JPH09151250A - ポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法

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JPH09151250A
JPH09151250A JP8102128A JP10212896A JPH09151250A JP H09151250 A JPH09151250 A JP H09151250A JP 8102128 A JP8102128 A JP 8102128A JP 10212896 A JP10212896 A JP 10212896A JP H09151250 A JPH09151250 A JP H09151250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−アミノ酸−N−炭酸無水物の重合により
ポリアミノ酸粒子を直接得ることができる方法を提供す
る。 【解決手段】 有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−ア
ミノ酸−N−炭酸無水物を重合するにあたり、α−アミ
ノ酸−N−炭酸無水物および生成したポリα−アミノ酸
の溶解度がいずれも0.1g/100ml以下である有
機溶媒中において、α−アミノ酸−N−炭酸無水物を不
均一重合することを特徴とするポリ−α−アミノ酸粒子
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒中で重合
開始剤を用いてα−アミノ酸−N−炭酸無水物(以下
“アミノ酸−NCA”と略す)を重合するにあたり、ア
ミノ酸−NCAおよび生成したポリα−アミノ酸のいず
れの溶解度も0.1g/100ml以下である有機溶媒
を用いて、アミノ酸−NCAを不均一重合することを特
徴とするポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミノ酸は固体であるが、微生物に
よって分解される性質を有すると共に、酸素および水に
対する透過性を有するなど、優れた特性を有するもので
あり、自然環境の保全の点で好適な高分子物質である。
従って、ポリアミノ酸は、前記特性を考慮すると、紙、
樹脂、ゴム、繊維などのコーティング材、化粧品配合用
粒子、診断薬用粒子、クロマトグラフ用充填剤および薬
品、肥料、香料などのカプセル化材などの用途に有用で
あり、展開が今後期待されている。従来、ポリアミノ酸
を得る方法としては、アミノ酸−NCAを無水の有機溶
媒に溶解し、アミン化合物に代表されるような重合開始
剤を用いて均一溶液重合する方法が一般的である。粉末
状のポリアミノ酸が直接得られれば、化粧品、医療、農
薬などの用途において、新しい素材として期待できる。
【0003】また、従来一般的に行われているアミノ酸
−NCAの均一溶液重合では、重合体を直接的に粉末状
態で得ることはできない。ポリアミノ酸の粒子を得る方
法として、(1)ポリアミノ酸の固体を有機溶媒に溶解
したポリマー溶液、またはアミノ酸NCAを有機溶媒中
で均一重合して得られたポリマー溶液を調製し、これに
水と乳化剤を加えて乳化し、次に有機溶媒を除去する方
法が知られている(「再乳化法」という、特公平5−1
3168号公報参照)。また、他のポリアミノ酸粒子を
得る方法として、(2)アミノ酸−NCAが可溶で、ポ
リアミノ酸が不溶である有機溶媒を用いてアミノ酸−N
CAを重合し、ポリアミノ酸粒子を得る方法(「析出重
合法」という、例えば特開昭51−87597号公報参
照)、(3)アミノ酸−NCAを、溶媒を用いず、固相
のまま重合し、ポリアミノ酸の粉末を得る方法(「固相
重合法」という、例えば特開平3−95223号公報参
照)、(4)アミノ酸−NCAが可溶、ポリアミノ酸が
不溶である有機溶媒にアミノ酸−NCAを溶解し、この
溶液を、それに非相溶な他の有機溶媒中に分散した状態
で重合を行い、ポリアミノ酸粒子を得る方法(「不均一
重合法」という、特開平4−41526号公報参照)が
知られている。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】前記の再乳化法において
は、(i)ポリマー溶液の調製、(ii)水へのポリマー
溶液の乳化、(iii)有機溶媒の除去という、三段階に
およぶ煩雑な工程を経なければ目的のポリアミノ酸のエ
マルジョンあるいは粒子を製造することができない。前
記の析出重合法でポリアミノ酸粒子を得る方法において
は、生成する粒子の粒径が不均一である、粒径の制御が
