JP2000109864A - 潤滑剤組成物およびこれを用いた情報記録媒体 - Google Patents
潤滑剤組成物およびこれを用いた情報記録媒体Info
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- JP2000109864A JP2000109864A JP28562098A JP28562098A JP2000109864A JP 2000109864 A JP2000109864 A JP 2000109864A JP 28562098 A JP28562098 A JP 28562098A JP 28562098 A JP28562098 A JP 28562098A JP 2000109864 A JP2000109864 A JP 2000109864A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 あらゆる使用条件下ならびに長期にわたる保
存後においても、安定した低摩擦係数および走行耐久性
を与える潤滑剤組成物、およびこれを用いた情報記録媒
体を提供する。 【解決手段】 情報記録層としての磁気記録層2または
保護層3上に、パーフルオロポリエーテルのエステル化
合物と高級脂肪酸を含む潤滑剤組成物をトップコート層
4として形成する。
存後においても、安定した低摩擦係数および走行耐久性
を与える潤滑剤組成物、およびこれを用いた情報記録媒
体を提供する。 【解決手段】 情報記録層としての磁気記録層2または
保護層3上に、パーフルオロポリエーテルのエステル化
合物と高級脂肪酸を含む潤滑剤組成物をトップコート層
4として形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潤滑剤組成物および
情報記録媒体に関し、さらに詳しくは、分子内にエステ
ル結合による長鎖炭化水素基を持つパーフルオロポリエ
ーテル化合物と高級脂肪酸とを含む新規潤滑剤組成物、
およびこれを用いた走行性および耐久性に優れた情報記
録媒体に関する。
情報記録媒体に関し、さらに詳しくは、分子内にエステ
ル結合による長鎖炭化水素基を持つパーフルオロポリエ
ーテル化合物と高級脂肪酸とを含む新規潤滑剤組成物、
およびこれを用いた走行性および耐久性に優れた情報記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置は、近年ます
ます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはディジタ
ル記録化等が進展し、これら高性能磁気記録装置に用い
られる磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要望
されるようになっている。この磁気記録媒体としては、
塗布型と薄膜型のものが主として用いられている。塗布
型のものは、磁性粉末、有機バインダおよび各種添加剤
等を有機溶媒に分散、混練して調製される磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することにより形成
される磁気記録層を用いたものである。また薄膜型は、
非磁性支持体上にCoやCo合金等の強磁性金属薄膜を
スパッタリング、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術
により被着した磁気記録層を用いたものである。
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置は、近年ます
ます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはディジタ
ル記録化等が進展し、これら高性能磁気記録装置に用い
られる磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要望
されるようになっている。この磁気記録媒体としては、
塗布型と薄膜型のものが主として用いられている。塗布
型のものは、磁性粉末、有機バインダおよび各種添加剤
等を有機溶媒に分散、混練して調製される磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することにより形成
される磁気記録層を用いたものである。また薄膜型は、
非磁性支持体上にCoやCo合金等の強磁性金属薄膜を
スパッタリング、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術
により被着した磁気記録層を用いたものである。
【0003】いずれの磁気記録媒体においても、高密度
記録化の要望に応えるため、近年の磁気記録媒体、特に
金属薄膜型磁気記録媒体においては、その磁気記録層表
面を鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気
記録層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低
減する方向にある。
記録化の要望に応えるため、近年の磁気記録媒体、特に
金属薄膜型磁気記録媒体においては、その磁気記録層表
面を鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気
記録層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低
減する方向にある。
【0004】磁気記録媒体の代表例である磁気記録テー
プは、その使用形態から各種ガイドピン等の摺動部材と
摺動しつつ走行する。一例として8ミリビデオテープレ
コーダの場合、磁気記録テープは10個以上のステンレ
ス等からなる固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻
き付けられ、ピンチローラ、キャプスタンおよびリール
モータにより、テープテンションは約20g、走行速度
は0.5cm/secと、共に一定に保持されつつ走行
する。テープレコーダの走行系では、摺動部材/磁気記
録テープ間の摩擦力、特に静止摩擦係数が大きくなる
と、磁気テープがスティックスリップと呼ばれる自励振
動によるテープ鳴きを起こし、再生画像の歪みを発生す
る。また摺動部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆ
る貼り付き等が起き易い。また磁気ヘッド/磁気テープ
間の相対速度は3.8m/secと高速であるため、摩
擦・磨耗により耐久性、走行性あるいは耐蝕性が低下し
易い。とりわけシャトル再生では、同一個所の繰り返し
接触となるので、磁気記録層が磨耗しやすく再生出力の
低下につながる。金属薄膜型の磁気記録媒体の場合には
磁気記録層の厚さが薄いのでこの問題は更に深刻であ
る。
プは、その使用形態から各種ガイドピン等の摺動部材と
摺動しつつ走行する。一例として8ミリビデオテープレ
コーダの場合、磁気記録テープは10個以上のステンレ
ス等からなる固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻
き付けられ、ピンチローラ、キャプスタンおよびリール
モータにより、テープテンションは約20g、走行速度
は0.5cm/secと、共に一定に保持されつつ走行
する。テープレコーダの走行系では、摺動部材/磁気記
録テープ間の摩擦力、特に静止摩擦係数が大きくなる
と、磁気テープがスティックスリップと呼ばれる自励振
動によるテープ鳴きを起こし、再生画像の歪みを発生す
る。また摺動部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆ
る貼り付き等が起き易い。また磁気ヘッド/磁気テープ
間の相対速度は3.8m/secと高速であるため、摩
擦・磨耗により耐久性、走行性あるいは耐蝕性が低下し
易い。とりわけシャトル再生では、同一個所の繰り返し
接触となるので、磁気記録層が磨耗しやすく再生出力の
低下につながる。金属薄膜型の磁気記録媒体の場合には
磁気記録層の厚さが薄いのでこの問題は更に深刻であ
る。
【0005】一方ハードディスク装置ではCSS (Cont
act Start and Stop) と呼称されるように、静止時には
磁気ヘッドはハードディスク表面に接触しており、高速
で回転を始めると発生する空気流により極く僅か浮上す
るモードで磁気記録再生をおこなう。このため、ディス
ク起動時および停止時にはディスクを磁気ヘッドが擦っ
て走行するので、摩擦係数の経時的な増加が大きな問題
である。商品レベルでの信頼性を保つには、CSS操作
を2万回行った後の摩擦係数が0.5以下であることが
望まれる。またディスクが高速で回転するので、ディス
クによる磁気ヘッドの損傷、すなわちヘッドクラッシュ
の問題もハードディスクにおいては解決すべき課題の一
つである。
act Start and Stop) と呼称されるように、静止時には
磁気ヘッドはハードディスク表面に接触しており、高速
で回転を始めると発生する空気流により極く僅か浮上す
るモードで磁気記録再生をおこなう。このため、ディス
ク起動時および停止時にはディスクを磁気ヘッドが擦っ
て走行するので、摩擦係数の経時的な増加が大きな問題
である。商品レベルでの信頼性を保つには、CSS操作
を2万回行った後の摩擦係数が0.5以下であることが
望まれる。またディスクが高速で回転するので、ディス
クによる磁気ヘッドの損傷、すなわちヘッドクラッシュ
の問題もハードディスクにおいては解決すべき課題の一
つである。
【0006】同じディスク状記録媒体の光ディスクある
いは光磁気ディスクの場合は、高密度記録化のために対
物レンズとの距離である Working Distance が狭まるニ
アフィールド方式が指向されている。この方式の場合に
は、ディスクと対物レンズとが接触した場合のクラッシ
ュの問題を避けるためにも表面摩擦係数の低減が必要で
ある。
いは光磁気ディスクの場合は、高密度記録化のために対
物レンズとの距離である Working Distance が狭まるニ
アフィールド方式が指向されている。この方式の場合に
は、ディスクと対物レンズとが接触した場合のクラッシ
ュの問題を避けるためにも表面摩擦係数の低減が必要で
ある。
【0007】これら諸問題を解決するために、鏡面状態
の情報記録層表面上に直接、あるいは保護層を介して潤
滑剤を主成分とするトップコート層を設ける試みがなさ
れている。また塗布型の情報記録層では、この情報記録
層に潤滑剤を内添する試みもある。このトップコート層
は、潤滑剤や防錆剤等の有機化合物を塗布や気相成長に
より形成したものである。また保護層としてはカーボン
系保護層、特にダイアモンド状カーボン(DLC ; Dia
mond Like Carbon) が好適に用いられる。
の情報記録層表面上に直接、あるいは保護層を介して潤
滑剤を主成分とするトップコート層を設ける試みがなさ
れている。また塗布型の情報記録層では、この情報記録
層に潤滑剤を内添する試みもある。このトップコート層
は、潤滑剤や防錆剤等の有機化合物を塗布や気相成長に
より形成したものである。また保護層としてはカーボン
系保護層、特にダイアモンド状カーボン(DLC ; Dia
mond Like Carbon) が好適に用いられる。
【0008】高密度磁気記録媒体等に使用されるトップ
コート層としては、 (1)寒冷・暑熱あるいは高湿・低湿雰囲気等、あらゆ
る使用環境下あるいは保存環境下においても所定の効果
が得られること。 (2)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果
や防錆効果が持続すること。 (3)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、
数nm程度の極めて薄い薄膜として形成可能で、薄膜と
しての耐久性があること。またその場合にも充分な効果
が発揮されること。 等の諸特性が要求される。
コート層としては、 (1)寒冷・暑熱あるいは高湿・低湿雰囲気等、あらゆ
る使用環境下あるいは保存環境下においても所定の効果
が得られること。 (2)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果
や防錆効果が持続すること。 (3)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので、
数nm程度の極めて薄い薄膜として形成可能で、薄膜と
しての耐久性があること。またその場合にも充分な効果
が発揮されること。 等の諸特性が要求される。
【0009】これら諸特性、すなわち磁気ヘッドやガイ
ド部材との良好な潤滑性能、テープやディスク表面への
均一で強固な密着性、これらの性能の長期、例えば10
年以上にわたる保持性能、このような要求を数nmの厚
さのほぼ単分子レベルでの膜厚で実現するためには、使
用する潤滑剤の種類やその配合法の検討が重要である。
従来より磁気記録媒体をはじめとする情報記録媒体用に
開発された潤滑剤は、シリコーン系、炭化水素系および
フッ化炭素系に大別される。
ド部材との良好な潤滑性能、テープやディスク表面への
均一で強固な密着性、これらの性能の長期、例えば10
年以上にわたる保持性能、このような要求を数nmの厚
さのほぼ単分子レベルでの膜厚で実現するためには、使
用する潤滑剤の種類やその配合法の検討が重要である。
従来より磁気記録媒体をはじめとする情報記録媒体用に
開発された潤滑剤は、シリコーン系、炭化水素系および
フッ化炭素系に大別される。
【0010】シリコーン系潤滑剤は熱安定性に優れるこ
とと、蒸気圧が小さいこと等のために、塗布型の磁気記
録媒体では良く用いられてきた潤滑剤の一つである。し
かしながら、表面平滑性が向上した薄膜型磁気記録媒体
においては、ピンオンディスク法による磨耗加速試験、
あるいはCSS試験等で要求される潤滑特性を満足する
ことは困難となりつつある。
とと、蒸気圧が小さいこと等のために、塗布型の磁気記
録媒体では良く用いられてきた潤滑剤の一つである。し
かしながら、表面平滑性が向上した薄膜型磁気記録媒体
においては、ピンオンディスク法による磨耗加速試験、
