JPH07279221A - キャビネット一体型壁掛け式便器の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】キャビネット一体型便器の全体の施工作業を簡
略化でき、しかもキャビネット本体を壁掛け式又は床置
き式のいずれの便器への取り付けも可能な技術を提供せ
んとするものである。 【構成】少なくとも前面パネルの一部が開口している箱
状のキャビネット本体内に枠組み形成した便器取付用の
フレームを配置し、該フレームをキャビネット本体の底
板，背面板等を中間に介在させて床，壁へ固定すると共
に、該フレームへ壁掛け式便器本体の後面側を前面パネ
ルの一部を介して取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、壁掛け式便器本体の後
面側にキャビネット本体を一体的に取り付けるタイプの
キャビネット一体型壁掛け式便器の取付構造に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のキャビネット一体型便器
の取付構造としては、例えば、実開昭６１−７２３００
号公報に開示された技術や実開昭６３−１８１６８５号
公報に開示された技術がある。

【０００３】実開昭６１−７２３００号公報に記載され
た従来技術にあっては、小物品等の収納キャビネットを
一方の側壁面寄り又は両側壁面寄りに配置し、これらの
キャビネットとの間にタンク収納部を形成している。而
して、便器本体へ洗浄水を供給するための洗浄タンクを
収納する部分等のキャビネットは、これらのキャビネッ
トの各面構成部材をそれぞれ個別的にビス等で取り付け
て全体を形成している。

【０００４】一方、実開昭６３−１８１６８５号公報に
開示された従来技術にあっては、軽量形鋼等で枠組み形
成したフレームに、キャビネットの各面構成部材として
のパネルをビス等で個別的に取り付けている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、実開昭６１
−７２３００号の先願技術にあっては、キャビネット本
体側に便器本体を支持するための充分な強度を持った部
材がなく、便器本体は床置き式でなければならないとい
う制約を受けていた。また前記先願の従来技術にあって
は、いずれの場合もキャビネット本体の各面構成部材
を、現場でそれぞれ個別的に準備して個別的に取り付け
る必要がり、作業が非能率的であった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、キャビネッ
ト一体型便器の全体の施工作業を簡略化でき、しかもキ
ャビネット本体を壁掛け式又は床置き式のいずれの便器
への取り付けも可能な技術を提供せんとするものであ
る。

【０００７】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した第一の手段は、少なくとも前面パネルの一部
が開口している箱状のキャビネット本体内に枠組み形成
した便器取付用のフレームを配置し、該フレームをキャ
ビネット本体の底板，背面板等を中間に介在させて床，
壁へ固定すると共に、該フレームへ壁掛け式便器本体の
後面側を前面パネルの一部を介して取り付けたことを特
徴とするキャビネット一体型壁掛け式便器の取付構造で
ある。

【０００８】また本発明が採用した第二の手段は、前面
パネルと後面パネルの対向する一部が開口している箱状
のキャビネット本体内に枠組み形成した便器取付用のフ
レームを配置し、該フレームをキャビネット本体の底板
を中間に介在させて床へ固定すると共に、後面パネルの
開口を通じて壁面へ直接固定し、前記フレームへ壁掛け
式便器本体の後面側を前面パネルの一部を介して取り付
けたことを特徴とするキャビネット一体型壁掛け式便器
の取付構造である。

【０００９】

【作用】本発明の第一の手段にあっては、キャビネット
本体を箱状に形成しており、各面構成部材は予め一体的
に取り付けられている。キャビネット本体の前面パネル
の一部には、便器取付用の開口部が形成されており、該
開口部を通じて枠組み形成した便器取付用のフレームを
キャビネット本体内に配設している。

【００１０】そして、前記便器取付用のフレームを、キ
ャビネット本体の底板を中間に介在させて床へ固定し、
またキャビネット本体の後面パネルを中間に介在させて
後壁へ固定している。そのため、便器取付用のフレーム
及びキャビネット本体の全体としての一体化が可能とな
り、取り付け後の安定性に優れている。しかも、フレー
ムの取付ボルトの食い込み代が、キャビネット本体の底
板及び後面パネルの分だけ増加し、取付強度が向上す
る。

