JPH0512656A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0512656A
JPH0512656A JP19097891A JP19097891A JPH0512656A JP H0512656 A JPH0512656 A JP H0512656A JP 19097891 A JP19097891 A JP 19097891A JP 19097891 A JP19097891 A JP 19097891A JP H0512656 A JPH0512656 A JP H0512656A
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JP19097891A
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Inventor
Tadashi Hirano
肇志 平野
Takahiro Matsuzawa
孝浩 松沢
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体1上に、磁性層2及び磁性層を保護す
るための保護層4をこの順に設けてなる磁気記録媒体に
おいて、下記一般式 【化13】 (式中、Rfは炭素原子数3〜12のフッ素置換された不
飽和炭化水素基であり、R1 、R2 は水素原子又は置換
されていてもよい炭化水素基である。また、nは1〜10
の整数である。)で表される化合物を保護層4に含有す
ることを特徴とする磁気記録媒体。 【効果】 繰り返し使用しても走行性を維持する耐久性
(耐摩耗性)及び耐食性に優れた磁気記録媒体、特に強
磁性金属薄膜型磁気記録媒体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク、磁気テー
プ、磁気シート等の磁気記録媒体に係り、特に支持体上
に強磁性金属薄膜を設けた磁気記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】従来より磁気記録媒体としては、支持体上
にγ−Fe2 3 、Co含有又は被着のγ−Fe2 3
或はCrO2 等の金属酸化物強磁性粉末或は、Fe、C
o、Ni等を主成分とする合金強磁性粉末等の粉末磁性
材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダー中に分散
せしめた磁性塗料を塗布・乾燥することにより作成され
る塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
【0003】一方、真空蒸着、スパッタリング、イオン
プレーティング、などの方法によって形成される強磁性
金属薄膜も高密度記録用磁気記録媒体の磁性層として検
討されている。しかし、こうした強磁性金属薄膜は、磁
気ディスク、磁気テープなどの磁気記録媒体として用い
た場合に、記録再生時に磁気ヘッドと大きい相対速度で
摺接し、磁性金属が直接磁気ヘッドに触れるため、上記
の塗布型のものに比べ磁性層が摩耗されやすいといった
欠点をもっていた。
【0004】また、個々の磁性体が有機バインダーにく
るまれて独立に存在している上記の塗布型磁気記録媒体
と比較して、強磁性金属薄膜は錆等の腐食が起こり易
く、さらに、磁性金属が互いに接触しているために腐食
の伝搬が速い。従って、強磁性薄膜型磁気記録媒体に
は、摩耗の少ない耐久性、耐食性に優れたものが要求さ
れていた。
【0005】磁気記録媒体の耐食性及び耐久性を改善す
るために、磁性層表面に高級脂肪酸、脂肪酸エステル或
はフッ素系潤滑剤などの潤滑剤を塗布・乾燥させ保護層
を形成する技術は公知である。
【0006】しかし、例えば、磁性層表面に脂肪酸等を
塗布する方法の場合は、塗布直後は摩擦係数も小さく磁
性層の耐久性が向上されるが、長時間使用するに連れて
潤滑剤が消失するために十分な耐久性は得られなかっ
た。
【0007】また、特開昭57−152543号、同58−77032
号の各公報にはパーフルオロアルキルカルボン酸または
その塩を潤滑剤として使用する技術が開示されている