あるいはCSS試験等で要求される潤滑特性を満足する
ことは困難となりつつある。
【0011】炭化水素系潤滑剤は、塗布型の磁気記録媒
体では現在でも主流の位置を占める潤滑剤である。しか
し一般に蒸気圧が大きく、熱的・化学的安定性はシリコ
ーン系やフッ化炭素系潤滑剤と比較して劣るものが多
い。また摩擦熱等により生成するフリクションポリマと
呼称される反応生成物が摺動面に付着し、潤滑特性を低
下させ、場合によっては致命的な欠陥となる虞れもあ
る。薄膜型磁気記録媒体においても優れた初期潤滑特性
を示すが、蒸気圧が大きいために欠落した潤滑層の補充
が困難で、長時間の耐久性に問題を残す。
体では現在でも主流の位置を占める潤滑剤である。しか
し一般に蒸気圧が大きく、熱的・化学的安定性はシリコ
ーン系やフッ化炭素系潤滑剤と比較して劣るものが多
い。また摩擦熱等により生成するフリクションポリマと
呼称される反応生成物が摺動面に付着し、潤滑特性を低
下させ、場合によっては致命的な欠陥となる虞れもあ
る。薄膜型磁気記録媒体においても優れた初期潤滑特性
を示すが、蒸気圧が大きいために欠落した潤滑層の補充
が困難で、長時間の耐久性に問題を残す。
【0012】フッ化炭素系潤滑剤は、薄膜型磁気記録媒
体では現在最も多く用いられている潤滑剤である。中で
も複数のエーテル結合を有するパーフルオロポリエーテ
ルは、潤滑特性や表面保護作用に優れるために広く用い
られている。これは、CF2−O−CF2 結合がフレキ
シブルであるために、同じ分子量の他のフッ化炭素化合
物に比較して粘度が小さいことと、広い温度範囲で粘度
変化が小さいためと考えられる。加えて化学的に不活性
であること、蒸気圧が小さいこと、熱的・化学的安定性
に優れること、表面エネルギが小さいこと、境界潤滑特
性が良いこと、そして撥水性に優れること等の一般的諸
特性が挙げられる。
体では現在最も多く用いられている潤滑剤である。中で
も複数のエーテル結合を有するパーフルオロポリエーテ
ルは、潤滑特性や表面保護作用に優れるために広く用い
られている。これは、CF2−O−CF2 結合がフレキ
シブルであるために、同じ分子量の他のフッ化炭素化合
物に比較して粘度が小さいことと、広い温度範囲で粘度
変化が小さいためと考えられる。加えて化学的に不活性
であること、蒸気圧が小さいこと、熱的・化学的安定性
に優れること、表面エネルギが小さいこと、境界潤滑特
性が良いこと、そして撥水性に優れること等の一般的諸
特性が挙げられる。
【0013】パーフルオロポリエーテルの特性はその分
子構造に強く依存する。何種類かのパーフルオロポリエ
ーテルはすでに市販されており、それらは分子量、主鎖
の繰り返し単位、末端基等がそれぞれ異なる。例えば、
Fomblin−Yタイプは−CF(CF3 )CF2 O
−と−CF2 O−とのランダム共重合体で、主鎖の繰り
返し単位が側鎖を有するのに対し、Fomblin−Z
タイプは−CF2 CF2 O−と−CF2 O−とのランダ
ム共重合体で、主鎖の繰り返し単位が直鎖構造を有す
る。DemnumタイプおよびKrytoxタイプはそ
れぞれ、ヘキサフルオロプロピレンオキシドおよびヘキ
サフルオロイソプロピレンオキシドのホモポリマであ
る。化学的に不活性であるために、パーフルオロポリエ
ーテルは一般的に磁性層表面での吸着能力に欠ける。そ
こで吸着能力、すなわち密着性の改善のため、両末端に
極性基として水酸基を持つパーフルオロポリエーテルで
あるFomblin−Z−DOLや、極性基としてピペ
ロニル基を有するFomblin−AM2001が開発
された。Fomblin−AM2001は特に金属表面
やカーボン表面への強固な固定化作用があり、磁気ディ
スクに用いた場合にはある程度耐用年数が向上するとさ
れている。このように分子設計をも含めて、磁気記録媒
体用の潤滑剤には様々な改良がなされているが、すべて
の要求特性を満たす潤滑剤は未だに存在しない。なおF
omblin、DemnumおよびKrytoxはいず
れも商品名である。
子構造に強く依存する。何種類かのパーフルオロポリエ
ーテルはすでに市販されており、それらは分子量、主鎖
の繰り返し単位、末端基等がそれぞれ異なる。例えば、
Fomblin−Yタイプは−CF(CF3 )CF2 O
−と−CF2 O−とのランダム共重合体で、主鎖の繰り
返し単位が側鎖を有するのに対し、Fomblin−Z
タイプは−CF2 CF2 O−と−CF2 O−とのランダ
ム共重合体で、主鎖の繰り返し単位が直鎖構造を有す
る。DemnumタイプおよびKrytoxタイプはそ
れぞれ、ヘキサフルオロプロピレンオキシドおよびヘキ
サフルオロイソプロピレンオキシドのホモポリマであ
る。化学的に不活性であるために、パーフルオロポリエ
ーテルは一般的に磁性層表面での吸着能力に欠ける。そ
こで吸着能力、すなわち密着性の改善のため、両末端に
極性基として水酸基を持つパーフルオロポリエーテルで
あるFomblin−Z−DOLや、極性基としてピペ
ロニル基を有するFomblin−AM2001が開発
された。Fomblin−AM2001は特に金属表面
やカーボン表面への強固な固定化作用があり、磁気ディ
スクに用いた場合にはある程度耐用年数が向上するとさ
れている。このように分子設計をも含めて、磁気記録媒
体用の潤滑剤には様々な改良がなされているが、すべて
の要求特性を満たす潤滑剤は未だに存在しない。なおF
omblin、DemnumおよびKrytoxはいず
れも商品名である。
【0014】また磁気記録媒体製造上の観点から見た場
合、パーフルオロポリエーテルをはじめとするフッ化炭
素系潤滑剤は、その分子量が大きいと溶媒の選択が限定
され、フッ化炭素系やクロロフルオロカーボン系溶媒以
外には良溶媒が少ない。すなわち、アルコール系や炭化
水素系等の汎用溶媒への溶解性が小さい。溶媒を大量に
使用する磁気記録媒体の製造工程において、溶媒の価格
や環境保全への配慮は重要である。分子量が1000以
下のパーフルオロポリエーテルの場合は、溶媒の選択肢
はかなり広く、メチルエチルケトンのようなケトン系溶
媒、エタノールのようなアルコール系溶媒にも溶解し、
使い勝手はよい。しかしながら、分子量が小さいために
蒸気圧が比較的大きく、磁気記録媒体の経時変化に問題
を残していた。
合、パーフルオロポリエーテルをはじめとするフッ化炭
素系潤滑剤は、その分子量が大きいと溶媒の選択が限定
され、フッ化炭素系やクロロフルオロカーボン系溶媒以
外には良溶媒が少ない。すなわち、アルコール系や炭化
水素系等の汎用溶媒への溶解性が小さい。溶媒を大量に
使用する磁気記録媒体の製造工程において、溶媒の価格
や環境保全への配慮は重要である。分子量が1000以
下のパーフルオロポリエーテルの場合は、溶媒の選択肢
はかなり広く、メチルエチルケトンのようなケトン系溶
媒、エタノールのようなアルコール系溶媒にも溶解し、
使い勝手はよい。しかしながら、分子量が小さいために
蒸気圧が比較的大きく、磁気記録媒体の経時変化に問題
を残していた。
【0015】ところで、磁気ヘッド/磁気記録媒体間の
相対速度が数m/sec程度以上の磁気記録装置におい
ては、接触部分で発生する摩擦熱は表面温度を瞬間的に
急激に増加させる。両者の接触点での温度をリアルタイ
ムで正確に測定する方法は存在しないが、シミュレーシ
ョン結果によると局部的に数百℃を超えると見積もられ
ている。特にこのような境界条件下では反応性に富んだ
表面が露出するので、高温となった接触点で潤滑剤分子
の分解反応が促進される。パーフルオロポリエーテル
は、一般的には空気中で350℃以上の高温でも安定で
あるが、鉄やチタン等の金属や合金、あるいはAlCl
3 、FeCl3 やAl2 O3 等のルイス酸やルイス塩基
の存在下では分解し易くなる。かかる潤滑剤の分解は、
当然のことながら潤滑特性に悪影響をおよぼし、これが
磁気記録装置全体の信頼性を損なう結果となる。したが
って潤滑特性に加えて分解の少ない潤滑剤の開発も望ま
れる。
相対速度が数m/sec程度以上の磁気記録装置におい
ては、接触部分で発生する摩擦熱は表面温度を瞬間的に
急激に増加させる。両者の接触点での温度をリアルタイ
ムで正確に測定する方法は存在しないが、シミュレーシ
ョン結果によると局部的に数百℃を超えると見積もられ
ている。特にこのような境界条件下では反応性に富んだ
表面が露出するので、高温となった接触点で潤滑剤分子
の分解反応が促進される。パーフルオロポリエーテル
は、一般的には空気中で350℃以上の高温でも安定で
あるが、鉄やチタン等の金属や合金、あるいはAlCl
3 、FeCl3 やAl2 O3 等のルイス酸やルイス塩基
の存在下では分解し易くなる。かかる潤滑剤の分解は、
当然のことながら潤滑特性に悪影響をおよぼし、これが
磁気記録装置全体の信頼性を損なう結果となる。したが
って潤滑特性に加えて分解の少ない潤滑剤の開発も望ま
れる。
【0016】さらに最近の傾向として、磁気ヘッド/磁
気記録媒体間の相対速度が増加することにより、磁気ヘ
ッドの摺動面にブラウンステインと呼ばれる変質層が発
生し、これがスペーシングロスとなって再生出力を著し
く劣化させる場合がある。ブラウンステイン発生のメカ
ニズムは明らかではないが、酸化鉄等の酸化層の形成に
よるものと考えられている。磁性層表面の潤滑剤がこの
酸化層の形成を防止する効果も期待され、このためにも
新規潤滑剤あるいは潤滑剤組成物の開発が求められてい
る。
気記録媒体間の相対速度が増加することにより、磁気ヘ
ッドの摺動面にブラウンステインと呼ばれる変質層が発
生し、これがスペーシングロスとなって再生出力を著し
く劣化させる場合がある。ブラウンステイン発生のメカ
ニズムは明らかではないが、酸化鉄等の酸化層の形成に
よるものと考えられている。磁性層表面の潤滑剤がこの
酸化層の形成を防止する効果も期待され、このためにも
新規潤滑剤あるいは潤滑剤組成物の開発が求められてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み提案するものであり、各種の使用条件下、特に低温
雰囲気において優れた摩擦係数と潤滑性能を示すととも
に、熱的および化学的に安定で長期間にわたりこれらの
効果が持続し、汎用溶媒への溶解性にも優れた潤滑剤組
成物を提供することを課題とする。また本発明の他の課
題は、かかる潤滑剤組成物を用いることにより、優れた
走行性およびその耐久性が得られる、信頼性の高い情報
記録媒体を提供することである。
鑑み提案するものであり、各種の使用条件下、特に低温
雰囲気において優れた摩擦係数と潤滑性能を示すととも
に、熱的および化学的に安定で長期間にわたりこれらの
効果が持続し、汎用溶媒への溶解性にも優れた潤滑剤組
成物を提供することを課題とする。また本発明の他の課
題は、かかる潤滑剤組成物を用いることにより、優れた
走行性およびその耐久性が得られる、信頼性の高い情報
記録媒体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した課題
を解決するため、パーフルオロポリエーテル系化合物の
分子設計、およびその組成物設計について広範な検討を
重ねてきたが、分子内にエステル結合による長鎖の炭化
水素基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と、高級
脂肪酸とを混合した潤滑剤組成物がこの目的のために有
望であることを見出し、またその配合比を最適範囲に特
定することにより本発明を完成するに至った。
を解決するため、パーフルオロポリエーテル系化合物の
分子設計、およびその組成物設計について広範な検討を
重ねてきたが、分子内にエステル結合による長鎖の炭化
水素基を持つパーフルオロポリエーテル化合物と、高級
脂肪酸とを混合した潤滑剤組成物がこの目的のために有
望であることを見出し、またその配合比を最適範囲に特
定することにより本発明を完成するに至った。
【0019】すなわち、本発明の請求項1の潤滑剤組成
物は、下記一般式(1)および一般式(2)のいずれか
少なくとも一方で示される、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルのエステル化合物と、下
記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を有
する高級脂肪酸とを含むことを特徴とする。 Rf −COOR1 (1) R1 OCO−Rf −COOR2 (2) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。)
物は、下記一般式(1)および一般式(2)のいずれか
少なくとも一方で示される、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルのエステル化合物と、下
記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を有
する高級脂肪酸とを含むことを特徴とする。 Rf −COOR1 (1) R1 OCO−Rf −COOR2 (2) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。)
【0020】また本発明の請求項3の潤滑剤組成物は、
下記一般式(4)および一般式(5)のいずれか少なく
とも一方で示される、末端に水酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテルのエステル化合物と、下記一般式(3)
で示される、末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸
とを含むことを特徴とする。 Rf −CH2 OCOR1 (4) R1 COOCH2 −Rf −CH2 OCOR2 (5) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。)
下記一般式(4)および一般式(5)のいずれか少なく
とも一方で示される、末端に水酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテルのエステル化合物と、下記一般式(3)
で示される、末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸
とを含むことを特徴とする。 Rf −CH2 OCOR1 (4) R1 COOCH2 −Rf −CH2 OCOR2 (5) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。)
【0021】いずれの潤滑剤組成物においても、パーフ
ルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部に対
する、末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸の添加
量は、0.01重量部以上2重量部以下であることが望
ましい。
ルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部に対
する、末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸の添加
量は、0.01重量部以上2重量部以下であることが望
ましい。
【0022】本発明で採用するパーフルオロポリエーテ
ルのエステル化合物中のパーフルオロポリエーテル基の
分子量は、その耐久性と汎用溶媒への溶解性の観点か
ら、500〜5,000程度が好ましい。またこのエス
テル化合物中の長鎖炭化水素基R1 は、やはり汎用溶媒
への溶解性および摩擦係数の低減の見地から、炭素数に
して5〜30程度の範囲のものが選ばれる。
ルのエステル化合物中のパーフルオロポリエーテル基の
分子量は、その耐久性と汎用溶媒への溶解性の観点か
ら、500〜5,000程度が好ましい。またこのエス
テル化合物中の長鎖炭化水素基R1 は、やはり汎用溶媒
への溶解性および摩擦係数の低減の見地から、炭素数に
して5〜30程度の範囲のものが選ばれる。
【0023】本発明の情報記録媒体は、非磁性支持体上
に情報記録層を有する情報記録媒体であって、この情報
記録層上または情報記録層内部に、これら潤滑剤組成物
を有することを特徴とする。
に情報記録層を有する情報記録媒体であって、この情報
記録層上または情報記録層内部に、これら潤滑剤組成物
を有することを特徴とする。
【0024】〔作用〕本出願人は、先にパーフルオロポ
リエーテル系化合物を情報記録媒体用の潤滑剤に適用す
る技術を開示した。例えば、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエ
ステル化合物(特開平5−194971号公報)、分子
内に水酸基と長鎖炭化水素基を持つパーフルオロポリエ
ーテル(特開平8−319492号公報)等がそれであ
る。また、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロ
ポリエーテルのアミン塩化合物(特開平3−25292
1号公報)はアルコール系の溶媒にも溶解し、優れた潤
滑性能を示すことも開示した。
リエーテル系化合物を情報記録媒体用の潤滑剤に適用す
る技術を開示した。例えば、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエ
ステル化合物(特開平5−194971号公報)、分子
内に水酸基と長鎖炭化水素基を持つパーフルオロポリエ
ーテル(特開平8−319492号公報)等がそれであ
る。また、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロ
ポリエーテルのアミン塩化合物(特開平3−25292
1号公報)はアルコール系の溶媒にも溶解し、優れた潤
滑性能を示すことも開示した。
【0025】これらのうち、分子内に水酸基、エステル
基あるいはピペロニル基を有するパーフルオロポリエー
テル化合物は、情報記録層表面あるいは保護膜表面と緩
やかな相互作用を示し、吸着能力は大きくはない。した
がって、これら潤滑剤を適用した情報記録層表面の摩擦
係数は比較的高い。しかしながら摩擦等により欠損した
潤滑剤層の修復性能には優れるので耐久性は良い。
基あるいはピペロニル基を有するパーフルオロポリエー
テル化合物は、情報記録層表面あるいは保護膜表面と緩
やかな相互作用を示し、吸着能力は大きくはない。した
がって、これら潤滑剤を適用した情報記録層表面の摩擦
係数は比較的高い。しかしながら摩擦等により欠損した
潤滑剤層の修復性能には優れるので耐久性は良い。
【0026】一方カルボキシル基を極性基として持つ高
級脂肪酸は吸着能力が高く、摩擦係数が小さいが、表面
マイグレーションが少ないので、一旦欠落した潤滑剤層
の修復機能も小さい。したがって、欠損部分が生じる
と、その部分の摩擦係数が高くなり、耐久性に乏しい。
級脂肪酸は吸着能力が高く、摩擦係数が小さいが、表面
マイグレーションが少ないので、一旦欠落した潤滑剤層
の修復機能も小さい。したがって、欠損部分が生じる
と、その部分の摩擦係数が高くなり、耐久性に乏しい。
【0027】本発明の潤滑剤組成物はこのような知見に
基づき、吸着性能に優れる高級脂肪酸により摩擦係数を
下げ、分子内にエステル結合による長鎖炭化水素基を持
つパーフルオロポリエーテル化合物により連続走行に対
する耐久性を高めるものである。かかる相乗効果を発揮
させるために、パーフルオロポリエーテルのエステル化
合物100重量部に対する、末端にカルボキシル基を有
する高級脂肪酸の添加量は、0.01重量部以上2重量
部以下が選ばれる。
基づき、吸着性能に優れる高級脂肪酸により摩擦係数を
下げ、分子内にエステル結合による長鎖炭化水素基を持
つパーフルオロポリエーテル化合物により連続走行に対
する耐久性を高めるものである。かかる相乗効果を発揮
させるために、パーフルオロポリエーテルのエステル化
合物100重量部に対する、末端にカルボキシル基を有
する高級脂肪酸の添加量は、0.01重量部以上2重量
部以下が選ばれる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の潤滑剤組成物およ
び情報記録媒体につき、比較例を交えながら詳細な説明
を加える。以下の発明の実施形態例および実施例では、
情報記録媒体として主として磁気記録媒体、その中でも
金属薄膜型の磁気記録テープを主な例にとり説明する。
び情報記録媒体につき、比較例を交えながら詳細な説明
を加える。以下の発明の実施形態例および実施例では、
情報記録媒体として主として磁気記録媒体、その中でも
金属薄膜型の磁気記録テープを主な例にとり説明する。
【0029】磁気記録媒体 磁気記録媒体の一例としての金属薄膜型磁気テープの概
略断面図を図1に示す。このうち、図1(a)に示す磁
気記録媒体は、非磁性支持体1の一主面側に磁気記録層
2およびトップコート層4が、他の主面側にバックコー
ト層5が設けられている。また図1(b)に示す磁気記
録媒体は、磁気記録層2上に保護層3が設けられ、この
保護層3上にトップコート層4が形成されている。フロ
ッピーディスクの場合には、非磁性支持体1の両面に磁
気記録層2が形成される。非磁性支持体1と磁気記録層
2との間に、非磁性下層を形成してもよい。本実施の形
態例では、情報記録層として金属薄膜型の磁気記録層を
例示しているが、塗布型の磁気記録層や、光記録層、光
磁気記録層等、他の形態の情報記録層についても同様で
ある。すなわち、情報記録層上に直接あるいは保護層を
介してトップコート層が形成される。なお図1に示した
各層の厚さは説明のため、実際の磁気記録媒体を反映し
たものではない。本発明の潤滑剤組成物は、トップコー
ト層4あるいは磁気記録層2に含有される。つぎに各層
の構成を説明する。
略断面図を図1に示す。このうち、図1(a)に示す磁
気記録媒体は、非磁性支持体1の一主面側に磁気記録層
2およびトップコート層4が、他の主面側にバックコー
ト層5が設けられている。また図1(b)に示す磁気記
録媒体は、磁気記録層2上に保護層3が設けられ、この
保護層3上にトップコート層4が形成されている。フロ
ッピーディスクの場合には、非磁性支持体1の両面に磁
気記録層2が形成される。非磁性支持体1と磁気記録層
2との間に、非磁性下層を形成してもよい。本実施の形
態例では、情報記録層として金属薄膜型の磁気記録層を
例示しているが、塗布型の磁気記録層や、光記録層、光
磁気記録層等、他の形態の情報記録層についても同様で
ある。すなわち、情報記録層上に直接あるいは保護層を
介してトップコート層が形成される。なお図1に示した
各層の厚さは説明のため、実際の磁気記録媒体を反映し
たものではない。本発明の潤滑剤組成物は、トップコー
ト層4あるいは磁気記録層2に含有される。つぎに各層
の構成を説明する。
【0030】非磁性支持体 非磁性支持体としては、通常の情報記録媒体で用いられ
るものはいずれも使用可能である。すなわち、磁気記録
媒体の場合であればポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイセテート等
のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド等の有機高分
子が例示される。これら非磁性支持体の表面には接着性
向上のために、有機バインダおよび非磁性粒子等からな
るアンダコート層を設けてもよい。
るものはいずれも使用可能である。すなわち、磁気記録
媒体の場合であればポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイセテート等
のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカー
ボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド等の有機高分
子が例示される。これら非磁性支持体の表面には接着性
向上のために、有機バインダおよび非磁性粒子等からな
るアンダコート層を設けてもよい。
【0031】非磁性支持体の表面は、粒状突起やしわ状
突起を形成してその表面粗さを制御してもよい。粒状突
起は、非磁性支持体の成膜時、あるいはアンダコート層
形成時に粒径10〜300nm程度のフィラー(非磁性
粒子)を添加することにより形成される。フィラーはシ
リカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アクリル樹脂、非磁
性金属等の微粒子が採用される。粒状突起の高さは非磁
性支持体の平坦表面から10〜100nm程度、面密度
は104 〜108 個/mm2 程度でよい。
突起を形成してその表面粗さを制御してもよい。粒状突
起は、非磁性支持体の成膜時、あるいはアンダコート層
形成時に粒径10〜300nm程度のフィラー(非磁性
粒子)を添加することにより形成される。フィラーはシ
リカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アクリル樹脂、非磁
性金属等の微粒子が採用される。粒状突起の高さは非磁
性支持体の平坦表面から10〜100nm程度、面密度
は104 〜108 個/mm2 程度でよい。
【0032】しわ状突起は、良溶媒と貧溶媒との混合溶
媒へ溶解した樹脂の希薄溶液を塗布乾燥することにより
形成される。樹脂としてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル
類、ポリアミド、ポリスチロール、ポリカーボネート、
ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリフェニ
レンオキサイド、フェノキシ樹脂等の単体あるいは混合
物あるいは共重合体が選ばれる。これらの樹脂の良溶
媒、例えばケトン系溶媒の1〜1000ppmの溶液
に、その樹脂の貧溶媒かつこの良溶媒より高沸点を有す
る溶媒を、樹脂に対して10〜100倍量添加した溶液
を、非磁性支持体の表面に塗布乾燥することにより形成
される。しわの高さは10nm〜10μm、好ましくは
30nm〜0.5μmであり、となり合うしわ状突起間
の距離は0.1〜20μmとする。
媒へ溶解した樹脂の希薄溶液を塗布乾燥することにより
形成される。樹脂としてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレナフタレート等のポリエステル
類、ポリアミド、ポリスチロール、ポリカーボネート、
ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリフェニ
レンオキサイド、フェノキシ樹脂等の単体あるいは混合
物あるいは共重合体が選ばれる。これらの樹脂の良溶
媒、例えばケトン系溶媒の1〜1000ppmの溶液
に、その樹脂の貧溶媒かつこの良溶媒より高沸点を有す
る溶媒を、樹脂に対して10〜100倍量添加した溶液
を、非磁性支持体の表面に塗布乾燥することにより形成
される。しわの高さは10nm〜10μm、好ましくは
30nm〜0.5μmであり、となり合うしわ状突起間
の距離は0.1〜20μmとする。
【0033】これら粒状突起あるいはしわ状突起は、両
方同時に形成してもよい。これら表面突起は、金属磁性
薄膜の表面性を制御して、磁気記録テープの走行性の向
上に寄与する。
方同時に形成してもよい。これら表面突起は、金属磁性
薄膜の表面性を制御して、磁気記録テープの走行性の向
上に寄与する。
【0034】さらにハードディスク等の磁気記録媒体の
場合には非磁性支持体としてAl系金属、セラミクスや
ガラス等の剛体基板を用いることができる。これら剛体
基板の表面にアルマイト処理等による酸化被膜や、Ni
−P被膜等を形成して、その表面硬度をさらに高めても
よい。
場合には非磁性支持体としてAl系金属、セラミクスや
ガラス等の剛体基板を用いることができる。これら剛体
基板の表面にアルマイト処理等による酸化被膜や、Ni
−P被膜等を形成して、その表面硬度をさらに高めても
よい。
【0035】光ディスク、光磁気ディスクの場合には、
非磁性支持体として強化ガラス、ポリカーボネート、P
MMA、ポリオレフィン系等の透明材料が選ばれる。
非磁性支持体として強化ガラス、ポリカーボネート、P
MMA、ポリオレフィン系等の透明材料が選ばれる。
【0036】磁気記録層 金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、強磁性金属を蒸着
やスパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術によ
り非磁性支持体上に形成される。強磁性金属の材料とし
ては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁性金属や、
Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合金、Co−C
r合金、Co−Cr−Ta合金、Co−Cr−Pt合金
等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Ni−
B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co−Ni−B合
金等のFe系合金等や、これら強磁性材料中や粒界に酸
化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した構造からなる
ものが例示される。特に、面内磁化モードによる薄膜型
磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対し、斜め蒸着
等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層の略面内に配
向する。非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、G
a、In、Ge、SiあるいはTi等の非磁性下地層を
形成しておき、ここに非磁性支持体表面の垂直方向から
強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリングしてもよい。
かかる非磁性下地層を介在させることにより、非磁性金
属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホロジ(morpho
logy) を制御して面内等方性磁化を付与するとともに、
抗磁力を向上することができる。金属薄膜型磁気記録層
は単層あるいは積層で用いられる。積層の場合には、中
間層として非磁性層を介在させてもよい。金属薄膜型磁
気記録層の厚さは0.01〜0.4μm程度、好ましく
は0.1〜0.25μm程度が選ばれる。
やスパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術によ
り非磁性支持体上に形成される。強磁性金属の材料とし
ては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁性金属や、
Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合金、Co−C
r合金、Co−Cr−Ta合金、Co−Cr−Pt合金
等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Ni−
B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co−Ni−B合
金等のFe系合金等や、これら強磁性材料中や粒界に酸
化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した構造からなる
ものが例示される。特に、面内磁化モードによる薄膜型
磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対し、斜め蒸着
等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層の略面内に配
向する。非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、G
a、In、Ge、SiあるいはTi等の非磁性下地層を
形成しておき、ここに非磁性支持体表面の垂直方向から
強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリングしてもよい。
かかる非磁性下地層を介在させることにより、非磁性金
属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホロジ(morpho
logy) を制御して面内等方性磁化を付与するとともに、
抗磁力を向上することができる。金属薄膜型磁気記録層
は単層あるいは積層で用いられる。積層の場合には、中
間層として非磁性層を介在させてもよい。金属薄膜型磁
気記録層の厚さは0.01〜0.4μm程度、好ましく
は0.1〜0.25μm程度が選ばれる。
【0037】塗布型の磁気記録層の場合は、γ−Fe2
O3 やFe3 O4 等の酸化鉄系磁性粉末あるいはこれら
にCoを被着した磁性粉末、CrO2 、強磁性金属磁性
粉末等を各種添加剤とともに有機バインダ中に分散した
磁性塗料を非磁性支持体上に塗布することにより形成さ
れる。本発明の潤滑剤は、特にFeやFe−Co合金等
の強磁性金属磁性粉末を用いた高密度磁気記録層の場合
に好適に用いることができる。
O3 やFe3 O4 等の酸化鉄系磁性粉末あるいはこれら
にCoを被着した磁性粉末、CrO2 、強磁性金属磁性
粉末等を各種添加剤とともに有機バインダ中に分散した
磁性塗料を非磁性支持体上に塗布することにより形成さ
れる。本発明の潤滑剤は、特にFeやFe−Co合金等
の強磁性金属磁性粉末を用いた高密度磁気記録層の場合
に好適に用いることができる。
【0038】保護層 磁気記録層上に保護層を形成する場合には、その材料と
しては例えばカーボン、グラファイト、DLC、SiO
2 、Si3 N4 、SiON、SiC、Al2 O3 、Al
N、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、TiC、Zr
O2 、BCあるいはc−BN等が単独あるいは複合膜と
して使用される。さらにはポリパラキシリレン(商品名
パリレン)やフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を適用可
能な有機高分子を用いることもできる。これら材料を単
層あるいは積層で用いてもよい。なかでもDLCはその
保護効果の高さから好ましく採用される。DLCはイオ
ンプレーティングやスパッタリング法等のPVD (Phys
ical Vapor Deposition)法や、プラズマCVD法、EC
R (Electron Cyclotron Resonance) プラズマCVD
法、アークジェットCVD法等の各種CVD(Chemical
Vapor Deposition) 法により薄膜として形成することが
できる。保護層の膜厚は3〜15nm、好ましくは5〜
10nm程度が選ばれる。これはスペーシングロスの低
減と、耐磨耗性を両立するためである。
しては例えばカーボン、グラファイト、DLC、SiO
2 、Si3 N4 、SiON、SiC、Al2 O3 、Al
N、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、TiC、Zr
O2 、BCあるいはc−BN等が単独あるいは複合膜と
して使用される。さらにはポリパラキシリレン(商品名
パリレン)やフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を適用可
能な有機高分子を用いることもできる。これら材料を単
層あるいは積層で用いてもよい。なかでもDLCはその
保護効果の高さから好ましく採用される。DLCはイオ
ンプレーティングやスパッタリング法等のPVD (Phys
ical Vapor Deposition)法や、プラズマCVD法、EC
R (Electron Cyclotron Resonance) プラズマCVD
法、アークジェットCVD法等の各種CVD(Chemical
Vapor Deposition) 法により薄膜として形成することが
できる。保護層の膜厚は3〜15nm、好ましくは5〜
10nm程度が選ばれる。これはスペーシングロスの低
減と、耐磨耗性を両立するためである。
【0039】バックコート層 非磁性支持体の他方の面に、塗布型あるいは薄膜型のバ
ックコート層を設けてもよい。バックコート層の構成は
特に限定されない。塗布バックコート層は非磁性粒子を
有機バインダ中に分散させて形成し、表面粗度や導電性
を制御するものであり、非磁性粒子の材料としては例え
ばヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミナ、α,β,γ
−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カオリン、タル
ク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン(ル
チルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリ
ウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機化合物、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリテトラフ
ルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプン、あるいは非
磁性金属やカーボン等が例示される。非磁性粒子は、平
均粒子径0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.7
μmの大きさのものが使用され、有機バインダ100重
量部に対して通常1〜20重量部の範囲で添加される。
また粒子形状は塗料適性や耐久性等の観点から、略球
形、略正多面体等の等方的な形状を有するものが好まし
い。
ックコート層を設けてもよい。バックコート層の構成は
特に限定されない。塗布バックコート層は非磁性粒子を
有機バインダ中に分散させて形成し、表面粗度や導電性
を制御するものであり、非磁性粒子の材料としては例え
ばヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミナ、α,β,γ
−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カオリン、タル
ク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン(ル
チルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリ
ウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機化合物、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリテトラフ
ルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプン、あるいは非
磁性金属やカーボン等が例示される。非磁性粒子は、平
均粒子径0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.7
μmの大きさのものが使用され、有機バインダ100重
量部に対して通常1〜20重量部の範囲で添加される。
また粒子形状は塗料適性や耐久性等の観点から、略球
形、略正多面体等の等方的な形状を有するものが好まし
い。
【0040】また塗布バックコート層に用いる有機バイ
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。
【0041】これらの樹脂は、非磁性粒子の分散性を向
上するために−SO3 M、−OSO3 M、−COOM、
あるいは−PO(OM’)2 等の極性官能基を含有して
いてもよい(但し、MはHまたはLi、Ka、Na等の
アルカリ金属、M’はHまたはLi、Ka、Na等のア
ルカリ金属またはアルキル基をあらわす)。極性官能基
としてはこの他に−NR1 R2 、−NR1 R2 R3 + X
- の末端基を有する側鎖型のもの、>NR1 R2 + X-
の主鎖型のもの等がある(ここでR1 、R2 、R3 は水
素原子または炭化水素基であり、X- はフッ素、塩素、
臭素、ヨウ素等のハロゲンイオンあるいは無機、有機イ
オンをあらわす)。この他に−OH、−SH、−CN、
エポキシ基等の極性官能基であってもよい。これら極性
官能基の含有量は10-1〜10-8mol/gであり、好
ましくは10-2〜10-6mol/gである。これら有機
バインダは単独で用いることも可能であるが、2種類以
上を併用することも可能である。塗布バックコート層中
におけるこれら有機バインダの量は、非磁性粒子100
重量部に対して1〜200重量部、好ましくは10〜5
0重量部である。
上するために−SO3 M、−OSO3 M、−COOM、
あるいは−PO(OM’)2 等の極性官能基を含有して
いてもよい(但し、MはHまたはLi、Ka、Na等の
アルカリ金属、M’はHまたはLi、Ka、Na等のア
ルカリ金属またはアルキル基をあらわす)。極性官能基
としてはこの他に−NR1 R2 、−NR1 R2 R3 + X
- の末端基を有する側鎖型のもの、>NR1 R2 + X-
の主鎖型のもの等がある(ここでR1 、R2 、R3 は水
素原子または炭化水素基であり、X- はフッ素、塩素、
臭素、ヨウ素等のハロゲンイオンあるいは無機、有機イ
オンをあらわす)。この他に−OH、−SH、−CN、
エポキシ基等の極性官能基であってもよい。これら極性
官能基の含有量は10-1〜10-8mol/gであり、好
ましくは10-2〜10-6mol/gである。これら有機
バインダは単独で用いることも可能であるが、2種類以
上を併用することも可能である。塗布バックコート層中
におけるこれら有機バインダの量は、非磁性粒子100
重量部に対して1〜200重量部、好ましくは10〜5
0重量部である。
【0042】上述した有機バインダを架橋硬化する硬化
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0043】塗布バックコート層と非磁性支持体との間
