JPH09255505A - 徐放性農材 - Google Patents

徐放性農材

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JPH09255505A
JPH09255505A JP8091904A JP9190496A JPH09255505A JP H09255505 A JPH09255505 A JP H09255505A JP 8091904 A JP8091904 A JP 8091904A JP 9190496 A JP9190496 A JP 9190496A JP H09255505 A JPH09255505 A JP H09255505A
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JP
Japan
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amino acid
nca
particles
emulsion
polymerization
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Application number
JP8091904A
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English (en)
Inventor
Kyoko Kuroda
恭子 黒田
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kouji Shiho
浩司 志保
Akihiko Morikawa
明彦 森川
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
    • C05G5/37Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings layered or coated with a polymer

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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出パターンが安定しており、内容積が大き
いので薬剤含有率を上げることができ、さらに疎水性が
あり、通気性は良いが水分は通さない、つまり浸水して
薬剤成分が溶出することはないという特性を有すし、環
境に対しての安全性も高い。 【解決方法】 α−アミノ酸−N−炭酸無水物を乳化重
合または不均一重合することにより得られるポリ−α−
アミノ酸またはその誘導体の粒子中に農薬および/また
は肥料を含有してなる徐放性農材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に肥料、農薬
を含有するポリアミノ酸またはその誘導体の粒子よりな
る徐放性農材に関する。
【0002】
【従来の技術】化学農材は本質的に水溶性であるので散
布した薬剤の溶出、流失が多く、農材の散布量に対する
収穫量が少ない、また散布回数が多い等の問題がある。
従って、農材の利用効率を高め、散布回数を減少させる
ために、薬剤成分が徐々に溶出する、経済的な徐放性農
材の開発が要求されてきた。このため、従来から化学農
材を粒状に形成し、これを樹脂等被膜で被覆した徐放性
農材が提案され、実用化されてきた。この肥料用被膜材
としてポリオレフィンや、エチレン・一酸化炭素共重合
体等の高分子材料が主に用いられている(特開昭59-133
234号、特開昭61-95072号、特開昭63-17286号等)。こ
れらの高分子材料は光分解することにより、肥料成分を
溶出させる仕組みであるが、土中深くに埋設される等、
光から遮断される場合においては分解があまり促進され
ない欠点がある。また、この被膜材は土壌中に被覆物残
渣が残り、完全に分解するには長期間必要とされるため
安全性の面での欠点もある。一方、溶出開始時期を制御
する遅効型肥料として生分解性高分子と水溶性高分子を
被膜材として用いている(特開平5-97561)場合もある
が、確かに遅効型ではあるが、溶出速度の制御まではで
きない。肥料成分を直接被覆している生分解性高分子層
の分解が進行するに連れ、溶出速度、濃度が増加する一
方で安定はしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
に対して安全であり、肥料、農薬の利用効率を高め、散
布作業等の節減化を可能にするために、溶出パターンが
安定している徐放性農材を提供するものである。更に、
このポリマーは適度な分解能力を持ち、薬剤成分放出終
了後は完全に消失することを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、α−アミノ酸
−N−炭酸無水物を乳化重合または不均一重合すること
により得られるポリ−α−アミノ酸またはその誘導体の
粒子中に農薬および/または肥料を含有してなる徐放性
農材である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
徐放性農材を形成するポリ−α−アミノ酸粒子を構成す
る原料のアミノ酸の具体例としては、側鎖にカルボキシ
ル基、水酸基、チオール基、アミノ基、グアニジル基な
どの官能基を有するαーアミノ酸は、該官能基を適当な