が、耐食性に問題があり、耐久性試験後の摩擦係数の上
昇も大きいため、目的を達するには不十分であった。
【0008】更に特公昭60−10368 号公報には、パーフ
ルオロポリエーテルを使用する技術が開示されている。
しかし、この技術では、耐久性及びスチル耐久性はある
程度改善されるものの、磁性層との接着が弱く、潤滑剤
が剥脱し易い欠点があるため、ヘッド等に付着し、実用
性に欠ける面があった。
【0009】この問題を解決するためにパーフルオロポ
リエーテルの末端にいろいろな極性基を導入して接着性
の改善を行う技術も公知である。しかし、この技術では
一定の効果はあるが、耐食性を向上させるために必要十
分な量の上記パーフルオロポリエーテルを磁性層表面に
付与すると、例えば磁気テープの低速域に於て摩擦係数
が大きくなって貼付きが起き易くなり、さらにひどい場
合にはテープ鳴きが起こるようになり実用性に問題があ
った。
【0010】以上述べたように、従来の潤滑剤を磁性層
表面に塗布するだけでは、磁気ヘッドとの摺動条件が厳
しいため、耐久性と耐食性の両方を満足させることは出
来なかった。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、繰り返し使用しても走
行性を維持できる耐久性(耐摩耗性)及び耐食性に優れ
た磁気記録媒体、特に強磁性金属薄膜型磁気記録媒体を
提供することにある。
【0012】
【発明の構成及びその作用効果】本発明は、支持体上に
磁性層(特に、強磁性金属薄膜磁性層)及び磁性層を保
護するための保護層をこの順に設けてなる磁気記録媒体
において、一般式
【化3】 (式中、Rfは炭素原子数3〜12のフッ素置換された不
飽和炭化水素基であり、R1 、R2 は水素原子又は、置
換されていてもよい炭化水素基である。また、nは1〜
10の整数である。)で表される化合物、及び/又は、一
般式
【化4】 (式中、Rfは前記の通りである。また、mは1〜10の
整数であり、lは2以上の整数である。)で表される化
合物を前記保護層に含有することを特徴とする磁気記録
媒体に関するものである。
【0013】また本発明は、前記保護層の上に更に潤滑
層を設けた磁気記録媒体に関するものでもある。
【0014】更に本発明は、支持体上に、磁性層及び磁
性層を保護するための保護層をこの順に設けてなる磁気
記録媒体において、前記の(a)及び/又は(b)で表
わされる化合物に加えて、更に下記 (c)全フッ素置換されたオキシメチレン基、オキシエ
チレン基、オキシプロピレン基又はオキシイソプロピレ
ン基の1種以上からなるパーフルオロポリアルキレング
リコールのモノエーテル又はジエーテルであって、少な
くとも一方の末端側(モノエーテルの場合は、−OH末
端側)が、置換又は非置換のエステル、アミノ基、酸ア
ミド基、水酸基、含窒素複素環基、ホスホニトリルアミ
ド基又はアリール基のうちの一種で変性されている末端
変性パーフルオロポリエーテル を含有することを特徴とする磁気記録媒体に関するもの
でもある。
【0015】また、本発明においては、上記の末端変性
パーフルオロポリエーテルを前記の潤滑層に含有させる
ことも好ましい。
【0016】本発明者は、前記目的を達成するために、
媒体とヘッドの摺動耐久性向上に有効なフッ素系潤滑剤
を長期間にわたって鋭意研究し、本発明に到達したもの
である。
【0017】磁気記録媒体の摺動耐久性を高めるには、
この摩擦係数を小さくするための潤滑剤を磁性層表面に
介在させる必要がある。従来技術で提案されてきたフッ
素系潤滑剤の塗布は、媒体の表面エネルギーを低下させ
る効果があり、摩擦係数の低減において有用な手段と考
えられていた。しかし、繰り返し摺動によって潤滑剤が
脱離してしまう難点があり、このような状態になると再
び摩擦係数は上昇し、耐久性は得られない。即ち、磁性
層に強固に保持される潤滑剤でなければ、繰り返し摺動
時の磁性層の表面エネルギーを低い状態で維持すること
が出来ず、摩擦係数の上昇を抑えて耐久性を持たせるこ
ともできないことは明らかである。
【0018】また耐食性については、強制劣化試験の結
果に基づいて、磁性層の腐食は磁性層を形成する強磁性
