JPH07291837A - 化粧料用粒子およびその製造方法 - Google Patents

化粧料用粒子およびその製造方法

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JPH07291837A
JPH07291837A JP9261394A JP9261394A JPH07291837A JP H07291837 A JPH07291837 A JP H07291837A JP 9261394 A JP9261394 A JP 9261394A JP 9261394 A JP9261394 A JP 9261394A JP H07291837 A JPH07291837 A JP H07291837A
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藤 雅 裕 佐
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の化粧料用粒子は、有機系紫外線吸収
剤を含有する(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン
系樹脂からなる芯材部と、該芯材部の表面に形成された
有機系紫外線吸収剤を含有しない(メタ)アクリル系樹
脂あるいはスチレン系樹脂からなる表層部とを有してい
る。この化粧料用粒子は、有機系紫外線吸収剤を、(メ
タ)アクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂を形成する
モノマーに予め溶解させた後、水性媒体に分散させて重
合反応を行い、次いで水性媒体中にモノマーを追加して
添加して重合させることにより製造できる。 【効果】 本発明の化粧料用粒子は、紫外線吸収剤の溶
出が少なく皮膚刺激が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、化粧料に配合されること
により皮膚に有害な紫外線を吸収して皮膚を保護する樹
脂粒子からなる化粧料用粒子およびその粒子を製造する
方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】太陽光線中には、人の皮膚に紅斑
(サンバーン)を起こすと共に、シミ、そばかすなどの
原因になる紫外線が含まれており、こうした紫外線を遮
蔽あるいは吸収するために紫外線吸収剤を含有する化粧
料が使用されている。
【0003】紫外線吸収剤には、紫外線を遮蔽する二酸
化チタン、酸化亜鉛および酸化鉄等の無機顔料と、紫外
線を吸収する有機系紫外線吸収剤とがある。上記無機顔
料は、皮膚を隠蔽して紫外線を遮蔽するものであり、こ
のような無機顔料を皮膚に塗布すると白化あるいは着色
するために、化粧料に多量に配合することはできない。
【0004】これに対して有機系の紫外線吸収剤は、皮
膚を隠蔽することなく紫外線を吸収するために白化ある
いは着色という問題が生ずることがない。こうした理由
から、近年、紫外線吸収剤として有機系紫外線吸収剤を
使用することが多くなってきている。
【0005】しかしながら、有機系の紫外線吸収剤に
は、皮膚に対して刺激性のあるものもあり、そのまま他
の化粧品基材と混合して使用すると、皮膚を刺激するこ
とがある。
【0006】そこで、このような有機系の紫外線吸収剤
を皮膚とが直接接することを防止するために、紫外線吸
収剤を樹脂粒子の内部に分散して拘束して使用すること
が提案されている。たとえば特公昭62-51931号、特開昭
62-198612号公報等に、こうした有機系の紫外線吸収剤
を内包する樹脂粒子が開示されている。
【0007】このように有機系紫外線吸収剤を樹脂粒子
中に拘束することにより、紫外線吸収剤が直接皮膚と接
触しにくくなり、紫外線吸収剤を直接配合した化粧品よ
りも刺激性が低減される。従って、このように内部に紫
外線吸収剤を拘束した樹脂粒子を使用すれば、紫外線吸
収剤による皮膚刺激はなくなるはずであるが、実際にこ
のような樹脂粒子を使用しても依然として紫外線吸収剤
により皮膚が刺激されることがある。
【0008】本発明者は、こうした有機系の紫外線吸収
剤を内包する樹脂粒子を含有する化粧品の皮膚刺激性に
ついて検討した結果、特に、化粧品基材が油剤である場
合に皮膚刺激性が高くなる傾向があるとの知見を得た。
【0009】上記のような樹脂粒子は海綿状多孔質構造
を有しており、紫外線吸収剤はこうした構造を有する樹
脂粒子の樹脂層全体に均一に分布している。即ち、こう
した樹脂粒子は、反応媒体中に反応性モノマーと紫外線
吸収剤と分散させて乳化重合あるいは懸濁重合により製
造されており、反応性モノマーが重合する際に紫外線吸
収剤を巻き込みながら重合することにより紫外線吸収剤
が海綿状多孔質構造の樹脂粒子中に拘束される。従っ
て、樹脂粒子の表面と樹脂粒子内部とで紫外線吸収剤の
濃度勾配はほとんど変化しない。
【0010】ところが、このような樹脂粒子は海綿状多
