JP2013227265A - 紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法 - Google Patents

紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線遮蔽効果が高く、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを併用して処方することが可能であり、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、水中油型(O/W型)の化粧料への配合が可能な紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の紫外線遮蔽剤は、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法に関し、更に詳しくは、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品、特に、紫外線遮蔽能が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーンに用いて好適な紫外線遮蔽剤と、この紫外線遮蔽剤を含有する紫外線遮蔽剤含有分散液、及び化粧料、並びに紫外線遮蔽剤の製造方法に関するものである。
従来、化粧品に用いられている紫外線遮蔽剤としては、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤があり、用途に応じて使い分けられている。これら無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とは、それぞれの種類に応じて遮蔽することのできる紫外線の波長が異なるので、これらを適宜組み合わせた化粧料が処方されている。
特に、無機系紫外線遮蔽剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱または反射させるので、皮膚への影響が少なく、幼児から大人まで幅広い層のサンスクリーンに使用されている。この無機系紫外線遮蔽剤としては、紫外線に対する隠蔽力が高く、白色顔料としても用いられている酸化亜鉛、酸化チタン等が好適である。
しかしながら、酸化亜鉛や酸化チタンを化粧料に適用した場合、その平均分散粒径が0.1μm以上では、化粧料が白化して透明感を損ない、自然な仕上がりにすることができないという問題点があった。
また、酸化亜鉛や酸化チタンを化粧料中に0.1μm以下の平均分散粒径で分散させることは難しい。また、分散させることができたとしても、このような酸化亜鉛や酸化チタンは表面活性が高く、皮膚と接触した際にざらつく感触になっていた。また、酸化亜鉛や酸化チタンの一次粒子径や化粧料中における平均分散粒径が大きい場合には、化粧料の透明性が低下するという問題点があった。
一方、有機系紫外線吸収剤は、化学的にエネルギーを吸収して熱エネルギーに変換し、紫外線が皮膚細胞に浸透するのを防いでいる。また無機系紫外線遮蔽剤と比較すると、少量でも紫外線遮蔽効果が高く、大人用サンスクリーンとして使用されている。この有機系紫外線吸収剤は、無機系紫外線散乱剤と比較して肌に塗布したときに白っぽくならず、透明性が高いという利点がある。
このような有機系紫外線吸収剤としては、ジベンゾイルメタン系化合物、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられ、特に近紫外線を吸収するUVA吸収剤としては、ジベンゾイルメタン系化合物、特に4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)が広く用いられている。
しかしながら、有機系紫外線吸収剤は、水に不溶であるから、その紫外線吸収効果を発揮させるためには特定の非水系溶媒に溶かす必要があり、したがって、溶媒の種類が限られることで化粧料としての自由度が低下するという問題点があった。さらに、非水系溶媒を化粧料に配合すると、べとつき感が生じるという問題点があった。
さらに、これら無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを併用すると、無機系紫外線遮蔽剤に含まれる金属イオンの影響により有機系紫外線吸収剤が再結晶化し、化粧料の変質、変色、使用感の低下を引き起こす虞がある。このように、化粧料を処方する際に、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを自由に混合することができないという問題点があった。
そこで、これらの問題点を解消するために、アクリル系樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を内包させることで、透明性が高く、使用感に優れた、平均粒子径が0.1μm〜1μmの樹脂粉体が提案されている(特許文献1)。
この樹脂紛体は、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物が直接接触することを防ぐことにより、有機系紫外線吸収剤の結晶化等を抑制している。
また、有機系紫外線吸収剤の皮膚刺激性を抑制する樹脂粉体としては、有機系紫外線吸収剤が溶解された(メタ)アクリル系樹脂を形成するモノマーを水性媒体中に分散させて重合反応を行うことにより形成された有機系紫外線吸収剤を含有する(メタ)アクリル系樹脂からなる芯材部と、この芯材部の表面に形成された有機系紫外線吸収剤を含有しない(メタ)アクリル系樹脂からなる表層部とを有する樹脂粉体が提案されている(特許文献2)。
この樹脂粉体は、有機系紫外線吸収剤が金属酸化物と直接接触することを防ぐことにより、有機系紫外線吸収剤の結晶化等を抑制している。
再公表WO2011/34032号公報 特開平07−291837号公報
しかしながら、上述した特許文献1の樹脂粉体では、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物を内包する樹脂粒子と有機系紫外線吸収剤とを併用して使用すると、敏感肌の人が繰り返し使用した場合に、有機系紫外線吸収剤が原因となってアレルギー症状を引き起こす等、皮膚への影響が懸念されるという問題点があった。
また、有機系紫外線吸収剤は水に不溶なことから、その紫外線遮蔽機能を発揮させるためには特定の非水系溶媒に溶かす必要があり、したがって、水系化粧料を混合処方することが難しく、化粧料の処方の自由度が低下するという問題点があった。
また、金属酸化物を内包する樹脂粒子と有機系紫外線吸収剤を併用したサンスクリーン剤であっても、光老化の原因となるUVA波(特に380nm〜400nm)を十分に遮蔽することができないという問題があった。
また、特許文献2の樹脂粉体では、この有機系紫外線吸収剤を内包する樹脂粉体と、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子とを併用して使用すると、この金属酸化物粒子の一次粒子径や化粧料中における平均分散粒径が大きい場合には、化粧料の透明性が低下するという問題点があった。また、有機系の紫外線吸収剤は一般的に化粧料に配合できる量が制限されており、有機系紫外線吸収剤を内包する樹脂粒子と金属酸化物を併用したサンスクリーン剤であっても、光老化の原因となるUVA波(特に380〜400nm)を十分に遮蔽することができないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、紫外線遮蔽効果が高く、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを併用して処方することが可能であり、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、水中油型(O/W型)の化粧料への配合が可能な紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させることで、無機系紫外線遮蔽剤と有機系紫外線吸収剤とを併用して処方することができ、しかも、水中油型(O/W型)の水系化粧料の処方にも適用させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の紫外線遮蔽剤は、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着してなることを特徴とする。
前記有機系紫外線吸収剤含有樹脂及び前記金属酸化物含有樹脂のいずれか一方により芯材部を形成すると共に、前記有機系紫外線吸収剤含有樹脂及び前記金属酸化物含有樹脂のいずれか他方または双方により前記芯材部を被覆してなることが好ましい。
本発明の紫外線遮蔽剤含有分散液は、本発明の紫外線遮蔽剤を分散媒中に分散してなることを特徴とする。
本発明の化粧料は、本発明の紫外線遮蔽剤、本発明の紫外線遮蔽剤含有分散液、のいずれか一方または双方を含有してなることを特徴とする。
本発明の紫外線遮蔽剤の製造方法は、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む樹脂モノマー中に分散させた樹脂モノマー分散液、樹脂モノマーに有機系紫外線吸収剤及び分散剤を添加して溶解させた樹脂モノマー溶解液、をそれぞれ作製し、次いで、前記樹脂モノマー分散液、前記樹脂モノマー溶解液のうちいずれか一方を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び架橋剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とし、次いで、前記懸濁液または乳化液に重合開始剤を添加して懸濁重合または乳化重合を行い、芯材部となる前記有機系紫外線吸収剤または前記金属酸化物粒子を含有するコア樹脂粒子分散液を作製し、次いで、前記樹脂モノマー分散液、前記樹脂モノマー溶解液のうちいずれか他方を、重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて表面被覆用の懸濁液または乳化液とし、次いで、前記表面被覆用の懸濁液または乳化液を、前記コア樹脂粒子分散液と混合して懸濁重合または乳化重合を行い、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させることを特徴とする。
本発明の紫外線遮蔽剤によれば、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させたので、紫外線遮蔽効果が高く、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子とが接触する虞が無くなり、したがって、紫外線存在下にて金属酸化物粒子に起因する金属イオンの影響により有機系紫外線吸収剤が結晶化して化粧料を変質させたり、変色させたり、使用感を低下させる等の不具合を防止することができ、光安定性を高めることができ、化粧料の品質を安定化させることができる。
また、有機系紫外線吸収剤を特定の非水系溶媒に溶かす必要が無いので、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、従来では処方が困難であった水中油型(O/W型)、化粧水、日焼け止めジェル等の水系化粧料へも適用することができ、化粧料としての処方の自由度を向上させることができる。
本発明の紫外線遮蔽剤の製造方法によれば、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させた紫外線遮蔽剤を、簡単な装置を用いるだけで、収率良く製造することができ、製造コストも低減することができる。