金属と水分との反応や、或は水を媒体とした酸素や腐食
性ガスとの反応が中心であることが判明した。従って、
摺動耐久性の場合と同じく、耐食性についても磁性層の
表面エネルギーを低い状態で維持することによって、磁
性層と水分等との相互作用を抑え、耐食性を向上するこ
とが可能であることもまた明らかである。
【0019】磁性層上に、前記のフッ素系潤滑剤の層を
強固に形成するためには、吸着安定性を左右する要因で
あるフッ素系潤滑剤の末端官能基の酸性度kaをコント
ロールする必要がある。
【0020】上記の酸性度kaは、フッ素化炭化水素基
の影響を大きく受ける。特に、従来のパーフルオロアル
キル系の潤滑剤では、電気陰性度の高いフッ素原子が置
換した長鎖の飽和炭化水素鎖が、直接末端官能基と結合
しているため、kaが高くなるという難点があった。
【0021】これに対して、本発明に基づく前記
(a)、(b)に示す化合物(以後、化合物(a)、化
合物(b)という。)を上記のパーフルオロアルキル系
の潤滑剤に代えて用いる場合は、炭素鎖中に含まれる二
重結合がフッ素原子の強い電気陰性度を抑えるため、末
端リン酸基の酸性度を上昇させない。
【0022】また、フッ素原子の電気陰性度の末端官能
基に及ぼす影響は、フッ化炭素鎖と官能基とをつなぐ炭
化水素の構造にも関連がある。本発明では、酸素原子を
介した不飽和フッ化炭素基を、末端官能基を含む炭化水
素鎖が結合したベンゼン環に置換することで、フッ素原
子の電気陰性度の影響を更に和らげている。
【0023】本発明に係る、前記(a)化合物は、下記
の一般式に示す不飽和フッ化炭素鎖Rfを有する。
【化5】 (式中、R3 、R4 、R5 は、水素原子、フッ素原子、
又は少なくとも一部がフッ素で置換された炭素鎖であ
る。また、炭素原子数はR3 、R4 、R5 及び上記二重
結合を形成する2つの炭素の合計で3〜12である。な
お、R3、R4 、R5 のいずれか1つ又は2つ以上が不
飽和結合を更に含んでいてもよい。)
【0024】上記Rfの炭素数が3未満の場合には、十
分な撥水又は撥油性が得られず、また12を超える場合は
分子構造上の立体障害のために、緻密な分子膜が形成さ
れにくくなるためと考えられるが、いずれも本発明の効
果を発揮することができない。またRfの炭素原子数の
好ましい範囲は6〜12であり、6〜9が更に好ましい。
【0025】また、上記化合物(a)の炭化水素鎖の炭
素原子数nは1〜10であるが、1〜8が好ましく、1〜
6が更に好ましい。これが10を超える場合には、溶剤等
と混合した場合に凝集し、ヘッド目詰まり等のトラブル
を起こす原因となる。
【0026】化合物(a)の具体例としては、以下のよ
うなものが挙げられる。(不飽和フッ化炭素鎖は直鎖で
あっても分岐していてもよい。)
【化6】
【0027】一方、本発明に係る前記化合物(b)にお
いても、化合物(a)と同じく不飽和フッ化炭素鎖Rf
を有する。このRfの定義は、化合物(a)の場合と同
様である。また炭化水素鎖の炭素原子数mについての定
義も、化合物(a)の炭素原子nの場合と同様である。
またlは2以上であるが、好ましくは2〜50、更に好ま
しくは2〜30である。
【0028】化合物(b)の具体例としては、以下のよ
うなものが挙げられる。
【化7】
【0029】上記の化合物(a)及び/又は化合物
(b)と、前記の(c)に示した末端変性パーフルオロ
ポリエーテル(以下、化合物(c)という。)を併用す
ることによって磁性層の耐久性及び耐食性を一層向上さ
せることができる。
【0030】化合物(c)は、一方の末端はポリエーテ
ルを構成するパーフルオロアルキレン基と同じ炭素数の
パーフルオロアルキル基のエーテルである(ポリエーテ
ルを構成するパーフルオロアルキレン基が2種以上の場
合には、それらのうちのいずれか1種である)。また、
もう一方の末端は、エステル、アミン、アミド、アルコ
ール、ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジ
ン、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、ホスホ
