JPH087260A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH087260A
JPH087260A JP13712894A JP13712894A JPH087260A JP H087260 A JPH087260 A JP H087260A JP 13712894 A JP13712894 A JP 13712894A JP 13712894 A JP13712894 A JP 13712894A JP H087260 A JPH087260 A JP H087260A
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JP
Japan
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recording medium
magnetic recording
thin film
metal thin
magnetic
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JP13712894A
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Toshio Ishida
寿男 石田
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Tsutomu Okita
務 沖田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行性、耐久性および保存性に優れた薄膜金
属型磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性
金属薄膜を有する磁気記録媒体において、強磁性金属薄
膜上、強磁性金属薄膜上に形成した保護膜上、もしくは
該強磁性金属薄膜を形成した面とは反対側の面上の少な
くともいずれか一方に、下記一般式(1)〜(4)で表
される化合物のうちの少なくとも1種が存在している磁
気記録媒体。 【化1】 ただし、各化合物における炭素数の合計は、4〜57、
1、R2は、同一もしくは異なる水素、炭化水素基、フ
ッ化炭化水素基 R3は、窒素を含む環状の炭化水素基、窒素を含む環状
のフッ化炭化水素基であってその中に含まれる窒素原子
の一つがリンと直接結合していること、nは、1〜3の
整数である。 【効果】 耐食性が大きな強固な保護膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
とくに走行性、耐久性および保存性に優れた磁気記録媒
体、とくに強磁性金属薄膜からなる磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体の潤滑剤を磁性層表面に塗布することによっ
て、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性および走行耐
久性を改善することが行われている。とくに、磁気記録
媒体では記録の高密度化により磁性層表面はより平滑に
なり、また磁気記録媒体はさまざまな環境で使用され、
かつ記録された情報は数年から数十年にわたって保存さ
れる。そのため多様な環境下での走行耐久性および保存
安定性が要求されており、従来の潤滑剤では十分な効果
を発揮し得なくなっている。さらに、カムコーダすなわ
ちカメラ一体型ビデオテープレコーダや小型のビデオテ
ープレコーダは、外部で使用されることが多く、磁気記
録媒体には幅広い環境条件での使用に耐える潤滑性能が
必要とされている。また、強磁性金属薄膜型磁性層は高
密度記録に有利であり、今後の高精細度化、デジタル化
等の磁気記録密度向上のために強磁性金属薄膜型が期待
されているが、記録層の金属がごく薄い酸化層でのみ保
護されているので、強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体に
あっては、保存性の大幅な向上が可能な潤滑剤の提供が
求められている。
【0003】電磁変換特性が優れ高密度記録用の磁気記
録媒体して期待されている強磁性金属薄膜を非磁性支持
体上に形成したいわゆる強磁性金属薄膜型磁気記録媒体
にあっては、有機フッ素化合物を潤滑剤とすることが有
効であることが知られている。パーフルオロアルキル基
を含む有機フッ素化合物は、疎水性であると同時に疎油
性の性質も有しており、水および油中においても界面活
性剤としての性質を発揮することはよく知られている。
また、表面エネルギーを低下させる特性も有しており、
これらの性質を利用して有機フッ素化合物を塗布して材
料の滑り性や潤滑性を改善することが行われている。
【0004】しかしながら、これらの従来の潤滑剤で
は、幅広い環境条件下での使用に耐える潤滑性能が必要
とされている。そこで、有機フッ素化合物に代えて、あ
るいは有機フッ素化合物に加えて各種の物質を使用する