本発明の実施例1のコア樹脂粒子D5分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を示す図である。 本発明の実施例1のコアシェル型紫外線遮蔽剤を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例1のコアシェル型紫外線遮蔽剤を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 本発明の実施例1のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を示す図である。 本発明の実施例1にて得られた塗膜(測定用試料)の分光透過率を示す図である。 本発明の実施例1及び比較例1、2それぞれのモイスチャージェルの分光透過率を示す図である。 本発明の実施例2及び比較例3それぞれのサンスクリーン剤の分光透過率を示す図である。 本発明の実施例6のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を示す図である。 本発明の実施例5、6及び比較例5各々の分光透過率を示す図である。 本発明の実施例7のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を示す図である。 本発明の実施例7及び比較例6それぞれのサンスクリーン剤の分光透過率を示す図である。 本発明の実施例5及び比較例7それぞれのサンスクリーン剤の光安定性を示す図である。
本発明の紫外線遮蔽剤と紫外線遮蔽剤含有分散液及び化粧料並びに紫外線遮蔽剤の製造方法を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[紫外線遮蔽剤]
本実施形態の紫外線遮蔽剤は、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着してなるものである。
ここで、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂(以下、単に「紫外線吸収剤含有樹脂」と称する場合がある)と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂(以下、単に「金属酸化物含有樹脂」と称する場合がある)とを、付着してなるとは、紫外線吸収剤含有樹脂と金属酸化物含有樹脂とが互いに付着した構造であればよく、特に限定されない。
このような構造としては、例えば、次のような(A)〜(E)の5種類の構造体が挙げられる。
(A)紫外線吸収剤含有樹脂を粒子状に形成して紫外線吸収剤含有樹脂粒子とするとともに、金属酸化物含有樹脂を粒子状に形成して金属酸化物含有樹脂粒子とし、紫外線吸収剤含有樹脂粒子と金属酸化物含有樹脂粒子とを、互いに1個以上付着させることにより、紫外線吸収機能と紫外線遮蔽機能とを合わせ持つ構造体。
(B)紫外線吸収剤含有樹脂粒子、金属酸化物含有樹脂粒子、のいずれか一方の樹脂粒子の周囲に、いずれか他方の樹脂粒子が1個以上付着した構造体。
(C)上記の(B)の構造体に付着した付着物の周囲に、さらに、紫外線吸収剤含有樹脂粒子及び金属酸化物含有樹脂粒子のいずれか一方または双方の樹脂粒子を1個以上付着した構造体。
(D)紫外線吸収剤含有樹脂粒子及び金属酸化物含有樹脂粒子のいずれか一方により芯材部を形成し、この芯材部を、紫外線吸収剤含有樹脂及び金属酸化物含有樹脂のいずれか他方または双方により部分的にあるいは完全に被覆した構造体。
(E)上記の(D)の構造体の周囲に、さらに、紫外線吸収剤含有樹脂及び金属酸化物含有樹脂のいずれか一方または双方により部分的にあるいは完全に被覆した2層以上の被覆構造体。
このような構造体の中でも、紫外線吸収剤含有樹脂粒子及び金属酸化物含有樹脂粒子のいずれか一方により芯材部を形成し、この芯材部を、紫外線吸収剤含有樹脂及び金属酸化物含有樹脂のいずれか他方により部分的にあるいは完全に被覆した構造体(以下、コアシェル構造またはコアシェル型と称することもある)が好ましい。
このようなコアシェル構造は、有機系紫外線吸収剤の吸収効果と、金属酸化物粒子の紫外線遮蔽効果が、効率的に作用して、相乗効果が得られ易いという特徴を有している。
これらの構造体における平均粒径は、0.1μm以上かつ5μm以下が好ましく、0.1μm以上かつ1μm以下がより好ましい。
ここで、これらの構造体における平均粒径とは、本実施形態の紫外線遮蔽剤5質量%、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)10質量%、デカメチルシクロペンタシロキサンSH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)85質量%となるように、これらを、サンドミルを用いて、2500回転にて3時間混合・分散させた分散液を、動的光散乱式粒度分布測定装置 LB−550(堀場製作所社製)を用いて分散粒径を測定した時の累積体積粒度分布が50体積%(D50)の粒子径のことである。
このようにして得られた構造体の平均粒径、すなわち分散粒径(D50)は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて樹脂粒子を観察したときの樹脂粒子の一次粒子径(構造体における最長の直線部分の平均径)とほぼ一致した。そこで、これらの構造体では、樹脂粒子が分散液中で凝集することなく分散し、したがって、分散粒径(D50)は、樹脂粒子の一次粒子径に相当すると考えられる。
これらの構造体では、平均粒径が0.1μm未満の場合には、金属酸化物粒子を樹脂に均一に分散させることが困難となるので好ましくなく、一方、平均粒径が5μmを超えると、化粧料等に配合した際に透明感が損なわれることとなるので好ましくない。
特に、芯材部を部分的にあるいは完全に被覆したコアシェル構造の場合、芯材部の平均粒径は0.05μm以上かつ4.8μm以下が好ましく、より好ましくは0.05μm以上かつ0.8μm以下である。
ここで、芯材部の平均粒径が0.05μm未満の場合には、紫外線遮蔽効果が不十分となる場合があるので好ましくなく、一方、平均粒径が4.8μmを超えると、相対的に被覆層の厚みが薄くなり、その結果、被覆層での紫外線遮蔽効果が十分に発揮しない場合があるので好ましくない。
また、芯材部を部分的にあるいは完全に被覆する被覆層の厚みは、0.01μm以上かつ0.5μm以下が好ましく、より好ましくは0.01μm以上かつ0.2μm以下である。
ここで、被覆層の厚みが0.01μm未満の場合には、被覆層が芯材部を覆う効果が不十分となり、被覆層での紫外線遮蔽効果が十分に発揮しない場合があるので好ましくなく、一方、被覆層の厚みが0.5μmを超えると、被覆層が厚くなり過ぎて相対的に芯材部の平均粒径が小さくなり、その結果、芯材部の紫外線遮蔽効果あるいは紫外線吸収効果を十分に発揮することができなくなる場合があるので好ましくない。
この紫外線遮蔽剤における紫外線吸収剤の質量(Mv)と金属酸化物粒子の質量(Mm)との比(Mv:Mm)は、1:9〜5:5の範囲が好ましく、より好ましくは2:8〜4:6の範囲である。
比(Mv:Mm)を1:9〜5:5の範囲とすることにより、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子の紫外線遮蔽能が効率的に作用し、紫外線遮蔽効果の相乗効果が得られ易くなる。
この紫外線遮蔽剤は、必要に応じて、その表面を、その紫外線遮蔽剤の全体量に対して1質量%以上かつ20質量%以下のオルガノシロキサンにより処理したこととしてもよい。
この紫外線遮蔽剤の表面をオルガノシロキサンにより処理することにより、この紫外線遮蔽剤の成分である金属酸化物が外部へ溶出するのを抑制することができる。特に、金属酸化物として酸化亜鉛を用いた場合、酸化亜鉛の純水等の溶媒中への溶出を抑制することができる。
このオルガノシロキサンとしては、ジアルキルアルコキシシラン化合物が挙げられ、中でも、オルガノポリシロキサン、あるいは、オルガノポリシロキサンをアルキル基、イソシアネート基、エポキシ基、アクリル基、アルキルケイ素化合物の群から選択された1種または2種以上により変性した変性オルガノポリシロキサンが好適に用いられ、特に、ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、このジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)を変性した変性ジメチルポリシロキサン(変性シリコーンオイル)が好適である。
次に、この紫外線遮蔽剤を構成する紫外線吸収剤含有樹脂及び金属酸化物含有樹脂それぞれについて詳細に説明する。
「紫外線吸収剤含有樹脂」
この紫外線吸収剤含有樹脂は、有機系紫外線吸収剤を含有した樹脂であり、この樹脂が粒子を形成する場合には、この樹脂粒子の平均粒径は0.05μm以上かつ5μm以下が好ましい。
ここで、樹脂粒子の平均粒径が0.05μm未満では、樹脂粒子同士が凝集し易くなり、したがって、この樹脂粒子を分散媒中に分散させた場合に分散性が低下し、紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなるので好ましくない。一方、平均粒径が5μmを超えると、化粧料として用いた場合に、肌における伸びや滑りが低下し、その結果、ざらつき感等が生じて肌触り等が悪化する等、使用感が悪くなるので好ましくない。
この紫外線吸収剤含有樹脂における有機系紫外線吸収剤の含有率は、0.1質量%以上かつ80質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上かつ50質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上かつ30質量%以下である。
ここで、有機系紫外線吸収剤の樹脂中における含有率が0.1質量%未満では、有機系紫外線吸収剤の量が少なすぎて、有機系紫外線吸収剤が有する紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなり、その結果、紫外線遮蔽機能を十分に発現させようとすると、大量の樹脂が必要となり、化粧料を作製する際の材料設計が極めて難しくなるので好ましくない。一方、含有率が80質量%を超えると、有機系紫外線吸収剤の量が樹脂に対して相対的に高くなり、その結果、樹脂中における有機系紫外線吸収剤の分散性が低下し、組成の均一性が損なわれるので、好ましくない。
〈樹脂〉
この紫外線吸収剤含有樹脂の成分である樹脂としては、モノマーが有機系紫外線吸収剤を溶解させることができるものであり、かつモノマーの重合体の透明度が高く、化粧料の原料として使用可能な樹脂であれば特に限定されない。
このような樹脂モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルスチレン共重合体、アクリルアミド共重合体、アクリルエポキシ共重合体、アクリルウレタン共重合体、アクリルポリエステル共重合体、シリコンアクリル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等のモノマーの群から選択された1種のみを単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも(メタ)アクリル樹脂のモノマーが透明性に優れている点で好ましい。
(メタ)アクリル樹脂のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。
また、上記の(メタ)アクリル樹脂のモノマーと組み合わせて重合させることができる樹脂モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルピロビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
これらの樹脂モノマーは、1種のみを単独で重合して用いてもよく、2種以上を組み合わせて重合して用いてもよい。例えば、(メタ)アクリル樹脂のモノマーとそれ以外のモノマーを組み合わせる場合には、透明性の観点から樹脂モノマー中の(メタ)アクリル樹脂のモノマーの含有率が10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
〈有機系紫外線吸収剤〉
有機系紫外線吸収剤としては、上記の樹脂モノマーに溶解させることができるものであれば特に限定されず、例えば、ジベンゾイルメタン系化合物、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。これらの有機系紫外線吸収剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この有機系紫外線吸収剤としてジベンゾイルメタン系化合物を用いる場合には、金属酸化物含有樹脂粒子により芯材部を形成し、この芯材部をジベンゾイルメタン系化合物含有樹脂により部分的にあるいは完全に被覆したコアシェル構造であることが好ましい。
