JP3403491B2 - 温度感受性粉体、及びこれを配合した粉体化粧料 - Google Patents

温度感受性粉体、及びこれを配合した粉体化粧料

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JP3403491B2 JP10233294A JP10233294A JP3403491B2 JP 3403491 B2 JP3403491 B2 JP 3403491B2 JP 10233294 A JP10233294 A JP 10233294A JP 10233294 A JP10233294 A JP 10233294A JP 3403491 B2 JP3403491 B2 JP 3403491B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体温付近に曇点を有す
るアクリル酸重合体を被覆処理し、温度により水に対す
る親和性を変化させることのできる温度感受性粉体、及
びこの温度感受性粉体の1種又は2種以上を配合して成
る、新規な粉体化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】パウダータイプ或いはケーキ型のファン
デーション,アイカラー,チークカラー等の粉体化粧料
は、一般に体質顔料,白色顔料,着色顔料といった粉体
の表面を、油剤や界面活性剤などの結合剤で処理して圧
縮,固形化して調製される。つまり、化粧料成分中の大
部分を粉体が占めるが、粉体の吸湿性,吸油性により汗
や皮脂を吸収し、化粧料を皮膚に塗布後時間が経過する
につれて色のくすみや化粧くずれが生じてしまう。そこ
で、親水性粉体をシリコーン油や界面活性剤などの疎水
化剤により処理して撥水性を向上させたり(特公平4−
51523,同5−3450,同5−4129,同5−
86368等)、フッ素系樹脂で被覆して撥水,撥油性
を向上させたり(特開昭61−194010,同60−
126210,特公昭61−48803等)して、化粧
持ちを向上させる試みがなされていた。
【0003】一方、粉体化粧料においては水を配合しな
いか、配合しても極微量に制限されるため、エモリエン
ト剤を含有させたり、コラーゲンやヒアルロン酸,アミ
ノ酸誘導体などの保水性の高い物質をメカノケミカル法
等により被覆した粉体を配合したりして(特開昭61−
69710,同61−282307,同62−1270
9等)、粉体化粧料に保湿性を持たせる試みがなされて
いた。
【0004】ところが、従来の撥水性粉体を配合した化
粧料は、気温が高く高湿度となる夏季に使用するには粉
体自体の吸湿性も抑制され、汗に対する抵抗性も大き
く、さらに撥油性粉体を配合した場合には皮脂に対する
抵抗性も付与され、良好な使用感を呈するのであるが、
気温が低く空気の乾燥する冬季に使用すると、粉体の吸
湿性が低いため、乾燥感が強くなり妥当な使用感が得ら
れない。逆に、保水性粉体を配合した化粧料では、低温
低湿度下の条件ではしっとりした使用感を示すが、高温
多湿となり汗をかきやすい夏季にはかえってべたつき感
を生じ、化粧くずれが顕著となった。従って、高温高湿
となる夏季及び低温低湿となり皮膚も乾燥しやすい冬季
と、両シーズンにわたって満足な使用感の得られる化粧
料は提供されていなかった。水あり,水無しの両態様に
おいて使用できるツーウェイタイプの粉体化粧料も提供
されているが、単にスポンジに水を含ませて塗布するこ
とを可能としたのみで、塗布時にさっぱりした使用感を
与えることができるに過ぎなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の撥水性粉体或いは保水性粉体の欠点を改善す
るべく、温度により水に対する親和性が変化し、高温多
湿となる夏季には親水性が低下して撥水性を示し、低温
低湿となる冬季には親水性が上昇して保水性を示す新規
な温度感受性粉体を調製し、これを配合して1年を通じ
て良好な使用感の得られる粉体化粧料を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、われわれは粉体化粧料の大部分を占める粉体自体に
温度感受性を付与することを試みた。わが国において
は、気温の上昇に伴って湿度も上昇する傾向があり、気
温に対応して粉体の水に対する親和性を制御することが
できれば、季節の変動に対応して粉体の撥水性及び保水
性を制御することができ、季節に応じて最適な使用感を
得ることが可能となる。また、皮膚温の上昇に対応して
撥水性を発現させることができれば、運動時の発汗に伴
う化粧くずれを防ぐことができる。
【0007】粉体の水に対する親和性に温度感受性を付
与する手段として、粉体表面を曇点を有する高分子化合
物で被覆処理することが有効であると考えた。高分子化
合物に曇点を持たせるためには、分子中にアミド基,カ
ルボニル基等の親水性と、直鎖或いは分岐鎖のアルキル
基やシクロアルキル基等の疎水性基とを併せ持つモノマ
ーを重合させたり、高分子化合物中に親水性基と疎水性
基を導入するといった方法が考えられる。
