JPH0780057A - 抗血栓性材料 - Google Patents

抗血栓性材料

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JPH0780057A
JPH0780057A JP5253704A JP25370493A JPH0780057A JP H0780057 A JPH0780057 A JP H0780057A JP 5253704 A JP5253704 A JP 5253704A JP 25370493 A JP25370493 A JP 25370493A JP H0780057 A JPH0780057 A JP H0780057A
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block
block copolymer
polyamino acid
polyisoprene
amino group
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Toshiro Hayashi
壽郎 林
Shigeru Komatsuzaki
茂 小松崎
Ryuichiro Yoda
隆一郎 依田
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度や柔軟性等の物理的特性と生体適合性と
もに優れた抗血栓性の医療材料を提供する。 【構成】ポリアミノ酸ブロック(A)とポリイソプレン
ブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合
体からなる抗血栓性材料である。 【効果】強度や柔軟性等の物理的特性と生体適合性とも
に優れ、カテーテル、人工血管等の生体組織と接触する
医療材料に好適な抗血栓性材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カテーテル、人工血管
等の生体組織と接触する医療材料に用いる抗血栓性材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミノ酸は、その優れた生体適合性
のため、医療材料として広く用いられている。しかし、
ポリアミノ酸には、もともと水溶性である場合が多い、
架橋させて不溶化したポリアミノ酸はゲル状となるため
脆い、疎水性のポリアミノ酸あるいは親水基を疎水基で
ブロックしたポリアミノ酸(例えばL−グルタミン酸−
γ−ベンジル)を用いたフィルムは硬いため生体中での
繰り返し応力に追随できない等、強度や柔軟性の点で問
題があった。
【0003】強度や柔軟性などの物理的特性を改善した
医療材料としてポリアミノ酸ブロック(A)とポリブタ
ジエンブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック
共重合体が提案されている(第36回日本化学繊維研究
所講演集、第125頁〜、1979年;第38回日本化
学繊維研究所講演集、第37頁〜、1981年)。該ブ
ロック共重合体は、ミクロ相分離によるミクロ不均一構
造をもち、生体適合性に優れている。しかし、このブロ
ック共重合体も、ポリアミノ酸に比べて物理的特性が改
善されたとはいえ、せいぜい破断強度が150kg/c
2程度、破断伸びが130%程度までのものしか知ら
れていなかった。また、このブロック共重合体を用いた
医療材料には、生体中での繰り返し応力に対して劣化し
やすい、生体組織との間で力学的不適合がおこるため炎
症を誘発しやすい、他の柔軟な基材の表面に被覆した場
合に剥離し易い、等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは物理的特
性・生体適合性ともに優れた抗血栓性の医療材料の開発
をめざし鋭意研究した結果、ポリアミノ酸ブロックとポ
リイソプレンブロックとからなるブロック共重合体が上
記の特性を満たす医療材料として好適であることを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、ポリアミノ酸ブロック(A)とポリイソプレンブロ
ック(B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体か
らなる抗血栓性材料が提供される。
【0006】(ポリアミノ酸ブロック)本発明の抗血栓
性材料に用いるA−B−A型ブロック共重合体を構成す
るポリアミノ酸ブロック(A)は、アミノ酸数が、通
常、10〜10,000個、好ましくは30〜1,000個のものであ
る。ポリアミノ酸ブロック(A)を構成するアミノ酸
は、L−アラニンやL−ロイシン等の必須アミノ酸のよ
うに天然に存在するアミノ酸でも、人工的に合成された
アミノ酸でもよい。アミノ酸数が少なすぎると、ポリア