一般に、ジベンゾイルメタン系化合物は、含有率が高くなればなるほど、ジベンゾイルメタン系化合物の単位当たりの紫外線吸収の効率が向上することが知られている。そこで、ジベンゾイルメタン系化合物を用いて芯材部を被覆すれば、芯材部である金属酸化物含有樹脂粒子の表面部分にジベンゾイルメタン系化合物が局所的に高濃度化されて存在することとなる。すなわち、このようなコアシェル構造とすることにより、ジベンゾイルメタン系化合物の単位当たりの紫外線吸収効率が高くなり、紫外線遮蔽性が向上することとなる。
「金属酸化物含有樹脂」
この金属酸化物含有樹脂は、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有した樹脂であり、この樹脂が粒子を形成する場合には、この樹脂粒子の平均粒径は0.05μm以上かつ5μm以下が好ましく、より好ましくは0.05μm以上かつ1μm以下である。
ここで、樹脂粒子の平均粒径が0.05μm未満では、樹脂粒子同士が凝集し易くなり、したがって、この樹脂粒子を分散媒中に分散させた場合に分散性が低下し、紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなるので好ましくない。一方、平均粒径が5μmを超えると、化粧料として用いた場合に、肌における伸びや滑りが低下し、その結果、ざらつき感等が生じて肌触り等が悪化する等、使用感が悪くなるので好ましくない。
〈金属酸化物粒子〉
金属酸化物粒子は、紫外線遮蔽能を有することが必要であり、このような金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄の群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
この金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、0.003μm以上かつ0.1μm以下が好ましく、より好ましくは0.01μm以上かつ0.05μm以下、さらに好ましくは0.02μm以上かつ0.04μm以下である。
ここで、金属酸化物粒子の平均一次粒子径が0.003μm未満では、結晶化度が低下して紫外線遮蔽機能を発現しなくなるので好ましくなく、一方、平均一次粒子径が0.1μmを超えると、粒子の可視光線に対する散乱係数が大きくなるために、透明性が著しく低下し、その結果、可視光線に対する光透過性が低下し、透明性が悪くなるので、好ましくない。
この金属酸化物粒子は、シリカ、アルミナ、オルガノポリシロキサンの群から選択される1種または2種以上により表面処理したものを用いてもよい。これらシリカ、アルミナ、オルガノポリシロキサンの群から選択される1種または2種以上により金属酸化物粒子を表面処理した場合、表面が覆われるために金属酸化物を構成する金属イオンが外部へ流出し難くなり、金属酸化物の表面活性をより制御することとなるので、好ましい。
この金属酸化物含有樹脂中における金属酸化物粒子の含有率は、1質量%以上かつ80質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、金属酸化物粒子の樹脂中における含有率が1質量%未満では、金属酸化物粒子の量が少なすぎてしまい、金属酸化物粒子が有する紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなるので好ましくなく、一方、含有率が80質量%を超えると、金属酸化物粒子の量が樹脂に対して相対的に高くなり、その結果、樹脂中における金属酸化物粒子の分散性が低下し、組成の均一性が損なわれるので、好ましくない。
〈樹脂〉
この金属酸化物含有樹脂の成分である樹脂としては、モノマーの重合体の透明度が高く、化粧料の原料として使用可能な樹脂であればよく、特に限定されない。
この樹脂は、上述した「樹脂」にて説明した樹脂と全く同様のモノマーを用いることができるので、説明を省略する。
この紫外線遮蔽剤では、金属酸化物含有樹脂に含まれる金属酸化物粒子、及び紫外線吸収剤含有樹脂に含まれる有機系紫外線吸収剤各々の吸収または遮蔽することのできる波長領域を考慮して、金属酸化物含有樹脂及び紫外線吸収剤含有樹脂それぞれを適宜組み合わせて用いればよい。
例えば、酸化亜鉛は、n型の金属酸化物半導体であり、そのバンド構造におけるバンドギャップエネルギーは3.2eVである。そこで、この酸化亜鉛に、そのバンドギャップエネルギー以上のエネルギーを有する光が照射されると、電子がその光エネルギーを吸収して価電子帯から伝導帯へ励起される。この酸化亜鉛の吸収端は380nm付近であるから、酸化亜鉛は、長波長紫外線(UVA)から中波長紫外線(UVB)の波長領域を吸収することができる。
以上により、酸化亜鉛粒子を用いる場合、長波長紫外線(UVA)を遮蔽することができる有機系紫外線吸収剤や中波長紫外線(UVB)を遮蔽することができる有機系紫外線吸収剤と組み合わせて用いるのが好ましい。
また、酸化チタンは、そのバンド構造におけるバンドギャップエネルギーが3.0eV〜3.2eVにあるが、酸化チタンにおける電子の励起が間接遷移であることから、エネルギーギャップの値から想定される吸収波長よりはるかに低波長側である320nm付近から光の吸収が始まる。
以上により、酸化チタン粒子を用いる場合、長波長紫外線(UVA)を遮蔽することができる有機系紫外線吸収剤と組み合わせて用いるのが好ましい。
これらの組み合わせの具体例としては、380nm以下の波長領域を遮蔽することのできる酸化亜鉛、320nm以下の波長領域を遮蔽することのできる酸化チタン、のうちいずれか1種と、358nm〜360nmの極大吸収を有するアボベンゾンとの組み合わせを挙げることができる。
これら酸化亜鉛、酸化チタンのうちいずれか1種と、アボベンゾンとを、樹脂に含有させてコアシェル構造にした場合、これら酸化亜鉛、酸化チタン及びアボベンゾンをそれぞれ単独で含有させた樹脂粒子を用いるよりも、紫外線遮蔽機能が長波長側から発現する効果が得られる。すなわち、紫外線遮蔽効果の相乗効果が得られる。
この様な効果が発現する理由としては、次のように考えられる。
本実施形態の紫外線遮蔽剤中を光が透過する場合、紫外線吸収剤含有樹脂と金属酸化物含有樹脂は付着しているので、一方の樹脂に入射して紫外線を遮蔽された光は、他方の樹脂にも入射してさらに紫外線を遮蔽される。すなわち、光は有機系紫外線吸収剤による吸収効果と金属酸化物粒子による紫外線遮蔽効果の双方により紫外線が遮蔽され、単独で用いるよりも特に380nm〜400nmの波長域の紫外線を遮蔽できるといった相乗効果が得られると考えられる。
特に、コアシェル構造の場合には、まず芯材部を被覆している樹脂により紫外線が遮蔽され、次いで芯材部の樹脂により紫外線が遮蔽され、再度芯材部を被覆している樹脂により紫外線が遮蔽されるので、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子の遮蔽効果の相乗効果がさらに高くなると考えられる。
また、光は、紫外線遮蔽剤中を金属酸化物により散乱、反射を繰り返して透過するので、紫外線遮蔽剤中の紫外線吸収剤含有樹脂と金属酸化物含有樹脂中を、金属酸化物により散乱、反射を繰り返して多数回通過する。そのため、紫外線がより多く遮蔽され、よって、従来では得られなかった380nm〜400nm付近の紫外線を遮蔽することができると考えられる。
[紫外線遮蔽剤の製造方法]
本実施形態の紫外線遮蔽剤の製造方法として、(A)コアシェル構造の紫外線遮蔽剤の製造方法、(B)付着型構造の紫外線遮蔽剤の製造方法、を順に説明する。
(A)コアシェル構造の紫外線遮蔽剤の製造方法
この製造方法は、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする工程と、樹脂モノマーに有機系紫外線吸収剤、分散剤を添加して溶解させて樹脂モノマー溶解液とする工程と、この樹脂モノマー分散液または樹脂モノマー溶解液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び架橋剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とする工程と、この懸濁液または乳化液に重合開始剤を添加して懸濁重合または乳化重合を行い、有機系紫外線吸収剤または金属酸化物粒子を含有する樹脂粒子分散液を作製するコア樹脂粒子分散液作製工程と、上記の樹脂モノマー分散液または樹脂モノマー溶解液を重合開始剤を含有する純水中に懸濁又は乳化させて懸濁液または乳化液とする被覆樹脂懸濁乳化工程と、この工程で得られた懸濁液または乳化液を、上記のコア樹脂粒子分散液作製工程で得られた分散液と混合させて、懸濁重合または乳化重合を行うコアシェル構造作製工程とにより、構成されている。
このコアシェル構造の紫外線遮蔽剤の製造方法について詳細に説明する。
ここでは、説明の便宜上、金属酸化物粒子を含有する樹脂粒子を芯材部とし、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂で芯材部を被覆する場合について説明する。
なお、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂粒子で芯材部を形成し、金属酸化物を含有する樹脂で芯材部を被覆する場合には、モノマー分散液とモノマー溶解液を入れ替えて同様に実施すればよい。
(1)樹脂モノマー分散液の作製
まず、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む樹脂モノマー中に分散させ、樹脂モノマー分散液とする。
紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子は、上記の〈金属酸化物粒子〉にて説明した金属酸化物粒子と全く同様であるから、説明を省略する。
この金属酸化物粒子を樹脂モノマー中に分散させた場合における平均分散粒径は、0.003μm以上かつ0.1μm以下が好ましい。
ここで、金属酸化物粒子の樹脂モノマー中の平均分散粒子径が0.1μmを超えると、樹脂粒子の可視光線に対する散乱係数が大きくなるために、透明性が著しく低下することとなり、その結果、透明性が低下し、場合によっては失透する虞があるので、好ましくない。
分散剤としては、樹脂モノマーとの親和性に富み、疎水性の高いものがよい。すなわち、分散剤は、金属酸化物を被覆することで樹脂モノマーに対する分散を促し、同時に、金属酸化物粒子は比較的に短時間のうちに、ほとんどが単分散状態となり、平均分散粒子径は0.003μm以上かつ0.1μm以下となる。
また、分散剤は、金属酸化物粒子に疎水性を付与するので、金属酸化物粒子が重合体の外に出ず、水相に移行することなく樹脂中に取り込まれるのを助ける。
このような分散剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のカルボン酸またはその塩、アルカンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸またはその塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸やポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸エステルまたはその塩、ラウリルリン酸ナトリウム等のフォスフォン酸またはその塩が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、本実施形態の紫外線遮蔽剤を化粧料に用いる場合には、これらの分散剤は、同時に化粧料の原料として認められるものでなくてはならない。
分散剤の金属酸化物粒子に対する添加率は、1質量%以上かつ50質量%以下が好ましい。添加率が1質量%未満では、金属酸化物粒子の表面を覆うには少なすぎて十分な金属酸化物粒子の分散状態を得ることができず、一方、50質量%を超えると、これ以上添加率を上げても、さらに分散性を改善することができず、分散剤が無駄になるからである。
