JPH11246380A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH11246380A
JPH11246380A JP4521898A JP4521898A JPH11246380A JP H11246380 A JPH11246380 A JP H11246380A JP 4521898 A JP4521898 A JP 4521898A JP 4521898 A JP4521898 A JP 4521898A JP H11246380 A JPH11246380 A JP H11246380A
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JP
Japan
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cosmetic
resin
ultraviolet
swellable
fluoromica
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Application number
JP4521898A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Matsuura
浦 澄 松
Norio Matsuda
田 憲 雄 松
Yoshichika Suwa
訪 善 親 諏
Takashi Yoshioka
岡 隆 嗣 吉
Tsutomu Yamazaki
崎 勉 山
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Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Iwase Cosfa Co Ltd
Original Assignee
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Iwase Cosfa Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の化粧料は、体質顔料を含有する
化粧料であって、該体質顔料が、インターカレーション
法により得られる屈折率が1.50未満でありかつハン
ター白色度が95%以上である非膨潤性フッ素雲母の表
面の少なくとも一部に、(メタ)アクリル系樹脂および
/またはスチレン系樹脂からなり、紫外線吸収剤を含有
する芯材部と該芯材部の表面に形成された表層部とを有
する樹脂粉末が被着した樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲
母であることを特徴とする。 【効果】 本発明の化粧料は、紫外線吸収率が高く、皮
膚に対する安全性に優れており、本発明の化粧料を用い
ることにより、化粧の仕上がり状態、肌への付着性およ
び化粧の持続性に優れると共に、化粧状態が、さらっと
した仕上がりであるにも拘わらず、モイスチャー感が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、非膨潤性フッ素雲母の表面に
紫外線吸収性の樹脂粒子が被着した体質顔料を含有する
化粧料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】地表に届く紫外線には、過度に浴
びると皮膚に紅班を惹起させ、炎症後黒化をもたらし、
皮膚癌の原因の一つとされる中紫外線(290〜320nm:U
V−B)と、紅班惹起は弱いが、皮膚の還元メラニンを
酸化させてメラニン色素沈着をきたし皮膚を黒化させた
り、長期暴露により皮膚の早期老化の要因とされる近紫
外線(320〜400nm:UV−A)とがある。こうした紫外
線の皮膚への影響が明らかになるにつれて、日焼け止め
化粧料に対する要望が高くなってきている。
【0003】日焼け止め化粧料には、紫外線から皮膚を
保護する目的で、上記のような紫外線を吸収して無害化
する紫外線吸収剤および/または紫外線を散乱させて皮
膚を保護する紫外線散乱剤が配合されている。
【0004】この内、紫外線吸収剤としては、ベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、安息
香酸系紫外線吸収剤などが知られており、これらの紫外
線吸収剤は、皮膚を遮蔽することなく紫外線から皮膚を
効果的に保護することができることから、従来より広く
使用されている。
【0005】しかしながら、こうした紫外線吸収剤によ
って有効な日焼け止め効果を得るためには、化粧料中に
多量に紫外線吸収剤を配合する必要がある。ところが、
化粧料には紫外線吸収剤の他に、種々の成分が含有され
ており、紫外線吸収剤を多量に配合する場合には、この
紫外線吸収剤と他の成分との相溶性が問題になる。ま
た、紫外線吸収剤は、紫外線の吸収により構造が変異し
て紫外線のエネルギーを吸収することから、化学的安定
性はそれほど高くない。従って、化粧料に配合された紫
外線吸収剤は、経時的に他の化粧料成分に影響を及ぼす
ことがあり、また、紫外線吸収剤は経時的に分解するこ
とから、多量の紫外線吸収剤を配合することにより化粧
料の安定性が低下するという問題があり、また紫外線吸
収剤の分解により経時的に紫外線吸収能力が低下しある
いは化粧料が着色するという問題もある。さらに、こう
した紫外線吸収剤の有する反応性は、皮膚に対しても好
ましいものではなく、紫外線吸収剤の配合量の増大に伴
って皮膚に対する刺激も増大するなど皮膚に対する安全
性に関しても問題も生ずる。
【0006】一方、紫外線散乱剤としては、一般に金属
酸化物が用いられており、具体的には、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化鉄などが
知られている。こうした金属酸化物は、広範囲に紫外線
散乱効果を有しており、上記の紫外線吸収剤と対比する
と、化粧料の変質等の問題を生じにくく、また、経皮吸
収されないため皮膚に対する刺激性も少ない。
【0007】しかしながら、これらの紫外線散乱剤は、
皮膚を隠蔽することによって皮膚に紫外線が到達しない
ようにしているのであり、隠蔽力が高く、塗布すると皮
膚を白化あるいは着色するため、外観上その使用が制限
されることがあり、また、化粧料に多量に配合すること
はできない。
【0008】そこで、紫外線吸収剤による化粧料の変質
を防止すると共に紫外線吸収剤と皮膚とが直接接触する
ことを防止するために、紫外線吸収剤を樹脂粒子の内部
に分散・拘束して使用することが提案されている。例え
ば、特公昭62-51931号公報、特開昭62-198
612号公報などには、こうした紫外線吸収剤を内包す
る樹脂粒子が開示されている。
【0009】しかしながら、こうした樹脂粒子は、海綿
状多孔質構造を有しており、紫外線吸収剤は、こうした
構造を有する樹脂粒子の樹脂層全体に均一に分布してお
り、樹脂粒子の表面部と樹脂粒子内部とにおける紫外線
吸収剤の濃度はほぼ一定である。一般に、紫外線吸収剤
は、親油性であることから、このような紫外線吸収剤が
均一に分散された樹脂粒子を化粧料に配合すると、樹脂
粒子表面の多孔部分から浸透した油性の化粧料基材によ
って樹脂粒子の表面近傍の紫外線吸収剤を樹脂粒子外に
溶出されてしまう。こうして溶出された紫外線吸収剤
は、溶出し、さらに溶出した紫外線吸収剤によって化粧
料が変質することがあり、また溶出した紫外線吸収剤
は、皮膚に刺激を与えるという問題の要因となる。
【0010】一方、紫外線分散剤として配合される酸化
亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化鉄等の金属
酸化物は、微粉末にすることにより、あるいは、薄片状
にすることにより塗布時の白化あるいは着色をある程度
制御することが可能である。
【0011】しかしながら、こうした金属酸化物の微粒
子は、二次凝集を起こしやすく、二次凝集した微粒子を
含む化粧料は、充分な日焼け止め効果が発現しないばか
りか、こうした二次凝集粒子を含む化粧料は、いわゆる
伸びが悪いという使用感を与え、化粧料本来の使用感が
低下する。また、金属酸化物の薄片状物は、皮膚に対す