困難であるなどの問題がある。また、前記の固相重合法
では、重合開始剤が固相に均一に供給されず、分子量の
制御が困難であり、また均一な粒径の粒子を得ることが
できない。さらに、前記の不均一重合法では、2種類の
有機溶剤の使用が必要であり、かつ限定された条件に適
合する2種の有機溶媒を、用いるアミノ酸−NCAの種
類によりその都度選択する必要があり、そのため工程が
非常に煩雑になり、しかも適用範囲の狭い方法である。
そこで本発明の目的は、前記従来法の課題が改良され、
ポリアミノ酸の粉末が直接得られる工業的な方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記本
発明の目的は、有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−ア
ミノ酸−N−炭酸無水物を重合するにあたり、該α−ア
ミノ酸−N−炭酸無水物の溶解度および該α−アミノ酸
−N−炭酸無水物の重合体の溶解度がいずれも25℃に
おいて0.1g/100ml以下となる有機溶媒中にお
いて、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合するポリ
−α−アミノ酸粒子の製造方法により達成される。
【0006】本発明によれば、アミノ酸−NCAを、該
アミノ酸−NCAの溶解度と該アミノ酸−NCAの重合
体(以下、「ポリアミノ酸」という)溶解度がいずれも
25℃において0.1g/100ml以下である有機溶
媒(以下、「特定有機溶媒」という)中に懸濁し、特定
有機溶媒可溶性の重合開始剤を用いてアミノ酸−NCA
を重合する。特定有機溶媒に溶解した重合開始剤はアミ
ノ酸−NCAの懸濁粒子に均一に働き、重合を開始する
ことができる。その結果、ポリアミノ酸の均一な粒子が
製造できる。また、生成したポリ−α−アミノ酸粉末が
懸濁した状態で得られるため、ろ過などの方法により目
的とするポリマー粒子を容易に特定有機溶媒中から分離
可能である。さらに、乳化剤などの添加剤を必要としな
いため、純度の高いポリアミノ酸粉末を容易に得ること
ができる。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】本発明で使用するアミノ酸−NCAについ
て詳細に説明する。本発明で用いられるアミノ酸−NC
Aとしては、すべてのα−アミノ酸から導かれるアミノ
酸−NCAが含まれる。α−アミノ酸としては、例えば
(a)グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイ
シン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニ
ン、メチオニン、プロリンなどの中性アミノ酸;(b)
グルタミン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−β−エ
ステルなどの酸性アミノ酸−ω−エステル(ここでエス
テル基を形成するアルコール残基としては、メチル−、
エチル−、ブチル−、シクロヘキシル−、フェニル−、
ベンジル−など炭素数1〜20、好ましくは1〜15の
アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であ
る);(c)N−カルボベンゾキシリシン、N−カルボ
ベンゾキシオルニチン、N−アセチルリシンなどのN−
アシル塩基性アミノ酸(ここでアシル基としては、炭素
数1〜20、好ましくは1〜15のものが適当であ
る);(d)セリン、トレオニン、チロシンなどの水酸
基含有α−アミノ酸のエステル(ここでエステル基を形
成するカルボン酸残基としては、メチル−、エチル−、
ブチル−、オクチル、シクロヘキシル−、フェニル−、
ベンジル−またはナフタレンメチルなどの炭素数1〜2
0、好ましくは1〜15のものが適当である)などが挙
げられる。
【0008】これらのα−アミノ酸のうち、側鎖にカル
ボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、グアニジ
ル基などの官能基を有するα−アミノ酸は、これらの官
能基を適当な保護基を用いて保護した後にアミノ酸−N
CAに導く必要がある。アミノ酸−NCAの好ましい例
としては、グルタミン酸またはアスパラギン酸のエステ
ルのNCA、リシンのN−アシル化合物のNCA、グリ
シンまたはアラニンのNCAが挙げられる。また、前記
アミノ酸−NCAは光学活性体、またはラセミ体あるい
はそれらの混合物であっても良いし、必要に応じて2種
以上を混合して用いることができる。これらのアミノ酸