用いられる分散装置としては、分散系に十分な分散エネルギーを与えられるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ホモジナイザー等が挙げられる。
分散時間としては、30分〜3時間程度が好ましいが、分散状態の良否と製造コストとの兼ね合いで適切な時間を選べばよい。
以上により、金属酸化物粒子の平均分散粒子径が0.003μm以上かつ0.1μm以下の樹脂モノマー分散液を得ることができる。
(2)樹脂モノマー溶解液の作製
まず、有機系紫外線吸収剤を樹脂モノマー中に溶解させ、樹脂モノマー溶解液とする。
有機系紫外線吸収剤は、上記の〈有機系紫外線吸収剤〉にて説明した有機系紫外線吸収剤と全く同様であるから、説明を省略する。
次いで、この樹脂モノマー溶解液に対して1質量%以上かつ50質量%以下の分散剤を混合させる。分散剤としては、上述の樹脂モノマー分散液の作製の際に説明した分散剤と全く同様であるから、説明を省略する。
分散剤の添加率は、上記の樹脂モノマー溶解液に対して、1質量%以上かつ50質量%以下が好ましい。その理由は、添加率が1質量%未満では、後述する懸濁液または乳化液のエマルジョン被膜強度が高くならず、その結果、懸濁重合または乳化重合の重合効率が低下するからであり、一方、50質量%を超えると、これ以上添加率を上げても、さらに重合効率を改善することができず、分散剤が無駄になるからである。
以上により、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂モノマー溶解液を得ることができる。
(3)芯材部の作製
まず、上記の樹脂モノマー分散液を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び架橋剤を含む純水中に懸濁または乳化させ、分散粒子径が0.05μm〜5μmの懸濁液または乳化液とする。
懸濁保護剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェニル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの中でも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、この陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
懸濁保護剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.1質量%以上かつ10質量%以下、より好ましくは、0.1質量%以上かつ2質量%以下である。
シリコーン系消泡剤としては、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、粉末型、固形型、エマルジョン型、自己乳化型等が挙げられ、これらの中でも、オイルコンパウンド型が好ましい。
このシリコーン系消泡剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.01質量%以上かつ5質量%以下が好ましく、より好ましくは、0.1質量%以上かつ1質量%以下である。
シリコーン系消泡剤は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.01質量%以上かつ5質量%以下添加することにより、混合機、撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等の攪拌速度を大幅に上げることができ、芯材部の樹脂粒子を50nm程度まで小さくすることができる。したがって、混合機、撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等の攪拌速度を大幅に上げることができる。その結果、芯材部の樹脂粒子の製造効率を向上させることができ、製造コストを大幅に削減することができる。
架橋剤としては、2個以上の不飽和二重結合を有する単量体であればよく、特に限定されるものではないが、多官能ビニル単量体や多官能(メタ)アクリル酸エステル酸誘導体等の中から適宜選択して用いることができる。
より具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール系ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10− デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,7−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオール系ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートおよびその異性体、トリアリルイソシアヌレートおよびその誘導体等が挙げられる。
これらの中でも特に(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
架橋剤の添加量は、上記の樹脂モノマー分散液に対して0.1質量%以上かつ10質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上かつ10質量%以下である。
純水は、化粧料に一般的に使用される水であれば特に限定されず、イオン交換水、蒸留水、精製水、超純水、天然水、アルカリイオン水、深層水等を含む。
次いで、上記の懸濁液または乳化液に重合開始剤を添加し、懸濁重合または乳化重合を行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスジイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開始剤等が挙げられるが、これらの中でも、過硫酸塩が好ましい。
重合開始剤の添加量は、出発原料となる上記の樹脂モノマー分散液に対して0.01質量%以上かつ1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上かつ0.5質量%以下である。
重合方法としては、上記の懸濁液または乳化液を窒素雰囲気下、かつ重合開始剤の存在下にて、攪拌しながら昇温して重合を開始させる方法が好ましい。
この重合開始温度は50〜80℃とするのが好ましい。そして、この温度を保持しながら重合させる時間としては、1〜5時間程度が好ましく、未反応の残留モノマーが最小となる時間および重合状態、製造コストとの兼ね合いで適当な時間を選べばよい。
その後、氷冷または自然冷却し、重合反応を停止させることで、金属酸化物含有樹脂粒子からなる芯材部を含む分散液を得ることができる。
この懸濁重合または乳化重合では、これら懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び重合開始剤の含有率を上記の範囲に限定することにより、得られた芯材部、すなわち金属酸化物含有樹脂粒子の平均粒径を0.05μm以上かつ5μm以下に制御することができる。
(4)被覆用樹脂の懸濁乳化
上記の樹脂モノマー溶解液を、この樹脂モノマー溶解液に対して、0.01質量%以上かつ1質量%以下の重合開始剤を含む純水中に懸濁又は乳化させて被覆用樹脂の懸濁液又は乳化液とする。
重合開始剤及び純水は、上記の「重合開始剤」及び「純水」にて説明したものと全く同様であるから説明を省略する。
(5)コアシェル構造の作製
上記の被覆用樹脂の懸濁液又は乳化液と、上記の芯材部を含む分散液とを混合し、その後、重合、洗浄、乾燥、解砕させることにより、コアシェル構造の紫外線遮蔽剤を得ることができる。
樹脂モノマー溶解液と芯材部を含む分散液との混合割合は、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子が質量比で、1:9〜5:5の範囲になるように混合するのが好ましい。
樹脂モノマー溶解液と芯材部を含む分散液とを上記範囲で混合させることで、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子の紫外線遮蔽能の相乗効果を得ることができる。
重合方法は、上記の懸濁液または乳化液の重合方法と全く同様であるので説明を省略する。
次いで、得られた重合物を純水にて洗浄する。この洗浄過程では、洗浄効率をより良くするために、純水にて洗浄する前に、アルコール等で洗浄してもよい。これにより、重合物中に残留しているモノマー、重合開始剤、界面活性剤が除去される。
アルコールとしては、純水に可溶なもので容易に洗い流せるものであればよく、例えば、エタノール、2−プロパノール等が挙げられ、特に2−プロパノールが好ましい。
洗浄方法は、残留モノマー等を除去できれば特に限定されないが、加圧ろ過、吸引ろ過、フィルタープレス、遠心分離、限外ろ過、デカンテーション等が好適である。
洗浄終了後、得られた重合物を80℃〜100℃にて乾燥し、重合物中に残留している純水等を除去する。乾燥方法としては、アルコールや純水を除去することのできる方法であればよく、特に限定されないが、大気圧中の乾燥、真空乾燥等が挙げられる。
次いで、乾燥した重合物を解砕する。解砕方法としては、各粒子を解砕することができる方法であればよく、特に限定されないが、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル、インペラーミル等が挙げられる。
以上により、コアシェル構造の紫外線遮蔽剤を生成することができる。
この紫外線遮蔽剤は、解砕工程を経ることにより、乾燥により凝集した各粒子を解砕し、化粧料に使用した場合の使用感を向上させることができる。
(B)付着型構造の紫外線遮蔽剤の製造方法
この製造方法は、紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む樹脂モノマー中に分散させて樹脂モノマー分散液とする工程と、樹脂モノマーに有機系紫外線吸収剤、分散剤を添加して溶解させて樹脂モノマー溶解液とする工程と、樹脂モノマーを重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とする工程と、次いで、上記の懸濁液または乳化液と、樹脂モノマー分散液と、樹脂モノマー溶解液とを混合し、重合させることにより、金属酸化物粒子を含有する樹脂粒子と、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂粒子とを、樹脂のみの層が被覆する工程とにより、構成されている。
この製造方法によれば、金属酸化物粒子を含有する樹脂粒子と、有機系紫外線吸収剤を含有する樹脂粒子とを、樹脂のみの層にて被覆してなる、付着型構造の紫外線遮蔽剤を得ることができる。
また、モノマー分散液とモノマー溶解液をそれぞれ上記同様コア樹脂粒子分散液とし、これらの分散液を混合したものを、上記同様洗浄し、乾燥することで、付着型の紫外線遮蔽剤を得ることができる。
[紫外線遮蔽剤含有分散液]
本実施形態の紫外線遮蔽剤含有分散液は、上記の紫外線遮蔽剤を分散媒中に分散してなる分散液であり、この紫外線遮蔽剤の含有率は1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下である。
このような分散媒としては、上記の紫外線遮蔽剤を分散させることができる溶媒であればよく、水の他、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン類、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン類、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種のみ、または2種以上を混合して用いることができる。
ここで、紫外線遮蔽剤の含有率が1質量%未満では、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子の量が少なすぎてしまい、この分散液が紫外線遮蔽機能を十分に発現することができなくなり、その結果、化粧料を作製する際の材料設計が極めて難しくなるので好ましくない。一方、含有率が80質量%を超えると、分散液中における紫外線遮蔽剤の量が相対的に高くなり、その結果、分散液中における紫外線遮蔽剤の分散性が低下し、組成の均一性が損なわれるので、好ましくない。