ミノ酸ブロック(A)がα−ヘリックス構造をとりにく
くなるためブロック共重合体がミクロ不均一構造をとり
にくくなり、抗血栓性材料としての生体適合性が低下す
る。多すぎると強度や柔軟性が低下する。α−ヘリック
ス構造はポリアミノ酸であるタンパク質が生体内で形成
する立体構造の一つであり、鎖状のポリアミノ酸が螺旋
構造をとり該螺旋構造によって近接したアミノ酸構造同
士が水素結合することにより安定化された構造である。
【0007】一般に、L体のアミノ酸のみからなるポリ
アミノ酸は右回りのα−ヘリックス構造を、D体のアミ
ノ酸のみからなるポリアミノ酸は左回りのα−ヘリック
ス構造をとりやすい。生体内のポリアミノ酸であるタン
パク質はL体のアミノ酸の重合体であり右回りのα−ヘ
リックス構造をとることが多いので、生体適合性の点か
ら、ポリアミノ酸ブロック(A)はL体のアミノ酸由来
の構造単位が90モル%以上のものが好ましく、L体の
アミノ酸由来の構造単位のみからなるものが特に好まし
い。
【0008】ポリアミノ酸ブロック(A)にα−ヘリッ
クス構造をとらせるためにはアミノ酸の種類や配列とブ
ロック共重合体の成形方法の組合せを検討する必要があ
る。例えば、クロロホルムや塩化メチレンを用いて溶液
流延法によりブロック共重合体を膜として成形する場
合、ポリアミノ酸ブロック(A)は、L−グルタミン酸
−γ−ベンジル、L−グルタミン酸−γ−メチル、ε−
カルボベンゾキシ−L−リジン、L−アラニン、L−ロ
イシン、L−イソロイシン等に由来する構造単位含有量
が90モル%以上のものが好ましく、これらの中から選
択された単一のアミノ酸に由来する構造単位のみからな
るポリアミノ酸ブロック(A)が特に好ましい。
【0009】ポリアミノ酸ブロック(A)の製造方法は
特に限定されないが、製造効率の点から、後述の方法に
より末端にアミノ基を導入したポリイソプレンブロック
(B)を、アミノ酸とホスゲンの反応物であるN−カル
ボキシアミノ酸無水物溶液中に加えて反応させる方法が
好ましい。
【0010】(ポリイソプレンブロック)本発明の抗血
栓性材料に用いるA−B−A型ブロック共重合体を構成
するポリイソプレンブロック(B)は、イソプレンの単
独重合体であっても、イソプレンと共重合可能な単量
体、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン
等の共役ジエン系化合物や、スチレン等の芳香族ビニル
化合物を、該ブロック(B)の構造単位のうち、通常、
50モル%以下、好ましくは30モル%以下の割合で含
んだ共重合体であってもよいが、強度や柔軟性の観点か
ら、イソプレンの単独重合体が最も好ましい。イソプレ
ン由来の構造単位の割合が少なくなるに従って強度や柔
軟性が低下する。
【0011】ポリイソプレンブロック(B)の数平均分
子量は、ポリスチレン換算で、通常、1,000〜1,000,00
0、好ましくは3,000〜100,000である。分子量が小さす
ぎると強度や柔軟性が低下し、大きすぎると生体適合性
が低下する。柔軟性の点から、イソプレン由来の構造単
位同士の結合の内、シス−1,4結合とトランス−1,
4結合が合わせて80%以上のものが好ましく、90%
以上のものが特に好ましい。シス−1,4結合とトラン
ス−1,4結合の割合を変更するためには、ポリイソプ
レンブロック(B)を得る際の反応条件を変えればよ
い。
【0012】ポリイソプレンブロック(B)の製造方法
は特に限定されないが、アニオン重合による方法が簡便
である。重合開始剤としては、n−ブチルリチウム等の
一官能性アニオン重合開始剤も使用可能であるが、本発
明に用いるブロック共重合体を効率良く得るにはポリイ
ソプレンブロック(B)の両末端にアミノ基を導入して
おくことが好ましいため、(a)二官能性アニオン重合
開始剤、または(b)アミノ基もしくは保護化されたア
ミノ基を有する一官能性アニオン重合開始剤が好まし
い。
【0013】前記(a)は、公知の方法、例えば官能基
を2つ有する芳香族炭化水素とアルキルモノリチウム化
合物を非極性溶媒中で反応させて得られる。官能基を2
つ有する芳香族炭化水素の例としては、ジビニルベンゼ
ン、1,3−ジイソプロペニルベンゼンが挙げられる。
また、アルキルモノリチウム化合物の例としては、n−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが挙げられ、
非極性溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン等の飽和
炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン等の環状炭
化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;等が
挙げられる。
