JPH11302225A - 含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents
含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた磁気記録媒体Info
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- JPH11302225A JPH11302225A JP11388898A JP11388898A JPH11302225A JP H11302225 A JPH11302225 A JP H11302225A JP 11388898 A JP11388898 A JP 11388898A JP 11388898 A JP11388898 A JP 11388898A JP H11302225 A JPH11302225 A JP H11302225A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規含フッ素芳香族化合物、およびこれをト
ップコート層に用いた、走行性およびその耐久性に優れ
た磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁気記録層3または保護層4上に、ベン
ゼン環に特定構造のフッ化アルキルエステルを置換基と
して導入した、含フッ素芳香族化合物を含むトップコー
ト層5を形成する。
ップコート層に用いた、走行性およびその耐久性に優れ
た磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁気記録層3または保護層4上に、ベン
ゼン環に特定構造のフッ化アルキルエステルを置換基と
して導入した、含フッ素芳香族化合物を含むトップコー
ト層5を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含フッ素芳香族化合
物および磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、新規な
含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた走行耐久性に
優れた磁気記録媒体に関する。
物および磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、新規な
含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた走行耐久性に
優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置は、近年ます
ます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはディジタ
ル記録化等が進展し、これら高性能磁気記録装置に用い
られる磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要望
されるようになっている。この磁気記録媒体としては、
塗布型と薄膜型のものが主として用いられている。塗布
型のものは、磁性粉末、有機バインダおよび各種添加剤
等を有機溶媒に分散、混練して調整される磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することにより形成
される磁気記録層を用いたものである。また薄膜型は、
非磁性支持体上にCoやCo合金等の強磁性金属薄膜を
スパッタリング、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術
により被着した磁気記録層を用いたものである。
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置は、近年ます
ます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはディジタ
ル記録化等が進展し、これら高性能磁気記録装置に用い
られる磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要望
されるようになっている。この磁気記録媒体としては、
塗布型と薄膜型のものが主として用いられている。塗布
型のものは、磁性粉末、有機バインダおよび各種添加剤
等を有機溶媒に分散、混練して調整される磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することにより形成
される磁気記録層を用いたものである。また薄膜型は、
非磁性支持体上にCoやCo合金等の強磁性金属薄膜を
スパッタリング、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術
により被着した磁気記録層を用いたものである。
【0003】いずれの磁気記録媒体においても、高密度
記録化の要望に応えるため、近年の磁気記録媒体、特に
金属薄膜型磁気記録媒体においては、その磁気記録層表
面を鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気
記録層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低
減する方向にある。
記録化の要望に応えるため、近年の磁気記録媒体、特に
金属薄膜型磁気記録媒体においては、その磁気記録層表
面を鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気
記録層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低
減する方向にある。
【0004】磁気記録媒体の代表例である磁気記録テー
プは、その使用形態から各種ガイドピン等の摺動部材と
摺動しつつ走行する。一例として8ミリビデオテープレ
コーダの場合、磁気記録テープは10個以上のステンレ
ス等からなる固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻
き付けられ、ピンチローラ、キャプスタンおよびリール
モータにより、テープテンションは約20g、走行速度
は0.5cm/secと、共に一定に保持されつつ走行
する。磁気記録テープレコーダの走行系では、摺動部材
/磁気記録テープ間の摩擦力が大きくなると、磁気テー
プがスティックスリップと呼ばれる自励振動によるテー
プ鳴きを起こし、再生画像の歪みを発生する。また摺動
部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆる張り付き等
が起き易い。また磁気ヘッド/磁気テープ間の相対速度
は3.8m/secと高速であるため、摩擦・磨耗によ
り耐久性、走行性あるいは耐蝕性が低下し易い。とりわ
けシャトル再生では、同一個所の繰り返し接触となるの
で、磁気記録層が磨耗しやすく再生出力の低下につなが
る。金属薄膜型の磁気記録媒体の場合には磁気記録層の
厚さが薄いのでこの問題は更に深刻である。
プは、その使用形態から各種ガイドピン等の摺動部材と
摺動しつつ走行する。一例として8ミリビデオテープレ
コーダの場合、磁気記録テープは10個以上のステンレ
ス等からなる固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻
き付けられ、ピンチローラ、キャプスタンおよびリール
モータにより、テープテンションは約20g、走行速度
は0.5cm/secと、共に一定に保持されつつ走行
する。磁気記録テープレコーダの走行系では、摺動部材
/磁気記録テープ間の摩擦力が大きくなると、磁気テー
プがスティックスリップと呼ばれる自励振動によるテー
プ鳴きを起こし、再生画像の歪みを発生する。また摺動
部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆる張り付き等
が起き易い。また磁気ヘッド/磁気テープ間の相対速度
は3.8m/secと高速であるため、摩擦・磨耗によ
り耐久性、走行性あるいは耐蝕性が低下し易い。とりわ
けシャトル再生では、同一個所の繰り返し接触となるの
で、磁気記録層が磨耗しやすく再生出力の低下につなが
る。金属薄膜型の磁気記録媒体の場合には磁気記録層の
厚さが薄いのでこの問題は更に深刻である。
【0005】一方ハードディスク装置ではCSS (Cont
act Start and Stop) と呼称されるように、静止時には
磁気ヘッドはハードディスクに接触しており、高速で回
転を始めると発生する空気流により極く僅か浮上するモ
ードで磁気記録再生をおこなう。このため、ディスク起
動時および停止時にはディスクを磁気ヘッドが擦って走
行するので、摩擦係数の経時的な増加が大きな問題であ
る。商品レベルでの信頼性を保つには、CSS操作を2
万回行った後の摩擦係数が0.5以下であることが望ま
れる。またディスクが高速で回転するので、ディスクに
よる磁気ヘッドの損傷、すなわちヘッドクラッシュの問
題もハードディスクにおいては解決すべき課題の一つで
ある。
act Start and Stop) と呼称されるように、静止時には
磁気ヘッドはハードディスクに接触しており、高速で回
転を始めると発生する空気流により極く僅か浮上するモ
ードで磁気記録再生をおこなう。このため、ディスク起
動時および停止時にはディスクを磁気ヘッドが擦って走
行するので、摩擦係数の経時的な増加が大きな問題であ
る。商品レベルでの信頼性を保つには、CSS操作を2
万回行った後の摩擦係数が0.5以下であることが望ま
れる。またディスクが高速で回転するので、ディスクに
よる磁気ヘッドの損傷、すなわちヘッドクラッシュの問
題もハードディスクにおいては解決すべき課題の一つで
ある。
【0006】これら諸問題を解決するために、鏡面状態
の磁気記録層表面上に直接、あるいは保護層を介してト
ップコート層を設ける試みがなされている。トップコー
ト層は、潤滑剤や防錆剤等の有機化合物を塗布や気相成
長により形成したものである。また保護層としては硬質
カーボン、特にダイアモンド状カーボン(DLC ; Dia
mond Like Carbon) が好んで用いられる。
の磁気記録層表面上に直接、あるいは保護層を介してト
ップコート層を設ける試みがなされている。トップコー
ト層は、潤滑剤や防錆剤等の有機化合物を塗布や気相成
長により形成したものである。また保護層としては硬質
カーボン、特にダイアモンド状カーボン(DLC ; Dia
mond Like Carbon) が好んで用いられる。
【0007】高密度磁気記録媒体に使用されるトップコ
ート層としては、 (1)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、
数nm程度の極めて薄い薄膜として形成可能で、薄膜と
しての耐久性があること。またその場合にも充分な効果
が発揮されること。 (2)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果
や防錆効果が持続すること。 (3)寒冷・暑熱あるいは高湿・低湿雰囲気等、あらゆ
る使用環境下においても所定の効果が得られること。 等の諸特性が要求される。
ート層としては、 (1)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、