この分散液は、上記の紫外線遮蔽剤を分散媒と混合し、必要に応じて分散剤や水溶性バインダーを混合し、次いで、この混合物にサンドミル、ジルコニアビーズを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー等の分散機や混合機を用いて分散処理を施し、この紫外線遮蔽剤を分散媒中に分散させることにより、得ることができる。
また、分散処理に要する時間は、紫外線遮蔽剤が分散媒中に分散するのに十分な時間であればよく、特に制限はされない。
ここで、この紫外線遮蔽剤含有分散液の具体例として、紫外線遮蔽剤をシリコーン中に分散させた紫外線遮蔽剤含有シリコーン分散液と、紫外線遮蔽剤を水中に分散させた紫外線遮蔽剤含有水系分散液について説明する。
[紫外線遮蔽剤含有シリコーン分散液]
本実施形態の紫外線遮蔽剤含有シリコーン分散液は、上記の紫外線遮蔽剤をシリコーン中に分散してなる紫外線遮蔽剤含有シリコーン分散液であり、紫外線遮蔽剤の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するシリコーン系分散液である。
シリコーンとしては、式(1)で示される構造骨格を有する環状シリコーン、あるいは直鎖状シリコーンであればよく、特に限定されない。
このようなシリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサン、メチルトリメチコン等が挙げられる。
式(1)中、Xは1〜2000の範囲が好ましい。Xを上記範囲とすることにより、本実施形態の紫外線遮蔽剤との混合が容易となるので、好ましい。
分散剤としては、上記の紫外線遮蔽剤をシリコーン中に分散させることができればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジメチルシリコーン等が挙げられる。分散剤は、紫外線遮蔽剤全質量に対して、1質量%以上かつ50質量%以下の範囲であることが好ましい。
また、上記シリコーンと分散剤をサンドミルやホモジナイザー等で分散させて得られた分散液に、さらに天然オイル、保湿剤、増粘剤、香料、防腐剤等を混合させてもよい。
上記範囲で調整することにより、この紫外線遮蔽剤含有シリコーン分散液を単独で用いても、また、化粧料に直接混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる。
[紫外線遮蔽剤含有水系分散液]
本実施形態の紫外線遮蔽剤含有水系分散液は、上記の紫外線遮蔽剤をアルコール類を含む水系分散媒中に分散してなる紫外線遮蔽剤含有水系分散液であり、紫外線遮蔽剤の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するとともに、アルコール類を5質量%以上かつ20質量%以下含有してなる水系分散液である。
この水系分散液では、さらに、水溶性高分子を0.001質量%以上かつ10質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上かつ5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上かつ3質量%以下含有してなることとしてもよい。この場合、紫外線遮蔽剤、アルコール類及び水溶性高分子各々の成分の含有率の合計が100質量%を超えないように、各成分の含有率を調整する必要がある。
アルコール類としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の炭素数1〜6の1価アルコールまたは多価アルコールが挙げられ、中でも1価アルコール、特にエタノールが好ましい。
この水系分散液が水溶性高分子を含まない場合、アルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上かつ20質量%以下である。
特に、アルコール類の含有率を10質量%以上かつ20質量%以下とした場合には、紫外線遮蔽剤の水系分散液における分散性及び経時安定性を向上させることができるので好ましい。
また、この水系分散液が水溶性高分子を含む場合、この水溶性高分子としては、化粧品用途として使用できるものであればよく、特に限定されないが、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、カラギーナン、ガラクタン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、寒天、キサンタンガム、クインスシード、グアーガム、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デキストラン、デキストリン、トラガカントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウムペクチン、プルラン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性高分子は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水溶性高分子は、分散剤及び粘度調整剤としての役割を有し、添加することによって紫外線遮蔽剤の水系分散液における分散性及び経時安定性も向上する。
この水系分散液が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以上かつ20質量%以下である。
ここで、水系分散液が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率を5質量%以上かつ20質量%以下とした理由は、含有率が5質量%未満では、アルコール類の含有量が少なすぎてしまうために、水溶性高分子がアルコール類に均一に浸潤できずに水分にて不均一に膨潤することとなり、その結果、紫外線遮蔽剤の分散性が低下して取扱いが困難となり、さらには水系分散液の経時安定性が低下するので、好ましくない。また、含有率が20質量%を超えると、水系分散液全体の粘性が高くなり、紫外線遮蔽剤の分散安定性が低下するとともに、水系分散液の経時安定性も低下するので、好ましくない。
この紫外線遮蔽剤含有水系分散液は、アルコール類を含む溶媒(分散媒)またはアルコール類と水溶性高分子とを含む混合物(分散媒)に、上記の紫外線遮蔽剤を混合し、次いで、水を混合して分散させることにより、得ることができる。水の量は適宜調整すればよいが、15質量%以上かつ94質量%以下の範囲が好ましい。
水の量を上記範囲で調整することにより、単独で用いても化粧料に混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる紫外線遮蔽剤含有水系分散液が得られる。
[化粧料]
本実施形態の化粧料は、上述した紫外線遮蔽剤、紫外線遮蔽剤含有分散液、のいずれか一方または双方を、紫外線遮蔽剤換算で1質量%以上かつ60質量%以下含有してなる化粧料であり、この紫外線遮蔽剤を上記の範囲内で含有することにより、白化の虞もなく、透明感を十分に確保することができ、しかも、ざらつき感等が無く、使用感に優れたものとなる。
この化粧料は、上述した紫外線遮蔽剤、紫外線遮蔽剤含有分散液、のいずれか一方または双方を、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー等に従来通りに配合することにより得ることができる。
さらに、従来では処方が困難であった化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に、上述した紫外線遮蔽剤、紫外線遮蔽剤含有分散液、のいずれか一方または双方を配合することにより、例えば、金属酸化物として酸化亜鉛を使用した場合は、亜鉛の溶出が抑制されるとともに、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れた水系化粧料を得ることができる。
この化粧料を化粧品の成分として用いることにより、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れたスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品を提供することが可能である。特に、紫外線遮蔽能が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーン等に好適である。
以上説明したように、本実施形態の紫外線遮蔽剤によれば、有機系紫外線吸収剤と紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子とをそれぞれ樹脂中に含有させて付着させたことで、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子の双方の紫外線遮蔽効果を得ることができる。そして、紫外線存在下にて金属酸化物粒子に含まれる金属イオンの影響で有機系紫外線吸収剤が再結晶化して化粧料の変質、変色、使用感の低下を引き起こすのを防止することができ、光安定性を高め、化粧料の品質を安定化させることができる。
また、本実施形態の紫外線遮蔽剤は、有機系紫外線吸収剤を特定の溶媒に溶解させる必要がないので、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、従来では処方が困難であった水中油型(O/W型)、化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に配合することができる。したがって、化粧料の処方の自由度を高めることができる。
また、紫外線遮蔽剤の平均粒径を0.1μm以上かつ5μm以下としたので、化粧品に用いた場合においても、ざらつき感等がなく、使用感に優れている。
また、平均粒子径が0.003μm以上かつ0.1μm以下の金属酸化物粒子が樹脂中に含有されているので、可視光線を吸収することなく、化粧料で重要視されている透明性を維持することができる。
また、樹脂として(メタ)アクリル系樹脂を用いた場合には、より優れた透明性を維持することができる。
また、酸化亜鉛、酸化チタンのうちいずれか一方または双方と、長波長紫外線(UVA)を遮蔽することができる有機系紫外線吸収剤と組み合わせて紫外線遮蔽剤を作製した場合には、より380nm〜400nmの紫外線(UV)を遮蔽することができる。
さらに、本実施形態の化粧料を化粧品の成分として用いることにより、紫外線遮蔽能、透明感、使用感及び安全性に優れたスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品を提供することができる。特に、紫外線遮蔽能が必要とされるスキンケア化粧品のホワイトニング、メイクアップ化粧品のベースメイク、ボディケア化粧品のサンスクリーン等に用いた場合には、紫外線遮蔽能、透明感、使用感及び安全性に優れた化粧品を提供することができる。
なお、本実施形態の紫外線遮蔽剤とそれを含む分散液は、紫外線遮蔽機能を必要とする耐候性塗料等にも転用することができる。
また、化粧品以外の分野で用いる場合には、化粧品で重要視されているざらつき感や使用感等がさほど問題とされない場合も多く、分散剤や樹脂の選択の幅が広がり、塗料等の設計配合の自由度を高めることができる。
本実施形態の紫外線遮蔽剤の製造方法によれば、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させた紫外線遮蔽剤を、簡単な装置を用いるだけで、収率良く製造することができ、製造コストも低減することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
「コアシェル型紫外線遮蔽剤の作製」
A.芯材部となる酸化亜鉛微粒子を含有するコア樹脂粒子分散液の作製
平均一次粒子径0.02μmの酸化亜鉛微粒子(住友大阪セメント製)200質量部、メタクリル酸メチル188質量部、リン酸エステル型界面活性剤12質量部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散処理を行い、酸化亜鉛微粒子をメタクリル酸メチル中に分散させたモノマー(MMA)分散液を得た。
