JPH07192253A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH07192253A
JPH07192253A JP33303193A JP33303193A JPH07192253A JP H07192253 A JPH07192253 A JP H07192253A JP 33303193 A JP33303193 A JP 33303193A JP 33303193 A JP33303193 A JP 33303193A JP H07192253 A JPH07192253 A JP H07192253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
magnetic recording
magnetic
layer
magnetic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33303193A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Ishida
寿男 石田
Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Tsutomu Okita
務 沖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP33303193A priority Critical patent/JPH07192253A/ja
Publication of JPH07192253A publication Critical patent/JPH07192253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行性、耐久性および保存性に優れた薄膜金
属型磁気記録媒体を得る。 【構成】 非磁性支持体上の少なくとも一方の面に磁性
層を有する磁気記録媒体において、磁性層中もしくは磁
性層の表面層には下記の一般式(1)もしくは一般式
(2)で表されるフォスフェート化合物の少なくとも1
種を含有する磁気記録媒体。 【化1】 ただし、R1、R2およびR3は、炭化水素基もしくはフ
ッ素化炭化水素基である。 【効果】 極性基に対しても耐食性が大きな強固な保護
膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性層上に有機フッ素化
合物を含有する潤滑層を有する磁気記録媒体に関し、と
くに強磁性金属薄膜からなる磁性層の潤滑性および防錆
性を高めた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピーディスク等の磁
気記録媒体の潤滑剤を磁性層表面に塗布することによっ
て、磁気記録媒体とヘッドとの間の潤滑性および走行耐
久性を改善するために使用したり、また写真感光材料に
おいては、過酷な使用条件においても耐えられるように
感光材料の表面に塗布することが行われている。とく
に、磁気記録媒体では記録の高密度化により磁性層表面
はより平滑になり、また磁気記録媒体はさまざまな環境
で使用され、かつ記録された情報は数年から数十年にわ
たって保存される。そのため多様な環境下での走行耐久
性および保存安定性が要求されており、従来の潤滑剤で
は十分な効果を発揮し得なくなっている。さらに、カム
コーダすなわちカメラ一体型ビデオテープレコーダや小
型のビデオテープレコーダは、外部で使用されることが
多く、磁気記録媒体には幅広い環境条件での使用に耐え
る潤滑性能が必要とされている。また、金属薄膜型磁性
層は高密度記録に有利であり、今後の高精細度化、デジ
タル化等の磁気記録密度向上のために薄膜金属型が期待
されているが、記録層の金属がごく薄い酸化層でのみ保
護されているので、薄膜金属型磁気記録媒体にあって
は、保存性の大幅な向上が可能な潤滑剤の提供が求めら
れている。
【0003】電磁変換特性が優れ高密度記録用の磁気記
録媒体して期待されている強磁性薄膜を非磁性支持体上
に形成したいわゆる金属薄膜型磁気記録媒体にあって
は、有機フッ素化合物を潤滑剤とすることが有効である
ことが知られている。パーフルオロアルキル基を含む有
機フッ素化合物は、疎水性であると同時に疎油性の性質
も有しており、水および油中においても界面活性剤とし
ての性質を発揮することはよく知られている。また、表
面エネルギーを低下させる特性も有しており、これらの
性質を利用して有機フッ素化合物を塗布して材料の滑り
性や潤滑性を改善することが行われている。
【0004】例えば、特公平3−19602号公報に
は、−SO3 Na、−SO3 K、−SO3 H、−COO
H等を有するフッ素系炭化水素化合物からなる潤滑剤に
ついて記載されており、C617SO2F、パーフルオロ
アルキルポリオキシエチレンの末端OH、SO3 H、R
fCONH(CH23の末端ベタイン構造基などが具体
的に示されているが、μ値、スチル耐久性、保存性のい
ずれもが不十分で、炭化水素系溶剤には溶解しないもの
である。また、特開平3−241524号公報には、R
f−(CH2nCOOのアンモニウム塩が記載されてい
るが、アルキル基の導入によってイソプロパノールによ
る塗布が可能となったが、μ値、スチル耐久性、保存性
が不十分であった。また、特開昭62−92227号公
報には、炭素数3以上フルオロアルキル基と炭素数8以