に、塗布バックコート層の接着性向上等の目的で、下部
塗布バックコート層を形成してもよい。下部塗布バック
コート層は、有機バインダ単独、あるいはカーボン粉末
および必要に応じて他の非磁性粉末および有機バインダ
を溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより形成される。
に、塗布バックコート層の接着性向上等の目的で、下部
塗布バックコート層を形成してもよい。下部塗布バック
コート層は、有機バインダ単独、あるいはカーボン粉末
および必要に応じて他の非磁性粉末および有機バインダ
を溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持体上に塗
布、乾燥することにより形成される。
【0044】塗布バックコート層形成用の塗料に用いら
れる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
使用される。
れる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコール
モノアセテート等のエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が
使用される。
【0045】非磁性支持体上に塗布バックコート層を形
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。非磁性支持体上
に形成された塗布バックコート層は、加熱空気等により
乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて硬化処理を施
す。
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。非磁性支持体上
に形成された塗布バックコート層は、加熱空気等により
乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて硬化処理を施
す。
【0046】薄膜バックコート層に採用される材料とし
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、
Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等が単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、
Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等が単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
【0047】薄膜バックコート層の形成方法は、真空薄
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。
【0048】これらバックコート層にも本発明の潤滑剤
を含むトップコート溶液を適用してもよい。磁気記録層
あるいは保護層、バックコート層のいずれにも本発明の
潤滑剤をトップコートすることもできる。また塗布型磁
気記録層の場合には、通常用いられる潤滑剤あるいは防
錆剤を別途内添してもよい。このように本発明の潤滑剤
は種々の使用形態が可能であり、これにより、安定した
走行性、耐久性および防錆効果を有する磁気記録媒体を
得ることができる。
を含むトップコート溶液を適用してもよい。磁気記録層
あるいは保護層、バックコート層のいずれにも本発明の
潤滑剤をトップコートすることもできる。また塗布型磁
気記録層の場合には、通常用いられる潤滑剤あるいは防
錆剤を別途内添してもよい。このように本発明の潤滑剤
は種々の使用形態が可能であり、これにより、安定した
走行性、耐久性および防錆効果を有する磁気記録媒体を
得ることができる。
【0049】トップコート層 本発明の情報記録媒体は、非磁性支持体上に形成された
情報記録層上に、本発明の潤滑剤組成物を含むトップコ
ート溶液を塗布することにより製造することができる。
情報記録層上にDLCのような保護層が形成されている
場合には、この保護層上にトップコート溶液を塗布して
もよい。また他の潤滑剤と混合して用いてもよい。
情報記録層上に、本発明の潤滑剤組成物を含むトップコ
ート溶液を塗布することにより製造することができる。
情報記録層上にDLCのような保護層が形成されている
場合には、この保護層上にトップコート溶液を塗布して
もよい。また他の潤滑剤と混合して用いてもよい。
【0050】トップコート溶液は、本発明の潤滑剤組成
物および必要に応じて防錆剤等の溶質を主成分とし、ア
ルコールやヘキサン等の溶媒に溶解した溶液系である。
使用可能な溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエス
テル等のエステル系溶媒、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒ
ドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶媒等
が例示される。さらにフッ素アルコール系溶媒等も使用
可能である。
物および必要に応じて防錆剤等の溶質を主成分とし、ア
ルコールやヘキサン等の溶媒に溶解した溶液系である。
使用可能な溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエス
テル等のエステル系溶媒、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒ
ドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶媒等
が例示される。さらにフッ素アルコール系溶媒等も使用
可能である。
【0051】つぎに防錆剤としてはこれも磁気記録媒体
に従来用いられている防錆剤はいずれも使用することが
可能であり、例えば二価フェノール、アルキルフェノー
ル、ニトロフェノール等のフェノール類、ナフトール、
ニトロナフトール、ニトロソナフトール、アミノナフト
ール、ハロゲン置換ナフトール等のナフトール類、メチ
ルキノン、ヒドロキシキノン、アミノキノン、ニトロキ
ノン等のキノン類、ベンゾフェノンおよびその誘導体で
あるヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン
等のジアリールケトンアクリジン、4−キノリノール、
キヌレン酸あるいはリボフラビン等の含窒素複素環化合
物、トコフェロールあるいはグアノシン等の含酸素複素
環化合物、スルホランスルホレンチオン等の含硫黄複素
環化合物、チオフェノール、ジチゾン、チオオキシン等
のメルカプト基を含む化合物、エンタチオ酸、ルベアン
酸等のチオカルボン酸およびその塩、ジアゾスルフィド
およびベンゾチアゾリン等のチアゾール系化合物等を例
示することができる。
に従来用いられている防錆剤はいずれも使用することが
可能であり、例えば二価フェノール、アルキルフェノー
ル、ニトロフェノール等のフェノール類、ナフトール、
ニトロナフトール、ニトロソナフトール、アミノナフト
ール、ハロゲン置換ナフトール等のナフトール類、メチ
ルキノン、ヒドロキシキノン、アミノキノン、ニトロキ
ノン等のキノン類、ベンゾフェノンおよびその誘導体で
あるヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン
等のジアリールケトンアクリジン、4−キノリノール、
キヌレン酸あるいはリボフラビン等の含窒素複素環化合
物、トコフェロールあるいはグアノシン等の含酸素複素
環化合物、スルホランスルホレンチオン等の含硫黄複素
環化合物、チオフェノール、ジチゾン、チオオキシン等
のメルカプト基を含む化合物、エンタチオ酸、ルベアン
酸等のチオカルボン酸およびその塩、ジアゾスルフィド
およびベンゾチアゾリン等のチアゾール系化合物等を例
示することができる。
【0052】また気化性防錆剤として、アミルアミン、
エタノールアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、イソプロピルアミン等
の有機アミン、亜硝酸の有機エステル、チオ亜硝酸の有
機エステル、亜硝酸トリメチルスルホニウム、亜硝酸ジ
イソプロピルアンモニウム、亜硝酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、シクロヘキシルアミン炭酸塩等が例示され
る。またこの他にも安息香酸、亜硝酸、ベンゾトリアゾ
ールおよびその誘導体も使用できる。上述した防錆剤は
本発明の潤滑剤組成物を含むトップコート溶液の溶質と
していずれも単独あるいは混合して使用可能である。
エタノールアミン、ナフチルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、イソプロピルアミン等
の有機アミン、亜硝酸の有機エステル、チオ亜硝酸の有
機エステル、亜硝酸トリメチルスルホニウム、亜硝酸ジ
イソプロピルアンモニウム、亜硝酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、シクロヘキシルアミン炭酸塩等が例示され
る。またこの他にも安息香酸、亜硝酸、ベンゾトリアゾ
ールおよびその誘導体も使用できる。上述した防錆剤は
本発明の潤滑剤組成物を含むトップコート溶液の溶質と
していずれも単独あるいは混合して使用可能である。
【0053】さらに、より厳しい環境下での使用条件に
対処して潤滑効果を持続するため、潤滑剤組成物に対し
重量比で30/70〜70/30程度の配合比で極圧剤
を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領域において部
分的に金属接触を生じた際にこれに伴う摩擦熱により金
属面と反応し、反応生成物被膜を形成することにより摩
擦・磨耗防止作用を得る化合物であり、従来公知のリン
系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属
系極圧剤および複合系極圧剤のいずれも使用することが
できる。
対処して潤滑効果を持続するため、潤滑剤組成物に対し
重量比で30/70〜70/30程度の配合比で極圧剤
を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領域において部
分的に金属接触を生じた際にこれに伴う摩擦熱により金
属面と反応し、反応生成物被膜を形成することにより摩
擦・磨耗防止作用を得る化合物であり、従来公知のリン
系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属
系極圧剤および複合系極圧剤のいずれも使用することが
できる。
【0054】本実施形態例の磁気記録媒体において、ト
ップコート層の厚さ、すなわち形成密度は特に限定はさ
れないが、一例として0.3〜100mg/m2 が望ま
しく、0.5〜20mg/m2 であることがさらに望ま
しい。形成密度が0.3mg/m2 未満では充分な耐久
性および走行安定性が得られず、100mg/m2 を超
えるとやはり耐久性が低下し、磁気ドラム等への貼り付
き現象が発生する。トップコート層の形成方法は特に限
定されないが、例えばグラビアコーティング、ディップ
コーティング等の各種塗布方法が適用される。
ップコート層の厚さ、すなわち形成密度は特に限定はさ
れないが、一例として0.3〜100mg/m2 が望ま
しく、0.5〜20mg/m2 であることがさらに望ま
しい。形成密度が0.3mg/m2 未満では充分な耐久
性および走行安定性が得られず、100mg/m2 を超
えるとやはり耐久性が低下し、磁気ドラム等への貼り付
き現象が発生する。トップコート層の形成方法は特に限
定されないが、例えばグラビアコーティング、ディップ
コーティング等の各種塗布方法が適用される。
【0055】パーフルオロポリエーテルのエステル化合
物の合成 本発明の潤滑剤組成物の成分のうち、末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルのエステル化合
物は、片末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルと、R1 OHで示される長鎖炭化水素アルコ
ールとを、溶媒中で加熱することにより合成することが
できる(一般式(1)の化合物)。また両末端にカルボ
キシル基を有するパーフルオロポリエーテルと、R1 O
Hで示される長鎖炭化水素アルコールと、必要に応じて
R2 OHで示されるアルコールとを、溶媒中で加熱する
ことにより合成することができる(一般式(2)の化合
物)。
物の合成 本発明の潤滑剤組成物の成分のうち、末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルのエステル化合
物は、片末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルと、R1 OHで示される長鎖炭化水素アルコ
ールとを、溶媒中で加熱することにより合成することが
できる(一般式(1)の化合物)。また両末端にカルボ
キシル基を有するパーフルオロポリエーテルと、R1 O
Hで示される長鎖炭化水素アルコールと、必要に応じて
R2 OHで示されるアルコールとを、溶媒中で加熱する
ことにより合成することができる(一般式(2)の化合
物)。
【0056】また本発明の潤滑剤組成物の成分のうち、
末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルのエス
テル化合物は、片末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルと、R1 COOHで示される長鎖カルボン酸
とを、溶媒中で加熱することにより合成することができ
る(一般式(4)の化合物)。また両末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと、R1 COOHで示さ
れる長鎖カルボン酸と、必要に応じてR2 COOHで示