孔質構造を有しており、かつ紫外線吸収剤は親油性が高
いことから、このような樹脂粒子を化粧料として使用す
ると、樹脂粒子表面の多孔部分から油性の化粧品基材が
樹脂粒子内部に浸透して紫外線吸収剤を溶出させ、こう
して溶出された紫外線吸収剤が皮膚を刺激するのである
との問題を有していた。
【0011】
【発明の目的】本発明は、紫外線吸収作用を低下させる
ことなく、有機系紫外線吸収剤による皮膚への刺激を少
なくした樹脂粒子を提供することを目的としている。
【0012】さらに、本発明は、このように良好な紫外
線吸収作用を有すると共に、有機系紫外線吸収剤による
皮膚刺激の少ない樹脂粒子を製造する方法を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明の化粧料用粒子は、有機系紫外線
吸収剤を含有する(メタ)アクリル系樹脂および/また
はスチレン系樹脂からなる芯材部と、該芯材部の表面に
形成された有機系紫外線吸収剤を含有しない(メタ)ア
クリル系樹脂および/またはスチレン系樹脂からなる表
層部とを有することを特徴としている。
【0014】また、本発明の化粧料用粒子の製造方法
は、有機系紫外線吸収剤を芯材である(メタ)アクリル
系樹脂および/またはスチレン系樹脂を形成するモノマ
ーに溶解させた後、該有機系紫外線吸収剤含有モノマー
を水性媒体に分散させて重合反応を行い、次いで該水性
媒体中に(メタ)アクリル系樹脂および/またはスチレ
ン系樹脂を形成するモノマーを追加して添加して、上記
工程で生成したポリマー粒子の表面に追加して添加した
(メタ)アクリル系樹脂および/またはスチレン系樹脂
を形成するモノマーを重合させることを特徴としてい
る。
【0015】本発明の化粧料用粒子は、芯材部と表層部
とからなる層構造を有しており、さらにこの樹脂粒子
は、透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチ
レン系樹脂から形成されている。そして、この樹脂粒子
において、表層部には有機系紫外線吸収剤は含有されて
おらず、有機系紫外線吸収剤は芯材部に含有されてい
る。従って、この樹脂粒子が油性化粧品基材と接触して
も、有機系紫外線吸収剤が含有される芯材部にまで油性
基材が浸透しにくく、有機系紫外線吸収剤が実質的に樹
脂粒子の外部に溶出されない。従って本発明の粒子を含
有する化粧料は、皮膚刺激が少ない。
【0016】このように本発明の化粧料用粒子を含有す
る化粧料では、皮膚刺激が低減されるが、透明性の高い
(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂を使用
することにより、紫外線は粒子の芯材部で確実に吸収さ
れるので、同量の有機系紫外線吸収剤を含有する化粧料
と同等の紫外線吸収作用を有する。
【0017】このような本発明の化粧料用粒子は、従来
の樹脂粒子を製造する方法のように反応性モノマーと有
機系紫外線吸収剤とを個別に水性媒体に分散させるので
はなく、有機系紫外線吸収剤を芯材部を形成する(メ
タ)アクリル系モノマーおよび/またはスチレン系モノ
マーに予め溶解させた後、この有機系紫外線吸収剤を含
有する(メタ)アクリル系モノマーおよび/またはスチ
レン系モノマーを水性媒体に分散させて有機系紫外線吸
収剤を析出させながら重合させることにより、まず有機
系紫外線吸収剤を内包する芯材部を形成し、次いでこの
水性媒体中に新たに(メタ)アクリル系モノマーおよび
/またはスチレン系モノマーを投入して表層部を形成す
ることにより効率よく製造することができる。
【0018】
【発明の具体的説明】次に本発明の化粧料用粒子および
その製造方法について具体的に説明する。本発明の化粧
料用粒子は、芯材部とこの芯材部の表面に形成された表
層部とからなる。
【0019】この芯材部は、(メタ)アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂とスチレン系
樹脂との混合樹脂、または、(メタ)アクリル系モノマ
ーとスチレン系モノマーとの共重合体で形成されてお
り、かつこの芯材部には、有機系紫外線吸収剤が内包さ
れている。
【0020】この芯材部を形成する(メタ)アクリル系
樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの(共)重
合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステル系のモノマ
ーと他のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
【0021】ここで(メタ)アクリル酸エステル系のモ
ノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2-プロピル(メタ)アクリレート、クロロ
-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノ
ル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0022】また、本発明の化粧料用粒子の芯材を形成
するスチレン系モノマーの具体的な例としては、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチ
ルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキ
シルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレ
ン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチ
レン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチ
レンおよびクロルメチルスチレンなどのハロゲン化スチ
レン;ならびに、ニトロスチレン、アセチルスチレンお
よびメトキシスチレンを挙げることができる。
【0023】芯材は、上記のような(メタ)アクリル系
樹脂またはスチレン系樹脂のいずれかの樹脂単独で形成
されていることが好ましいが、これらの樹脂からなる組
成物から形成されていてもよい。また、上記(メタ)ア
クリル酸エステル系のモノマーとスチレン系のモノマー
との共重合体であってもよい。
【0024】さらに、この(メタ)アクリル系樹脂また
はスチレン系樹脂には、上記のような(メタ)アクリル
酸エステル系のモノマーおよび/またはスチレン系のモ
ノマーと共重合可能な他のモノマーが共重合していても
よい。
【0025】上記のような(メタ)アクリル酸エステル
系のモノマーあるいはスチレン系モノマーと共重合可能
な他のモノマーの例としては、ビニル系モノマー、不飽
和カルボン酸モノマーを挙げることができる。
【0026】ここでビニル系モノマーの具体的な例とし
ては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカル
バゾール、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジ
エン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモ
ノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデンを挙
げることができる。
【0027】また、不飽和カルボン酸モノマーの具体的
な例としては、(メタ)アクリル酸、α-エチル(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、α-メチルクロトン酸、
α-エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸お
よびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカル
ボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸
等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げること
ができる。
【0028】さらに、上記(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体には、必要により2官能性あるいは多官能性
モノマーが共重合していてもよい。2官能あるいは多官
能性モノマーの例としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、1,1,1-トリヒドロキシメチルエタントリアクリレー
ト、1,1,1-トリスヒドロキシメチルメチルエタントリア
クリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパント
リアクリレートおよびビニルベンゼンを挙げることがで
きる。
【0029】芯材粒子が(メタ)アクリル系樹脂の場
合、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの単独重合
体が好ましいが、これに限らず、(メタ)アクリル酸エ
ステル系モノマーを、通常は20〜100重量部、好ま
しくは40〜100重量部、スチレン系モノマーを、通
常は0〜80重量部、好ましくは0〜60重量部、2官
能あるいは多官能モノマーを、通常は0〜20重量部、
好ましくは0〜15重量部、ビニル系モノマーを、通常
は0〜50重量部、不飽和カルボン酸モノマーを通常は
0〜50重量部の量で(共)重合させた共重合体が使用
できる可能性を有している。
【0030】また、芯材粒子がスチレン系樹脂の場合、
スチレン系モノマーの単独共重合体が好ましいが、これ
に限らず、スチレン系モノマーを、通常は20〜100
重量部、好ましくは40〜100重量部、(メタ)アク
