって形成した後に、前記のリン化合物を
付与することにより、効果的のその耐久性を向上させる
ことができる。
【0022】また、非磁性支持体の磁性層を形成した面
とは反対側の面に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする
塗布膜からなるバックコート層を設けることにより本願
発明の磁気記録媒体の走行性や耐久性をさらに向上させ
ることができる。強磁性金属薄膜は、その表面もしくは
内部に潤滑剤を保持できる量が少ないので予め潤滑剤を
バックコート層中に含有させておくことにより、不足す
る潤滑剤をバックコート層側から供給することができる
ので有利である。すなわち、テープ状の磁気記録媒体が
巻き取られた状態でバックコート層と磁性層とが接する
ことにより潤滑剤が磁性層へ補給されるのでその効果を
充分に発揮させることができる。バックコート層の非磁
性粉末としては、各種の無機顔料やカーボンブラックを
使用することができ、また結合剤樹脂としてはニトロセ
ルロースや塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の塗布型
磁性層用の結合剤樹脂として使用されている各種のもの
を使用することができる。
【0023】また、本発明の短鎖と長鎖のリン化合物の
総塗布量は、0.5〜40mg/m2 であることが好ま
しく、好ましくは1mg/m2 〜22mg/m2 であ
る。0.5mg/m2 よりも少ないと効果がなく、40
mg/m2 であると反応しない物質の量が多くなり、走
行停止を起こす。また、炭素鎖が長いリン化合物と短い
リン化合物の重量比率は、40:1ないし1:10であ
ることが好ましく、40:1以下である場合には、炭素
鎖が短いリン化合物が反応助剤としての効果が発揮でき
ず、1:10以上では、強固な保護膜を形成できないの
で好ましくない。
【0024】塗布は、非磁性支持体上の強磁性金属薄膜
を有する面、あるいは非磁性支持体を形成した面とは反
対の面のいずれの面、あるいはこれらの両者に塗布して
も良いが、バックコート層に塗布した方が走行後のリン
化合物の減少を磁気記録媒体の巻き取りの際に転写によ
って補充されるので好ましく、バックコート層への塗布
は、バックコート層上へ塗布しても、あるいはバックコ
ート層の塗布液中に本発明のリン化合物を混合しても良
い。
【0025】本発明のリン化合物は、他の潤滑剤と併用
しても良い。併用する潤滑剤としては、分岐あるいは直
鎖の脂肪酸、変性或いは未変性パーフルオロポリエーテ
ルおよびこれらの塩、脂肪酸エステル、フッ素化された
脂肪酸および脂肪酸エステル等の従来から知られた潤滑
剤を用いることができる。また、本発明の磁気記録媒体
には、テトラザインデン環化合物、チオウラシル環化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、チオベンズイミダゾ
ール系化合物からなる防錆剤の少なくとも1種を含有さ
せることによって磁気記録媒体としての特性を高めるこ
とができる。
【0026】潤滑剤と防錆剤を混合して同時に塗布して
も良いが、防錆剤を先に塗布した後に、潤滑剤を塗布す
る方法が効果的である。塗布の方法は有機溶剤に溶解し
てコイルバー等通常の塗布方式で塗布することができ
る。これらの防錆剤の塗布量は0.1〜5.0mg/m
2 であり、好ましくは0.3〜3mg/m2 である。走
行耐久性を向上させるために、強磁性金属薄膜を形成す
る前に非磁性支持体表面に微小突起を設けておくことが
結果的に磁性層表面に適度な凹凸を設けることになり効
果的である。非磁性支持体表面の微小突起の存在密度は
2×106 〜2×108 個であり、突起の高さは1〜5
0nmのものが好ましい。
【0027】
【作用】本発明は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜か
らなる磁性層を有する磁気記録媒体において、強磁性金
属薄膜あるいは金属薄膜上の保護膜の表面、もしくはバ
ックコート層上に炭素鎖の長いリン化合物と炭素鎖の短
いリン化合物を存在させたので、炭素鎖の短いリン化合
物が極圧反応性が低い炭素鎖の長いリン化合物の極圧反
応を促進し、炭素鎖の長いリン化合物により強固な保護
膜を強磁性金属薄膜もしくは強磁性金属薄膜上に形成し
た炭素膜上に強固な膜を形成し、走行耐久性、保存性大
きな磁気録媒体が得られる。
【0028】
【実施例】
実施例および比較例 10μm厚のポリエチレンテレフタレート上にコバルト
−ニッケルを斜め蒸着し膜厚150nmの強磁性金属薄
膜を形成した。蒸発源としては電子ビーム蒸発源を使用
し、コバルトを充填し真空度6.7×10-3N/m2
にて酸素を導入しつつ入射角が45度から75度になる
よう斜め蒸着し磁性層Aを得た。この磁性層A上に、メ
タンを原料に直流バイアスを印加するプラズマCVD法
により8nmの膜厚の炭素膜を形成した。高周波電力と
しては400Wを印加してプラズマを発生させ、パスロ
ーラを介して磁性層表面には−400Vを、気体導入部
に設置されたアノードには+500Vのバイアス直流電
圧を印加して、発生したプラズマを加速させて磁性層表
面に炭素保護膜を形成し、これを磁性層Bとした。この
ようにして得られた磁性層A、B上に、表1〜表5記載
の1種あるいは2種の化合物を混合し、コイルバーで塗
布乾燥した後、以下の組成のバックコート層を設け、8
mm幅に裁断して磁気テープを作製した。
【0029】 (バックコート層塗布液) カーボンブラック カンカルブ N−990 3重量部 (カンカルブ社製 平均粒子径 270nm) ブラックパール 800 97重量部 (キャボット社製 平均粒子径 17nm) ニトロセルローズ(ダイセル社製 RS1/2H) 60重量部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製 N−2304) 60重量部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製 コロネートL) 20重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 作製した磁気テープを以下のような方法によって評価
