JP3622187B2 - ポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−アミノ酸−N−炭酸無水物(以下“アミノ酸−NCA”と略す)を重合するにあたり、アミノ酸−NCAおよび生成したポリα−アミノ酸のいずれの溶解度も0.1g/100ml以下である有機溶媒を用いて、アミノ酸−NCAを不均一重合することを特徴とするポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミノ酸は固体であるが、微生物によって分解される性質を有すると共に、酸素および水に対する透過性を有するなど、優れた特性を有するものであり、自然環境の保全の点で好適な高分子物質である。従って、ポリアミノ酸は、前記特性を考慮すると、紙、樹脂、ゴム、繊維などのコーティング材、化粧品配合用粒子、診断薬用粒子、クロマトグラフ用充填剤および薬品、肥料、香料などのカプセル化材などの用途に有用であり、展開が今後期待されている。
従来、ポリアミノ酸を得る方法としては、アミノ酸−NCAを無水の有機溶媒に溶解し、アミン化合物に代表されるような重合開始剤を用いて均一溶液重合する方法が一般的である。粉末状のポリアミノ酸が直接得られれば、化粧品、医療、農薬などの用途において、新しい素材として期待できる。
【0003】
また、従来一般的に行われているアミノ酸−NCAの均一溶液重合では、重合体を直接的に粉末状態で得ることはできない。
ポリアミノ酸の粒子を得る方法として、(1)ポリアミノ酸の固体を有機溶媒に溶解したポリマー溶液、またはアミノ酸NCAを有機溶媒中で均一重合して得られたポリマー溶液を調製し、これに水と乳化剤を加えて乳化し、次に有機溶媒を除去する方法が知られている(「再乳化法」という、特公平5−13168号公報参照)。
また、他のポリアミノ酸粒子を得る方法として、(2)アミノ酸−NCAが可溶で、ポリアミノ酸が不溶である有機溶媒を用いてアミノ酸−NCAを重合し、ポリアミノ酸粒子を得る方法(「析出重合法」という、例えば特開昭51−87597号公報参照)、(3)アミノ酸−NCAを、溶媒を用いず、固相のまま重合し、ポリアミノ酸の粉末を得る方法(「固相重合法」という、例えば特開平3−95223号公報参照)、(4)アミノ酸−NCAが可溶、ポリアミノ酸が不溶である有機溶媒にアミノ酸−NCAを溶解し、この溶液を、それに非相溶な他の有機溶媒中に分散した状態で重合を行い、ポリアミノ酸粒子を得る方法(「不均一重合法」という、特開平4−41526号公報参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】
前記の再乳化法においては、(i)ポリマー溶液の調製、(ii)水へのポリマー溶液の乳化、(iii)有機溶媒の除去という、三段階におよぶ煩雑な工程を経なければ目的のポリアミノ酸のエマルジョンあるいは粒子を製造することができない。
前記の析出重合法でポリアミノ酸粒子を得る方法においては、生成する粒子の粒径が不均一である、粒径の制御が困難であるなどの問題がある。また、前記の固相重合法では、重合開始剤が固相に均一に供給されず、分子量の制御が困難であり、また均一な粒径の粒子を得ることができない。さらに、前記の不均一重合法では、2種類の有機溶剤の使用が必要であり、かつ限定された条件に適合する2種の有機溶媒を、用いるアミノ酸−NCAの種類によりその都度選択する必要があり、そのため工程が非常に煩雑になり、しかも適用範囲の狭い方法である。そこで本発明の目的は、前記従来法の課題が改良され、ポリアミノ酸の粉末が直接得られる工業的な方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前記本発明の目的は、有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合するにあたり、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物の溶解度および該α−アミノ酸−N−炭酸無水物の重合体の溶解度がいずれも25℃において0.1g/100ml以下となる有機溶媒中において、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合するポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法により達成される。
【0006】
本発明によれば、アミノ酸−NCAを、該アミノ酸−NCAの溶解度と該アミノ酸−NCAの重合体(以下、「ポリアミノ酸」という)溶解度がいずれも25℃において0.1g/100ml以下である有機溶媒(以下、「特定有機溶媒」という)中に懸濁し、特定有機溶媒可溶性の重合開始剤を用いてアミノ酸−NCAを重合する。特定有機溶媒に溶解した重合開始剤はアミノ酸−NCAの懸濁粒子に均一に働き、重合を開始することができる。その結果、ポリアミノ酸の均一な粒子が製造できる。また、生成したポリ−α−アミノ酸粉末が懸濁した状態で得られるため、ろ過などの方法により目的とするポリマー粒子を容易に特定有機溶媒中から分離可能である。さらに、乳化剤などの添加剤を必要としないため、純度の高いポリアミノ酸粉末を容易に得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】