【００１１】このように本発明の第一の手段にあって
は、キャビネット本体と便器取付用のフレームとの取付
強度に優れており、便器本体はその後面側が前面パネル
の一部を介して前記フレームへ固定されるので、便器本
体の取付強度においても優れている。またキャビネット
本体は、予め箱状に形成されているので、現場において
各面構成部材を個々に取り付ける必要もなく、全体の施
工作業においても優れている。

【００１２】また本発明の第二の手段にあっては、前記
第一の手段の後面パネルにも便器取付用のフレームを取
り付けるための開口が形成してある。そのため、便器取
付用のフレームは、キャビネット本体の底板を中間に介
在させて床へ固定されると共に、トイレ室の後壁面へ直
接に固定される。この第二の手段の場合も、前記第一の
手段と同じように、キャビネット本体が予め箱状に形成
されているので、現場における施工作業性を改善するこ
とが可能である。

【００１３】

【実施例】以下に、本発明の構成を図面に示す実施例に
基づいて説明すると次の通りである。図１〜図６は本発
明の第１の実施例に係るものであり、図１は全体を示す
分解斜視図、図２は施工後の状態を示す斜視図、図３は
枠組み形成した便器取付用のフレームを示す斜視図、図
４は施工後のキャビネット本体（便器本体を取り外した
状態）の正面図、図５は同側面図、図６は施工後のキャ
ビネット本体のカウンターを取り外した状態を示す平面
図である。

【００１４】図１及び図２に示すように、第１の実施例
のキャビネット本体１は、全体が箱状に形成されてい
る。正面側には、便器本体２の後面側に取り付けられる
下部前面パネル３と、その上方に位置する上部前面パネ
ル４と、便器本体２の右側方における開閉扉５及び折り
戸６とを有している。

【００１５】なお、前記下部前面パネル３は、壁掛け式
の便器本体２の後面側に取り付けられた状態で工場出荷
され、現場において、キャビネット本体１に取り付けら
れるか、若しくは現場において、便器本体２の後面側へ
取り付けられた後、更にキャビネット本体１へ取り付け
られるようになっている。この事については、後で詳細
に説明する。

【００１６】またキャビネット本体１の上面側には、ヒ
ンジ７を介して開閉自在なカウンター８及び固定カウン
ター９が取り付けられている。

【００１７】更に、下部前面パネル３のキャビネット本
体１内の空間は、排便管１０及び給水管１１の接続用空
間１２となっており、該空間１２の上方は洗浄タンク１
３の設置空間１４となっている。これらの空間１２と１
４との間には、仕切板１５が取付固定されている。この
仕切板１５は、洗浄タンク１３の取付台を兼用するよう
になっている。

【００１８】更にまた、キャビネット本体１の後面パネ
ル１６は、下部前面パネル３に対応する部分が開口１７
となっている。

【００１９】而して、キャビネット本体１と左側壁面と
の間の空間１８には、階下を連通する縦排便管１９と縦
給水管２０とが配設されている。２１は、左側壁面に取
り付けられる側板パネルであ。この側板パネル２１とキ
ャビネット本体１の左側面パネル２２との間の前面側に
は、上下の前面パネル２３及び２４が取り付けられるよ
うになっている。また側板パネル２１と左側面パネル２
２との間の上面側には、カウンター２５がビス２６によ
って取り付けられるようになっている。

【００２０】次に、このように構成されたキャビネット
本体１による壁掛け式便器の取り付け要領を説明する。
先ず、キャビネット本体１をトイレ室内へ搬入し、これ
を所定の位置へ配置すると共に、左側壁面へ側板パネル
２１を固定する。必要であれば、キャビネット本体１の
右側面とトイレ室右側壁面との間に、間口寸法に応じた
幅の間口調整部材３３を配設する。上面側は、固定カウ
ンター９を切断すればよい。

【００２１】キャビネット本体１を配置した後は、図３
の斜視図に示すように、前面フレーム２８と、左右の側
面フレーム２９，３０と、背面フレーム３１と、底面フ
レーム３２と、上面フレーム４３とで枠組み形成した便
器取付用のフレーム２７を準備する。そして、この便器
取付用のフレーム２７をキャビネット本体１の配管接続
用の空間１２へ搬入し、その背面フレーム３１をキャビ
ネット本体１の後面パネル１６に形成した開口１７を貫
通してトイレ室の奥壁面へ当接配置する。

