JPH10251676A - 潤滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体

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JPH10251676A
JPH10251676A JP5806397A JP5806397A JPH10251676A JP H10251676 A JPH10251676 A JP H10251676A JP 5806397 A JP5806397 A JP 5806397A JP 5806397 A JP5806397 A JP 5806397A JP H10251676 A JPH10251676 A JP H10251676A
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perfluoropolyether
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JP5806397A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の使用条件下で低摩擦係数を持続する潤
滑剤組成物、およびこれを用いることにより走行性、耐
久性が向上した磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体の潤滑剤層5として、少な
くとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオ
ロポリエーテル化合物と、ホスファゼン系化合物とを混
合した潤滑剤組成物を採用する。 【効果】 強靭な吸着力と復元力を有する潤滑剤層5の
形成により、摩擦係数、シャトル耐久性、スチル耐久性
のいずれもが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規潤滑剤組成物お
よびこれを用いた磁気記録媒体に関し、さらに詳しく
は、末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオロポ
リエーテル化合物と、ホスファゼン系化合物とを混合し
た新規潤滑剤組成物、およびこれを潤滑剤層に用いるこ
とにより安定した走行性や耐久性を得ることが可能な高
密度磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置で用いられる
磁気記録テープ等の磁気記録媒体として、薄膜型と塗布
型のものが主として用いられている。薄膜型は、非磁性
支持体上にCoやCo合金等の強磁性金属薄膜をスパッ
タリング、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術により
被着したものである。また塗布型のものは、磁性粉末、
有機バインダおよび各種添加剤等を有機溶媒に分散、混
練して調整される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、
乾燥、硬化することにより形成される磁気記録層を用い
たものである。
【0003】これらの各種磁気記録装置においては、近
年ますます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはデ
ィジタル記録化等が進展し、磁気記録媒体に対しても高
密度記録化が強く要望されるようになっている。この要
望に応えるため、近年の磁気記録媒体、特に金属薄膜型
磁気記録媒体においては、その磁気記録層表面を鏡面に
近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気記録層間の
間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低減する方向
にある。
【0004】一方、磁気記録テープは、その使用形態か
ら各種ガイドピン等の摺動部材と摺動しつつ走行する。
一例として8ミリビデオテープレコーダの場合、磁気記
録テープは10個以上のステンレス等からなる固定ガイ
ドピンを通過して磁気ドラムに巻き付けられ、ピンチロ
ーラ、キャプスタンおよびリールモータにより、テープ
テンションは約20g、走行速度は0.5cm/sec
と、共に一定に保持されつつ走行する。磁気記録テープ
レコーダの走行系では、摺動部材/磁気記録テープ間の
摩擦力が大きくなると、磁気テープがスティックスリッ
プと呼ばれる自励振動によるテープ鳴きを起こし、再生
画面の歪みを発生する。また摺動部材への磁気記録媒体
の凝着現象、いわゆる張り付き等が起き易い。また磁気
ヘッド/磁気テープ間の相対速度は3.8m/secと
高速であるため、摩擦・磨耗により耐久性、走行性ある
いは耐蝕性が低下し易い。とりわけスチル再生では同一
個所での高速接触となるので、磁気記録層が磨耗しやす
く再生出力の低下につながる。金属薄膜型の磁気記録媒
体の場合には磁気記録層の厚さが薄いのでこの問題は更
に深刻である。このように、金属薄膜型磁気記録媒体に
おいては、走行性や耐久性に解決すべき問題点を残して
いる。
【0005】一方ハードディスク装置ではCSS(Co
ntact Start andStop)と呼称され
るように、静止時には磁気ヘッドはハードディスクに接
触しており、高速で回転を始めると発生する空気流によ
り極く僅か浮上するモードで磁気記録再生をおこなう。
このため、ディスク起動時および停止時にはディスクを
磁気ヘッドが擦って走行するので、摩擦係数の経時的な
増加が大きな問題である。商品レベルでの信頼性を保つ
には、CSS操作を2万回行った後の摩擦係数が0.5
以下であることが望まれる。またディスクが高速で回転
するので、ディスクによる磁気ヘッドの損傷、すなわち
ヘッドクラッシュの問題もハードディスクにおいては解
決すべき課題の一つである。
【0006】これら諸問題を解決するために、鏡面状態
の磁気記録層表面に硬質のカーボン系保護層、特にダイ
アモンド状カーボン保護層を設けることが有効とされて
いる。しかしながら、この保護層は磁気ヘッド/磁気記
録層間のスペーシングロスともなるので、むやみに厚さ
を増加することはできず、例えば5nm〜10nmの厚
さが採用される。このためカーボン系保護層だけでは充
分な耐久性を得ることは困難で、さらにトップコート層
を設ける試みがなされている。トップコート層として
は、含フッ素有機化合物や、リン酸エステル等の含リン
有機化合物を塗布や気相成長により形成する例がある。
一例として、ダイアモンド状カーボン上に含フッ素カル
ボン酸を3〜4nmの厚さに真空蒸着する方法が、特開
平7−57254号公報および特開平6−168436
号公報に開示されている。
【0007】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤は、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従来
から採用されている潤滑剤では対応が困難となりつつあ