保護基により保護した誘導体として、アミノ酸−NCA
に変換する必要がある。アミノ酸の具体的な例として
は、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシ
ン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、
メチオニン、プロリン等の中性アミノ酸;グルタミン酸
−γ−エステル、アスパラギン酸−β−エステル等の酸
性アミノ酸−ω−エステル(この場合、エステル基を構
成する有機基としては、メチル基、エチル基、ブチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ナフ
チルメチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜15
のアルキル基、シクロアルキル基、アリールまたはアラ
ルキル基が適当である。);N−カルボベンゾキシリシ
ン、N−カルボベンゾキシオルニチン、N−アセチルリ
シン等のN−アシル化塩基性アミノ酸(この場合、アシ
ル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜15の
ものが適当である。);セリン、トレオニン、チロシン
等の水酸基含有α−アミノ酸のエステル(この場合、エ
ステル基を構成する有機基としては、メチル基、エチル
基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基、ベンジル基、ナフチルメチル基等の炭素数1〜2
0、好ましくは1〜15のアルキル基、シクロアルキル
基、アリールまたはアラルキル基が適当である。)等が
挙げられる。特に好ましいアミノ酸−NCAとしては、
グルタミン酸またはアスパラギン酸のエステルのNC
A、リシンのN−アシル化合物のNCA、グリシンまた
はアラニンのNCA等が挙げられる。また、前記アミノ
酸−NCAは、光学活性体またはラセミ体、あるいはそ
れらの混合物であってもよいし、また必要に応じて2種
以上のアミノ酸−NCAを混合して用いて共重合体とす
ることができる。
【0007】本発明で使用する農薬および肥料(以下こ
れらをまとめて「農薬等」という)としては、肥料とし
ては尿素、硫安、塩安、塩化カリウム、硫酸カリウムな
どの単肥や塩化燐安、燐硝安カリなどの複合肥料や有機
肥料が挙げられ、一方農薬としては除草剤、殺虫剤、殺
菌剤、植物調節剤、防ダニ剤、忌避剤、誘引剤などが挙
げられ、これらは2種以上混合して用いることもでき
る。本発明の徐放性農材は、農薬等100重量部に対し
てポリ−α−アミノ酸粒子が、通常、0.1〜20重量
部の割合で構成さrている。本発明の徐放性農材の平均
粒子径は0.01〜100μm、好ましくは0.05〜5
0μmの範囲内にあり、平均粒子径の変動係数(CV
値)は1〜30%、好ましくは1〜20%である。
【0008】本発明の徐放性農材を製造する方法として
は、例えば、(I)有機系農薬等を有機溶剤に溶解し、
必要に応じて水と混合してエマルジョンとした後、ポリ
−α−アミノ酸粒子水分散体と混合し、ポリ−α−アミ
ノ酸粒子に有機系農薬等を吸収、固定化する方法、(I
I)有機溶剤に有機系および/または無機系農薬等を溶
解または分散した溶液を加えてα−アミノ酸−N−炭酸
無水物(以下、アミノ酸NCAと略す)を乳化重合し、
ポリ−α−アミノ酸粒子内に有機系および/または無機
系農薬等を固定化する方法などが挙げられる。
【0009】(I)の方法においては、まずα−アミノ
酸のN−炭酸無水物を(以下「アミノ酸−NCA」とい
う。)を、乳化重合または不均一重合することによりポ
リ−α−アミノ酸粒子を得る。ポリアミノ酸の粒子は、
乳化重合法または不均一重合法により製造される。これ
らの重合法としては、具体的には下記(1)〜(3)の
方法が挙げられる。 (1)重合開始剤および乳化剤を含有する水中で、アミ
ノ酸−NCAを乳化重合する方法。 (2)1気圧、25℃における水の溶解度が10g/1
00ミリリットル以下である有機溶剤を水中に乳化して
基礎エマルジョンを調製し、これにアミノ酸−NCAを
添加して乳化重合したのち、有機溶剤を除去する方法。 (3)アミノ酸−NCAの溶解度および生成されるポリ
アミノ酸の溶解度が、ともに25℃において0.1g/
100ミリリットル以下である有機媒体中において、該
アミノ酸−NCAを不均一重合する方法。 以下、これらの重合法について順次説明する。
【0010】まず、前記(1)の方法において、重合開
始剤は、アミノ酸−NCAの重合反応を生起させること
ができる化合物であれば特に限定されるものではない。
その具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、イ
ソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘ
プチルアミン、オクチルアミン等の1級アミン類;ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキ
シルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン等の
2級アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチル
アミン、トリオクチルアミン等の3級アミン類;エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン等のアルカノー
ルアミン類;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ト
リエチレンジアミン等のポリアミン類等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独でもしくは2種類以上を組
み合わせて用いることができる。
【0011】重合開始剤の使用割合は、アミノ酸−NC
A1モルに対し、通常、1/2〜1/5000モル、好
ましくは1/5〜1/1000モルである。また、乳化
剤としては、アミノ酸−NCAの重合反応を阻害しない
ものであれば特に限定されるものではなく、例えばノニ
オン系乳化剤が挙げられる。ノニオン系乳化剤の具体例
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのノニオン系乳
化剤は、単独でもしくは2種類以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0012】乳化剤の使用割合は、アミノ酸−NCA1
重量部に対して、通常、0.05〜100重量部、好ま
しくは0.01〜50重量部である。また、アミノ酸−
NCAと重合反応媒体である水との使用割合は、アミノ
酸−NCA:水の重量比で、通常、1:0.5〜1:1
00、好ましくは1:1〜1:50である。(1)の方
法においては、アミノ酸−NCAが加水分解する前に、
該アミノ酸−NCAを乳化状態とすることが必要であ
る。そのため、重合開始剤と乳化剤とを含有する水を攪
拌しつつ、アミノ酸−NCAを添加することが好まし
い。この場合の攪拌手段としては、例えば機械的に攪拌
する手段、超音波照射による手段や、それらの併用等が
挙げられる。
【0013】このような方法によれば、重合反応媒体は
アミノ酸−NCAが直ちに重合するために必要な条件が
整った状態にあるため、アミノ酸−NCAが添加される
と同時にその表面から重合反応が進行するが、この重合
反応はアミノ酸−NCAの加水分解反応に対して優先的
に行なわれるため、加水分解反応によって重合反応が阻
害されることがなく、ポリアミノ酸の粒子が生成され
る。重合温度は、アミノ酸−NCAや重合開始剤の種類
によっても異なるが、通常、0〜100℃、好ましくは
5〜90℃である。この重合温度を調節することによっ
て、目的とする大きさの分子量を有するポリアミノ酸を
得ることができる。なお、重合圧力は特に限定されな
い。重合反応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要が
ある。この攪拌は、例えば機械的に攪拌する手段によっ
て行うことが好ましく、その回転数は、通常、20〜3
000r.p.m.である。
【0014】次に、(2)の方法について説明する。
(2)の方法における基礎エマルジョンの調製に用いら
れる有機溶剤は、1気圧、25℃における水の溶解度が
10g/100ミリリットル以下、好ましくは5g/1
00ミリリットル以下のものである。この場合、水の溶
解度が10g/100ミリリットルを超える有機溶剤を
用いると、基礎エマルジョンの調製工程において当該有
機溶剤に溶解する水の量が多くなって、アミノ酸−NC
Aの加水分解が無視できなくなり、それにより重合収率
が低下するとともに、高分子量のポリアミノ酸(誘導
体)を得ることが困難となる。また、有機溶剤として
は、1気圧、25℃において、アミノ酸−NCAを少な
くとも0.1g/100ミリリットル以上、特に0.3
g/100ミリリットル以上の割合で溶解しうるものが
好ましく、さらに、生成されるポリアミノ酸を0.3g
/100ミリリットル以上、特に0.5g/100ミリ
リットル以上の割合で溶解しうるものが好ましい。
【0015】このような有機溶剤の具体例としては、ク
ロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2
−トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;
クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4−
トリクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル等のエステル類;
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエー
テル、ジオクチルエーテル、アニソール、エトキシベン
ゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素
化合物等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でも
しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】水と有機溶剤との使用割合は、水:有機溶
剤の重量比で、通常、90:10〜50:50、好まし
くは80:20〜55:45である。重合開始剤として
は、アミノ酸−NCAの重合反応を生起させることがで
き、用いられる有機溶剤に溶解する化合物であれば特に
限定されるものではないが、特にアミン化合物、金属ア
ルコラート等が好ましい。このようなアミン化合物の具
体例としては、前記(1)の方法で例示した化合物が挙