る安定性が高く化粧仕上がりも自然であるが、これらを
単独で使用しても、日焼け止め効果は充分ではない。ま
た、皮膚に対する安全性に問題のない量の紫外線吸収剤
と併用しても、その日焼け止め効果は不十分であった。
【0012】上記のような背景から、安全性が高く、効
率的に紫外線を吸収することができる粉体として、体質
顔料またはパール顔料と有機系紫外線吸収剤を内包した
粒子の複合体を用いることが提案されている(特開平7
-291834号公報参照)。
【0013】このような粒子の複合体は、粉体が皮脂や
汗を吸収するため、例えば夏季には非常に良好な使用感
を与えるが、発汗量の少ない条件(例えば、夏季におい
て空調の整った室内)では、逆に粒子が吸収する水分が
不足するためにしっとり感にに欠けるという問題があ
る。特に冬季のように皮脂の分泌量および発汗量の少な
い冬季においては、かさつきを生ずる等の問題があっ
た。
【0014】
【発明の目的】本発明は、効率よく紫外線を吸収し、し
かも皮膚に対する安全性が高く、化粧の仕上がり状態、
肌への付着性、化粧の持続性に優れると共にさらっとし
た仕上がりにも拘わらず、モイスチャー感が得られる化
粧料を提供することを目的としている。
【0015】
【発明の概要】本発明の化粧料は、体質顔料を含有する
化粧料であって、該体質顔料が、インターカレーション
法により得られる屈折率が1.50未満でありかつハン
ター白色度が95%以上である非膨潤性フッ素雲母の表
面の少なくとも一部に、(メタ)アクリル系樹脂および
/またはスチレン系樹脂からなり、紫外線吸収剤を含有
する芯材部と該芯材部の表面に形成された表層部とを有
する樹脂粉末が被着した樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲
母であることを特徴としている。
【0016】このように本発明の化粧料は、体質顔料と
してインターカレーション法により製造される特定の非
膨潤性フッ素雲母を使用し、しかもこの非膨潤性フッ素
雲母の表面に、芯材部に紫外線吸収剤を内包し、表層部
には実質的に紫外線吸収剤を含有していない樹脂粉末を
被着させていることから、紫外線吸収剤が化粧料の基材
中に溶出することがなく、非常に安全性が高い。すなわ
ち、上記のような特定の非膨潤性フッ素雲母に紫外線吸
収剤内包樹脂粉末を被着して用いることにより、紫外線
吸収剤を多量に配合しても紫外線吸収剤が直接皮膚に接
触することが少なく非常に安全性が高い。さらに、この
ような樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母を配合した化粧
料は、化粧の仕上がり状態、肌への付着性、化粧の持続
性に優れている。しかも、本発明の化粧料を用いること
により、化粧仕上がりが、さらっとしているにも拘わら
ず、モイスチャー感が得られる。
【0017】
【発明の具体的説明】次に本発明の化粧料について具体
的に説明する。本発明の化粧料は、体質顔料として特定
の非膨潤性フッ素雲母を用いており、本発明では、この
特定の非膨潤性フッ素雲母の表面の少なくとも一部を、
特定の樹脂粉末で覆った樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲
母を使用する。
【0018】本発明で使用される非膨潤性フッ素雲母
は、インターカレーション法により製造されたものであ
り、その屈折率は1.50未満であることが必要であ
り、さらに、屈折率が1.35〜1.49の範囲内にある
ことが好ましい。また本発明で使用される非膨潤性フッ
素雲母について測定したハンター白色度は、95%以上
であることが必要であり、さらに1.40〜1.49の範
囲内にあることが好ましい。
【0019】なお、本発明において、ハンター白色度
は、東京電色(株)製、反射率計(Reflectometer)MO
DEL TC−6DSを使用し、JIS−Z−8721
に準じて、反射面直径20mm、光源12VIOWタングステ
ンランプを使用し、アルミナを含有する樹脂フィルタの
白色度82.7%のものを100としたときの相対的白
色度である。
【0020】本発明で使用する非膨潤性フッ素雲母は、
タルクおよびケイフッ化アルカリを出発原料として、イ
ンターカレーション法により製造された非膨潤性のフッ
素雲母である。
【0021】この非膨潤性フッ素雲母は、通常下記の式
[I]で表される組成を有している。 αMF・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 ・・・[I] ただし、上記式[I]において、Mは、ナトリウム原
子、リチウム原子またはカリウム原子よりなる群から選
ばれる少なくとも一種類のアルカリ金属原子であり、
α、β、γ、aおよびbは、それぞれ係数を表し、通常
は、α=0.1〜2、β=2〜3.5、γ=3〜4、a=
0〜1、b=0〜1であって、a+b=1の関係を有し
ている。
【0022】インターカレーション法による非膨潤性フ
ッ素雲母を製造する基本的な技術は、既に知られてお
り、本発明において使用する非膨潤性フッ素雲母も、た
とえば特公平6−27002号公報等に記載されている
方法を利用して製造することができる。ここでインター
カレーション法とは、層状構造を有する結晶の層間に各
種のイオンを侵入させる方法である。すなわち、本発明
におけるインターカレーション法による非膨潤性フッ素
雲母は、タルクとケイフッ化アルカリとを出発原料と
し、タルクの層間にアルカリ金属イオンをインターカレ
ーションすることにより得られる合成雲母である。
【0023】この方法による非膨潤性フッ素雲母の合成
に用いられるタルクとしては、平均粒径(D50)が通
常は4〜10μmの範囲内、好ましくは5〜7μmの範
囲内にあり、粒度分布(D90)が通常は10〜15μ
mの範囲内、好ましくは11〜13μmの範囲内にある
粒子径の揃ったタルクを使用することが望ましい。平均
粒径が4μmに満たないタルクを使用した場合には、化
粧料が粉っぽくなりやすく、良好なモイスチャー感が得
られにくくなり、また、平均粒径が10μmを超えるタ
ルクを使用した場合には、化粧料ののびが悪くなりやす
く、化粧料を均一に塗布することが難しくなる傾向があ
る。なお、上記「D50」は、レーザー回折法による粒
度分布測定における低粒子径から積算して全体のタルク
量の50容量%に至るまでの粒子の大きさであり、同様
に「D90」は、低粒子径から積算して全体のタルク量
の90容量%に至るまでの粒子の大きさである。また、
ここで使用するタルクとしては、そのアスペクト比が通
常は10〜40の範囲内、好ましくは20〜30の範囲
内のものを使用する。
【0024】一方、非膨潤性フッ素雲母の合成に用いら
れるケイフッ化アルカリの平均粒径は、通常は2μm以
下が好ましい。また、このケイフッ化アルカリとして
は、例えばケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)、ケ
イフッ化リチウム(Li2SiF6)、ケイフッ化カリウ
ム(K2SiF6)を挙げることができる。これらは単独
であるいは組み合わせて使用することができる。
【0025】ケイフッ化アルカリは、タルクとケイフッ
化アルカリとの合計量に対して通常は10〜35重量
%、好ましくは12〜25重量%の範囲内の量で使用さ
れる。ケイフッ化アルカリの使用量が上記範囲を逸脱す
ると、得られる非膨潤性フッ素雲母の生成率が低下す
る。
【0026】インターカレーション法では、上記のよう
な量比のタルクおよびケイフッ化アルカリとを加熱処理
することにより、アルカリ金属イオンがタルクの結晶層
間にインターカレーションされる。このときの加熱温度
は、通常は700〜1200℃、好ましくは900〜1
200℃であり、このような加熱温度で、通常は2〜8
時間、好ましくは4〜6時間程度加熱する。加熱温度が
700℃に満たなかったり、加熱時間が短いと、非膨潤
性フッ素雲母の生成率が低下し、また1200℃を超え
ると、生成物が焼結するので、後の工程に生成物を粉砕
する工程を設けることが必須になる。
【0027】本発明で使用する非膨潤性フッ素雲母は、
その屈折率が1.5未満であることが必要であり、1.