本発明で使用するアミノ酸−NCAについて詳細に説明する。本発明で用いられるアミノ酸−NCAとしては、すべてのα−アミノ酸から導かれるアミノ酸−NCAが含まれる。α−アミノ酸としては、例えば(a)グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、プロリンなどの中性アミノ酸;(b)グルタミン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−β−エステルなどの酸性アミノ酸−ω−エステル(ここでエステル基を形成するアルコール残基としては、メチル−、エチル−、ブチル−、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−など炭素数1〜20、好ましくは1〜15のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である);(c)N−カルボベンゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニチン、N−アセチルリシンなどのN−アシル塩基性アミノ酸(ここでアシル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜15のものが適当である);(d)セリン、トレオニン、チロシンなどの水酸基含有α−アミノ酸のエステル(ここでエステル基を形成するカルボン酸残基としては、メチル−、エチル−、ブチル−、オクチル、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−またはナフタレンメチルなどの炭素数1〜20、好ましくは1〜15のものが適当である)などが挙げられる。
【0008】
これらのα−アミノ酸のうち、側鎖にカルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、グアニジル基などの官能基を有するα−アミノ酸は、これらの官能基を適当な保護基を用いて保護した後にアミノ酸−NCAに導く必要がある。
アミノ酸−NCAの好ましい例としては、グルタミン酸またはアスパラギン酸のエステルのNCA、リシンのN−アシル化合物のNCA、グリシンまたはアラニンのNCAが挙げられる。
また、前記アミノ酸−NCAは光学活性体、またはラセミ体あるいはそれらの混合物であっても良いし、必要に応じて2種以上を混合して用いることができる。これらのアミノ酸の結晶は予め粉砕し、微粉末状にして使用することもできる。
【0009】
特定有機溶媒は、アミノ酸−NCAおよび生成するポリアミノ酸の溶解度がいずれも25℃において0.1g/100ml以下、好ましくは0.05g/100ml以下である特定有機溶媒であり、アミノ酸−NCAの重合を妨げない特定有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明で使用する特定有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサンなどの炭素数5〜20、好ましくは5〜10の脂肪酸炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜9、好ましくは6〜8の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、エトキシベンゼンなどの炭素数4〜20、好ましくは4〜16のエーテル類が好ましい例として挙げられる。これら特定有機溶媒は、乾燥状態で使用するのが好ましい。また、これら特定有機溶媒は、1種のみならず、2種以上混合して使用することができる。
【0010】
本発明の方法において、アミノ酸−NCAと有機溶媒との好ましい組み合わせを以下例示する。グルタミン酸−γ−メチルエステル−NCA(MLG−NCA)、グルタミン酸−γ−エチルエステル−NCA(ELG−NCA)、グルタミン酸−γ−ベンジルエステル−NCA(BLG−NCA)またはアスパラギン酸−β−エステル−NCAの場合には、有機溶媒として炭化水素類(例えばシクロヘキサンなど)またはエーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなど)を使用するのが好ましい。また、アラニン−NCA、ロイシン−NCAまたはN−カルボベンゾキシリシン−NCAの場合には、有機溶媒としてエーテル類(例えばジイソプロピルエーテルなど)を使用するのが好ましい。
【0011】
本発明で使用する重合開始剤としては、アミノ酸−NCAの重合に通常使用されるものが使用され、例えばアミン化合物あるいは金属アルコラートが好ましく使用される。本発明において、重合開始剤としてアミン化合物を使用する場合は、前記特定有機溶媒に対してアミン化合物はよく溶解するので、その溶解度は問題とならないが、金属アルコラートは特定有機溶媒に対して溶解度が一般に低いものが多いので、その25℃における溶解度が、少なくとも0.01g/100ml、好ましくは0.05g/100ml以上であるものを選択することが必要である。
【0012】
重合開始剤の具体例としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどの2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのアルコールアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、トリエチレンジアミンなどのポリアミンの如きアミノ化合物が挙げられ、またメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコールのリチウム、ナトリウム、カリウムなどの金属アルコラートが挙げられる。