【0008】本発明では体温付近に曇点を設定するた
め、アクリル酸の重合体を用いる。特に、親水性基とし
てアミドを有し、疎水性基としてN-イソプロピル,N-ペ
ンチル,又はN-シクロヘキシル基を有する重合体が所望
の曇点を得るために好ましく、N-イソプロピルアクリル
アミド,N-イソプロピルメタクリルアミド,N-ペンチル
アクリルアミド,N-ペンチルメタクリルアミド,N-シク
ロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシルメタクリ
ルアミドから選んだ1種又は2種以上のモノマーを重合
或いは共重合して得る重合体、或いは前記モノマーの1
種又は2種以上と、他の親水性或いは疎水性モノマーの
1種又は2種以上との共重合体が、使用感の面でも被覆
処理剤として良好である。重合に用いるモノマーの種類
と重合比を変化させることにより、所望の曇点を設定す
ることができる。
【0009】粉体の上記アクリル酸重合体による被覆処
理は、表面に水酸基を有する無機粉体や、アミド基など
官能基を有するナイロン粉体等の有機粉体においては、
シランカップリング剤又はチタンカップリング剤により
化学的に結合させて行うことができる。シランカップリ
ング剤としては一般的なものを用いることができ、γ-
クロロプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリクロロ
シラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β-
メトキシエトキシ)シラン,γ-メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン,β-(3,4-エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン,γ-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン,γ-アミノプロピルトリエトキシ
シラン,N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリ
メトキシシラン,γ-ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン,N-β-(アミノエチル)-β-アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等を挙げることができる。チタンカッ
プリング剤としても一般に使用されているものを用いる
ことができ、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート,イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート,イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェ
ート)チタネート,テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート,テトラ(2,2-ジアリルオキシ
メチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトチ
タネート,ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシア
セテートチタネート,トリス(ジオクチルピロホスフェ
ート)エチレンチタネート等を挙げることができる。無
機粉体のうち、酸化チタンは表面に活性な水酸基を有す
るため、直接メカノケミカル法により被覆することもで
きる。また、無機粉体上にステアリン酸,アクリル酸,
メタクリル酸等の極性モノマーを有機溶媒より吸着させ
て非脱着性吸着層を形成し、この吸着層上に重合体を結
合させることによっても可能である。さらに、ポリスチ
レン,ポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステル,ポリ
エチレン,ポリ酢酸ビニルといった有機粉体において
は、ラジカル重合によりグラフト結合させて行うことが
できる。
【0010】得られた曇点を有するアクリル酸重合体被
覆粉体は、常法に従って粉砕,分級され、粉体化粧料に
配合される。粉体化粧料は、白粉,パウダーファンデー
ション,パウダーアイカラー,パウダーチークカラー等
の固形粉末化粧料や、ケーキタイプのファンデーショ
ン,アイカラー,チークカラー,アイライナー等、水を
含ませた塗布具で使用できる粉体化粧料、或いは水あり
でも水なしでも使用できるツーウェイタイプの粉体化粧
料として提供できる。
【0011】
【作用】本発明による温度感受性粉体は、曇点以下の温
度では粉体表面に存在するアクリル酸重合体が親水性を
示すため、良好な保水性を示す。温度が曇点以上になる
と、粉体表面のアクリル酸重合体は疎水化し、撥水性を
示すようになる。従って、この温度感受性粉体を配合し
た粉体化粧料は、気温が曇点以下の場合には良好な保水
性を示し、気温が曇点以上の場合には良好な撥水性を示