ことが行われている。例えば、特開昭58−14143
9号公報には、リン含有極圧剤を用いることが記載され
ており、極圧剤による走行性付与を目的としているが、
強磁性金属薄膜の改善の効果はまだ小さいため低速摺動
では効果的でも高速摺動でははなはだ不十分であり広範
囲の温湿度での走行耐久性は不十分であった。
【0005】また、特開昭62−236120号公報、
特開昭62−266729号公報には、従来の有機フッ
素化合物からなる潤滑剤とともに極圧添加剤を使用し、
厳しい条件下の摺動時に金属薄膜表面を改質する試みが
なされている。しかしこの方法では極圧剤以外の潤滑剤
吸着膜と極圧剤の相互作用により金属薄膜の改質効果は
小さかった。また一般に知られている亜リン酸トリデシ
ル等の極圧剤は改質効果を高めるために、その強磁性金
属薄膜上での存在量を増加させると未反応の極圧剤や反
応生成物の存在により摩擦係数の増大を招くことがあっ
た。そこで、特開平5−28462号公報に記載のよう
に、潤滑剤とリン酸を併用する方法も検討されたが、こ
の場合にはリン酸の酸性による保存性の懸念があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度磁気
記録媒体、とくに記録密度を飛躍的に向上させる蒸着、
スパッタリング等の方法によって形成した強磁性金属薄
膜からなる磁気記録媒体に走行性、耐久性、保存性を付
与した磁気記録媒体を提供するものである。また、屋外
での使用でも充分な走行性、耐久性を持つ磁気記録媒体
を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
の少なくとも一方の面に強磁性金属薄膜を有する磁気記
録媒体において、該強磁性金属薄膜形成面もしくは該強
磁性金属薄膜を形成した面とは反対側の面上の少なくと
もいずれか一方に、下記一般式(1)〜(4)で表され
る化合物のうちの少なくとも1種が存在している磁気記
録媒体である。
【0008】
【化2】
【0009】ただし、各化合物における炭素数の合計
は、4〜57 R1、R2は、同一もしくは異なる水素、炭化水素基、フ
ッ化炭化水素基 R3は、窒素を含む環状の炭化水素基、窒素を含む環状
のフッ化炭化水素基であってその中に含まれる窒素原子
の一つがリンと直接結合していること nは、1〜3の整数である。
【0010】一般式(1)〜(4)において、R1
2、R3 は分岐していても良い飽和もしくは不飽和炭
化水素であり、フッ素化炭化水素、炭化水素のいずれで
も良いが、フッ素化炭化水素よりも炭化水素が好まし
い。さらに、環状構造を有するものが好ましく、具体的
には、以下の環状構造が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】また、前記一般式(3)で表される化合物
が下記一般式(5)で表される化合物であることがさら
に好ましい。 (R3 3 P=O…(5) 但し、炭素数の合計は12〜36である。また、前記一
般式(4)で表される化合物が下記一般式(6)で表さ
れる化合物であることが好ましい。 (R3 3 P …(6) 但し、炭素数の合計は12〜36である。
【0013】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に、強磁性金属薄膜上、強磁性金属層上に積
層した保護膜上、非磁性支持体の強磁性金属薄膜を形成
した面とは反対の面のいずれか一方の面上に、前記リン
含有化合物を含有させることにより、電磁変換特性が優
れている金属薄膜型磁気記録媒体が有する耐久性、走行
性、耐腐食性等のの問題点を著しく向上させるものであ
り、前記の一般式(1)〜(4)の化合物の中でも好ま
しい化合物は、一般式(3)および(4)の化合物であ
る。これは、反応性が大きく、とくにリン原子に隣接し
ている基が環状構造を有しているために電子吸引性が強
いためと考えられる。さらに、これらの観点から、最も
好ましい化合物は(5)及び(6)である。
【0014】また、R1、R2、R3 の各基の炭素数は、
4〜57であり、各化合物単独での分子中の炭素数が4
〜57であることが好ましい。炭素数の合計量が重要で
あるのは、反応性と揮発性等の分子の安定性の点を考慮
したときに個々の分子鎖の長さよりも分子全体の大きさ
が重要であるからと考えられる。さらに炭素数は、好ま
しくは6〜38、特に好ましくは12〜36である。炭
素数の合計量が4未満であると分子が強磁性金属薄膜上
で蒸発し易く、また、57を超えると反応性が小さくな
るので大きな効果が望めない。これらの、本発明のリン
化合物は、2級アミン等と三塩化リンあるいはオキソ三
塩化リンを滴下反応後、アセトン、ヘキサン等で精製す
る等の方法によって得ることができる。
【0015】本発明で使用できる磁性層はコバルトを主
体とした従来より公知の金属または合金を微量の酸素雰
囲気で真空斜め蒸着法で作成されたものである。特に電
磁変換特性を改善するため磁性層を構成する金属原子の