数nm程度の極めて薄い薄膜として形成可能で、薄膜と
しての耐久性があること。またその場合にも充分な効果
が発揮されること。 (2)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果
や防錆効果が持続すること。 (3)寒冷・暑熱あるいは高湿・低湿雰囲気等、あらゆ
る使用環境下においても所定の効果が得られること。 等の諸特性が要求される。
【0008】磁気記録媒体の摩擦係数の増大や耐久性の
問題を解決する最も重要な選択肢は、一義的には表面に
塗布される潤滑剤や防錆剤の検討である。磁気ヘッドと
の良好な潤滑性能、磁気テープあるいは磁気ディスク表
面への均一で強固な密着性、これらの性能の例えば10
年の長期におよぶ持続性、このような数々の要求を数n
mのほぼ単分子レベルの薄膜で実現するためには、潤滑
剤の分子構造の検討が重要である。潤滑特性は、潤滑剤
の分子構造に依存するところが大であることが判明して
おり、シリコーン系、炭化水素系およびフッ素化炭素系
等の潤滑剤が開発されている。下記式(3)示される含
フッ素エステル化合物はその一例である。 C17H35COOC2 H4 C6 F13 (3) 防錆剤についても同様に各種検討がなされ、いずれもそ
の一部は実用に供されている。
問題を解決する最も重要な選択肢は、一義的には表面に
塗布される潤滑剤や防錆剤の検討である。磁気ヘッドと
の良好な潤滑性能、磁気テープあるいは磁気ディスク表
面への均一で強固な密着性、これらの性能の例えば10
年の長期におよぶ持続性、このような数々の要求を数n
mのほぼ単分子レベルの薄膜で実現するためには、潤滑
剤の分子構造の検討が重要である。潤滑特性は、潤滑剤
の分子構造に依存するところが大であることが判明して
おり、シリコーン系、炭化水素系およびフッ素化炭素系
等の潤滑剤が開発されている。下記式(3)示される含
フッ素エステル化合物はその一例である。 C17H35COOC2 H4 C6 F13 (3) 防錆剤についても同様に各種検討がなされ、いずれもそ
の一部は実用に供されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録媒
体に適用される潤滑剤は、磁気記録層あるいは保護層表
面に付着することはもちろんであるが、磁気ヘッドのト
ラック面にも一部移行してその表面に潤滑剤による被覆
層を形成することが重要である。特に磁気記録再生装置
の稼働時において、磁気ヘッドのトラック面に形成され
た被覆層中の潤滑剤分子と、磁気記録媒体上に形成され
たトップコート層中の潤滑剤分子とが、容易に剪断され
ることが望ましい。
体に適用される潤滑剤は、磁気記録層あるいは保護層表
面に付着することはもちろんであるが、磁気ヘッドのト
ラック面にも一部移行してその表面に潤滑剤による被覆
層を形成することが重要である。特に磁気記録再生装置
の稼働時において、磁気ヘッドのトラック面に形成され
た被覆層中の潤滑剤分子と、磁気記録媒体上に形成され
たトップコート層中の潤滑剤分子とが、容易に剪断され
ることが望ましい。
【0010】一般的な芳香族化合物は、低湿環境下にお
いても金属薄膜型磁気記録層表面の保護作用を示すが、
それ自体は潤滑作用を有しないため、低摩擦係数の摺動
面を形成することはできない。当然、磁気記録媒体に対
して走行耐久性を期待することもできない。
いても金属薄膜型磁気記録層表面の保護作用を示すが、
それ自体は潤滑作用を有しないため、低摩擦係数の摺動
面を形成することはできない。当然、磁気記録媒体に対
して走行耐久性を期待することもできない。
【0011】本発明はかかる現状に鑑み提案するもので
あり、各種の使用条件下あるいは保存条件下、特に多湿
条件下において優れた潤滑性能、および低湿環境下にお
ける走行耐久性を与える新規含フッ素芳香族化合物、お
よびこれをトップコート層に用いた磁気記録媒体を提供
することを課題とする。
あり、各種の使用条件下あるいは保存条件下、特に多湿
条件下において優れた潤滑性能、および低湿環境下にお
ける走行耐久性を与える新規含フッ素芳香族化合物、お
よびこれをトップコート層に用いた磁気記録媒体を提供
することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した課題
を解決するため、トップコート層形成用の潤滑剤化合物
について広範な検討を重ねてきたが、ベンゼン環に含フ
ッ素アルキルエステルを置換基として有する化合物が有
望であることを見出し、その置換基構造を最適範囲に特
定することにより本発明を完成するに至った。
を解決するため、トップコート層形成用の潤滑剤化合物
について広範な検討を重ねてきたが、ベンゼン環に含フ
ッ素アルキルエステルを置換基として有する化合物が有
望であることを見出し、その置換基構造を最適範囲に特
定することにより本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の含フッ素芳香族化合物
は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【0014】
【化5】 (ただし、Rf1 およびRf2 は、炭素数8以上19以
下の直鎖フッ化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル
基、分岐フッ化アルキル基および分岐部分フッ化アルキ
ル基のいずれか1種を示し、互いに同じでも異なってい
てもよい。X1 およびX2 は、−COO−および−OC
O−のいずれかを示し、互いに同じでも異なっていても
よい。Yは−Hおよび−COOHのいずれかを示す。X
1-Rf1 ,X2-Rf2 およびYの置換位置は特に限定は
ない。)
下の直鎖フッ化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル
基、分岐フッ化アルキル基および分岐部分フッ化アルキ
ル基のいずれか1種を示し、互いに同じでも異なってい
てもよい。X1 およびX2 は、−COO−および−OC
O−のいずれかを示し、互いに同じでも異なっていても
よい。Yは−Hおよび−COOHのいずれかを示す。X
1-Rf1 ,X2-Rf2 およびYの置換位置は特に限定は
ない。)
【0015】また本発明の他の含フッ素芳香族化合物
は、下記一般式(2)で表されることを特徴とする。
は、下記一般式(2)で表されることを特徴とする。
【0016】
【化6】 (ただし、Rf1 は、炭素数8以上19以下の直鎖フッ
化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル基、分岐フッ化
アルキル基および分岐部分フッ化アルキル基のいずれか
1種を示す。Rは、炭素数10以上18以下の直鎖アル
キル基および分岐アルキル基のいずれかを示す。X1 お
よびX2 は、−COO−および−OCO−のいずれかを
示し、互いに同じでも異なっていてもよい。X1-Rf1
およびX2-Rの置換位置は特に限定はない。)
化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル基、分岐フッ化
アルキル基および分岐部分フッ化アルキル基のいずれか
1種を示す。Rは、炭素数10以上18以下の直鎖アル
キル基および分岐アルキル基のいずれかを示す。X1 お
よびX2 は、−COO−および−OCO−のいずれかを
示し、互いに同じでも異なっていてもよい。X1-Rf1
およびX2-Rの置換位置は特に限定はない。)
【0017】つぎに本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体の一主面側に、磁気記録層およびトップコート層を
有する磁気記録媒体であって、このトップコート層は、
先に示した一般式(1)あるいは一般式(2)で表され
る含フッ素芳香族化合物を含有することを特徴とする。
持体の一主面側に、磁気記録層およびトップコート層を
有する磁気記録媒体であって、このトップコート層は、
先に示した一般式(1)あるいは一般式(2)で表され
る含フッ素芳香族化合物を含有することを特徴とする。
【0018】いずれの発明においても、Rf1 あるいは
Rf2 中の炭素数は8以上19以下であることが望まし
い。炭素数が8未満では摩擦係数の低減効果が充分でな
く、また耐久性に乏しい。炭素数が19を超えると、融
点が高くなるために合成上取り扱い難くなり、また溶媒
への溶解度が低下するため、トップコート溶液を調製し
これを塗布してトップコート層を形成する際に不利とな
る。一般式(1)の化合物の場合、Rf1 およびRf2
は異なっていてもよいが、合成時の収率の観点からは同
じ方が有利である。
Rf2 中の炭素数は8以上19以下であることが望まし
い。炭素数が8未満では摩擦係数の低減効果が充分でな
く、また耐久性に乏しい。炭素数が19を超えると、融
点が高くなるために合成上取り扱い難くなり、また溶媒
への溶解度が低下するため、トップコート溶液を調製し
これを塗布してトップコート層を形成する際に不利とな
る。一般式(1)の化合物の場合、Rf1 およびRf2
は異なっていてもよいが、合成時の収率の観点からは同
じ方が有利である。
【0019】一般式(2)の化合物におけるRは、炭素
数が10未満では摩擦係数の低減効果が充分でなく、炭
素数が18を超えると溶媒への溶解度が低下し、やはり
トップコート溶液を調整しこれを塗布してトップコート
層を形成する際に不利となる。
数が10未満では摩擦係数の低減効果が充分でなく、炭
素数が18を超えると溶媒への溶解度が低下し、やはり
トップコート溶液を調整しこれを塗布してトップコート
層を形成する際に不利となる。
【0020】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の
一主面側に形成された磁気記録層上に、一般式(1)ま
たは一般式(2)の化合物を含むトップコート溶液を塗
布することにより製造することができる。磁気記録層上
にDLCのような保護層が形成されている場合には、こ
の保護層上にトップコート溶液を塗布してもよい。また
他の潤滑剤、例えばパーフルオロポリエーテル化合物と
混合して用いてもよい。
一主面側に形成された磁気記録層上に、一般式(1)ま
たは一般式(2)の化合物を含むトップコート溶液を塗
布することにより製造することができる。磁気記録層上
にDLCのような保護層が形成されている場合には、こ
の保護層上にトップコート溶液を塗布してもよい。また
他の潤滑剤、例えばパーフルオロポリエーテル化合物と
混合して用いてもよい。
【0021】トップコート溶液は、一般式(1)または
一般式(2)の化合物および必要に応じて防錆剤等の溶
質を主成分とし、アルコールやトルエン等の溶剤を溶媒
とした溶液系である。使用可能な溶剤としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリ
コールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコ
ールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロルヒドリン、ジクロロベンゼン等の有
機塩素化合物系溶剤等が例示される。さらにフッ素アル
コール系溶剤も使用可能である。
一般式(2)の化合物および必要に応じて防錆剤等の溶