【0014】二官能性アニオン重合開始剤(a)を用い
て得たポリイソプレンブロック(B)は、イソプレン由
来の構造単位同士の結合の内、シス−1,4結合とトラ
ンス−1,4結合が合わせて、通常、80%以上とな
り、特に具体的に名称を記載した官能基を2つ有する芳
香族炭化水素、アルキルモノリチウム化合物及び非極性
溶媒を用いて二官能性アニオン重合開始剤(a)を得、
該重合開始剤(a)を用いて得たポリイソプレンブロッ
ク(B)は、該(B)を得る際の他の反応条件にもよる
が、シス−1,4結合とトランス−1,4結合が合わせ
て90%以上となる。
【0015】前記ポリイソプレンブロック(B)の両末
端にアミノ基を導入するには、重合末端にアミノ基また
は保護化されたアミノ基を有するアニオン反応性化合物
を反応させる。アミノ基を有するアニオン反応性化合物
としては、3−ブロモプロピルアミン、2−ブロモエチ
ルアミン等が、保護化されたアミノ基を有するアニオン
反応性化合物としては、2,2,5,5−テトラメチル
−1−(3−ブロモプロピル)−アザ−2,5−ジシラ
シクロペンタン等(Kenji Ueda et al.,Macromolecule
s,vol.23,p939〜,1990)が例示される。一般には、副反
応の防止、収率等の観点から、保護化されたアミノ基を
有するアニオン反応性化合物を用いる。重合末端に保護
化されたアミノ基を有するアニオン反応性化合物を用い
た場合は、反応後に脱保護し、両末端をアミノ基とす
る。脱保護は常法に従って行えばよく、その例としては
水またはアルコール類の添加が挙げられる。
【0016】アミノ基もしくは保護化されたアミノ基を
有する一官能性アニオン重合開始剤(b)は、官能基を
2つ有する芳香族炭化水素に代えてアミノ基あるいは保
護化されたアミノ基を有するスチレン誘導体を用いる以
外は二官能性アニオン重合開始剤(a)と同様にして得
られる。副反応の防止や、収率等の観点から、保護化さ
れたアミノ基を有する一官能性アニオン重合開始剤が好
ましく、その例としては、2,2,5,5−テトラメチ
ル−1−(4−ビニルベンゾ)−アザ−2,5−ジシラ
シクロペンタンとアルキルモノリチウム化合物の反応物
が挙げられる。
【0017】前記(b)を用いて得たポリイソプレンブ
ロック(B)は、一方の末端にのみアミノ基または保護
化されたアミノ基を有し、他方の末端は重合開始剤によ
る活性末端となっている。該活性末端を、公知のカップ
リング剤、例えば1,2−ジハロゲノエタン、ビスクロ
ロメチルエーテルなどを用いてカップリングすることに
より、両末端にアミノ基または保護化されたアミノ基を
有するポリイソプレンブロック(B)が得られる。該
(B)が保護化されたアミノ基を有する場合は、(a)
を用いて得たポリイソプレンブロック(B)と同様にし
て脱保護し、両末端をアミノ基とする。
【0018】(ブロック共重合体)本発明の抗血栓性材
料に用いるA−B−A型ブロック共重合体の製造方法は
特に限定されない。製造効率の点からは、両末端にアミ
ノ基を導入したポリイソプレンブロック(B)のアミノ
基にN−カルボキシアミノ酸無水物を反応させてポリア
ミノ酸ブロック(A)として伸長させる方法が好まし
い。
【0019】本発明に用いるA−B−A型ブロック共重
合体のポリアミノ酸ブロック(A):ポリイソプレンブ
ロック(B)の比率は特に制限されないが、血栓の形成
度合いの観点から、通常、95:5〜10:90、好ま
しくは80:20〜40:60の範囲内とする。この比
率を変えるにはブロック共重合体を得る時の(A)及び
(B)の量を変えればよい。ポリアミノ酸ブロック
(A)の比率が高すぎると生体適合性が低下する。ポリ
イソプレンブロック(B)の比率が高すぎる場合は、ポ
リイソプレンブロック(B)の数平均分子量にもよる
が、ブロック共重合体全体の数平均分子量が小さくな
る、ブロック共重合体がゴム状になる等の理由により、
本発明の効果が充分に得られない。
【0020】(抗血栓性材料)本発明の抗血栓性材料は
前記方法で得られたブロック共重合体を成形したもので
ある。成形は公知の方法によればよく、その例として
は、ブロック共重合体を溶媒に溶解した溶液を流延し該
溶媒を揮発・除去して成膜する、溶液流延法が挙げられ
る。溶媒は、ポリイソプレンブロック(B)の良溶媒で
かつポリアミノ酸ブロック(A)にα−ヘリックス構造
をとらせやすいものであれば特に制限されないが、クロ
ロホルム、塩化メチレン等のハロゲン含有炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;トリフルオロエ
タノール、トリクロロエタノール等のハロゲン化アルコ
ール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のカルボン酸アミドが好ましい。溶液濃度は、通常、0.