るのが現状である。すなわち、高密度磁気記録媒体に使
用される潤滑剤としては、 (1)寒冷地での使用に際しても所定の潤滑効果が得ら
れるように低温特性に優れること。 (2)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、
極めて薄い薄膜として形成可能で、薄膜としての耐久性
があること。またその場合にも充分な潤滑特性が発揮さ
れること。 (3)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果
が持続すること。 等の諸特性が要求される。
【0008】磁気記録媒体の摩擦係数の増大や耐久性の
問題を解決する最も重要な選択肢は、表面に塗布される
潤滑剤の検討である。磁気ヘッドとの良好な潤滑性能、
磁気テープあるいは磁気ディスク表面への均一で強固な
密着性、これらの性能の例えば10年の長期におよぶ持
続性、このような数々の要求を数nmのほぼ単分子レベ
ルの薄膜で実現するためには、潤滑剤の分子構造の検討
が重要である。潤滑特性は明らかに潤滑剤の分子構造に
依存するところが大であることが判明している。磁気記
録媒体用に開発された潤滑剤としては、大別3種類に分
類される。すなわち、シリコーン系、炭化水素系および
フッ素化炭素系である。
【0009】シリコーン系潤滑剤は熱安定性がよいこと
と、蒸気圧が低いことのために塗布形の磁気記録媒体で
はよく使用される潤滑剤の一つである。しかしながら、
現在の高密度磁気記録媒体のように非常に表面性のよい
金属薄膜型磁気記録媒体においては、あまり良い潤滑性
能は得られず、ピンオンディスクの磨耗加速試験あるい
はCSS試験での潤滑特性は、特に耐久性のスペックを
満足しない。つまり、現在主流の金属薄膜型磁気記録媒
体表面で配向された潤滑剤層を形成し、要求される潤滑
特性を満足させるには、シリコーン系の潤滑剤では極め
て限られた範囲の効果が得られるにすぎない。
【0010】炭化水素系の潤滑剤は塗布型の磁気記録媒
体では現在でも主流の潤滑剤である。しかし、熱的ある
いは化学的な安定性については、一般的にシリコーン系
あるいはフッ素化炭素系の潤滑剤に比較して充分でな
い。また潤滑剤分子が摩擦熱等により反応して生成する
フリクションポリマと称される残渣を発生させやすい。
このポリマは潤滑特性を低下させ、時として致命的な故
障の原因となる。炭化水素系の潤滑剤は蒸気圧が高く、
磁気記録層表面から散逸しやすいことも弱点のひとつと
なる。薄膜型磁気記録媒体では優れた初期潤滑特性を示
すものの、表面から失われた潤滑剤を磁気記録層からの
滲み出しにより補充することができないため、耐久性に
乏しい。
【0011】フッ素化炭素系化合物は、磁気記録媒体用
として現在最もよく使用されている潤滑剤である。この
中でも、パーフルオロポリエーテルが他のフッ素化炭素
系化合物に比較して潤滑性能や表面保護作用に優れるた
め広く用いられている。これは、−CF2 −O−CF2
−のエーテル結合がフレキシブルであるために、分子量
が同じ他の化合物と比較したときにはその粘度が小さい
こと、および幅広い温度域で粘度変化が小さいことが挙
げられる。これに加え、化学的に不活性であること、蒸
気圧が低いこと、熱的あるいは化学的安定性が高いこ
と、表面エネルギが小さいこと、境界潤滑特性に優れる
こと、そして撥水性が良いこと等のメリットを有する。
【0012】パーフルオロポリエーテルの潤滑性能はそ
の分子構造に強く依存する。何種類かのパーフルオロポ
リエーテルが市販されており、それらは分子量、主鎖の
繰り返し単位、末端基等の分子構造がそれぞれ異なる。
例えばFomblin−Y(商品名)タイプは−CF
(CF3 )CF2 O−と−CF2 O−とのランダム共重
合体で、主鎖の繰り返し単位が分岐構造を有する。Fo
mblin−Z(商品名)タイプは−CF2 CF2 O−
と−CF2 O−の重合体で、直鎖構造をもつ。Demn
umおよびKrytox(いずれも商品名)タイプは、
それぞれヘキサフルオロプロピレンオキシドおよびヘキ
サフルオロイソプロピレンオキシドのホモポリマであ
る。
【0013】パーフルオロポリエーテルは化学的に不活
性であるために磁気記録媒体表面での吸着能力に欠け
る。そこでこの吸着能力を改善するため、両末端に極性
基をもつパーフルオロポリエーテルが開発された。Fo
mblin Z−DOL(商品名)は水酸基を有し、F
omblin AM2001(商品名)はピペロニル基
を有する。Fomblin AM2001はその末端へ
の極性基の導入により、特に金属表面やカーボン表面で
の強い固定作用を有し、摩擦係数を減少させ、磁気ディ
スク等の耐用年数を増加させる。
【0014】このように磁気記録媒体用の潤滑剤に対す
る厳しい要求に応えるために、潤滑剤の分子構造には様
々な工夫がなされているが、現在の高密度磁気記録媒体
におけるすべての要求特性を満たす潤滑剤は未だ得られ
ていないといってもよい。また分子量が大きいとフッ素
系溶剤以外には溶解しなくなり、実用的にも大きな制約
を受ける。溶剤を大量に使用する磁気テープ製造におい
てはフッ素系溶剤の価格は重要な障害となる。パーフル
オロポリエーテルの分子量が1000以下の場合には汎
用溶剤に対する溶解性は改善され、メチルエチルケトン
のようなケトン系溶剤、エタノールのようなアルコール
系溶剤に溶解するようになり、実用的可能性は開ける。
しかしながら、パーフルオロポリエーテルの分子量が小
さいために揮発性が高く、経時変化等の別の問題を抱え
ていた。
【0015】また、磁気ヘッド/磁気テープ間の相対速
度が数m/secを超える磁気記録システムにおいて
は、接触部分で発生する摩擦熱は磁気テープの表面温度
を瞬時ではあるが急激に上昇させる。磁気ヘッド/磁気
テープの接触点の温度の正確な測定法は未だないが、計
算では数100℃を超えるものと見積もられる。特にこ
のような境界潤滑条件下では反応性の表面が現れるの
で、このような接触点温度により潤滑剤分子の分解反応
が促進される。パーフルオロポリエーテルは、空気中は
250℃以上の温度でも安定であるが、金属や合金、例
えば鉄やチタン合金、あるいはルイス酸やルイス塩基、
例えばAlCl3 、FeF3 あるいはAl23 の存在
下では分解しやすくなる。このような潤滑剤の分解は磁
気記録媒体の潤滑性能に悪影響をおよぼし、これが磁気
記録システム全体の信頼性を損なう結果ともなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み提案するものであり、各種の使用条件下において優
れた潤滑性能が得られるとともに、その効果が長時間に
わたり持続され、かつ炭化水素系等の汎用溶剤への溶解
性に優れた潤滑剤組成物、およびこれを用いることによ
り摩擦係数が低く、安定した走行性、耐磨耗性および耐
久性が得られる磁気記録媒体を提供することをその課題
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、上述した課題を解決するために提案するものであ
り、下記一般式(1)および(2)のいずれか一方で示
