JP2010047736A - 水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法、水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体、及び水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体 - Google Patents
水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法、水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体、及び水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の成形体は、ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体を含む成形体に、アミノアルコール、及びジアミンと反応させることにより得られる水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含むことを特徴とする。本発明の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体は、ポリアミノ酸部分に水酸基と、架橋部分とを有することを特徴とし、適度の親水性と優れた物理的強度とを有する。
【選択図】なし
Description
これらの用途のうち、特に人工血管や縫合糸などの直接人体に接触する用途の医療材料では、強度や伸びなどの物理的特性とともに、生体適合性の観点から、適度の親水性がもとめられる。
そこで、本発明者らはさらなる検討をおこなったところ、ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体を含む成形体のポリアミノ酸部分に水酸基を導入するとともに、ポリアミノ酸を架橋させることにより、適度な親水性を有し、かつ、優れた物理的強度を有する水酸基含有ポリアミノ酸―ポリジエン共重合体の架橋体を得ることができるという知見を得た。本発明はかかる新規な知見に基づくものである。
前記ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体がポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロックからなる構成としてもよい。上記構成とすると、ポリアミノ酸ブロックは生体適合性に優れ、かつポリジエンブロックが破断・伸び等の物理的性質を向上させるので、好ましい。
H2N−X2−NH2 (2)
[式(2)中、X2はメチレン基、炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数3〜20の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。]
上記構成であると、親水性と力学的強度に優れるので好ましい。
アミノアルコールとしてはアミノ低級アルコールを用いると親水性が高まるので好ましい。
本発明の架橋体を製造する材料となるポリアミノ酸−ポリジエン共重合体としては、ポリアミノ酸とポリジエンとの共重合体であればよく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。これらのうち、ポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロックからなるブロック共重合体は、ポリアミノ酸ブロックは生体適合性に優れ、かつポリジエンブロックが破断・伸び等の物理的性質を向上させるので、好ましい。
本発明の架橋体の原料となるブロック共重合体は、たとえば、アミノ基を末端に有するポリジエン(アミノ基含有ポリジエン)の存在下に、N−カルボキシ−α−アミノ酸無水物を重縮合させることにより作製することができる。
まず、ブロック共重合体の原料となるアミノ基含有ポリジエンの製造方法について説明する。
アミノ基含有共役ポリジエンは、下記一般式(3)で表される化合物[化合物(3)という]と、有機リチウム化合物(4)との反応生成物(a)と、共役ジエン化合物とを反応させて、前記共役ジエン化合物の重合体を得る工程(1)と、前記共役ジエン化合物の重合体と下記一般式(7)で表される化合物とを反応させる工程(2)とを経て作製される。
R5及びR6は、それぞれが独立した基であってもよく、相互に結合して環状構造を形成していてもよい。R5及びR6が相互に結合していない場合には、R5及びR6は、両方ともトリアルキルシリル基を示し、当該トリアルキルシリル基の珪素に結合する3つのアルキル基は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。R5とR6が相互に結合して環状構造を形成する場合には、当該環状構造は、R5およびR6が結合する窒素原子を含め、少なくとも2個の珪素原子、及び1〜10個の炭素原子で構成される。]
工程(1)では、化合物(3)と化合物(4)との反応生成物(a)を、共役ジエン化合物と反応させることにより共役ジエン重合体(ポリジエン)が得られる。
工程(1)で用いる化合物(3)は、二以上の反応性官能基を有する化合物であり、前記一般式(3)で表される化学構造を有するものである。
前記一般式(3)中、R1は、水素、又は炭素数1〜16のアルキル基を示す。mおよびnはそれぞれ1〜5の整数を示し、mが2以上の整数である場合には、R1は相互に同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の整数である場合には、R1は相互に同一であっても異なっていてもよい。
上記のR1のうち、水素又は炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましい。