されるカルボン酸とを、溶媒中で加熱することにより合
成することができる。(一般式(5)の化合物) いずれの場合も、合成された反応生成物は、カラムクロ
マトグラフィ等の精製手段により、純粋な化合物に単離
される。
末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルのエス
テル化合物は、片末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルと、R1 COOHで示される長鎖カルボン酸
とを、溶媒中で加熱することにより合成することができ
る(一般式(4)の化合物)。また両末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと、R1 COOHで示さ
れる長鎖カルボン酸と、必要に応じてR2 COOHで示
されるカルボン酸とを、溶媒中で加熱することにより合
成することができる。(一般式(5)の化合物) いずれの場合も、合成された反応生成物は、カラムクロ
マトグラフィ等の精製手段により、純粋な化合物に単離
される。
【0057】
【実施例】以下、本発明の潤滑剤組成物および情報記録
媒体につき、実施例によりさらに詳細に説明を加える。
前述の通り、情報記録媒体として金属薄膜型の磁気記録
媒体を例にとり適宜比較例を交えつつ説明する。
媒体につき、実施例によりさらに詳細に説明を加える。
前述の通り、情報記録媒体として金属薄膜型の磁気記録
媒体を例にとり適宜比較例を交えつつ説明する。
【0058】磁気記録層の形成 金属薄膜型磁気記録層は、ここでは一例として図2にそ
の概略断面図を示すロールツーロール方式の真空蒸着装
置を用いて形成した。図2に示す真空蒸着装置のチャン
バ11は、非磁性支持体1を搬送する搬送系と、磁気記
録層を形成する成膜系に大別されている。両者は隔壁に
より仕切られ、それぞれ不図示の真空ポンプにより差動
排気される。
の概略断面図を示すロールツーロール方式の真空蒸着装
置を用いて形成した。図2に示す真空蒸着装置のチャン
バ11は、非磁性支持体1を搬送する搬送系と、磁気記
録層を形成する成膜系に大別されている。両者は隔壁に
より仕切られ、それぞれ不図示の真空ポンプにより差動
排気される。
【0059】チャンバ11内の搬送系には、サプライロ
ール12に巻回された長尺かつ幅広の非磁性支持体1
が、冷却キャン13に巻き付けられつつ一定速度で送り
出され、テイクアップロール14に再び巻回される。冷
却キャン13はその内部に冷媒が循環して表面を冷却
し、非磁性支持体1の熱変形を防止する。非磁性支持体
1はガイドロール15により一定のテンションを受けな
がら走行する。各ロールはいずれも非磁性支持体1の幅
と略同一の幅を有する。非磁性支持体1の送り速度やテ
ンション等は、不図示の駆動手段および制御手段により
管理される。
ール12に巻回された長尺かつ幅広の非磁性支持体1
が、冷却キャン13に巻き付けられつつ一定速度で送り
出され、テイクアップロール14に再び巻回される。冷
却キャン13はその内部に冷媒が循環して表面を冷却
し、非磁性支持体1の熱変形を防止する。非磁性支持体
1はガイドロール15により一定のテンションを受けな
がら走行する。各ロールはいずれも非磁性支持体1の幅
と略同一の幅を有する。非磁性支持体1の送り速度やテ
ンション等は、不図示の駆動手段および制御手段により
管理される。
【0060】チャンバ11内の成膜系には、冷却キャン
13の下部に紙面の奥行き方向に幅広のハース (Hears
e) 16が配設されており、その内部にはCoやCo合
金等の溶融磁性金属が収納されている。この溶融磁性金
属の表面には、電子ビーム発生源18からの電子ビーム
19が照射され、溶融磁性金属を加熱するとともに蒸発
させる。電子ビーム19は電磁石20により偏向され、
ハース16内の溶融磁性金属の全幅にわたりスキャンす
る。ハース16には、連続的に一定量の磁性金属のイン
ゴット、ペレットあるいはワイヤ(いずれも不図示)が
供給され、溶融磁性金属の液面を常に一定に保持する。
13の下部に紙面の奥行き方向に幅広のハース (Hears
e) 16が配設されており、その内部にはCoやCo合
金等の溶融磁性金属が収納されている。この溶融磁性金
属の表面には、電子ビーム発生源18からの電子ビーム
19が照射され、溶融磁性金属を加熱するとともに蒸発
させる。電子ビーム19は電磁石20により偏向され、
ハース16内の溶融磁性金属の全幅にわたりスキャンす
る。ハース16には、連続的に一定量の磁性金属のイン
ゴット、ペレットあるいはワイヤ(いずれも不図示)が
供給され、溶融磁性金属の液面を常に一定に保持する。
【0061】蒸発した溶融磁性金属は、磁性粒子ビーム
17となって冷却キャン13に巻き付けられた非磁性支
持体1に斜めに入射し、その表面に磁気記録層(不図
示)を形成する。磁性粒子ビーム17の入射領域および
入射角度iは、入射角規制マスク21により制限され
る。入射角度i(Incident Angle)は、冷却キャン13の
法線と磁性粒子ビーム17とがなす角度であり、通常i
の最小値として40〜50°程度が選ばれる。また磁性
粒子ビーム17が入射する非磁性支持体1の近傍には、
不図示のガスノズルの開口端が配設されており、酸素等
のガスを導入して形成される磁気記録層の磁気特性や結
晶構造等を制御することができる。
17となって冷却キャン13に巻き付けられた非磁性支
持体1に斜めに入射し、その表面に磁気記録層(不図
示)を形成する。磁性粒子ビーム17の入射領域および
入射角度iは、入射角規制マスク21により制限され
る。入射角度i(Incident Angle)は、冷却キャン13の
法線と磁性粒子ビーム17とがなす角度であり、通常i
の最小値として40〜50°程度が選ばれる。また磁性
粒子ビーム17が入射する非磁性支持体1の近傍には、
不図示のガスノズルの開口端が配設されており、酸素等
のガスを導入して形成される磁気記録層の磁気特性や結
晶構造等を制御することができる。
【0062】磁性粒子ビーム17の発生源としては、電
子ビームを熱源とする蒸着法の他に、高周波誘導加熱や
抵抗加熱による蒸着法、イオンプレーティング法、電界
蒸着法、スパッタリング法あるいはレーザアブレーショ
ン法等、任意の方法を用いてよい。
子ビームを熱源とする蒸着法の他に、高周波誘導加熱や
抵抗加熱による蒸着法、イオンプレーティング法、電界
蒸着法、スパッタリング法あるいはレーザアブレーショ
ン法等、任意の方法を用いてよい。
【0063】次に、図1に示した磁気記録媒体の製造方
法の一例を説明する。一例として、厚さ10μm、幅1
50mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムからなる非磁性支持体1の片面に、アクリル酸エス
テルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させたエマ
ルジョン溶液を塗布し、粒子密度107 個/mm2 程度
の表面突起を有する非磁性下層を形成した。この下塗り
層は省略しても差し支えない。またPETフィルム中に
シリカ微粒子を内添して表面突起を形成してもよい。次
に下塗り層あるいは非磁性支持体上に、磁気記録層2を
形成した。蒸着条件の一例を下記に示す。 蒸着用インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 走行速度 25 m/min 酸素導入量 3.3〜4.0×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この磁気記録層2の磁気特性は、蒸着チャンバ内に酸素
を導入することにより保磁力Hc=110kA/m、残
留磁束密度Br=0.45Tに調整された。
法の一例を説明する。一例として、厚さ10μm、幅1
50mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィ
ルムからなる非磁性支持体1の片面に、アクリル酸エス
テルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させたエマ
ルジョン溶液を塗布し、粒子密度107 個/mm2 程度
の表面突起を有する非磁性下層を形成した。この下塗り
層は省略しても差し支えない。またPETフィルム中に
シリカ微粒子を内添して表面突起を形成してもよい。次
に下塗り層あるいは非磁性支持体上に、磁気記録層2を
形成した。蒸着条件の一例を下記に示す。 蒸着用インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 走行速度 25 m/min 酸素導入量 3.3〜4.0×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この磁気記録層2の磁気特性は、蒸着チャンバ内に酸素
を導入することにより保磁力Hc=110kA/m、残
留磁束密度Br=0.45Tに調整された。
【0064】バックコート層の形成 次に非磁性支持体の他方の面(裏面)にバックコート層
を形成した。バックコート層は塗布型とし、その塗料
は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリウレタンを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/1/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を有機バインダに対して10重量部添
加した。この塗料を走行速度150m/secのグラビ
アコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるように
塗布した。
を形成した。バックコート層は塗布型とし、その塗料
は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリウレタンを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/1/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を有機バインダに対して10重量部添
加した。この塗料を走行速度150m/secのグラビ
アコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるように
塗布した。
【0065】トップコート層の形成 以下の各実施例で採用した潤滑剤組成物をヘキサンに溶
解し、この溶液を磁気記録層上に2mg/m2 の面密度
となるようにグラビアコーティングした。このとき、パ
ーフルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部
に対する高級脂肪酸の添加量を0.5重量部一定とし
た。乾燥後、これを8mm幅に裁断し、カセットに収納
して磁気記録媒体を完成した。
解し、この溶液を磁気記録層上に2mg/m2 の面密度
となるようにグラビアコーティングした。このとき、パ
ーフルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部
に対する高級脂肪酸の添加量を0.5重量部一定とし
た。乾燥後、これを8mm幅に裁断し、カセットに収納
して磁気記録媒体を完成した。
【0066】〔実施例1〕両末端に水酸基を持つパーフ
ルオロポリエーテルHOCH2 CF2 (OC2 F4 )p
(OCF2 )q OCF2 CH2 OH(分子量約2,00
0)を、長鎖炭化水素基R1 を有するカルボン酸として
C17H35COOHを、そして炭化水素基R2 を有するカ
ルボン酸として同じくC17H35COOHを選び、エステ
ル化反応により、両末端に水酸基を持つパーフルオロポ
リエーテルのエステル化合物1を得た(一般式(5)の
化合物)。反応終了後、反応混合物をヘキサンに溶解
し、カラムクロマトグラフィにより精製物を分取した。
この精製物は、赤外分光分析により、カルボン酸の吸収
(1700cm-1)が消失し、変わってエステルの吸収
(1740cm-1)が存在することを確認した。また末
端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸1として、C11
H23COOHを用いた。両者を重量比で100:0.5
の割合で混合して実施例1の潤滑剤組成物を得た。この
潤滑剤組成物により、前述のようにトップコート層を形
成して実施例1の磁気記録媒体を完成した。
ルオロポリエーテルHOCH2 CF2 (OC2 F4 )p
(OCF2 )q OCF2 CH2 OH(分子量約2,00
0)を、長鎖炭化水素基R1 を有するカルボン酸として
C17H35COOHを、そして炭化水素基R2 を有するカ
ルボン酸として同じくC17H35COOHを選び、エステ
ル化反応により、両末端に水酸基を持つパーフルオロポ
リエーテルのエステル化合物1を得た(一般式(5)の
化合物)。反応終了後、反応混合物をヘキサンに溶解
し、カラムクロマトグラフィにより精製物を分取した。
この精製物は、赤外分光分析により、カルボン酸の吸収
(1700cm-1)が消失し、変わってエステルの吸収
(1740cm-1)が存在することを確認した。また末
端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸1として、C11
H23COOHを用いた。両者を重量比で100:0.5
の割合で混合して実施例1の潤滑剤組成物を得た。この
潤滑剤組成物により、前述のようにトップコート層を形
成して実施例1の磁気記録媒体を完成した。
【0067】〔実施例2〜12〕パーフルオロポリエー
テル基Rfおよびその極性基の種類、長鎖炭化水素基R
1 の種類および炭化水素基(水素でもよい)R2 の種類
を変えて、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物
2〜12を得た。これらを、先の実施例1のエステル化
合物1とともに〔表1〕にまとめて示す。なお〔表1〕
の極性基の欄におけるCH2 OCOは、末端に水酸基を
有するパーフルオロポリエーテルのエステル基を示す。