次いで、得られたモノマー(MMA)分散液105.0質量部、純水229.5質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート14.0質量部、シリコーン系消泡剤1.0質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて攪拌し、エマルジョンを得た。
次いで、得られたエマルジョンを320.0質量部、純水79.856質量部、過硫酸カリウム0.144質量部を混合し、攪拌機および温度計を備えた反応装置に移して窒素置換を室温で1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行い、次いで、氷冷して重合反応を停止させ、コア樹脂粒子分散液を得た。その後、このコア樹脂粒子分散液からその一部を分取し、純水を用いて洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、得られた乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、実施例1のコア樹脂粒子を得た。
そして、上記のコア樹脂粒子を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて、2500回転にて3時間分散させ、酸化亜鉛微粒子を含有したコア樹脂粒子D5分散液を得た。
次いで、このコア樹脂粒子D5分散液に4倍質量のD5を加えて5倍に希釈し、この希釈液中のコア樹脂粒子の分散粒子径を動的光散乱式粒度分布測定装置LB−550(堀場製作所製)を用いて測定し、その体積粒度分布及び累積体積粒度分布を算出した。その結果、累積体積粒度分布が10体積%(D10)の粒子径は163.6nm、50体積%(D50)の粒子径は221.9nm、90体積%(D90)の粒子径は287.6nmであった。このコア樹脂粒子D5分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を図1に示す。
B.芯材部となる酸化亜鉛微粒子の表面を有機系紫外線吸収剤を含む樹脂にて被覆
メタクリル酸メチル38.5質量部、リン酸エステル型界面活性剤1.5質量部を混合し、次いで、アボベンゾン(Palsol1789(登録商標))10.0質量部を加え、完全に溶解させて、有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液を得た。
次いで、この有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液42.0質量部と、純水97.902質量部に過硫酸カリウム0.098質量部を溶解した過硫酸カリウム溶解液とを混合し、ホモジナイザーで乳化させて、被覆樹脂乳化液を得た。
次いで、被覆樹脂乳化液140質量部と、上記のコア樹脂粒子分散液400質量部とを混合し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った後、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、得られた反応液を氷冷して重合反応を停止させ、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、実施例1の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を得た。
上記の混合時における被覆樹脂乳化液及びコア樹脂粒子D5分散液各々の質量部を基に、この酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤中の酸化亜鉛及び有機系紫外線吸収剤それぞれの含有率を計算すると、酸化亜鉛の含有率は35質量%、有機系紫外線吸収剤の含有率は6質量%である。
「コアシェル型紫外線遮蔽剤の評価」
A.平均長径の測定
このコアシェル型紫外線遮蔽剤の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図2に、透過型電子顕微鏡(TEM)像を図3に、それぞれ示す。
図2のSEM像からコアシェル型紫外線遮蔽剤を100個選び、その粒径を測定したところ0.1μm〜0.5μmの範囲にあり、平均粒径は0.25μmであった。また、図3のTEM像から、コア粒子が有機系紫外線吸収剤を含有する0.02μm厚の樹脂によって被覆されていることが確認された。
B.残留モノマーの測定
コアシェル型紫外線遮蔽剤0.5質量部を、22mLの耐熱容器(ヘッドスペースバイアル)に封入し、150℃にて40分加熱して生じた気相部を、質量分析装置 ガスクロマトグラフィーGC−MSを用いて、コアシェル型紫外線遮蔽剤に残留するメタクリル酸メチルモノマーの定量を行った。
残留モノマーの定量方法は、多段階加熱抽出法であるマルチプルヘッドスペース(MHE)法を用いた。その結果、コアシェル型紫外線遮蔽剤に残留するメタクリル酸メチルモノマーは3.4ppmであった。
次いで、上記の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を50質量%含有する実施例1のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を得た。
次いで、得られたコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を、コアシェル型紫外線遮蔽剤が10質量%となるようにD5を加えて希釈し、この希釈液中のコアシェル型酸化亜鉛微粒子の分散粒子径を動的光散乱式粒度分布測定装置LB−550(堀場製作所製)を用いて測定し、その体積粒度分布及び累積体積粒度分布を算出した。その結果、累積体積粒度分布が10体積%(D10)の粒子径は194.6nm、50体積%(D50)の粒子径は262.6nm、90体積%(D90)の粒子径は338.0nmであった。このコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を図4に示す。
「分光透過率及びSPFの測定」
上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を用いて、ワイヤーバーで膜厚を所望の膜厚となるように適宜調整して石英板に塗布し、塗膜(測定用試料)を作製した。ここでは、膜厚が5μm、8μm、10μm、18μm、25μmの5種類の測定用試料を作製した。
次いで、これ5種類の塗膜それぞれの分光透過率及びSPF値を、SPFアナライザーUV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図5に示す。図5によれば、すべての膜厚で400nm付近の紫外線を遮蔽する効果があることが確認された。
また、このコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液のSPF値は、5μm厚では158、8μm厚では244、10μm厚では339、18μm厚では357、25μm厚では381であった。
「コアシェル型紫外線遮蔽剤含有水分散液の作製」
次いで、上記の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤20質量部と、エタノール7.5質量部と、純水22.5質量部とを混合し、コアシェル型紫外線遮蔽剤を40質量%含むコアシェル型紫外線遮蔽剤含有水分散液を得た。
「モイスチャージェルの作製」
次いで、上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有水分散液25質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.5質量部と、エタノール6.25質量部と、グリセリン2.5質量部と、純水14.75質量部とを混合し、70℃にて10分攪拌を行い、コアシェル型紫外線遮蔽剤を20質量%含むモイスチャージェルを得た。
[比較例1]
実施例1にて得られたコア樹脂粒子20質量部と、エタノール7.5質量部と、純水22.5質量部とを混合し、コア樹脂粒子を40質量%含むコア樹脂粒子含有水分散液を得た。
このコア樹脂粒子含有水分散液25質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.5質量部と、エタノール6.25質量部と、グリセリン2.5質量部と、純水14.75質量部とを混合し、70℃にて10分攪拌を行い、コア樹脂粒子を20質量%含むモイスチャージェルを得た。
[比較例2]
メタクリル酸メチル96質量部に、アボベンゾン(Palsol1789(登録商標))24質量部を加えて完全に溶解させ、有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液を得た。
次いで、この有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液100質量部と、リン酸エステル型界面活性剤5質量部と、純水229.5質量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部と、エチレングリコールジメタクリレート14.0質量部と、シリコーン系消泡剤1.0質量部とを混合し、ホモジナイザーを用いて撹拌し、エマルジョンを得た。
次いで、このエマルジョン320質量部と、純水79.856質量部と、過硫酸カリウム0.144質量部とを混合し、攪拌機および温度計を備えた反応装置に移して窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、得られた反応液を氷冷して重合反応を停止させ、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、有機系紫外線吸収剤を含有するコア樹脂粒子のみで構成された紫外線遮蔽剤を得た。
上記の混合時におけるエマルジョンの質量部を基に、このエマルジョンのコア樹脂粒子中の有機系紫外線吸収剤の含有率を計算すると20質量%である。
次いで、上記の有機系紫外線吸収剤を含有するコア樹脂粒子のみで構成された紫外線遮蔽剤20質量部と、エタノール7.5質量部と、純水22.5質量部とを混合し、有機系紫外線吸収剤を含有するコア樹脂粒子を40質量%含むコア樹脂粒子含有水分散液を得た。
このコア樹脂粒子含有水分散液25質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.5質量部と、エタノール6.25質量部と、グリセリン2.5質量部と、純水14.75質量部とを混合し、70℃にて10分攪拌を行い、紫外線遮蔽剤を20質量%含むモイスチャージェルを得た。
「モイスチャージェルの評価」
実施例1、比較例1、2各々のモイスチャージェルをそれぞれ2mg/cmの量にて石英板に塗布し、これらの分光透過率及びSPF値を、SPFアナライザーUV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図6に示す。図6によれば、実施例1のモイスチャージェルは、コアシェル型紫外線遮蔽剤を含んでいるので、比較例1、2と比べて可視光線領域における透明性に優れ、かつ400nm以下の紫外線をより多く遮蔽していることが確認された。
また、実施例1のモイスチャージェルのSPF値は244、比較例1のモイスチャージェルのSPF値は33、比較例2のモイスチャージェルのSPF値は40であった。
[実施例2]
「サンスクリーン剤の作製」
以下の処方にて配合を行い、よく混合してサンスクリーン剤を得た。
実施例1のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液 60質量部
シリコーン樹脂SH3775M(東レ・ダウコーニング社製)2.0質量部
シリコーンエラストマー「トレフィルE−508」
(東レ・ダウコーニング社製) 5.0質量部
エタノール 10質量部
トリフルオロプロピル化ジメチコノールガム 35質量部
メチルトリメチコン溶液 1.0質量部
ポリアルキルシルセスキオサン 0.5質量部
メチルフェニルポリシロキサン 4.0質量部
精製水 14質量部
防腐剤 適量
デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245 残量
ここでは、予め精製水にエタノールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、酸化亜鉛粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を20質量%含有する実施例2のサンスクリーン剤を得た。
[比較例3]
酸化亜鉛微粒子 ZnO−350(一次粒子径25nm)(住友大阪セメント製)を60質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を51質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化亜鉛微粒子を50質量%含有する酸化亜鉛含有分散液を得た。
次いで、以下の処方にて配合を行い、よく混合してサンスクリーン剤を得た。
上記の酸化亜鉛含有分散液 60質量部
シリコーン樹脂SH3775M(東レ・ダウコーニング社製)2.0質量部
シリコーンエラストマー「トレフィルE−508」
(東レ・ダウコーニング社製) 5.0質量部
エタノール 10質量部
トリフルオロプロピル化ジメチコノールガム 35質量部
メチルトリメチコン溶液 1.0質量部
ポリアルキルシルセスキオサン 0.5質量部
メチルフェニルポリシロキサン 4.0質量部
精製水 14質量部
防腐剤 適量
デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245 残量
「サンスクリーン剤の評価」
実施例2、比較例3各々のサンスクリーン剤をそれぞれ2mg/cmの量にて石英板に塗布し、これらの分光透過率及びSPF値を、SPFアナライザーUV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。得られた分光透過率のグラフを図7に示す。図7によれば、実施例2のサンスクリーン剤は、コアシェル型紫外線遮蔽剤を含んでいるので、400nm以下の紫外線を遮蔽していることが確認された。一方、比較例3のサンスクリーン剤は、380nm以下の紫外線しか遮蔽することができないことが確認された。
また、実施例2のサンスクリーン剤のSPF値は343、比較例3のサンスクリーン剤のSPF値は35であった。
「サンスクリーン剤の皮膚塗布性の評価」
実施例2、比較例3各々のサンスクリーン剤の皮膚塗布性評価をパネリスト20名を用意し、各評価項目について優れていると判断したパネリストの数から、下記の分類により評価を行った。
20人中「優れている」と答えた人数 評価
15人以上かつ20人以下 ◎
10人以上かつ14人以下 ○
5人以上かつ9人以下 △
0人以上かつ4人以下 ×
評価の結果、実施例2のサンスクリーン剤は、使用感、透明感ともに◎であったのに対して、比較例3のサンスクリーン剤は、使用感が○で、透明感は△であった。
[実施例3]
酸化亜鉛の替わりに酸化チタン(平均一次粒子径:0.03μm;石原産業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を得た。
次いで、以下の処方にて配合を行い、ファンデーションを得た。
ベンガラ 1.0質量部
酸化鉄(黄) 3.3質量部
酸化鉄(赤) 0.9質量部
酸化鉄(黒) 0.3質量部
上記の酸化チタン粒子含有コアシェル型紫外線遮蔽剤 45.0質量部
セリサイト 13.5質量部
流動パラフィン 3.0質量部
トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリン 5.0質量部
イソパラフィンワックス 3.0質量部
ジメチルポリシロキサン 3.0質量部
防腐剤 適量
タルク 残量
ここでは、上記の処方にて、油性成分を加熱混合したものを、予め混合した粉体成分に少しずつ加えてよく混合した後、金型に打型してファンデーションを得た。
[実施例4]
以下の処方にて配合を行い、ファンデーションを得た。
ベンガラ 1.0質量部
酸化鉄(黄) 3.3質量部
酸化鉄(赤) 0.9質量部
酸化鉄(黒) 0.3質量部
実施例1の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤 45.0質量部
セリサイト 13.5質量部
流動パラフィン 3.0質量部
トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリン 5.0質量部
イソパラフィンワックス 3.0質量部
ジメチルポリシロキサン 3.0質量部
防腐剤 適量
タルク 残量
ここでは、上記の処方にて、油性成分を加熱混合したものを、予め混合した粉体成分に少しずつ加えてよく混合した後、金型に打型してファンデーションを得た。
[比較例4]
以下の処方にて配合を行い、ファンデーションを得た。
紫外線遮蔽剤としては、比較例2の紫外線遮蔽剤と酸化チタンTTO−51(石原産業(株)社製)とを質量比1:1にて配合した混合物(VT)を用いた。
ベンガラ 1.0質量部
酸化鉄(黄) 3.3質量部
酸化鉄(赤) 0.9質量部
酸化鉄(黒) 0.3質量部
混合物(VT) 45.0質量部
セリサイト 13.5質量部
流動パラフィン 3.0質量部
トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリン 5.0質量部
イソパラフィンワックス 3.0質量部
ジメチルポリシロキサン 3.0質量部
防腐剤 適量
タルク 残量
ここでは、上記の処方にて、油性成分を加熱混合したものを、予め混合した粉体成分に少しずつ加えてよく混合した後、金型に打型してファンデーションを得た。
「ファンデーションの皮膚塗布性の評価」
上記のサンスクリーン剤の皮膚塗布性の評価と同様にして、実施例3、4及び比較例4各々のファンデーションの皮膚塗布性の評価をおこなった。
その結果、実施例3のファンデーションは使用感、しわの隠蔽効果がともに◎であり、実施例4のファンデーションは、使用感が◎でしわの隠蔽効果が○であった。一方、比較例4のファンデーションは、使用感、しわの隠蔽効果が共に△であった。
一般に、酸化チタンは、それ自体の散乱効果により、酸化亜鉛よりもしわの隠蔽効果に優れている。
ここでは、実施例4の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を用いたファンデーションと、比較例4の酸化チタンを粒子のまま用いたファンデーションとを比較したところ、実施例4の酸化亜鉛含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を用いたファンデーションのほうが、しわの隠蔽効果に優れるとの結果が得られた。これは、酸化亜鉛を樹脂に含有させたことにより、樹脂と酸化亜鉛の散乱効果によってぼかし効果が高まったためであると考えられる。
[実施例5]
実施例1にて得られた酸化亜鉛微粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を36質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を75質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化亜鉛微粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を30質量%含有する実施例5のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を得た。
次いで、得られたコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液中のコアシェル型酸化亜鉛微粒子の分散粒子径を実施例1に準じて測定した。その結果、累積体積粒度分布が10体積%(D10)の粒子径は194.6nm、50体積%(D50)の粒子径は262.6nm、90体積%(D90)の粒子径は338.0nmであった。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液 66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、酸化亜鉛粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を20質量%含有する実施例5のサンスクリーン剤を得た。
[比較例5]
酸化亜鉛微粒子 ZnO−350(一次粒子径25nm)(住友大阪セメント製)を36質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を75質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化亜鉛微粒子を30質量%含有する比較例5の酸化亜鉛含有分散液を得た。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記の酸化亜鉛含有分散液 66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、サンスクリーン剤を得た。
[実施例6]
「コアシェル型紫外線遮蔽剤の作製」
A.芯材部となる有機系紫外線吸収剤含有樹脂を含有するコア樹脂粒子分散液の作製
メタクリル酸メチル84.7質量部、リン酸エステル型界面活性剤3.3質量部を混合し、次いで、アボベンゾン(パルソール1789(登録商標))22質量部を加え、完全に溶解させて、有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液を得た。
次いで、上記の有機系紫外線吸収剤含有MMA溶解液105.0質量部、純水229.5質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート14.0質量部、シリコーン系消泡剤1.0質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて攪拌し、エマルジョンを得た。
次いで、上記のエマルジョン320.0質量部、純水79.856質量部、過硫酸カリウム0.144質量部を混合し、攪拌機および温度計を備えた反応装置に移して窒素置換を室温で1時間行った。次いで、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、この反応液を氷冷して重合反応を停止させ、有機系紫外線吸収剤を含有するコア樹脂粒子分散液を得た。
B.芯材部となる有機系紫外線吸収剤含有樹脂を酸化亜鉛微粒子含有樹脂にて被覆
平均一次粒子径0.02μmの酸化亜鉛微粒子(住友大阪セメント製)200質量部、メタクリル酸メチル188質量部、リン酸エステル型界面活性剤12質量部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散処理を行い、酸化亜鉛微粒子をメタクリル酸メチル中に分散させたモノマー(MMA)分散液を得た。
次いで、上記のモノマー(MMA)分散液105.0質量部、純水229.27質量部、過硫酸カリウム0.23質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、エチレングリコールジメタクリレート14.0質量部、シリコーン系消泡剤1.0質量部を混合し、ホモジナイザーを用いて攪拌し、エマルジョンを得た。
次いで、上記のエマルジョン140質量部と、上記の有機系紫外線吸収剤を含有するコア樹脂粒子分散液250質量部とを混合し、窒素置換を室温(25℃)にて1時間行った後、昇温し、65℃にて3時間保持して重合反応を行った。次いで、得られた反応液を氷冷して重合反応を停止させ、得られた重合物を純水で洗浄した後、90℃にて乾燥させた。その後、この乾燥物をハンマーミルを用いて解砕し、実施例6のコアシェル型紫外線遮蔽剤を得た。
上記の混合時におけるエマルジョン及びコア樹脂粒子分散液各々の質量部を基に、このコアシェル型紫外線遮蔽剤中の酸化亜鉛及び有機系紫外線吸収剤それぞれの含有率を計算すると、酸化亜鉛の含有率は21質量%、有機系紫外線吸収剤の含有率は12質量%である。