工程(1)で用いる有機リチウム化合物(4)[以下、化合物(4)ともいう]は、前述の化合物(3)と反応してアニオン重合開始剤を生成し得る化合物であり、その化学構造が一般式:RLi(Rは、炭素数1〜16のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す)で表される。
化合物(3)と化合物(4)との反応により得られる反応生成物(a)は、共役ジエン化合物との反応の際に二官能性のアニオン重合開始剤として作用する。
化合物(3)と化合物(4)との反応は、公知の方法に準じて行うことができ、例えば、化合物(3)と化合物(4)とを非極性溶媒中で反応させることにより、反応生成物(a)を作製することができる。
工程(1)において反応生成物(a)と反応させる共役ジエン化合物は、その分子構造中に共役ジエン結合を有するものであれば特に限定されない。共役ジエン化合物の具体例としては、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等を挙げることができる。なかでも、イソプレン、及びブタジエンが好ましい。
化合物(5)および化合物(6)について具体的に、説明する。
前記一般式(5)で表されるオキソラニル化合物(化合物(5))の具体例としては、ビス(2−オキソラニル)メタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)ブタン、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパン、トリマー性2,5−ビス(2−オキソラニル−2−プロピル)オキソラン等を挙げることができる。これらのうち、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンが好ましい。
化合物(6)の具体例としてはエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のポリアルキレングリコールのエーテル誘導体等、並びに3,6−ジチアオクタン等のアルキル、又はアリール置換されたジチオエーテル誘導体等、ジホスフィノエタン、ジホスフィノプロパン等のホスフィン化合物等、またはこれらのヘテロ原子が組み合わさったものを挙げることができる。これらのうち、プロピレングリコールエチルプロピルエーテルあるいはプロピレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
工程(2)では、上述の工程(1)で得られたポリジエンと、一般式(7)で表される化合物(以下、化合物(7)ともいう)とを反応させる。
ポリジエンと化合物(7)との反応により、通常、末端アミノ基に化合物(7)の構造の一部が保護基として結合した形の、3級アミノ基含有ポリジエンが生成する。その後、上記生成物である3級アミノ基含有ポリジエンの3級アミノ基を脱保護して1級アミノ基とし、両末端に1級アミノ基を有するアミノ基含有ポリジエンを得る。
化合物(7)は、ポリジエンを変性させることが可能であるとともに、3級アミノ基含有ポリジエンを調製可能なもの(いわゆる、変性剤)であり、前記一般式(7)で表される化合物である。
形成された3級アミノ基含有ポリジエンを脱保護させることにより、その両末端に1級アミノ基を有するアミノ基含有ポリジエンを得ることができる。
A、A´は共役ジエン化合物をモノマー単位とするポリジエン重合鎖を示し、Y、Y´は水素または下記一般式(12)で示される官能基を示し、YおよびY´の少なくとも一方は下記一般式(12)で示される官能基である。]
次に、アミノ基含有ポリジエンを用いたブロック共重合体の製造方法について説明する。
上述した方法により得られたアミノ基含有ポリジエンと、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、および下記一般式(10)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物(以下、「化合物E」ともいう)とを反応させることにより、たとえば、一般式(13)で示すような、アミノ酸ブロック(A)及びポリジエンブロック(B)を有するブロック共重合体が得られる。すなわちアミノ基含有ポリジエンと、化合物Eとを混合し加熱すると、アミノ基含有ポリジエンが重合開始剤として作用して、二酸化炭素を脱離して、アミド結合(ペプチド結合)を生成しながら、ポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロック共重合体が作製される。
A、A´は共役ジエン化合物をモノマー単位とするポリジエン重合鎖を示し、Z、Z´は水素または前記一般式(12)で示される官能基に由来する基、または、下記一般式(14)で示されるポリアミノ酸重合鎖を示し、ZおよびZ´の少なくとも一方は下記一般式(14)で示されるポリアミノ重合鎖である。]
以下、ブロック共重合体の製造方法において用いる化合物について説明する。
一般式(8)中の、R16としては、炭素数3〜20の炭化水素基、及び、エステル構造を有する一価の有機基が好ましく、特に、−R20−COO−R21(式中、R20はメチレン基、又は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、R21は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基を示す)で表される基が好ましい。
一般式(9)に示すR17の電子吸引性基としては、具体的には、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、パーフルオロアルキル基及びパークロロアルキル基などを挙げることができ、なかでもニトロ基が特に好ましい。R18としては炭素数3〜20の炭化水素基、及び、エステル構造を有する一価の有機基が好ましく、特に、−R20−COO−R21(式中、R20はメチレン基、又は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、R21は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基を示す)で表される基が好ましい。
