JPH09255776A - 重合体 - Google Patents

重合体

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JPH09255776A
JPH09255776A JP9341096A JP9341096A JPH09255776A JP H09255776 A JPH09255776 A JP H09255776A JP 9341096 A JP9341096 A JP 9341096A JP 9341096 A JP9341096 A JP 9341096A JP H09255776 A JPH09255776 A JP H09255776A
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JP
Japan
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polymer
amino acid
inhibitor
nca
ester
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JP9341096A
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English (en)
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Kouji Shiho
浩司 志保
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Akihiko Morikawa
明彦 森川
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kyoko Kuroda
恭子 黒田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油性基材と接触しても、紫外線防止剤が含有さ
れるコア部にまで油性基材が浸透しにくく、紫外線防止
剤が実質的に重合体外部に溶出されないとともに生体適
合性に優れる重合体を得る。 【解決手段】 ポリ−α−アミノ酸セグメントとラジカ
ル重合性二重結合を有する紫外線防止剤を含むラジカル
重合性モノマーを重合してなる重合体セグメントとが結
合してなる重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミノ酸セグメ
ントと紫外線防止性重合体セグメントからなる重合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線中には、人の皮膚に赤斑(サン
バーン)を起こすと共に、シミ、そばかす等の原因にな
る紫外線が含まれており、こうした紫外線を遮蔽あるい
は吸収するための紫外線防止剤を含有する化粧料が使用
されている。紫外線防止剤には、紫外線を吸収する有機
系紫外線防止剤と、紫外線を遮蔽する二酸化チタン、酸
化亜鉛および酸化鉄等の無機顔料とがある。有機系の紫
外線防止剤には、皮膚に対して刺激性のあるものも多
く、そのまま他の化粧品基材と混合して使用すると、皮
膚を刺激することがある。そこで、このような有機系紫
外線防止剤と皮膚とが直接接触することを防止するため
に、紫外線防止剤を樹脂粒子の内部に分散して拘束して
使用する方法が提案されている。例えば、特公昭62-519
31号、特開昭62-198612号公報等に、こうした有機系の
紫外線防止剤を内包する樹脂粒子が開示されている。こ
のように有機系紫外線防止剤を樹脂粒子中に拘束するこ
とにより、紫外線防止剤を直接配合した化粧品よりも刺
激性が低減される。従って、このように内部に紫外線防
止剤を拘束した樹脂粒子を使用すれば、紫外線防止剤に
よる皮膚刺激はなくなるはずであるが、実際にこのよう
な樹脂粒子を使用しても依然として紫外線防止剤により
皮膚が刺激されることがある。すなわち、有機系紫外線
防止剤は、粒子を形成する樹脂構造とは別にこの樹脂か
ら形成された粒子に存在する孔内に物理的に係合力によ
って拘束されているだけであり、この孔内に化粧料の油
性基材等が侵入すればこの油性基材によって粒子外に移
動する。そして、実際に測定してみると、多くの場合に
は使用した有機系紫外線防止剤の数%が溶出する事があ
る。こうして溶出した紫外線防止剤が皮膚刺激の原因と
なっていたのである。これに対し、有機系紫外線防止剤
と樹脂からなる芯材部を有機系紫外線防止剤を含有しな
い樹脂層で被覆することにより、紫外線防止剤の溶出を
抑える方法が特開平7-291837に開示されているが、依然
紫外線防止剤の溶出する場合があり、その上、基本的に
(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂は生体
適合性が低く、皮膚刺激性にも問題を抱えている。ま
た、無機顔料は皮膚を隠蔽して紫外線を遮蔽するもので
あり、このような無機顔料を皮膚に塗布すると白化ある
いは着色するために、化粧料に多量に配合することはで
きない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
基本的に生体適合性が高く、かつ、紫外線防止作用を低
下させることなく紫外線防止剤による皮膚への刺激を少
なくした樹脂粒子を提供する事を目的としている。更に
本発明は、このような基本的に生体適合性が高く、か
つ、紫外線防止作用を低下させることなく紫外線防止剤
による皮膚への刺激を少なくした樹脂粒子を含有した、