【0013】
本発明において、特定有機溶媒に対するアミノ酸−NCAの量比は通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
重合開始剤の使用量はアミノ酸−NCA1モルに対し、通常1/2〜1/5000モル、好ましくは1/5〜1/1000モルである。
アミノ酸−NCAの重合は反応器中で機械的に撹拌しながら実施することが好ましく、攪拌速度は通常10〜3000ppm、好ましくは20〜3000ppmであり、重合の圧力は特に限定されるものではない。また、重合温度は通常−30〜100℃好ましくは0〜90℃である。
上記の条件のうち、最適な条件は使用するアミノ酸−NCAの種類、特定有機溶媒、開始剤の種類、目的とするポリアミノ酸の分子量によって異なり、各々の場合によって最適な条件を簡単な実験により決定して実施することが望ましい。
【0014】
本発明において、反応媒体からポリアミノ酸粒子を分離する方法としては、例えば次のような方法が用いられる。
濾過によりポリアミノ酸粒子を濾別し乾燥する方法、遠心分離処理して分離したポリアミノ酸粒子を乾燥する方法、特定有機溶媒としてシクロヘキサンを用いた場合には凍結乾燥する方法などが挙げられる。
【0015】
本発明によれば、得られるポリアミノ酸の分子量は10,000〜500,000と大きいものである。また、ポリアミノ酸粒子の平均粒子径は、一般的には0.1〜100μmの範囲にあり、変動係数(以下、「CV値」という)は、通常2〜80%の範囲にある。さらに、本発明のポリアミノ酸粒子は多孔質であり、その嵩比重は0.35g/ml以下、好ましくは0.3〜0.05g/mlである。
【0016】
本発明によって得られるポリアミノ酸粒子は、次のような方法により変性することもできる。例えばモノマーのアミノ酸−NCAとして、グルタミン酸エステル、アスパラギン酸エステルなどの酸性アミノ酸エステルのN−炭酸無水物またはN−カルボベンゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニチンなどの塩基性アミノ酸のN−炭酸無水物を用いた場合に得られる粒子、あるいはポリマー粒子が、それらのN−炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭酸無水物との共重合により得られる共重合体よりなる粒子である場合には、これらの粒子表面を加水分解処理してアミノ基またはカルボキシル基を生成させることにより、粒子表面の親水化を行うことができる。また、ポリアミノ酸粒子をエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミンなどのアルコールアミン類と反応させることにより、粒子表面の親水化を行うことができる。さらに、ポリアミノ酸粒子をエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどのグリコール類、またはマロン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類と反応させることにより、ポリマー粒子の架橋を行うことができる。
【0017】
本発明により得られるポリアミノ酸粒子は、紙、樹脂、ゴム、繊維などのコーティング材、化粧品配合用粒子、診断薬用粒子、クロマトグラフ用充填剤および薬品、肥料、香料などのカプセル化材などの用途に用いることができる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したものであり、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式から算出した値を示す。また、ポリマーの極限粘度は、ジクロロ酢酸中において、温度30℃で測定した値を示し、重合体の分子量は、下記(1)、(2)で表される式であって、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメートについては、式(1)、ポリ−γ−メチル−L−グルタメートについては、(2)式により算出した値を示す。
【0019】
【数1】
Figure 0003622187
【0020】
[η] = 2.78 × 10−5 × M0.87 ・・・(1)
[η] = 2.90 × 10−4 × M0.74 ・・・(2)
([η];極限粘度、M;分子量)
実施例1
乾燥した50mlのフラスコに乾燥したジエチルエーテル10mlとグルタミン酸−γ−メチルエステル−NCA(以下MLG−NCAと略す)1g、トリエチルアミン0.1mmolを加え、攪拌しながら室温で5時間重合し、ポリアミノ酸粒子を得た。重合終了後、ポリマーを分析するため、100mlのメタノール中に注ぎ、重合体を濾過、乾燥してポリマー(PMLG)を得た。ポリマーの収率は92%であった。ジクロル酢酸中で測定したポリマーの極限粘度は1.42、分子量は97,000であった。また、平均粒径は53μm、CV値は48%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.27g/mlであった。
実施例2