上の脂肪族アルキル基と水酸基を持つ化合物を強磁性金
属薄膜上へ塗布することが記載されているが、これもア
ルキル基の導入によって、イソプロパノールによる塗布
が可能となったが、μ値、スチル耐久性、保存性が不十
分であった。
【0005】パーフルオロアルキル基−アルキル基−極
性基(Rf−Rh−X)の単分子層からなる潤滑膜を強
磁性金属薄膜上に形成することが特開昭64−7231
3号公報に記載されているが、ラングミュア−ブロジェ
ット(LB)膜による単分子膜の生成は生産性が悪い。
さらに、μ値、スチル耐久性、保存性が劣っている。例
えば、特公平4−50644号公報には、リン系極圧剤
によって走行性を高めるものであるが、強磁性金属薄膜
上に塗布した場合には十分な効果が得られず、低速摺動
では効果的であっても高速摺動でははなはだ不十分であ
り、広範囲の温湿度下での走行耐久性も不十分である。
【0006】そこで、特開昭62−157319号公
報、特開昭62−23610号公報、特開昭62−26
6729号公報等には、フッ素系潤滑剤とともに極圧剤
を使用し、厳しい条件下の摺動時に金属薄膜表面を改質
する試みがなされているが、この方法では極圧剤以外の
潤滑剤吸着膜と極圧剤の相互作用により金属薄膜の改質
効果は小さかった。また一般に知られている亜リン酸ト
リデシル等の極圧剤は改質効果を高めるために、その存
在量を増すと未反応の極圧剤や反応生成物の存在により
摩擦係数の摩擦係数の増大を招くことがあった。そこ
で、潤滑剤とリン酸を併用する方法も特開平5−284
62号公報に記載されているが、リン酸の酸性による保
存性の懸念があった。
【0007】上記潤滑剤を磁気記録層に塗布することの
他に、例えばパーフルオロアルキルポリエーテルおよび
その誘導体(特開昭60−61918号、特開昭61−
107528号、米国特許第3778308号、特公昭
60−10368号、米国特許第4897211号等)
を使用することが記載されているが、これらのフッ素系
有機化合物の潤滑剤は、テープが摺動する相手部材との
低速の摩擦係数は高く不十分でありかつ保存性について
も亜硫酸ガス等の酸性ガス腐食については磁性層離脱を
起こし、実用に耐え得る磁気記録媒体とはなり得なかっ
た。また脂肪酸および脂肪酸エステル等(特公昭48−
28367号、特公昭51−39081号、特開昭56
−80828号、特開昭61−24017号)は、磁気
ヘッドとの高速摩擦が高く不十分であり、かつ亜硫酸ガ
ス等の酸性ガス腐食についても不十分であった。また上
記の潤滑剤の多くは、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、アルコール類、トルエン等の通常の炭化水
素系の有機溶剤には溶解せず、塗布に当たってはフッ素
系の有機溶剤を使用する必要があった。ところが、フッ
素系有機溶剤は高価であり、オゾン層破壊の問題を起こ
したり、作業環境の悪化をおこしたりして極めて生産適
性のないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度磁気
記録媒体、とくに記録密度を飛躍的に向上させる蒸着、
スパッタリング等の方法によって形成した強磁性金属薄
膜からなる磁気記録媒体に走行性、耐久性、保存性を付
与した磁気記録媒体を提供するものである。
【0009】また、屋外での使用でも充分な走行性、耐
久性を持つ磁気記録媒体を提供することを課題とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上の少なくとも一方の面に磁性層を有する磁気記録媒体
において、磁性層中もしくは磁性層の表面層には下記の
一般式(1)もしくは一般式(2)で表されるフォスフ
ェート化合物の少なくとも1種を含有する磁気記録媒体
である。
【0011】
【化2】
【0012】ただし、R1、R2およびR3は、炭化水素
基もしくはフッ素化炭化水素基である。 一般式(1)
もしくは一般式(2)で表されるフォスフェート化合物
は、総炭素数が3〜39であって、R1、R2およびR3
がいずれも炭化水素基である磁気記録媒体である。一般
式(1)もしくは一般式(2)で表されるフォスフェー
ト化合物は、総炭素数が3〜24であって、R1、R2
よびR3がいずれもフェニル基を有する磁気記録媒体で
ある。−COOH、−SO3H、−OPO32、−PO3
2、−OSO32のうちの少なくとも一つの極性基を
分子内に有する炭素数11〜22のオキソ酸化合物を磁
性層もしくは磁性層の表面層またはバックコート層中に
含有する磁気記録媒体である。
【0013】本願発明の磁気記録媒体において、磁性層
が蒸着、スパッタリング等の真空成膜法で形成されたい
わゆる強磁性金属薄膜である金属薄膜型磁気記録媒体で
ある場合、本願発明はとくに効果的である。すなわち、
前記フォスフェート化合物を磁性層に含有させることに
より、電磁変換特性が優れている金属薄膜型磁気記録媒
体が有する耐久性、走行性、耐腐食性等の実用上の問題
点を著しく向上させることができるからである。
【0014】また、非磁性支持体の磁性層を形成した面
とは反対側の面に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする
塗布膜からなるバックコート層を設けることにより本願
発明の磁気記録媒体の走行性や耐久性をさらに向上させ
ることができる。とくに、磁性層が強磁性金属薄膜であ
る場合、その表面もしくは内部に設ける潤滑剤を保持で