される、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有す
るパーフルオロポリエーテル化合物と、下記一般式
(3)で示される、ホスファゼン系化合物とを混合した
ことを特徴とする。
【0018】
【化9】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を示す。)
【0019】
【化10】 (ただし、R4 およびR5 はそれぞれ独立にアルキル
基、フッ素化アルキル基およびハロゲンのうちのいずれ
か一つを示す。)
【0020】また本発明の別の潤滑剤組成物は、下記一
般式(1)および(2)のいずれか一方で示される、少
なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフル
オロポリエーテル化合物と、下記構造式(4)で示され
る、ホスファゼン系化合物とを混合したことを特徴とす
る。
【0021】
【化11】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を含む。)
【0022】
【化12】
【0023】さらに本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体の一主面上に、少なくとも磁気記録層と、潤滑剤層
とをこの順に有する磁気記録媒体において、この潤滑剤
層にこれらの潤滑剤組成物を含むことを特徴とする。磁
気記録層としては、金属薄膜型磁気記録層に適用して好
結果を収めるが、塗布型の磁気記録層であってもよい。
また磁気記録層と潤滑剤層との間に、さらに硬質カーボ
ン系保護層を有していてもよい。 この硬質カーボン系
保護層は、ダイアモンド状カーボン(DLC;Diam
ond Like Carbon)が望ましい。ダイア
モンド状カーボンは、一例として化学的気相成長法(C
VD;Chemical Vapor Deposit
ion)やスパッタリング等の物理的気相成長法(PV
D;Physical Vapor Depositi
on)により形成することができる。カーボン系保護層
は一層で構成しても良いし、下層に他の材料を設けて多
層に形成しても良い。かかる他の材料としては、SiO
2 、Si3 4 、SiON、SiC、Al2 3 、Al
N、TiO2 、Cr2 3 、TiN、TiC、Zr
2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁性金属等が例
示される。
【0024】いずれの発明においても、一般式(1)お
よび(2)のいずれか一方で示される、少なくとも片末
端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオロポリエー
テル化合物に対する、一般式(3)あるいは構造式
(4)で示される、ホスファゼン系化合物の混合比は、
重量比で1/3以上3/1以下であることが望ましい。
【0025】また一般式(1)および(2)のいずれか
一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミン
塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物中の長鎖炭
化水素基の炭素数は10以上30以下であることが望ま
しい。
【0026】本発明の潤滑剤組成物の一方の成分であ
る、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパ
ーフルオロポリエーテル化合物のパーフルオロポリエー
テル基としては、分岐構造の有無、芳香環や脂環構造の
有無、不飽和結合の有無によらず選択することができ、
これらは単官能のものと多官能のものが挙げられる。単
官能のパーフルオロポリエーテル基としては、例えばパ
ーフルオロプロピルオキシ基であるF(CF2 CF2
2 O)n - や、パーフルオロイソプロピルオキシ基で
あるF(CF(CF3 )CF2 O)k - 、あるいはパー
フルオロイソプロピルオキシ基とパーフルオロオキシメ
チレン基との共重合体であるCF3 (OCF(CF3
CF2 m (OCF2 l - が例示される。また多官能
のパーフルオロポリエーテル基としては、例えばパーフ
ルオロオキシエチレン基とパーフルオロオキシメチレン
基との共重合体である -(OC2 4 p (OCF2
q - がある。これらパーフルオロポリエーテル基の化学
構造式中のl、m、n、k、pおよびqは1以上の自然
数を示す。またm/l、p/qの値は0.5〜2.0が
望ましい。パーフルオロポリエーテル基の分子量は特に
限定されないが、600から5000程度が望ましい。
分子量が大きすぎると極性基の効果が小さくなり、逆に
分子量が小さすぎると蒸気圧が高くなり熱的安定性に欠
けるようになる。
【0027】本発明の潤滑剤組成物は、従来公知の他の
潤滑剤と組み合わせて用いてもよい。さらに、より厳し
い環境下での使用条件に対処して潤滑効果を持続するた
め、潤滑剤組成物に対し重量比で30/70〜70/3
0程度の配合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、
境界潤滑領域において部分的に金属接触を生じた際にこ
れに伴う摩擦熱により金属面と反応し、反応生成物被膜
を形成することにより摩擦・磨耗防止作用を得る化合物
であり、従来公知のリン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロ
ゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤および複合系極圧剤の
いずれも使用することができる。また、必要に応じて上
述した潤滑剤組成物、極圧剤の他に防錆剤を併用しても
よい。防錆剤は、通常の金属薄膜型磁気記録媒体や塗布
型磁気記録媒体に用いられるものは、いずれも併用する
ことができ、例えばフェノール類、ナフトール類、キノ
ン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸素原子を含む複
素環化合物および硫黄原子を含む複素環化合物等がこれ
に相当する。
【0028】本発明の磁気記録媒体において、潤滑剤層
の厚さすなわち形成密度は特に限定はされないが、一例
として0.3〜100mg/m2 が望ましく、0.5〜
20mg/m2 であることがさらに望ましい。形成密度
が0.3mg/m2 未満では充分な耐久性および走行性
安定性が得られず、100mg/m2 を超えるとやはり
耐久性が低下し、磁気ドラム等への貼り付き現象が発生
する。潤滑剤層の形成方法は特に限定されないが、グラ
ビアコーティング、ディップコーティング等の各種塗布
方法が適用される。
【0029】磁気記録層を形成する非磁性支持体として
は、通常の磁気記録媒体で用いられるものはいずれも使
用可能であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セル
ローストリアセテート、セルロースダイセテート等のセ
ルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミドイミド、ポリイミド等の有機高分子が例
示される。これら非磁性支持体の表面には接着性向上の
ために、有機バインダからなる下地材料層を設けてもよ
い。また、この下地材料層中や非磁性支持体中に、Si
2 やラテックス等のフィラーを含有させ、微細な表面
突起を形成してもよい。これら表面突起は、金属磁性薄
膜の表面性を制御して、磁気記録テープの走行性の向上
に寄与する。さらにハードディスク等の磁気記録媒体の
場合には非磁性支持体としてAl系金属、セラミクスや
ガラス等の剛体基板を用いることができる。これら剛体
基板の表面にアルマイト処理等による酸化被膜や、Ni
−P被膜等を形成して、その表面硬度をさらに高めても
よい。
【0030】金属薄膜型磁気記録層は、強磁性金属を蒸
着やスパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術に
より非磁性支持体上に形成したものである。強磁性金属
の材料としては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁
性金属や、Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合
金、Co−Cr合金、Co−Cr−Ta合金、Co−C
r−Pt合金等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、
Fe−Ni−B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co
−Ni−B合金等のFe系合金等や、これら強磁性材料
中や粒界に酸化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した
構造からなるものが例示される。特に、面内磁化モード
による薄膜型磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対
し、斜め蒸着等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層
の略面内に配向する。非磁性支持体上にBi、Sb、P
b、Sn、Ga、In、Ge、SiあるいはTi等の非
磁性下地層を形成しておき、ここに非磁性支持体表面の
垂直方向から強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリング
してもよい。かかる非磁性下地層を介在させることによ
り、非磁性金属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホ
ロジ(morphology) を制御して面内等方性磁化を付与す
るとともに、抗磁力を向上することができる。金属薄膜
型磁気記録層は単層あるいは積層で用いられる。積層の
場合には、中間層として非磁性層を介在させてもよい。
【0031】塗布型の磁気記録層は、γ−Fe2 3
Fe3 4 等の酸化鉄系磁性粉末あるいはこれらにCo
を被着した磁性粉末、CrO2 、強磁性金属磁性粉末等
を各種添加剤とともに有機バインダ中に分散した磁性塗
料を非磁性支持体上に塗布することにより形成される。
【0032】非磁性支持体の他方の面に、塗布型あるい
は薄膜型のバックコート層を設けてもよい。バックコー
ト層の構成は特に限定されない。塗布バックコート層は
非磁性粒子を有機バインダ中に分散させて形成し、表面
粗度や導電性を制御するものであり、非磁性粒子の材料
としては例えばヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミ
ナ、α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カ
オリン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸
化チタン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化
亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
ポリテトラフフルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプ
ン、あるいは非磁性金属やカーボン等が例示される。非
磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましくは
0.1〜0.7μmの大きさのものが使用され、有機バ
インダ100重量部に対して通常1〜20重量部の範囲
で添加される。また粒子形状は塗料適性や耐久性等の観
点から、略球形、略正多面体等の等方的な形状を有する
ものが好ましい。
【0033】また塗布バックコート層に用いる有機バイ
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、
非磁性粒子の分散性を向上するために−SO3 M、−O
SO3 M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
等の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHま
たはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基
をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR1
2 、−NR1 2 3 + - の末端基を有する側鎖型の
もの、>NR1 2 + - の主鎖型のもの等がある(こ
こでR1 、R2、R3 は水素原子または炭化水素基であ
り、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイ
オンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この他に
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基で
あってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1〜1
-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6mo
l/gである。これら有機バインダは単独で用いること
も可能であるが、2種類以上を併用することも可能であ
る。塗布バックコート層中におけるこれら有機バインダ
の量は、非磁性粒子100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0034】上述した有機バインダを架橋硬化する硬化
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0035】塗布バックコート層と非磁性支持体との間
に、塗布バックコート層の接着性向上等の目的で、下部