49以下であることが好ましい。このような屈折率を有
する非膨潤性フッ素雲母を用いることにより、本発明の
化粧料は、化粧の仕上がり状態が良好になる。
【0028】また、本発明で使用する非膨潤性フッ素雲
母は、そのハンター白色度が95%以上であることが必
要であり、さらに97%以上であることが好ましい。こ
のようなハンター白色度を有する非膨潤性フッ素雲母を
使用することにより、化粧の仕上がり状態が良好になる
と共に、色のくすみが低減される。
【0029】さらに、本発明で使用する非膨潤性フッ素
雲母は、上記のようにして測定したハンター白色度に対
して、この非膨潤性フッ素雲母に20重量%のスクワラ
ンを添加して測定したスクワラン含有非膨潤性フッ素雲
母のハンター白色度の変化率が、9%以下であることが
好ましく、さらに7%以下であることが特に好ましい。
このスクワランを添加して測定したハンター白色度の変
化率の変動が少ないことは、本発明で使用される非膨潤
性フッ素雲母中における色のくすみ原因となる物質の含
有率が低いことを意味しており、このような変化率の低
い非膨潤性フッ素雲母を使用することにより、本発明の
化粧料を使用すれば、色のくすみがなくすっきりした化
粧仕上がり状態を形成することができる。
【0030】なお、本発明で使用される非膨潤性フッ素
雲母は、シリコン処理等の通常の処理を施したものであ
ってもよい。本発明の化粧料には、上記のような非膨潤
性フッ素雲母の表面に、紫外線吸収剤内包樹脂粒子が被
着している樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母が配合され
ている。
【0031】この紫外線吸収剤内包樹脂粒子は、芯材部
とこの芯材部を被覆する表層部とを有し、紫外線吸収剤
は、芯材部に含有されており、表層部には、紫外線吸収
剤は実質的に含有されていない。
【0032】このような紫外線吸収剤内包樹脂粒子の芯
材部は、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹
脂、または、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系
モノマーとの共重合体で形成されており、かつこの芯材
部には、紫外線吸収剤が内包されている。
【0033】この芯材部を形成する(メタ)アクリル系
樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの(共)重
合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステル系のモノマ
ーと他のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
【0034】ここで(メタ)アクリル酸エステル系のモ
ノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2-プロピル(メタ)アクリレート、クロロ
-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノ
ル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0035】また、樹脂粒子の芯材部を形成するスチレ
ン系モノマーの具体的な例としては、スチレン、メチル
スチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エ
チルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレ
ン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチ
レン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のア
ルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブ
ロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレンおよ
びクロルメチルスチレンなどのハロゲン化スチレン;な
らびに、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメト
キシスチレンを挙げることができる。
【0036】芯材は、上記のような(メタ)アクリル系
樹脂またはスチレン系樹脂のいずれかの樹脂単独で形成
されていることが好ましいが、これらの樹脂からなる組
成物から形成されていてもよい。また、上記(メタ)ア
クリル酸エステル系のモノマーとスチレン系のモノマー
との共重合体であってもよい。
【0037】さらに、この(メタ)アクリル系樹脂また
はスチレン系樹脂には、上記のような(メタ)アクリル
酸エステル系のモノマーおよび/またはスチレン系のモ
ノマーと共重合可能な他のモノマーが共重合していても
よい。
【0038】上記のような(メタ)アクリル酸エステル
系のモノマーあるいはスチレン系モノマーと共重合可能
な他のモノマーの例としては、ビニル系モノマー、不飽
和カルボン酸モノマーを挙げることができる。
【0039】ここでビニル系モノマーの具体的な例とし
ては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカル
バゾール、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジ
エン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモ
ノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデンを挙
げることができる。
【0040】また、不飽和カルボン酸モノマーの具体的
な例としては、(メタ)アクリル酸、α-エチル(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、α-メチルクロトン酸、
α-エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸お
よびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカル
ボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸
等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げること
ができる。
【0041】さらに、上記(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体には、必要により2官能性モノマーあるいは
多官能性モノマーが共重合していてもよい。2官能モノ
マーあるいは多官能性モノマーの例としては、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、1,1,1-トリヒドロキシメチルエタン
トリアクリレート、1,1,1-トリヒドロキシメチルメチル
エタントリアクリレート、1,1,1-トリヒドロキシメチル
プロパントリアクリレートおよびビニルベンゼンを挙げ
ることができる。
【0042】芯材部が(メタ)アクリル系樹脂からなる
場合、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの単独重
合体が好ましいが、これに限らず、(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーを、通常は20〜100重量部、好
ましくは40〜100重量部、スチレン系モノマーを、
通常は0〜80重量部、好ましくは0〜60重量部、2
官能あるいは多官能モノマーを、通常は0〜20重量
部、好ましくは0〜15重量部、ビニル系モノマーを、
通常は0〜50重量部、不飽和カルボン酸モノマーを通
常は0〜50重量部の量で(共)重合させた共重合体が
使用できる可能性を有している。
【0043】また、芯材部がスチレン系樹脂からなる場
合、スチレン系モノマーの単独共重合体が好ましいが、
これに限らず、スチレン系モノマーを、通常は20〜1
00重量部、好ましくは40〜100重量部、(メタ)
アクリル酸エステル系モノマーを、通常は0〜80重量
部、好ましくは0〜60重量部、2官能あるいは多官能
モノマーを、通常は0〜20重量部、好ましくは0〜1
5重量部、ビニル系モノマーを、通常は0〜50重量
部、不飽和カルボン酸モノマーを通常は0〜50重量部
の量で(共)重合させた共重合体が使用できる可能性を
有している。