質を主成分とし、アルコールやトルエン等の溶剤を溶媒
とした溶液系である。使用可能な溶剤としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリ
コールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコ
ールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロルヒドリン、ジクロロベンゼン等の有
機塩素化合物系溶剤等が例示される。さらにフッ素アル
コール系溶剤も使用可能である。
【0022】つぎに防錆剤としてはこれも磁気記録媒体
に従来用いられている防錆剤はいずれも使用することが
可能であり、例えば二価フェノール、アルキルフェノー
ル、ニトロフェノール等のフェノール類、ナフトール、
ニトロナフトール、ニトロソナフトール、アミノナフト
ール、ハロゲン置換ナフトール等のナフトール類、メチ
ルキノン、ヒドロキシキノン、アミノキノン、ニトロキ
ノン等のキノン類、ベンゾフェノンおよびその誘導体で
あるヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン
等のジアリールケトンアクリジン、4−キノリノール、
キヌレン酸あるいはリボフラビン等の含窒素複素環化合
物、トコフェロールあるいはグアノシン等の含酸素複素
環化合物、スルホランスルホレンチオン等の含硫黄複素
環化合物、チオフェノール、ジチゾン、チオオキシン等
のメルカプト基を含む化合物、エンタチオ酸、ルベアン
酸等のチオカルボン酸およびその塩、ジアゾスルフィド
およびベンゾチアゾリン等のチアゾール系化合物等を例
示することができる。
に従来用いられている防錆剤はいずれも使用することが
可能であり、例えば二価フェノール、アルキルフェノー
ル、ニトロフェノール等のフェノール類、ナフトール、
ニトロナフトール、ニトロソナフトール、アミノナフト
ール、ハロゲン置換ナフトール等のナフトール類、メチ
ルキノン、ヒドロキシキノン、アミノキノン、ニトロキ
ノン等のキノン類、ベンゾフェノンおよびその誘導体で
あるヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン
等のジアリールケトンアクリジン、4−キノリノール、
キヌレン酸あるいはリボフラビン等の含窒素複素環化合
物、トコフェロールあるいはグアノシン等の含酸素複素
環化合物、スルホランスルホレンチオン等の含硫黄複素
環化合物、チオフェノール、ジチゾン、チオオキシン等
のメルカプト基を含む化合物、エンタチオ酸、ルベアン
酸等のチオカルボン酸およびその塩、ジアゾスルフィド
およびベンゾチアゾリン等のチアゾール系化合物等を例
示することができる。
【0023】また気化性防錆剤として、アミルアミン、
エタノールアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、イソプロピルアミン等
の有機アミン、亜硝酸の有機エステル、チオ亜硝酸の有
機エステル、亜硝酸トリメチルスルホニウム、亜硝酸ジ
イソプロピルアンモニウム、亜硝酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、シクロヘキシルアミン炭酸塩等が例示され
る。またこの他にも安息香酸、亜硝酸、ベンゾトリアゾ
ールおよびその誘導体も使用できる。上述した防錆剤は
本発明のトップコート溶液の溶質としていずれも単独あ
るいは混合して使用可能である。
エタノールアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、イソプロピルアミン等
の有機アミン、亜硝酸の有機エステル、チオ亜硝酸の有
機エステル、亜硝酸トリメチルスルホニウム、亜硝酸ジ
イソプロピルアンモニウム、亜硝酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、シクロヘキシルアミン炭酸塩等が例示され
る。またこの他にも安息香酸、亜硝酸、ベンゾトリアゾ
ールおよびその誘導体も使用できる。上述した防錆剤は
本発明のトップコート溶液の溶質としていずれも単独あ
るいは混合して使用可能である。
【0024】さらに、より厳しい環境下での使用条件に
対処して潤滑効果を持続するため、潤滑剤あるいはその
組成物に対し重量比で30/70〜70/30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領
域において部分的に金属接触を生じた際にこれに伴う摩
擦熱により金属面と反応し、反応生成物被膜を形成する
ことにより摩擦・磨耗防止作用を得る化合物であり、従
来公知のリン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧
剤、有機金属系極圧剤および複合系極圧剤のいずれも使
用することができる。
対処して潤滑効果を持続するため、潤滑剤あるいはその
組成物に対し重量比で30/70〜70/30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領
域において部分的に金属接触を生じた際にこれに伴う摩
擦熱により金属面と反応し、反応生成物被膜を形成する
ことにより摩擦・磨耗防止作用を得る化合物であり、従
来公知のリン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧
剤、有機金属系極圧剤および複合系極圧剤のいずれも使
用することができる。
【0025】本発明の磁気記録媒体において、トップコ
ート層の厚さすなわち形成密度は特に限定はされない
が、一例として0.3〜100mg/m2 が望ましく、
0.5〜20mg/m2 であることがさらに望ましい。
形成密度が0.3mg/m2 未満では充分な耐久性およ
び走行性安定性が得られず、100mg/m2 を超える
とやはり耐久性が低下し、磁気ドラム等への貼り付き現
象が発生する。トップコート層の形成方法は特に限定さ
れないが、例えばグラビアコーティング、ディップコー
ティング等の各種塗布方法が適用される。
ート層の厚さすなわち形成密度は特に限定はされない
が、一例として0.3〜100mg/m2 が望ましく、
0.5〜20mg/m2 であることがさらに望ましい。
形成密度が0.3mg/m2 未満では充分な耐久性およ
び走行性安定性が得られず、100mg/m2 を超える
とやはり耐久性が低下し、磁気ドラム等への貼り付き現
象が発生する。トップコート層の形成方法は特に限定さ
れないが、例えばグラビアコーティング、ディップコー
ティング等の各種塗布方法が適用される。
【0026】磁気記録層をその上に形成する非磁性支持
体としては、通常の磁気記録媒体で用いられるものはい
ずれも使用可能であり、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースダイセテー
ト等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド等の有機高
分子が例示される。これら非磁性支持体の表面には接着
性向上のために、有機バインダからなる下地材料層を設
けてもよい。また、この下地材料層中や非磁性支持体中
に、SiO2 やラテックス等のフィラーを含有させ、微
細な表面突起を形成してもよい。これら表面突起は、金
属磁性薄膜の表面性を制御して、磁気記録テープの走行
性の向上に寄与する。さらにハードディスク等の磁気記
録媒体の場合には非磁性支持体としてAl系金属、セラ
ミクスやガラス等の剛体基板を用いることができる。こ
れら剛体基板の表面にアルマイト処理等による酸化被膜
や、Ni−P被膜等を形成して、その表面硬度をさらに
高めてもよい。
体としては、通常の磁気記録媒体で用いられるものはい
ずれも使用可能であり、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースダイセテー
ト等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド等の有機高
分子が例示される。これら非磁性支持体の表面には接着
性向上のために、有機バインダからなる下地材料層を設
けてもよい。また、この下地材料層中や非磁性支持体中
に、SiO2 やラテックス等のフィラーを含有させ、微
細な表面突起を形成してもよい。これら表面突起は、金
属磁性薄膜の表面性を制御して、磁気記録テープの走行
性の向上に寄与する。さらにハードディスク等の磁気記
録媒体の場合には非磁性支持体としてAl系金属、セラ
ミクスやガラス等の剛体基板を用いることができる。こ
れら剛体基板の表面にアルマイト処理等による酸化被膜
や、Ni−P被膜等を形成して、その表面硬度をさらに
高めてもよい。
【0027】金属薄膜型磁気記録層は、強磁性金属を蒸
着やスパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術に
より非磁性支持体上に形成したものである。強磁性金属
の材料としては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁
性金属や、Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合
金、Co−Cr合金、Co−Cr−Ta合金、Co−C
r−Pt合金等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、
Fe−Ni−B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co
−Ni−B合金等のFe系合金等や、これら強磁性材料
中や粒界に酸化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した
構造からなるものが例示される。特に、面内磁化モード
による薄膜型磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対
し、斜め蒸着等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層
の略面内に配向する。非磁性支持体上にBi、Sb、P
b、Sn、Ga、In、Ge、SiあるいはTi等の非
磁性下地層を形成しておき、ここに非磁性支持体表面の
垂直方向から強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリング
してもよい。かかる非磁性下地層を介在させることによ
り、非磁性金属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホ
ロジ(morphology) を制御して面内等方性磁化を付与す
るとともに、抗磁力を向上することができる。金属薄膜
型磁気記録層は単層あるいは積層で用いられる。積層の
場合には、中間層として非磁性層を介在させてもよい。
着やスパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術に
より非磁性支持体上に形成したものである。強磁性金属
の材料としては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁
性金属や、Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合
金、Co−Cr合金、Co−Cr−Ta合金、Co−C
r−Pt合金等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、
Fe−Ni−B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co
−Ni−B合金等のFe系合金等や、これら強磁性材料
中や粒界に酸化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した
構造からなるものが例示される。特に、面内磁化モード
による薄膜型磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対
し、斜め蒸着等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層
の略面内に配向する。非磁性支持体上にBi、Sb、P
b、Sn、Ga、In、Ge、SiあるいはTi等の非
磁性下地層を形成しておき、ここに非磁性支持体表面の
垂直方向から強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリング
してもよい。かかる非磁性下地層を介在させることによ
り、非磁性金属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホ
ロジ(morphology) を制御して面内等方性磁化を付与す
るとともに、抗磁力を向上することができる。金属薄膜
型磁気記録層は単層あるいは積層で用いられる。積層の
場合には、中間層として非磁性層を介在させてもよい。
【0028】塗布型の磁気記録層は、γ−Fe2 O3 や
Fe3 O4 等の酸化鉄系磁性粉末あるいはこれらにCo
を被着した磁性粉末、CrO2 、強磁性金属磁性粉末等
を各種添加剤とともに有機バインダ中に分散した磁性塗
料を非磁性支持体上に塗布することにより形成される。
本発明の含フッ素芳香族化合物は、特にFeやFe−C
o合金等の強磁性金属磁性粉末を用いた高密度磁気記録
層の場合に好適に用いることができる。
Fe3 O4 等の酸化鉄系磁性粉末あるいはこれらにCo
を被着した磁性粉末、CrO2 、強磁性金属磁性粉末等
を各種添加剤とともに有機バインダ中に分散した磁性塗
料を非磁性支持体上に塗布することにより形成される。
本発明の含フッ素芳香族化合物は、特にFeやFe−C
o合金等の強磁性金属磁性粉末を用いた高密度磁気記録
層の場合に好適に用いることができる。
【0029】磁気記録層上に保護層を形成する場合に
は、その材料としては例えばカーボン、グラファイト、
DLC、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、A
l2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、T
iC、ZrO2 、BC等が単独あるいは複合膜として使
用される。さらにはポリパラキシリレン(商品名パリレ
ン)やフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有
機高分子を用いることもできる。これら材料を単層ある
いは積層で用いてもよい。なかでもDLCはその保護効
果の高さから好ましく採用される。DLCはイオンプレ
ーティングやスパッタリング法等のPVD (Physical V
apor Deposition)法や、プラズマCVD法、ECR (El
ectron Cyclotron Resonance) プラズマCVD法、アー
クジェットCVD法等の各種CVD(Chemical Vapor De
position) 法により薄膜として形成することができる。
は、その材料としては例えばカーボン、グラファイト、
DLC、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、A
l2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、T
iC、ZrO2 、BC等が単独あるいは複合膜として使
用される。さらにはポリパラキシリレン(商品名パリレ
ン)やフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有
機高分子を用いることもできる。これら材料を単層ある
いは積層で用いてもよい。なかでもDLCはその保護効
果の高さから好ましく採用される。DLCはイオンプレ
ーティングやスパッタリング法等のPVD (Physical V
apor Deposition)法や、プラズマCVD法、ECR (El
ectron Cyclotron Resonance) プラズマCVD法、アー
クジェットCVD法等の各種CVD(Chemical Vapor De
position) 法により薄膜として形成することができる。
【0030】非磁性支持体の他方の面に、塗布型あるい
は薄膜型のバックコート層を設けてもよい。バックコー
ト層の構成は特に限定されない。塗布バックコート層は
非磁性粒子を有機バインダ中に分散させて形成し、表面
粗度や導電性を制御するものであり、非磁性粒子の材料
としては例えばヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミ
ナ、α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カ
オリン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸
化チタン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化
亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
ポリテトラフルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプ
ン、あるいは非磁性金属やカーボン等が例示される。非
磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましくは
0.1〜0.7μmの大きさのものが使用され、有機バ
インダ100重量部に対して通常1〜20重量部の範囲
で添加される。また粒子形状は塗料適性や耐久性等の観
点から、略球形、略正多面体等の等方的な形状を有する
ものが好ましい。
は薄膜型のバックコート層を設けてもよい。バックコー
ト層の構成は特に限定されない。塗布バックコート層は
非磁性粒子を有機バインダ中に分散させて形成し、表面
粗度や導電性を制御するものであり、非磁性粒子の材料
としては例えばヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミ
ナ、α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カ
オリン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸
化チタン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化
亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
ポリテトラフルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプ
ン、あるいは非磁性金属やカーボン等が例示される。非
磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましくは
0.1〜0.7μmの大きさのものが使用され、有機バ
インダ100重量部に対して通常1〜20重量部の範囲
で添加される。また粒子形状は塗料適性や耐久性等の観
点から、略球形、略正多面体等の等方的な形状を有する
ものが好ましい。
【0031】また塗布バックコート層に用いる有機バイ
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、
非磁性粒子の分散性を向上するために−SO3 M、−O
SO3 M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
等の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHま
たはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基
をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR1 R
2 、−NR1 R2 R3 + X- の末端基を有する側鎖型の
もの、>NR1 R2 + X- の主鎖型のもの等がある(こ
こでR1 、R2、R3 は水素原子または炭化水素基であ
り、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイ
オンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この他に
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基で
あってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1〜1
0-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6mo
l/gである。これら有機バインダは単独で用いること
も可能であるが、2種類以上を併用することも可能であ
る。塗布バックコート層中におけるこれら有機バインダ
の量は、非磁性粒子100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、
非磁性粒子の分散性を向上するために−SO3 M、−O
SO3 M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
等の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHま
たはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基
をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR1 R
2 、−NR1 R2 R3 + X- の末端基を有する側鎖型の
もの、>NR1 R2 + X- の主鎖型のもの等がある(こ
こでR1 、R2、R3 は水素原子または炭化水素基であ
り、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイ
オンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この他に
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基で
あってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1〜1