塗布バックコート層を形成してもよい。下部塗布バック
コート層は、有機バインダ単独、あるいはカーボン粉末
および必要に応じて他の非磁性粉末および有機バインダ
を溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより形成される。
【0036】塗布バックコート層形成用の塗料に用いら
れる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
使用される。
【0037】非磁性支持体上に塗布バックコート層を形
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。非磁性支持体上
に形成された塗布バックコート層は、加熱空気等により
乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて硬化処理を施
す。
【0038】薄膜バックコート層に採用される材料とし
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 4 、SiON、SiC、
Al2 3 、AlN、TiO2 、Cr2 3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等を単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
【0039】薄膜バックコート層の形成方法は、真空薄
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。
【0040】これらバックコート層にも本発明の潤滑剤
組成物を内添あるいはトップコートにより適用してもよ
い。磁気記録層、バックコート層のいずれにも本発明の
潤滑剤組成物を内添あるいはトップコートする等、種々
の使用形態が可能であり、これにより、安定した走行
性、耐久性を有する磁気記録媒体を得ることができる。
【0041】次に作用の説明に移る。本発明の潤滑剤組
成物の一方である一般式(1)および(2)のいずれか
一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミン
塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、分子構
造内に極性基を有するので磁気記録層あるいは硬質カー
ボン系保護層表面に強固に固定され、摩擦係数を低下す
る。また他方の構成成分である一般式(3)あるいは構
造式(4)で示される、ホスファゼン系化合物は磁気記
録層あるいは硬質カーボン系保護層表面への固定作用は
小さく、これら表面を比較的自由に移動(マイグレーシ
ョン)することができ、一旦破壊された潤滑剤層を回復
し、補修することが可能である。これら両者の相乗効果
により、優れた摩擦係数低減効果とその持続効果を得る
ことができる。これらの効果は低温環境や高温多湿環境
等の厳しい使用環境下においても損なわれることがな
い。したがって、本発明の潤滑剤組成物を適用した磁気
記録媒体は、走行性、耐磨耗性の改善が図られ、耐久性
が向上する。
【0042】
【実施例】以下、本発明の潤滑剤組成物およびこれを用
いた磁気記録媒体につき、磁気記録テープを例にとり、
比較例を交えながら詳細な説明を加えるが、これらは単
なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限定され
るものではない。
【0043】まず、以下の実施例で採用したホスファゼ
ン化合物である潤滑剤1(構造式(5))および潤滑剤
2(構造式(4))を次に示す。これら化合物は、ホス
ファゼン環の3個のリン原子にオキシフェニル基あるい
はオキシビフェニルエーテル基が2個づつ結合した構造
を有する。
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】また、以下の実施例で採用した、少なくと
も片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオロポ
リエーテル化合物である潤滑剤3〜潤滑剤7を〔表1〕
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】さらにこれら潤滑剤を組み合わせた本発明
の潤滑剤組成物1〜10を〔表2〕に示す。ホスファゼ
ン化合物と、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を
有するパーフルオロポリエーテル化合物の混合比は、重
量比ですべて1/1で混合した。
【0049】
【表2】
【0050】次に、本発明の潤滑剤組成物を用いた磁気
記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。非磁性支持
体1の一方の面には、下塗り層2、金属薄膜型磁気記録
層3、硬質カーボン系保護層4および本発明の潤滑剤組
成物を含む潤滑剤層5が形成されている。また非磁性支
持体1の他方の面には、バックコート層6が形成され、
ディジタルビデオカセット用の金属薄膜型磁気テープが
構成されている。硬質カーボン系保護層4はこれを省略
して金属薄膜型磁気記録層3上に直接本発明の潤滑剤組
成物を含む潤滑剤層5を形成してもよい。
【0051】次に、図1に示した磁気記録媒体の製造方
法の一例を説明する。厚さ10μm、幅150mmのP
ET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなる
非磁性支持体1の片面に、アクリル酸エステルを主成分
とする水溶性ラテックスを分散させたエマルジョン溶液
を塗布し、粒子密度107 個/mm2の表面突起を有す
る下塗り層2を形成した。この下塗り層2は省略しても
差し支えない。次に下塗り層2上に、リールツーリール
方式の連続巻き取り蒸着装置を用いて、金属薄膜型磁気
記録層3を形成した。蒸着条件の一例を下記に示す。 蒸着用インゴット材 : 純コバルト 入射角 45〜90 ° 走行速度 0.17 m/sec 酸素導入量 3.3〜4.0×10-63 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この金属薄膜型磁気記録層3の磁気特性は、蒸着チャン
バ内に酸素を導入することにより保磁力Hc=110k
A/m、残留磁束密度Br=0.45Tに調整された。
【0052】次にPETフィルムの他方の面(裏面)に
バックコート層6を形成した。バックコート層6用の塗
料は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリウレタンを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/2/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を5重量部添加した。この塗料をグラ
ビアコータにより、乾燥塗布厚が0.6μmとなるよう
に塗布した。
【0053】次に、金属薄膜型磁気記録層3上に硬質カ