きる量が少ないので予め潤滑剤をバックコート層中に含
有させておくことにより、不足する潤滑剤をバックコー
ト層側から供給することができるので有利である。すな
わち、テープ状の磁気記録媒体が巻き取られた状態でバ
ックコート層と磁性層とが接することにより潤滑剤が磁
性層へ補給されるのである。
【0015】スチル耐久性が有効な潤滑剤であるエステ
ル系化合物は、強磁性金属薄膜に対する親和性が充分で
ないので、バックコート層中に含有させておくことによ
りその効果を充分に発揮させることができる。バックコ
ート層の非磁性粉末としては、各種の無機顔料やカーボ
ンブラックを使用することができ、また結合剤樹脂とし
てはニトロセルロースや塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン等の塗布型磁性層用の結合剤樹脂として使用されてい
る各種のものを使用することができる。
【0016】また、磁性層の表面にグラファイト構造も
しくはダイヤモンドライク構造の炭素保護膜を、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、あるいは
エチレン、プロピレン等のアルケン、またはアセチレン
等のアルキンをはじめとした炭素含有化合物を原料とし
たプラズマCVDによって形成した後に、前記のフォス
フェート化合物を付与することにより、とくに金属薄膜
型磁気記録媒体の場合には、効果的のその耐久性を向上
させることができる。また、本発明の磁性金属薄膜は、
コバルトが90原子%以上である磁気記録媒体である。
【0017】一般式(1)もしくは(2)において、R
1、R2およびR3は、同一であっても異なっていても良
い。また、R1、R2およびR3は、フッ素化炭化水素よ
りフッ素を含有しない炭化水素が好ましく、炭化水素の
中ではアリールが好ましく、その中でもフェニル基を有
するものが好ましい。具体的なアリール基としては、
【0018】
【化3】
【0019】を挙げることができる。また、フェニル基
としては、
【0020】
【化4】
【0021】を挙げることができる。
【0022】また、アルキル基としては、
【0023】
【化5】
【0024】を挙げることができる。また、本発明のフ
ォスフェート化合物は、総炭素数が3〜39であること
が好ましく、より好ましくは3〜24である。総炭素数
が多くなくと、強磁性金属薄膜との反応性が悪くなり、
磁性層上に強固な被膜ができなくなり効果が得られなく
なる。フォスフェート化合物の塗布量は、0.2〜30
mg/m2 であることが好ましく、これ以下の量である
と効果が得られず、またこれ以上の量であると表面の非
反応量が多くなり走行停止をおこす。また、塗布量は
0.5〜10mg/m2とすることがより好ましい。フ
ォスフェート化合物の塗布は、磁性層あるいはバックコ
ート層のいずれに設けても良いが、好ましくはバックコ
ート層に塗布した方が走行後の極圧剤の減少を転写によ
って補うことができるので好ましい。
【0025】また、バックコート層の形成の際に、バッ
クコート層の形成用の塗布液中に混合しても良い。さら
に、本発明の磁気記録媒体には、フォスフェート化合物
とともに、各種の潤滑剤を併用することができる。潤滑
剤としては好ましくは、分岐あるいは直鎖の脂肪酸、変
性あるいは未変性パーフルオロポリエーテルおよびこれ
らの塩、脂肪酸エステル、フッ素化された脂肪酸および
脂肪酸エステル等を使用することができるが、とくに、
−COOH、−SO3H、−OPO32、−PO32
−OSO32のうちの少なくとも一つの極性基を分子内
に有する炭素数11〜22のオキソ酸化合物が好まし
い。炭素数が少なくてもあるいは多くても、摩擦係数の
点で好ましくない。とくに、極性基を有するパーフルオ
ロポリエーテルとしては、CF3−(CFRfCF2
O)−nCF2CF3あるいはこの末端がOH、COOH
等で変性されている物が用いられる。ここでRfはCF
3、F、分子量は1000〜20000であり、好まし
くは2500〜10000である。商品名を挙げると、
KRYTOX K157FSL(デュポン社製)、DE
MNUM−SY、DEMNUM−SH等である。
【0026】脂肪酸としては具体的には、C1123CO
OH、C1327COOH、C1531COOH、C1735
COOH、C1939COOH、C2143COOH、C17
33COOH、C1731COOH等が挙げられる。
【0027】スルホン酸としては、C1225SO3H、
1429SO3H、C1633SO3H、C1837SO
3H、C2041SO3H、C2245SO3H等が挙げられ
る。
【0028】また、有機硫酸としては、C1225OSO
3H、C1429OSO3H、C1633OSO3H、C18
37OSO3H、C2041OSO3H、C2245OSO3
等が挙げられる。
【0029】また、リン酸としては、C1225OPO3
H、C1429OPO3H、C1633OPO3H、C1837
OPO3H、C2041OPO3H、C2245OPO3H、
(C12252PO2H、(C14292PO2H、(C16
332PO2H、(C18372PO2H、(C2041
2PO2H、(C22452PO2H等が挙げられる。
【0030】また、ホスホン酸としては、C1225PO
32、C1429PO32、C1633PO32、C1837
PO32、C2041PO32、C2245PO32、(C
12252PO2H、(C14292PO2H、(C