1〜5重量%の範囲内とする。濃度が濃すぎると均一な厚
さのフィルムの形成が困難となる。薄すぎると充分な厚
さのフィルムの形成が困難となる他、溶媒の除去も困難
になる。溶媒の除去方法は特に限定されないが、室温で
ある程度の溶媒を揮発させた後、減圧下で充分に溶媒を
揮発させる方法が好ましい。
【0021】本発明の抗血栓性材料は、ポリアミノ酸ブ
ロック(A)とポリイソプレンブロック(B)とからな
るA−B−A型ブロック共重合体を直接成形したもので
も、該共重合体を他の基材、例えば塩化ビニル、テフロ
ン、ポリウレタンの表面に被覆したものでもよい。被覆
方法は本発明の趣旨を損なわない限り特に制限されな
い。ブロック共重合体を他の基材に被覆したものは柔軟
性等の基材の特性を損なうことなく生体適合性を持たせ
た抗血栓性材料として好適である。
【0022】本発明の抗血栓性材料は、生体適合性を有
し、血栓の形成度合いが小さい。その理由はポリアミノ
酸ブロック(A)がとるα−ヘリックス構造によりポリ
イソプレンブロック(B)が均一に分散し(A)と
(B)がミクロ相分離してミクロ不均一構造をとること
によると推定される。また、強度と柔軟性に優れ、生体
中での繰り返し応力に対して劣化しにくく、生体組織と
の間での力学的不適合も少ない。その理由は柔軟なポリ
イソプレンブロック(B)と硬質のポリアミノ酸ブロッ
ク(A)がミクロ相分離することによると推定される。
【0023】本発明の抗血栓性材料がフィルムである場
合、破断強度は、通常、180kg/cm2以上、好ま
しくは200kg/cm2以上であり、破断伸びは、通
常、130%以上、好ましくは140%以上である。
【0024】本発明の抗血栓性材料のうちポリアミノ酸
ブロック(A)とポリイソプレンブロック(B)とから
なるA−B−A型ブロック共重合体を他の基材の表面に
被覆して成るものは基材の特性と生体適合性を併せ持
つ。また該共重合体は基材から剥離しにくいため長期に
わたって使用可能である。その理由はブロック共重合体
と基材との間の力学的不適合が少ないためと推定され
る。
【0025】本発明の抗血栓性材料は、生体組織と接触
する医療材料、例えば、経腸栄養チューブ、高カロリー
輸液カテーテルなどのカテーテルをはじめ、補助循環装
置用の体外循環回路、人工補綴物、人工血管などの血液
接触面に使用可能である。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び試験例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。なお実施例における各試験は以
下のようにして行った。 (1) ポリイソプレンブロックの数平均分子量、重量平均
分子量と数平均分子量の比 ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ分析により
求めた。 (2) アミノ基1個当りのイソプレン単位数1 H NMRにより求めた。 (3) ポリイソプレンブロック中のイソプレン同士の結合13 C NMRにより求めた。 (4) ポリアミノ酸ブロックとポリイソプレンブロックの
重量比率 全自動元素分析装置(ヘラウス社製,CHN-O-RAPID)を
用いて求めた。 (5) 引張強度試験 JIS K−7113−1981に準じて行った。 (6) ポリアミノ酸ブロックのα−ヘリックス構造の確認 赤外スペクトル分析により行った。 (7) ミクロ不均一構造の確認 フィルムをオスミウム酸蒸気で染色したものを電子顕微
鏡で観察した。
【0027】実施例1 200mlのガラス製反応容器に、脱水した1,3−ジ
イソプロペニルベンゼン0.57g、脱水したシクロヘ
キサン150ml、トリエチルアミン0.036g、s
ec−ブチルリチウムの濃度1.09Nシクロヘキサン
溶液6.61mlを添加し、攪拌した。系全体が赤褐色
になった後、脱水したイソプレン13.1gを添加し、
5時間攪拌して重合させた。
【0028】この反応液に、2,2,5,5−テトラメ
チル−1−(3−ブロモプロピル)−アザ−2,5−ジ
シラシクロペンタン3.03gを添加し、15時間攪拌
して反応させ、イソプロパノール3重量部とメタノール
