JPH09255778A - 複合粒子 - Google Patents

複合粒子

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JPH09255778A
JPH09255778A JP9190596A JP9190596A JPH09255778A JP H09255778 A JPH09255778 A JP H09255778A JP 9190596 A JP9190596 A JP 9190596A JP 9190596 A JP9190596 A JP 9190596A JP H09255778 A JPH09255778 A JP H09255778A
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amino acid
particles
poly
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nca
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JP9190596A
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English (en)
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Kouji Shiho
浩司 志保
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Akihiko Morikawa
明彦 森川
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kyoko Kuroda
恭子 黒田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体適合性の優れた複合粒子を得る。 【解決手段】 ポリ−α−アミノ酸粒子内部に、液状お
よび/または固体状の物質を平均して0<X≦85重量
%[X=(複合粒子一個あたりに含有される液状および
/または固体状の物質の重量)/(複合粒子一個あたり
の重量)]含有し、平均粒子径が0.01〜100μm
の範囲にあり、かつ該平均粒子径の変動係数が1〜30
%であることを特徴とする複合粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体適合性の優れ
たポリ−α−アミノ酸粒子内に液状および/または固体
状の物質を含有する複合粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ−α−アミノ酸は、固体の重合体で
ありながら微生物によって分解される性質を有すると共
に、酸素および水を透過する性質を有し、かつ生体適合
性に優れる特性を有する高分子量体である。従って、こ
のポリ−α−アミノ酸よりなるポリマー粒子は、上記の
特性を考慮するとき、化粧品、医療、農薬、肥料などの
カプセル化材において、新しい素材として有用と考えら
れている。特開昭57-106609号には、ポリペプチドマト
リックスに生理活物質を包括する徐放性複合体を製造す
る方法が記載されている。しかしながら、該公報に記載
される技術はポリペプチドがゼリー状、または高粘度液
体状であり、取扱いが困難で上記に示す数々の用途への
展開を妨げている。従来、ポリ−α−アミノ酸粒子に他
の物質を内包したり、その他の機能と複合化させたよう
な複合粒子は存在せず、そのためポリ−α−アミノ酸の
用途を拡大することができなかったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
基本的にポリ−α−アミノ酸粒子が持つ特性に加えて他
の機能を複合化した粒子、すなわち、ポリ−α−アミノ
酸よりなるポリマー粒子内部に液状および/または固体
状の物質を固定化した複合粒子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリ−α−ア
ミノ酸粒子内部に、液状および/または固体状の物質を
平均して0<X≦85重量%[X=(複合粒子一個あた
りに含有される特定物質の重量)/(複合粒子一個あた
りの重量)]含有し、平均粒子径が0.01〜100μm
の範囲にあり、かつ該平均粒子径の変動係数が1〜30
%であることを特徴とする複合粒子、特に紫外線防止剤
をポリ−α−アミノ酸粒子内部に含有し、平均粒子径が
0.01〜100μmの範囲にあり、かつ該平均粒子径
の変動係数が1〜30%であることを特徴とする紫外線
吸収性粒子を提供するものである。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられる複合粒子の骨格をなすポリ−α
−アミノ酸粒子は、粒子内部に空孔を有し、その為、粒
子内部に特定物質(以下「特定物質」という)を内包す
ることが可能である。α−アミノ酸の具体例としては、
(イ)グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイ
シン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニ
ン、メチオニン、プロリンなどの中性アミノ酸類、
(ロ)グルタミン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−
β−エステルなどの酸性アミノ酸−ω−エステル類(こ
こでエステルとは、メチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステ
ル、2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエス
テル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどを示
す。)、(ハ)N−カルボベンゾキシリシン、N−カル
ボベンゾキシオルニチン、N−アセチルリシンなどのN
−アシル塩基性アミノ酸類、(ニ)セリン、トレオニ
ン、システィン、チロシンなどの水酸基含有α−アミノ
酸のエステル類(ここでエステルとは、メチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、
シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジル
エステルなどを示す。)が挙げられる。これらのα−ア
ミノ酸より得られるアミノ酸−NCAは、光学活性体ま
たはラセミ体あるいはこれらの混合物であってもよく、
また、必要に応じて2種類以上組み合わせて用いること
ができる。また、アミノ酸−NCAは、水に添加する前
に粉砕しておくこともできる。ポリ−α−アミノ酸粒子
の空孔の存在比率は、ポリ−α−アミノ酸に対し、体積
比(粒子1個あたりの空孔の体積/粒子1個あたりのポ
リ−α−アミノ酸の体積)で通常0.0001〜100
0、好ましくは0.001〜100の範囲にある。本発
明の複合粒子の平均粒子径は、通常0.01〜100μ
m、好ましくは、0.05〜50μmであり、該平均粒
子径の変動係数は通常1〜30%、好ましくは1〜20
%である。平均粒子径が0.01μm未満であると、後
述する複合粒子を安定的に製造できない場合がある。ま
た、100μmより大きくしようとすると粒子状をなさ
なくなる場合がある。本発明の複合粒子において、ポリ
−α−アミノ酸粒子内部に含有される特定物質の含有率
は、通常0<X≦85重量%(X=(複合粒子一個あた
りに含有される特定物質の重量)/(複合粒子一個あた
りの重量))、好ましくは5<X≦50重量%である。
含有率が85重量%より大きくなると、ポリ−α−アミ
ノ酸粒子が割れ易くなり、特定物質が内包できなくなる
場合があり好ましくない。
【0006】本発明において特定物質としては、医薬
品、農薬、肥料、化粧料、紫外線防止剤、磁性材料、導
電性材料、香料、顔料、吸油剤、吸水剤、塗料などが挙
げられるが、特に紫外線防止剤が有用である。紫外線防
止剤としては有機系紫外線防止剤および無機系紫外線防
止剤があり、有機系紫外線防止剤としては、2−エチル
ヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、アミノ−
p−ジメチルアミノベンゾエート、グリセリル−p−ア
ミノベンゾエート、エチル−p−ジエチルアミノベンゾ
エート、エチル−p−ジエチルアミノベンゾエート、お
よびグリセリル−モノ−p−アミノベンゾエート等のア
ミノベンゾエート系紫外線防止剤;p−tert−ブチ
ルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートお
よびジプロピレングリコールサリチレート等のサリチレ
ート系紫外線防止剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線防止剤;2−
(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線防止剤;2−
エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、2,2’
−ビス−(p−メトキシスチリル)−エチル−p−メト
キシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシ
シンナメート、およびメチル−2,5−ジイソプロピル
シンナメート等のシンナメート系紫外線防止剤;ウロカ
ニン酸、およびウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系
紫外線防止剤、およびビタミンA1、ビタミンA2、ビタ
ミンA3、ビタミンB2、およびビタミンB12等のビタミ
ン系紫外線防止剤;ニッケルキレート系紫外線防止剤;
ヒンダードアミン系紫外線防止剤;4−tert−ブチ
ル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、p−ジメチ
ルアミノ安息香酸オクチル、次式で示されるようなグリ
セリンのp−メトキシケイ皮酸エステル等が挙げられ
る。
【0007】これらの中では、4−tert−ブチル−
4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、p−ジメチルア
ミノ安息香酸オクチル、グリセリンのp−メトキシケイ
皮酸エステル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノンおよび2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等が特に好ましい。ここで4
−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメ
タンは320〜400nmのA波長の紫外線を吸収する
能力が高く、p−ジメチルアミノ安息香酸オクチル、上
記式で表されるグリセリンのp−メトキシケイ皮酸エス
テル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンは
280〜320nmのB波長の紫外線を吸収する能力が