リル酸エステル系モノマーを、通常は0〜80重量部、
好ましくは0〜60重量部、2官能あるいは多官能モノ
マーを、通常は0〜20重量部、好ましくは0〜15重
量部、ビニル系モノマーを、通常は0〜50重量部、不
飽和カルボン酸モノマーを通常は0〜50重量部の量で
(共)重合させた共重合体が使用できる可能性を有して
いる。
【0031】また、芯材粒子が(メタ)アクリル酸エス
テル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体であ
る場合、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが、通
常は20〜80重量部、好ましくは40〜60重量部、
スチレン系モノマーが、通常は20〜80重量部、好ま
しくは40〜60重量部の量で共重合した共重合体を使
用することが可能であるが、さらにこの共重合体とし
て、2官能あるいは多官能モノマーを、通常は0〜20
重量部、好ましくは0〜15重量部、ビニル系モノマー
を、通常は0〜50重量部、不飽和カルボン酸モノマー
を通常は0〜50重量部の量で(共)重合させた共重合
対が使用できる可能性を有している。
【0032】さらに(メタ)アクリル酸エステル系モノ
マーを単独で重合させたポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル重合体、あるいは、複数の種類の(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーを共重合させたポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体が特に好ましく、また、スチレン
系モノマーを単独で重合させたポリスチレン樹脂、ある
いは複数の種類のスチレン系モノマーを共重合させたポ
リスチレン共重合体が特に好ましい。
【0033】この芯材部には、有機系紫外線吸収剤が内
包されている。本発明では、有機系紫外線吸収剤とし
て、4-tert-ブチル-4'-メトキシ-ジベンゾイルメタン、
p-ジメチルアミノ安息香酸オクチル、次式で示されるよ
うなグリセリンのp-メトキシケイ皮酸エステル、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2(2'-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの有効性が
特に高い。
【0034】
【化1】
【0035】ここで4-tert-ブチル-4'-メトキシ-ジベン
ゾイルメタンは320〜400nmのA波長の紫外線を吸
収する能力が高く、p-ジメチルアミノ安息香酸オクチ
ル、上記式で表されるグリセリンのp-メトキシケイ皮酸
エステル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンは
280〜320nmのB波長の紫外線を吸収する能力が高
く、また2(2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールは上記A波長およびB波長の両者にわたる紫
外線を吸収する能力が高い。
【0036】本発明では、上記のような有機系紫外線吸
収剤を単独で使用することもできるし、さらに2種類以
上を組み合わせて使用することもできる。さらに、本発
明では、上記のような紫外線吸収剤のほかに、アミノベ
ンゾエート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収
剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤、ニッ
ケルキレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外
線吸収剤、ウロカニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン
系紫外線吸収剤等の他の紫外線吸収剤を、単独であるい
は上記3種類の有機系紫外線吸収剤と組み合わせて使用
することもできる。さらに、これらの紫外線吸収剤は、
単独であるいは上記の紫外線吸収剤とは別に組み合わせ
て使用することができる。特に本発明では、芯材部を形
成する樹脂を製造するモノマーに可溶な紫外線吸収剤を
用いることが好ましく、特にアミノベンゾエート系紫外
線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シンナメート
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロ
カニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン系紫外線吸収剤
が好ましい。
【0037】ここで使用されるアミノベンゾエート系紫
外線吸収剤の例としては、2-エチルヘキシル-p-ジメチ