一般式(10)に示すR19の一価の有機基としては、炭素数3〜20の炭化水素基、及び、エステル構造を有する一価の有機基が好ましく、−R20−COO−R21(式中、R20はメチレン基、又は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、R21は炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基を示す)で表される基が特に好ましい。
ポリアミノ酸ブロック(A)とポリジエンブロック(B)とを有するブロック共重合体としては生体適合性に優れかつ物理的強度に優れているという観点からA−B−A型トリブロック共重合体が好ましい。
本発明においては、アミノ基含有ポリジエンとして上記一般式(11)で表されるアミノ基含有ポリジエンを用いて、これを化合物Eと重合させると、高収率でブロック共重合体が得られるので好ましい。
なお、ポリジエンブロックがポリイソプレンであると、本発明の架橋体を、伸びや生体適合性に優れたものとすることができ、好ましい。
さて、本発明の架橋体は、上述のようにして得られたポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロック共重合体と、アミノアルコールと、ジアミンとを反応させることにより得られる。当該反応により、ポリアミノ酸ブロックを構成する構成単位の側鎖部分に水酸基が導入され、ポリアミノ酸の一部が架橋する。本発明の架橋体は下記式(1)−(a)および
式(1)−(b)の構成単位を有する。
すなわち、アミノ基含有ポリジエンと、γ−ベンジル−L−グルタミン酸N−カルボン酸無水物(BLG−NCA)とを反応させて得られるブロック共重合体に、水酸基と架橋構造とを導入したものが好ましい。そして、当該ブロック共重合体のポリアミノ酸ブロックの構成単位の側鎖部分のベンジルオキシ基がヒドロキシアルキルアミノ基に変換されているものが特に好ましい。
水酸基の導入割合は、ポリアミノ酸ブロックを構成する構成単位全体に対して60%以上であるのが好ましい。
例えば、フィルム状としたブロック共重合体を用いる場合、フィルムをアミノアルコールとジアミンとの混合溶液に浸漬して、通常、45℃〜55℃で、48〜72時間反応させると、本発明の水酸基含有ブロック共重合体が得られる。
アミノアルコールの例としては、上記一般式中のX1が水酸基を有するメチレン基、水酸基を有する炭素数2〜6の炭化水素基、水酸基を有する炭素数3〜6の脂肪族炭化水素基、または水酸基を有する炭素数6〜9の芳香族炭化水素基であるアミノアルコールを用いるとポリマー中のベンジル基との反応性を高めることができ好ましい。これらのうち、アミノメチルアルコール、2−アミノエチルアルコール、3−アミノ−1−プロピルアルコールなどのアミノ低級アルコールを用いると親水性を高めることができ、より好ましい。
H2N−X2−NH2 (2)
[式(2)中、X2はメチレン基、炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数3〜20の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。]
ジアミンの具体例としては、メチレンジアミン、ヘキサンジアミンなどがあげられ、これらのうち、好ましいのは、オクタンジアミン、ドデカンジアミンなどである。
ブロック共重合体は、溶液流延法、押出成形法、カレンダー法などの従来公知の方法により成形することが可能であるが、これに限定されるものではない。特に加熱加工法にあっては、老化防止剤のような熱安定剤を付与することによって、加熱による物性低下を緩和することが可能である。
上述の成形法のうち、ブロック共重合体を用いた成膜の作製方法としては、例えば、溶液流延法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
溶液流延法による成膜において、ブロック共重合体を調製するのに用いられる溶媒は、ブロック共重合体を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、ポリアミノ酸ブロックおよびポリジエンブロックに対して良溶媒であることが好ましい。このような溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、トリフルオロエタノール等が挙げられる。
各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[有機リチウム化合物]
sec−ブチルリチウム(s−BuLi)のシクロヘキサン溶液(1.3mol/l)は、公知の技術であるGilmanの二重滴定法(Gilman.H他、J.Am.Chem.Soc.66.1515−1516(1944))を用いることにより、有効リチウム濃度1.1mol/lと算出されたものを用いた。
400MHz核磁気共鳴スペクトル分析装置(商品名「ECX−500」、日本電子社製)を使用し、アミノ基を末端に有するポリイソプレン(乾燥後のもの)100mgを重クロロホルム0.75mLに溶解して得た測定用試料を分析することにより、1,4結合含有率(%)、1,2結合含有率(%)、3,4結合含有率(%)、数平均分子量(Mn(g/mol))、及び1級アミノ基導入率(変性率(%))を測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(カラム:商品名「HLC−8120」、東ソー・ファインケム社製)を使用し、40℃の温度条件下、テトラヒドロフランを溶媒として使用し、流速1.0mL/分におけるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。測定したMwとMnの値から、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