【0044】また、芯材部が(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体からな
る場合、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが、通
常は20〜80重量部、好ましくは40〜60重量部、
スチレン系モノマーが、通常は20〜80重量部、好ま
しくは40〜60重量部の量で共重合した共重合体を使
用することが可能であるが、さらにこの共重合体とし
て、2官能あるいは多官能モノマーを、通常は0〜20
重量部、好ましくは0〜15重量部、ビニル系モノマー
を、通常は0〜50重量部、不飽和カルボン酸モノマー
を通常は0〜50重量部の量で(共)重合させた共重合
体が使用できる可能性を有している。
【0045】さらに(メタ)アクリル酸エステル系モノ
マーを単独で重合させたポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル重合体、あるいは、複数の種類の(メタ)アクリル酸
エステル系モノマーを共重合させたポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体が特に好ましく、また、スチレン
系モノマーを単独で重合させたポリスチレン樹脂、ある
いは複数の種類のスチレン系モノマーを共重合させたポ
リスチレン共重合体が特に好ましい。上記のようなモノ
マーから形成される樹脂からなる芯材は、水に不溶(即
ち、親水性ではなく、親油性である)である。
【0046】この芯材部には、紫外線吸収剤が内包され
ている。本発明では、紫外線吸収剤として、4-tert-ブ
チル-4'-メトキシ-ジベンゾイルメタン、p-ジメチルア
ミノ安息香酸オクチル、次式で示されるようなグリセリ
ンのp-メトキシケイ皮酸エステル、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノンおよび2(2'-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)ベンゾトリアゾールの有効性が特に高い。
【0047】
【化1】
【0048】ここで4-tert-ブチル-4'-メトキシ-ジベン
ゾイルメタンは320〜400nmのA波長の紫外線を吸
収する能力が高く、p-ジメチルアミノ安息香酸オクチ
ル、上記式で表されるグリセリンのp-メトキシケイ皮酸
エステル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンは
280〜320nmのB波長の紫外線を吸収する能力が高
く、また、2(2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾールは上記A波長およびB波長の両者にわたる
紫外線を吸収する能力が高い。
【0049】本発明では、上記のような紫外線吸収剤を
単独で使用することもできるし、さらに2種類以上を組
み合わせて使用することもできる。さらに、本発明で
は、上記のような紫外線吸収剤のほかに、アミノベンゾ
エート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤、ニッケル
キレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸
収剤、ウロカニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン系紫
外線吸収剤等の他の紫外線吸収剤を、単独であるいは上
記3種類の紫外線吸収剤と組み合わせて使用することも
できる。さらに、これらの紫外線吸収剤は、単独である
いは上記の紫外線吸収剤とは別に組み合わせて使用する
ことができる。特に本発明では、芯材部を形成する樹脂
を製造するのに使用されるモノマーに可溶な紫外線吸収
剤を用いることが好ましく、特にアミノベンゾエート系
紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シンナメ
ート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
ウロカニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン系紫外線吸
収剤が好ましい。
【0050】ここで使用されるアミノベンゾエート系紫
外線吸収剤の例としていは、2-エチルヘキシル-p-ジメ
チルアミノベンゾエート、アミル-p-ジメチルアミノベ
ンゾエート、グリセリル-p-アミノベンゾエート、エチ
ル-p-ジメチルアミノベンゾエート、エチル-p-ジエチル
アミノベンゾエートおよびグリセリル-モノ-p-アミノベ
ンゾエートを挙げることができる。
【0051】サリチレート系紫外線吸収剤の例として
は、p-tert-ブチルサリチレート、p-オクチルフェニル
サリチレートおよびジプロピレングリコールサリチレー
トを挙げることができる。
【0052】シンナメート系紫外線吸収剤の例として
は、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、2,2'-
ビス-(p-メトキシスチリル)-エチル-p-メトキシシン
ナメート、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート
およびメチル-2,5-ジイソプロピルシンナメートを挙げ
ることができる。
【0053】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例として
は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、ソジウム
-2,2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5-スルホベンゾフ
ェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノンおよび2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-
ジメトキシベンゾフェノンを挙げることができる。
【0054】ウロカニン酸系紫外線吸収剤の例として
は、ウロカニン酸およびウロカニン酸エチルを挙げるこ
とができる。さらに、ビタミン系紫外線吸収剤の例とし
ては、ビタミンA1、ビタミンA2、ビタミンA3、ビタ
ミンB2およびビタミンB12を挙げることができる。
【0055】上記紫外線吸収剤は、芯材部に、この芯材
部を形成する樹脂100重量部に対して通常は1〜40
重量部、好ましくは10〜30重量部の量で含有されて
いる。
【0056】この芯材部は、通常は0.05〜8.5μ
m、好ましくは0.05〜6μmの平均粒子径を有する
ポリマー粒子である。本発明で使用される樹脂粒子に
は、上記のような紫外線吸収剤を含有する芯材部の表面
に、親水性を示す樹脂からなる表層部が形成されてい
る。
【0057】この表層部は、(メタ)アクリル系樹脂お
よび/またはスチレン系樹脂で形成されており、この表
層部を形成する(メタ)アクリル系樹脂およびスチレン
系樹脂の例としては、前掲の芯材部を形成する樹脂と同
等の(メタ)アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を挙
げることができる。
【0058】この表層部と芯材部とは同一組成の樹脂で
形成されていても良いし、また異なる組成の樹脂で形成
されていてもよい。特に芯材部と同一組成の表層部を有
する粒子は、芯材部と表層部とで屈折率が相違しないた
め、粒子自体に透明感があり特に好ましい。
【0059】本発明で使用する樹脂粒子の表層部の平均
厚さは、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.02〜
1.0μmの範囲内にある。この表層部の厚さが上記範
囲を逸脱して薄いと、芯材部からの紫外線吸収剤の溶出
を有効に防止できないことがあり、また上記範囲を逸脱
して厚いと製造が困難になる場合が多い。
【0060】上記のような芯材部と表層部とを有する樹
脂粒子の平均粒子径は、通常は0.06〜13.5μm、
好ましくは0.07〜7μmの範囲内にある。こうした
粒子の内、本発明では、平均粒子径が3μm未満の樹脂
粒子、好ましくは1μm以下の樹脂粒子は、上述の非膨
潤性フッ素雲母の表面に被着して非膨潤性フッ素雲母を
被覆しても、非膨潤性フッ素雲母を白化させることな
く、非膨潤性フッ素雲母に紫外線吸収力を賦与すること
ができると共に、非膨潤性フッ素雲母の流動性および光
沢などを改善することができるので特に好ましい。ま
た、非膨潤性フッ素雲母がパール状を呈する場合には、