ルアミノベンゾエート、アミル-p-ジメチルアミノベン
ゾエート、グリセリル-p-アミノベンゾエート、エチル-
p-ジメチルアミノベンゾエート、エチル-p-ジエチルア
ミノベンゾエートおよびグリセリル-モノ-p-アミノベン
ゾエートを挙げることができる。
【0038】サリチレート系紫外線吸収剤の例として
は、p-tert-ブチルサリチレート、p-オクチルフェニル
サリチレートおよびジプロピレングリコールサリチレー
トを挙げることができる。
【0039】シンナメート系紫外線吸収剤の例として
は、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、2,2'-
ビス-(p-メトキシスチリル)-エチル-p-メトキシシン
ナメート、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート
およびメチル-2,5-ジイソプロピルシンナメートを挙げ
ることができる。
【0040】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例として
は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、ソジウム
-2,2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5-スルホベンゾフ
ェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノンおよび2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-
ジメトキシベンゾフェノンを挙げることができる。
【0041】ウロカニン酸系紫外線吸収剤の例として
は、ウロカニン酸およびウロカニン酸エチルを挙げるこ
とができる。さらに、ビタミン系紫外線吸収剤の例とし
ては、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタ
ミンB2およびビタミンB12を挙げることができる。
【0042】上記紫外線吸収剤は、芯材部に、この芯材
部を形成する樹脂100重量部に対して通常は1〜40
重量部、好ましくは10〜30重量部の量で含有されて
いる。
【0043】この芯材部は、通常は0.05〜15μ
m、好ましくは0.05〜6μmの平均粒子径を有する
樹脂粒子である。本発明の化粧料用粒子には、上記のよ
うに紫外線吸収剤を含有する芯材部の表面に、紫外線吸
収剤を含有しない樹脂層からなる表層部が形成されてい
る。
【0044】この表層は、(メタ)アクリル系樹脂およ
び/またはスチレン系樹脂で形成されており、この表層
部を形成する(メタ)アクリル系樹脂の例としては、上
記芯材部を形成する樹脂と同等の(メタ)アクリル系樹
脂を挙げることができ、また同様にスチレン系樹脂の例
としては、上記芯材部を形成する樹脂と同等のスチレン
系樹脂を挙げることができる。
【0045】この表層部と上述の芯材部とは同一組成の
樹脂で形成されていてもよく、また異なる組成の樹脂で
形成されていてもよい。特に芯材部と同一組成の表層部
を有する粒子は、芯材部と表層部とで屈折率が相違しな
いため、粒子自体に透明感があり、こうした粒子の内1
μm以下の粒子は、例えば体質顔料の表面の少なくとも
一部を被覆することにより、体質顔料を白化させること
なく、体質顔料に紫外線吸収作用を賦与することができ
ると共に、体質顔料の流動性、光沢性等を改善すること
ができる。また、パール顔料を上記のようにして被覆す
ることにより、パール顔料の光沢性および流動性を改善
することができる。
【0046】この表層部は、通常は0.01〜5μm、
好ましくは0.02〜2μmの平均層厚を有している。
この表層部の平均層厚が上記範囲を逸脱して薄いと、芯
材部からの紫外線吸収剤の溶出を有効に防止できないこ
とがあり、また上記範囲を逸脱して厚いと製造が困難に
なる場合が多い。
【0047】このような層構成を有する本発明の化粧料
用粒子は、その平均粒子径が通常は0.06〜20μ
m、好ましくは0.07〜8μmの範囲内にある。本発
明の化粧料用粒子では、紫外線吸収剤が芯材部に含有さ
れており、油性基材等の紫外線吸収剤を溶出させる成分
と接触する樹脂の表面は、紫外線吸収剤を含有していな
い樹脂で被覆されているので、本発明の化粧料用粒子を
油性基材中に配合した場合であっても紫外線吸収剤の溶
出が極めて少ない。他方、この粒子の有する紫外線吸収
作用は、芯材部に含有される紫外線吸収剤によって確保
されるので、同量の紫外線吸収剤を含有する従来の樹脂
粒子と同等の紫外線吸収作用を有する。
【0048】本発明の化粧料用粒子は、例えば有機系紫
外線吸収剤を含有する樹脂粒子を製造し、この樹脂粒子
を樹脂を溶解せず有機系紫外線吸収剤を溶解する溶媒に
浸漬して樹脂粒子の表面近傍にある有機系紫外線吸収剤
を選択的に溶出させることにより、紫外線吸収剤を含有