0-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6mo
l/gである。これら有機バインダは単独で用いること
も可能であるが、2種類以上を併用することも可能であ
る。塗布バックコート層中におけるこれら有機バインダ
の量は、非磁性粒子100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0032】上述した有機バインダを架橋硬化する硬化
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0033】塗布バックコート層と非磁性支持体との間
に、塗布バックコート層の接着性向上等の目的で、下部
塗布バックコート層を形成してもよい。下部塗布バック
コート層は、有機バインダ単独、あるいはカーボン粉末
および必要に応じて他の非磁性粉末および有機バインダ
を溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより形成される。
に、塗布バックコート層の接着性向上等の目的で、下部
塗布バックコート層を形成してもよい。下部塗布バック
コート層は、有機バインダ単独、あるいはカーボン粉末
および必要に応じて他の非磁性粉末および有機バインダ
を溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより形成される。
【0034】塗布バックコート層形成用の塗料に用いら
れる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
使用される。
れる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
使用される。
【0035】非磁性支持体上に塗布バックコート層を形
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。非磁性支持体上
に形成された塗布バックコート層は、加熱空気等により
乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて硬化処理を施
す。
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。非磁性支持体上
に形成された塗布バックコート層は、加熱空気等により
乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて硬化処理を施
す。
【0036】薄膜バックコート層に採用される材料とし
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、
Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等が単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、
Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等が単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
【0037】薄膜バックコート層の形成方法は、真空薄
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。
【0038】これらバックコート層にも本発明の含フッ
素芳香族化合物を含むトップコート溶液を適用してもよ
い。磁気記録層、バックコート層のいずれにも本発明の
含フッ素芳香族化合物をトップコートすることもでき
る。また塗布型磁気記録層の場合には、通常用いられる
潤滑剤あるいは防錆剤を別途内添してもよい。このよう
に本発明の含フッ素芳香族化合物は種々の使用形態が可
能であり、これにより、安定した走行性、耐久性および
防錆効果を有する磁気記録媒体を得ることができる。
素芳香族化合物を含むトップコート溶液を適用してもよ
い。磁気記録層、バックコート層のいずれにも本発明の
含フッ素芳香族化合物をトップコートすることもでき
る。また塗布型磁気記録層の場合には、通常用いられる
潤滑剤あるいは防錆剤を別途内添してもよい。このよう
に本発明の含フッ素芳香族化合物は種々の使用形態が可
能であり、これにより、安定した走行性、耐久性および
防錆効果を有する磁気記録媒体を得ることができる。
【0039】次に作用の説明に移る。本発明の含フッ素
芳香族化合物は、その置換基の構造および置換基中の炭
素数を特定範囲に選ぶことにより、各種の使用環境下に
おいて優れた潤滑作用を示し、その効果が永続する。ま
た合成は比較的容易であり、また溶媒への溶解性に優れ
る。またベンゼン環を有するために耐熱性も良い。また
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層上に形成された含
フッ素芳香族化合物により、高湿雰囲気においても低い
摩擦係数を示す。また磁気記録層上の含フッ素芳香族化
合物は磁気ヘッドのトラック面にも移行して、ここに潤
滑剤層を形成する。両者の潤滑剤層あるいはトップコー
ト層が摺接した場合、凝着作用は少なく比較的容易に剪
断される。したがって、過酷な低湿条件下においてもV
TR等のスチル特性、シャトル特性に優れる。これらの
効果は、いずれも一般式(1)あるいは一般式(2)の
含フッ素芳香族化合物の分子設計の最適化によるもので
ある。
芳香族化合物は、その置換基の構造および置換基中の炭
素数を特定範囲に選ぶことにより、各種の使用環境下に
おいて優れた潤滑作用を示し、その効果が永続する。ま
た合成は比較的容易であり、また溶媒への溶解性に優れ
る。またベンゼン環を有するために耐熱性も良い。また
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層上に形成された含
フッ素芳香族化合物により、高湿雰囲気においても低い
摩擦係数を示す。また磁気記録層上の含フッ素芳香族化
合物は磁気ヘッドのトラック面にも移行して、ここに潤
滑剤層を形成する。両者の潤滑剤層あるいはトップコー
ト層が摺接した場合、凝着作用は少なく比較的容易に剪
断される。したがって、過酷な低湿条件下においてもV
TR等のスチル特性、シャトル特性に優れる。これらの
効果は、いずれも一般式(1)あるいは一般式(2)の
含フッ素芳香族化合物の分子設計の最適化によるもので
ある。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の含フッ素芳香族化
合物および磁気記録媒体につき、金属薄膜型の磁気記録
テープを例にとり、比較例を交えながら詳細な説明を加
えるが、これらは単なる例示であり、本発明はこれら実
施例に何ら限定されるものではない。
合物および磁気記録媒体につき、金属薄膜型の磁気記録
テープを例にとり、比較例を交えながら詳細な説明を加
えるが、これらは単なる例示であり、本発明はこれら実
施例に何ら限定されるものではない。
【0041】まず、本発明の含フッ素芳香族化合物を用
いた磁気記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。非
磁性支持体1の一方の面には、下塗り層2、磁気記録層
3、保護層4および本発明の含フッ素芳香族化合物を含
むトップコート層5が形成されている。また非磁性支持
体1の他方の面には、バックコート層6が形成され、デ
ジタルビデオカセット用の金属薄膜型磁気テープが構成
されている。保護層4はこれを省略して磁気記録層3上
に直接トップコート層5を形成してもよい。
いた磁気記録媒体の一例の概略断面図を図1に示す。非
磁性支持体1の一方の面には、下塗り層2、磁気記録層
3、保護層4および本発明の含フッ素芳香族化合物を含
むトップコート層5が形成されている。また非磁性支持
体1の他方の面には、バックコート層6が形成され、デ
ジタルビデオカセット用の金属薄膜型磁気テープが構成
されている。保護層4はこれを省略して磁気記録層3上
に直接トップコート層5を形成してもよい。
【0042】次に、図1に示した磁気記録媒体の製造方
法の一例を説明する。一例として、厚さ10μm、幅1
50mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムからなる非磁性支持体1の片面に、アクリル酸エス
テルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させたエマ
ルジョン溶液を塗布し、粒子密度10 7 個/mm2 程度
の表面突起を有する下塗り層2を形成した。この下塗り
層2は省略しても差し支えない。またPETフィルム中
にシリカ微粒子を内添して表面突起を形成してもよい。
次に下塗り層2上に、一般的なリールツーリール方式の
連続巻き取り蒸着装置を用いて、磁気記録層3を形成し
た。蒸着条件の一例を下記に示す。 蒸着用インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 走行速度 25 m/min 酸素導入量 3.3〜4.0×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この磁気記録層3の磁気特性は、蒸着チャンバ内に酸素
を導入することにより保磁力Hc=110kA/m、残
留磁束密度Br=0.45Tに調整された。
法の一例を説明する。一例として、厚さ10μm、幅1
50mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムからなる非磁性支持体1の片面に、アクリル酸エス
テルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させたエマ
ルジョン溶液を塗布し、粒子密度10 7 個/mm2 程度
の表面突起を有する下塗り層2を形成した。この下塗り
層2は省略しても差し支えない。またPETフィルム中
にシリカ微粒子を内添して表面突起を形成してもよい。
次に下塗り層2上に、一般的なリールツーリール方式の
連続巻き取り蒸着装置を用いて、磁気記録層3を形成し
た。蒸着条件の一例を下記に示す。 蒸着用インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 走行速度 25 m/min 酸素導入量 3.3〜4.0×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この磁気記録層3の磁気特性は、蒸着チャンバ内に酸素
を導入することにより保磁力Hc=110kA/m、残
留磁束密度Br=0.45Tに調整された。
【0043】次にPETフィルムの他方の面(裏面)に
バックコート層6を形成した。バックコート層6用の塗
料は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリウレタンを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/1/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を有機バインダに対して10重量部添
加した。この塗料を走行速度150m/secのグラビ
アコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるように
塗布した。