ーボン系保護層4を形成した。図2に硬質カーボン系保
護層4形成用のCVD装置の一例として、プラズマCV
D装置の概略断面図を示す。非磁性支持体1の一方の面
に下塗り層2、金属薄膜型磁気記録層3、他の面にバッ
クコート層6を形成した被処理体ウェブ11を、巻きだ
しロール13から供給し、ガイドロール12、成膜ロー
ル19、ガイドロール12を経由して走行させ、巻き取
りロール14に巻き取る。成膜ロール19の軸方向の全
長には、その上部の開口を有する反応管15が配設され
ている。反応管15の下部にはガス導入口18が連結さ
れ、ここから炭化水素系ガスを主成分とする反応ガスが
導入される。反応管15内にはDC電源17からの+5
00〜2000VのDC電圧が印加されるメッシュ状の
電極16が収納されており、接地電位の成膜ロール19
との間で炭化水素系ガスのプラズマを生成し、走行する
被処理体ウェブ11表面に連続的にカーボン系保護層を
形成することができる。これらの構成部材は、真空チャ
ンバ22内に収容され、チャンバ内を排気系21により
所望の真空度に制御することが可能である。
【0054】図2に示すプラズマCVD装置により、先
に形成した金属薄膜型磁気記録層3上に硬質カーボン系
保護層4を成膜した。プラズマCVD条件の一例を下記
に示す。 導入ガス:キャリアガスで希釈したトルエン 反応圧力 10 Pa DC電圧 1.5 kV カーボン系保護層膜厚 10 nm このように硬質カーボン系保護層4を形成した長尺の試
料を作製し、これに潤滑剤層5を形成して実施例1〜1
0の各磁気記録媒体を製造した。なお先述したように硬
質カーボン系保護層4を省略し、金属薄膜型磁気記録層
3上に直接潤滑剤層5を形成してもよい。潤滑剤層5の
形成工程は、以下の各実施例で詳細に説明する。
【0055】実施例1 〔表2〕に組成物1として示した、潤滑剤1(構造式
(5))と潤滑剤3(〔表1〕参照)を等重量混合した
潤滑剤組成物を汎用溶剤であるヘキサンに溶解したもの
を、乾燥後の塗布量が2mg/m2 となるように塗布
し、潤滑剤層5を形成した。この長尺試料を8mm幅に
裁断後、カセットに収納して実施例1の磁気記録媒体を
完成した。
【0056】実施例2〜実施例10 〔表2〕に組成物2〜10として示した潤滑剤組成物を
採用した他は、前実施例1に準じて実施例2〜実施例1
0の磁気記録媒体を完成した。
【0057】比較例1〜2 潤滑剤層として、表1に示される片末端にカルボン酸ア
ミン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物である
潤滑剤4を単独で使用した他は、前実施例1に準じて比
較例1の磁気記録媒体を完成した。また潤滑剤層とし
て、先に構造式(4)で示したホスファゼン系化合物
(潤滑剤2)を単独で使用した他は、前実施例1に準じ
て比較例2の磁気記録媒体を完成した。
【0058】以上のようにして作製した実施例1〜10
の磁気記録媒体および比較例1〜2の磁気記録媒体につ
き、市販の8mmビデオテープレコーダ改造機を用いて
特性を評価した。評価項目は、温度−5℃、温度25℃
相対湿度60%、および温度40℃相対湿度80%の3
種類の環境中で摩擦係数、スチル耐久性およびシャトル
耐久性の3項目を測定した。
【0059】摩擦係数の測定 測定装置の概略を図3に示す。ステンレス製のガイドピ
ンDを水平に配置し、この外周面に角度θにわたって磁
気記録媒体Pの潤滑剤層5側を案内させる。磁気記録媒
体Pの一端に、おもりWを係合し、このおもりWにより
テンションT1をかける。磁気記録媒体Pの他端は、一
定速度Vで移動する力測定装置Mの検出端に係合し、ガ
イドピンDと磁気記録媒体Pとの摺動時のテンションT
2の測定をおこなう。このとき下式の関係が成り立つ。 T2/T1=exp(μ・θ) この式より、摩擦係数μは次の式より求められる。 μ=(1/θ)ln(T2/T1) 実際の測定は、恒温高湿糟中40℃80%の雰囲気で1
00回シャトル走行させた後の磁気記録媒体について、
W=10gf、θ=90°、V=20mm/secの条
件を用いた。
【0060】シャトル測定 40℃80%RHの測定評価環境下で8mmVTR試験
機により200回シャトル走行させた後、その再生出力
を初期再生出力と比較した。
【0061】スチル測定 −5℃に制御した恒温糟中でスチル再生し、再生出力が
初期再生出力から3dB落ちるまでの時間を測定した。
【0062】以上の各測定結果を〔表3〕(実施例)お
よび〔表4〕(比較例)にまとめて示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】〔表2〕および〔表3〕の結果の比較から
明らかなように、少なくとも片末端にカルボン酸アミン
塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、ホスフ
ァゼン系化合物とを混合した本発明の潤滑剤組成物を用
いた実施例の磁気記録媒体は、それぞれを単独で用いた
比較例の磁気記録媒体よりも、いかなる測定環境下にお
いても優れた低摩擦係数、スチル耐久性およびシャトル
耐久性を示し、それぞれの潤滑剤の長所の相乗効果が発
揮されていることが判る。
【0066】つぎに本発明の潤滑剤組成物を塗布型の磁
気記録テープに適用した例を示す。以下の実施例に採用
した塗布型磁気記録テープの層構成は、図示を省略する
がポリエチレンテレフタレートからなる非磁性支持体上
に金属磁性粉末を含有する磁性塗料を塗布して磁気記録
層を形成し、この磁気記録層上に潤滑剤層を形成した基
本層構成を有するものである。この基本層構成に加え
て、必要に応じてバックコート層や中間層を形成しても
よい。
【0067】磁性塗料の作製例を下記に示す。 磁性粉末 100 重量部 (Fe系金属磁性粉末、保磁力160kA/m、飽和磁
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メエチルエチルケトン 150 重量部 メエチルイソブチルケトン 150 重量部 この組成物を基本組成とし、ボールミルにて24時間混
合してからフィルタを通して取り出し、更に硬化剤とし
てポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を4重量部添加してさらに30分間撹拌して磁性
塗料を得た。
【0068】この磁性塗料を12μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布し、磁場配向後、乾燥
して巻き取った。乾燥後に形成された磁気記録層の厚さ
は2μmであった。磁気記録層にカレンダ処理を施した
後、この磁気記録層表面に潤滑剤層を形成して以下の実
施例11〜20の各磁気記録媒体を製造した。潤滑剤層
の形成工程は、以下の各実施例で詳細に説明する。
【0069】実施例11 〔表2〕に組成物1として示した、潤滑剤1(構造式
(5))と潤滑剤3(〔表1〕参照)を等重量混合した
潤滑剤組成物を汎用溶剤であるエタノールとヘキサンの
混合溶剤に溶解したものを、乾燥後の塗布量が10mg