高く、また2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールは上記A波長およびB波長の両
者にわたる紫外線を吸収する能力が高い。無機系紫外線
防止剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、等の
金属酸化物が挙げられるが、好ましくは酸化チタン、酸
化亜鉛である。上記の紫外線防止剤は、単独であるいは
2種以上混合して使用することができる。また、有機系
紫外線防止剤と無機系紫外線防止剤を組み合わせて使用
することもできる。上記無機系紫外線防止剤の平均粒子
径は0.005〜2μm、好ましくは0.01〜1μmで
ある。
【0008】本発明の複合粒子の製造方法としては、
(i)特定物質を必要に応じて有機溶剤に溶解し、ま
た、必要に応じてさらに水と混合してエマルジョンとし
た後、ポリ−α−アミノ酸粒子の水分散体と混合し、ポ
リ−α−アミノ酸粒子に特定物質を吸収、固定化する方
法、(ii)有機溶剤に特定物質を溶解または分散した
溶液を加えてアミノ酸−NCAを乳化重合し、ポリ−α
−アミノ酸粒子内に特定物質を固定化する方法などが挙
げられる。(i)の方法においてポリ−α−アミノ酸粒
子を製造するには、α−アミノ酸−N−炭酸無水物
(以下、アミノ酸−NCAと略す)を乳化重合する方
法、アミノ酸−NCAを溶液重合した後再乳化する方
法、ポリアミノ酸バルクを粉砕する方法、などを挙げ
ることができるが、好ましくはの方法である。の方
法において、反応媒体としては水および/または有機溶
媒が使用できる。水と有機溶剤との使用割合は、水:有
機溶剤が重量比で100:0〜50:50であることが
好ましい。また、有機溶剤を使用する場合、1気圧、2
5℃の条件下における水の溶解度が10g/100ミリ
リットル以下、好ましくは5g/100ミリリットル以
下のものが好ましい。当該水の溶解度が10g/100
ミリリットルを超える有機溶剤を使用する場合には、粒
子状のポリマーが得られない場合がある。
【0009】このような有機溶剤の具体例としては、ク
ロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロメタン、1,1,2
−トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素
類;クロロベンゼン、ο−ジクロロベンゼン、1,2,
4−トリクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチルなどのエス
テル類;エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエ
ーテル、オクチルエーテル、アニソール、エトキシベン
ゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水
素化合物類、その他が挙げられる。これらの有機溶剤
は、勿論単独で用いることができるが、2種類以上を組
み合わせることにより、水の溶解度およびアミノ酸−N
CAの溶解度などの重要な特性が好ましく調節された有
機溶剤を得ることができる。
【0010】また、アミノ酸−NCAと重合反応媒体で
ある水との使用割合は、アミノ酸−NCA:水の重量比
で1:0.5〜1:100、好ましくは1:1〜1:5
0である。本発明において、重合開始剤は、アミノ酸−
NCAの重合反応を生起させることのできる化合物であ
れば特に限定されるものではない。重合開始剤の具体例
としては、(イ)メチルアミン、エチルアミン、イソプ
ロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミンなどの1級アミン類、(ロ)
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジ
ヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン
などの2級アミン類、(ハ)トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、
トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどの3級ア
ミン類、(ニ)エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノー
ルアミンなどのアルコールアミン類、(ホ)エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチル−
1,3−プロパンジアミン、トリエチレンジアミンなど
のポリアミン類などが挙げられる。これらの重合開始剤
は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0011】重合開始剤の使用割合は、アミノ酸−NC
Aの1モルに対し、1/2〜1/5000モル、好まし
くは1/5〜1/1000モルである。この範囲におい
て重合開始剤の使用量を調節することにより、目的とす
る大きさの分子量を有するポリマー粒子を得ることがで
きる。本発明において、乳化剤としては特にノニオン系
乳化剤が好ましい。ノニオン系乳化剤の具体例として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールア
ルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステルなどが挙げられる。これらの乳化剤は、単独