バックコート層6を形成した。バックコート層6用の塗
料は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリウレタンを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/1/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を有機バインダに対して10重量部添
加した。この塗料を走行速度150m/secのグラビ
アコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるように
塗布した。
【0044】次に、磁気記録層3上にDLCからなる保
護層4を形成した。図2に保護層4形成用のCVD装置
の一例として、プラズマCVD装置の概略断面図を示
す。非磁性支持体1の一方の面に下塗り層2、磁気記録
層3、他の面にバックコート層6を形成した被処理体ウ
ェブ11を、巻きだしロール13から供給し、ガイドロ
ール12、成膜ロール19、ガイドロール12を経由し
て走行させ、巻き取りロール14に巻き取る。成膜ロー
ル19の軸方向の全長には、その上部に開口を有する反
応管15が配設されている。反応管15の下部にはガス
導入口18が連結され、ここから炭化水素系ガスを主成
分とする反応ガスが導入される。反応管15内にはDC
電源17からの+500〜2000VのDC電圧が印加
されるメッシュ状の電極16が収納されており、接地電
位の成膜ロール19との間で炭化水素系ガスのプラズマ
を生成し、走行する被処理体ウェブ11表面に連続的に
カーボン系保護層を形成することができる。これらの構
成部材は、真空チャンバ22内に収容され、チャンバ内
を排気系21により所望の真空度に制御することが可能
である。
護層4を形成した。図2に保護層4形成用のCVD装置
の一例として、プラズマCVD装置の概略断面図を示
す。非磁性支持体1の一方の面に下塗り層2、磁気記録
層3、他の面にバックコート層6を形成した被処理体ウ
ェブ11を、巻きだしロール13から供給し、ガイドロ
ール12、成膜ロール19、ガイドロール12を経由し
て走行させ、巻き取りロール14に巻き取る。成膜ロー
ル19の軸方向の全長には、その上部に開口を有する反
応管15が配設されている。反応管15の下部にはガス
導入口18が連結され、ここから炭化水素系ガスを主成
分とする反応ガスが導入される。反応管15内にはDC
電源17からの+500〜2000VのDC電圧が印加
されるメッシュ状の電極16が収納されており、接地電
位の成膜ロール19との間で炭化水素系ガスのプラズマ
を生成し、走行する被処理体ウェブ11表面に連続的に
カーボン系保護層を形成することができる。これらの構
成部材は、真空チャンバ22内に収容され、チャンバ内
を排気系21により所望の真空度に制御することが可能
である。
【0045】図2に示すプラズマCVD装置により、先
に形成した磁気記録層3上に保護層4を成膜した。プラ
ズマCVD条件の一例を下記に示す。 導入ガス:キャリアガスで希釈したトルエン 反応圧力 10 Pa DC電圧 1.5 kV 保護層膜厚 10 nm 本プラズマCVD条件により形成される膜は、DLCと
呼称される膜である。このように保護層4を形成した長
尺の試料を作製し、これにトップコート層5を形成して
実施例1〜5および比較例1〜3の各磁気記録媒体を製
造した。なお先述したように保護層4を省略し、金属薄
膜型磁気記録層3上に直接トップコート層5を形成して
もよい。
に形成した磁気記録層3上に保護層4を成膜した。プラ
ズマCVD条件の一例を下記に示す。 導入ガス:キャリアガスで希釈したトルエン 反応圧力 10 Pa DC電圧 1.5 kV 保護層膜厚 10 nm 本プラズマCVD条件により形成される膜は、DLCと
呼称される膜である。このように保護層4を形成した長
尺の試料を作製し、これにトップコート層5を形成して
実施例1〜5および比較例1〜3の各磁気記録媒体を製
造した。なお先述したように保護層4を省略し、金属薄
膜型磁気記録層3上に直接トップコート層5を形成して
もよい。
【0046】
【実施例】以下、本発明の含フッ素芳香族化合物の合成
例につき、さらに詳細に説明を加える。以下に示す含フ
ッ素芳香族化合物およびその合成方法は、本発明の理解
を容易にするための例示であり、本発明はこれら実施例
になんら限定されない。
例につき、さらに詳細に説明を加える。以下に示す含フ
ッ素芳香族化合物およびその合成方法は、本発明の理解
を容易にするための例示であり、本発明はこれら実施例
になんら限定されない。
【0047】〔実施例1〕無水フタル酸15.0g
(0.1mol)と、部分フッ化アルコール C8 F17
C6 H12OH 130g(0.25mol)およびトル
エン150mlとを、撹拌翼を備えた1lのフラスコに
採取し、還流下で20時間反応を継続した。反応終了
後、反応混合物をヘキサンに溶解し、カラムクロマトグ
ラフィにより目的とする反応物を分取し、分取液から展
開溶媒を除去して精製物45gを得た。この精製物を赤
外線分光分析したところ、酸無水物の吸収ピーク(17
80cm-1)、カルボン酸の吸収ピーク(1700cm
-1)およびアルコールの吸収ピーク(3400cm-1)
がいずれも消失し、変わってエステルの吸収ピーク(1
740cm-1)が出現していた。また、FD−Mass
により分析したところ、主ピークは970であり、この
分子量に対応する(4)式で示される含フッ素芳香族化
合物が合成されたことを確認した。
(0.1mol)と、部分フッ化アルコール C8 F17
C6 H12OH 130g(0.25mol)およびトル
エン150mlとを、撹拌翼を備えた1lのフラスコに
採取し、還流下で20時間反応を継続した。反応終了
後、反応混合物をヘキサンに溶解し、カラムクロマトグ
ラフィにより目的とする反応物を分取し、分取液から展
開溶媒を除去して精製物45gを得た。この精製物を赤
外線分光分析したところ、酸無水物の吸収ピーク(17
80cm-1)、カルボン酸の吸収ピーク(1700cm
-1)およびアルコールの吸収ピーク(3400cm-1)
がいずれも消失し、変わってエステルの吸収ピーク(1
740cm-1)が出現していた。また、FD−Mass
により分析したところ、主ピークは970であり、この
分子量に対応する(4)式で示される含フッ素芳香族化
合物が合成されたことを確認した。
【0048】
【化7】
【0049】(4)式で示される含フッ素芳香族化合物
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例1の磁気記録媒体
を完成した。
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例1の磁気記録媒体
を完成した。
【0050】〔実施例2〕カテコール11g(0.1m
ol)とフッ化カルボン酸 C12F25COOH166g
(0.25mol)およびトルエン150mlとを、撹
拌翼を備えた1lのフラスコに採取し、還流下で20時
間反応を継続した。反応終了後、反応混合物をヘキサン
に溶解し、カラムクロマトグラフィにより目的とする反
応物を分取し、分取液から展開溶媒を除去して精製物4
0gを得た。この精製物を赤外線分光分析したところ、
カルボン酸の吸収ピーク(1700cm-1)およびアル
コールの吸収ピーク(3400cm-1)がいずれも消失
し、変わってエステルの吸収ピーク(1740cm-1)
が出現していた。また、FD−Massにより分析した
ところ、主ピークは1398であり、この分子量に対応
する(5)式で示される含フッ素芳香族化合物が合成さ
れたことを確認した。
ol)とフッ化カルボン酸 C12F25COOH166g
(0.25mol)およびトルエン150mlとを、撹
拌翼を備えた1lのフラスコに採取し、還流下で20時
間反応を継続した。反応終了後、反応混合物をヘキサン
に溶解し、カラムクロマトグラフィにより目的とする反
応物を分取し、分取液から展開溶媒を除去して精製物4
0gを得た。この精製物を赤外線分光分析したところ、
カルボン酸の吸収ピーク(1700cm-1)およびアル
コールの吸収ピーク(3400cm-1)がいずれも消失
し、変わってエステルの吸収ピーク(1740cm-1)
が出現していた。また、FD−Massにより分析した
ところ、主ピークは1398であり、この分子量に対応
する(5)式で示される含フッ素芳香族化合物が合成さ
れたことを確認した。
【0051】
【化8】
【0052】(5)式で示される含フッ素芳香族化合物
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例2の磁気記録媒体
を完成した。
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例2の磁気記録媒体
を完成した。
【0053】〔実施例3〕o−ヒドロキシ安息香酸21
g(0.15mol)と、部分フッ化アルコールC8 F
17C6 H12OH 52g(0.1mol)およびトルエ
ン150mlとを、撹拌翼を備えた1lのフラスコに採
取し、還流下で20時間反応を継続した。反応終了後、
反応混合物をヘキサンに溶解し、カラムクロマトグラフ
ィにより目的とする反応物を分取し、分取液から展開溶
媒を除去して精製物20gを得た。さらに、この精製物
20gとデカン酸5gおよびトルエン100mlとを、
撹拌翼を備えた1lのフラスコに採取し、還流下で20
時間反応を継続した。反応終了後、反応混合物を再度ヘ
キサンに溶解し、カラムクロマトグラフィにより目的と
する反応物を分取し、分取液から展開溶媒を除去して精
製物15gを得た。この精製物を赤外線分光分析したと
ころ、カルボン酸の吸収ピーク(1700cm-1)およ
びアルコールの吸収ピーク(3400cm-1)がいずれ
も消失し、変わってエステルの吸収ピーク(1740c
m-1)が出現していた。また、FD−Massにより分
析したところ、主ピークは808であり、この分子量に
対応する(6)式で示される含フッ素芳香族化合物が合
成されたことを確認した。
g(0.15mol)と、部分フッ化アルコールC8 F
17C6 H12OH 52g(0.1mol)およびトルエ
ン150mlとを、撹拌翼を備えた1lのフラスコに採
取し、還流下で20時間反応を継続した。反応終了後、
反応混合物をヘキサンに溶解し、カラムクロマトグラフ
ィにより目的とする反応物を分取し、分取液から展開溶
媒を除去して精製物20gを得た。さらに、この精製物
20gとデカン酸5gおよびトルエン100mlとを、
撹拌翼を備えた1lのフラスコに採取し、還流下で20
時間反応を継続した。反応終了後、反応混合物を再度ヘ
キサンに溶解し、カラムクロマトグラフィにより目的と
する反応物を分取し、分取液から展開溶媒を除去して精
製物15gを得た。この精製物を赤外線分光分析したと
ころ、カルボン酸の吸収ピーク(1700cm-1)およ
びアルコールの吸収ピーク(3400cm-1)がいずれ
も消失し、変わってエステルの吸収ピーク(1740c
m-1)が出現していた。また、FD−Massにより分
析したところ、主ピークは808であり、この分子量に
対応する(6)式で示される含フッ素芳香族化合物が合
成されたことを確認した。
【0054】
【化9】
【0055】(6)式で示される含フッ素芳香族化合物