し、その結果を表1〜5に示す。試料番号に記載の
(比)は比較例を示す。 〔評価方法〕 摩擦係数(μ値)の測定 10℃80%RHの環境において磁気記録媒体とステン
レス棒(材質SUS420J)とを50gの張力
(T1 )で巻き付け角180°で接触させた、磁気テー
プを3.3cm/秒の速度で走行させるのに必要な張力
(T2 )を測定し、下記計算式により磁気テープの摩擦
係数μを求めた。 μ=1/π・ln(T2 /T1 ) スチル耐久性の測定 10℃70%RHの環境において、8mmVTR(富士
写真フイルム(株)製HI8 FH125SW)を使用
し、スチル制限機構を動作させないでスチル状態で画像
を再生し、出力が初期出力の−6dBとなるまでの時間
を測定して評価した。
【0030】保存後の再生出力低下 スチル耐久性の評価に使用した8mmVTRによって、
7MHzの信号を記録し、23℃50%RHでの1回目
の出力を0dBとし、10℃10%RHで100回通過
後の出力変化を測定した。 耐候性の評価 下記環境に保存し、保存後の磁性層表面を目視および光
学顕微鏡で観察した。 Cl2:10ppb,NO2:200ppb,H2S:1
0ppb 上記3種混合ガスの流量:1000L/H 温湿度:60℃90%RH 保存日数:14日間 評価基準 ○…磁性層表面を200倍の光学顕微鏡で観察したとき
腐食がまったく見られない。 △…同上で腐食が見られるが、肉眼観察で磁性層表面の
金属光沢が認められる。 ×…肉眼で観察したとき磁性層表面に金属光沢がない。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】従来公知の潤滑剤では得られなかった高
度な保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術
が得られ、高密度磁気記録媒体を実現した。リン化合物
は、他の潤滑剤と異なり走行等による摺動によって、極
圧作用をおこし、分解し保護膜を作る。高度な走行耐久
性を持たせるためには、保護膜を強固にかつ瞬時に緻密
に形成する必要がある。本発明では、短鎖のリン化合物
と長鎖のリン化合物を合わせて用いることで達成でき
た。この理由は本発明の長鎖のリン化合物は保護膜を強
固に形成するが、極圧反応性が弱いため瞬時に緻密な膜
を作ることができない。一方、本発明の短鎖のリン化合
物は瞬時に緻密な膜を作ることは可能だが保護膜の強度
が小さいが、この極圧反応時の遷移状態が長鎖のリン化
合物の極圧反応助剤的に寄与するため長鎖リン化合物も
同時に反応し、瞬時に緻密で強固な保護膜を形成するこ
とができるのではないかと考えられる。
【0037】また、強磁性金属薄膜上に炭素膜が存在す
る場合には、表面にラジカル種が存在するためそのラジ
カル種も反応に寄与し、上記併用効果が増加するため磁
性層の保護膜性が向上し、走行耐久性が向上すると考え
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/38 Z 9155−4H 9/50 9155−4H 9/53 9155−4H C10M 137/04 137/12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強
    磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体において、該強磁性
    金属薄膜上には下記一般式(1)〜(4)で表される短
    い炭素鎖を有するリン化合物のうちの少なくとも1種と
    下記一般式(5)〜(8)で表される長い炭素鎖を有す
    るリン化合物のうちの少なくとも1種とが存在している
    ことを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 ただし、上記(1)〜(4)の一般式において、 R1〜R4は、炭素数が4以上10以下のフッ素含有炭化
    水素鎖あるいは炭素水素鎖、 X1、X2は、O、SもしくはN Y2、Y4は、O、SもしくはN nは、1以上3以下の整数 M1〜M4は、水素、アルカリ金属、アンモニウムもしく
    は1級から4級までのアルキルアンモニウムである。 【化2】 ただし、上記(5)〜(8)の一般式において、 R5〜R8は、炭素数が14以上21以下のフッ素含有炭
    化水素鎖あるいは炭素水素鎖、 X5、X6は、O、SもしくはN Y6、Y8は、O、SもしくはN nは、1以上3以下の整数 M5〜M8は、水素、アルカリ金属、アンモニウムもしく
    は1級から4級までのアルキルアンモニウムである。
JP17865694A 1994-07-29 1994-07-29 磁気記録媒体 Pending JPH0845066A (ja)

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JP17865694A JPH0845066A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 磁気記録媒体

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JP17865694A JPH0845066A (ja) 1994-07-29 1994-07-29 磁気記録媒体

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JPH0845066A true JPH0845066A (ja) 1996-02-16

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