/m2 となるように塗布し、潤滑剤層を形成した。この
長尺試料を8mm幅に裁断後、カセットに収納して実施
例11の磁気記録媒体を完成した。
【0070】実施例12〜実施例20 〔表2〕に組成物2〜10として示した潤滑剤組成物を
採用した他は、前実施例11に準じて実施例12〜実施
例20の磁気記録媒体を完成した。
【0071】比較例3〜4 潤滑剤層として、表1に示される片末端にカルボン酸ア
ミン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物である
潤滑剤4を単独で使用した他は、前実施例11に準じて
比較例3の磁気記録媒体を完成した。また潤滑剤層とし
て、先に化学式(4)で示したホスファゼン系化合物
(潤滑剤2)を単独で使用した他は、前実施例11に準
じて比較例4の磁気記録媒体を完成した。
【0072】以上のようにして作製した実施例11〜2
0の磁気記録媒体および比較例3〜4の磁気記録媒体に
つき、市販の8mmビデオテープレコーダ改造機を用い
て特性を評価した。評価項目は摩擦係数、スティックス
リップおよびドロップアウト特性およびそれらのエージ
ング特性である。
【0073】摩擦係数先に示した摩擦係数測定法によっ
た。エージング前の測定環境は温度25℃相対湿度60
%であった。エージングは、温度40℃相対湿度80%
の高温高湿槽中に48時間磁気記録媒体を保存し、温度
25℃相対湿度60%の測定環境下に取り出して24時
間保存後、測定に供した。
【0074】スティックスリップ特性 摩擦時の静止摩擦係数が0.6を超えるか否かで判断し
た。エージング前の測定環境は温度25℃相対湿度60
%であった。エージングは、温度40℃相対湿度80%
の高温高湿槽中に48時間磁気記録媒体を保存し、温度
25℃相対湿度60%の測定環境下に取り出して24時
間保存後、測定に供した。
【0075】ドロップアウト特性 3分間内に、3μsec以上継続して−10dB以上の
出力低下が起こる回数を評価対象とした。エージング前
の測定環境は同じく温度25℃相対湿度60%であっ
た。エージングは、これも温度40℃相対湿度80%の
高温高湿槽中に48時間磁気記録媒体を保存し、温度2
5℃相対湿度60%の測定環境下に取り出して24時間
保存後、測定に供した。
【0076】実施例11〜実施例20および比較例3〜
4の磁気記録媒体について、以上の評価項目の測定結果
を〔表5〕(エージング前)および〔表6〕(エージン
グ後)にまとめて示す。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】〔表5〕および〔表6〕の結果から明らか
なように、塗布型の磁気記録媒体においても、少なくと
も片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオロポ
リエーテル化合物と、ホスファゼン系化合物とを混合し
た本発明の潤滑剤組成物を用いた実施例の磁気記録媒体
は、それぞれを単独で用いた比較例の磁気記録媒体より
も、エージング前後において優れた低摩擦係数、スティ
ックスリップ特性およびドロップアウト特性を示し、そ
れぞれの潤滑剤の長所の相乗効果が発揮されていること
が判る。
【0080】以下に示す実施例21〜25および比較例
5〜8は、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有
するパーフルオロポリエーテル化合物と、ホスファゼン
系化合物との混合比についての検討をおこなった例であ
る。
【0081】実施例21〜実施例25 少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフ
ルオロポリエーテル化合物として先に〔表1〕に示した
潤滑剤4と、ホスファゼン系化合物として先に構造式
(4)で示した潤滑剤2を採用し、両者の重量混合比と
して3/1、2/1、1.2/1、1/2および1/3
の潤滑剤組成物を調製した。この潤滑剤組成物を実施例
1に準じて金属薄膜型の磁気記録層上に塗布し、実施例
21〜25の5種の磁気記録媒体を作製した。
【0082】比較例5〜比較例8 少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパーフ
ルオロポリエーテル化合物として先に〔表1〕に示した
潤滑剤4と、ホスファゼン系化合物として先に構造式
(4)で示した潤滑剤2を採用し、両者の重量混合比と
して10/1、5/1、1/5および1/10の潤滑剤
組成物を調製した。この潤滑剤組成物を実施例1に準じ
て金属薄膜型の磁気記録媒体上に塗布し、比較例5〜8
の4種の磁気記録媒体を作製した。
【0083】以上作製した実施例21〜実施例25およ
び比較例5〜比較例8の9種類の磁気記録媒体につき、
各種測定環境条件下で摩擦係数、スチル耐久性およびシ
ャトル耐久性について評価し、測定結果を〔表7〕にま
とめた。測定方法は、実施例1〜10の磁気記録媒体の
測定方法と同様である。
【0084】
【表7】
【0085】〔表7〕の測定結果より、少なくとも片末
端にカルボン酸アミン塩を有するパーフルオロポリエー
テル化合物と、ホスファゼン系化合物との混合比は重量
比で1/3以上3/1以下が好ましいことが判る。
【0086】以上、本発明の潤滑剤組成物およびこれを
用いた磁気記録媒体につき詳細な説明を加えたが、これ
らは単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限
定されるものではない。
【0087】例えば、それぞれの潤滑剤の化学構造につ
いては一般式(1)、(2)および(3)に示される範
囲内で種々の変更が可能である。
【0088】また磁気記録媒体は金属薄膜型および塗布
型の磁気テープを例示したが、その層構成や磁性材料等
は各種変更が可能である。またハードディスクやフロッ
ピディスクにも採用することができる。
【0089】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の潤滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体によれ
ば、各種の厳しい使用環境下でも優れた潤滑性能が得ら
れるとともにその効果が長時間にわたり持続する。また
汎用溶剤への溶解性にも優れる。したがって、かかる潤
滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体の採用によ
り、高密度磁気記録再生システム全体の信頼性を高める
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気記録テープに適用
した例の概略断面図である。
【図2】プラズマCVD装置の一例を示す概略断面図で
ある。
【図3】摩擦係数の測定装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
1…非磁性支持体、2…下塗り層、3…金属薄膜型磁気
記録層、4…硬質カーボン系保護層、5…潤滑剤層、6