げられる。また、金属アルコラートの具体例としては、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアル
コール成分と、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金
属成分とからなるもの等が挙げられる。これらの重合開
始剤は、単独でもしくは2種類以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0017】重合開始剤の使用割合は、アミノ酸−NC
A1モルに対して、通常、1/10〜1/5000モ
ル、好ましくは1/30〜1/1000モルである。重
合開始剤を添加する方法としては、基礎エマルジョンの
調製に用いられる有機溶剤に予め重合開始剤を溶解して
おく方法、基礎エマルジョンの調製に用いられる有機溶
剤とは別個の有機溶剤に重合開始剤を単独でまたはアミ
ノ酸−NCAと共に溶解した溶液として、基礎エマルジ
ョンに添加する方法等が挙げられる。乳化剤としては、
アミノ酸−NCAの重合反応を阻害せず、有機溶剤を水
中に均一に乳化する作用を有するものであれば特に限定
されるものではなく、例えば前記(1)の方法で例示し
たノニオン系乳化剤およびアニオン系乳化剤が好ましく
使用される。
【0018】乳化剤の使用割合は、用いられるアミノ酸
−NCA、有機溶剤の種類あるいは乳化剤の種類によっ
ても異なるが、水と有機溶剤との合計量に対して、好ま
しくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜
5重量%である。有機溶剤を水中に乳化して基礎エマル
ジョンを調製する手段としては、特に限定されるもので
はないが、例えば機械的に攪拌する手段、超音波照射に
よる手段や、それらの併用等が挙げられる。次いで、基
礎エマルジョンにアミノ酸−NCAを添加して重合す
る。この場合のアミノ酸−NCAの使用割合は、用いら
れる有機溶剤100重量部に対して、通常、1〜100
重量部、好ましくは5〜90重量部である。但し、
(2)の方法においては、アミノ酸−NCAは、その一
部が有機溶剤中に分散して存在する状態でも重合反応が
進行するので、完全に溶解させる必要はなく、したがっ
てアミノ酸−NCAの最大使用量は、有機溶剤の使用量
に厳密に制限されるものではない。
【0019】アミノ酸−NCAを基礎エマルジョンに添
加する方法としては、アミノ酸−NCAの粉末をそのま
ま添加する方法、アミノ酸−NCAの有機溶剤溶液を添
加する方法等が挙げられる。重合温度は、アミノ酸−N
CA、有機溶剤あるいは重合開始剤の種類によっても異
なるが、通常、−5〜+100℃、好ましくは0〜90
℃である。このような重合温度を選択することによっ
て、目的とする大きさの分子量を有するポリアミノ酸得
ることができる。なお、重合圧力は特に限定されない。
重合反応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要があ
る。この攪拌は、例えば機械的に攪拌する手段によって
行うことが好ましく、その回転数は、通常、20〜30
00rpmである。
【0020】アミノ酸−NCAの重合反応が終了したの
ち、有機溶剤の除去処理を行うことにより、ポリアミノ
酸のエマルジョンが得られる。有機溶剤を除去する手段
としては、減圧蒸留、スチームストリッピング等の種々
の手段を用いることができる。この際、エマルジョンの
安定化を図るために、必要に応じて前記乳化剤を、処理
されるエマルジョンの0.05〜10重量%の割合で添
加することができる。また、重合反応後のポリアミノ酸
のエマルジョンに、水および有機溶剤の両者と混和する
貧溶剤を添加したのち、有機溶剤の除去処理を行うこと
によっても、ポリアミノ酸のエマルジョンを得ることが
できる。この場合には、得られるポリアミノ酸の粒子
は、その個々の粒子が中空状となる。この場合の用いら
れる貧溶剤は、水および用いられた有機溶剤の両者と相
溶し、かつ生成したポリアミノ酸を溶解しないものであ
り、その具体例としては、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類等
が挙げられる。貧溶剤の添加割合は、重合反応後のエマ
ルジョン100重量部に対して、通常、1〜50重量
部、好ましくは2〜30重量部である。貧溶剤を添加し
たのち有機溶剤を除去する手段としては、前述の有機溶
剤の除去と同様の手段を用いることができる。この除去
処理中に系を攪拌することにより、個々の油滴の表面に
位置する媒体が更新され、貧溶剤が油滴表面と十分に接
触するとともに、有機溶剤が一部の水と共に効率よく除
去される。この場合の攪拌手段としては、機械的に攪拌
する手段、超音波により攪拌する手段、あるいはそれら
の併用等が挙げられる。また、この(2)の方法におい
ては、in situ重合法などの化学的製法や液中乾燥法
(複相エマルジョン法)などの物理的化合製法も用いる
ことができる。
【0021】次に、(3)の方法について説明する。
(3)の方法に使用される有機媒体は、アミノ酸−NC
Aおよび生成されるポリアミノ酸の溶解度が、ともに2
5℃において0.1g/100ミリリットル以下、好ま
しくは0.05g/100ミリリットル以下であり、ア
ミノ酸−NCAの重合を妨げない有機媒体であれば特に
限定されない。このような有機媒体としては、例えばn
