JPH09255525A - 紫外線防止性粒子 - Google Patents

紫外線防止性粒子

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JPH09255525A
JPH09255525A JP9340996A JP9340996A JPH09255525A JP H09255525 A JPH09255525 A JP H09255525A JP 9340996 A JP9340996 A JP 9340996A JP 9340996 A JP9340996 A JP 9340996A JP H09255525 A JPH09255525 A JP H09255525A
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JP
Japan
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particles
core
ultraviolet light
polymer
ultraviolet
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Pending
Application number
JP9340996A
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English (en)
Inventor
Kouji Shiho
浩司 志保
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Akihiko Morikawa
明彦 森川
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kyoko Kuroda
恭子 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP9340996A priority Critical patent/JPH09255525A/ja
Publication of JPH09255525A publication Critical patent/JPH09255525A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油性基材と接触しても、紫外線防止剤が含有
されるコア部にまで油性基材が浸透しにくく、紫外線防
止剤が実質的に粒子外部に溶出されず、皮膚刺激が少な
く少量のみの添加ですむことから、紫外線防止剤に起因
する白化、着色を抑えることができる。 【解決手段】 紫外線防止剤を含有する重合体からなる
コア部と、該コア部の表面に形成された紫外線防止剤を
含有しないポリアミノ酸からなるシェル部からなること
を特徴とする紫外線防止性粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線防止性を有
するポリアミノ酸粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線中には、人の皮膚に赤斑(サン
バーン)を起こすと共に、シミ、そばかす等の原因にな
る紫外線が含まれており、こうした紫外線を遮蔽あるい
は吸収するための紫外線吸収剤を含有する化粧料が使用
されている。紫外線吸収剤には、紫外線を吸収する有機
系紫外線吸収剤と、紫外線を遮蔽する二酸化チタン、酸
化亜鉛および酸化鉄等の無機顔料とがある。有機系紫外
線吸収剤には、皮膚に対して刺激性のあるものも多く、
そのまま他の化粧品基材と混合して使用すると、皮膚を
刺激することがある。そこで、このような有機系紫外線
吸収剤と皮膚とが直接接触することを防止するために、
紫外線吸収剤を樹脂粒子の内部に分散して拘束して使用
する方法が提案されている。例えば、特公昭62-51931
号、特開昭62-198612号公報等に、こうした有機系の紫
外線吸収剤を内包する樹脂粒子が開示されている。この
ように有機系紫外線吸収剤を樹脂粒子中に拘束すること
により、紫外線吸収剤が直接配合した化粧品よりも刺激
性が低減されるはずであるが、実際にこのような樹脂粒
子を使用しても依然として紫外線吸収剤により皮膚が刺
激されることがある。すなわち、有機系紫外線吸収剤
は、粒子を形成する樹脂構造とは別にこの樹脂から形成
された粒子に存在する孔内に物理的に係合力によって拘
束されているだけであり、この孔内に化粧料の油性基材
等が侵入すればこの油性基材によって有機系紫外線吸収
剤の数%が粒子外に移動する場合がある。このように粒
子外に溶出した紫外線吸収剤が皮膚刺激の原因となって
いるのである。これに対し、有機系紫外線吸収剤と樹脂
からなる芯材部を有機系紫外線吸収剤を含有しない樹
脂、例えば(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン系
樹脂からなる層で被覆することにより、紫外線吸収剤の
粒子外への溶出を抑える方法が特開平7-291837に開示さ
れている。しかし、この方法でも紫外線吸収剤の粒子外
への溶出を充分抑えられない場合があり、その上、基本
的に(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂は
生体適合性が低く、樹脂自体が皮膚への刺激となる問題
もある。一方、無機顔料は皮膚を隠蔽して紫外線を遮蔽
するものであるが、このような無機顔料を皮膚に塗布す
ると白化あるいは着色するために、化粧料に多量に配合
することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
基本的に生体適合性が高く、かつ、紫外線防止作用を低
下させることなく紫外線防止剤による皮膚への刺激を少
なくした紫外線防止性粒子を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、紫外線防止剤
を含有する重合体からなるコア部と、該コア部の表面に
形成された紫外線防止剤を含有しないポリアミノ酸から
なるシェル部からなることを特徴とする紫外線防止性粒
子を提供するものである。以下、本発明について詳細に
説明する。本発明の紫外線防止性粒子は、コア部とこの
コア部の表面に形成されたシェル部とからなる。
【0005】本発明の紫外線防止性粒子のコア部におけ
る重合体を形成するモノマーとしては、スチレン、α−
メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼ
ン等の不飽和芳香族類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等の不飽和エステル類;アクリロニトリル等の不飽和
ニトリル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ラウリルアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールメタクリレート
等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;その他に、ブ
タジエン、イソプレン、アクリル酸、メタクリル酸、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアク
リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、アクリルアクリレート、
アクリルメタクリレート、エチレン、プロピレン、塩化
ビニル、臭化ビニル等のラジカル重合性モノマーを挙げ
ることができる。これらのモノマーは、単独で、または
二種以上を混合して使用しても良い。本発明において、
コアを形成する重合体のポリスチレン換算分子量は、通
常、5,000以上、好ましくは20,000以上である。
【0006】本発明で用いられる紫外線防止剤のうち、
有機系紫外線防止剤としては、2−エチルヘキシル−p
−ジメチルアミノベンゾエート、アミノ−p−ジメチル
アミノベンゾエート、グリセリル−p−アミノベンゾエ
ート、エチル−p−ジエチルアミノベンゾエート、エチ
ル−p−ジエチルアミノベンゾエート、およびグリセリ
ル−モノ−p−アミノベンゾエート等のアミノベンゾエ
ート系紫外線防止剤;p−tert−ブチルサリチレー
ト、p−オクチルフェニルサリチレートおよびジプロピ
レングリコールサリチレート等のサリチレート系紫外線
防止剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
等のベンゾフェノン系紫外線防止剤;2−(2’−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系紫外線防止剤;2−エトキシエチ
ル−p−メトキシシンナメート、2,2’−ビス−(p
−メトキシスチリル)−エチル−p−メトキシシンナメ
ート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメー
ト、およびメチル−2,5−ジイソプロピルシンナメー
ト等のシンナメート系紫外線防止剤;ウロカニン酸、お
よびウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線防止
剤、およびビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3
ビタミンB2、およびビタミンB12等のビタミン系紫外
線防止剤;ニッケルキレート系紫外線防止剤;ヒンダー
ドアミン系紫外線防止剤;4−tert−ブチル−4’
−メトキシ−ジベンゾイルメタン、p−ジメチルアミノ
安息香酸オクチル、次式で示されるようなグリセリンの
p−メトキシケイ皮酸エステル等が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】これらの中では、4−tert−ブチル−
4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、p−ジメチルア
ミノ安息香酸オクチル、グリセリンのp−メトキシケイ
皮酸エステル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノンおよび2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等が特に好ましい。ここで4
−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメ
タンは320〜400nmのA波長の紫外線を吸収する
能力が高く、p−ジメチルアミノ安息香酸オクチル、上
記式で表されるグリセリンのp−メトキシケイ皮酸エス
テル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンは
280〜320nmのB波長の紫外線を吸収する能力が
高く、また2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールは上記A波長およびB波長の両
者にわたる紫外線を吸収する能力が高い。
【0009】本発明で使用できる無機系紫外線防止剤と
しては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、等の金属酸化
物が挙げられるが、好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛で
ある。上記の紫外線防止剤は、単独であるいは2種以上
混合して使用することができる。また、有機系紫外線防
止剤と無機系紫外線防止剤を組み合わせて使用すること
もできる。本発明において、紫外線防止剤はコア部を形
成する重合体100重量部に対して通常5〜500重量
部、好ましくは10〜200重量部の量で含有されてい
る。紫外線防止性粒子のコア部は粒子状であり、通常は
0.005〜50μm、好ましくは0.01〜20μmの
平均粒子径を有する。
【0010】このシェル部は、コアとなる紫外線防止剤
含有重合体粒子の存在下でα−アミノ酸−N−炭酸無水
物(以下、アミノ酸−NCAと略す)を乳化重合するこ
とにより形成することができる。このシェル部を形成す
るポリアミノ酸を構成する原料のアミノ酸の具体例とし
ては、(イ)グリシン、アラニン、バリン、ノルバリ
ン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニル
アラニン、メチオニン、プロリンなどの中性アミノ酸
類、(ロ)グルタミン酸−γ−エステル、アスパラギン
酸−β−エステルなどの酸性アミノ酸−ω−エステル類
(ここでエステルとは、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエス
テル、2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエ
ステル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどを示
す。)、(ハ)N−カルボベンゾキシリシン、N−カル
ボベンゾキシオルニチン、N−アセチルリシンなどのN
−アシル塩基性アミノ酸類、(ニ)セリン、トレオニ
ン、システィン、チロシンなどの水酸基含有α−アミノ
酸のエステル類(ここでエステルとは、メチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、
シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジル
エステルなどを示す。)が挙げられる。これらのアミノ
酸のN−炭酸無水物を重合することによりポリアミノが
得られる。
【0011】これらのα−アミノ酸より得られるアミノ
酸−NCAは、光学活性体またはラセミ体あるいはこれ
らの混合物であってもよく、また、必要に応じて2種類
以上組み合わせて用いることができる。本発明におい
て、シェル部を構成するポリアミノ酸の分子量は、通
常、1,000〜500,000、好ましくは10,000〜200,000であ
る。このポリアミノ酸よりなるシェル部は、通常は0.