このパール状の光沢を損なうことなく、流動性を改善す
ることができる。
【0061】上記のような芯材部と表層部とを有する樹
脂粒子では、紫外線吸収剤は芯材部に含有されており、
この芯材部は、紫外線吸収剤を実質的に含有しない表層
部で被覆されているので、樹脂粒子が化粧料を構成する
油性基材と接触しても、紫外線吸収剤は、表層部に阻ま
れて溶出しにくい。他方、この樹脂粒子の有する紫外線
防止作用は、芯材部に含有されている紫外線防止剤によ
って確保されるので、同量の紫外線吸収剤が樹脂粒子内
に均一に分散された従来の樹脂粒子と同等の紫外線吸収
作用を有する。
【0062】本発明で使用する樹脂粉末被着非膨潤性フ
ッ素雲母は、上記特定の非膨潤性フッ素雲母の表面の少
なくとも一部に紫外線吸収剤内包樹脂粒子が被着した雲
母である。すなわち、本発明においては、上記の紫外線
吸収剤内包樹脂粒子がほぼその形状を維持した状態で、
非膨潤性フッ素雲母の表面の少なくとも一部を覆ってい
る。このように非膨潤性フッ素雲母の表面を上記のよう
な紫外線吸収剤内包樹脂粒子で被覆することにより、こ
の非膨潤性フッ素雲母に紫外線防止作用を賦与すること
ができると共に、この非膨潤性フッ素雲母の粉体特性
(例えば流動性)および光沢などを調整することができ
る。従って、紫外線吸収剤内包樹脂粒子による非膨潤性
フッ素雲母の表面被覆率は、得ようとする樹脂粉末被着
非膨潤性フッ素雲母の特性を考慮して適宜設定すること
ができる。ただし、この表面被覆率が5%に満たない
と、樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母に有効な紫外線吸
収性能を賦与することができないので、通常は、非膨潤
性フッ素雲母の表面の5%以上を被覆する。さらに、上
記紫外線吸収剤内包樹脂粉末で被覆する面積が30%以
上、50%以上、70%以上とその被覆率が高くなるに
つれて、紫外線吸収能力は向上するが、非膨潤性フッ素
雲母が本質的に有している特性が潜在化し、上記紫外線
吸収剤内包樹脂粒子(樹脂の集合体)が本質的に有して
いる特性が顕在化する。例えば、非膨潤性フッ素雲母が
パール光沢を有している場合、紫外線吸収剤内包樹脂粒
子による被覆率が高くなるに従って、次第にパール状の
光沢が減失するが、流動性等の粉体特性および紫外線吸
収特性は向上する傾向がある。また、非膨潤性フッ素雲
母を光沢を有しない顔料として使用する場合には、紫外
線吸収剤内包樹脂粒子による被覆率が高くなるに従っ
て、光沢が低下し、流動性等の粉体特性および紫外線吸
収性能は向上する。
【0063】特に本発明では、非膨潤性フッ素雲母の1
00重量部に対して40〜95重量%、好ましくは45
〜90重量%を上記紫外線吸収剤内包樹脂粒子で被覆す
ることにより、非膨潤性フッ素雲母が本質的に有してい
る特性を維持した状態で、この非膨潤性フッ素雲母に良
好な粉体特性および紫外線吸収特性を賦与することがで
きる。さらに、このような被覆率にすることにより非膨
潤性フッ素雲母の有する不自然な光沢を低減することが
できる。なお、本発明は、紫外線吸収剤内包樹脂粒子に
よる被覆率が95%を超えるものを排除するものではな
いが、95%を超える被覆率の非膨潤性フッ素雲母で
は、雲母の特性が現れずに、紫外線吸収剤内包樹脂粒子
の有する紫外線吸収特性および粉体特性が単に顕在化す
るだけであり、従って、95%を超えて被覆すると、非
膨潤性フッ素雲母を使用した意味がなくなる。こうした
観点からすれば、被覆率90%以下であることが好まし
い。
【0064】本発明で使用される樹脂粉末被着非膨潤性
フッ素雲母には、非膨潤性フッ素雲母の表面の少なくと
も一部が上記紫外線吸収剤内包樹脂粒子によって被覆さ
れており、紫外線吸収剤内包樹脂粒子はほとんどがその
ままの形態を維持した状態で存在する。非膨潤性フッ素
雲母の表面に単に樹脂の皮膜を形成したのでは、非膨潤
性フッ素雲母の光沢は上がるが、粉体特性はほとんど改
善されない。これに対して本発明のように上記特定の樹
脂粒子で非膨潤性フッ素雲母の表面の少なくとも一部を
被覆することにより、その被覆率に応じて非膨潤性フッ
素雲母の光沢を調整することができる。さらに非膨潤性
フッ素雲母の粉体特性も改善される。そして、上記樹脂
粒子は、芯材部に高濃度で紫外線吸収剤を含有している
ので、非膨潤性フッ素雲母を被覆することにより、樹脂
粉末被着非膨潤性フッ素雲母は、優れた紫外線防御性能
を有するようになる。このように本発明で使用する樹脂
粒子被着非膨潤性フッ化粒子は優れた紫外線吸収性能を
有しているが、樹脂粒子の表面にある表層剤中には実質
的に紫外線吸収剤が含有されていないので、この樹脂粒
子被着非膨潤性フッ素雲母を化粧基材と混合して使用し
ても紫外線吸収剤が樹脂粒子外に溶出されにくいという
特性を有している。
【0065】本発明で使用する樹脂粉末被着非膨潤性フ
ッ素雲母は、例えば、紫外線吸収剤を均一に含有する樹
脂粒子を製造し、樹脂粒子を形成する樹脂は溶解しない
が、紫外線吸収剤は溶解する溶媒にこの樹脂粒子を浸漬
して樹脂粒子の表面近傍の紫外線吸収剤を予め溶出させ
ることにより、紫外線吸収剤を実質的に含有しない表層
部を形成した樹脂粒子を製造し、この樹脂粒子を非膨潤
性フッ素雲母の表面に被着することにより製造すること
もできるが、以下に記載するように、非膨潤性フッ素雲
母が分散された水性媒体中で紫外線吸収剤を含有する芯
材部を形成し、次いで、この水性媒体中にモノマーを追
加して表層部を形成する方法により製造するのが有利で
ある。
【0066】本発明の樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母
を有利に製造するには、まず、上述のようにインターカ
レーション法により調製した非膨潤性フッ素雲母を水性
媒体中に分散させる。ここで使用される水性媒体として
は、通常は水が使用されるが、この水性媒体には、アル
コール等の水に可溶な有機溶媒が混合されていても良
い。
【0067】これとは別に、芯材部を形成するモノマー
に紫外線吸収剤を配合して紫外線吸収剤をモノマーに溶
解させる。次いで、この紫外線吸収剤が溶解されたモノ
マーを水性媒体に微細油滴状に分散させる。ここで水性
媒体としては、通常は水が使用されるが、この水性媒体
には、アルコール等の水に可溶な有機溶媒が混合されて
いてもよい。また、この紫外線吸収剤を含有するモノマ
ーが分散された水性媒体中に上記非膨潤性フッ素雲母が
分散された分散液を添加することもできる。
【0068】上記のような紫外線吸収剤が溶解されたモ
ノマーは、乳化剤を使用せずに分散させることもできる
し、乳化剤および/または分散安定剤等を使用して分散
させることもできる。従って、油滴状に分散されたモノ
マーの分散液から、乳化重合、ソープフリー乳化重合、
懸濁重合またはシード重合により芯材部を形成すること
ができる。例えば乳化重合の場合に使用される乳化剤の
例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの
ようなアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリエチレング
リコールノニルフェニルエーテルのようなポリエチレン
グリコールアルキルエーテル;ならびに、ビニル基、ア
クリロイル基およびアリル基のような反応性基を有する
反応性乳化剤等を挙げることができ、また分散安定剤の
例としては、ポリビニルアルコールおよびポリアクリル
酸塩のような水溶性高分子化合物を挙げることができ
る。この乳化剤および分散安定剤等は、モノマー100
重量部に対して通常は0.1〜5重量部の量で使用され
る。
【0069】紫外線吸収剤が溶解されたモノマーは、通
常はホモミキサー等の分散装置を用いて水性媒体中に分
散される。さらに、この水性媒体中に、通常は反応開始
剤を分散して重合させる。ここで使用することができる
反応開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有
機過酸化物、および、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の過硫酸塩を挙げることができる。このような反
応開始剤は、モノマー100重量部に対して通常は0.
1〜5重量部の量で使用される。
【0070】上記のようにして水性媒体中に分散された
モノマーを重合させる際には反応容器内を窒素ガスなど
の不活性ガスでパージすることが好ましい。こうして反
応容器内を不活性ガスでパージした後、反応液の温度を
60〜80℃に加熱することにより重合反応が進行す
る。そして、モノマーが重合するにつれて析出して芯材
部を形成する樹脂によってモノマー中に溶解していた紫