…バックコート層、11…被処理体ウェブ、12…ガイ
ドロール、13…巻きだしロール、14…巻き取りロー
ル、15…反応管、16…電極、17…DC電源、18
…ガス導入口、19…成膜ロール、21…排気系、22
…真空チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105:58 105:74) C10N 20:04 30:06 40:18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、 下記一般式(3)で示される、ホスファゼン系化合物と
    を混合したことを特徴とする潤滑剤組成物。 【化1】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
    またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
    および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
    3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を示す。) 【化2】 (ただし、R4 およびR5 はそれぞれ独立にアルキル
    基、フッ素化アルキル基およびハロゲンのうちのいずれ
    か一つを示す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物に対す
    る、 前記一般式(3)で示される、ホスファゼン系化合物の
    混合比は、 重量比で1/3以上3/1以下であることを特徴とする
    請求項1記載の潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物と、 下記構造式(4)で示される、ホスファゼン系化合物と
    を混合したことを特徴とする潤滑剤組成物。 【化3】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
    またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
    および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
    3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を含む。) 【化4】
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物に対す
    る、 前記構造式(4)で示される、ホスファゼン系化合物の
    混合比は、 重量比で1/3以上3/1以下であることを特徴とする
    請求項3記載の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物中の長鎖
    炭化水素基の炭素数は10以上30以下であることを特
    徴とする請求項1または3記載の潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】 非磁性支持体の一主面上に、少なくとも
    磁気記録層と、潤滑剤層とをこの順に有する磁気記録媒
    体において、 前記潤滑剤層は、 下記一般式(1)および(2)のいずれか一方で示され
    る、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパ
    ーフルオロポリエーテル化合物と、 下記一般式(3)で示される、ホスファゼン系化合物と
    を混合した潤滑剤組成物を含むことを特徴とする磁気記
    録媒体。 【化5】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
    またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
    および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
    3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を示す。) 【化6】 (ただし、R4 およびR5 はそれぞれ独立にアルキル
    基、フッ素化アルキル基およびハロゲンのうちのいずれ
    か一つを示す。)
  7. 【請求項7】 前記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物に対す
    る、 前記一般式(3)で示される、ホスファゼン系化合物と
    の混合比は、 重量比で1/3以上3/1以下であることを特徴とする
    請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 非磁性支持体の一主面上に、少なくとも
    磁気記録層と、潤滑剤層とをこの順に有する磁気記録媒
    体において、 前記潤滑剤層は、 下記一般式(1)および(2)のいずれか一方で示され
    る、少なくとも片末端にカルボン酸アミン塩を有するパ
    ーフルオロポリエーテル化合物と、 下記構造式(4)で示される、ホスファゼン系化合物と
    を混合したことを特徴とする磁気記録媒体。 【化7】 (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を示す。
    またR1 、R2 およびR3 はそれぞれ独立に炭化水素基
    および水素のいずれか一つを示し、R1 、R2およびR
    3 のうちの少なくとも一つは長鎖炭化水素基を含む。) 【化8】
  9. 【請求項9】 前記一般式(1)および(2)のいずれ
    か一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸アミ
    ン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物に対す
    る、 前記構造式(4)で示される、ホスファゼン系化合物の
    混合比は、 重量比で1/3以上3/1以下であることを特徴とする
    請求項8記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記一般式(1)および(2)のいず
    れか一方で示される、少なくとも片末端にカルボン酸ア
    ミン塩を有するパーフルオロポリエーテル化合物中の長
    鎖炭化水素基の炭素数は10以上30以下であることを
    特徴とする請求項6または8記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記磁気記録層と潤滑剤層との間に、 さらに硬質カーボン系保護層を有することを特徴とする
    請求項6または8記載の磁気記録媒体。
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