ニトリルアミド、ジフェニル、ジフェノキシ誘導体、と
いった酸性度Kaのあまり強くないものによって変性さ
れている。
【0031】上記の末端変性がカルボン酸のような酸性
タイプのもので行われた場合は、本発明に用いた化合物
(a)或は(b)と化学反応を起こして耐久性・耐食性
を劣化させることがあるため好ましくない。
【0032】化合物(c)の具体例としては、以下のよ
うなものが挙げられる
【化8】
【0033】前記化合物(a)及び/又は(b)並びに
(c)〔(c)は加えなくてもよい〕は、溶剤(例えば
フレオンTF、FC−77、アセトン、メタノール)に溶
解し、この溶液を磁性層に塗布又は吹き付けるか、或は
この溶液中に磁性層を浸漬し乾燥する等の方法によって
保護層とすることができる。また、これら化合物をスパ
ッタリング、イオンプレーティング又はプラズマ重合等
の方法で磁性層表面に直接被着させてもよい。
【0034】本発明に係る磁気記録媒体は、図1に示す
ように支持体1の上に磁性層2を設け、更にその上に磁
性層2を保護するための保護層4を設けたものである。
磁性層2は2層或はそれ以上の重層であってもよい。
【0035】上記の各層以外に、バックコート層3を設
けてもよく、また、磁性層2に近接して導電性層(図示
せず)を設けてもよい。
【0036】また、図2は本発明に係る他の例を示すも
のであり、磁性層2、保護層4の上に更に潤滑層5を設
けたものである。
【0037】前記の支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、芳香族系
ポリアミド類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂等のフ
ィルムが挙げられる。
【0038】上記支持体には、みみず状突起及び/又は
粒状突起を形成し、後記の強磁性金属薄膜表面の粗さあ
るいは形状をコントロールすることができる。このみみ
ず状突起は、例えば支持体上に高分子物質を塗布し乾燥
した後延伸することにより形成される。一方、粒状突起
は、高分子フィルム成膜時に粒径50Å〜3000Å程度の無
機微粒子を分散させて内部に保持するか、またはバイン
ダー中に有機微粒子あるいはシリカ、金属の微粒子等を
分散させ、支持体の下引き層として塗布又は付着させる
ことにより形成する。この粒状突起の高さは50Å〜1000
Å、さらに好ましくは100 Å〜500 Åである。密度は10
3 〜1010個/mm2 であることが好ましい。これらの突起
を形成することにより耐久性、走行性を更に改善するこ
とが可能である。
【0039】一方、磁性層については、磁性粉としてγ
−Fe2 3 、CO含有又は被着のγ−Fe2 3 、C
rO2 等の酸化物強磁性粉末あるいは、Fe、Co、N
i等を主成分とする合金磁性粉末等の粉末磁性材料を用
い、これを他の添加剤とともに塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布・乾燥
することにより作成される塗布型方式のもの、或は、支
持体上に、Fe、Co、Ni、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Fe−Co合金等の強磁性金属材料を用い
て、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の真空薄膜形成技術により連続薄膜として強磁
性金属薄膜を形成する方式等がある。
【0040】本発明の構成より成る保護層は、上記の方
式のうち、後者の方式において特に顕著な効果を示す。
【0041】上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空
下で強磁性金属材料を電子ビーム加熱等で蒸発させ支持
体上に被着させる方法であり、さらに、抗磁力を上げる
ため上記強磁性金属材料を支持体上に斜めに被着させた
り、酸素雰囲気中で蒸着し強磁性金属薄膜を酸化させる
ことも可能である。
【0042】このような強磁性薄膜を形成する際に使用
される強磁性金属材料は既述したが、中でもCo−Ni
合金でNi含有率が30wt%以下の物が性能上好ましい。