外線吸収剤が芯材部に封じ込められる。このようにして
予めモノマーに紫外線吸収剤を溶解した後、重合させる
と、この重合により生成した樹脂粒子の表面部分におけ
る有機系紫外線吸収剤の濃度は、中心部分よりも低くな
る傾向がある。従来のように紫外線吸収剤をモノマーと
別個に水性媒体に分散させて樹脂粒子を製造すると、樹
脂粒子に上記のような紫外線吸収剤の濃度勾配は形成さ
れず、紫外線吸収剤が均一に分散した樹脂粒子が得られ
る。
【0071】なお、上記のような反応条件では、この芯
材部を形成するポリマー粒子を製造するのに要する反応
時間は、通常3〜6時間である。上記のような表面にお
ける紫外線吸収剤の濃度の低いポリマー粒子の表面に表
層部を形成することにより、紫外線吸収剤の溶出量のよ
り少ない樹脂粒子を形成することができる。上記のよう
にして一旦芯材部を形成した後、この水性媒体中にさら
にモノマーを添加して生成したポリマー粒子(芯材部)
の表面に表層部を形成する。すなわち、上記のようにし
て形成された紫外線吸収剤を含有する粒子(芯材部)を
含有する反応液に、新たにモノマーを添加して、このモ
ノマーを共重合させて芯材である粒子の外周に析出させ
ることにより、表層部を形成することができる。なお、
この芯材部を形成する際に非膨潤性フッ素雲母を共存さ
せた場合には、非膨潤性フッ素雲母の表面に芯材部を形
成するポリマー粒子が付着しており、ここにさらにモノ
マーを追加添加して重合させることにより、主としてポ
リマー粒子の表面に表層部が形成される。
【0072】また、非膨潤性フッ素雲母の存在下に水性
媒体中で紫外線吸収剤が溶解されている油滴状のモノマ
ーを重合させて芯材部を形成し、次いで新たに紫外線吸
収剤を含有しないモノマーを追加添加して重合させて芯
材部の周囲に紫外線吸収剤を含有しない表層部を形成す
ることにより、非膨潤性フッ素雲母の表面が、多層構造
を有する樹脂粒子で被覆された樹脂粒子被着非膨潤性フ
ッ素雲母を得ることができる。
【0073】こうして形成された表層部は、新たなモノ
マーに紫外線吸収剤が含有されていないので、実質的に
有機系紫外線吸収剤を含有していない。そして、非膨潤
性フッ素雲母100重量部に対して生成する樹脂粒子の
量が110重量部以下、好ましくは100重量部以下、
さらに好ましくは98〜5重量部の範囲内になるように
モノマーの量を調整することにより、非膨潤性フッ素雲
母の表面を、樹脂粒子で不連続に被覆することができ
る。なお、2種類以上の非膨潤性フッ素雲母の共存下に
上記反応を行うことにより、上記特性を有する樹脂粒子
で表面が不完全に被覆された2種類以上の非膨潤性フッ
素雲母の混合物を得ることができる。また、非膨潤性フ
ッ素雲母と他の顔料とを共存させることにより、異なる
種類の体質顔料が上記特定の樹脂粒子で不完全に被覆さ
れた体質顔料の混合物を得ることができる。
【0074】上記のようにして非膨潤性フッ素雲母の表
面を特定の樹脂粒子で不完全に被覆した後、濾過、遠心
分離等により生成した樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母
を分離し、さらに必要により乳化剤、分散安定剤および
残留モノマー等を除去するために洗浄することにより本
発明で使用する樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母を得る
ことができる。
【0075】また、上記のようにして生成した樹脂粒子
被着非膨潤性フッ素雲母は水性媒体分散物として提供す
ることもできるし、さらに水性媒体から分離した後、乾
燥し、次いでこの乾燥物を解砕してパウダーとして提供
することもできる。
【0076】さらに、本発明で使用される樹脂粒子被着
非膨潤性フッ素雲母は、上記特定の樹脂粒子と非膨潤性
フッ素雲母とが分散している分散液を、例えばスプレー
ドライヤーを用いて乾燥させて製造することもできる。
スプレードライヤーは、分散液を、熱風等で例えば熱ガ
ス室あるいは熱シリンダー状等の乾燥室に微粒化して吹
き込み、瞬間的に分散液中の揮発成分(例えば水)を蒸
発させて乾燥させる装置である。ここで分散液を乾燥室
に吹き込む熱風の温度は、通常は分散媒の沸点以上の温
度に設定されるが、水系媒体を用いる場合には、この熱
風の温度を120〜200℃の範囲内に設定することが
好ましい、また、乾燥条件は、上記のような熱風により
吹き付けられた後の排気ガスの温度が60〜100℃の
範囲内になるように設定される。すなわち、分散液をド
ライヤーに供給する熱風と排気ガスとの温度差が50〜
100℃になるようにスプレードライ条件を設定するこ
とが好ましい。
【0077】上記のように本発明で使用される樹脂粒子
被着非膨潤性フッ素雲母は、非膨潤性フッ素雲母の存在
下に、特定の樹脂粒子を製造し、例えばスプレードライ
等の方法で分散液中の水分を除去することにより製造す
ることができるが、さらに、上記の反応において、非膨
潤性フッ素雲母を共存させずに樹脂粒子を製造し、得ら
れた樹脂粒子が分散している分散液に非膨潤性フッ素雲
母を投入して充分に撹拌して非膨潤性フッ素雲母を分散
させ、次いでこの樹脂粒子および上記非膨潤性フッ素雲
母が分散している分散液を、例えばスプレードライ等の
方法で揮発成分を蒸発させて乾燥させることにより製造
することもできる。
【0078】このようにしてスプレードライ法により調
製された樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母は、非膨潤性
フッ素雲母の周囲に上記特定の樹脂粒子が被着してお
り、外周に被着した樹脂粒子は、球状の形態がほぼその
まま維持している。
【0079】このような樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲
母において、樹脂粒子の量と非膨潤性フッ素雲母の量と
を調整することにより、その被覆率を変えることができ
る。さらに、本発明で使用する樹脂粒子被着非膨潤性フ
ッ素雲母は、非膨潤性フッ素雲母が分散されている水性
媒体に有機紫外線吸収剤を芯材部を形成する樹脂のモノ
マーに分散させ、非膨潤性フッ素雲母の表面に芯材部を
形成し、次いで有機紫外線吸収剤を含有していないモノ
マーを追加して添加し、芯材部の表面にこの追加モノマ
ーを重合させて表層部を形成することにより製造される
が、紫外線吸収剤として、上記のような有機紫外線吸収
剤と共に、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム等の無機系紫外線遮蔽剤を併用しても良い。このよ
うな無機系紫外線遮蔽剤は、芯材部を形成するモノマー
には不溶であるが、モノマー中に微分散させることによ
り芯材部に安定に保持される。
【0080】こうして形成された樹脂粒子被着非膨潤性
フッ素雲母は、従来の体質顔料および/またはパール顔
料と同様に使用することができる。上記のような樹脂粒
子被着非膨潤性フッ素雲母を含有する化粧料の例として
は、ファンデーション、粉おしろい、固形おしろい、ほ
ほ紅、アイシャドー等のメイクアップ化粧料、日焼け止
め化粧料、下地化粧料などを挙げることができるが、本
発明の化粧料はこれらに限定されるものではない。
【0081】具体的には、上記の樹脂粒子被着非膨潤性
フッ素雲母を、パラフィン、セレシン、ワセリン、流動
パラフィン、ひまし油、モクロウ、ラノリン、ミツロ
ウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、植物油、植物油
エステル、脂肪酸、高級アルコールおよびスクワランな
どの油脂あるいはロウ類、アルキル硫酸エステルナトリ
ウム塩のような陰イオン性界面活性剤、アルキルトリチ
ルアンモニウムクロライドのような陽イオン性界面活性
剤、アルキルジメチルアンモニウムベタインのような両
性イオン性界面活性剤;樹脂;分散剤;色素;香料;防
腐剤;アルキレングリコール;他の着色顔料;無機粉
末;有機粉末;トリエタノールアミン;溶剤等、通常使
用されている化粧料原料と混合することにより所望の化
粧料を得ることができる。こうした化粧料中において、
樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母は、通常使用されてい
る無機顔料と同様の量で使用することができる。具体的
には、化粧料成分全量中に1〜95重量%の量で使用さ
れる。1重量%に満たない量では樹脂粒子被着非膨潤性
フッ素雲母の特性が発現しないことが多く、また化粧料
を構成する他の成分の量を考慮すると樹脂粒子被着非膨
潤性フッ素雲母の配合量の上限は95重量%程度であ
る。
【0082】本発明の化粧料で使用する樹脂粒子被着非
膨潤性フッ素雲母は、タルクとケイフッ化アルカリとを