またCOOは、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルのエステル基を示す。
テル基Rfおよびその極性基の種類、長鎖炭化水素基R
1 の種類および炭化水素基(水素でもよい)R2 の種類
を変えて、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物
2〜12を得た。これらを、先の実施例1のエステル化
合物1とともに〔表1〕にまとめて示す。なお〔表1〕
の極性基の欄におけるCH2 OCOは、末端に水酸基を
有するパーフルオロポリエーテルのエステル基を示す。
またCOOは、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルのエステル基を示す。
【0068】
【表1】
【0069】これらパーフルオロポリエーテルのエステ
ル化合物1〜12と組み合わせて用いた高級脂肪酸2〜
5を、先の高級脂肪酸1とともに〔表2〕にまとめて示
す。
ル化合物1〜12と組み合わせて用いた高級脂肪酸2〜
5を、先の高級脂肪酸1とともに〔表2〕にまとめて示
す。
【0070】
【表2】
【0071】またこれらパーフルオロポリエーテルのエ
ステル化合物1〜12と、高級脂肪酸1〜5との組み合
わせで得られる潤滑剤組成物2〜12を、実施例1の潤
滑剤組成物1とともに〔表3〕にまとめて示す。
ステル化合物1〜12と、高級脂肪酸1〜5との組み合
わせで得られる潤滑剤組成物2〜12を、実施例1の潤
滑剤組成物1とともに〔表3〕にまとめて示す。
【0072】
【表3】
【0073】これら潤滑剤組成物2〜12により、実施
例1に準じて実施例2〜12の磁気記録媒体を製造し
た。
例1に準じて実施例2〜12の磁気記録媒体を製造し
た。
【0074】〔比較例1〕分子内にエステル結合による
長鎖の炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテルの
エステル化合物1を単独で潤滑剤とし、その他は実施例
1に準じて比較例1の磁気記録媒体を得た。
長鎖の炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテルの
エステル化合物1を単独で潤滑剤とし、その他は実施例
1に準じて比較例1の磁気記録媒体を得た。
【0075】以上のように作成した実施例1〜12およ
び比較例1の磁気記録媒体につき、摩擦係数、スチル耐
久性およびシャトル耐久性を測定した。測定雰囲気は各
測定とも25℃60%RHの通常雰囲気、40℃80%
RHの高温多湿雰囲気、および−5℃の寒冷雰囲気の3
条件とした。
び比較例1の磁気記録媒体につき、摩擦係数、スチル耐
久性およびシャトル耐久性を測定した。測定雰囲気は各
測定とも25℃60%RHの通常雰囲気、40℃80%
RHの高温多湿雰囲気、および−5℃の寒冷雰囲気の3
条件とした。
【0076】〔摩擦係数の測定〕測定装置の概略を図3
に示す。ステンレス(SUS304)製のガイドピン
(表面性0.1S以下)Dを水平に配置し、この外周面
に角度θにわたって磁気記録媒体Pのトップコート層4
側を案内させる。磁気記録媒体Pの一端に、おもりWを
係合し、このおもりWによりテンションT1をかける。
磁気記録媒体Pの他端は、一定速度Vで移動する力測定
装置Mの検出端に係合し、ガイドピンDと磁気記録媒体
Pとの摺動時のテンションT2の測定をおこなう。この
とき下式の関係が成り立つ。 T2/T1=exp(μ・θ) この式より、摩擦係数μは次の式より求められる。 μ=(1/θ)ln(T2/T1) 実際の測定は、市販のカメラ一体型デジタルビデオレコ
ーダVX−1000(ソニー社製)により各磁気記録媒
体を恒温高湿槽中40℃80%RHの雰囲気で100回
走行させ、W=10gf、θ=90°、V=20mm/
secの条件を採用した。
に示す。ステンレス(SUS304)製のガイドピン
(表面性0.1S以下)Dを水平に配置し、この外周面
に角度θにわたって磁気記録媒体Pのトップコート層4
側を案内させる。磁気記録媒体Pの一端に、おもりWを
係合し、このおもりWによりテンションT1をかける。
磁気記録媒体Pの他端は、一定速度Vで移動する力測定
装置Mの検出端に係合し、ガイドピンDと磁気記録媒体
Pとの摺動時のテンションT2の測定をおこなう。この
とき下式の関係が成り立つ。 T2/T1=exp(μ・θ) この式より、摩擦係数μは次の式より求められる。 μ=(1/θ)ln(T2/T1) 実際の測定は、市販のカメラ一体型デジタルビデオレコ
ーダVX−1000(ソニー社製)により各磁気記録媒
体を恒温高湿槽中40℃80%RHの雰囲気で100回
走行させ、W=10gf、θ=90°、V=20mm/
secの条件を採用した。
【0077】〔スチル耐久性〕VX−1000を用い、
磁気記録媒体に記録された基準信号をスチルモードで再
生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下す
るまでの時間を測定した。
磁気記録媒体に記録された基準信号をスチルモードで再
生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下す
るまでの時間を測定した。
【0078】〔シャトル耐久性〕同じくVX−1000
を用い、磁気記録媒体に記録された基準信号をシャトル
再生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下
するまでのシャトル回数を測定した。
を用い、磁気記録媒体に記録された基準信号をシャトル
再生し、再生出力が初期再生出力に比較して3dB低下
するまでのシャトル回数を測定した。
【0079】これらの測定結果を、〔表4〕にまとめて
示す。
示す。
【0080】
【表4】
【0081】〔表4〕の測定結果より、本発明の潤滑剤
組成物を採用した実施例1〜12の磁気記録媒体は、比
較例1の磁気記録媒体と比較して、いずれもすべての測
定雰囲気下で低い摩擦係数を示した。また実施例の磁気
記録媒体は、スチル耐久性が120分超、シャトル耐久
性が150回超といずれも優れた値を示したが、比較例
1の磁気記録媒体は40℃80%RHの高温多湿雰囲気
でシャトル耐久性がやや劣化し、また−5℃の寒冷雰囲
気ではスチル耐久性およびシャトル耐久性ともに不満足
な結果であった。
組成物を採用した実施例1〜12の磁気記録媒体は、比
較例1の磁気記録媒体と比較して、いずれもすべての測
定雰囲気下で低い摩擦係数を示した。また実施例の磁気
記録媒体は、スチル耐久性が120分超、シャトル耐久
性が150回超といずれも優れた値を示したが、比較例
1の磁気記録媒体は40℃80%RHの高温多湿雰囲気
でシャトル耐久性がやや劣化し、また−5℃の寒冷雰囲
気ではスチル耐久性およびシャトル耐久性ともに不満足
な結果であった。
【0082】〔実施例13〕以上の実施例および比較例
は金属薄膜型磁気記録媒体の例であったが、本発明の潤
滑剤組成物は塗布型の磁気記録媒体、特に金属磁性粉末
を用いた塗布型の高密度磁気記録媒体に適用しても優れ
た走行性の向上効果等が得られる。塗布型磁気記録テー
プの層構成は、図示を省略するがポリエチレンテレフタ
レート等からなる非磁性支持体上に金属磁性粉末を含有
する磁性塗料を塗布して磁気記録層を形成し、この磁気
記録層上にトップコート層を形成した基本層構成を有す
るものである。この基本層構成に加えて、必要に応じて
保護層、バックコート層や中間層を形成してもよい。
は金属薄膜型磁気記録媒体の例であったが、本発明の潤
滑剤組成物は塗布型の磁気記録媒体、特に金属磁性粉末
を用いた塗布型の高密度磁気記録媒体に適用しても優れ
た走行性の向上効果等が得られる。塗布型磁気記録テー
プの層構成は、図示を省略するがポリエチレンテレフタ
レート等からなる非磁性支持体上に金属磁性粉末を含有
する磁性塗料を塗布して磁気記録層を形成し、この磁気
記録層上にトップコート層を形成した基本層構成を有す
るものである。この基本層構成に加えて、必要に応じて
保護層、バックコート層や中間層を形成してもよい。
【0083】磁性塗料の作製例を下記に示す。 磁性粉末 100 重量部 (Fe系金属磁性粉末、保磁力160kA/m、飽和磁
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メエチルエチルケトン 150 重量部 メエチルイソブチルケトン 150 重量部 この組成物を基本組成とし、ボールミルにて24時間混
合してからフィルタを通して取り出し、更に硬化剤とし
てポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を4重量部添加してさらに30分間撹拌して磁性
塗料を得た。
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 メエチルエチルケトン 150 重量部 メエチルイソブチルケトン 150 重量部 この組成物を基本組成とし、ボールミルにて24時間混
合してからフィルタを通して取り出し、更に硬化剤とし
てポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を4重量部添加してさらに30分間撹拌して磁性
塗料を得た。
【0084】この磁性塗料を12μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布し、磁場配向後、乾燥
して巻き取った。乾燥後に形成された磁気記録層の厚さ
は3μmであった。磁気記録層にカレンダ処理を施した
後、この磁気記録層表面に〔表3〕に示した潤滑剤組成
物1をエタノールおよびn−ヘキサンの混合溶媒に溶解
したトップコート溶液を塗布し、トップコート層を形成
した。塗布量は乾燥後で2mg/m2 となるようにし
た。この試料を8mm幅に裁断し、カセットに収納して
実施例13の塗布型磁気記録媒体を得た。
テレフタレートフィルム上に塗布し、磁場配向後、乾燥
して巻き取った。乾燥後に形成された磁気記録層の厚さ
は3μmであった。磁気記録層にカレンダ処理を施した
後、この磁気記録層表面に〔表3〕に示した潤滑剤組成
物1をエタノールおよびn−ヘキサンの混合溶媒に溶解
したトップコート溶液を塗布し、トップコート層を形成
した。塗布量は乾燥後で2mg/m2 となるようにし
た。この試料を8mm幅に裁断し、カセットに収納して
実施例13の塗布型磁気記録媒体を得た。
【0085】〔実施例14〜22〕潤滑剤組成物とし
て、〔表3〕に示した潤滑剤組成物2〜10を用い、そ
の他は前実施例13に準じて、実施例14〜22の塗布
型磁気記録媒体を得た。
て、〔表3〕に示した潤滑剤組成物2〜10を用い、そ
の他は前実施例13に準じて、実施例14〜22の塗布
型磁気記録媒体を得た。
【0086】〔比較例2〕分子内にエステル結合による
長鎖の炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテルの
エステル化合物1を単独で潤滑剤とし、その他は実施例
13に準じて比較例2の塗布型磁気記録媒体を得た。
長鎖の炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテルの
エステル化合物1を単独で潤滑剤とし、その他は実施例
13に準じて比較例2の塗布型磁気記録媒体を得た。
【0087】以上のように作成した実施例13〜22お
よび比較例2の塗布型磁気記録媒体につき、摩擦係数、
スティックスリップ特性およびドロップアウト特性を測
定した。このうち、スティックスリップ特性は静止摩擦
係数で判断し、静止摩擦係数が0.6を超えるものを
×、0.6以下のものを○で表した。またドロップアウ
ト特性は、3分の再生時間中に−10dB以上かつ3μ
sec以上の再生出力低下(ドロップアウト)が起きる
回数で評価した。
よび比較例2の塗布型磁気記録媒体につき、摩擦係数、
スティックスリップ特性およびドロップアウト特性を測
定した。このうち、スティックスリップ特性は静止摩擦
係数で判断し、静止摩擦係数が0.6を超えるものを
×、0.6以下のものを○で表した。またドロップアウ
ト特性は、3分の再生時間中に−10dB以上かつ3μ
sec以上の再生出力低下(ドロップアウト)が起きる
回数で評価した。
【0088】これらの測定は、トップコート層形成直後
の初期耐久性、および40℃80%RHの雰囲気で30
日間保存した保存後耐久性について評価した。これらの
測定結果を〔表5〕(初期耐久性)および〔表6〕(保
存後耐久性)に示す。
の初期耐久性、および40℃80%RHの雰囲気で30
日間保存した保存後耐久性について評価した。これらの
測定結果を〔表5〕(初期耐久性)および〔表6〕(保
存後耐久性)に示す。
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】〔表5〕(初期耐久性)および〔表6〕
(保存後耐久性)の測定結果から、実施例の塗布型磁気
記録媒体はいずれも比較例2の塗布型磁気記録媒体より
低い摩擦係数を示す。またスティックスリップ特性は各
実施例、比較例2ともに初期特性は問題ないものの、保
存後の比較例2はスティックスリップ特性を満足しな
い。さらにドロップアウト特性は比較例2は特に保存後
に急増し、使用上問題があることが判る。
(保存後耐久性)の測定結果から、実施例の塗布型磁気
記録媒体はいずれも比較例2の塗布型磁気記録媒体より
低い摩擦係数を示す。またスティックスリップ特性は各
実施例、比較例2ともに初期特性は問題ないものの、保
存後の比較例2はスティックスリップ特性を満足しな
い。さらにドロップアウト特性は比較例2は特に保存後
に急増し、使用上問題があることが判る。
【0092】〔実施例23〜26〕以下の実施例23〜
26および参考例1は、パーフルオロポリエーテルのエ
ステル化合物と高級脂肪酸との混合比を変えて潤滑剤組
成物を調製し、これらによるトップコート層を形成した
金属薄膜型磁気記録媒体の特性を評価した。パーフルオ
ロポリエーテルのエステル化合物は〔表1〕のエステル
化合物1を用い、高級脂肪酸は〔表2〕の高級脂肪酸1
を用いた。これらの混合比を変えた以外は実施例1に準
