JP3074080B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3074080B2
JP3074080B2 JP04328072A JP32807292A JP3074080B2 JP 3074080 B2 JP3074080 B2 JP 3074080B2 JP 04328072 A JP04328072 A JP 04328072A JP 32807292 A JP32807292 A JP 32807292A JP 3074080 B2 JP3074080 B2 JP 3074080B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性金属薄膜を支持
体上に形成した磁気記録媒体に関し、とくに磁気録媒体
の保存性を改良し、併せて走行性、耐久性を向上させた
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク、ハー
ドディスク等の磁気記録媒体には、強磁性粉末を潤滑
剤、分散剤、結合剤等からなる組成物中に分散した塗布
液を支持体上に塗布した塗布型の磁気記録媒体ととも
に、支持体上に強磁性金属薄膜を、真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング等の成膜方法によって形
成した金属薄膜型の磁気記録媒体が使用されている。
【0003】ハイビジョン方式の出現、記録方式のデジ
タル化等の技術動向により、近年、磁気記録媒体に対し
て高密度記録化の要求が益々強まっている。コバルト、
クロム、ニッケル等の強磁性金属あるいはこれらの合金
からなる強磁性薄膜を磁性層とする金属薄膜型磁気記録
媒体は、塗布型の磁気記録媒体のように磁性層中には結
合剤等の磁性体以外の物質を含まないために高密度記録
用の磁気記録媒体として最適である。ところが、金属薄
膜型磁気記録媒体は、金属薄膜表面が腐食し易く、腐食
によって電磁変換特性に悪影響を及ぼすので、保存安定
性に問題があり、また金属薄膜が薄くかつ表面が非常に
平滑なので走行性及び耐久性が充分でないという実用上
致命的な欠陥があり問題であった。特に、VTRの普及
にともない様々な環境条件で使用されるようになってお
り、高温度・高湿度の環境下での金属薄膜の腐食を防止
し、過酷な環境条件で保存性を考慮する必要性が高まっ
ている。
【0004】一方、走行性・耐久性に関しては、金属薄
膜の表面に、フッ素系化合物を含有する潤滑剤層を形成
する手段が有効であり、なかでも特に極性基を有する化
合物は磁性層表面に強固に付着するので、潤滑保護層と
して安定な層を作り有効であった。パーフルオロアルキ
ル基を含む有機フッ素化合物は、疎水性であると同時に
疎油性の性質も有しており、水および油中においても界
面活性剤としての性質を発揮することはよく知られてい
る。また、表面エネルギーを低下させる特性も有してお
り、これらの性質を利用して有機フッ素化合物を塗布し
て材料の滑り性や潤滑性を改善することが行われてい
る。
【0005】例えば、特公平3−19602号公報、特
開昭54−79366号公報には、−SONa、−
SO3 K、−SO3 H、−COOH等を有するフッ素系
炭化水素化合物からなる潤滑剤について記載されている
が、μ値(摩擦係数)、スチル耐久性、保存性が劣って
いる。また、特開平3−241524号、特開昭62−
92227号には、フルオロアルキル基と脂肪族アルキ
ル基を有する化合物を強磁性金属薄膜上へ塗布すること
が記載されているが、これらのものはアルキル基の導入
によって、イソプロパノール溶液による塗布が可能とな
ったが、μ値、スチル耐久性、保存性が不十分であっ
た。上記潤滑剤を磁気記録層に塗布することの他に、例
えばパーフルオロアルキルポリエーテルおよびその誘導
体(特開昭60−61918号、特開昭61−1075
28号、米国特許第3778308号、特公昭60−1
0368号、米国特許第4897211号等)を使用す
ることが記載されているが、これらのフッ素系有機化合