の結晶は予め粉砕し、微粉末状にして使用することもで
きる。
【0009】特定有機溶媒は、アミノ酸−NCAおよび
生成するポリアミノ酸の溶解度がいずれも25℃におい
て0.1g/100ml以下、好ましくは0.05g/1
00ml以下である特定有機溶媒であり、アミノ酸−N
CAの重合を妨げない特定有機溶媒であれば特に限定さ
れない。本発明で使用する特定有機溶媒としては、例え
ばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタン、イソオクタン、シクロヘキサンなどの炭素数5
〜20、好ましくは5〜10の脂肪酸炭化水素類;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜9、好まし
くは6〜8の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシル
エーテル、ジオクチルエーテル、エトキシベンゼンなど
の炭素数4〜20、好ましくは4〜16のエーテル類が
好ましい例として挙げられる。これら特定有機溶媒は、
乾燥状態で使用するのが好ましい。また、これら特定有
機溶媒は、1種のみならず、2種以上混合して使用する
ことができる。
【0010】本発明の方法において、アミノ酸−NCA
と有機溶媒との好ましい組み合わせを以下例示する。グ
ルタミン酸−γ−メチルエステル−NCA(MLG−N
CA)、グルタミン酸−γ−エチルエステル−NCA
(ELG−NCA)、グルタミン酸−γ−ベンジルエス
テル−NCA(BLG−NCA)またはアスパラギン酸
−β−エステル−NCAの場合には、有機溶媒として炭
化水素類(例えばシクロヘキサンなど)またはエーテル
類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
など)を使用するのが好ましい。また、アラニン−NC
A、ロイシン−NCAまたはN−カルボベンゾキシリシ
ン−NCAの場合には、有機溶媒としてエーテル類(例
えばジイソプロピルエーテルなど)を使用するのが好ま
しい。
【0011】本発明で使用する重合開始剤としては、ア
ミノ酸−NCAの重合に通常使用されるものが使用さ
れ、例えばアミン化合物あるいは金属アルコラートが好
ましく使用される。本発明において、重合開始剤として
アミン化合物を使用する場合は、前記特定有機溶媒に対
してアミン化合物はよく溶解するので、その溶解度は問
題とならないが、金属アルコラートは特定有機溶媒に対
して溶解度が一般に低いものが多いので、その25℃に
おける溶解度が、少なくとも0.01g/100ml、
好ましくは0.05g/100ml以上であるものを選
択することが必要である。
【0012】重合開始剤の具体例としては、例えばメチ
ルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチル
アミンなどの1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミンなどの2級アミン;トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの3級
アミン;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン
などのアルコールアミン;エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジ
アミン、トリエチレンジアミンなどのポリアミンの如き
アミノ化合物が挙げられ、またメチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコー
ル、ベンジルアルコールなどのアルコールのリチウム、
ナトリウム、カリウムなどの金属アルコラートが挙げら
れる。
【0013】本発明において、特定有機溶媒に対するア
ミノ酸−NCAの量比は通常1〜50重量%、好ましく
は5〜30重量%である。重合開始剤の使用量はアミノ
酸−NCA1モルに対し、通常1/2〜1/5000モ
ル、好ましくは1/5〜1/1000モルである。アミ
ノ酸−NCAの重合は反応器中で機械的に撹拌しながら
実施することが好ましく、攪拌速度は通常10〜300
0ppm、好ましくは20〜3000ppmであり、重
合の圧力は特に限定されるものではない。また、重合温
度は通常−30〜100℃好ましくは0〜90℃であ
る。上記の条件のうち、最適な条件は使用するアミノ酸
−NCAの種類、特定有機溶媒、開始剤の種類、目的と
するポリアミノ酸の分子量によって異なり、各々の場合