す。また、気温が曇点以下でも、皮膚に塗布し、運動等
により皮膚温が上昇した場合には、曇点の設定によって
は皮膚温の上昇を感知し、性状を撥水性として化粧くず
れを防ぐことができる。
【0012】
【実施例】さらに本発明について、実施例により詳細に
説明する。
【0013】[実施例1] ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミド被覆タルク 式1で示されるN-イソプロピルアクリルアミドとγ-メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランとのラジカル
重合体とタルクを水の存在下常温で混合して、メトキシ
シリル基とタルク表面の水酸基との結合を介してポリN-
イソプロピルアクリルアミドによりタルク表面を被覆
し、粉砕,分級して得る。式1中、n=1に対してmは
30以上である。
【化1】
【0014】[実施例2] ポリN-イソプロピルメタク
リルアミド被覆カオリン 式2で示されるN-イソプロピルメタクリルアミドとビニ
ルトリエトキシシランとの陰イオン重合体とカオリンを
水の存在下常温で混合して、エトキシシリル基とカオリ
ン表面の水酸基との結合を介してポリN-イソプロピルメ
タクリルアミドによりカオリン表面を被覆し、粉砕,分
級して得る。式2中、mは30以上、nは1〜3程度で
ある。
【化2】
【0015】[実施例3] ポリN-ペンチルアクリルア
ミド被覆マイカ 式3で示されるN-ペンチルアクリルアミドとトリス(ジ
オクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネー
トとの陰イオン重合体とマイカを水の存在下常温で混合
して、ジオクチルピロホスフェート基とマイカ表面の水
酸基との結合を介してポリN-ペンチルアクリルアミドに
よりマイカ表面を被覆し、粉砕,分級して得る。式3
中、mは30以上である。
【化3】
【0016】[実施例4] ポリN-シクロヘキシルメタ
クリルアミド被覆酸化チタン 式4のN-シクロヘキシルメタクリルアミドと、これに対
して15重量%の酸化チタンを添加し、ボールミル中1
00℃で粉砕処理してメカノケミカル的にポリN-シクロ
ヘキシルメタクリルアミドを被覆し、粉砕,分級して得
る。
【化4】
【0017】[実施例5] N-イソプロピルアクリルア
ミド・N-ペンチルメタクリルアミド共重合体被覆酸化チ
タン N-イソプロピルアクリルアミド,N-ペンチルメタクリル
アミド及びビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン
をラジカル重合させて式5の共重合体を得、水の存在下
常温で酸化チタンと混合して、β-メトキシエトキシ基
と酸化チタンとの結合を介してN-イソプロピルアクリル
アミド・N-ペンチルメタクリルアミド共重合体を被覆
し、粉砕,分級して得る。式5中、p=1に対して、
m,nはそれぞれ15以上である。
【化5】
【0018】[実施例6] N-イソプロピルアクリルア
ミド・N-イソプロピルメタクリルアミド共重合体被覆炭
酸カルシウム 式6のN-イソプロピルアクリルアミド及び式7のN-イソ
プロピルメタクリルアミドと、これらに対して15重量
%の炭酸カルシウムを添加し、ボールミル中100℃で
粉砕処理してメカノケミカル的にN-イソプロピルアクリ
ルアミド・N-イソプロピルメタクリルアミド共重合体を
被覆し、粉砕,分級して得る。
【化6】
【化7】
【0019】[実施例7] ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミド被覆ベンガラ ベンガラ表面にメタクリル酸をトルエン溶液から吸着さ
せ、アルコール或いはエーテルで洗浄して吸着したメタ
クリル酸を除去する。この後、ベンガラ表面に存在する
非脱着性のメタクリル酸に式6のN-イソプロピルアクリ
ルアミドを順次重合させ、この重合体により被覆し、粉
砕,分級して得る。
【0020】[実施例8] N-イソプロピルアクリルア
ミド・アクリル酸共重合体被覆黄酸化鉄 黄酸化鉄表面にメタクリル酸をトルエン溶液から吸着さ
せ、アルコール或いはエーテルで洗浄して吸着したメタ
クリル酸を除去する。この後、黄酸化鉄表面に存在する
非脱着性のメタクリル酸に式6のN-イソプロピルアクリ
ルアミド及びアクリル酸(モル比=1:1)を順次共重
合させ、この重合体により被覆し、粉砕,分級して得
る。
【0021】[実施例9] N-イソプロピルアクリルア
ミド・アクリル酸メチル共重合体被覆黒酸化鉄 黒酸化鉄表面にメタクリル酸をトルエン溶液から吸着さ
せ、アルコール或いはエーテルで洗浄して吸着したメタ
クリル酸を除去する。この後、黒酸化鉄表面に存在する
非脱着性のメタクリル酸に式6のN-イソプロピルアクリ
ルアミド及びアクリル酸メチル(モル比=1:1)を順
次共重合させ、この重合体により被覆し、粉砕,分級し
て得る。
【0022】[実施例10] N-シクロヘキシルアクリ
ルアミド・N-シクロヘキシルメタクリルアミド共重合体