で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。乳化剤の使用割合は、用いられるアミノ酸−NCA
の1重量部に対して0.1〜100重量部であり、好ま
しくは1〜50重量部である。この乳化剤の使用割合が
0.1重量部未満である場合には、生成するポリマー粒
子の分子量が十分に大きなものとならないおそれがあ
る。本発明においては、アミノ酸−NCAが乳化剤によ
り安定的に分散する状態が得られる限り、重合開始剤、
乳化剤およびアミノ酸−NCAの添加順序が限定される
ものではない。すなわち、本発明においては、アミノ酸
−NCAが加水分解する前にアミノ酸−NCAを乳化状
態とすることが必要である。
【0012】具体的には、重合開始剤および乳化剤が含
有された水中に、上記のアミノ酸−NCAを添加して重
合することが好ましい。このとき、水を反応器中で攪拌
することが好ましく、そのために機械的に攪拌する手
段、または超音波照射による手段を利用することがで
き、それらを併用してもよい。このような方法によれ
ば、アミノ酸−NCAが添加される水よりなる重合反応
媒体においては、当該アミノ酸−NCAがそのまま直ち
に重合するために必要な条件が整った状態とされている
ため、アミノ酸−NCAが添加されると同時にその表面
から重合反応が生成するが、この重合反応は加水分解反
応に対して優先的に行なわれるために加水分解反応によ
って重合反応が阻害されることがなく、実際上、有用な
ポリ−α−アミノ酸粒子が生成され、その結果、当該重
合反応系はそのままポリ−α−アミノ酸粒子によるエマ
ルジョンとなる。
【0013】アミノ酸−NCAの重合反応は、アミノ酸
−NCAが水中の重合開始剤と接触することにより、自
発的に生ずる。重合温度は、アミノ酸−NCAの種類、
重合開始剤の種類によっても異なるが、通常、0〜10
0℃、好ましくは5〜90℃である。この重合温度を調
節することによって、目的とする大きさの分子量を有す
るポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子を製造することが
できる。なお、重合圧力は特に限定されるものではな
い。重合反応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要が
ある。この攪拌は、例えば反応器中で機械的に攪拌する
手段によって行うことが好ましく、その回転数は、通
常、20〜3000r.p.m.である。
【0014】上記の方法によればポリ−α−アミノ酸粒
子のエマルジョンが得られるが、当該粒子は、エマルジ
ョンの状態のままで使用することもできるし、また水か
ら分離して使用することもできる。当該エマルジョンに
おけるポリ−α−アミノ酸粒子を水から分離する手段と
しては、スプレードライヤーなどを用いて一挙に水を蒸
発させる手段、エマルジョンを遠心分離処理することに
よりポリ−α−アミノ酸粒子を沈降させて分離し、得ら
れる固形物を乾燥させる手段、当該エマルジョンを水分
離膜を用いて濃縮した後に固形物を乾燥する手段などが
挙げられる。また、必要に応じて、ポリ−α−アミノ酸
粒子を水などにより洗浄して乳化剤を除去することも可
能である。
【0015】また、上記において得られるポリ−α−ア
ミノ酸粒子は、次のような方法により変性することもで
きる。例えば、モノマーのアミノ酸−NCAとして、グ
ルタミン酸エステル、アスパラギン酸エステルなどの酸
性アミノ酸エステルのN−炭酸無水物、またはN−カル
ボベンゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニチン
などの塩基性アミノ酸のN−炭酸無水物を用いた場合に
得られる粒子、あるいはポリマー粒子が、それらのN−
炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭酸無水物との共重合
により得られる共重合体よりなる粒子である場合には、
これらの粒子表面を加水分解処理してアミノ基またはカ
ルボキシル基を生成させることにより、粒子表面の親水
化を行うことができる。また、ポリ−α−アミノ酸粒子
をエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノール
アミンなどのアルコールアミン類と反応させることによ
り、粒子表面の親水化を行うことができる。さらに、ポ
リ−α−アミノ酸粒子をエチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミンなどのジアミン類、エチレングリコール、プロピ
レングリコールなどのグリコール類、またはマロン酸、
コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類と反応させ
ることにより、ポリマー粒子の架橋を行うことができ
る。
【0016】次に、特定物質の溶液またはエマルジョン
と、ポリ−α−アミノ酸粒子水分散体とを混合後、攪拌
しながら、ポリ−α−アミノ酸粒子に特定物質を吸収さ
せることが必要となるが、この際、混合系の温度は、通
常10〜90℃、好ましくは、20〜80℃に保ち、3
0分〜20時間程で吸収させることができる。混合系の
温度が低すぎると特定物質のポリ−α−アミノ酸粒子へ
の吸収が不十分となり、高すぎると吸収が不均一となり
やすい。続いて、混合分散系から油性有機溶剤を除去す
ることが、ポリ−α−アミノ酸粒子からの特定物質の流
出が抑制されるので好ましい。この場合において使用さ
れる、ポリ−α−アミノ酸粒子に吸収させる特定物質を
溶解させる有機溶剤としては、有機溶剤100gに対し
て該特定物質を0.5g以上溶解するものが好ましく、
更に好ましくは1g以上溶解するものが好ましい。ま