皮膚を白化または着色することのない化粧料を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリ−α−ア
ミノ酸セグメントとラジカル重合性二重結合を有する紫
外線防止剤(以下、「反応性紫外線防止剤」)を含むラ
ジカル重合性モノマーを重合してなる重合体(以下、
「紫外線防止性重合体」という)セグメントとが結合し
てなる重合体を提供するものである。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。本発明においてポリ−α−アミノ
酸セグメントを形成するポリアミノ酸はα−アミノ酸の
N−炭酸無水物(以下、「アミノ酸−NCA」という)
の重合体であり、α−アミノ酸の具体例としては、
(イ)グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイ
シン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニ
ン、メチオニン、プロリンなどの中性アミノ酸類、
(ロ)グルタミン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−
β−エステルなどの酸性アミノ酸−ω−エステル類(こ
こでエステルとは、メチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステ
ル、2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエス
テル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどを示
す。)、(ハ)N−カルボベンゾキシリシン、N−カル
ボベンゾキシオルニチン、N−アセチルリシンなどのN
−アシル塩基性アミノ酸類、(ニ)セリン、トレオニ
ン、システィン、チロシンなどの水酸基含有α−アミノ
酸のエステル類(ここでエステルとは、メチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、
シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジル
エステルなどを示す。)が挙げられる。これらのα−ア
ミノ酸より得られるアミノ酸−NCAは、光学活性体ま
たはラセミ体あるいはこれらの混合物であってもよく、
また、必要に応じて2種類以上組み合わせて用いること
ができる。本発明において、ポリ−α−アミノ酸セグメ
ントの分子量は、通常50〜500,000、好ましくは10
0〜200,000である。
【0005】本発明で使用される反応性紫外線防止剤と
しては、ベンゾトリアゾール構造およびメタクリロイル
基を有する重合性ベンゾトリアゾール系化合物、例えば
下記一般式1で表される化合物が好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】一般式1で表される化合物としては、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾールを挙げることができ
る。反応性紫外線防止剤は単独で重合してもよりが、他
の共重合性モノマーとともに共重合していてもよい。他
の共重合性モノマーしては、スチレン、α−メチルスチ
レン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の不飽
和芳香族類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽
和エステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル
類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールメタクリレート等の不飽
和カルボン酸アルキルエステル;その他に、ブタジエ
ン、イソプレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
アミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、アクリルアクリレート、アクリ
ルメタクリレート、エチレン、プロピレン、塩化ビニ
ル、臭化ビニル等が挙げられる。これらは、単独で前記
ベンゾトリアゾール系化合物と共重合させてもよく、ま
たは二種以上を混合して共重合させても良い。また、前
記ベンゾトリアゾール系化合物を単独で重合させて用い
ても良い。反応性紫外線防止剤と上記他の共重合性モノ
マーとを共重合する場合の使用割合(紫外線防止剤:他
の共重合性モノマー)は、通常は、5:95〜100:
0、好ましくは10:90〜60:40である。
【0008】上記において、紫外線防止性重合体を形成
するモノマーに、反応性紫外線防止剤が含まれる割合
は、紫外線防止性重合体の0.00001重量%以上、
好ましくは0.0001〜100重量%である。本発明
の紫外線防止性重合体の重量平均分子量は特に制限され
るものではないが、好ましくは100〜600000で
ある。本発明の重合体において、紫外線防止性重合体セ
グメントの割合はポリ−α−アミノ酸セグメント1重量
部に対して、通常0.0001〜1重量部、好ましくは
0.001〜0.1重量部である。本発明の重合体は、紫
外線防止性重合体セグメントの少なくとも1端に、ポリ
−α−アミノ酸セグメントが化学的に結合しているブロ
ック共重合体である。本発明の重合体は、粒子状である
ことが好ましく、平均粒子径は0.01〜100μm、