被覆セリサイト N-シクロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシルメ
タクリルアミド及びγ-メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを陰イオン重合させて式8の共重合体を
得、水の存在下常温でセリサイトと混合して、メトキシ
シラン基とセリサイト表面の水酸基との結合を介してN-
シクロヘキシルアクリルアミド・N-シクロヘキシルメタ
クリルアミド共重合体を被覆し、粉砕,分級して得る。
式8中、p=1に対してm,nはそれぞれ15以上であ
る。
【化8】
【0023】[実施例11] N-イソプロピルアクリル
アミド・アクリル酸メチル共重合体被覆雲母チタン 式9で示されるN-イソプロピルアクリルアミド及びアク
リル酸メチルとトリス(ジオクチルピロホスフェート)オ
キシアセテートチタネートとの陰イオン共重合体と雲母
チタンを、水の存在下に常温で混合し、ジオクチルピロ
ホスフェート基と雲母チタン表面の水酸基との結合を介
して、N-イソプロピルアクリルアミド・アクリル酸メチ
ル共重合体により雲母チタン表面を被覆し、粉砕,分級
して得る。式9中、m及びnは15以上である。
【化9】
【0024】[実施例12] N-イソプロピルアクリル
アミド・N-ペンチルアクリルアミド共重合体被覆ポリス
チレン粉体 ポリスチレンに過酸化ベンゾイルを作用させラジカルを
発生させた後、N-イソプロピルアクリルアミド及びN-ペ
ンチルアクリルアミドを加えてポリスチレン鎖上にグラ
フト共重合させて得たもの(式10)を、粉砕,分級し
て得る。
【化10】
【0025】[実施例13] N-ペンチルアクリルアミ
ド・N-シクロヘキシルメタクリルアミド共重合体被覆ナ
イロン粉体 N-ペンチルメタクリルアミド及びN-シクロヘキシルアク
リルアミドと、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランとの共重合体(式11)を、ナイロン粉体表面
のアミド基とトリエトキシシリル基との結合を介して結
合させ、前記共重合体によりナイロン表面を被覆し、粉
砕,分級して得る。式11中、p=1に対してm及びn
はそれぞれ15以上であることが好ましい。
【化11】
【0026】 [実施例14] パウダーファンデーション (1)被覆処理ベンガラ(実施例7) 3.0(重量%) (2)被覆処理黄酸化鉄(実施例8) 2.5 (3)被覆処理黒酸化鉄(実施例9) 0.5 (4)被覆処理ナイロンパウダー(実施例13) 10.0 (5)被覆処理酸化チタン(実施例4) 10.0 (6)被覆処理マイカ(実施例3) 20.0 (7)被覆処理タルク(実施例1) 43.8 (8)流動パラフィン 5.0 (9)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5 (10)ワセリン 2.5 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)香料 0.1 製法:(1)〜(7)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(8)〜(12)を加えて均一に混合後粉砕し、ふるいを通
し粒度を整えた後、金皿に充填して圧縮成型する。
【0027】 [実施例15] ケーキ型ファンデーション (1)被覆処理酸化チタン(実施例5) 10.0(重量%) (2)コロイダルカオリン 25.0 (3)被覆処理タルク(実施例1) 44.9 (4)被覆処理ベンガラ(実施例7) 0.8 (5)被覆処理黄酸化鉄(実施例8) 2.5 (6)被覆処理黒酸化鉄(実施例9) 0.1 (7)スクワラン 10.0 (8)セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (9)グリセリン 3.0 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (11)香料 0.1 製法:(1)〜(6)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(9)を添加,混合する。これに別に混合,均一化した
(7),(8),(10),(11)を加えて混合,均一化した後粉砕
し、ふるいを通して粒度を整えた後金皿に充填し、圧縮
成型する。
【0028】 [実施例16] ツーウェイファンデー
ション (1)被覆処理酸化チタン(実施例4) 10.0(重量%) (2)被覆処理セリサイト(実施例10) 30.0 (3)被覆処理タルク(実施例1) 30.2 (4)被覆処理カオリン(実施例2) 5.0 (5)被覆処理ベンガラ(実施例7) 2.5 (6)被覆処理黄酸化鉄(実施例8) 2.0 (7)被覆処理黒酸化鉄(実施例9) 0.1 (8)被覆処理ポリチレン末(実施例12) 10.0 (9)スクワラン 6.0 (10)メチルフェニルポリシロキサン 4.0 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)香料 0.1 製法:(1)〜(8)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(9)〜(12)を加えて均一に混合後粉砕し、ふるいを通