1重量部の混合溶液2lに添加したところ、重合体が約
11.9g沈澱した。該重合体をトルエンに溶解し、こ
のものを前述混合比のイソプロパノールとメタノールの
混合溶液中に添加して再沈澱させて精製し、室温で十分
に溶剤を揮散させた後、減圧下で十分に乾燥し、両末端
がアミノ化されたポリイソプレンブロック11.2gを
得た。このアミノ末端ポリイソプレンブロックの性状を
表1に示す。
【0029】該アミノ末端ポリイソプレンブロック30
0mgとL−グルタミン酸−γ−ベンジルのN−カルボ
キシアミノ酸無水化物5700mgとをジオキサン1重
量部と塩化メチレン3重量部の混合溶液200g中に加
え、暗所で25℃にて3日間重合し、メタノール1l中
に投入して沈澱させ、室温、減圧下で十分に乾燥させ
て、ブロック共重合体4.9gを得た。このブロック共
重合体中のL−グルタミン酸−γ−ベンジルとイソプレ
ンの重量比率は94.1/5.9であった。
【0030】このブロック共重合体0.3gをクロロホ
ルム30gに溶解したものを流延板に流延し、室温、減
圧下で十分に乾燥し、クロロホルムを十分に除去して、
厚さ約0.1mmのフィルムを作成した。該フィルムを
用いて引張強度試験を行い、更にポリアミノ酸ブロック
のα−ヘリックス構造およびブロック共重合体のミクロ
不均一構造の確認を行った。結果を表1に示す。
【0031】実施例2〜4 L−グルタミン酸−γ−ベンジルのN−カルボキシアミ
ノ酸無水化物とアミノ末端ポリイソプレンブロックを表
1に示す量で用いた以外は実施例1と同様にしてブロッ
ク共重合体を得、フィルムを作成した。評価結果を表1
に示す。
【0032】実施例5 イソプレンの量を13.1gから46.3gに変えた以
外は実施例1と同様にして両末端がアミノ化されたポリ
イソプレンブロック39.8gを得た。このアミノ末端
ポリイソプレンブロックの性状を表1に示す。
【0033】該アミノ末端ポリイソプレンブロックを用
いた以外は実施例1と同様に処理してブロック共重合体
4.2gを得、フィルムを作成した。評価結果を表1に
示す。
【0034】実施例6〜9 L−グルタミン酸−γ−ベンジルのN−カルボキシアミ
ノ酸無水化物と実施例5で得たアミノ末端ポリイソプレ
ンブロックを表1に示す量で用いた以外は実施例1と同
様にしてブロック共重合体を得、フィルムを作成した。
評価結果を表1に示す。
【0035】試験例 実施例1〜9で得た各フィルムを1cm×3cmに切断
し、in vitroにてウサギ全血と3分間または5分間接触
させた。その後、各試料を洗浄し、血小板の粘着・変形
およびフィブリンの形成状況を電子顕微鏡で観察して、
血栓の形成度合いを評価した。なお、対照試料として、
ポリ(L−グルタミン酸ベンジル)(PBLG)1)及びポリウ
レタン(PU)2)を用いた。結果を表1に示す。 注1)数平均分子量15万、NCA法により合成 2)Tecoflex EG80A(Thermedics社製)
【0036】各試験例において、血小板の粘着・変形お
よびフィブリンの形成状況は下記の基準により評価し
た。評価基準 −:なし +:軽度にあり ++:中程度にあり +++:顕著にあり
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、イソプレンの比
率が20〜60%程度の時、血栓の形成度合いが現在臨
床的に使用されているポリウレタンと同程度となった。
【0039】
【発明の効果】本発明の抗血栓性材料は、強度や柔軟性
などの物理的特性に優れ、生体適合性を有し、血栓の形
成が少ないので、カテーテル、補助循環装置用の体外循
環回路、人工血管などの材料として優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミノ酸ブロック(A)とポリイソ
    プレンブロック(B)とからなるA−B−A型ブロック
    共重合体からなる抗血栓性材料。
JP5253704A 1993-09-16 1993-09-16 抗血栓性材料 Pending JPH0780057A (ja)

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