また磁性層の膜厚は、500 Å〜10000 Åが好ましく、更
に好ましくは800 Å〜2500Åである。
【0043】また、支持体の強磁性金属薄膜が設けられ
る反対の面にバックコート層を形成する場合には、該バ
ックコート層は塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル、
フェノール樹脂、ポウレタン樹脂等のバインダー樹脂を
一種以上用い、導電性カーボンブラックを一種類或は粒
径または化学的性質の違う種類のカーボンブラックを二
種以上一緒に分散させるか又は別々に分散させた塗液を
支持体上に塗布して形成する。この分散時に使用される
有機溶剤としては、シクロヘキサノン、トルエン、メチ
ルエチルケトン、ベンゼン等が挙げられる。また、表面
性または耐久性改善のために無機顔料をカーボンブラッ
クと共に分散させてもよい。
【0044】前記保護層4には化合物(a)及び化合物
(b)を併用してもよいし、又は各々単独で使用しても
よい。更に、2種以上の化合物(a)、或は化合物
(b)を併用することも本発明の範囲に含まれる。この
ようにして形成された保護層を有する磁気記録媒体の磁
性層は腐食し難いため、長期使用後にも性能の低下がほ
とんどない。
【0045】また、前記化合物(c)を化合物(a)及
び/又は化合物(b)に更に加えて保護層4を形成して
もよい。このように、耐久性の高い潤滑剤である化合物
(c)と、耐食性に優れた化合物(a)及び/又は化合
物(b)を組み合わせることで、両者の長所を生かして
耐久性及び耐食性の両方に優れた磁気記録媒体を得るこ
とができる。この化合物(c)と化合物(a)及び/又
は化合物(b)との混合比は1:2〜100 :3が好まし
く、1:1〜100 :5が更に好ましい。
【0046】保護層4には、更に公知の潤滑剤を併用
し、使用可能な温度範囲を広げてもよい。このような潤
滑剤としては、脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸
またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸エ
ステル、パーフルオロアルキルスルホン酸、またはその
アンモニウム塩、前記の化合物(c)以外のパーフルオ
ロポリエーテル類等が挙げられる。特にパーフルオロア
ルキルカルボン酸エステルの併用は低温に於ける潤滑性
を改善する効果がある。このような潤滑剤の添加量は、
前記の化合物(a)及び/又は化合物(b)に対して50
0 重量%以下であることが好ましい。
【0047】その他、防錆剤(例えば、アルキルフェノ
ール、ハイドロキノン、クレゾール、ナフトール類)や
極圧剤(例えばトリオレイルホスフェートのようなリン
系極圧剤、硫化ジメチルのようなイオウ系極圧剤、チオ
ホスフェート類のような複合型極圧剤)を併用してもよ
い。これらの添加剤の量は、前記化合物(a)及び/又
は化合物(b)に対して500 重量%以下であることが好
ましい。
【0048】本発明に基づいて形成される保護層は、潤
滑層のない場合は膜厚が3Å〜500Åが好ましく、5Å
〜250 Åが更に好ましい。この膜厚が5Å未満では、走
行安定性、耐久性等の効果が出難く、逆に500 Åを超え
ると、貼り付きが起きたりスペーシングロスが大きくな
るため、実用的でなくなる恐れがある。また潤滑層がこ
の保護層の上にある場合には、保護層の膜厚は3〜300
が好ましく、5〜200が更に好ましい。
【0049】前記潤滑層は、保護層の上に形成される。
このとき潤滑層塗布に用いる溶媒は保護層の化合物を溶
かし出さないことが望ましいので、保護層用化合物に対
して溶解度の低い、例えばn−ヘキサン、フレオン等の
極性の小さな溶媒を用いるのがよい。
【0050】上記潤滑層を形成する潤滑剤としては、前
記の、保護層に併用してもよい公知の潤滑剤を使用する
ことができる。こうすることによって、潤滑層は磁気ヘ
ッド等との摺動摩擦を軽減して耐久性を高め、耐食効果
のある保護層及び磁性層を護ることができる。
【0051】上記の潤滑層に用いる潤滑剤として更に好
ましいのが本発明に係る前記化合物(c)である。この