原料としてインターカレーション法により得られた特定
の非膨潤性フッ素雲母の表面が、上記特定の樹脂粒子で
不完全に被覆された形態を有しており、さらにこの非膨
潤性フッ素雲母を被覆する樹脂粒子は、芯材と表層部と
からなる層構造を有しており、さらにこの樹脂粒子は、
透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂あるいはスチレン
系樹脂から形成されている。そして、この樹脂粒子にお
いては、表層部には紫外線吸収剤は実質的に含有されて
おらず、紫外線吸収剤は芯材部に含有されている。従っ
て、この樹脂粒子で被覆された非膨潤性フッ素雲母を油
性化粧料基材に配合しても、この樹脂粒子中で紫外線吸
収剤が含有されている芯材部にまで油性基材が浸透しに
くく、紫外線吸収剤が実質的には樹脂粒子の外部には溶
出されず、この樹脂粒子被着非膨潤性フッ素雲母を含有
する化粧料は、皮膚刺激が少ない。
【0083】このように上記樹脂粒子被着非膨潤性フッ
素雲母を含有する本発明の化粧料は、皮膚刺激が低減さ
れるが、透明性の高い(メタ)アクリル系樹脂あるいは
スチレン系樹脂を使用することにより、紫外線は樹脂粒
子の芯材部で確実に吸収されるので、同量の紫外線吸収
剤を含有する化粧料と同等の紫外線吸収作用を有する。
【0084】さらに、上記のような構成を有する樹脂粒
子で非膨潤性フッ素雲母の表面を不完全に被覆すること
により、顔料の光沢を調整することができると共に、非
膨潤性フッ素雲母が有する保湿感が残る。また、上記の
ように非膨潤性フッ素雲母を上記樹脂粒子で不完全に被
覆することにより、非膨潤性フッ素雲母の粉体特性が改
善されるので、本発明の化粧料は、付着性、延展性に優
れ、粉っぽさがなく素肌感があり、非常にきめの細かい
化粧仕上がりを形成し、しっとりとした使用感が得られ
る。
【0085】
【発明の効果】本発明の化粧料は、紫外線吸収率が高
く、皮膚に対する安全性に優れており、本発明の化粧料
を用いることにより、化粧の仕上がり状態、肌への付着
性および化粧の持続性に優れると共に、化粧状態が、さ
らっとした仕上がりであるにも拘わらず、モイスチャー
感が得られる。
【0086】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこの実施例によって限定さ
れるものではない。なお、以下に記載する実施例等にお
いて、特に限定しない限り「部」は「重量部」を表す。
【0087】
【製造例1】メチルメタクリレート(MMA)100g
に4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(紫
外線吸収剤)20gを完全に溶解させた後、さらにアゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)1gを添加し溶解
させた。
【0088】これとは別に、丸底セパラブルフラスコに
精製水500mlを入れ、ここに乳化剤(商品名:アデカ
ソープSE−10N、旭電化(株)製)1gを添加して
ホモミキサーを用いて充分混合して分散させた。
【0089】上記のようにして乳化剤が分散された精製
水に、上記工程で得られた紫外線吸収剤が溶解されたM
MAを添加し、ホモミキサーにより乳化した。乳化後、
窒素ガスでフラスコ内の乳化液を30分間シールし、そ
の後温度73℃で攪拌しながら5時間重合反応を行っ
た。5時間経過後、反応液を室温まで冷却した。
【0090】生成した粒子の平均粒子径は0.5μmで
あった。次いで、この反応液にMMA200gとアゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)1gとを追加添加し
て充分に撹拌した後、再び反応液を73℃に加熱して5
時間反応させた。
【0091】反応液にNaOHを加えて反応液のpH値
を7に調整し室温まで冷却した。得られた分散液の一部
を分取し、熱風温度180℃、排風温度80℃の条件に
設定されたスプレードライヤーを用いて乾燥させ、紫外
線吸収剤内包樹脂粉体を得た。
【0092】生成した粒子の平均粒子径は0.7μmで
あり、この粒子には、芯材部の表面に平均厚さ0.2μ
mの厚さの親水性樹脂からなる表層が形成されており、
この表層には有機系紫外線吸収剤は実質的に含有されて
いない。
【0093】上記のようにして得られた分散液に、この
分散液50重量部(紫外線吸収剤内包粉体の含有率18
重量%)に対して、インターカレーション法により得ら
れた非膨潤性フッ素雲母20重量部およびイオン交換水
100重量部の割合で加えてよく混合し、紫外線吸収剤
内包粉体と非膨潤性フッ素雲母とが分散した分散液を調
製した。
【0094】こうして調製された分散液を、熱風温度1
80℃、排風温度80℃の条件に設定したスプレードラ
イヤーを用いて乾燥させ、非膨潤製フッ化雲母の表面が
紫外線吸収剤内包粒子で不完全に被覆された樹脂粉末被
着非膨潤性フッ素雲母を得た。
【0095】得られた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母
1重量部を、紫外線吸収剤が可溶であり、かつポリアク
リレート樹脂が不溶であるエステル油999重量部に3
分間超音波をかけて分散させ、40℃で24時間静置し
た後、上澄み液を分取して、この中に含まれる粒子を2
000rpmで20分間遠心分離することにより分離し
た。得られたオイルについて吸光度を測定し、予め作成
した検量線から溶出した紫外線吸収剤の量を求め、溶出
した紫外線吸収剤の量を使用した紫外線吸収剤(全内包
量)に対する相対値として表した。
【0096】結果を表1に示す。
【0097】
【製造例2】製造例1において、紫外線吸収剤の種類を
パラジメチルアミノ安息香酸オクチルに変えた以外は同
様にして、平均粒子径1μm、芯材部の平均粒子径0.
8μm、表層部の平均厚さが0.2μmの紫外線吸収剤
内包粉体を得、この紫外線吸収剤内包粉体で表面が不完
全に被覆された樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母を製造
した。
【0098】得られた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母
について製造例1と同様にして紫外線吸収剤の溶出量を
測定した。結果を表1に示す。
【0099】
【製造例3】製造例1において、乳化剤として使用した
商品名:アデカソープSE−10Nの代わりに、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリビニルアル
コール(商品名:ポバール−420、(株)クラレ製)
の1:1(重量)混合物を使用した以外は同様にして平
均粒子径0.5μm、芯材部の平均粒子径0.4μm、表
層部の平均厚さ0.1μmの紫外線吸収剤内包粉体を
得、この紫外線吸収剤内包粉体で表面が不完全に被覆さ
れた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母を製造した。
【0100】得られた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母
について製造例1と同様にして紫外線吸収剤の溶出量を
測定した。結果を表1に示す。
【0101】
【比較製造例1】製造例1において、紫外線吸収剤をM
MAに溶解させずに精製水中に直接投入して精製水に分
散させ、さらに追加のMMAを添加せずに重合を試みた
が、粒子が凝集する傾向がみられ、3μm以下の粒子は
製造できなかった。
【0102】そこで、MMAを添加せず、予め紫外線吸
収剤に溶解させた以外は製造例1と同様にして均一な組
成を有する平均粒子径0.7μmの樹脂粉末を製造し
た。この粒子が分散している分散液に製造例1と同様に
非膨潤性フッ素雲母を投入してスプレードライ法により
樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母を製造した。この樹脂
粉末被着非膨潤性フッ素雲母の表面に存在する樹脂粒子
には表層部が形成されておらず、粒子の表面にまで紫外
線吸収剤が均一に分布している。
【0103】得られた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母
について、製造例1と同様にして紫外線吸収剤の溶出量
を測定した。結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
【比較製造例2】製造例1において、乳化剤量を0.5
gとすることにより、芯材部の平均粒子径が2.5μ
m、表層部の平均厚さが0.5μmである平均粒子径3.