90%以上はコバルトであるCo−O、Co−Oを含有
するCo−Fe等が好ましい。また、コバルトが金属原
子の95〜100%であることが好ましく、97〜10
0%であることがより好ましい。磁性層は、単層、平行
型多層、非平行型多層のいずれでも良く、蒸着スパッタ
リングによって形成することができる。なお、ここでい
うコバルト100%とは、通常の意味で言う純粋に近い
コバルトのことであり、ファイブナイン以上程度の純度
のものをいう。磁性層の厚みは、100〜3000nm
とするのが望ましく、さらに望ましくは120〜200
0nmである。
【0016】磁性層を構成する金属原子のほとんどがコ
バルトである強磁性金属薄膜は磁気特性に優れているが
耐候性が悪く、さらに走行性、耐久性の面でも実用上問
題であった。ところが、本願発明のような潤滑層を使用
することにより上記のようにその90%以上がコバルト
である組成であっても耐食性、走行性、耐久性の面で優
れた実用に充分耐え得る磁気記録媒体とすることができ
る。とくに、コバルトの含有量が多くなるほど本願発明
におけるリン化合物との反応性が高くなり、また、磁気
特性の面からも有利となるからである。なお、ここでい
うコバルト100%とは、通常の意味で言う純粋に近い
コバルトのことであり、ファイブナイン以上程度の純度
のものをいう。
【0017】また、磁性層の表面にグラファイト構造も
しくはダイヤモンドライク構造の炭素保護膜を、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、あるいは
エチレン、プロピレン等のアルケン、またはアセチレン
等のアルキンをはじめとした炭素含有化合物を原料とし
たプラズマCVDによって形成した後に、前記のリン化
合物を付与することにより、効果的のその耐久性を向上
させることができる。
【0018】また、非磁性支持体の磁性層を形成した面
とは反対側の面に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする
塗布膜からなるバックコート層を設けることにより本願
発明の磁気記録媒体の走行性や耐久性をさらに向上させ
ることができる。強磁性金属薄膜は、その表面もしくは
内部に潤滑剤を保持できる量が少ないので予め潤滑剤を
バックコート層中に含有させておくことにより、不足す
る潤滑剤をバックコート層側から供給することができる
ので有利である。すなわち、テープ状の磁気記録媒体が
巻き取られた状態でバックコート層と磁性層とが接する
ことにより潤滑剤が磁性層へ補給されるのである。
【0019】また、スチル耐久性が有効な潤滑剤である
エステル系化合物は、強磁性金属薄膜に対する親和性が
充分でないので、バックコート層中に含有させておくこ
とによりその効果を充分に発揮させることができる。バ
ックコート層の非磁性粉末としては、各種の無機顔料や
カーボンブラックを使用することができ、また結合剤樹
脂としてはニトロセルロースや塩化ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用さ
れている各種のものを使用することができる。
【0020】また、本発明のリン化合物の塗布量は、
0.2〜40mg/m2 であることが好ましく、0.2
mg/m2 よりも少ないと効果がなく、40mg/m2
であると反応しない物質の量が多くなり、走行停止を起
こす。本発明のリン化合物は好ましくは、0.5mg/
2 〜10mg/m2 である。塗布は、非磁性支持体上
の強磁性金属薄膜を有する面、あるいは非磁性支持体を
形成した面とは反対の面のいずれの面、あるいはこれら
の両者に塗布しても良いが、バックコート層に塗布した
方が走行後のリン化合物の減少を磁気記録媒体の巻き取
りの際に転写によって補充されるので好ましく、バック
コート層への塗布は、バックコート層上へ塗布しても、
あるいはバックコート層の塗布液中に本発明のリン化合
物を混合しても良い。
【0021】本発明のリン化合物は単独、あるいは2種
以上混合して用いても良いが、他の潤滑剤と併用して用
いる方が好ましい。併用する潤滑剤としては、分岐ある
いは直鎖の脂肪酸、変性或いは未変性パーフルオロポリ
エーテルおよびこれらの塩、脂肪酸エステル、フッ素化
された脂肪酸および脂肪酸エステル等の従来から知られ
た潤滑剤を用いることができるが、特に、以下の極性基
をもつ化合物が好ましい。脂肪酸としては具体的には、
1123COOH、C1327COOH、C1531COO
H、C1735COOH、C1939COOH、C2143
OOH、C1733COOH、C1731COOH、C49
1020COOH、C6131020COOH、C817
1020COOH、C10211020COOH等が挙げ
られる。
【0022】スルホン酸としては、C1225SO3H、
1429SO3H、C1633SO3H、C1837SO
3H、C2041SO3H、C2245SO3H、C81711