じて金属薄膜型の磁気記録媒体を作成した。両者の混合
比は、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物10
0重量部に対し、高級脂肪酸0.01重量部、0.2重
量部、1重量部そして2重量部とした。
26および参考例1は、パーフルオロポリエーテルのエ
ステル化合物と高級脂肪酸との混合比を変えて潤滑剤組
成物を調製し、これらによるトップコート層を形成した
金属薄膜型磁気記録媒体の特性を評価した。パーフルオ
ロポリエーテルのエステル化合物は〔表1〕のエステル
化合物1を用い、高級脂肪酸は〔表2〕の高級脂肪酸1
を用いた。これらの混合比を変えた以外は実施例1に準
じて金属薄膜型の磁気記録媒体を作成した。両者の混合
比は、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物10
0重量部に対し、高級脂肪酸0.01重量部、0.2重
量部、1重量部そして2重量部とした。
【0093】〔参考例1〕同じくパーフルオロポリエー
テルのエステル化合物は〔表1〕のエステル化合物1を
用い、高級脂肪酸は〔表2〕の高級脂肪酸1を用いた
が、その混合比は好ましい混合比を超え、パーフルオロ
ポリエーテルのエステル化合物100重量部に対して5
重量部とした。この他は実施例1に準じて、参考例1の
薄膜型の磁気記録媒体を作成した。
テルのエステル化合物は〔表1〕のエステル化合物1を
用い、高級脂肪酸は〔表2〕の高級脂肪酸1を用いた
が、その混合比は好ましい混合比を超え、パーフルオロ
ポリエーテルのエステル化合物100重量部に対して5
重量部とした。この他は実施例1に準じて、参考例1の
薄膜型の磁気記録媒体を作成した。
【0094】以上作成した実施例23〜26の磁気記録
媒体、および参考例1の磁気記録媒体につき、実施例1
と同様に摩擦係数、スチル耐久性、シャトル耐久性、お
よび実施例13と同様にドロップアウト特性(初期特
性)を評価した。測定結果を〔表7〕に示す。
媒体、および参考例1の磁気記録媒体につき、実施例1
と同様に摩擦係数、スチル耐久性、シャトル耐久性、お
よび実施例13と同様にドロップアウト特性(初期特
性)を評価した。測定結果を〔表7〕に示す。
【0095】
【表7】
【0096】〔表7〕の測定結果から、望ましい混合範
囲の実施例23〜26の磁気記録媒体は、摩擦係数、ス
チル耐久性、シャトル耐久性、およびドロップアウト特
性ともに優れた測定結果を示す。好ましい混合範囲を超
えた参考例1の磁気記録媒体は、摩擦係数、スチル耐久
性およびシャトル耐久性については問題ないものの、ド
ロップアウト特性がやや増大する傾向がある。これらの
結果から、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物
100重量部に対する高級脂肪酸の添加範囲は、0.0
1重量部以上2重量部以下が好ましいことが明らかであ
る。
囲の実施例23〜26の磁気記録媒体は、摩擦係数、ス
チル耐久性、シャトル耐久性、およびドロップアウト特
性ともに優れた測定結果を示す。好ましい混合範囲を超
えた参考例1の磁気記録媒体は、摩擦係数、スチル耐久
性およびシャトル耐久性については問題ないものの、ド
ロップアウト特性がやや増大する傾向がある。これらの
結果から、パーフルオロポリエーテルのエステル化合物
100重量部に対する高級脂肪酸の添加範囲は、0.0
1重量部以上2重量部以下が好ましいことが明らかであ
る。
【0097】以上、本発明の潤滑剤組成物およびこれを
用いた情報記録媒体につき詳細な説明を加えたが、これ
らは単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限
定されるものではない。
用いた情報記録媒体につき詳細な説明を加えたが、これ
らは単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限
定されるものではない。
【0098】本発明の潤滑剤組成物は、磁気記録層上に
高硬度の保護層が形成された磁気記録層にも好適であ
る。保護層の一例としてDLC (Diamond Like Carbon)
をロールツーロール方式のマグネトロンスパッタリング
法により形成する場合のスパッタリング条件を次に示
す。 初期真空度 1×10-4 Pa 蒸着時真空度 8×10-1 Pa 印加電圧 3000 V 膜厚 7 nm DLCはこの他にもCH4 等の炭化水素ガスを用いたプ
ラズマCVD法等によって形成することもできる。
高硬度の保護層が形成された磁気記録層にも好適であ
る。保護層の一例としてDLC (Diamond Like Carbon)
をロールツーロール方式のマグネトロンスパッタリング
法により形成する場合のスパッタリング条件を次に示
す。 初期真空度 1×10-4 Pa 蒸着時真空度 8×10-1 Pa 印加電圧 3000 V 膜厚 7 nm DLCはこの他にもCH4 等の炭化水素ガスを用いたプ
ラズマCVD法等によって形成することもできる。
【0099】なお本発明の潤滑剤組成物は、磁気記録媒
体以外にも、ニアフィールド方式の光ディスクや光磁気
ディスク等の情報記録媒体にも好適に使用できる。
体以外にも、ニアフィールド方式の光ディスクや光磁気
ディスク等の情報記録媒体にも好適に使用できる。
【0100】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の潤滑剤組成物によれば、それぞれの潤滑特性および耐
久性を補完しあい、被塗布表面の摩擦係数を低減すると
ともに、その耐久性を向上する。
の潤滑剤組成物によれば、それぞれの潤滑特性および耐
久性を補完しあい、被塗布表面の摩擦係数を低減すると
ともに、その耐久性を向上する。
【0101】また本発明の情報記録媒体は、情報記録層
上に形成あるいは内添された特定組み合わせの滑剤組成
物を含むトップコート層により、走行性、耐久性、ドロ
ップアウト特性等を向上することができる。
上に形成あるいは内添された特定組み合わせの滑剤組成
物を含むトップコート層により、走行性、耐久性、ドロ
ップアウト特性等を向上することができる。
【図1】本発明の情報記録媒体を磁気記録媒体に適用し
た例の概略断面図である。
た例の概略断面図である。
【図2】金属薄膜型磁気記録層形成用の蒸着装置の一例
を示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
【図3】摩擦係数測定装置の一例を示す概略断面図であ
る。
る。
1…非磁性支持体、2…磁気記録層、3…保護層、4…
トップコート層、5…バックコート層、11…チャン
バ、12…サプライロール、13…冷却キャン、14…
テイクアップロール、15…ガイドロール、16…ハー
ス、17…磁性粒子ビーム、18…電子ビーム発生源、
19…電子ビーム、20…電磁石、21…入射角規制マ
スク
トップコート層、5…バックコート層、11…チャン
バ、12…サプライロール、13…冷却キャン、14…
テイクアップロール、15…ガイドロール、16…ハー
ス、17…磁性粒子ビーム、18…電子ビーム発生源、
19…電子ビーム、20…電磁石、21…入射角規制マ
スク
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式(1)および一般式(2)の
いずれか少なくとも一方で示される、末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルのエステル化合
物と、 下記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を
有する高級脂肪酸とを含むことを特徴とする潤滑剤組成
物。 Rf −COOR1 (1) R1 OCO−Rf −COOR2 (2) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。) - 【請求項2】 前記末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部に
対する、前記末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸
の添加量は、0.01重量部以上2重量部以下であるこ
とを特徴とする請求項1記載の潤滑剤組成物。 - 【請求項3】 下記一般式(4)および一般式(5)の
いずれか少なくとも一方で示される、末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルのエステル化合物と、 下記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を
有する高級脂肪酸とを含むことを特徴とする潤滑剤組成
物。 Rf −CH2 OCOR1 (4) R1 COOCH2 −Rf −CH2 OCOR2 (5) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。) - 【請求項4】 前記末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルのエステル化合物100重量部に対する、
前記末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸の添加量
は、0.01重量部以上2重量部以下であることを特徴
とする請求項3記載の潤滑剤組成物。 - 【請求項5】 非磁性支持体上に情報記録層を有する情
報記録媒体であって、 前記情報記録層上および前記情報記録層内部のいずれか
少なくとも一方には、 下記一般式(1)および一般式(2)のいずれか少なく
とも一方で示される、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルのエステル化合物と、 下記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を
有する高級脂肪酸とを含む潤滑剤組成物を有することを
特徴とする情報記録媒体。 Rf −COOR1 (1) R1 OCO−Rf −COOR2 (2) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。) - 【請求項6】 前記末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルのエステル化合物100重量部に
対する、前記末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸
の添加量は、0.01重量部以上2重量部以下であるこ
とを特徴とする請求項5記載の情報記録媒体。 - 【請求項7】 非磁性支持体上に情報記録層を有する情
報記録媒体であって、 前記情報記録層上および前記情報記録層内部のいずれか
少なくとも一方には、 下記一般式(4)および一般式(5)のいずれか少なく
とも一方で示される、末端に水酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテルのエステル化合物と、 下記一般式(3)で示される、末端にカルボキシル基を
有する高級脂肪酸とを含む潤滑剤組成物を有することを
特徴とする情報記録媒体。 Rf −CH2 OCOR1 (4) R1 COOCH2 −Rf −CH2 OCOR2 (5) R1 −COOH (3) (ただし、Rf はパーフルオロポリエーテル基を、R1
は長鎖炭化水素基を、R2 は水素および炭化水素基のい
ずれか一方をそれぞれ表す。) - 【請求項8】 前記末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルのエステル化合物100重量部に対する、
前記末端にカルボキシル基を有する高級脂肪酸の添加量
は、0.01重量部以上2重量部以下であることを特徴
とする請求項7記載の情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28562098A JP2000109864A (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | 潤滑剤組成物およびこれを用いた情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28562098A JP2000109864A (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | 潤滑剤組成物およびこれを用いた情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000109864A true JP2000109864A (ja) | 2000-04-18 |
Family
ID=17693897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28562098A Pending JP2000109864A (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | 潤滑剤組成物およびこれを用いた情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000109864A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104884593A (zh) * | 2012-12-28 | 2015-09-02 | 迪睿合电子材料有限公司 | 离子液体、润滑剂以及磁记录介质 |
-
1998
- 1998-10-07 JP JP28562098A patent/JP2000109864A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104884593A (zh) * | 2012-12-28 | 2015-09-02 | 迪睿合电子材料有限公司 | 离子液体、润滑剂以及磁记录介质 |
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