16332PO2H、(C18372PO2H、(C
20412PO2H、(C22452PO2H等が挙げられ
る。
【0031】本発明の磁気記録媒体における非磁性支持
体としては、厚みが5〜15μmのポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リイミド等が挙げられる。また、本発明の磁気記録媒体
は、磁性層としては、磁性粉末を結合剤中に分散して支
持体上に塗布したもの、支持体上に形成した強磁性金属
薄膜のいずれのものにも適用することができるが、鉄、
ニッケル、コバルト等の金属もしくはその合金からなる
強磁性金属薄膜からなる磁性層で形成された磁気記録媒
体に好適である。磁性層厚みは、0.1〜0.3μmで
あることが好ましい。また、磁性層は、コバルトが90
原子%以上で他にニッケル、クロム等を含有する単層、
平行型多層、非平行型多層のものがとくに好ましく、磁
性層形成手段は蒸着、スパッタリング等の手段を適用す
ることができるが、酸素存在下で蒸着法により形成した
磁性層が特に好ましい。コバルトが多いとリンと反応し
て磁性層上に被膜を形成する上で好ましい。
【0032】また、本発明の強磁性金属薄膜からなる磁
性層上には、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のア
ルカン、あるいはエチレン、プロピレン等のアルケン、
またはアセチレン等のアルキンをはじめとした炭素含有
化合物を原料としたプラズマCVDによって炭素膜を形
成した後に、本発明の化合物を塗布等によって付与する
ことができる。また、本発明の磁気記録媒体には、テト
ラザインデン環化合物及び/又はチオウラシル環化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、チオベンズイミダゾ
ール系化合物からなる防錆剤を含有することによって磁
気記録媒体としての特性を高めることができる。このよ
うな目的で使用可能なテトラザインデン環化合物には、
下記に示すものが挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
とくに好ましくは、炭素数3以上26以下であり、アル
コキシの場合にはROCOCH2 −のRは、C3
7 −、C6 13−、フェニル、またアルキル基の場合に
は、C6 13−、C9 19−、C1735−が挙げられ、
アルキルアミドの場合にはRNHCOCH2 −のRはフ
ェニル、C3 7 −が挙げられる。また、チオウラシル
環化合物には、下記に示すものが挙げられる。
【0035】
【化7】
【0036】ここで、Rは炭素数が3以上である炭化水
素基である。潤滑剤と防錆剤を混合して同時に塗布して
も良いが、防錆剤を先に塗布した後に、潤滑剤を塗布す
る方法が効果的である。塗布の方法は有機溶剤に溶解し
てコイルバー等通常の塗布方式で塗布することができ
る。防錆剤の塗布量は0.1〜5.0mg/m2 潤滑剤
は1.0〜50mg/m2が好ましい。特に好ましくは
防錆剤0.3〜3mg/m2 潤滑剤3〜30mg/m2
である。走行耐久性を向上させるために、強磁性金属薄
膜を形成する前に非磁性支持体表面に微小突起を設けて
おくことが結果的に磁性層表面に適度な凹凸を設けるこ
とになり効果的である。非磁性支持体表面の微小突起の
存在密度は2×106 〜2×108 個であり、突起の高
さは1〜50nmのものが好ましい。
【0037】
【作用】本発明は、非磁性支持体上の少なくとも一方の
面に強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒
体において、磁性層中もしくは磁性層の表面層には特定
のフォスフェート化合物の少なくとも1種を含有する磁
気記録媒体、さらにフォスフェート化合物とともに、極
性基を含有するオキソ化合物を含有する磁気記録媒体で
あり、従来の磁気記録媒体に比べて走行性、耐久性が極
めて優れている。とくに、本発明に磁気記録媒体では、
特定の化学構造を有するフォスフェート化合物が分解し
て保護膜を形成する際に、格別に強固な保護膜を作るも
のと考えられる。また、形成した保護膜は、耐腐食性も
非常に強いため極性の大きな潤滑剤を併用しても保存性
が劣化しなくなる。また、リン化合物は、炭素層への密
着性が良好で、走行耐久性がより大きな磁気録媒体が得
られる。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明する。 実施例および比較例 10μmの厚さのポリエチレンテレフタレート上にコバ
ルト単独もしくはコバルト−ニッケルからなる表1に記
載の膜厚150μmの磁性層を斜め蒸着した。蒸着は、
コバルトもしくはコバルト−ニッケル合金を電子ビーム
によって蒸発し、真空度6.7×10-3N/m2 中にて
酸素ガスを導入しつつ入射角45〜75度となるよう斜
め蒸着を行った。そして、表1の磁性層A上にメタンを
原料に、高周波電力400Wを印加してプラズマを発生
させ、パスローラを介して磁性層表面には、−400V
を、気体導入部に設けたアノードには+500Vの直流
バイアス電圧を印加して、発生したプラズマを加速して
磁性層表面に8nmの膜厚の炭素膜を形成し、得られた
炭素層を有する磁性層を磁性層Dとする。
【0039】
【表1】
【0040】表1で示した磁性層A〜CおよびD上に、
表2〜7記載の1種もしくは2種の化合物を化合物を混