001〜20μm、好ましくは0.005〜10μmの
平均層厚を有している。このシェル部の平均層厚が上記
範囲を逸脱して薄いと、コア部からの紫外線防止剤の溶
出を有効に防止できないことがあり、また上記範囲を逸
脱して厚いと製造が困難になる場合が多い。本発明にお
いて、コア部とシェル部の重量比(コア:シェル)は、
通常10,000:1〜1:1、好ましくは1,000:1〜2:
1である。このような層構造を有する本発明の紫外線防
止性粒子の平均粒子径は0.01〜100μm、好まし
くは0.05〜50μmの範囲内にある。また、上記の
紫外線防止性粒子の平均粒子径の変動係数(CV値)は
1〜30%、好ましくは1〜20%である。
【0012】本発明の紫外線防止性粒子の製造方法とし
ては、例えばコア部となる重合体粒子を製造し、次い
で溶剤に溶解した有機系紫外線防止剤をコア部となる重
合体粒子中に吸収させた後、コア部となる重合体粒子の
存在下、アミノ酸−N−炭酸無水物(以下NCAと略
す)を溶媒中で重合する方法、コア部を形成するモノ
マーに有機系および/または無機系紫外線防止剤を溶解
または分散させた後、この紫外線防止剤含有モノマーを
水性媒体中で重合し、得られた粒子の存在下でアミノ酸
−NCAを溶媒中で重合する方法等が挙げられる。
【0013】上記の場合、コアとなる重合体粒子は上
記モノマーの乳化重合、ソープフリー乳化重合、懸濁重
合、分散重合等により得ることができる。また、予め形
成した重合体バルクを粉砕する方法や、予め形成した重
合体バルクを有機溶剤に溶解して再乳化する方法によっ
ても得ることができる。また、上記の場合、有機系紫
外線防止剤溶液または有機系紫外線防止剤エマルジョン
と、コアとなる重合体粒子の水分散体とを混合後、攪拌
しながら、コアとなる重合体粒子に油性有機溶剤及び紫
外線防止剤を吸収させる。この際、混合系の温度は、通
常10〜90℃、好ましくは、20〜80℃であり、通
常30分〜20時間程で有機系紫外線防止材をコアとな
る重合体粒子に吸収させることができる。混合系の温度
が低すぎると紫外線防止剤のコアとなる重合体粒子への
吸収が不十分となり、高すぎると紫外線防止剤のコアと
なる重合体粒子への吸収が不均一となりやすい。
【0014】紫外線防止剤をコアとなる重合体粒子に吸
収させた後、混合分散系から油性有機溶剤を除去するこ
とが、コアとなる重合体粒子からの紫外線防止剤の流出
が抑制されることから好ましい。本発明において有機系
紫外線防止剤を溶解させる油性有機溶剤としては、油性
有機溶剤100gに対して該紫外線防止剤を0.5g以
上溶解するものが好ましく、更に好ましくは1g以上溶
解するものが好ましい。また、当該油性有機溶剤の有機
系紫外線防止剤に対する溶解度Aと水に対する溶解度B
との比が10/1以上であることが好ましく、さらに好
ましくは20/1以上である。10/1以下であるとコ
アとなる重合体粒子への有機系紫外線防止剤の吸収が不
十分となる場合がある。また、上記油性有機溶剤の25
℃の水に対する溶解度は10重量%以下であることが好
ましい。
【0015】このような油性有機溶剤の具体例として
は、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、
1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロメタン、
1,1,2−トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化
炭化水素類;クロロベンゼン、ο−ジクロロベンゼン、
1,2,4−トリクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン
化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチルな
どのエステル類;エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘ
キシルエーテル、オクチルエーテル、アニソール、エト
キシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの炭化水素化合物類、その他を例示することができ、
ビニルトルエン、メチルメタクリレート、ジビニルベン
ゼン、スチレン、ブチルアクリレート、ブタジエンなど
のモノマーを使用することもできる。油性有機溶剤の使
用量は、有機系紫外線防止剤1重量部に対し、200重
量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは、
0.3〜150重量部、特に好ましくは0.5〜100重
量部である。
【0016】また、有機系紫外線防止剤溶液は、界面活
性剤および/または分散安定剤の存在下において水系分
散体中に分散し、有機系紫外線防止剤エマルジョンとす
ることにより、コアとなる重合体粒子への紫外線防止剤
の吸収効率をより向上させ、有機系紫外線防止剤のコア
となる重合体粒子への吸収を短時間で達成することがで
きる。有機系紫外線防止剤エマルジョンを調製するため