物の潤滑剤は、テープが摺動する相手部材との低速の摩
擦係数は高く不十分でありかつ保存性についても亜硫酸
ガス等の酸性ガス腐食については磁性層離脱を起こし、
実用に耐え得る磁気記録媒体とはなり得ない。
【0006】また上記の潤滑剤の多くは、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、アルコール類、トルエ
ン等の通常の炭化水素系の有機溶剤には溶解せず、塗布
に当たってはフッ素系の有機溶剤を使用する必要があっ
た。ところが、フッ素系有機溶剤は高価であり、オゾン
層破壊の問題を起こしたり、作業環境の悪化をおこした
りして極めて生産適性のないものである。さらに、腐食
についてはフッ素系化合物だけでは充分でなく、特に極
性基が導入されたものは好ましくない。とくにスルホン
酸基のように極性が強いものほど逆に腐食には好ましく
ないということがあった。強磁性金属薄膜の防錆手段と
しては、強磁性金属薄膜上に酸化物の薄膜を形成する方
法があるが、磁気特性を低下させるとともに、ヘッドと
磁性層との間隙を増大させ電磁変換特性も低下させると
いう問題があった。
【0007】そこで、潤滑剤と防錆剤を併用する各種の
方法が提案されている。例えば、特開昭61−8232
4号公報には、メルカプト基を有する化合物を防錆剤と
する強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体が示されており、
チオフェノール、チオウラシルをはじめとする化合物が
挙げられており、防錆剤層とともにフッ素系界面活性剤
等を潤滑剤として併用することも記載されているが、こ
れらの防錆剤層によっては必ずしも十分な防錆効果を得
ることができなかった。
【0008】また、特開昭62−117134号公報に
は、チアゾール系化合物とパーフルオロアルキルカルボ
ン酸とを併用した防錆と潤滑効果を高めた磁気記録媒体
が記載されており、2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−メチルベンゾチアゾール、1,3,4−チアジアゾ
ール等が例示されている。特開昭62−172527号
公報には、硫黄を含む複素環化合物をパーフルオロカル
ボン酸とを併用して防錆と潤滑を行うことが記載されて
おり、複素環化合物としては、従来から防錆剤として用
いられているSH基含有化合物が記載されている。特開
昭62−172530号公報には、チアゾール系化合物
の防錆剤層とパーフルオロアルキルカルボン酸の潤滑剤
層を形成することが記載されており、チアゾール系化合
物として、2−メチルベンゾチアゾールが挙げられてい
る。特開昭61−82324号公報には、メルカプト基
含有防錆剤として、2−ベンズイミダゾールチオールが
示されている。
【0009】以上のような従来のチアゾール系、あるい
はメルカプト系の化合物の場合には、メルカプト基は化
合物の磁性層への付着を向上せしめはするが、表面エネ
ルギーを低下させる能力は小さいために、十分な防錆効
果、走行性、耐久性は得られなかった。特開昭64−8
2324号公報には、コバルトを主成分とする強磁性金
属薄膜の表面に、ベンゾトリアゾール等の窒素含有複素
環化合物の防錆剤層を形成することが記載されている
が、防錆効果は十分なものではなく潤滑剤との相乗効果
についても記載されていない。また、特開昭58−19
4133号公報には、酸素を含む強磁性金属薄膜上に窒
素原子を1個以上含む複素環とフェノール性水酸基を有
する化合物からなる防錆剤層を形成した磁気記録媒体が
記載されており、防錆剤としてピリジルアゾレゾルシ
ン、ピリジルアゾナフトール、キノリノール、キノリン
ジオール、キヌレン酸が具体的に開示されているが、こ
れらの化合物では十分な防錆効果、走行性、耐久性が確
保できなかった。
【0010】特開昭58−194135号公報には、酸
素含有強磁性金属薄膜に窒素を1個以上含有する複素環
を有する防錆剤層を付着させることが記載されている
が、メルカプト基を有する化合物やフッ素系潤滑剤とを
併用することについては記載されていない。