22SO3H等が挙げられる。また、有機硫酸として
は、C1225OSO3H、C1429OSO3H、C1633
OSO3H、C1837OSO3H、C2041OSO3H、
2245OSO3H、C8171122SO3H等が挙げ
られる。
【0023】また、リン酸としては、C1225OPO3
2、C1429OPO32、C1633OPO32、C18
37OPO32、C2041OPO32、C2245OPO
32、(C1225O)2PO2H、(C1429O)2PO2
H、(C1633O)2PO2H、(C1837O)2PO
2H、(C2041O)2PO2H、(C2245O)2PO2
H、C491122OPO32、C6171122OP
32等が挙げられる。また、ホスホン酸としては、C
1225PO32、C1429PO32、C1633PO
32、C1837PO32、C2041PO32、C2245
PO32、(C12252PO2H、(C14292PO2
H、(C16332PO2H、(C1837)PO2H、
(C20412PO2H、(C22452PO2H、C49
1122PO32、C6131122PO32、C816
1122PO32、C10211122PO32等が挙げ
られる。これらのなかでは、とくにリン酸が好ましく、
なかでもC1225OPO32、C1429OPO32、C
1633OPO32、C1837OPO32、(C12
25O)2PO2H、(C1429O)2PO2H、(C1633
O)2PO2H、(C1837O)2PO2H、C4911
22OPO32、C6171122OPO32、C816
1122OPO32等が好ましい。また、極性基をもつパ
ーフルオロポリエーテルとしては CF3 −(CFRfCF2−O)n−CF2CF3 あるいはこの末端がOH、COOH等で変性されている
物が用いられる。ここでRfはCF3、F、分子量は1
000〜2000、好ましくは2500〜1000のも
のであり、KRYTOX K157FSL(デュポン社
製)、DEMNUM−SY DEMNUM−SH(ダイ
キン工業製)などである。
【0024】本発明で使用する非磁性支持体としては、
厚さ5〜15μmのポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド等のフ
イルムが好ましい。非磁性支持体上には、非磁性下地層
を形成し、走行性、耐久性の改善を行うことが好まし
い。
【0025】また、本発明の磁気記録媒体には、テトラ
ザインデン環化合物、チオウラシル環化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物、チオベンズイミダゾール系化合物
からなる防錆剤の少なくとも1種を含有させることによ
って磁気記録媒体としての特性を高めることができる。
このような目的で使用可能なテトラザインデン環化合物
には、下記に示すものが挙げられる。
【0026】
【化4】
【0027】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
とくに好ましくは、炭素数3以上26以下であり、アル
コキシの場合にはROCOCH2−のRは、C37−、
613−、フェニル、またアルキル基の場合には、C6
13−、C919−、C1735−が挙げられ、アルキル
アミドの場合にはRNHCOCH2−のRはフェニル、
37−が挙げられる。また、チオウラシル環化合物に
は、下記に示すものが挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】ここで、Rは炭素数が3以上である炭化水
素基である。潤滑剤と防錆剤を混合して同時に塗布して
も良いが、防錆剤を先に塗布した後に、潤滑剤を塗布す
る方法が効果的である。塗布の方法は有機溶剤に溶解し
てコイルバー等通常の塗布方式で塗布することができ
る。これらの防錆剤の塗布量は0.1〜5.0mg/m
2 であり、好ましくは0.3〜3mg/m2 である。走
行耐久性を向上させるために、強磁性金属薄膜を形成す
る前に非磁性支持体表面に微小突起を設けておくことが
結果的に磁性層表面に適度な凹凸を設けることになり効
果的である。非磁性支持体表面の微小突起の存在密度は
2×106 〜2×108 個であり、突起の高さは1〜5
0nmのものが好ましい。
【0030】本発明の磁気記録媒体における強磁性金属
薄膜もしくはバックコート層側にある上記化合物の同定
及び存在量は、磁気記録媒体からアセトン、メタノール
等の有機溶剤で化合物を抽出し、ガスクロマトグラフィ
ー、赤外線分光分析、NMR、質量分析等によって行う
ことできる。
【0031】
【作用】本発明は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜か
らなる磁性層を有する磁気記録媒体において、強磁性金
属薄膜あるいは金属薄膜上の保護膜の表面、もしくはバ
ックコート層上に特定の化学構造を有するリン化合物を
存在させたので、リン化合物は反応性が高く、強磁性金