−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜2
0、好ましくは5〜10の脂肪族炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭素数6〜9、好ましくは
6〜8の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエー
テル、ジオクチルエーテル、エトキシベンゼン等の炭素
数4〜20、好ましくは4〜16のエーテル類等が挙げ
られる。これら有機媒体は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。
【0022】(3)の方法におけるアミノ酸−NCAと
有機媒体との好ましい組み合わせは、次の通りである。
即ち、グルタミン酸−γ−メチルエステル−NCA、グ
ルタミン酸−γ−エチルエステル−NCA、グルタミン
酸−γ−ベンジルエステル−NCAあるいはアスパラギ
ン酸−β−エステル−NCAの場合には、有機媒体とし
て炭化水素類またはエーテル類が好ましく、またアラニ
ン−NCA、ロイシン−NCAあるいはN−カルボベン
ゾキシリシン−NCAの場合には、有機媒体としてエー
テル類が好ましい。重合開始剤としては、例えば前記
(2)の方法で例示したアミン化合物あるいは金属アル
コラートが好ましく使用される。重合開始剤の使用量
は、アミノ酸−NCA1モルに対して、通常、1/2〜
1/5000モル、好ましくは1/5〜1/1000モ
ルである。有機媒体に対するアミノ酸−NCAの使用割
合は、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量
%である。アミノ酸−NCAの重合は、機械的に撹拌し
ながら実施することが好ましく、攪拌速度は、通常、1
0〜3000rpm、好ましくは20〜3000rpm
である。重合温度は、通常、−30〜+100℃、好ま
しくは0〜90℃である。なお、重合圧力は特に限定さ
れない。
【0023】(3)の方法では、アミノ酸−NCAが有
機媒体中に懸濁しており、有機媒体に溶解した重合開始
剤がアミノ酸−NCAの懸濁粒子に対して均一に作用し
て、重合を開始することができ、その結果ポリアミノ酸
の均一な粒子が生成される。得られた粒子は、例えばろ
過等により容易に分離でき、また乳化剤等の添加剤を必
要としないため、純度の高いポリアミノ酸粒子を容易に
得ることができる。(1)〜(3)の方法では、ポリア
ミノ酸粒子のエマルジョンが得られるが、当該粒子を水
から分離する方法としては、スプレードライヤー等によ
り一挙に水を蒸発する方法、遠心分離により粒子を沈降
させて分離したのち乾燥する方法、水分離膜を用いて濃
縮したのち乾燥する方法のほか、凍結乾燥法等が挙げら
れるが、凍結乾燥法はエマルジョンの粒子濃度が低い場
合に有効である。また、必要に応じて、分離したポリア
ミノ酸粒子を水等により洗浄して、乳化剤を除去するこ
ともできる。
【0024】また(3)の方法の場合は、重合後、ろ過
等によりポリアミノ酸粒子を回収し、メタノールやアセ
トン等の有機溶媒で洗浄後、乾燥することにより、精製
された粒子が得られる。本発明においては、得られたポ
リアミノ酸を、エマルジョンとしてあるいは水や有機媒
体から分離した粒子として、化学的に変性して、ポリア
ミノ酸の誘導体の粒子を得ることができる。このような
変性反応の具体例を挙げると、アミノ酸−NCAがグル
タミン酸エステル、アスパラギン酸エステル等の酸性ア
ミノ酸エステルのNCAである場合や、N−カルボベン
ゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニチン等の塩
基性アミノ酸のNCAである場合、あるいはポリアミノ
酸が酸性アミノ酸エステルまたは塩基性アミノ酸のNC
Aと中性アミノ酸のNCAとの共重合により得られる場
合には、ポリアミノ酸の粒子表面を加水分解処理して、
アミノ基またはカルボキシル基を生成させることによ
り、粒子表面の親水化を行うことができる。また、ポリ
アミノ酸粒子をエタノールアミン、プロパノールアミ
ン、ブタノールアミン等のアルカノールアミン類と反応
させることにより、粒子表面の親水化を行うことができ
る。さらに、ポリアミノ酸粒子をエチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメ
チレンジアミン等のジアミン類、エチレングリコール、
プロピレングリコール等のグリコール類、またはマロン
酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸類と反応さ
せることにより、ポリアミノ酸粒子の内部で架橋反応を
行うことができる。本発明においては、このようにして
得られたポリアミノ酸誘導体の粒子は、それ自体で使用
することができ、また未変性のポリアミノ酸粒子と組合
せて使用することもできる。本発明に用いられるポリア
ミノ酸およびその誘導体の重量平均分子量(以下、「M
w」という。)は、好ましくは3000以上、さらに好
ましくは5000〜500000である。この場合、分
子量が3000未満であると、ポリアミノ酸としての特
性が十分発揮できない場合がある。
【0025】次に有機系農薬等の溶液またはエマルジョ
ンと、ポリ−α−アミノ酸粒子水分散体とを混合後、攪
拌しながら、ポリ−α−アミノ酸粒子に油性有機溶剤及