【0011】特開昭61−284822号公報には、強
磁性金属薄膜の表面に酸化被膜を形成し、さらにその上
にトリアジンジチオールを含有する保護層を形成した磁
気記録媒体が記載されている。防錆効果やフッ素系潤滑
剤とを併用することについては記載されていない。ま
た、特開昭58−189835号公報には、強磁性金属
薄膜上に防錆剤の吸着層を設け、吸着層上に潤滑剤層を
設けることが記載されており、防錆剤としては、アルキ
ルアミン、アルキルフォスフェート、二価フェノール、
ジアリールケトン、アルキルフェノール、ナフトール、
キノン、ニトロソ化合物等が具体的に開示されている
が、これらの防錆剤では十分な防錆効果を得ることはで
きなかった。また、潤滑剤には脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミド、パーフルオロアルキルカルボン酸お
よびスルホン酸、パーフルオロアルキル脂肪酸エステル
などのフッ素系界面活性剤が開示されているが十分な摩
擦低減効果は得られなかった。また、防錆剤とフッ素系
の潤滑剤を併用した場合には、互いに金属薄膜上での吸
着を阻害し合うためか各々の機能を充分に発揮できない
という問題があった。以上のように、高密度記録用磁気
記録媒体として最適な強磁性金属薄膜を磁性層とする金
属薄膜型磁気記録媒体の実用特性上の問題点である走行
性、耐久性を改良して、同時に保存安定性を改良する有
効な手段は未だ提案されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑み、金属薄膜型磁気記録媒体の走行性、
耐久性、耐久性および保存性に優れた薄膜金属型磁気記
録媒体を提供し、薄膜金属型媒体の持つ高い磁気特性を
充分に保持して、高記録密度の磁気記録媒体を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に強磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体において、下
記の一般式(1)あるいは(2)で表されるベンゾチア
ゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体の少なくとも
1種を前記強磁性金属薄膜上に有する磁気記録媒体であ
る。
【0014】
【化4】
【0015】ただし、Rは炭化水素基であり、とくに炭
素数が3以上の炭化水素基であることが好ましく、ま
た、炭化水素基はアルキル基、アルコキシル基、アルキ
ルアミド基等の置換基を有するものであってもよい。ま
た、Rの炭化水素基の炭素数が3よりも小さいと、溶剤
への溶解性が低く、さらに大気との接触を防止するバリ
アー性が小さく防錆効果も小さいので好ましくない。炭
素数が3以上26以下であることが好ましく、さらに好
ましくは5以上20以下である。具体的には、C6 13
−、C9 19−、C1735−等のアルキル基、ROCO
CH2 −で表されるアルコキシル基、アルコキシル基の
RにはC3 7 −、C6 13−、フェニルが好ましい。
また、RNHCOで表されるアルキルアミドの場合に
は、アルキルアミドのRはフェニル、直鎖および分岐を
有する炭素数3以上好ましくは7以上のアルキルアミド
基であることが好ましい。
【0016】本発明の防錆剤は、SH基が複素環のNと
NあるいはNとSに挟まれた2位にあるため、チオン−
チオールの共鳴構造をとり磁性層表面に強固に吸着し、
脱離しにくい。とくにこの−SH←→=Sは吸着点が酸
性点だけではなく、塩基性点にも吸着し易くなっている
ものと推定される。さらに、アルキル基を有するので、
磁性層表面を覆い磁性層がむき出しになるのを防ぎ防錆
効果を高めるとともに、併用する潤滑剤との親和性を高
め、潤滑剤の脱落を防止することによって摩擦係数を小
さくし、結果的には耐久性も向上させている。この効果
は、とくに本発明に記載したパーフルオロポリエーテル
以外の潤滑剤との組み合わせで効果的である。
【0017】さらに、本発明の磁気記録媒体は、炭化水
素基およびメルカプト基を結合したベンズイミダゾール