しない表層部を形成する等の方法により製造することも
可能ではあるが、以下に記載するように、水性媒体中で
有機系紫外線吸収剤を含有する芯材を形成し、次いでこ
の水性媒体中にモノマーを追加して添加して表層部を形
成する方法により容易に本発明の化粧料用粒子を製造す
ることができる。
【0049】すなわち、本発明の化粧料用粒子の製造方
法は、有機系紫外線吸収剤を(メタ)アクリル系樹脂を
形成するモノマーに溶解させた後、この有機系紫外線吸
収剤含有モノマーを水性媒体に微粒子状に分散させて重
合し、得られた粒子にさらに(メタ)アクリル系樹脂を
形成するモノマーを重合させる方法である。
【0050】本発明の方法では、まず芯材部を形成する
モノマーに有機系紫外線吸収剤を配合して有機系紫外線
吸収剤をモノマーに溶解させる。次いで、この有機系紫
外線吸収剤が溶解されたモノマーを水性媒体に分散させ
る。ここで水性媒体としては、通常は水が使用される
が、この水性媒体には、アルコール等の水に可溶な有機
溶媒が混合されていてもよい。
【0051】上記のような有機系紫外線吸収剤が溶解さ
れたモノマーを水性媒体に分散させる際には、乳化剤お
よび分散安定剤等を使用することができる。従って、乳
化重合、ソープフリー乳化重合、懸濁重合またはシード
重合により芯材部を形成することができる。例えば乳化
重合の場合に使用される乳化剤の例としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩;ポリエチレングリコールノニルフェニ
ルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエ
ーテル;ならびに、ビニル基、アクリロイル基およびア
リル基のような反応性基を有する反応性乳化剤等を挙げ
ることができ、また分散安定剤の例としては、ポリビニ
ルアルコールおよびポリアクリル酸塩のような水溶性高
分子化合物を挙げることができる。この乳化剤および分
散安定剤等は、モノマー100重量部に対して通常は
0.1〜5重量部の量で使用される。
【0052】有機系紫外線吸収剤が溶解されたモノマー
は、通常はホモミキサー等の分散装置を用いて水性媒体
中に分散される。さらに、この水性媒体中に、通常は反
応開始剤を分散して重合させる。ここで使用することが
できる反応開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル
等の有機過酸化物、および、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩を挙げることができる。このよ
うな反応開始剤は、モノマー100重量部に対して通常
は0.1〜5重量部の量で使用される。
【0053】上記のようにして水性媒体中に分散された
モノマーを重合させる際には反応容器内を窒素ガスなど
の不活性ガスでパージすることが好ましい。こうして反
応容器内を不活性ガスでパージした後、反応液の温度を
60〜80℃に加熱することにより重合反応が進行す
る。そして、モノマーが重合するにつれてモノマー中に
溶解していた有機系紫外線吸収剤が析出して芯材部を形
成する樹脂によって芯材部に封じ込められる。このよう
にして予めモノマーに紫外線吸収剤を溶解した後、重合
させると、この重合により生成した樹脂粒子の表面部分
における紫外線吸収剤の濃度は、中心部分よりも低くな
る傾向がある。従来のように紫外線吸収剤とモノマーと
を別個に水性媒体に分散させて樹脂粒子を製造すると、
紫外線吸収剤の濃度に上記のような濃淡は発現せず均一
な樹脂粒子が得られる。
【0054】上記のような表面における紫外線吸収剤の
濃度の低いポリマー粒子の表面に表層部を形成すること
により、紫外線吸収剤の溶出量がより低い化粧料用粒子
を製造することができる。
【0055】なお、上記のような反応条件では、この芯
材部を形成するポリマー粒子を製造するのに要する反応
時間は、通常3〜6時間である。本発明の方法では、上
記のようにして一旦芯材部を形成するポリマー粒子を生
成させた後、この水性媒体中にモノマーを追加して添加
し、生成したポリマー粒子の表面に表層部を形成する。
即ち、水性媒体に追加して添加されたモノマーが反応し
て、前段階で生成したポリマー粒子(芯材部)の表面を
被覆するように反応させることにより、有機系紫外線吸
収剤を含有しない表層部を形成することができる。
【0056】具体的には、芯材部を形成するために使用
したモノマー量の100〜300重量%の量の新たなモ
ノマーを水性媒体中に追加して添加し、ホモミキサー等
の攪拌装置等で攪拌する。なお、通常は、この水性媒体
中にさらに反応開始剤を投入する。
【0057】こうして追加添加されたモノマーは、少な
くともその一部が上記工程で生成したポリマー粒子の表
面に付着すると考えられる。こうしてモノマーを追加添
加した後、反応液を60〜80℃に加熱することによ
り、ポリマー粒子の表面にあるモノマーを重合させて表