び農薬等を吸収させることが必要となるが、この際、混
合系の温度は、通常10〜90℃、好ましくは、20〜
80℃に保ち、30分〜20時間程で吸収させることが
できる。混合系の温度が低すぎると農薬等の吸収が不十
分となり、高すぎると農薬等の吸収が不均一となりやす
い。続いて、混合分散系から油性有機溶剤を除去するこ
とが、ポリ−α−アミノ酸粒子からの農薬等の流出が抑
制されるので好ましい。この場合において使用される有
機系農薬等を溶解させる油性有機溶剤としては、油性有
機溶剤100gに対して該農薬等を0.5g以上溶解す
るものが好ましく、更に好ましくは1g以上溶解するも
のが好ましい。また、当該有機溶剤の有機系農薬等に対
する溶解度Aと水に対する溶解度Bとの比が10/1以
上であることが好ましく、さらに好ましくは20/1以
上である。10/1以下であるとポリ−α−アミノ酸粒
子への有機系農薬等の吸収が不十分となる場合がある。
また、上記油性有機溶剤の水に対する溶解度は10重量
%以下であるものが好ましい。
【0026】このような油性有機溶剤の具体例として
は、上記と同様の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、芳香族
ハロゲン化炭化水素類、エステル類、エーテル類、炭化
水素化合物類、などを例示することができ、さらにビニ
ルトルエン、メチルメタクリレート、ジビニルベンゼ
ン、スチレン、ブチルアクリレート、ブタジエンなどの
モノマーを使用することもできる。有機系農薬等を溶解
するために用いられる油性有機溶剤の量は、有機系農薬
等1重量部に対し、200重量部以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは、0.3〜150重量部、特に
好ましくは0.5〜100重量部である。
【0027】有機系農薬等を油性有機溶剤に溶解させて
得られる有機系農薬等溶液は、ポリ−α−アミノ酸粒子
水分散体と直接混合する事ができ、これにより、有機系
農薬等が、ポリ−α−アミノ酸粒子に吸収される。ま
た、有機系農薬等溶液は、界面活性剤および/または分
散安定剤の存在下において水系分散体中に分散され、こ
れにより有機系農薬等エマルジョンが調製される。そし
て、この有機系農薬等エマルジョンとポリ−α−アミノ
酸粒子水分散体とを混合することにより、有機系農薬等
溶液とポリ−α−アミノ酸粒子水分散体とを混合すると
きよりも、ポリ−α−アミノ酸粒子への農薬等の吸収効
率が向上して、有機系農薬等とポリ−α−アミノ酸粒子
との複合化を短時間で達成することができる。
【0028】有機系農薬等エマルジョンを調製するため
の有機系農薬等の分散処理に用いられる攪拌手段は、通
常の攪拌翼等によるものでよいが、より一層の微分散状
態を達成するためには、例えば超音波を作用させる手
段、高速回転するホモジナイザーなどを利用することが
できる。そして、通常は、界面活性剤および/または分
散安定剤と水系媒体との混合物に有機系農薬等を加えて
分散させれば良いが、界面活性剤を予め有機系農薬等溶
液に混合したものを水系媒体に分散させても良い。水系
媒体としては、例えば水、各種の緩衝溶液などを挙げる
ことができる。有機系農薬等溶液を水系媒体に分散させ
る際に使用される界面活性剤および分散安定剤は、複合
化されるポリ−α−アミノ酸粒子に好ましくない影響を
与えるものでなければ特に限定されるものではない。界
面活性剤および分散安定剤は、勿論、乳化力あるいは分
散安定化能が大きいものが好ましい。
【0029】界面活性剤としては、アニオン系界面活性
剤および/またはノニオン系界面活性剤が好ましい。ノ
ニオン系乳化剤の具体例としては前記と同様のものを挙
げることができる。アニオン系乳化剤の具体例として
は、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル
塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エ
ステル塩などが挙げられる。また、分散安定剤の具体例
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコールメチルセルロースなどの水
溶性高分子物質を挙げることができる。これらのうち、
特に好ましいのは界面活性剤である。
【0030】有機系農薬等を分散させる水系媒体の使用
量は、有機系農薬等溶液100重量部に対して15〜2
000重量部であることが好ましく、さらに好ましくは
20〜1000重量部、特に好ましくは25〜300重
量部である。有機系農薬等を分散させる際に使用される
界面活性剤および/または分散安定剤の使用量は、農薬
等溶液100重量部に対して0.02〜10重量部であ
ることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜5重量
部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。界面活性
剤および/または分散安定剤並びに水系媒体の使用量
を、上記の好ましい範囲に規定することにより、安定的
に有機系農薬等エマルジョンを調製することができ、こ
のような有機系農薬等エマルジョンを用いることによ
り、有機系農薬等とポリ−α−アミノ酸粒子との複合化
を速やかにより効率的に行うことができる。その他にも
(b)α−アミノ酸−NCAを溶液重合した後再乳化す
る、(C)ポリアミノ酸バルクを粉砕する、などの方法