合し、コイルバーで塗布乾燥した後、カーボンブラック
をニトロセルロース、ポリエチレンおよびポリイソシア
ネートからなる結合剤樹脂中に分散した厚さが約0.5
μmのバックコート層を設け、8mmに裁断し磁気テー
プを作製した。作製した磁気テープを以下のような方法
によって評価し、その結果を表2〜7に示す。試料番号
に記載の(比)は比較例を示す。 〔評価方法〕 保存後の再生出力低下の測定およびヘッド汚れ 8ミリVTR(富士写真フィルム(株)製 FUJIX
−8 M6型)に7MHzの信号を記録し、23℃10
%RHで1パス目の出力を0dBとし、100パス後
(A条件)の出力低下と、60℃70%RHの環境に1
4日間保存し、23℃10%RHで測定したときの出力
低下(B条件)を測定した。いずれの場合も、保存前の
1パス目の再生出力を0dBとした出力変化によって表
に示した。また、このときのおのおのの出力低下後のヘ
ッドの汚れ状態を微分干渉顕微鏡(200倍)によって
以下の評価基準によって調べた。 評価基準 ○…ギャップ部およびヘッド部に付着物がま
ったくみられないもの。 △…ギャップ部に
付着物はないが、ヘッド部に若干の付着物がみら
れるもの。 ×…ギャップ部およびヘッド部に付着物がみられるも
の。 耐候性の評価 下記環境に保存し、保存後の磁性層表面を目視および光
学顕微鏡で観察した。 Cl2 :10ppb,NO2 :200ppb,H2S :
10ppb 上記3種混合ガスの流量:1000リットル/時間 温湿度:60℃ 90%RH 保存日数:14日間 評価基準 ○‥磁性層表面を200倍の光学顕微鏡で観
察したとき腐食がまったく見られない △‥同上で腐食が見られるが、肉眼観察で磁性層表面の
金属光沢が認められる X‥肉眼で観察したとき磁性層表面に金属光沢がない
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【発明の効果】従来公知の潤滑剤では得られなかった高
度な保存性、走行性、耐久性を合わせ持つ保護層の技術
が得られ、屋外環境にも充分に対応可能な高密度磁気記
録媒体を実現した。これは本発明に開示した構造の化合
物は、極圧剤として作用しているものとみられ、分解し
て保護膜を形成する際に、他の極圧剤やリン酸処理に比
べて強固な保護膜を形成するものとみられ、耐腐食性も
非常に強い分解保護膜が得られ、極性の大きな潤滑剤を
併用しても保存性が劣化しなくなり、また本発明のホス
フェートによって磁性層と炭素層の密着性が良くなるも
のとみられ、さらに炭素層の存在により磁性層に傷がつ
きにくくなり、走行耐久性が向上した。
フロントページの続き (72)発明者 沖田 務 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の少なくとも一方の面に
    磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層中もしく
    は磁性層の表面層には下記の一般式(1)もしくは一般
    式(2)で表されるフォスフェート化合物の少なくとも
    1種を含有することを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 ただし、R1、R2およびR3は、炭化水素基もしくはフ
    ッ素化炭化水素基である。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)もしくは前記一般式
    (2)で表されるフォスフェート化合物は、総炭素数が
    3〜39であって、R1、R2およびR3がいずれも炭化
    水素基であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)もしくは一般式(2)で表
    されるフォスフェート化合物は、総炭素数が3〜24で
    あって、R1、R2およびR3がいずれもフェニル基を有
    することを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 −COOH、−SO3H、−OPO
    32、−PO32、−OSO32のうちの少なくとも一
    つの極性基を分子内に有する炭素数11〜22のオキソ
    酸化合物を磁性層もしくは磁性層の表面層またはバック
    コート層中に含有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁性層が強磁性金属薄膜であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録
    媒体。
  6. 【請求項6】 強磁性金属薄膜は、コバルトが90原子
    %以上である請求項5記載の磁気記録媒体。
JP33303193A 1993-12-27 1993-12-27 磁気記録媒体 Pending JPH07192253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33303193A JPH07192253A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33303193A JPH07192253A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07192253A true JPH07192253A (ja) 1995-07-28