層部を形成する。なお、この表層部を形成する際の反応
時間は通常は3〜6時間である。
【0058】こうして形成された表層部は、新たに添加
されたモノマー中には紫外線吸収剤が含有されていない
ので、紫外線吸収剤を含有していない。上記のようにし
て表層部を形成した後、濾過、遠心分離等により生成し
た粒子を分離し、さらに乳化剤、分散安定剤および残留
モノマー等を除去するための洗浄することにより、本発
明の化粧料用粒子が得られる。
【0059】このようにして製造した化粧料用粒子は、
水性媒体分散物として提供することもできるし、さらに
水性媒体から分離した後乾燥し、次いでこの乾燥物を解
砕してパウダーとして提供することもできる。
【0060】さらに、上記のような本発明の製造法を実
施する際に、顔料、例えば体質顔料あるいはパール顔料
を共存させて重合反応を行うことにより、顔料の表面が
本発明の化粧料用粒子で被覆された顔料と粒子との複合
体を得ることができる。そして、例えば体質顔料あるい
はパール顔料の共存下に本発明の製造方法を実施する場
合に、体質顔料あるいはパール顔料100重量部に対し
て生成する本発明の化粧料用粒子の量が110重量部以
下、好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは9
8〜5重量部の範囲内になるようにモノマーの量を調整
することにより、体質顔料の表面を、本発明の化粧料用
粒子で不連続に被覆することができる。このように表面
を本発明の化粧料用粒子で不連続に被覆された体質顔料
は、化粧料用粒子の被覆量によって体質顔料の流動性、
光沢性等の特性が改善される。
【0061】本発明の化粧料用粒子は、有機系紫外線吸
収剤を芯材部を形成する樹脂のモノマーに溶解して水性
媒体に分散させ、まず芯材部を形成し、次いで有機系紫
外線吸収剤を含有しないモノマーを追加して添加し、芯
材部の表面にこの追加モノマーを重合させて表層部を形
成することにより製造されるが、紫外線級取材として、
上記のような有機系紫外線紫外線吸収剤と共に、二酸化
チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機系紫
外線遮蔽剤を併用しても良い。このような無機系紫外線
遮蔽剤は、芯材部を形成するモノマーには不溶である
が、モノマー中に微分散させることにより芯材部に安定
に保持させることができる。
【0062】本発明の化粧料用粒子は、そのまま他の原
料と共に配合して使用することができるし、上記のよう
に例えば体質顔料など他の化粧品原料を被覆するなど、
他の化粧品原料の処理剤として使用し、こうして処理さ
れた他の化粧品原料と共に使用することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明の化粧料用粒子は、芯材部と表層
部とからなる層構造を有しており、さらにこの樹脂粒子
は、透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂および/また
はスチレン系樹脂から形成されている。そして、この樹
脂粒子において、表層部には有機系紫外線吸収剤は含有
されておらず、有機系紫外線吸収剤は芯材部に含有され
ている。従って、この樹脂粒子が油性基材と接触して
も、有機系紫外線吸収剤が含有される芯材部にまで油性
基材が浸透しにくく、有機系紫外線吸収剤が実質的に樹
脂粒子の外部に溶出されない。従って本発明の粒子を含
有する化粧料は、皮膚刺激が少ない。
【0064】さらに本発明の化粧料用粒子を含有する化
粧料は、透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂あるいは
スチレン系樹脂を使用することにより、紫外線は粒子の
芯材部で確実に吸収されるので、同量の有機系紫外線吸
収剤を含有する化粧料と同等の紫外線吸収作用を有す
る。
【0065】このような本発明の化粧料用粒子は、有機
系紫外線吸収剤を予め(メタ)アクリル系モノマーある
いはスチレン系モノマーに溶解させた後、この有機系紫
外線吸収剤を含有する(メタ)アクリル系モノマーある
いはスチレン系モノマーを水性媒体に分散させて重合さ
せることにより、まず有機系紫外線吸収剤を内包する芯
材部を形成し、次いでこの水性媒体中に新たに(メタ)
アクリル系モノマーあるいはスチレン系モノマーを投入
して表層部を形成することにより効率よく製造すること
ができる。
【0066】
【実施例】
【0067】
【実施例1】メチルメタクリレート(MMA)100g
に4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(紫
外線吸収剤)20gを完全に溶解させた後、アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)1gを添加し溶解させ
た。
【0068】丸底セパラブルフラスコに精製水500ml