時有機系紫外線防止剤の撹拌手段は、通常の攪拌翼等に
よるものでよいが、より一層の微分散状態を達成するた
めには、例えば超音波を作用させる手段、高速回転する
ホモジナイザーなどを利用することができる。通常は、
界面活性剤および/または分散安定剤と水系媒体との混
合物に有機系紫外線防止剤を加えて分散させれば良い
が、界面活性剤および/または分散剤安定剤を予め有機
系紫外線防止剤溶液に混合したものを水系媒体に分散さ
せても良い。水系媒体としては、例えば水、各種の緩衝
溶液などを挙げることができる。有機系紫外線防止剤溶
液を分散させる際に使用される界面活性剤および分散安
定剤は、複合化される樹脂粒子に好ましくない影響を与
えるものでなければ特に限定されるものではない。界面
活性剤および分散安定剤は、勿論、乳化力あるいは分散
安定化能が大きいものが好ましい。
【0017】界面活性剤としては、アニオン系界面活性
剤および/またはノニオン系界面活性剤が好ましい。ノ
ニオン系乳化剤の具体例としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコールアルキルエステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げら
れる。アニオン系乳化剤の具体例としては、脂肪酸塩、
アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルリ
ン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩などが
挙げられる。また、分散安定剤の具体例としては、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコールメチルセルロースなどの水溶性高分子物質
を挙げることができる。これらのうち、特に好ましいの
は界面活性剤である。
【0018】水系媒体の使用量は、有機系紫外線防止剤
溶液100重量部に対して15〜2000重量部である
ことが好ましく、さらに好ましくは20〜1000重量
部、特に好ましくは25〜300重量部である。有機系
紫外線防止剤を分散させる際に使用される界面活性剤お
よび/または分散安定剤の使用量は、紫外線防止剤溶液
100重量部に対して0.02〜10重量部であること
が好ましく、さらに好ましくは0.05〜5重量部、特
に好ましくは0.1〜2重量部である。界面活性剤およ
び/または分散安定剤並びに水系媒体の使用量を、上記
の好ましい範囲に規定することにより、安定的に有機系
紫外線防止剤エマルジョンを調製することができ、この
ような有機系紫外線防止剤エマルジョンを用いることに
より、有機系紫外線防止剤とコアとなる樹脂粒子との複
合化を速やかにより効率的に行うことができる。
【0019】上記の方法の場合は、コア部の重合体を
形成するモノマーに有機系および/または無機系紫外線
防止剤を配合して当該紫外線防止剤をモノマーに溶解ま
たは分散させたものを、乳化重合、ソープフリー乳化重
合、懸濁重合、分散重合などにより重合することにより
コア部の重合体粒子を重合することができる。有機系紫
外線防止剤を溶解したモノマーは、通常、ホモミキサー
などの分散装置を用いて界面活性剤および/または分散
安定剤と水系媒体との混合物中に分散される。また、無
機系紫外線防止剤をモノマーに均一に分散させる場合の
攪拌手段は、通常の攪拌翼等によるものでよいが、より
一層の微分散状態を達成するためには、例えば超音波を
作用させる手段、高速回転するホモジナイザーなどを利
用することができる。そして、通常は、界面活性剤およ
び/または分散安定剤と水系媒体との混合物に無機系紫
外線防止剤含有モノマーを加えて分散させれば良いが、
界面活性剤および/または分散安定剤を予め無機系紫外
線防止剤含有モノマーに混合したものを水系媒体に分散
させても良い。水系媒体としては、例えば水、各種の緩
衝溶液などを挙げることができ、必要において有機溶剤
を併用しても良い。上記において界面活性剤としては、
アニオン系界面活性剤および/またはノニオン系界面活
性剤が好ましく、具体的には上記の場合と同様のもの
をあげることができる。この乳化剤および/または分散
安定剤は、モノマー100重量部に対して通常は0.1
〜5重量部の量で使用される。
【0020】さらに、紫外線防止剤が溶解または分散さ
れたモノマーの水性分散体には、通常は反応開始剤を添
加して重合する。ここで使用することができる反応開始
剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化
物、および、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩等を挙げることができる。このような反応開始
剤は、モノマー100重量部に対して通常は0.1〜5
重量部の量で使用される。
【0021】紫外線防止剤が分散または溶解されたモノ
マーを重合する際には、反応容器内を窒素ガスなどの不
活性ガスでパージすることが好ましい。こうして反応容