誘導体およびベンズチアゾール誘導体とフッ素系化合物
を潤滑剤として併用することによって、走行性、耐久
性、保存性を高めることが可能となる。本発明に使用す
ることのできるフッ素系化合物は、下記の一般式(3)
〜(9)から選ばれた1種以上の化合物である。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】ここでRfは、CF3 CF2 (CF2 n
− あるいは(CF3 2CF(CF2 n − nは2から10、mは1から18、n+mは6から26 R1 は、炭素数0〜12の飽和または不飽和のアルキレ
ン基、R2 は、HC≡、−CH2 C≡、(CH3 )C≡ R3 は、H、−CH2 −、−CH2 CH2−、−CH2
CH2 CH2 −、−CH R4 は、>C<、−CH2 C≡、−CH2 CH2 C≡ kは0から2を表すが、同一分子中でのRf、Y、
1 、R2 、R3 、kは同一でなくてもよい。Yは、−
OCO−、−COO−、−CONH−、−O−から選ば
れた2価の連結基 Xは、−OH、−COOM、−SO3 M、−O(C
2 b SO3 M、−PO32 、−OPO3 2 、M
は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、bは0〜4
の整数である。
【0021】R5 は、=CH2 、=CH(CH2K
3 、=CHCH=CH2 であって、R6 およびR8
はHまたは、飽和あるいは不飽和の炭化水素基 R6 が結合する炭素が二重結合を有する場合には、R7
は存在しない。R7 は、H、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、エチレニルおよびブテニルの中から選択さ
れる少なくとも1種の基 R9 は、なしもしくはCF210は、CF である。
【0022】さらに、より好ましくは、nは、4〜8で
あり、nが4よりも大きいと、溶解しにくく塗布しにく
くなる。また4よりも小さいと、走行性が不十分とな
る。
【0023】mは、2〜12であり、大きいと耐久性が
不足し、小さいと走行性が不十分となる。Rは、炭
素数2〜4のものが合成が容易であり、Yは、−CON
H−がより好ましく、Yに−CONH−を使用すると−
CONH−の水素結合力の効果で分子間相互作用が強く
なるためか、強磁性金属薄膜上での配向性が高まり潤滑
効果が高まるので好ましい。また、Xは−OH、−CO
OM、−SO3 M、Mは水素またはアルカリ金属である
ことが好ましく、これらの極性基は、強磁性金属薄膜表
面上に対する吸着力が大きいので、強磁性金属薄膜上に
強固な保護膜を形成することができる。また、R5 は、
=CH2 であることが好ましく、=CH2 であると変性
させることが容易となる。
【0024】さらに、特開昭62−236119号公報
に記載のカルボン酸パーフルオロアルキルエステル、特
開昭53−57004号公報に記載の親油部と親水部の
長さの比率が特定されたフッ素系化合物、特開昭55−
144079号公報に記載のフッ素系のカチオンおよび
両性界面活性剤、特開昭58−29147号公報に記載
の極性基を含有するフッ素系炭化水素、特開昭61−2
53634号公報に記載の親水基を結合したパーフルオ
ロ化合物、特開昭63−281218号公報に記載のセ
ミフルオロ化合物とパーフルオロポリエーテルからなる
フッ素系化合物、特開昭64−71313号公報に記載
の極性基含有のパーフルオロアルキル基の単分子層から
なるフッ素系化合物、特開平2−199621号に記載
のパーフルオロアルキルカルボン酸等を併用してもよ
い。
【0025】一般式(3)および(8)で表される化合
物を使用した場合、防錆剤の方の炭化水素基は、バリヤ
ー性をより一層高め大気との接触を防止するのに効果が
あり、ともに使用されるフッ素系化合物の炭化水素鎖と
相互作用があるのでフッ素系化合物と均一な保護層を強
磁性金属薄膜表面に形成し、発錆の原因となる物質から
磁性層を保護しているものと考えられる。特に、前記の
フッ素系化合物と併用することによりフッ素系化合物が