化合物のポリエーテル鎖の水素は全てフッ素置換されて
おり、一方、前記の化合物(a)、(b)も全フッ素置
換の不飽和炭化水素基を有しているため、両化合物は馴
染みが良い。即ち、保護層の表面をこの化合物(c)を
含む潤滑層で覆った場合には、潤滑層は表面エネルギー
の低い保護層上でもよく濡れることで、保護層上に均一
に潤滑層を設けることができるため耐久性が一層向上す
る。従って、この高耐久性の潤滑層に護られた保護層は
防錆効果を長期間安定して発揮できるため、磁気記録媒
体の性能も長期に渡って安定化することができる。
【0052】上記潤滑層の膜厚は、5Å〜300 Åが好ま
しく、10Å〜200 Åが更に好ましい。この膜厚が5Å未
満では走行安定性、耐久性等の効果が出難く、また、30
0 Åを超えると、貼り付きが起きたりスペーシングロス
が大きくなるため、使用に耐えない場合がある。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに説明
する。成分、割合、操作順序等は、本発明の精神から逸
脱しない範囲において種々変更しうる。
【0054】実施例1〜54、比較例1〜15 10μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜め
蒸着法によりCo−Niの合金を被着させ、膜厚2000Å
の強磁性金属薄膜を形成した。次に、この強磁性金属薄
膜表面に、表1の化合物をそれぞれ表2の組合わせに従
い、単層(保護層のみ)あるいは重層(保護層+潤滑
層)で塗布した。
【0055】各化合物の塗布量は、各層の乾燥膜厚が表
2のようになるように調整し、これを8mm幅に断裁して
サンプルテープを作成した。
【0056】各サンプルテープについて、温度20℃・相
対湿度50%条件下での耐久性と腐食性ガス環境下におけ
る耐食性のテストを行った。耐久性は、1回につき5分
間の再生を行い、出力が−3db低下する迄の回数で評
価した。また、耐食性評価は、温度60℃相対湿度80%で
亜硫酸ガス・亜硝酸ガス・塩素ガス環境下にサンプルを
放置し、処理後の表面状態を観察した。
【0057】表1A
【化9】
【0058】
【化10】表1B
【0059】
【化11】表1C
【0060】
【0061】
【化12】表1E
【0062】 表2 保護層化合物組合せ 乾燥膜厚(Å) a b c 潤滑層 a b c 潤滑層 ─────────────────────────────────── 実施例 1 1 − − − 10 − − − 2 2 − − − 10 − − − 3 3 − − − 10 − − − 4 4 − − − 10 − − − 5 5 − − − 10 − − − 6 6 − − − 10 − − − 7 7 − − − 10 − − − 8 8 − − − 10 − − − 9 9 − − − 10 − − − 10 − 10 − − − 10 − − 11 − 11 − − − 10 − − 12 − 12 − − − 10 − − 13 1 − 13 − 10 − 100 − 14 2 − 13 − 10 − 100 − 15 − 11 13 − − 10 100 − 16 1 11 13 − 5 5 100 − 17 1 − 14 − 10 − 100 − 18 1 − 15 − 10 − 100 − 19 1 − 16 − 10 − 100 − 20 1 − 17 − 10 − 100 − 21 1 − 18 − 10 − 100 − 22 1 − 19 − 10 − 100 − 23 1 − 20 − 10 − 100 − 24 1 − − 21 10 − − 100 25 − 11 − 21 − 10 − 100 26 1 − − 22 10 − − 100 27 − 11 − 22 − 10 − 100 28 1 − − 13 10 − − 100 29 − 11 − 13 − 10 − 100 30 1 11 − − 5 5 − − 31 2 11 − − 5 5 − − 32 1 11 13 − 5 5 100 − 33 2 11 13 − 5 5 100 − 34 1 11 − 13 5 