し粒度を整えた後、金皿に充填して圧縮成型する。
【0029】 [実施例17] ケーキ型アイカラー (1)被覆処理タルク(実施例1) 47.8(重量%) (2)被覆処理マイカ(実施例3) 15.0 (3)炭酸マグネシウム 1.0 (4)ステアリン酸マグネシウム 10.0 (5)被覆処理酸化チタン(実施例5) 5.0 (6)着色顔料 15.0 (7)ソルビタンセスキオレエート 1.0 (8)流動パラフィン 4.0 (9)ラノリン 1.0 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 製法:(1)及び(6)を混合し、(2),(3),(4),(5)を順次
添加して混合した後、あらかじめ混合,融解した(7)〜
(10)を噴霧して混合する。これを粉砕し、ふるいを通し
て粒度を整えた後、金皿に充填して圧縮成型する。
【0030】 [実施例18] パウダーアイカラー (1)被覆処理ナイロンパウダー(実施例13) 10.0(重量%) (2)被覆処理雲母チタン(実施例11) 23.0 (3)被覆処理タルク(実施例1) 24.9 (4)被覆処理セリサイト(実施例10) 15.0 (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0 (6)着色顔料 15.0 (7)流動パラフィン 8.5 (8)パラフィンロウ 1.5 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 製法:(1)〜(6)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(7)〜(9)を加えて均一に混合した後粉砕し、ふるいを
通し粒度を整えた後、金皿に充填して圧縮成型する。
【0031】 [実施例19] 固形チークカラー (1)被覆処理タルク(実施例1) 59.8(重量%) (2)被覆処理カオリン(実施例2) 20.0 (3)被覆処理酸化チタン(実施例4) 4.0 (4)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (5)コメデンプン 5.0 (6)着色剤 3.0 (7)香料 0.2 (8)流動パラフィン 3.0 製法:(1)〜(6)を均一に混合し展色する。続いて(7),
(8)を噴霧して加え、均一に混合し、ふるいを通した後
金皿に充填し、圧縮成型する。
【0032】 [実施例20] ケーキ型アイライナー (1)被覆処理タルク(実施例1) 54.7(重量%) (2)被覆処理酸化チタン(実施例5) 15.0 (3)被覆処理炭酸カルシウム(実施例6) 5.0 (4)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (5)着色顔料 5.0 (6)流動パラフィン 10.0 (7)ソルビタンセスキオレエート 5.0 (8)香料 0.1 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 製法:(1)〜(5)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(7)を添加,混合する。これに別に混合,均一化した
(6),(8),(9)を加えて混合,均一化した後粉砕し、ふ
るいを通して粒度を整えた後金皿に充填し、圧縮成型す
る。
【0033】 [実施例21] 粉白粉 (1)被覆処理タルク(実施例1) 59.8(重量%) (2)被覆処理カオリン(実施例2) 15.0 (3)被覆処理炭酸カルシウム(実施例6) 5.0 (4)酸化亜鉛 10.0 (5)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (6)着色顔料 5.0 (7)香料 0.2 製法:(1)と(6)をブレンダーで混合し、これに(2)〜(5)
を加え混合した後調色し、(7)を噴霧し均一に混合す
る。これを粉砕し、ふるいを通して製品とする。
【0034】
【発明の効果】本発明の実施例1〜実施例13に係る温
度感受性粉体は、表面を被覆しているアクリル酸重合体
が、31〜32℃の間で曇点を有し、この温度で水に対
する親和性が変化する。各実施例に係る粉体の水に対す
る分散性を20℃,湿度60%及び40℃,湿度60%
の条件下で調べ、水に対する親和性の温度による変化の
ようすを観察した。各粉体1gを水100mlに添加し
てブレンダーにて2分間攪拌処理し、分散液の濁度を測
定して、表1に示した。各実施例について、アクリル酸
重合体で被覆処理していない粉体をそれぞれ比較例とし
た。
【表1】
【0035】表1中、比較例1〜比較例4及び比較例6
〜10の無機粉体は、粉体表面に親水性の水酸基を有す
るため親水性を示し、20℃及び40℃のいずれの条件
下においても良好な分散性を示している。また、炭酸イ
オンを有する比較例5も良好な親水性を示している。こ