有する撥水性撥油性によって汚染物質に対しての保護効
果が一層強まると思われる。さらに、SH基を含むイミ
ダゾール環あるいはチアゾール環化合物が磁性層に強固
に吸着しているのでフッ素系化合物の脱離も防止され、
磁気記録媒体を繰り返し使用しても走行耐久性が維持さ
れるものと考えられる。
【0026】一般式(9)で表される化合物を使用した
場合は、ポリエーテル結合の芳香環と相互作用して、一
般式(3)〜(8)で表される化合物を使用した場合と
同様、防錆剤との相互作用を高めて、パーフルオロポリ
エーテルの有する撥水性撥油性を効果的に発現するもの
と考えられる。なお、一般式(9)で表される化合物に
おいて、その分子鎖末端のXが−OHや−COOH等の
極性基である方が磁性層である強磁性金属薄膜に対する
吸着能が大きくなるので、繰り返し使用しても磁性層表
面から除去されにくくなるので、走行耐久性のより一層
優れた磁気記録媒体が得られるものと考えられる。
【0027】本発明における強磁性金属薄膜の材料とし
ては鉄、コバルト、クロム、ニッケルその他の強磁性金
属あるいはFe−Co、Fe−Ni、Fe−Rh、Co
−P、Co−B、Co−Y、Co−La、Co−Ce、
Co−Pt、Co−Sm、Co−Mn、Co−Cr、F
e−Co−Ni、Co−Ni−P、Co−Ni−B、C
o−Ni−Ag、Co−Ni−Nd、Co−Ni−C
e、Co−Ni−Zn、Co−Ni−Cu、Co−Ni
−W、Co−Ni−Re等の強磁性合金を蒸着の方法に
より形成せしめたもので、その膜厚は0.02〜2μm
の範囲であり、とくに0.05〜1.0μmの範囲が望
ましい。本発明の強磁性金属薄膜からなる磁性層は、単
一の強磁性金属薄膜からなるものでも良いが、磁気特性
を向上させるためには、2種以上の複数の強磁性金属薄
膜が積層したいわゆる重層構成の磁性層であることが望
ましい。上記の強磁性金属薄膜は他に、酸素、窒素、ガ
リウム、砒素、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオ
ブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、スズ、アンチ
モン、テルル、プロメチウム、レニウム、オスミウム、
イリジウム、金、水銀、鉛、マグネシウム、ビスマス等
を含んでいても良い。
【0028】本発明に用いられる非磁性支持体としては
ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサル
ファイドのようなプラスチックス、アルミニウム、チタ
ン、ステンレス鋼、ガラス等を使用することができる。
【0029】走行耐久性を向上させるために、強磁性金
属薄膜を形成する前に非磁性支持体表面に微小突起を設
けておくことが結果的に磁性層表面に適度な凹凸を設け
ることになり効果的である。非磁性支持体表面の微小突
起の存在密度は2×106 〜2×108 個であり、突起
の高さは1〜50nmのものが好ましい。また、非磁性
支持体の厚みは用途によって相違するが3〜50μmの
ものが一般的である。また、強磁性金属薄膜の密着性を
高めるために非磁性基体と強磁性金属薄膜との間に中間
層を設けても良い。さらに、本発明の磁気記録媒体の走
行性を高めるために、非磁性支持体の磁気記録層を形成
した面とは反対の面にカーボンブラック等の微粉末と結
合剤樹脂とを主体とする塗膜よりなるバックコート層を
設けることもできる。
【0030】強磁性金属薄膜上に防錆剤とフッ素系化合
物は同時に塗布してもよいが、防錆剤を塗布した後にフ
ッ素系化合物を塗布する方が効果的である。塗布の方法
は有機溶剤に溶解して、コイルバー等によって塗布する
ことができるが、これらの化合物はフロン系の溶剤ばか
りではなく、アセトン、アルコール、テトラヒドロフラ
ン等の通常の有機溶剤に溶解するので、フロン系溶剤の
使用による環境汚染のような問題を起こすおそれがな
い。防錆剤の塗布量は0.1ないし5.0mg/m2
フッ素系化合物からなる潤滑剤は1.0〜50mg/m
2 とすることが好ましい。とくに好ましくは防錆剤0.