5 − 100 35 1 − − − 3 − − − 36 1 − − − 500 − − − 37 1 − − − 5 − − − 38 1 − − − 250 − − − 39 1 11 − − 1 2 − − 40 1 11 − − 200 300 − − 41 1 11 − − 2 3 − − 42 1 11 − − 100 150 − − 43 1 − − 13 3 − − 100 44 1 − − 13 300 − − 100 45 1 − − 13 5 − − 100 46 1 − − 13 200 − − 100 47 1 11 − 13 5 5 − 5 48 1 11 − 13 5 5 − 300 49 1 11 − 13 5 5 − 10 50 1 11 − 13 5 5 − 200 51 − 11 13 − − 60 30 − 52 − 11 13 − − 3 100 − 53 − 11 13 − − 50 50 − 54 − 11 13 − − 5 100 − 比較例 1 23 − − − 10 − − − 2 24 − − − 10 − − − 3 25 − − − 10 − − − 4 − 26 − − − 10 − − 5 − 27 − − − 10 − − 6 − 28 − − − 10 − − 7 − − 13 − − − 100 − 8 − − 14 − − − 100 − 9 − − 15 − − − 100 − 10 − − 16 − − − 100 − 11 − − 17 − − − 100 − 12 − − 18 − − − 100 − 13 − − 19 − − − 100 − 14 − − 20 − − − 100 − 15 − − − − − − − −
【0063】 表3 耐久性 腐食ガス環境試験 ヘッド パス数 塩素ガス 亜硝酸ガス 亜硫酸ガス 目詰まり ──────────────────────────────── 実施例 1 80 ◎ ◎ ○ ○ 2 70 ○ ○ △ ○ 3 70 ○ ○ △ ○ 4 80 ○ ○ △ ○ 5 80 ○ ○ △ ○ 6 60 ○ ○ △ ○ 7 80 ◎ ◎ ○ ○ 8 80 ◎ ◎ ○ ○ 9 80 ◎ ○ ○ ○ 10 70 ○ ○ △ ○ 11 80 ◎ ◎ ○ ○ 12 80 ◎ ◎ ○ ○ 13 140 ○ ◎ △ ○ 14 120 ○ △ △ ○ 15 140 ○ ○ △ ○ 16 140 ○ ○ △ ○ 17 130 ○ ◎ △ ○ 18 140 ○ ◎ △ ○ 19 100 ○ ◎ △ ○ 20 160 ○ ◎ △ ○ 21 140 ○ ○ △ ○ 22 120 ○ ◎ △ ○ 23 130 ○ ○ △ ○ 24 110 ◎ ◎ ○ ○ 25 110 ◎ ◎ ○ ○ 26 110 ◎ ◎ ○ ○ 27 110 ◎ ◎ ○ ○ 28 170 ◎ ◎ ○ ○ 29 170 ◎ ◎ ○ ○ 30 80 ◎ ◎ ○ ○ 31 80 ◎ ◎ ○ ○ 32 140 ○ ◎ △ ○ 33 140 ○ ◎ △ ○ 34 170 ◎ ◎ ○ ○ 35 50 ○ ○ × ○ 36 60 ◎ ◎ ○ △ 37 80 ◎ ◎ ○ ○ 38 80 ◎ ◎ ○ ○ 39 50 ○ ○ × ○ 40 60 ◎ ◎ ○ △ 41 80 ◎ ◎ ○ ○ 42 80 ◎ ◎ ○ ○ 43 170 ○ ○ × ○ 44 170 ◎ ◎ ○ △ 45 170 ◎ ◎ ○ ○ 46 170 ◎ ◎ ○ ○ 47 90 ◎ ◎ ○ ○ 48 150 ◎ ◎ ○ △ 49 170 ◎ ◎ ○ ○ 50 170 ◎ ◎ ○ ○ 51 120 ○ ○ △ ○ 52 140 △ ○ △ ○ 53 140 ○ ○ △ ○ 54 140 ○ ○ △ ○ 比較例 1 60 ○ × × △ 2 70 ◎ ◎ ○ × 3 70 △ ○ × △ 4 50 ○ × × △ 5 70 △ ○ × △ 6 70 ◎ ◎ ○ × 7 180 △ △ × ○ 8 150 △ △ × ○ 9 170 △ △ × ○ 10 130 △ △ × ○ 11 200 △ △ × ○ 12 160 △ △ × ○ 13 140 △ △ × ○ 14 150 △ △ × ○ 15 30 △ × × × * 上表中、腐食ガス環境試験の評価記号は、次の通り