堀場製作所社製の「FT−720」を用いて測定した。
J−サイエンスラボ社製の「JM10」を用いて測定した。
蒸留水99.04部にリン酸水素ニカリウム0.03部、炭酸水素ナトリウム0.25部、塩化ナトリウム0.67部、塩化カリウム0.01部加え、疑似細胞外液を調製した。調製した疑似細胞外液に測定用フィルム試料を37℃条件下で24時間浸漬させ、浸漬前後の重量比を膨潤度、(重量変化量/浸漬前重量)×100を含水率(%)として算出した。
膨潤度測定に用いたフィルムを用いて、JIS K−7113−1981に準じて引張試験を行い、引張強度(MPa)及び伸び(%)を測定した。引張強度が1MPa以上で、かつ、伸びが400%以上であれば物理的強度に優れると判断した。
脱水したシクロヘキサン/ヘプタン混合溶剤100mlに、1,3−ジ(1−フェニルエテニル)ベンゼン(DPEB)3.00gを溶解させた溶液を、内容積300mlのガラス製反応容器に入れた。乾燥窒素雰囲気下、前記反応容器にsec−ブチルリチウム(s−BuLi)のシクロヘキサン溶液(有効リチウム濃度:1.1mol/l)18.5mlを添加し、50℃で3時間撹拌することにより重合開始剤溶液a1を調製した。なお、重合開始剤溶液a1中のLi濃度は0.17mol/lである。
重合反応後の反応液に、変性剤として、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン0.98gを添加した後、75℃以上で3時間振とうして変性反応を行った。次いで、メタノール2mlを添加して変性反応を終了させた。反応終了後の上澄み液を回収して濃縮した後、シクロヘキサン50mlとメタノール200mlを用いた再沈殿操作を3回繰り返した。次いで、シクロヘキサン100mlとメタノール100mlの混合溶媒中、酢酸11.3gを用いてpHを3−4とし、室温下で3時間撹拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(4.0mol/l)47.1gを用いて中和し、メタノール500mlを用いて重合体を沈殿させた。シクロヘキサン50mlとメタノール200mlを用いた再沈殿操作を5回繰り返した後、減圧下で溶剤を留去した。真空下、60℃で十分に乾燥することで、その両末端に1級アミノ基を有するポリイソプレン(本発明のアミノ基含有ポリイソプレン)31.0gを得た。得られたアミノ基含有ポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は32000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(分子量分布:Mw/Mn)は、1.20、イソプレン単位の数は432個、及び変性率は90%であった。また、ポリイソプレンブロックでのイソプレン同士の結合含有率は1,4結合含有率が36%、1,2結合含有率が6%、3,4結合含有率が58%であった。
110mLのガラス製反応容器にγ−ベンジル-L−グルタミン酸−N−カルボン酸無水物(以下BLG−NCA)12.80gを仕込み、ジクロロメタン180.7mLに溶解させた。その後、合成例1で作製した、アミノ基を末端に有するポリイソプレンを15.56g含有するジクロロメタン溶液172.3mLを加え、窒素下25℃で10時間重合させた。
仕込みに用いる3−アミノ−1−プロパノール/1,8−オクタンジアミン=107.0部/10.8部の溶液に代えて、3−アミノ−1−プロパノール/1,8−オクタンジアミン=101.40部/21.64部の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に実験操作を行い、GIG中のポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)ブロックが親水化及び架橋された親水性エラストマー(本発明の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジ゛アミン架橋体)フィルムを得た。
仕込みに用いる3−アミノ−1−プロパノール/1,8−オクタンジアミン=107.0部/10.8部の溶液に代えて、3−アミノ−1−プロパノール/1,12−ドデカンジアミン=107.03部/15.03部の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に実験操作を行い、GIG中のポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)ブロックが親水化及び架橋された親水性エラストマー(本発明の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジ゛アミン架橋体)フィルムを得た。
仕込みに用いる3−アミノ−1−プロパノール/1,8−オクタンジアミン=107.0部/10.8部の溶液に代えて、3−アミノ−1−プロパノール/1,12−ドデカンジアミン=101.40部/30.05部の溶液を用いた以外は実施例1と同様に実験操作を行い、GIG中のポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)ブロックが親水化及び架橋された親水性エラストマー(本発明の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジ゛アミン架橋体)フィルムを得た。
仕込みに用いる3−アミノ−1−プロパノール/1,8−オクタンジアミン=107.0部/10.8部の溶液に代えて3−アミノ−1−プロパノールを113部用いたこと以外は実施例1と同様に実験操作を行い、GIG中のポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)ブロックが親水化及び架橋された親水性エラストマー(ポリアミノ酸系共重合体からなる親水性エラストマー)フィルムを得た。