を入れ、ここに乳化剤(アデカソープSE-10N、旭
電化(株)製)1gを添加して充分混合して分散させた。
上記のようにして乳化剤が分散された精製水に、紫外線
吸収剤が溶解されたMMAを添加し、ホモミキサーによ
り乳化した。
【0069】乳化後、窒素ガスでフラスコ内の乳化液を
30分間シールし、その後温度73℃で攪拌しながら5
時間重合反応を行った。5時間経過後、反応液を室温ま
で冷却した。
【0070】こうして反応させて得られた芯材部を形成
するポリマー粒子の平均粒子径は0.8μmであった。
次いで、この反応液に、MMA200gとアゾビスイソ
ブチロニトリル1gを追加添加して、充分に攪拌した
後、再び反応液を73℃に加熱して5時間反応させた。
【0071】反応後、反応液を室温まで冷却し、生成し
た粒子と分散媒とを濾過により分離した。得られた粒子
について水洗・濾過を2回行った。こうして得られた粒
子を乾燥して本発明の化粧料用粒子を得た。
【0072】得られた粒子の平均粒子径は1.0μmで
あり、この粒子には、芯材部の表面に平均厚さ0.2μ
mの表層部が形成されており、この表層部には紫外線吸
収剤は含有されていない。
【0073】得られた化粧用粒子1重量部を、紫外線吸
収剤が可溶であり、かつポリアクリレート樹脂が不溶で
あるエステル油、シリコン油、スクワラン油999重量
部に3分間超音波をかけて分散させ、40℃で24時間
静置した後、上澄み液を分取して、この中に含まれる粒
子を2000rpmで20分間遠心分離することにより分
離した。得られたオイルについて吸光度を測定し、予め
作成した検量線から溶出した紫外線吸収剤の量を求め、
溶出した紫外線吸収剤の量を使用した紫外線吸収剤(全
内包量)に対する相対値として表した。
【0074】結果を表1に示す。
【0075】
【実施例2】 実施例1において、紫外線吸収剤の種類
をパラジメチルアミノ安息香酸オクチルに変えた以外は
同様にして、平均粒子径1.0μm、芯材部の平均粒子
径0.8μm、表層部の平均厚さ0.2μmである本発明
の化粧料用粒子を製造した。
【0076】得られた化粧料用粒子について、実施例1
と同様にして紫外線吸収剤の溶出量を測定した。
【0077】
【実施例3】 実施例1において、乳化剤アデカソープ
SE-10Nの代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムおよびポリビニルアルコール(ポバール-420,
((株)クラレ製)の1:1(重量)混合物を使用した以外
は同様にして、平均粒子径1.5μm、芯材部の平均粒
子径1.2μm、表層部の平均厚さ0.3μmである本発
明の化粧料用粒子を製造した。
【0078】得られた化粧料用粒子について、実施例1
と同様にして紫外線吸収剤の溶出量を測定した。
【0079】
【比較例1】 実施例1において、紫外線吸収剤をMM
Aに溶解させずに精製水中に直接投入して精製水に分散
させ、さらに追加のMMAを添加せずに重合を行うと粒
子が凝集する傾向が見られ、1〜2μmの粒子は極めて
製造しにくいので、平均粒子径5μmの粒子を製造し
た。この粒子は均一な組成を有している。
【0080】この化粧用粒子の表面には表層部は形成さ
れておらず、粒子の表面にまで紫外線吸収剤が均一に分
布していた。得られた化粧料用粒子について、実施例1
と同様にして紫外線吸収剤の溶出量を測定した。
【0081】
【表1】
【0082】上記の表1から明らかなように、本発明の
化粧料用粒子は、その表面が紫外線吸収剤を含有してい
ないMMA樹脂あるいはポリスチレン樹脂で覆われてい
るので、紫外線吸収剤の溶出が少なく、従って本発明の
化粧料用粒子を含有する化粧料では、紫外線吸収剤の溶
出による肌荒れ等が低減される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系紫外線吸収剤を含有する(メタ)
    アクリル系樹脂および/またはスチレン系樹脂からなる
    芯材部と、該芯材部の表面に形成された有機系紫外線吸
    収剤を含有しない(メタ)アクリル系樹脂および/また
    はスチレン系樹脂からなる表層部とを有することを特徴
    とする化粧料用粒子。
  2. 【請求項2】 有機系紫外線吸収剤を芯材である(メ
    タ)アクリル系樹脂および/またはスチレン系樹脂を形
    成するモノマーに溶解させた後、該有機系紫外線吸収剤
    含有モノマーを水性媒体に分散させて重合反応を行い、
    次いで該水性媒体中に(メタ)アクリル系樹脂および/
    またはスチレン系樹脂を形成するモノマーを追加して添
    加して、上記工程で生成したポリマー粒子の表面に追加
    して添加した(メタ)アクリル系樹脂および/またはス
    チレン系樹脂を形成するモノマーを重合させることを特
    徴とする化粧料用粒子の製造方法。
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