Family

ID=18261500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33303193A Pending JPH07192253A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07192253A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001027916A1 (en) * 1999-10-14 2001-04-19 E.I. Du Pont De Nemours And Company Phosphorous and fluorine containing compounds as magnetic media lubricants
US6559108B1 (en) 1998-04-07 2003-05-06 E.I. Du Pont De Nemours And Company Perfluoropolyether compounds as magnetic media lubricants
US6828284B2 (en) 2001-08-06 2004-12-07 E. I. Du Pont De Nemours And Company Flourinated compositions comprising phosphorus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6559108B1 (en) 1998-04-07 2003-05-06 E.I. Du Pont De Nemours And Company Perfluoropolyether compounds as magnetic media lubricants
WO2001027916A1 (en) * 1999-10-14 2001-04-19 E.I. Du Pont De Nemours And Company Phosphorous and fluorine containing compounds as magnetic media lubricants
US6828284B2 (en) 2001-08-06 2004-12-07 E. I. Du Pont De Nemours And Company Flourinated compositions comprising phosphorus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5707742A (en) Magnetic recording medium comprising a ferromagnetic metal thin film, protective layer, and an alkylamine perfluoropolyether lubricant
JPH0845066A (ja) 磁気記録媒体
JPH07192253A (ja) 磁気記録媒体
JP3365043B2 (ja) 磁気記録媒体
US5612134A (en) Magnetic recording medium having a carbon protective layer and a fluoro-lubricant supplied from a backcoat layer
US5869186A (en) Magnetic recording medium
JP2990682B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3491942B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2990683B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0512656A (ja) 磁気記録媒体
EP0583010B1 (en) Magnetic recording medium
JP3080482B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3489863B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0765353A (ja) 磁気記録媒体
JPH087260A (ja) 磁気記録媒体
JP3292561B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3117319B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0765352A (ja) 磁気記録媒体
US5326641A (en) Magnetic recording medium comprising a ferromagnetic thin film and a protective layer of fluorine based resin
JPH07244839A (ja) 磁気記録媒体
JPH06349053A (ja) 磁気記録媒体
JP3074080B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH07210861A (ja) 磁気記録媒体
JPH0450644B2 (ja)
JPH0638287B2 (ja) 磁気記録媒体