【００２２】次に、便器取付用フレーム２７の底面フレ
ーム３２を、キャビネット本体１の底面パネル３４を中
間に介在させて床へ固定すると共に、図５及び図６に示
すように、背面フレーム３１をトイレ室の奥壁面へ直接
固定する。

【００２３】このように、キャビネット本体１の底面パ
ネル３４上に設置した便器取付用のフレーム２７を、底
面パネル３４を中間に介在させて取り付けることによ
り、取付ボルトの螺子込み代が底面パネル３４の分だけ
長くなり、強固な取り付けが可能である。またキャビネ
ット本体１と便器取付用のフレーム２７とが一体化し、
全体の設置が安定化する。

【００２４】なお、キャビネット本体１の奥行き寸法を
大きくしておけば、便器取付用フレーム２７の背面フレ
ーム３１も、キャビネット本体１の後面パネル１６を中
間に介在させて床への設置の場合と同様に取り付けるこ
とが可能である。

【００２５】而して、この実施例のように、便器取付用
のフレーム２７の背面側をキャビネット本体１の後面パ
ネル１６から突出させて取り付けた場合は、図５及び図
６に示すように、キャビネット本体１とトイレ室の奥壁
面との間に、所定の空間が形成される。本実施例では、
この空間を収納スペース３５として利用するようにして
いる。収納スペース３５内には、棚板３６を設置して小
物品を置いたり、またはプランターをおいて花を活けた
り、雑誌や芳香剤を置いたりすることも可能である。そ
して、この場合に、収納スペース３５の上面側には、平
板、多孔質状平板、ネット状平板等の開閉自在な蓋を置
くようにすれば便利である。蓋を置くことにより、雑誌
や芳香剤を隠蔽することができ、外観上の見栄えがよ
い。

【００２６】更には、キャビネット本体１内に温風ヒー
タ（図示せず）を設置し、温風吹出ダクト３７を介して
前記収納スペース３５の上面側に設けた温風吹出口３８
からトイレ室内へ温風を吹き出すようにすることも可能
である。

【００２７】ところで、キャビネット本体１の設置が完
了した後は、その上部前面パネル４を取り外した状態
で、壁掛け式便器本体２の後面側に下部前面パネル３を
取り付ける。なお、工場出荷の状態で、便器本体２の後
面側に下部前面パネル３が既に取り付けられている場合
はこの取付作業は不要である。次に、これらを前記キャ
ビネット本体１内に固定設置した便器取付用フレーム２
７の前面フレーム２８へボルト等により固定する。そし
て、便器本体２側の排便管１０と縦排便管１９とを接続
する。

【００２８】次に、キャビネット本体１の仕切板１５に
洗浄タンク１３を載置し、その流出口を便器本体２側の
給水管１１へ接続する。洗浄タンク１３と、縦給水管２
０との接続は、給水サプライ管３９を介して空間１８で
行えばよい。このようにして配管接続が完了した後は、
前面パネル２３及び２４と、上部前面パネル４とを扉キ
ャッチャー４０等を介してワンタッチ式で取り付ければ
よい。

【００２９】このように本実施例にあっては、箱状のキ
ャビネット本体１を搬入して設置するだけであるので、
キャビネット本体１の各面構成部材を個別的に搬入して
取り付ける必要がなく、施工作業の簡略化が図れる。ま
た便器取付用のフレーム２７をキャビネット本体１内へ
配置してキャビネット本体１と共に床や壁等へ固定した
から、キャビネット本体１と便器取付用フレーム２７と
の一体化が図れ、優れた取付強度が得られる。

【００３０】図７は本発明の第２の実施例に係るキャビ
ネット本体１を設置した状態の正面図である。この実施
例は、縦排便管１９と縦給水管２０とが上方の階へも延
びて設置される中層階のトイレ室へ適用したものであ
る。図１に示す、固定カウンター２５を取り除き、該カ
ウンター２５の上下幅と同じ寸法の平面視した状態でＬ
字状のスペーサ４１を介して、天井まで延びる前面パネ
ル４２とその側面パネル（図示せず）とを配置するよう
にしている。その他の構成並びに基本的な作用効果につ
いては、前記第１の実施例の場合と同じである。