表1中「アミノ基を有するポリジエンの数平均分子量」とは「アミノ基を末端に有するポリイソプレンの数平均分子量」を示し、「ポリアミノ酸/ポリジエン(質量比)」とは「ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)−ポリイソプレン共重合高分子化合物中のL−グルタミン酸−γ−ベンジル(ポリアミノ酸ブロック)とイソプレン(ポリジエンブロック)との質量比」を示す。また、モノマーとはベンジル−L−グルタメートNカルボン酸無水物を示す。
表1中のモノマーのモル濃度、開始剤(a1)のモル濃度、およびジアミン架橋剤量(mol%)は、それぞれ、以下のように算出した。
モノマーのモル濃度および開始剤(a1)のモル濃度は、各仕込量(g)をmol換算し、溶媒(ジクロロメタン)量(L)で割った値として算出した。
また、ジアミン架橋剤量(mol%)は下記式により算出した。
ジアミン架橋剤量(mol)/[ジアミン架橋剤量(mol)+アミノアルコール(mol)]×100=ジアミン架橋剤量(mol%)
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記合成例においては、化合物(1)として1,3−ジ(1−フェニルエテニル)ベンゼンを用い、化合物(2)としてsec−ブチルリチウムを用いたが、化合物(1)として1,3−ビス[(4−メチルフェニル)エテニル]ベンゼンなどの他の化合物を用い、化合物(2)としてn−ブチルリチウムやtert−ブチルリチウムなどを用いてもよい。
Claims (12)
- ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体を含む成形体を、アミノアルコール、及びジアミンと反応して得られる水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法。
- 前記ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体がポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロックからなることを特徴とする請求項1に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法。
- 前記ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体中のポリジエンが、ポリイソプレンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法。
- 前記水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体中のポリアミノ酸がポリN−ヒドロキシアルキル−L−グルタミン誘導体由来の構造単位を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法。
- 前記アミノアルコールが、アミノ低級アルコールであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体の製造方法。
- ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体を含む成形体を、アミノアルコール、及びジアミンと反応して得られる水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
- 前記ジアミンが下記式(2)で表されるジアミンであることを特徴とする請求項6に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
H2N−X2−NH2 (2)
[式(2)中、X2はメチレン基、炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数3〜20の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。] - 前記水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体中のポリアミノ酸−ポリジエン共重合体に由来する構造が、ポリアミノ酸ブロック−ポリジエンブロックからなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
- 前記水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体中のポリジエンがポリイソプレンであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
- 前記水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体中の水酸基含有ポリアミノ酸に由来する構造が、ポリN−ヒドロキシアルキル−L−グルタミンに由来する構成単位を有することを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
- 前記アミノアルコールが、アミノ低級アルコールであることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体を含む成形体。
- ポリアミノ酸とポリジエンとを有する共重合体であって、
前記ポリアミノ酸が、水酸基を有する構成単位と、ジアミンによる架橋部位とを有することを特徴とする水酸基含有ポリアミノ酸−ポリジエン共重合体のジアミン架橋体。
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