3〜3mg/m2 、フッ素系化合物からなる潤滑剤は3
〜30mg/m2 である。
【0031】
【作用】本発明の磁気記録媒体は、特定構造の防錆剤と
フッ素系化合物を用いることによって単独で得られる効
果を補完し、とくに防錆剤のSH基が複素環のNとNあ
るいはNとSに挟まれた2位にあるため、チオン−チオ
ールの共鳴構造をとり磁性層表面に強固に吸着し、脱離
しにくい。とくにこの −SH←→=S は吸着点が酸性点だけではなく、塩基性点へも吸着する
ので、併用した潤滑剤のOH基やCOOH基等の極性基
による磁性層表面への吸着を阻害することが小さくフッ
素系化合物の潤滑性を阻害することがない。
【0032】また、防錆剤のアルキル基と潤滑剤の炭化
水素部との相互作用によって、潤滑剤は磁性層表面から
離脱しにくくなる。潤滑剤の磁性層表面への固着におい
て、極性基による吸着に頼っていた従来の潤滑剤以上の
固着効果を発現しているものと推定される。これによっ
て、フッ素系化合物の持つ潤滑性能は、より高度に発揮
され走行性、耐久性の向上をはかれるのみではなく、と
くに繰り返し耐久性の向上において効果が顕著になった
と考えられる。また、フッ素系化合物として炭化水素基
を有するフッ素系化合物を使用した場合には、フッ素系
化合物の炭化水素基部分と防錆剤の炭化水素基部分が相
互に親和性を示し、潤滑性に優れたフッ素系化合物の離
脱を防止し、繰り返し走行しても長期にわたり変化しな
い走行性、耐久性を示し、フッ素化合物の有する低い表
面張力のために、発錆性の汚染物質の磁性層への付着を
妨げて防錆剤の防錆効果を高めあっている。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明する。 実施例および比較例 10μm厚のポリエチレンテレフタレートフイルム上に
コバルト−ニッケル磁性膜(膜厚150nm)を斜め蒸
着し、強磁性金属薄膜層を設けた。蒸発源としては電子
ビーム蒸発源を使用し、これにコバルト−ニッケル合金
(Co:80重量% Ni:20重量%)をチャージし
真空度6.7×10-3N/m2 中にて酸素ガスを導入し
つつ入射角が50度となるよう斜め蒸着を行った。得ら
れた強磁性金属薄膜上に、表1および表2記載の化合物
のメチルエチルケトン溶液をコイルバーで塗布乾燥した
後、フッ素系化合物からなる潤滑剤溶液をコイルバーで
塗布した。
【0034】フッ素系化合物の溶剤は、パーフルオロポ
リエーテルはフロン113溶液、それ以外はエタノール
溶液を使用した。支持体にはバック層を設け、8mm幅
にスリットして磁気テープを作成した。得られた磁気テ
ープは以下の方法によって評価し、その結果を表1およ
び2に示す。ただし、比1、比2、比3、比4はそれぞ
れ比較例を示す。
【0035】〔評価方法〕 (摩擦係数の測定)得られた磁気テープとステンレスポ
ールとを30gの張力(T1 )で巻き付け角180度で
接触させ、磁気テープを3.3cm/秒の速度での走行
に必要な張力(T2 )を測定した。下記計算式により磁
気テープの、摩擦係数μを求めた。 μ=1/π・ln(T2 /T1 ) 摩擦係数は、A)走行1回目のものと、B)100回走
行したものを23℃70%RHで測定した。
【0036】(スチル耐久性の測定)8mmVTR(富
士写真フイルム(株)製 Hi−8 FUJIX FH
−100型)を使用して、スチル制限機構を動作させず
に、画像が出なくなるまでの時間を5℃10%RHの環
境下で測定した。
【0037】(保存性の評価)下記環境に保存し、保存
後の磁性層表面を目視および光学顕微鏡で観察した。
【0038】Cl2:10ppb、 NO2 :200pp
b、 H2 S:10ppb 3種混合ガスの流量:1000リットル/時間 温湿度60℃90%RH、 保存日数:10日間 (評価基準) ○:200倍の光学顕微鏡で観察した時腐食がまったく
見られない △:同上で腐食がみられるが、肉眼観察で磁性層表面の
金属光沢が認められる ×:肉眼で観察したとき磁性層表面に金属光沢がない (再生時出力低下の測定)8mmVTR(富士写真フイ
ルム(株)製 Hi−8 FUJIX FH−100
型)を使用して、7MHzの信号を記録して再生した。
このとき繰り返し走行1回目の再生出力を0dBとし、
走行100回目の出力変化を測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】従来公知の防錆剤と潤滑剤の組合わせで
は得られなかった高度な保存性、走行性、耐久性を合わ
せ持つ保護層を有する高密度磁気記録媒体を実現した。
これは本発明に開示した特定構造の防錆剤と潤滑剤と
が、単独で得られる効果を補完しているのものであり、
防錆剤の磁性層表面への吸着能が大きく、フッソ系化合
物からなる潤滑剤の磁性層表面への吸着を助け、また本
発明のフッソ系潤滑剤の撥水性が防錆剤の効果を高める
ている。特に本発明の化合物はSH基が複素環のNと