器内を不活性ガスでパージした後、反応液の温度を30
〜90℃に加熱することにより重合反応が進行する。
の方法において、モノマーが重合するにつれてモノマー
中に溶解している有機系紫外線防止剤は析出してコア部
を形成する重合体によってコア部に封じ込まれる。ま
た、モノマー中に分散している無機系紫外線防止剤はコ
ア部を形成する重合体内部に固定化される。なお、上記
のような条件では、このコア部を形成するポリマー粒子
を製造するのに要する反応時間は2〜24時間である。
また、の方法においては、予め紫外線防止剤を含有す
るモノマーを溶液重合して形成した紫外線防止剤を含有
する重合体バルクを粉砕することもできる。また、予め
紫外線防止剤を含有するモノマーを溶液重合して形成し
た紫外線防止剤を含有する重合体バルクを有機溶剤に溶
解して再乳化することによっても得ることができる。
【0023】上記のようにして製造されたコアとなる重
合体粒子の表面に、ポリアミノ酸からなるシェルを形成
する具体的な方法としては、(a)紫外線防止剤を含有
するコアとなる重合体粒子の存在下でアミノ酸−NCA
を水または水と有機溶剤の混合溶媒中で乳化重合する方
法、(b)紫外線防止剤を含有するコアとなる重合体粒
子の存在下で予め重合したポリアミノ酸を有機溶剤に溶
解し再乳化する方法、(c)ポリアミノ酸粒子を紫外線
防止剤を含有するコアとなる重合体粒子にメカノケミカ
ルに衝突させる方法が挙げられるが、これらのうちコア
となる重合体粒子の表面に均一にポリアミノ酸からなる
シェルを形成できる点で(a)の方法が好ましい。
【0024】上記(a)の製造方法において、水と有機
溶剤との使用割合は、水:有機溶剤が重量比で100:
0〜50:50であることが好ましい。また、シェルを
形成する際に有機溶剤を使用する場合、1気圧、25℃
の条件下における水の溶解度が10g/100ミリリッ
トル以下、好ましくは5g/100ミリリットル以下の
ものである。当該水の溶解度が10g/100ミリリッ
トルを超える有機溶剤を使用する場合には、粒子状のポ
リマーが得られない場合がある。
【0025】このような有機溶剤の具体例としては、コ
アとなる重合体粒子の製造において例示した脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類、芳香族ハロゲン化炭化水素類、エス
テル類、エーテル類、炭化水素化合物類などが挙げられ
る。これらの有機溶剤は、勿論単独で用いることができ
るが、2種類以上を組み合わせることにより、水の溶解
度およびアミノ酸−NCAの溶解度などの重要な特性が
好ましく調節された有機溶剤を得ることができる。ま
た、有機溶剤を使用する必要の場合もある。また、アミ
ノ酸−NCAと重合反応媒体である水および/または有
機溶剤との使用割合は、アミノ酸−NCA:水および/
または有機溶剤の重量比で1:0.5〜1:100、好
ましくは1:1〜1:50である。
【0026】また、重合開始剤はアミノ酸−NCAの重
合反応を生起させることのできる化合物であれば特に限
定されるものではない。その具体例としては、(イ)メ
チルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチ
ルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチル
アミンなどの1級アミン類、(ロ)ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ
ヘプチルアミン、ジオクチルアミンなどの2級アミン
類、(ハ)トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミ
ン、トリオクチルアミンなどの3級アミン類、(ニ)エ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのアル
コールアミン類、(ホ)エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジ
アミン、トリエチレンジアミンなどのポリアミン類、そ
の他が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で若し
くは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】重合開始剤の使用割合は、モノマーである
アミノ酸−NCAの1モルに対し、1/2〜1/500
0モル、好ましくは1/5〜1/1000モルである。
この範囲において重合開始剤の使用量を調節することに
より、目的とする大きさの分子量を有するポリマー粒子
を得ることができる。本発明において、乳化剤として
は、用いられるアミノ酸−NCAの重合反応を阻害しな
いものであれば特に限定されるものではないが、特にノ
ニオン系乳化剤およびアニオン系乳化剤が好ましい。ノ
ニオン系乳化剤およびアニオン系乳化剤の具体例として
はコアとなる重合体粒子の製造において例示されたもの
と同様のものを挙げることができる。これらの乳化剤