によって最適な条件を簡単な実験により決定して実施す
ることが望ましい。
【0014】本発明において、反応媒体からポリアミノ
酸粒子を分離する方法としては、例えば次のような方法
が用いられる。濾過によりポリアミノ酸粒子を濾別し乾
燥する方法、遠心分離処理して分離したポリアミノ酸粒
子を乾燥する方法、特定有機溶媒としてシクロヘキサン
を用いた場合には凍結乾燥する方法などが挙げられる。
【0015】本発明によれば、得られるポリアミノ酸の
分子量は10,000〜500,000と大きいものであ
る。また、ポリアミノ酸粒子の平均粒子径は、一般的に
は0.1〜100μmの範囲にあり、変動係数(以下、
「CV値」という)は、通常2〜80%の範囲にある。
さらに、本発明のポリアミノ酸粒子は多孔質であり、そ
の嵩比重は0.35g/ml以下、好ましくは0.3〜
0.05g/mlである。
【0016】本発明によって得られるポリアミノ酸粒子
は、次のような方法により変性することもできる。例え
ばモノマーのアミノ酸−NCAとして、グルタミン酸エ
ステル、アスパラギン酸エステルなどの酸性アミノ酸エ
ステルのN−炭酸無水物またはN−カルボベンゾキシリ
シン、N−カルボベンゾキシオルニチンなどの塩基性ア
ミノ酸のN−炭酸無水物を用いた場合に得られる粒子、
あるいはポリマー粒子が、それらのN−炭酸無水物と中
性アミノ酸のN−炭酸無水物との共重合により得られる
共重合体よりなる粒子である場合には、これらの粒子表
面を加水分解処理してアミノ基またはカルボキシル基を
生成させることにより、粒子表面の親水化を行うことが
できる。また、ポリアミノ酸粒子をエタノールアミン、
プロパノールアミン、ブタノールアミンなどのアルコー
ルアミン類と反応させることにより、粒子表面の親水化
を行うことができる。さらに、ポリアミノ酸粒子をエチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミンなどのグリコール類、
またはマロン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボ
ン酸類と反応させることにより、ポリマー粒子の架橋を
行うことができる。
【0017】本発明により得られるポリアミノ酸粒子
は、紙、樹脂、ゴム、繊維などのコーティング材、化粧
品配合用粒子、診断薬用粒子、クロマトグラフ用充填剤
および薬品、肥料、香料などのカプセル化材などの用途
に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒
子径は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したもの
であり、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される
式から算出した値を示す。また、ポリマーの極限粘度
は、ジクロロ酢酸中において、温度30℃で測定した値
を示し、重合体の分子量は、下記(1)、(2)で表さ
れる式であって、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメー
トについては、式(1)、ポリ−γ−メチル−L−グル
タメートについては、(2)式により算出した値を示
す。
【0019】
【数1】
【0020】 [η] = 2.78 × 10-5 × M0.87 ・・・(1) [η] = 2.90 × 10-4 × M0.74 ・・・(2) ([η];極限粘度、M;分子量) 実施例1 乾燥した50mlのフラスコに乾燥したジエチルエーテ
ル10mlとグルタミン酸−γ−メチルエステル−NC
A(以下MLG−NCAと略す)1g、トリエチルアミ
ン0.1mmolを加え、攪拌しながら室温で5時間重
合し、ポリアミノ酸粒子を得た。重合終了後、ポリマー
を分析するため、100mlのメタノール中に注ぎ、重
合体を濾過、乾燥してポリマー(PMLG)を得た。ポ
リマーの収率は92%であった。ジクロル酢酸中で測定
したポリマーの極限粘度は1.42、分子量は97,00
0であった。また、平均粒径は53μm、CV値は48
%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.2
7g/mlであった。 実施例2 MLG−NCAをL−グルタミン酸−γ−ベンジルエス
テル−NCAに変えたほかは実施例1と同様の操作を行
った。ポリ−L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル
の収率は100%であった。ポリマーの極限粘度は0.