とした。 ◎:変化なし、○:一部表面変色、△:表面全体が変
色、×:磁性層のかなりの部分が腐食
【0064】表3の結果から明らかなように、本発明に
基づく各実施例の磁気テープは耐食性にすぐれ、耐久性
も良い。特に、末端変性パーフルオロポリエーテルであ
る化合物(c)と組合わせた場合は100 回走行させて
も、出力も−3dbの低下は見られなかった。また中で
も、本発明の化合物(a)及び/又は(b)と化合物
(c)との重層塗布サンプルは両者の長所を損なうこと
なく生かしており、最も優れた特性を示した。
【0065】これに対して、化合物(c)のみを塗布し
たものでは耐食性は不十分であり、比較例2のように、
ベンゼン環とリン酸基との間の炭化水素鎖の炭素数が本
発明の範囲を超える15のものではヘッド目詰まりを発生
し、比較例15のように保護層も潤滑層もないものは、走
行も不安定でヘッド目詰まりも見られ、耐久性も著しく
悪いものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の断面図の一例である。
【図2】磁気記録媒体の断面図の他の例である。
【符号の説明】
1 支持体 2 磁性層 3 バックコート層 4 保護層 5 潤滑層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、磁性層及び磁性層を保護す
    るための保護層をこの順に設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、一般式 【化1】 (式中、Rfは炭素原子数3〜12のフッ素置換された不
    飽和炭化水素基であり、R1 、R2 は水素原子又は、置
    換されていてもよい炭化水素基である。また、nは1〜
    10の整数である。)で表される化合物、及び/又は、一
    般式 【化2】 (式中、Rfは前記の通りである。また、mは1〜10の
    整数であり、lは2以上の整数である。)で表される化
    合物を前記保護層に含有することを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に、磁性層、磁性層を保護する
    ための保護層及び潤滑層をこの順に設けてなる磁気記録
    媒体において、前記保護層に請求項1の(a)に記載の
    化合物及び/又は同(b)に記載の化合物を含有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 支持体上に、磁性層及び磁性層を保護す
    るための保護層をこの順に設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、前記保護層に請求項1の(a)に記載の化合物及
    び/又は同(b)に記載の化合物を含有し、更に下記 (c)全フッ素置換されたオキシメチレン基、オキシエ
    チレン基、オキシプロピレン基又はオキシイソプロピレ
    ン基の1種以上からなるパーフルオロポリアルキレング
    リコールのモノエーテル又はジエーテルであって、少な
    くとも一方の末端側(モノエーテルの場合は、−OH末
    端側)が、置換又は非置換のエステル、アミノ基、酸ア
    ミド基、水酸基、含窒素複素環基、ホスホニトリルアミ
    ド基又はアリール基のうちの一種で変性されている末端
    変性パーフルオロポリエーテル を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の末端変性パーフルオロ
    ポリエーテルを、前記潤滑層に含む請求項2に記載の磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁性層が、強磁性金属薄膜磁性層で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体。
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