は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0028】乳化剤の使用割合は、用いられるアミノ酸
−NCAの1重量部に対して0.1〜100重量部であ
り、好ましくは1〜50重量部である。この乳化剤の使
用割合が0.1重量部未満である場合には、生成するポ
リマー粒子の分子量が十分に大きなものとならないおそ
れがある。本発明においては、アミノ酸−NCAが乳化
剤により安定的に分散する状態が得られる限り、重合開
始剤、乳化剤およびアミノ酸−NCAの添加順序が限定
されるものではない。すなわち、本発明においては、ア
ミノ酸−NCAが加水分解する前にアミノ酸−NCAを
乳化状態とすることが必要である。具体的には、重合開
始剤および乳化剤が含有された水中に、上記のアミノ酸
−NCAを添加して重合することが好ましい。このと
き、重合反応中の系を乳化状態に保つため、反応器中で
攪拌することが好ましく、そのために機械的に、例えば
回転数20〜3000r.p.m.で攪拌する手段、ま
たは超音波照射による手段を利用することができ、それ
らを併用してもよい。
【0029】重合温度は、アミノ酸−NCAの種類、重
合開始剤の種類によっても異なるが、通常、0〜100
℃、好ましくは5〜90℃である。この重合温度を調節
することによって、目的とする大きさの分子量を有する
ポリ−α−アミノ酸得ることができる。なお、重合圧力
は特に限定されるものではない。アミノ酸−NCAの重
合反応は、アミノ酸−NCAが水中の重合開始剤と接触
することにより、自発的に生ずる。このような方法によ
れば、アミノ酸−NCAが反応系への添加後直ちに重合
するために必要な条件が整った状態とされているため、
アミノ酸−NCAが添加されると同時にその表面から重
合反応が生成するが、この重合反応は加水分解反応に対
して優先的に行なわれるために加水分解反応によって重
合反応が阻害されることがなく、実際上、有用なポリ−
α−アミノ酸よりなるポリマー粒子が生成される。
【0030】また、本発明によって得られる紫外線防止
性粒子のシェル部のポリ−α−アミノ酸は、次のような
方法により変性することもできる。例えば、モノマーの
アミノ酸−NCAとして、グルタミン酸エステル、アス
パラギン酸エステルなどの酸性アミノ酸エステルのN−
炭酸無水物、またはN−カルボベンゾキシリシン、N−
カルボベンゾキシオルニチンなどの塩基性アミノ酸のN
−炭酸無水物を用いた場合に得られるシェル部が、それ
らのN−炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭酸無水物と
の共重合により得られる共重合体よりなる場合には、こ
れらのシェル部表面を加水分解処理してアミノ基または
カルボキシル基を生成させることにより、粒子表面の親
水化を行うことができる。また、ポリ−α−アミノ酸か
らなるシェル部をエタノールアミン、プロパノールアミ
ン、ブタノールアミンなどのアルコールアミン類と反応
させることにより、粒子表面の親水化を行うことができ
る。さらに、ポリ−α−アミノ酸からなるシェル部をエ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミンなどのジアミン類、
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリ
コール類、またはマロン酸、コハク酸、アジピン酸など
のジカルボン酸類と反応させることにより、シェル部の
ポリアミノ酸の架橋を行うことができる。上記のアミノ
酸−NCAの重合反応が終了した状態のエマルジョンに
対し、必要に応じてスチームストリッピング法、減圧蒸
留法等により有機溶剤の除去処理を行うことが好まし
い。上記の方法によれば、紫外線防止剤をコア部の重合
体粒子中に含有し、シェル部はポリアミノ酸よりなる紫
外線防止性粒子のエマルジョンが得られるが、当該粒子
は、エマルジョンの状態のままで使用することもできる
し、また水から分離して使用することもできる。当該エ
マルジョンから紫外線防止性粒子を水から分離する手段
としては、スプレードライヤーなどを用いて一挙に水を
蒸発させる手段、エマルジョンを遠心分離処理すること
によりポリマー粒子を沈降させて分離し、得られる固形
物を乾燥させる手段、当該エマルジョンを水分離膜を用
いて濃縮した後に固形物を乾燥する手段などが挙げられ
る。また、必要に応じて、紫外線防止性粒子を水などに
より洗浄して乳化剤を除去することも可能である。
【0031】本発明の紫外線防止性粒子は、そのまま他
の原料と共に配合して使用することができ、特に化粧料
へ配合されることが好ましい。さらに、本発明の紫外線
防止性粒子は、繊維処理剤、塗料添加剤、樹脂添加剤、
人工皮革添加剤などにも使用することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもではな
い。以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒子径