次いで、上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤を36質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を75質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、コアシェル型紫外線遮蔽剤を30質量%含有する実施例6のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を得た。
次いで、上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液中のコアシェル型紫外線遮蔽剤の分散粒子径を実施例1に準じて測定した結果、累積体積粒度分布が10体積%(D10)の粒子径は181.5nm、50体積%(D50)の粒子径は259.2nm、90体積%(D90)の粒子径は343.9nmであった。このコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を図8に示す。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液 66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、コアシェル型紫外線遮蔽剤を20質量%含有する実施例6のサンスクリーン剤を得た。
「サンスクリーン剤の評価」
実施例5、6及び比較例5各々のサンスクリーン剤をそれぞれ2mg/cmの量にて石英板に塗布し、これらの分光透過率及びSPF値を、SPFアナライザーUV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。
その結果、実施例5のサンスクリーン剤のSPF値は343.3、実施例6のサンスクリーン剤のSPF値は188.7、比較例5のサンスクリーン剤のSPF値は34.8であった。図9に、実施例5、6及び比較例5各々の分光透過率を示す。
図9によれば、実施例5のサンスクリーン剤は400nm以下の紫外線を遮蔽しており、さらに390nm以下の紫外線を略遮蔽していることが確認された。
実施例6のサンスクリーン剤は400nm付近の紫外線遮蔽効果が高く、さらに380nm以下の紫外線を略遮蔽していることが確認された。
実施例5のサンスクリーン剤と実施例6のサンスクリーン剤とを比較すると、実施例5のサンスクリーン剤の方が紫外線遮蔽性効果が優れているが、これはアボベンゾンがシェル部に存在することにより、アボベンゾンが局所的に高濃度化されたことによる効果であると考えられる。
一方、比較例5のサンスクリーン剤は、実施例5、6のサンスクリーン剤のような400nm付近の紫外線遮蔽効果が得られておらず、380nm以下の紫外線しか遮蔽することができないことが確認された。
[実施例7]
酸化亜鉛の替わりに酸化チタン(平均一次粒子径:0.03μm;石原産業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を得た。
上記の混合時における質量部を基に、この酸化チタン含有コアシェル型紫外線遮蔽剤中の酸化チタン及び有機系紫外線吸収剤それぞれの含有率を計算すると、酸化チタンの含有率は35質量%、有機系紫外線吸収剤の含有率は6質量%である。
次いで、この酸化チタン含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を36質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を75質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化チタン含有コアシェル型紫外線遮蔽剤を30質量%含有する実施例7のコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液を得た。
次いで、得られたコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液中のコアシェル型酸化チタン粒子の分散粒子径を実施例1に準じて測定した。その結果、累積体積粒度分布が10体積%(D10)の粒子径は225.1nm、50体積%(D50)の粒子径は295.9nm、90体積%(D90)の粒子径は376.6nmであった。このコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液の体積粒度分布及び累積体積粒度分布を図10に示す。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記の酸化チタン粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤含有分散液
66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、酸化チタン粒子を含有するコアシェル型紫外線遮蔽剤を20質量%含有する実施例7のサンスクリーン剤を得た。
[比較例6]
酸化チタン微粒子(平均一次粒子径:0.03μm;石原産業社製)を36質量部、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)を75質量部、ポリエーテル変性シリコーンSH3775M(東レ・ダウコーニング(株)社製)9質量部を混合して、サンドミルを用いて2500回転にて3時間分散させ、酸化チタン微粒子を30質量%含有する比較例6の酸化チタン微粒子含有分散液を得た。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記の酸化チタン微粒子含有分散液 66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、酸化チタン微粒子を20質量%含有する比較例6のサンスクリーン剤を得た。
「サンスクリーン剤の評価」
実施例7及び比較例6各々のサンスクリーン剤をそれぞれ2mg/cmの量にて石英板に塗布し、これらの分光透過率及びSPF値を、SPFアナライザーUV−1000S(米国Labsphere社製)を用いて測定した。
その結果、実施例7のサンスクリーン剤のSPF値は145.2、比較例6のサンスクリーン剤のSPF値は63.6であった。図11に、実施例7及び比較例6各々の分光透過率を示す。
図11によれば、実施例7のサンスクリーン剤は、比較例6のサンスクリーン剤と比較して、より長波長側の紫外線を遮蔽していることが確認された。
「サンスクリーン剤の皮膚塗布性の評価」
実施例5〜7及び比較例5、6各々のサンスクリーン剤の皮膚塗布性評価を行った。
ここでは、20名のパネリストに参加してもらい、各々のパネリストが「使用感」及び「透明感」の各評価項目について優劣を判断し、各評価項目について優れていると判断したパネリストの人数を算出し、この人数に基づき、下記の分類により評価を行った。
20人中「優れている」と答えた人数 評価
15人以上かつ20人以下 ◎
10人以上かつ14人以下 ○
5人以上かつ9人以下 △
0人以上かつ4人以下 ×
評価の結果、実施例5〜7のサンスクリーン剤は、使用感、透明感ともに◎であったのに対して、比較例5、6のサンスクリーン剤は、使用感が○で、透明感は△であった。
これはコアシェル構造にしたことにより、サンスクリーン剤が肌に塗り広がり易く、また金属酸化物微粒子の凝集等が防止されたからであると考えられる。
[比較例7]
アボベンゾンを80℃のデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)SH245(東レ・ダウコーニング(株)社製)中に溶解させ、アボベンゾンを1.8質量%含有するアボベンゾン含有D5分散液を得た。
次いで、以下の処方にて配合を行い、サンスクリーン剤を得た。
上記のアボベンゾン含有D5分散液 66.8質量部
成膜剤:直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6028)
9.6質量部
乳化剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF6017)
10.4質量部
1、3−ブタンジオール 5.0質量部
精製水 8.2質量部
ここでは、予め精製水に1,3−ブタンジオールを混合して水相成分を作製するとともに、これ以外の成分を混合して油相成分を作製し、この油相成分に上記の水相成分を加えてよく混合し、比較例7のサンスクリーン剤を得た。
「光安定性試験」
実施例5及び比較例7各々のサンスクリーン剤を石英板にワイヤーバー#8(膜厚18μm)を用いて塗布し、次いで、得られた各塗膜に太陽光を照射し、0時間(照射前)、3時間、6時間毎の透過率をSPFアナライザー UV−1000S(米国Labsphere社製)にて測定した。測定結果を図12に示す。
図12によれば、実施例5のサンスクリーン剤は、比較例7のサンスクリーン剤よりアボベンゾンを1.2質量%多く含有しているにも関わらず、紫外線照射によるスペクトルの変動が小さかった。これにより、実施例5のサンスクリーン剤は、比較例7のアボベンゾンを単独で配合したサンスクリーン剤と比べて、透過率に顕著な変化が無く、光安定性を有していることが確認された。
本発明の紫外線遮蔽剤は、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させたことにより、有機系紫外線吸収剤と金属酸化物粒子とが接触する虞が無くなり、したがって、金属酸化物粒子に起因する金属イオンの影響により有機系紫外線吸収剤が結晶化して化粧料を変質させたり、変色させたり、使用感を低下させる等の不具合を防止することができ、化粧料の品質を安定化させることができるものであるから、油中水型(W/O型)はもちろんのこと、従来では処方が困難であった水中油型(O/W型)、化粧水、日焼け止めジェル等の水系化粧料へも適用することができ、化粧料としての処方の自由度を向上させることができ、その工業的価値は大きい。

Claims (5)

  1. 樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着してなることを特徴とする紫外線遮蔽剤。
  2. 前記有機系紫外線吸収剤含有樹脂及び前記金属酸化物含有樹脂のいずれか一方が芯材部を形成すると共に、前記有機系紫外線吸収剤含有樹脂及び前記金属酸化物含有樹脂のいずれか他方または双方が前記芯材部を被覆してなることを特徴とする請求項1記載の紫外線遮蔽剤。
  3. 請求項1または2記載の紫外線遮蔽剤を分散媒中に分散してなることを特徴とする紫外線遮蔽剤含有分散液。
  4. 請求項1または2記載の紫外線遮蔽剤、請求項3記載の紫外線遮蔽剤含有分散液、のいずれか一方または双方を含有してなることを特徴とする化粧料。
  5. 紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を分散剤を含む樹脂モノマー中に分散させた樹脂モノマー分散液、樹脂モノマーに有機系紫外線吸収剤及び分散剤を添加して溶解させた樹脂モノマー溶解液、をそれぞれ作製し、
    次いで、前記樹脂モノマー分散液、前記樹脂モノマー溶解液のうちいずれか一方を、懸濁保護剤、シリコーン系消泡剤及び架橋剤を含む純水中に懸濁または乳化させて懸濁液または乳化液とし、
    次いで、前記懸濁液または乳化液に重合開始剤を添加して懸濁重合または乳化重合を行い、芯材部となる前記有機系紫外線吸収剤または前記金属酸化物粒子を含有するコア樹脂粒子分散液を作製し、
    次いで、前記樹脂モノマー分散液、前記樹脂モノマー溶解液のうちいずれか他方を、重合開始剤を含む純水中に懸濁または乳化させて表面被覆用の懸濁液または乳化液とし、
    次いで、前記表面被覆用の懸濁液または乳化液を、前記コア樹脂粒子分散液と混合して懸濁重合または乳化重合を行い、樹脂に有機系紫外線吸収剤を含有してなる有機系紫外線吸収剤含有樹脂と、樹脂に紫外線遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有してなる金属酸化物含有樹脂とを、付着させることを特徴とする紫外線遮蔽剤の製造方法。
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