た、当該有機溶剤の特定物質に対する溶解度Aと水に対
する溶解度Bとの比が10/1以上であることが好まし
く、さらに好ましくは20/1以上である。10/1以
下であるとポリ−α−アミノ酸粒子への当該特定物質の
吸収が不十分となる場合がある。また、上記油性有機溶
剤の水に対する溶解度は10重量%以下であるものが好
ましい。
【0017】このような有機溶剤の具体例としては、上
記に例示した脂肪族ハロゲン化炭化水素類、芳香族ハロ
ゲン化炭化水素類、エステル類、エーテル類、炭化水素
化合物類と同様のものおよびビニルトルエン、メチルメ
タクリレート、ジビニルベンゼン、スチレン、ブチルア
クリレート、ブタジエンなどのモノマーを使用すること
もできる。ポリ−α−アミノ酸粒子内に含有させる特定
物質を溶解するために用いられる有機溶剤の量は、当該
特定物質1重量部に対し、200重量部以下であること
が好ましく、さらに好ましくは、0.3〜150重量
部、特に好ましくは0.5〜100重量部である。ポリ
−α−アミノ酸粒子内に含有させる特定物質を油性有機
溶剤に溶解させて得られる溶液は、ポリ−α−アミノ酸
粒子水分散体と直接混合する事ができ、これにより、特
定物質がポリ−α−アミノ酸粒子に吸収される。また、
液状および/または固形状の物質の有機溶剤溶液は、界
面活性剤および/または分散安定剤の存在下に超音波を
作用させる手段、高速回転するホモジナイザーなどを用
いてエマルジョンとしてからポリ−α−アミノ酸粒子と
混合することにより、ポリ−α−アミノ酸粒子との複合
化をより短時間で達成することができる。
【0018】ここで使用することのできる界面活性剤と
しては、アニオン系界面活性剤および/またはノニオン
系界面活性剤が好ましい。ノニオン系乳化剤の具体例は
前記と同様のものをあげることができ、アニオン系乳化
剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ンアルキル硫酸エステル塩などが挙げられる。また、分
散安定剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレングリコールメチルセ
ルロースなどの水溶性高分子物質を挙げることができ
る。これらのうち、特に好ましいのは界面活性剤であ
る。ポリ−α−アミノ酸粒子に含有させる特定物質を分
散させる水系媒体の使用量は、当該溶液100重量部に
対して15〜2000重量部であることが好ましく、さ
らに好ましくは20〜1000重量部、特に好ましくは
25〜300重量部である。特定物質を分散させる際に
使用される界面活性剤および/または分散安定剤の使用
量は、当該溶液100重量部に対して0.02〜10重
量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.05
〜5重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。
【0019】次に、(ii)の方法の場合は、まず有機
溶剤に特定物質を配合して当該物質を有機溶剤に溶解ま
たは分散させたものを加えてアミノ酸−NCAを乳化重
合すれば良い。上述の特定物質を有機溶剤に溶解させる
場合、溶解した有機溶剤を、通常はホモミキサー等の分
散装置を用いて、アミノ酸−NCAを乳化重合する際の
水系媒体に分散させる。固体状の物質を有機溶剤に均一
に分散させる場合は、例えば超音波を作用させる手段、
高速回転するホモジナイザーなどを利用することができ
る。そして、通常は、界面活性剤および/または分散安
定剤とアミノ酸−NCAを乳化重合する際の水系媒体と
の混合物に固体状の物質含有有機溶剤を加えて分散させ
れば良いが、界面活性剤および/または分散安定剤を予
め固体状の物質含有有機溶剤に混合したものを水系媒体
に分散させても良い。
【0020】水系媒体としては、例えば水、各種の緩衝
溶液などを挙げることができ、必要において有機溶剤が
併用される。上記の(i)および(ii)の方法によれ
ば、特定物質をポリ−α−アミノ酸粒子内部に内包する
複合粒子のエマルジョンが得られるが、当該粒子は、エ
マルジョンの状態のままで使用することもできるし、ま
た水から分離して使用することもできる。複合粒子を水
から分離する手段としては、スプレードライヤーなどを
用いて一挙に水を蒸発させる手段、エマルジョンを遠心
分離処理することにより当該複合粒子を沈降させて分離
し、得られる固形物を乾燥させる手段、当該エマルジョ
ンを水分離膜を用いて濃縮した後に固形物を乾燥する手
段などが挙げられる。また、必要に応じて、当該複合粒
子を水などにより洗浄して乳化剤を除去することも可能
である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒子径
は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したものであ
り、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式か
ら算出した値を示す。
【0022】数1
【0023】実施例1 丸底セパラブルフラスコに精製水2リットルを入れ、こ
こに乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート「Tween 20」(花王(株)製)1gを添加
して充分混合して分散させた。上記のようにして乳化剤
が溶解された精製水に、トルエン50gに4−tert
−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン(紫外線防