は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したものであ
り、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式か
ら算出した値を示す。
【0042】
【数1】
【0033】実施例1 (1) メチルメタクリレート(MMA)100gに4
−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン
(紫外線防止剤)20gを完全に溶解させた後、アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)1gを添加し溶解さ
せた。丸底セパラブルフラスコに精製水500mlを入
れ、ここに乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート「Tween 20」(花王(株)製)1g
を添加して充分混合して分散させた。上記のようにして
乳化剤が溶解された精製水に、紫外線防止剤が溶解され
たMMAを添加し、ホモミキサーにより乳化した。乳化
後、窒素ガスでフラスコ内の乳化液を30分間シール
し、その後温度73℃で攪拌しながら5時間重合反応を
行った。5時間経過後、反応液を室温まで冷却し平均粒
子径2μmのコア部を形成する重合体粒子を得た。 (2)(1)で得られた重合体粒子の分散体にトリエチ
ルアミン7ミリモルを加えて攪拌して鰓得たエマルジョ
ン中に、γ−ベンジル−L−グルタメート−N−炭酸無
水物(以下、「BLG−NCA」という。)の粉末50
g(190ミリモル)を加え、攪拌を続けながら、室温
で5時間BLG−NCAを重合することにより、ポリ−
γ−ベンジル−L−グルタメート(以下、「PBLG」
という。)をシェルとするポリマー粒子を得た。反応
後、生成したポリマー粒子と分散媒とを濾過により分離
しポリマー粒子を水洗、濾過する操作を2回行い、乾燥
し、平均粒子径2.5μm、CV値19%のコア/シェ
ル構造を有する紫外線防止性粒子を得た。
【0034】実施例2 実施例1(1)において乳化剤として、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル「エマルゲン123P」(花王株
式会社製)0.8gを用いたこと以外は実施例1と同様
の操作を行うことにより、平均粒子径5μm、CV値2
0%のコア/シェル構造を有する紫外線防止性粒子を得
た。 実施例3 実施例1(2)においてアミノ酸−NCAの重合時に
1,2−ジクロロエタンを20g加えた以外は実施例1
と同様の操作を行うことにより、平均粒子径2.5μ
m、CV値19%のコア/シェル構造を有する紫外線防
止性粒子を得た。 実施例4 実施例1(2)においてBLG−NCAの代わりにγ−
エチル−L−グルタメート−N−炭酸無水物を30g
(150ミリモル)用いたこと以外は実施例1と同様の
操作を行うことにより、ポリ−γ−エチル−L−グルタ
メートをシェル層とする平均粒子径2.3μm、CV値
15%のコア/シェル構造を有する紫外線防止性粒子を
得た。 実施例5 実施例1(1)においてMMAのかわりにスチレン10
0gを用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、
平均粒子径1.8μm、CV値18%コア/シェル構造
を有する紫外線防止剤性粒子を得た。
【0035】実施例6 実施例1(1)において紫外線防止剤をパラジメチルア
ミノ安息香酸オクチルに変えた以外は実施例1と同様の
方法により、平均粒子径2.5μm、CV値19%コア
/シェル構造を有する紫外線防止剤性粒子を得た。 実施例7 (1)MMA100gに平均粒子径が0.1μmの酸化
チタン(紫外線防止剤)10gをホモジナイザーを用い
て充分に分散させた後、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)1gを添加し溶解させ、紫外線防止剤溶液
を得た。丸底セパラブルフラスコに精製水500mlを
入れ、ここに乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート「Tween 20」(花王(株)製)1
gを添加して充分混合して分散させた。上記のようにし
て乳化剤が溶解された精製水に、紫外線防止剤溶液を添
加し、ホモミキサーにより乳化した。乳化後、窒素ガス
でフラスコ内の乳化液を30分間シールし、その後温度
73℃で攪拌しながら5時間重合反応を行った。5時間
経過後、反応液を室温まで冷却した平均粒子径は2μm
であった。 (2)(1)で得られた重合体粒子の分散体に、トリエ
チルアミン7ミリモルを加えて攪拌してエマルジョンと
し、このエマルジョン中にBLG−NCAの粉末50g
(190ミリモル)を加え、攪拌を続けながら、室温で
5時間BLG−NCAを重合することにより、PBLG
をシェルとするポリマー粒子を得た。反応後、生成した
ポリマー粒子と分散媒とを濾過により分離した。得られ
たポリマー粒子について水洗、濾過を2回繰返し、乾燥