特に0.05〜50μmであり、平均粒子径の変動係数
(CV値)は1〜30%、特に1〜20%であることが
好ましい。
【0009】本発明の重合体の製造方法としては、反応
性紫外線防止剤が重合され、かつ末端にアミノ基を有す
る重合体(以下、アミノ基含有プレポリマーと略す)の
存在下でアミノ酸−NCAを乳化重合する方法が挙げら
れる。この重合反応においては、アミノ基含有プレポリ
マーの末端のアミノ基がアミノ酸−NCAの重合開始剤
として作用し、このアミノ基を重合開始点としてこれに
続いてアミノ酸−NCAの開環離脱重合が開始される。
【0010】アミノ基含有プレポリマーを製造する方法
としては、上記の共重合性モノマーを用い、例えば次の
(1)〜(5)のいずれかによる方法を用いることがで
きる。 (1)アミノ基を有する連鎖移動剤の存在下に、モノマ
ーのラジカル重合を行う方法(例えば、A.Nakaj
ima,Polymer Journal,11,99
5(1979))。 (2)保護基と第1級アミノ基とを有する有機リチウム
(例えば〔(CH33Si〕2N−C64−Li)をア
ニオン重合開始剤として共役ジエン類を重合させ、しか
る後に加水分解を行う方法(D.N.Schultら,
J.Polymer Sci.,Polym.Che
m.Ed.,15,2401(1977))。 (3)カチオンリビングポリマーをアンモニアで処理す
る方法。 (4)共役ジエンおよび/またはα−オレフィンの少な
くとも1種の単量体を一般式RMまたはMRM(ここ
で、Rは炭素数1〜12の炭化水素基、Mはアルカリ金
属を表す。)で表される有機アルカリ金属を重合開始剤
として重合させたアニオンリビングポリマーと、一般式
XR4N(SiR1232またはR56C=N−Y
(ここで、Xはハロゲン原子、R1、R2およびR3は炭
素数が1〜12の炭化水素基、R4は炭素数が1〜12
のアルキレン基、R5およびR6は水素原子あるいは炭素
数が1〜10の炭化水素基、Yは炭素数が1〜12の炭
化水素基、SiR789(ここで、R7、R8およびR9
は炭素数が1〜12の炭化水素基を表す。)で示される
基または−S−C65で示される基を表す。)で表され
るアミノ化剤と反応させ、末端に第1級アミノ基または
第2級アミノ基を導入する方法(特公平1−44203
号公報参照)。 (5)上記(4)で得られたアニオンリビングポリマー
に塩素ガスを吹き込み、当該ポリマーの末端を塩素化し
た後、アンモニアまたはアミンと反応させることによ
り、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基を導入
する方法(特公平1−2601号公報、特公平1−49
368号公報参照)。
【0011】アミノ酸−NCAの重合反応は、アミノ基
含有プレポリマーとアミノ酸−NCAとが接触すること
により生じる。すなわち、アミノ基含有プレポリマーの
アミノ基が重合開始剤として作用し、このアミノ基を重
合開始点として、アミノ酸−NCAはその開環および二
酸化炭素の離脱を繰り返しながら重合し、これにより、
ポリ−α−アミノ酸に反応性紫外線防止剤が化学的に固
定化されたポリマーが生成する。
【0012】上記のアミノ酸−NCAの重合反応におい
て、反応媒体としては水および/または有機溶媒が使用
できる。水と有機溶剤との使用割合は、水:有機溶剤が
重量比で100:0〜50:50であることが好まし
い。また、有機溶剤を使用する場合、1気圧、25℃の
条件下における水の溶解度が10g/100ミリリット
ル以下、好ましくは5g/100ミリリットル以下のも
のが好ましい。当該水の溶解度が10g/100ミリリ
ットルを超える有機溶剤を使用する場合には、粒子状の
ポリマーが得られない場合がある。
【0013】このような有機溶剤の具体例としては、ク
ロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−
ジクロロエタン、1,2−ジクロロメタン、1,1,2
−トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素
類;クロロベンゼン、ο−ジクロロベンゼン、1,2,
4−トリクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチルなどのエス
テル類;エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエ
ーテル、オクチルエーテル、アニソール、エトキシベン
ゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水
素化合物類、その他が挙げられる。これらの有機溶剤
は、勿論単独で用いることができるが、2種類以上を組
み合わせることにより、水の溶解度およびアミノ酸−N
CAの溶解度などの重要な特性が好ましく調節された有
機溶剤を得ることができる。また、アミノ酸−NCAと
重合反応媒体である水および/または有機溶剤との使用
割合は、アミノ酸−NCA:水および/または有機溶剤
の重量比で1:0.5〜1:100、好ましくは1:1
〜1:50である。
【0014】本発明において、乳化剤としては、用いら
れるアミノ酸−NCAの重合反応を阻害しないものであ
れば特に限定されるものではないが、特にノニオン系乳
化剤およびアニオン系乳化剤が好ましい。ノニオン系乳
化剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエ
チレングリコールアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。アニ
オン系乳化剤の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸エステル塩、アルキルリン酸エステ
ル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオ
キシエチレンアルキル硫酸エステル塩などが挙げられ
る。これらの乳化剤は、単独で若しくは2種類以上を組
み合わせて用いることができる。乳化剤の使用割合は、
用いられるアミノ酸−NCAの1重量部に対して0.1
〜100重量部であり、好ましくは1〜50重量部であ
る。この乳化剤の使用割合が0.1重量部未満である場
合には、生成するポリマー粒子の分子量が十分に大きな
ものとならないおそれがある。
【0015】本発明においては、アミノ酸−NCAが乳
化剤により安定的に分散する状態が得られる限り、重合
開始剤、乳化剤およびアミノ酸−NCAの添加順序が限
定されるものではない。すなわち、本発明においては、
アミノ酸−NCAが加水分解する前にアミノ酸−NCA
を乳化状態とすることが必要である。具体的には、重合
開始剤および乳化剤が含有された水中に、上記のアミノ
酸−NCAを添加して重合することが好ましい。このと
き、水を反応器中で攪拌することが好ましく、そのため
に機械的に攪拌する手段、または超音波照射による手段
を利用することができ、それらを併用してもよい。この
ような方法によれば、モノマーであるアミノ酸−NCA
が添加される水よりなる重合反応媒体においては、当該
アミノ酸−NCAがそのまま直ちに重合するために必要
な条件が整った状態とされているため、アミノ酸−NC
Aが添加されると同時にその表面から重合反応が生成す
るが、この重合反応は加水分解反応に対して優先的に行
なわれるために加水分解反応によって重合反応が阻害さ
れることがなく、実際上、有用なポリ−α−アミノ酸よ
りなるポリマー粒子が生成され、その結果、当該重合反
応系はそのままポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子によ
るエマルジョンとなる。
【0016】アミノ酸−NCAの重合反応は、アミノ酸
−NCAが水中の重合開始剤と接触することにより、自
発的に生ずる。重合温度は、アミノ酸−NCAの種類、
重合開始剤の種類によっても異なるが、通常、0〜10
0℃、好ましくは5〜90℃である。この重合温度を調
節することによって、目的とする大きさの分子量を有す
るポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子を製造することが
できる。なお、重合圧力は特に限定されるものではな
い。重合反応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要が
ある。この攪拌は、例えば反応器中で機械的に攪拌する
手段によって行うことが好ましく、その回転数は、通
常、20〜3000r.p.m.である。上記のアミノ
酸−NCAの重合反応が終了した状態のエマルジョンに
対し、必要に応じてスチームストリッピング法、減圧蒸
留法等により有機溶剤の除去処理を行うことが好まし
い。
【0017】また、本発明によって得られる重合体は、
次のような方法により変性することもできる。例えば、
モノマーのアミノ酸−NCAとして、グルタミン酸エス
テル、アスパラギン酸エステルなどの酸性アミノ酸エス
テルのN−炭酸無水物、またはN−カルボベンゾキシリ
シン、N−カルボベンゾキシオルニチンなどの塩基性ア
ミノ酸のN−炭酸無水物を用いた場合に得られるシェル
部が、それらのN−炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭
酸無水物との共重合により得られる共重合体よりなる場
合には、これらのシェル部表面を加水分解処理してアミ
ノ基またはカルボキシル基を生成させることにより、粒
子表面の親水化を行うことができる。また、ポリ−α−
アミノ酸からなるシェル部をエタノールアミン、プロパ
ノールアミン、ブタノールアミンなどのアルコールアミ
ン類と反応させることにより、粒子表面の親水化を行う
ことができる。さらに、ポリ−α−アミノ酸からなるシ
ェル部をエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどのジ
アミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール
などのグリコール類、またはマロン酸、コハク酸、アジ
ピン酸などのジカルボン酸類と反応させることにより、
シェル部のポリアミノ酸の架橋を行うことができる。
【0018】また、上記の方法により得られる重合体の
粒子をシードとして、アミノ酸NCAを乳化重合するこ
とにより、粒子表面に紫外線防止剤の存在しないポリ−
α−アミノ酸の層を形成することもできる。ポリ−α−
アミノ酸粒子を製造するには、α−アミノ酸−NCAを
溶液重合した後再乳化する方法も挙げられるが上記乳化
重合法が好ましい。上記の方法によれば、本発明の重合
体からなる粒子がエマルジョン状態として得られるが、
この重合体粒子はまた水から分離して使用することもで
きる。当該エマルジョンにおける重合体粒子を水から分
離する手段としては、スプレードライヤーなどを用いて
一挙に水を蒸発させる手段、エマルジョンを遠心分離処
理することにより当該紫外線防止性粒子粒子を沈降させ
て分離し、得られる固形物を乾燥させる手段、当該エマ