によりポリ−α−アミノ酸粒子を得ることができるが、
コスト的に考えると上述した(a)の方法が好ましい。
【0031】また、(II)の方法の場合は、まず有機
溶剤に有機系および/または無機系農薬等を溶解または
分散させたものの存在下、アミノ酸−NCAを乳化重合
する事により、本発明の徐放性農材を得ることができ
る。(II)の方法において、本発明の徐放性農材を製
造するには、上記のように有機系および/または無機系
農薬等の溶解または分散液を加えて上述した方法により
アミノ酸−NCAを乳化重合すれば良い。有機系農薬等
を有機溶剤に溶解させる場合、溶解した有機溶剤を、通
常はホモミキサー等の分散装置を用いて、アミノ酸−N
CAを乳化重合する際の水系媒体に分散させる。無機系
農薬等をモノマーに均一に分散させる場合は、無機系農
薬等の分散処理に用いられる攪拌手段は、通常の攪拌翼
等によるものでよいが、より一層の微分散状態を達成す
るためには、例えば超音波を作用させる手段、高速回転
するホモジナイザーなどを利用することができる。そし
て、通常は、界面活性剤および/または分散安定剤とア
ミノ酸−NCAを乳化重合する際の水系媒体との混合物
に無機系農薬等含有有機溶剤を加えて分散させれば良い
が、界面活性剤および/または分散安定剤を予め無機系
農薬等含有有機溶剤に混合したものを水系媒体に分散さ
せても良い。水系媒体としては、例えば水、各種の緩衝
溶液などを挙げることができ、必要において有機溶剤が
併用される。
【0032】上記の方法によれば、農薬等をポリ−α−
アミノ酸内部に固定化された徐放性農材のエマルジョン
が得られるが、当該粒子は、エマルジョンの状態のまま
で使用することもできるし、また水から分離して使用す
ることもできる。当該エマルジョンにおけるポリマー粒
子を水から分離する手段としては、スプレードライヤー
などを用いて一挙に水を蒸発させる手段、エマルジョン
を遠心分離処理することにより当該徐放性農材粒子を沈
降させて分離し、得られる固形物を乾燥させる手段、当
該エマルジョンを水分離膜を用いて濃縮した後に固形物
を乾燥する手段などが挙げられる。また、必要に応じ
て、当該徐放性農材を水などにより洗浄して乳化剤を除
去することも可能である。
【0033】また、本発明によって得られる徐放性農材
におけるポリ−α−アミノ酸は、次のような方法により
変性することもできる。例えば、モノマーのアミノ酸−
NCAとして、グルタミン酸エステル、アスパラギン酸
エステルなどの酸性アミノ酸エステルのN−炭酸無水
物、またはN−カルボベンゾキシリシン、N−カルボベ
ンゾキシオルニチンなどの塩基性アミノ酸のN−炭酸無
水物を用いた場合に得られるシェル部が、それらのN−
炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭酸無水物との共重合
により得られる共重合体よりなる場合には、これらのシ
ェル部表面を加水分解処理してアミノ基またはカルボキ
シル基を生成させることにより、粒子表面の親水化を行
うことができる。また、ポリ−α−アミノ酸からなるシ
ェル部をエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタ
ノールアミンなどのアルコールアミン類と反応させるこ
とにより、粒子表面の親水化を行うことができる。さら
に、ポリ−α−アミノ酸からなるシェル部をエチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミンなどのジアミン類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール
類、またはマロン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカ
ルボン酸類と反応させることにより、シェル部のポリア
ミノ酸の架橋を行うことができる。
【0034】また、(II)の方法においては、予め農
薬等を含有するモノマー(アミノ酸−NCA)を溶液重
合して形成した農薬等を含有するポリ−α−アミノ酸バ
ルクを粉砕する事によっても本発明の徐放性農材を得る
ことができる。また、予め農薬等を含有するアミノ酸−
NCAを溶液重合して形成した農薬等を含有する重合体
バルクを有機溶剤に溶解して再乳化することによっても
得ることができる。また、上記の方法により得られる徐
放性農材をシードとして、アミノ酸NCAを乳化重合す
ることにより、粒子表面に農薬等の存在しないポリ−α
−アミノ酸の層を形成することもできる。
【0035】さらに、上記(I)または(II)の方法
以外に、界面重合法、in situ重合法等の重合による物
理化学的マイクロカプセル化法や、気中懸濁法、噴霧造
粒法等の内部物質を包装する物理的・機械的マイクロカ
プセル化法なども挙げられる。
【実施例】
実施例1乳化重合法による肥料を含有したPMLG粒子の製造 (1)硫酸アンモニウム(硫安)50gを100ml水
中に溶解し、この溶液とクロロベンゼン 150mlと
を、ソルビタンモノラウレート 4gを用いて充分に乳
化することにより、油中水分散型の基礎エマルジョンを
調製した。クロロベンゼン 100mlに、メチル−L
−グルタメート−N−炭酸無水物(以下MLG−NCA
という) 50gと、トリエチルアミン 5mmolとを
溶解し、この溶液を上記の基礎エマルジョンに加え、攪