0μmの紫外線吸収剤内包粉体を得、この紫外線吸収剤
内包粉体で表面が不完全に被覆された樹脂粉末被着非膨
潤性フッ素雲母を製造した。
【0106】
【比較製造例3】製造例1において、乳化剤量を0.1
5gとすることにより、芯材部の平均粒子径が9.0μ
m、表層部の平均厚さが1.0μmである平均粒子径1
0.0μmの紫外線吸収剤内包粉体を得、この紫外線吸
収剤内包粉体で表面が不完全に被覆された樹脂粉末被着
非膨潤性フッ素雲母を製造した。
【0107】
【実施例1、比較例1〜4】以下に示す表2に示した処
方に従って、粉体部に示す成分を混合し、粉砕機を用い
て粉体の混合物を粉砕した。この粉砕物を高速ブレンダ
ーに移し、結合剤部に記載した成分および防腐剤等と混
合し、さらに顔料を加えて均一に混合した。
【0108】この混合物を再び粉砕機を用いて粉砕処理
した後、篩を用いて粒度を揃え、金皿の容器に圧縮成型
して化粧料を調製した。こうして調製した化粧料につい
て、SPF(in vitro)および化粧料の使用感を調べた。
結果を表2に併せて記載する。
【0109】また、この実施例1および比較例1〜4で
製造した化粧料について測定した紫外線領域における紫
外線防御指数曲線を図1〜5に示す。
【0110】
【表2】
【0111】註)*) 「シリコン処理非膨潤性フッ素雲
母」は、大日本化成(株)製の商品名:ソフトセリサイ
トT−6のシリコン処理品である。 **) 「非膨潤性フッ素雲母」は、大日本化成(株)製
の商品名:ソフトセリサイトT−6である。
【0112】***) 「ジペンタエリトリット脂肪酸エス
テル」は、日清製油(株)製の商品名:コスモール16
8Eである。 ****) 「ジカプリン酸ネオペンチルグリコール」は、日
清製油(株)製の商品名:エステモールN−01であ
る。
【0113】上記表2における「SPF(in vitro)」
は、テープ(商品名:トランスポアテープ、住友スリー
エム(株)製)に2mg/cm2または2μl/cm2になるよ
うに試料を均一に塗布し、SPF−290アナライザー
(オプトメトリックス社製)を用いて塗布部6カ所の紫
外線防御因子を測定し、SPF−290アナライザー用
専用ソフト(SPF OPERATING SOFTWARE VERSION 1.5 120
492)を用いて数値を算出した。
【0114】上記表2における「化粧料の肌への付着
性」、化粧料の仕上がり感」および「塗布後のしっとり
感」についての官能試験は、女性パネラー(10〜15
名)に、試料化粧料を通常の使用方法にて化粧をしても
らい、「化粧料の肌への付着性」、「化粧料の仕上がり
感」および「塗布後のしっとり感」について、5:非常
によい、4:良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪い
の基準で5段階評価し、各項目の総得点をパネラーの数
で割り、評価点として下記表3に示す判定符号を賦し
た。
【0115】
【表3】
【0116】表1に示す結果および表2に示す結果から
明らかなように、芯材部に紫外線吸収剤を含有し、表層
部に紫外線吸収剤を実質的に含有しない紫外線吸収剤内
包樹脂粒子が、インターカレーション法により製造され
た特定の非膨潤性フッ素雲母の表面に被着した樹脂被着
非膨潤性フッ素雲母を含有する本発明の化粧料は、高い
紫外線防御効果を有しており、使用感も良好である。そ
して、図1に示すように、実施例1で製造した化粧料で
は、用いた紫外線吸収剤(4-tert-ブチル-4-メトキシベ
ンゾイルメタン)の示す紫外線吸収特性曲線が再現され
ているのに対して、比較例1〜4で製造した化粧料で
は、紫外線防御特性が著しく低下している。
【0117】
【実施例2】[乳化型ファンデーション]製造例1で得
られた樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母を用いて、以下
に記載する表4に示す処方に従って乳化型ファンデーシ
ョンを調製した。
【0118】
【表4】
【0119】[調製法]全量を仕込める容器に上記成分
(1)〜(7)を入れ、60〜70℃に加熱し、ホモジ
ナイザーを用いて均一に混合した。さらに、この均一混
合物に成分(8)〜(13)を加えて均一に分散させ
た。
【0120】これとは別に、成分(14)〜(17)を
60〜70℃の温度で溶解して均一な混合液体を調製し
た。成分(1)〜(13)からなる分散液に、成分(1
4)〜(17)を添加して乳化させた。
【0121】ホモジナイザーで均一化した後、冷却し、
30℃を下回った温度で、所定の容器に充填した。得ら
れた乳化型ファンデーションは、肌へののび、付着性が
よく、しっとりとした感じで化粧が自然な感じに仕上が
り、持続性に優れていた。
【0122】また、皮膚への刺激が少なく、紫外線防止
効果も高かった。
【0123】
【実施例3】[日焼け止めクリーム]製造例1で得られ
た樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母を用いて、以下に記
載する表5に示す処方に従って日焼け止めクリームを調
製した。
【0124】
【表5】
【0125】註)上記表5においてテトラキス(2-ヒド
ロキシイソプロピル)エチレンジアミンは、BASF社
製、商品名:ニュートロールTEを使用した。 [調製法]全量を仕込める容器に上記成分(1)〜
(7)を入れ、60〜70℃に加熱して混合した。
【0126】別の容器に成分(8)〜(12)を75〜
85℃に加熱して加えた。この成分(8)〜(12)の
混合物を、上記(1)〜(7)の混合物に加えて乳化し
た。さらに、この乳化物に成分(13)を加えた後、ホ
モジナイザーを用いて均一に混合した。混合後、冷却
し、混合物の温度が30℃を下回った時点で所定の容器
に充填した。
【0127】得られた日焼け止めクリームは、皮膚に対
する刺激が少なく、肌へののび、化粧仕上がりが自然で
あり、持続性に優れていた。
【0128】
【実施例4】[リップグロウ]製造例1で得られた樹脂
粉末被着非膨潤性フッ素雲母を用いて、以下に記載する
表6に示す処方に従ってリップグロウを調製した。
【0129】
【表6】
【0130】註)上記表6において、BHTは、ジブチ
ルヒドロキシトルエンである。 [調製法]全量を仕込める容器に上記成分(1)〜
(9)を入れ、75〜85℃に加熱して均一に溶解させ
た。
【0131】次いで、ここに成分(10)〜(12)を
添加して、ディスパーで均一に分散させた後、金型に流
し込み、急冷して固めた。固化物を型から取りだし、所
定の容器に装填した。
【0132】得られたリップグロウは、伸びがよく、化
粧仕上がりが自然で、潤いが保たれ、唇への刺激が少な
く、紫外線防御効果が高かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で製造した化粧料について測
定した紫外線領域における防御指数曲線である。
【図2】図2は、比較例1で製造した化粧料について測
定した紫外線領域における防御指数曲線である。
【図3】図3は、比較例2で製造した化粧料について測
定した紫外線領域における防御指数曲線である。
【図4】図4は、比較例3で製造した化粧料について測
定した紫外線領域における防御指数曲線である。
【図5】図5は、比較例4で製造した化粧料について測
定した紫外線領域における防御指数曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/48 A61K 7/48 (72)発明者 諏 訪 善 親 大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番11号 岩瀬コスファ株式会社内 (72)発明者 吉 岡 隆 嗣 大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番11号 岩瀬コスファ株式会社内 (72)発明者 山 崎 勉 東京都豊島区高田三丁目29番5号 綜研化 学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体質顔料を含有する化粧料であって、該体
    質顔料が、インターカレーション法により得られる屈折
    率が1.50未満でありかつハンター白色度が95%以
    上である非膨潤性フッ素雲母の表面の少なくとも一部
    に、(メタ)アクリル系樹脂および/またはスチレン系
    樹脂からなり、紫外線吸収剤を含有する芯材部と該芯材
    部の表面に形成された表層部とを有する樹脂粉末が被着
    した樹脂粉末被着非膨潤性フッ素雲母であることを特徴
    とする化粧料。
  2. 【請求項2】上記非膨潤性フッ素雲母について測定した
    ハンター白色度が95%以上であると共に、該非膨潤性
    フッ素雲母に20重量%のスクワランを添加して測定し
    たスクワラン含有非膨潤性フッ素雲母のハンター白色度
    の変化率が、9%以下であることを特徴とする請求項第
    1項記載の化粧料。
  3. 【請求項3】上記非膨潤性フッ素雲母が、平均粒径(D
    50)が4〜10μmの範囲内にあり、粒度分布(D9
    0)が10〜15μmの範囲内にあり、かつアスペクト
    比が10〜40の範囲内にあるタルクとケイフッ化アル
    カリ金属とを用いてインターカレーション法により製造
    されたものであることを特徴とする請求項第1項記載の
    化粧料。
  4. 【請求項4】樹脂粉末を形成する表層部に、実質的に紫
    外線吸収剤が含有されていないことを特徴とする請求項
    第1項記載の化粧料。
  5. 【請求項5】該樹脂粉末の芯材部の平均直径が、0.0
    5〜8.5μmの範囲内にあることを特徴とする請求項
    第1項記載の化粧料。
  6. 【請求項6】上記非膨潤性フッ素雲母100重量部に対
    して、1〜95重量部の樹脂粉末によって該非膨潤性フ
    ッ素雲母の表面が被覆されていることを特徴とする請求
    項第1項記載の化粧料。
  7. 【請求項7】非膨潤性フッ素雲母が、シリコン被覆され
    ていることを特徴とする請求項第1項記載の化粧料。
  8. 【請求項8】上記化粧料中に、該樹脂粉末表面被着非膨
    潤性フッ素雲母が1〜95重量部の量で含有されている
    ことを特徴とする請求項第1項記載の化粧料。
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