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例3の磁気記録媒体
を完成した。
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例3の磁気記録媒体
を完成した。
【0056】〔実施例4〕前実施例3の合成法に準拠
し、(7)式で示される含フッ素芳香族化合物を得た。
し、(7)式で示される含フッ素芳香族化合物を得た。
【0057】
【化10】
【0058】(7)式で示される含フッ素芳香族化合物
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例4の磁気記録媒体
を完成した。
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例4の磁気記録媒体
を完成した。
【0059】〔実施例5〕プロトカテコール酸 (Protoc
atechuic Acid)15g(0.1mol)と、部分フッ化
アルコール C6 F13C2 H4 OH 88g(0.25
mol)およびトルエン150mlとを、撹拌翼を備え
た1lのフラスコに採取し、還流下で20時間反応を継
続した。反応終了後、反応混合物をヘキサンに溶解し、
カラムクロマトグラフィにより目的とする反応物を分取
し、分取液から展開溶媒を除去して精製物30gを得
た。この精製物を赤外線分光分析したところ、アルコー
ルの吸収ピーク(3400cm-1)が消失し、変わって
エステルの吸収ピーク(1740cm-1)が出現してい
た。また、FD−Massにより分析したところ、主ピ
ークは903であり、この分子量に対応する(8)式で
示される含フッ素芳香族化合物が合成されたことを確認
した。
atechuic Acid)15g(0.1mol)と、部分フッ化
アルコール C6 F13C2 H4 OH 88g(0.25
mol)およびトルエン150mlとを、撹拌翼を備え
た1lのフラスコに採取し、還流下で20時間反応を継
続した。反応終了後、反応混合物をヘキサンに溶解し、
カラムクロマトグラフィにより目的とする反応物を分取
し、分取液から展開溶媒を除去して精製物30gを得
た。この精製物を赤外線分光分析したところ、アルコー
ルの吸収ピーク(3400cm-1)が消失し、変わって
エステルの吸収ピーク(1740cm-1)が出現してい
た。また、FD−Massにより分析したところ、主ピ
ークは903であり、この分子量に対応する(8)式で
示される含フッ素芳香族化合物が合成されたことを確認
した。
【0060】
【化11】
【0061】(8)式で示される含フッ素芳香族化合物
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例5の磁気記録媒体
を完成した。
をトルエンに溶解してトップコート溶液を調製した。こ
のトップコート溶液を先に示した金属薄膜型磁気記録媒
体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるようにグラ
ビアコーティングした。乾燥後、これを6.35mm幅
に裁断し、カセットに収納して実施例5の磁気記録媒体
を完成した。
【0062】〔比較例1〕従来公知の(3)式で示され
る含フッ素エステル化合物をトルエンに溶解してトップ
コート溶液を調製した。 C17H35COOC2 H4 C6 F13 (3) このトップコート溶液を、先に示した金属薄膜型磁気記
録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるように
グラビアコーティングした。乾燥後、これを6.35m
m幅に裁断し、カセットに収納して比較例1の磁気記録
媒体を完成した。
る含フッ素エステル化合物をトルエンに溶解してトップ
コート溶液を調製した。 C17H35COOC2 H4 C6 F13 (3) このトップコート溶液を、先に示した金属薄膜型磁気記
録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度となるように
グラビアコーティングした。乾燥後、これを6.35m
m幅に裁断し、カセットに収納して比較例1の磁気記録
媒体を完成した。
【0063】〔比較例2〕(9)式で示される含フッ素
芳香族化合物をトルエンに溶解してトップコート溶液を
調製した。このトップコート溶液を先に示した金属薄膜
型磁気記録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度とな
るようにグラビアコーティングした。乾燥後、これを
6.35mm幅に裁断し、カセットに収納して比較例2
の磁気記録媒体を完成した。
芳香族化合物をトルエンに溶解してトップコート溶液を
調製した。このトップコート溶液を先に示した金属薄膜
型磁気記録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度とな
るようにグラビアコーティングした。乾燥後、これを
6.35mm幅に裁断し、カセットに収納して比較例2
の磁気記録媒体を完成した。
【0064】
【化12】
【0065】〔比較例3〕(10)式で示される含フッ
素芳香族化合物をトルエンに溶解してトップコート溶液
を調製した。このトップコート溶液を先に示した金属薄
膜型磁気記録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度と
なるようにグラビアコーティングした。乾燥後、これを
6.35mm幅に裁断し、カセットに収納して比較例3
の磁気記録媒体を完成した。
素芳香族化合物をトルエンに溶解してトップコート溶液
を調製した。このトップコート溶液を先に示した金属薄
膜型磁気記録媒体の保護層上に3mg/m2 の面密度と
なるようにグラビアコーティングした。乾燥後、これを
6.35mm幅に裁断し、カセットに収納して比較例3
の磁気記録媒体を完成した。
【0066】
【化13】
【0067】以上のように作成した実施例1〜5および
比較例1〜3の磁気記録媒体につき、摩擦係数およびシ
ャトル再生特性を測定した。
比較例1〜3の磁気記録媒体につき、摩擦係数およびシ
ャトル再生特性を測定した。
【0068】〔摩擦係数の測定〕測定装置の概略を図3
に示す。ステンレス(SUS304)製のガイドピン
(表面性0.1S以下)Dを水平に配置し、この外周面
に角度θにわたって磁気記録媒体Pのトップコート層5
側を案内させる。磁気記録媒体Pの一端に、おもりWを
係合し、このおもりWによりテンションT1をかける。
磁気記録媒体Pの他端は、一定速度Vで移動する力測定
装置Mの検出端に係合し、ガイドピンDと磁気記録媒体
Pとの摺動時のテンションT2の測定をおこなう。この
とき下式の関係が成り立つ。 T2/T1=exp(μ・θ) この式より、摩擦係数μは次の式より求められる。 μ=(1/θ)ln(T2/T1) 実際の測定は、W=10gf、θ=90°、V=20m
m/secの条件を用い、恒温高湿槽中40℃80%R
Hの雰囲気で測定した。
に示す。ステンレス(SUS304)製のガイドピン
(表面性0.1S以下)Dを水平に配置し、この外周面
に角度θにわたって磁気記録媒体Pのトップコート層5
側を案内させる。磁気記録媒体Pの一端に、おもりWを
係合し、このおもりWによりテンションT1をかける。
磁気記録媒体Pの他端は、一定速度Vで移動する力測定
装置Mの検出端に係合し、ガイドピンDと磁気記録媒体
Pとの摺動時のテンションT2の測定をおこなう。この
とき下式の関係が成り立つ。 T2/T1=exp(μ・θ) この式より、摩擦係数μは次の式より求められる。 μ=(1/θ)ln(T2/T1) 実際の測定は、W=10gf、θ=90°、V=20m
m/secの条件を用い、恒温高湿槽中40℃80%R
Hの雰囲気で測定した。
【0069】〔シャトル再生特性〕市販のカメラ一体型
デジタルビデオレコーダVX−1000(ソニー社製)
を用い、磁気記録媒体に記録された基準信号を繰り返し
再生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下
するまでの走行回数を測定した。実際の測定は、40℃
30%RHの雰囲気中で測定した。
デジタルビデオレコーダVX−1000(ソニー社製)
を用い、磁気記録媒体に記録された基準信号を繰り返し
再生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下
するまでの走行回数を測定した。実際の測定は、40℃
30%RHの雰囲気中で測定した。
【0070】以上の測定方法により測定した実施例1〜
5および比較例1〜3の磁気記録媒体の評価結果を、
〔表1〕にまとめて示す。
5および比較例1〜3の磁気記録媒体の評価結果を、
〔表1〕にまとめて示す。
【0071】
【表1】
【0072】〔表1〕の結果の比較から明らかなよう
に、本発明の含フッ素芳香族化合物をトップコート層に
含有する実施例1〜5の磁気記録媒体は、40℃80%
RHの高湿雰囲気においても、いずれも0.24以下の
低摩擦係数を示す。また低湿雰囲気中でのシャトル再生
特性においては、いずれも500回走行しても再生出力
が3dB低下するに至らず、優れた走行耐久性を示すこ
とが判る。
に、本発明の含フッ素芳香族化合物をトップコート層に
含有する実施例1〜5の磁気記録媒体は、40℃80%
RHの高湿雰囲気においても、いずれも0.24以下の
低摩擦係数を示す。また低湿雰囲気中でのシャトル再生
特性においては、いずれも500回走行しても再生出力
が3dB低下するに至らず、優れた走行耐久性を示すこ
とが判る。
【0073】一方、比較例の磁気記録媒体は、いずれも
0.30以上の摩擦係数を示す。またシャトル再生特性
も、最長でも160回、最短では70回で3dBの出力
低下を示し、走行耐久性に問題を残すことが判る。
0.30以上の摩擦係数を示す。またシャトル再生特性
も、最長でも160回、最短では70回で3dBの出力
低下を示し、走行耐久性に問題を残すことが判る。
【0074】以上の実施例は金属薄膜型磁気記録媒体の
例であったが、本発明の含フッ素芳香族化合物は塗布型
の磁気記録媒体、特に金属磁性粉末を用いた塗布型の高
密度磁気記録媒体に適用しても優れた走行性の向上効果
等が得られる。塗布型磁気記録テープの層構成は、図示
を省略するがポリエチレンテレフタレート等からなる非
磁性支持体上に金属磁性粉末を含有する磁性塗料を塗布
して磁気記録層を形成し、この磁気記録層上にトップコ
ート層を形成した基本層構成を有するものである。この
基本層構成に加えて、必要に応じてバックコート層や中
間層を形成してもよい。
例であったが、本発明の含フッ素芳香族化合物は塗布型
の磁気記録媒体、特に金属磁性粉末を用いた塗布型の高
密度磁気記録媒体に適用しても優れた走行性の向上効果
等が得られる。塗布型磁気記録テープの層構成は、図示
を省略するがポリエチレンテレフタレート等からなる非
磁性支持体上に金属磁性粉末を含有する磁性塗料を塗布
して磁気記録層を形成し、この磁気記録層上にトップコ
ート層を形成した基本層構成を有するものである。この
基本層構成に加えて、必要に応じてバックコート層や中
間層を形成してもよい。
【0075】磁性塗料の作製例を下記に示す。 磁性粉末 100 重量部 (Fe系金属磁性粉末、保磁力160kA/m、飽和磁