N、あるいはNとSに挟まれた2位にあるため、チオン
−チオールの共鳴構造をとり、磁性層表面に強固に吸着
し、脱離しにくくなっており、腐食の原因となる磁性層
表面の活性点に選択的に吸着しているものと考えられ
る。
【0042】しかしこのままでは、溶剤への溶解性が不
足し通常の溶剤に溶解しないため磁性層表面に塗布でき
ない問題が生じていた。しかし複素環に炭素数3個以上
の炭化水素基を置換することにより溶剤溶解性が向上し
塗布によって保護層を設けることが可能となった。
【0043】これらの、防錆剤に結合した炭化水素置換
基は、有機溶剤への溶解性を高めるとともに、同時にバ
リアー性を高め、強磁性金属薄膜が大気と接触すること
を防止し、またフッソ系化合物の炭化水素部分と防錆剤
の炭化水素基部分が相互に親和性を持ち、潤滑性に優れ
たフッソ系化合物の脱離を防止し、繰り返し走行しても
安定な走行性、耐久性を示し、またフッソ系化合物の持
つ低い表面張力のため発錆性の汚染物質の磁性層への付
着を妨げて防錆剤の防錆効果を高めている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−93027(JP,A) 特開 昭60−89815(JP,A) 特開 昭59−146443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/82

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を有す
    る磁気記録媒体において、下記一般式(1)あるいは
    (2)で表されるベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミ
    ダゾール誘導体の少なくとも一種を前記強磁性金属薄膜
    上に有することを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 ただし、Rは炭素、水素以外の原子を含んでも良い炭化
    水素基である。
  2. 【請求項2】 一般式(1)あるいは(2)の化合物の
    炭化水素基Rは、炭素数が3以上のアルキル基、アルコ
    キシル基、アルキルアミド基であることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)あるいは(2)で表される
    ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体の
    少なくとも一種の他に、フッ素系化合物を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 フッ素系化合物が下記一般式(3)〜
    (8)から選ばれた1種以上の化合物であることを特徴
    とする請求項3に記載の磁気記録媒体。 【化2】 ここでRfは、CF3 CF2 (CF2 n − あるいは(CF3 2CF(CF2 n − nは2から10、mは1から18、n+mは6から26 R1 は、炭素数0〜12の飽和または不飽和のアルキレ
    ン基、 R2 は、HC≡、−CH2 C≡、(CH3 )C≡ R3 は、H、−CH2 −、−CH2 CH2−、−CH2
    CH2 CH2 −、−CH(CH3 ) R4 は、>C<、−CH2 C≡、−CH2 CH2 C≡ kは0から2を表すが、同一分子中でのRf、Y、
    2 、R3 、kは同一でなくてもよい。Yは、−OCO
    −、−COO−、−CONH−、−O−から選ばれた2
    価の連結基 Xは、−OH、−COOM、−SO3 M、−O(C
    2 b SO3 M、−PO32 、−OPO3 2 、M
    は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、bは0〜4
    の整数である。R5 は、=CH2 、=CH(CH2K
    CH3 、=CHCH=CH2 であって、R6 およびR8
    はHまたは、飽和あるいは不飽和の炭化水素基 R6 が結合する炭素が二重結合を有する場合には、R7
    は存在しない。R7 は、H、メチル、エチル、プロピ
    ル、ブチル、エチレニルおよびブテニルの中から選択さ
    れる少なくとも1種の基
  5. 【請求項5】 フッ素系化合物が下記一般式(9)およ
    び一般式(9)の末端がOH、COOH等で変性された
    化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物であること
    を特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。 【化3】 9 は、なしもしくはCF210は、FもしくはCF
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