MLG−NCAをL−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル−NCAに変えたほかは実施例1と同様の操作を行った。ポリ−L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステルの収率は100%であった。ポリマーの極限粘度は0.94であり、分子量は160,000であった。また、平均粒径は72μm、CV値は51%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.25g/mlであった。
【0021】
実施例3
MLG−NCAをL−グルタミン酸−γ−エチルエステル−NCAに変えたほかは実施例1と同様の操作を行った。ポリ−L−グルタミン酸−γ−エチルエステルの収率は100%であった。ポリマーの極限粘度は1.12であり、分子量は70,000であった。また、平均粒径は58μm、CV値は52%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.26g/mlであった。
実施例4
ジイソプロピルエーテル10mlにMLG−NCA1g、n−ブチルアミン0.1mmolを加え、攪拌しながら室温で5時間重合した。重合終了後、100mlのメタノール中に注ぎ、重合体を濾過、乾燥してPMLG粒子を得た。PMLGの収率は98%、極限粘度は0.84、分子量は48,000であった。また、平均粒子は13μm、CV値は22%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.3g/mlであった。
【0022】
実施例5
ジイソプロピルエーテルをシクロヘキサンに変えたほかは実施例4と同様の操作を行いPMLG粒子を得た。PMLGの収率は98%、極限粘度は0.76、分子量は41,000であった。また、平均粒子は11μm、CV値は19%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.28g/mlであった。
実施例6
ジイソプロピルエーテルをシクロヘキサンに変え、またMLG−NCAをγ−ベンジル−L−グルタメート−N−炭酸無水物(以下、「BLG−NCA」という)に変えたほかは、実施例4と同様の操作を行い、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート(以下、「PBLG」という)を得た。得られたPBLGの収率は100%、極限粘度は0.60、分子量は97,000であった。一方の半量をそのまま凍結乾燥しPBLG粒子を得た。PBLG粒子の平均粒径は33μm、CV値は41%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.31g/mlであった。
【0023】
実施例7
トリエチルアミンをn−ブチルアミンに変えたほかは、実施例6と同様の操作で重合を行った。重合終了後、半量をメタノールに注ぎ、沈澱したPBLGを濾過、乾燥した。得られたPBLGの収率は98%、極限粘度は0.35、分子量は51,000であった。一方の半量をそのまま凍結乾燥しPBLG粒子を得た。PBLG粒子の平均粒径は14μm、CV値は27%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.33g/mlであった。
【0024】
【発明の効果】
本発明のポリアミノ酸粒子の製造方法によれば、特定有機溶媒を用いてアミノ酸−NCAを重合することにより、煩雑な操作を必要とせず、高分子量でかつ嵩比重の小さいポリアミノ酸粒子を再現性良く、極めて容易に製造することができる。

Claims (4)

  1. 有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合するにあたり、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物の溶解度および該α−アミノ酸−N−炭酸無水物の重合体の溶解度がいずれも25℃において0.1g/100ml以下であって、炭素数5〜10の脂肪族炭化水素類、炭素数6〜8の芳香族炭化水素類および炭素数4〜16のエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒中において、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合することを特徴とするポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法。
  2. ポリ−α−アミノ酸粒子の平均粒子径が0.1〜100μm、変動係数が2〜80%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 有機溶媒が、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
    タン、イソオクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテルおよびエトキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 有機溶媒が、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の製造方法。
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