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メエチルエチルケトン 150 重量部 メエチルイソブチルケトン 150 重量部 この組成物を基本組成とし、ボールミルにて24時間混
合してからフィルタを通して取り出し、更に硬化剤とし
てポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を4重量部添加してさらに30分間撹拌して磁性
塗料を得た。
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メエチルエチルケトン 150 重量部 メエチルイソブチルケトン 150 重量部 この組成物を基本組成とし、ボールミルにて24時間混
合してからフィルタを通して取り出し、更に硬化剤とし
てポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を4重量部添加してさらに30分間撹拌して磁性
塗料を得た。
【0076】この磁性塗料を12μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布し、磁場配向後、乾燥
して巻き取った。乾燥後に形成された磁気記録層の厚さ
は2μmであった。磁気記録層にカレンダ処理を施した
後、この磁気記録層表面に本発明の含フッ素芳香族化合
物を溶解したトップコート溶液を塗布し、トップコート
層を形成した。
テレフタレートフィルム上に塗布し、磁場配向後、乾燥
して巻き取った。乾燥後に形成された磁気記録層の厚さ
は2μmであった。磁気記録層にカレンダ処理を施した
後、この磁気記録層表面に本発明の含フッ素芳香族化合
物を溶解したトップコート溶液を塗布し、トップコート
層を形成した。
【0077】かかる構成の塗布型磁気記録媒体において
も、摩擦係数、スチル再生特性、シャトル再生特性等の
評価項目において優れた特性を得ることができ、特に多
湿条件下での摩擦係数を低減することができる。
も、摩擦係数、スチル再生特性、シャトル再生特性等の
評価項目において優れた特性を得ることができ、特に多
湿条件下での摩擦係数を低減することができる。
【0078】以上、本発明の含フッ素芳香族化合物およ
びこれを用いた磁気記録媒体につき詳細な説明を加えた
が、これらは単なる例示であり、本発明はこれら実施例
に何ら限定されるものではない。
びこれを用いた磁気記録媒体につき詳細な説明を加えた
が、これらは単なる例示であり、本発明はこれら実施例
に何ら限定されるものではない。
【0079】また磁気記録媒体は金属薄膜型および塗布
型の磁気テープを例示したが、その層構成や磁性材料等
は各種変更が可能である。またハードディスクやフロッ
ピディスクにも本発明のトップコート溶液を採用するこ
とができる。
型の磁気テープを例示したが、その層構成や磁性材料等
は各種変更が可能である。またハードディスクやフロッ
ピディスクにも本発明のトップコート溶液を採用するこ
とができる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の含フッ素芳香族化合物によれば、ベンゼン環の置換基
の構造、および置換基中の炭素数を特定範囲に選ぶこと
により、低摩擦係数を示し、その効果が永続する潤滑剤
を提供することができる。
の含フッ素芳香族化合物によれば、ベンゼン環の置換基
の構造、および置換基中の炭素数を特定範囲に選ぶこと
により、低摩擦係数を示し、その効果が永続する潤滑剤
を提供することができる。
【0081】また本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層
上に形成された含フッ素芳香族化合物を含むトップコー
ト層により、高湿雰囲気においても低い摩擦係数を示
し、その効果が持続する。また磁気記録層上の含フッ素
芳香族化合物は磁気ヘッドのトラック面にも移行してこ
の面に潤滑剤層を形成するが、磁気記録媒体のトップコ
ート層と磁気ヘッドの潤滑剤層が摺接した場合には、比
較的容易に剪断される。したがって、低湿度の過酷な条
件下でVTR等に使用した場合のスチル特性、シャトル
特性等の耐久性に優れる。
上に形成された含フッ素芳香族化合物を含むトップコー
ト層により、高湿雰囲気においても低い摩擦係数を示
し、その効果が持続する。また磁気記録層上の含フッ素
芳香族化合物は磁気ヘッドのトラック面にも移行してこ
の面に潤滑剤層を形成するが、磁気記録媒体のトップコ
ート層と磁気ヘッドの潤滑剤層が摺接した場合には、比
較的容易に剪断される。したがって、低湿度の過酷な条
件下でVTR等に使用した場合のスチル特性、シャトル
特性等の耐久性に優れる。
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気記録テープに適用
した例の概略断面図である。
した例の概略断面図である。
【図2】DLC膜形成用のプラズマCVD装置の一例を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
【図3】摩擦係数の測定装置の概略を示す図である。
1…非磁性支持体、2…下塗り層、3…磁気記録層、4
…保護層、5…トップコート層、6…バックコート層、
11…被処理体ウェブ、12…ガイドロール、13…巻
きだしロール、14…巻き取りロール、15…反応管、
16…電極、17…DC電源、18…ガス導入口、19
…成膜ロール、21…排気系、22…真空チャンバ
…保護層、5…トップコート層、6…バックコート層、
11…被処理体ウェブ、12…ガイドロール、13…巻
きだしロール、14…巻き取りロール、15…反応管、
16…電極、17…DC電源、18…ガス導入口、19
…成膜ロール、21…排気系、22…真空チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C10N 40:18
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
とする含フッ素芳香族化合物。 【化1】 (ただし、Rf1 およびRf2 は、炭素数8以上19以
下の直鎖フッ化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル
基、分岐フッ化アルキル基および分岐部分フッ化アルキ
ル基のいずれか1種を示し、互いに同じでも異なってい
てもよい。X1 およびX2 は、−COO−および−OC
O−のいずれかを示し、互いに同じでも異なっていても
よい。Yは−Hおよび−COOHのいずれかを示す。X
1-Rf1 ,X2-Rf2 およびYの置換位置は特に限定は
ない。) - 【請求項2】 下記一般式(2)で表されることを特徴
とする含フッ素芳香族化合物。 【化2】 (ただし、Rf1 は、炭素数8以上19以下の直鎖フッ
化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル基、分岐フッ化
アルキル基および分岐部分フッ化アルキル基のいずれか
1種を示す。Rは、炭素数10以上18以下の直鎖アル
キル基および分岐アルキル基のいずれかを示す。X1 お
よびX2 は、−COO−および−OCO−のいずれかを
示し、互いに同じでも異なっていてもよい。X1-Rf1
およびX2-Rの置換位置は特に限定はない。) - 【請求項3】 非磁性支持体の一主面側に、磁気記録層
およびトップコート層を有する磁気記録媒体であって、 前記トップコート層は、下記一般式(1)で表される含
フッ素芳香族化合物を含有することを特徴とする磁気記
録媒体。 【化3】 (ただし、Rf1 およびRf2 は、炭素数8以上19以
下の直鎖フッ化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル
基、分岐フッ化アルキル基および分岐部分フッ化アルキ
ル基のいずれか1種を示し、互いに同じでも異なってい
てもよい。X1 およびX2 は、−COO−および−OC
O−のいずれかを示し、互いに同じでも異なっていても
よい。Yは−Hおよび−COOHのいずれかを示す。X
1-Rf1 ,X2-Rf2 およびYの置換位置は特に限定は
ない。) - 【請求項4】 非磁性支持体の一主面側に、磁気記録層
およびトップコート層を有する磁気記録媒体であって、 前記トップコート層は、下記一般式(2)で表される含
フッ素芳香族化合物を含有することを特徴とする磁気記
録媒体。 【化4】 (ただし、Rf1 は、炭素数8以上19以下の直鎖フッ
化アルキル基、直鎖部分フッ化アルキル基、分岐フッ化
アルキル基および分岐部分フッ化アルキル基のいずれか
1種を示す。Rは、炭素数10以上18以下の直鎖アル
キル基および分岐アルキル基のいずれかを示す。X1 お
よびX2 は、−COO−および−OCO−のいずれかを
示し、互いに同じでも異なっていてもよい。X1-Rf1
およびX2-Rの置換位置は特に限定はない。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11388898A JPH11302225A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11388898A JPH11302225A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11302225A true JPH11302225A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14623655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11388898A Pending JPH11302225A (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | 含フッ素芳香族化合物およびこれを用いた磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11302225A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010013593A (ja) * | 2008-07-07 | 2010-01-21 | Panasonic Corp | 磁気記録媒体の潤滑剤 |
JP2010020832A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Panasonic Corp | 磁気記録媒体 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP11388898A patent/JPH11302225A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010013593A (ja) * | 2008-07-07 | 2010-01-21 | Panasonic Corp | 磁気記録媒体の潤滑剤 |
JP2010020832A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Panasonic Corp | 磁気記録媒体 |
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