拌した。この溶液中へ更に、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート 6gを溶解した水200mlを加
え、水中油中水分散型エマルジョンを調製し、攪拌を続
け乳化状態を保ちながら、室温で5時間重合した。前記
より硫安水溶液を含有したポリ−γ−メチル−L−グル
タメート(以下PMLGという)のポリマー粒子を生成
させた。このポリマー粒子が生成したエマルジョンを減
圧蒸留処理して有機溶媒を除去し、硫安水溶液を含有し
たPMLG粒子のエマルジョンを得た。このエマルジョ
ンを濾過してPMLG粒子を分離し、乾燥した。得られ
たPMLG粒子は多孔質であり、分子量は16800
0、平均粒径は2.03μmであった。この肥料を含有
したPMLG粒子をPMLG−1とする。第1表に肥料
含有率、被覆層厚を示す。 (2)PMLG−1の肥料溶出量を15℃、25℃、3
5℃で測定した結果を第2表に示す。なおこの溶出量
は、PMLG−1 10gを各温度の200ml水中に
一定時間浸漬し、水中のアンモニウムイオン濃度をイオ
ンクロマトグラフィー分析により求めた。
【0036】実施例2乳化重合法によるPBLG粒子を被覆した肥料の製造 (1)水200mlに、重合開始剤としてトリエチルア
ミン 0.072molと、乳化剤としてポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート 2gを加えて攪拌し
た。この水中にBLG−NCA 5gを加え攪拌を続
け、室温で5時間BLG−NCAを重合し、PBLG粒
子のエマルジョンを得た。このエマルジョンを濾過して
PBLG粒子を分離し、メタノールで洗浄後乾燥した。
得られたPBLG粒子は多孔質であり、分子量は670
00、平均粒径は1.25μmであった。 (2)(1)で得られたPBLG粒子をハイブリダイザ
ーを用いて粒状肥料(粒径 1mmの硫安)に1600
0rpmの条件で被覆し、PBLG粒子で被覆した粒状
肥料を得た。この被覆粒状肥料をPBLG−1とする。
第1表に肥料含有率、被覆層厚等を示す。 (3)PBLG−1を用いて実施例1の(2)と同様の
分析を行った。結果を第2表に示す。
【0037】実施例3不均一重合法によるPMLG粒子を被覆した肥料の製造 (1)ジエチルエーテル 200mlにMLG−NCA
20g、トリエチルアミン 2mmolを加え、攪拌し
ながら室温で5時間重合し、PMLG粒子を得た。これ
を濾過することによりPMLG粒子を分離、乾燥した。
得られたPMLG粒子は多孔質であり、分子量は156
000、平均粒径は1.46μmであった。 (2)(1)で得られたPMLG粒子を実施例2の
(2)と同様の処理をし、PMLG粒子で被覆した粒状
肥料を得た。この被覆粒状肥料をPMLG−2とする。
第1表に肥含有率、被覆層厚等を示す。 (3)PMLG−2を用いて実施例1の(2)と同様の
分析を行った。結果を第2表に示す。
【0038】比較例1 特開平5-4887の実施例1の方法で調製した、硫安に油変
性アルキッド樹脂と不飽和油と金属石鹸よりなる被覆剤
を噴霧して得た粒子を、実施例1の(2)と同様の溶出
量測定を行った。結果を第2表に示す。第2表よりポリ
アミノ酸粒子の方が、多孔質であるために肥料溶出パタ
ーンが安定しており、肥料含有率も高いので長期にわた
り肥効成分が働くことがわかる。
【0039】
【0040】 *1 約45日で100%に達した
【0042】
【発明の効果】本発明の徐放性農材は溶出パターンが安
定しており、内容積が大きいので薬剤含有率を上げるこ
とができ、さらに疎水性があり、通気性は良いが水分は
通さない、つまり浸水して薬剤成分が溶出することはな
いという特性を有するものである。さらに本発明の徐放
性農材は生分解性であるので、環境に対しての安全性も
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05G 3/00 103 2115−4H C05G 3/00 103 (72)発明者 森川 明彦 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 川橋 信夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−アミノ酸−N−炭酸無水物を乳化重
    合または不均一重合することにより得られるポリ−α−
    アミノ酸またはその誘導体の粒子中に農薬および/また
    は肥料を含有してなる徐放性農材。
JP8091904A 1996-03-21 1996-03-21 徐放性農材 Pending JPH09255505A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016155866A (ja) * 2010-04-28 2016-09-01 シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー 安定化された農薬組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016155866A (ja) * 2010-04-28 2016-09-01 シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー 安定化された農薬組成物

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