94であり、分子量は160,000であった。また、
平均粒径は72μm、CV値は51%であった。この粒
子は多孔質であり、嵩比重は0.25g/mlであっ
た。
【0021】実施例3 MLG−NCAをL−グルタミン酸−γ−エチルエステ
ル−NCAに変えたほかは実施例1と同様の操作を行っ
た。ポリ−L−グルタミン酸−γ−エチルエステルの収
率は100%であった。ポリマーの極限粘度は1.12
であり、分子量は70,000であった。また、平均粒
径は58μm、CV値は52%であった。この粒子は多
孔質であり、嵩比重は0.26g/mlであった。 実施例4 ジイソプロピルエーテル10mlにMLG−NCA1
g、n−ブチルアミン0.1mmolを加え、攪拌しな
がら室温で5時間重合した。重合終了後、100mlの
メタノール中に注ぎ、重合体を濾過、乾燥してPMLG
粒子を得た。PMLGの収率は98%、極限粘度は0.
84、分子量は48,000であった。また、平均粒子
は13μm、CV値は22%であった。この粒子は多孔
質であり、嵩比重は0.3g/mlであった。
【0022】実施例5 ジイソプロピルエーテルをシクロヘキサンに変えたほか
は実施例4と同様の操作を行いPMLG粒子を得た。P
MLGの収率は98%、極限粘度は0.76、分子量は
41,000であった。また、平均粒子は11μm、C
V値は19%であった。この粒子は多孔質であり、嵩比
重は0.28g/mlであった。 実施例6 ジイソプロピルエーテルをシクロヘキサンに変え、また
MLG−NCAをγ−ベンジル−L−グルタメート−N
−炭酸無水物(以下、「BLG−NCA」という)に変
えたほかは、実施例4と同様の操作を行い、ポリ−γ−
ベンジル−L−グルタメート(以下、「PBLG」とい
う)を得た。得られたPBLGの収率は100%、極限
粘度は0.60、分子量は97,000であった。一方の
半量をそのまま凍結乾燥しPBLG粒子を得た。PBL
G粒子の平均粒径は33μm、CV値は41%であっ
た。この粒子は多孔質であり、嵩比重は0.31g/m
lであった。
【0023】実施例7 トリエチルアミンをn−ブチルアミンに変えたほかは、
実施例6と同様の操作で重合を行った。重合終了後、半
量をメタノールに注ぎ、沈澱したPBLGを濾過、乾燥
した。得られたPBLGの収率は98%、極限粘度は
0.35、分子量は51,000であった。一方の半量を
そのまま凍結乾燥しPBLG粒子を得た。PBLG粒子
の平均粒径は14μm、CV値は27%であった。この
粒子は多孔質であり、嵩比重は0.33g/mlであっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明のポリアミノ酸粒子の製造方法に
よれば、特定有機溶媒を用いてアミノ酸−NCAを重合
することにより、煩雑な操作を必要とせず、高分子量で
かつ嵩比重の小さいポリアミノ酸粒子を再現性良く、極
めて容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 健哉 徳島県徳島市北佐古一番町4−46番 (72)発明者 林 壽郎 大阪府堺市大野芝町23番

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒中で重合開始剤を用いてα−ア
    ミノ酸−N−炭酸無水物を重合するにあたり、該α−ア
    ミノ酸−N−炭酸無水物の溶解度および該α−アミノ酸
    −N−炭酸無水物の重合体の溶解度がいずれも25℃に
    おいて0.1g/100ml以下となる有機溶媒中にお
    いて、該α−アミノ酸−N−炭酸無水物を重合すること
    を特徴とするポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法。
JP10212896A 1995-09-26 1996-04-24 ポリ−α−アミノ酸粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP3622187B2 (ja)

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