止剤)20gを溶解した溶液を添加し、ホモミキサーに
より乳化した。乳化後、トリエチルアミン14.4ミリ
モルを加えて攪拌しこのエマルジョン中にγ−ベンジル
−L−グルタメート−N−炭酸無水物(以下、「BLG
−NCA」という。)の粉末100g(380ミリモ
ル)を加え、攪拌を続けながら、室温で5時間BLG−
NCAを重合することにより、紫外線防止剤を粒子内部
に含有したポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート(以
下、「PBLG」という。)粒子によるエマルジョンを
得た。反応後、スチームストリッピングにより有機溶剤
を除去した後、生成した粒子と分散媒とを濾過により分
離した。得られた粒子について水洗、濾過を2回行い、
乾燥して平均粒子径10μm、CV値19%の複合粒子
を得た。
【0024】実施例2〜15 実施例1において、アミノ酸−NCA、特定物質、特定
物質を溶解する溶剤、乳化剤、重合分散媒を表1および
2のとおり代えた以外は実施例1と同様の操作を行い、
表1および2に示す平均粒子径およびCV値の複合粒子
を得た。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施例16 丸底セパラブルフラスコに精製水2リットルを入れ、こ
こに乳化剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート「Tween 20」(花王(株)製)1g、トリ
エチルアミン14.4ミリモルを加えて攪拌し、この中
にγ−ベンジル−L−グルタメート−N−炭酸無水物
(以下、「BLG−NCA」という。)の粉末100g
(380ミリモル)を加え、攪拌を続けながら、室温で
5時間BLG−NCAを重合することによりPBLG粒
子のエマルジョンを得た。次に、このエマルジョンの中
にトルエン50gに4−tert−ブチル−4’−メト
キシベンゾイルメタン(紫外線防止剤)15gを完全に
溶解させた溶液を添加し、40℃に加熱して3時間攪拌
を行った。その後、スチームストリッピングにより有機
溶剤を除去した後、生成した粒子と分散媒とを濾過によ
り分離した。得られた粒子について水洗、濾過を2回行
い、乾燥して平均粒子径10μm、CV値19%の複合
粒子のであった。
【0028】実施例17〜25 実施例16において、アミノ酸−NCA、特定物質、特
定物質を溶解する溶剤、重合分散媒を表3および4のと
おり代えた以外は実施例16と同様の操作を行い、表3
および4に示す平均粒子径およびCV値の複合粒子を得
た。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】試験例1 実施例1〜8により得られた複合粒子について、ストリ
ップメソッドによるパッチテストを行った結果、24時
間貼布、48時間貼布テストとも以上は認められなかっ
た。
【0032】実施例2 上記実施例1〜8で得られた複合粒子を以下に示す処方
1に従って配合してパウダーファウンデーションを製造
した。 上記のようにして製造したパウダーファウンデーション
は、本発明の紫外線吸収性粒子を用いないで製造したフ
ァウンデーションよりも落ち着いた光沢を有し、しかも
化粧のりがよく、皮膚に対する刺激もほとんど見られな
かった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ−α−アミノ酸粒
子内部に、特定物質が含有されている複合粒子が提供さ
れる。より具体的には、生分解性、生体適合性、酸素透
過性、および水分透過性に優れる多孔質なポリアミノ酸
粒子内部に、医薬品、農薬、肥料、化粧料、紫外線防止
剤、磁性材料、導電性材料、香料、顔料、吸油剤、吸水
剤、塗料、その他有機材料および/または無機材料の低
分子〜高分子材料などが内包可能となっている。その
為、ポリ−α−アミノ酸粒子の用途を飛躍的に拡大する
こととなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 芳孝 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 黒田 恭子 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−α−アミノ酸粒子内部に、液状お
    よび/または固体状の物質を平均して0<X≦85重量
    %[X=(複合粒子一個あたりに含有される液状および
    /または固体状の物質の重量)/(複合粒子一個あたり
    の重量)]含有し、平均粒子径が0.01〜100μm
    の範囲にあり、かつ該平均粒子径の変動係数が1〜30
    %であることを特徴とする複合粒子。
  2. 【請求項2】 液状および/または固形状の物質が紫外
    線防止剤であることを特徴とする請求項1記載の複合粒
    子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2776510A1 (fr) * 1998-03-31 1999-10-01 Oreal Derives de polyamino-acides et leur utilisation dans des compositions de traitement des fibres keratiniques
JP5166862B2 (ja) * 2005-02-17 2013-03-21 出光興産株式会社 420nmの波長光に対して吸収能を持つ熱可塑性樹脂組成物およびその成形体

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