属薄膜もしくは保護膜と反応した強固な膜を形成し、走
行耐久性、保存性大きな磁気録媒体が得られる。
【0032】
【実施例】
実施例および比較例 8μm厚のポリエチレンテレフタレート上にコバルト−
ニッケルを斜め蒸着し膜厚120nmの強磁性金属薄膜
を形成した。蒸発源としては電子ビーム蒸発源を使用
し、これにコバルトとニッケルの組成を変えた合金を充
填し真空度6.7×10-3N/m2 中にて酸素を導入し
つつ入射角が45度から75度になるよう斜め蒸着し、
表1に記載の磁性層A〜Cを作製した。次いで、表1記
載の強磁性金属薄膜A上に、メタンを原料に直流バイア
スを印加するプラズマCVD法により8nmの膜厚の炭
素膜を形成した。高周波電力としては400Wを印加し
てプラズマを発生させ、パスローラを介して磁性層表面
には−400Vを、気体導入部に設置されたアノードに
は+500Vのバイアス直流電圧を印加して、発生した
プラズマを加速させて磁性層表面に炭素保護膜を形成し
た。これを磁性層Dとする。このようにして得られた磁
性層A〜D上に、第2〜表4記載の1種あるいは2種の
化合物を混合し、コイルバーで塗布乾燥した後、バック
コート層を設け、8mm幅に裁断して磁気テープを作製
した。
【0033】
【表1】
【0034】作製した磁気テープを以下のような方法に
よって評価し、その結果を表2〜4に示す。試料番号に
記載の(比)は比較例を示す。 〔評価方法〕 スチル耐久性 8mmVTR(富士写真フイルム(株)製 FUJIX
−8 M6型)スチル再生時時間制限機構を動作させず
にスチル再生し、画像が出なくなるまでの時間を測定し
た。スチル耐久性は、A)そのままのもの(保存前)と
B)50℃70%RHの環境に7日間保存したものを2
3℃7%RHで測定した。 保存後の再生出力低下測定 前記の8mmVTRで7MHzの信号を記録し、100
回使用後の出力低下(A条件)と50℃70%RHの環
境に7日間保存し、23℃10%RHで測定した時の出
力低下(B条件)を、23℃10%RHで1回目の出力
を0dBとした出力変化として測定した。 耐候性の評価 下記環境に保存し、保存後の磁性層表面を目視および光
学顕微鏡で観察した。 Cl2:10ppb,NO2:200ppb,H2S:1
0ppb 上記3種混合ガスの流量:1000L/H 温湿度:60℃90%RH 保存日数:14日間 評価基準 ○…磁性層表面を200倍の光学顕微鏡で観察した時腐
食がまったく見られない。△…同上で腐食が見られる
が、肉眼観察で磁性層表面の金属光沢が認められる。×
…肉眼で観察したとき磁性層表面に金属光沢がない。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】従来公知の潤滑剤では得られなかった高
度な保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術
が得られ、高密度磁気記録媒体を実現した。これは本発
明に開示した特定構造のリン化合物は、他のリン化合物
に比べて摺動による分解反応が容易であり、かつ他のリ
ン化合物あるいはリン酸処理に比べて緻密な保護膜を形
成するため耐久性が向上するのではないかと考えられ
る。またこの分解保護膜は、緻密なため耐腐食性も非常
に強いため極性の強い潤滑剤を併用しても保存性が劣化
しなくなる。またこの反応によって磁性層とカーボン層
の密着が良くなるらしく、カーボン層が存在していると
さらに磁性層に傷がつきづらくなりスチル走行耐久性が
向上した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強
    磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体において、該強磁性
    金属薄膜形成面もしくは該強磁性金属薄膜を形成した面
    とは反対側の面上の少なくともいずれか一方に、下記一
    般式(1)〜(4)で表される化合物のうちの少なくと
    も1種が存在していることを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 ただし、各化合物における炭素数の合計は、4〜57 R1、R2は、同一もしくは異なる水素、炭化水素基、フ
    ッ化炭化水素基 R3は、窒素を含む環状の炭化水素基、窒素を含む環状
    のフッ化炭化水素基であってその中に含まれる窒素原子
    の一つがリンと直接結合していること nは、1〜3の整数である。
  2. 【請求項2】 前記強磁性金属薄膜の表面に保護膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
JP13712894A 1994-06-20 1994-06-20 磁気記録媒体 Pending JPH087260A (ja)

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