ルジョンを水分離膜を用いて濃縮した後に固形物を乾燥
する手段などが挙げられる。また、必要に応じて、当該
紫外線防止性粒子を水などにより洗浄して乳化剤を除去
することも可能である。本発明の紫外線防止性粒子は、
主としてそのまま他の原料と共に配合して化粧品として
使用することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒子径
は、透過型電子顕微鏡により観察して測定したものであ
り、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式か
ら算出した値を示す。
【0020】数1
【0021】実施例1 2リットルのガラス製反応容器に、脱水した1,3−ジ
イソプロペニルベンゼン5.7g、脱水したシクロヘキ
サン1.5リットル、トリエチルアミン0.036g、s
ec−ブチルリチウムの濃度1.09Nシクロヘキサン
溶液66mlを添加し攪拌した。赤褐色になった後、脱
水したイソプレン80g、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール20gを添加し、5時間攪拌して重合させ
た。この反応液に、2,2,5,5−テトラメチル−1
−(3−ブロモプロピル)−アザ−2,5−ジシラシク
ロペンタン30gを添加し、15時間攪拌して反応さ
せ、イソプロピルアルコール3重量部とメタノール1重
量部の混合溶液10リットルに添加したところ、重合体
が約90g沈澱した。前述混合比のイソプロパノールと
メタノールの混合溶液中に、重合体のトルエン溶液を添
加し、再沈澱させて精製し、室温で十分に溶剤を揮発さ
せた後、減圧下で十分に乾燥し、両末端がアミノ化され
たアミノ基含有プレポリマー88gを得た。このアミノ
基含有プレポリマーは、ゲル・パーミエーション・グロ
マトグラフィ分析によると、ポリエチレン換算の重量平
均分子量は7000であった。続いて、丸底セパラブル
フラスコに精製水1リットルを入れ、ここに乳化剤(ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート「Twee
n 20」(花王(株)製)1gを添加して充分混合し
た分散液に、γ−ベンジル−L−グルタメート−N−炭
酸無水物(以下、「BLG−NCA」という。)の粉末
100gを加え、十分に攪拌して分散させた後、塩化メ
チレン100g中にアミノ基含有プレポリマー5gを溶
解した溶液を徐々に加え、室温にて5時間重合を行うこ
とにより、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート(以
下、「PBLG」という。)にポリ(イソプレン/反応
性紫外線防止剤)が化学的に結合したポリマー粒子によ
るエマルジョンを得た。反応後、スチームストリッピン
グにより有機溶剤を除去した後、生成した粒子と分散媒
とを濾過により分離し、水洗、濾過を2回行い、乾燥し
て平均粒子径2.5μm、CV値19%の重合体粒子を
得た。
【0022】実施例2 実施例1において、乳化剤としてポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル「エマルゲン123P」(花王株式会社
製)0.8gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作
を行うことにより、平均粒子径5μm、CV値20%の
重合体粒子を得た。 実施例3 実施例1において、BLG−NCAの代わりにγ−エチ
ル−L−グルタメート−N−炭酸無水物を100g用い
たこと以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、
平均粒子径2.3μm、CV値15%の重合体粒子を得
た。
【0023】試験例1 実施例1〜3により得られた重合体粒子について、スト
リップメソッドによるパッチテストを行った結果、24
時間貼布、48時間貼布テストとも以上は認められなか
った。 試験例2 実施例1〜で得られた重合体粒子を以下に示す処方1に
従って配合してパウダーファウンデーションを製造し
た。 上記のようにして製造したパウダーファウンデーション
は、本発明の紫外線防止性粒子を用いないで製造したフ
ァウンデーションよりも落ち着いた光沢を有し、しかも
化粧のりがよく、皮膚に対する刺激もほとんど見られな
かった。
【0024】
【発明の効果】本発明の重合体は反応性紫外線防止剤か
らなる繰り返し単位を有するセグメントが生体適合性に
優れるポリ−α−アミノ酸セグメントに化学的に固定化
されてなっている。従って、この重合体が油性基材と接
触しても、紫外線防止剤が含有されるコア部にまで油性
基材が浸透しにくく、紫外線防止剤が実質的に重合体外
部に溶出されないとともに生体適合性に優れる。従って
本発明の重合体からなる粒子を含有する化粧料は皮膚刺
激が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 芳孝 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 黒田 恭子 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−α−アミノ酸セグメントとラジカ
    ル重合性二重結合を有する紫外線防止剤を含むラジカル
    重合性モノマーを重合してなる重合体セグメントとが結
    合してなる重合体。
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