して平均粒子径2.5μm、CV値19%のコア/シェ
ル構造を有する紫外線防止性粒子を得た。
【0036】実施例8 実施例7(1)において紫外線防止剤を0.1μmの酸
化亜鉛に変えた以外は実施例7と同様の方法により、平
均粒子径2.5μm、CV値19%のコア/シェル構造
を有する紫外線防止性粒子を得た。 実施例9 (1)トルエン50gに4−tert−ブチル−4’−
メトキシベンゾイルメタン(紫外線防止剤)10gを完
全に溶解させた後、丸底セパラブルフラスコに精製水5
00mlを入れ、ここに乳化剤(ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート「Tween 20」(花王
(株)製)1g、および平均粒子径が5μmのナイロン
粒子100gを添加して充分混合して分散させた。上記
のようにして乳化剤が溶解された精製水に、紫外線防止
剤が溶解されたトルエンを添加し、ホモミキサーにより
乳化後、温度40℃で3時間攪拌を行った。 (2)3時間経過後、トリエチルアミン7ミリモルを加
えて攪拌し、このエマルジョン中にBLG−NCAの粉
末50g(190ミリモル)を加え、攪拌を続けなが
ら、室温で5時間BLG−NCAを重合することによ
り、PBLGをシェルとするポリマー粒子によるエマル
ジョンを得た。反応後、スチームストリッピングにより
有機溶剤を除去した後、生成したポリマー粒子と分散媒
とを濾過により分離した。得られたポリマー粒子につい
て水洗、濾過を2回行い、乾燥し、平均粒子径5.5μ
m、CV値15%のコア/シェル構造を有する紫外線防
止剤性粒子を得た。
【0037】実施例10 実施例9(2)においてシェル部を形成する際のアミノ
酸−NCAの重合時に1,2−ジクロロエタン20g加
えた以外は実施例9と同様の操作を行うことにより、平
均粒子径5.5μm、CV値17%コア/シェル構造を
有する紫外線防止性粒子を得た。 実施例11 実施例9(2)においてBLG−NCAの代わりにγ−
エチル−L−グルタメート−N−炭酸無水物を30g
(150ミリモル)用いたこと以外は実施例9と同様の
操作を行うことにより、ポリ−γ−エチル−L−グルタ
メートをシェル層とする平均粒子径5.8μm、CV値
15%コア/シェル構造を有する紫外線防止剤性粒子を
得た。 実施例12 実施例9(1)においてナイロン粒子のかわりに平均粒
子径2μmのポリメチルメタクリレート粒子を100g
用いたこと以外は実施例9と同様の方法により、平均粒
子径2.4μm、CV値18%のコア/シェル構造を有
する紫外線防止剤性粒子を得た。
【0038】実施例13 実施例9(1)において紫外線防止剤をパラジメチルア
ミノ安息香酸オクチルに変えた以外は実施例9と同様の
方法により、平均粒子径5.5μm、CV値17%コア
/シェル構造を有する紫外線防止剤性粒子を得た。 試験例1 実施例1〜13により得られた紫外線防止性粒子につい
て、ストリップメソッドによるパッチテストを行った結
果、24時間貼布、48時間貼布テストとも異常は認め
られなかった。 試験例2 実施例1〜13で得られた紫外線防止性粒子を以下に示
す処方1に従って配合してパウダーファウンデーション
を製造した。
【0039】 上記のようにして製造したパウダーファウンデーション
は、本発明の紫外線防止性粒子を用いないで製造したフ
ァウンデーションよりも落ち着いた光沢を有し、しかも
化粧のりがよく、皮膚に対する刺激もほとんど見られな
かった。
【0040】
【発明の効果】本発明の紫外線防止性粒子は、コア/シ
ェル構造を有し、コア部には紫外線防止剤が内包されて
おり、その表面層を生体適合性に優れるポリアミノ酸に
より被覆されている。従って、本発明の紫外線防止性粒
子が油性基材と接触しても、紫外線防止剤が含有される
コア部にまで油性基材が浸透しにくく、紫外線防止剤が
実質的に粒子外部に溶出されない。従って本発明の紫外
線防止性粒子を含有する化粧料、皮膚刺激が少ない。ま
た、最外層のポリアミノ酸は透明性が高く、さらにはコ
ア部に均一に紫外線防止剤が分散されている為に必要以
上に多く配合する必要もない為に、紫外線防止剤に起因
する白化、着色を抑えることができる。
フロントページの続き (72)発明者 山川 芳孝 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 黒田 恭子 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線防止剤を含有する重合体からなる
    コア部と、該コア部の表面に形成された紫外線防止剤を
    含有しないポリアミノ酸からなるシェル部からなること
    を特徴とする紫外線防止性粒子。
JP9340996A 1996-03-22 1996-03-22 紫外線防止性粒子 Pending JPH09255525A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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