【００３１】ところで、本発明は上述した実施例に限定
されるものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、前記キャビネット本体１は、壁掛け式の便器本体２
を設置する場合に適用したが、床置き式の便器を設置す
る場合にもそのままで適用することが可能である。但
し、この場合には、便器取付用のフレーム２７をキャビ
ネット本体１内へ搬入して設置することは不要である。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の第一の手段
にあっては、便器取付用のフレームを箱状のキャビネッ
ト本体内に配置し、その底板を中間に介在させて床へ固
定すると共に、便器取付用のフレームをキャビネット本
体の後面パネルを中間に介在させて後壁へ固定するよう
にしている。

【００３３】そのため、便器取付用のフレームとキャビ
ネット本体と一体化が可能となり、取り付け後の安定性
に優れている。しかも、フレームの取付ボルトの食い込
み代が、キャビネット本体の底板及び後面パネルの分だ
け増加し、取付強度が向上する。またキャビネット本体
は、予め箱状に形成されているので、現場において各面
構成部材を個々に取り付ける必要もなく、全体の施工作
業においても優れている。

【００３４】また本発明の第二の手段にあっては、前記
第一の手段の後面パネルに開口を設け、便器取付用のフ
レームをトイレ室の奥壁面へ直接に固定している。この
第二の手段の場合も、前記第一の手段と同じように、キ
ャビネット本体が予め箱状に形成されているので、現場
における施工作業性を改善することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の全体を示す分解斜視図
である。

【図２】本発明の第１の実施例の施工後の状態を示す斜
視図である。

【図３】本発明の第１の実施例の便器取付用のフレーム
を示す斜視図である。

【図４】本発明の第１の実施例における便器本体を取り
外した状態の施工後のキャビネット本体を示す正面図で
ある。

【図５】本発明の第１の実施例における便器本体を取り
外した状態の施工後のキャビネット本体を示す側面図で
ある。

【図６】本発明の第１の実施例における施工後のキャビ
ネット本体のカウンターを取り外した状態を示す平面図
である。

【図７】本発明の第２の実施例における便器本体を取り
外した状態の施工後のキャビネット本体を示す正面図で
ある。

【符号の説明】

１…キャビネット本体 ２…壁掛け式の便器本体 ３…便器本体の後面へ取り付けられる前面パネル ４…上部前面パネル ８…開閉自在なカウンター ９…固定カウンター １２…配管接続用の空間 １３…洗浄タンク １４…洗浄タンク設置用の空間 ２７…便器取付用のフレーム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも前面パネルの一部が開口してい
   る箱状のキャビネット本体内に枠組み形成した便器取付
   用のフレームを配置し、該フレームをキャビネット本体
   の底板，背面板等を中間に介在させて床，壁へ固定する
   と共に、該フレームへ壁掛け式便器本体の後面側を前面
   パネルの一部を介して取り付けたことを特徴とするキャ
   ビネット一体型壁掛け式便器の取付構造。
2. 【請求項２】前面パネルと後面パネルの対向する一部が
   開口している箱状のキャビネット本体内に枠組み形成し
   た便器取付用のフレームを配置し、該フレームをキャビ
   ネット本体の底板を中間に介在させて床へ固定すると共
   に、後面パネルの開口を通じて壁面へ直接固定し、前記
   フレームへ壁掛け式便器本体の後面側を前面パネルの一
   部を介して取り付けたことを特徴とするキャビネット一
   体型壁掛け式便器の取付構造。
3. 【請求項３】キャビネット本体の背面側と壁面との間
   に、収納スペースを設けたことを特徴とする請求項１又
   は２に記載のキャビネット一体型壁掛け式便器の取付構
   造。
4. 【請求項４】キャビネット本体内に温風ヒータを設置
   し、キャビネット本体の背面側と壁面との間に形成した
   収納スペースの上面に、前記温風ヒータに連通する温風
   の吹出口を設けたことを特徴とする前記請求項３に記載
   のキャビネット一体型壁掛け式便器の取付構造。