れら粉体をアクリル酸重合体で被覆処理した実施例1〜
実施例11も、20℃では表面のアクリル酸重合体が親
水性を示すため、水分散性は良好である。しかし40℃
では、アクリル酸重合体が疎水性化するため、水分散性
は悪くなり、濁度が低下している。一方、有機粉体であ
る比較例11及び比較例12は、親水性が低いため水分
散性が悪いが、これらをアクリル酸重合体で被覆処理し
た実施例12及び実施例13では、20℃では水分散性
は良好となっている。これらも40℃ではアクリル酸重
合体の疎水性化のため、水分散性は低下している。
【0036】次に、本発明に係る温度感受性粉体を配合
した粉体化粧料の使用試験を行った。本発明に係る実施
例のうち、実施例14のパウダーファンデーション及び
実施例15のケーキ型ファンデーションについて、それ
ぞれパネラー20名に夏季及び冬季にブラインドにて使
用させ、官能評価を行わせた。なお、実施例14及び実
施例15においてアクリル酸重合体被覆粉体を被覆処理
しない粉体で代替したものを、それぞれ比較例13及び
比較例14とした。官能評価は、「しっとり感」,「べ
たつき感」,「化粧持ち」の項目について行わせ、「し
っとり感」については◎;ある,○;ややある,△;や
やない,×;ない、「べたつき感」については◎;な
い,○;ややない,△;ややある,×;ある、「化粧持
ち」については◎;良い,○;やや良い,△;やや悪
い,×;悪いの各4段階で評価させ、各評価を行ったパ
ネラー数にて表2に示した。
【表2】
【0037】表2中、実施例14使用群においては、夏
季に使用した場合しっとり感がやや抑制され、べたつき
感が顕著に抑えられて良好な化粧持ちがあるという評価
が得られている。一方、冬季に使用した場合には、良好
なしっとり感が得られると同時にべたつき感もなく、且
つ化粧持ちも良好であるという結果が得られている。こ
れに対して、比較例13使用群では、冬季使用の場合し
っとり感があまり得られておらず、夏季になるとべたつ
き感が顕著となり、化粧持ちも悪くなっている。実施例
15使用群及び比較例14使用群においても、同様な評
価傾向が認められる。すなわち、本発明に係るファンデ
ーションでは、化粧料組成物中大部分を占める粉体自体
が32℃付近で親水性を変化させ、これより低温の冬季
では保水性が上昇し、反対に高温となる夏季においては
親水性が低下して撥水性を示すようになり、季節に応じ
た良好な使用感が得られるものと考えられる。
【0038】以上詳述したように、本発明により、温度
変化に対応して親水性乃至撥水性が変化する粉体を得る
ことができ、さらにその温度感受性粉体を配合すること
によって、低温,低湿となる冬季においては良好な保水
性を有し、高温,高湿となる夏季においては良好な撥水
性を発揮してべたつき感がなく、化粧持ちの良好な粉体
化粧料を提供することができた。この粉体化粧料は、1
年間を通じて良好な使用感の得られるものであり、ま
た、運動などにより皮膚温が上昇した場合にも化粧くず
れしないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C09J 3/00 - 3/22 C08J 7/00 - 7/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体温付近に曇点を有する、N-イソプロピ
    ルアクリルアミド,N-イソプロピルメタクリルアミド,
    N-ペンチルアクリルアミド,N-ペンチルメタクリルアミ
    ド,N-シクロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシ
    ルメタクリルアミドより成る群から選ばれる1種又は2
    種以上のモノマーを重合させて得る重合体又は共重合体
    であるアクリル酸重合体を被覆して成る、温度感受性粉
    体。
  2. 【請求項2】 体温付近に曇点を有する、N-イソプロピ
    ルアクリルアミド,N-イソプロピルメタクリルアミド,
    N-ペンチルアクリルアミド,N-ペンチルメタクリルアミ
    ド,N-シクロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシ
    ルメタクリルアミドより成る群から選ばれる1種又は2
    種以上のモノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体
    であるアクリル酸重合体を被覆して成る、温度感受性粉
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の温度感受性粉体の1種
    又は2種以上を配合することを特徴とする、粉体化粧
    料。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の温度感受性粉体の1種
    又は2種以上を配合することを特徴とする、粉体化粧
    料。
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