JPH0354634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は手洗いユニツトに関し、詳しくは洗面
所若しくはトイレルーム等の側壁に形成された開
口部に、半埋込状に取付けられる手洗いユニツト
に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来、上記した様な手洗いユニツトは、例え
ば、手洗器と手洗器の下位に配設される収納キヤ
ビネツトとを合成樹脂材等により一体成形して構
成され、この手洗いユニツト本体の背面部を側壁
に形成された開口部に嵌入固定して壁面に半埋込
状に取付けられていた。

ところで、最近では顧客の要望に応じて、デザ
イン、色彩、機能等の異なつた手洗器、収納キヤ
ビネツトに夫々互換できるように、手洗器を陶器
によつて、収納キヤビネツトを合成樹脂によつて
夫々別個に形成した手洗いユニツトが考えられて
いる。

ところが、この様な手洗いユニツトは、手洗
器、収納キヤビネツト自体夫々の成形寸法誤差及
び開口部に取付ける際の夫々の取付寸法誤差等が
相まつて特に手洗いユニツト本体における高さ方
向の手洗機と収納キヤビネツトとのセツト寸法誤
差が加増され、従つて開口部に取付けた際に収納
キヤビネツト下縁と開口部下端との間に隙間が形
成される虞れがある。

そこで、この〓間を巾木によつて隠蔽すること
も考えられるが、この場合、様々な寸法誤差に対
応して、各種幅寸法の巾木を用意しなければなら
ないという不具合があつた。

又、従来、上記洗面所、トイレルーム等の側壁
には、手洗いユニツトとは別個に換気装置或いは
冷暖房装置或いは掃除用具入等の収納ボツクス等
が取付けられていたので、その取付けには大変手
間がかかつていた。

（問題点を解決する為の技術的課題） 以上の問題点を解決する為の本考案の技術的課
題は、一種類の幅寸法の巾木によつて前記の様々
な寸法誤差を吸収するとともに、巾木取付スペー
スと、換気装置或いは冷暖房装置或いは収納ボツ
クスの取付スペースを兼用することである。

（技術的課題を達成する為の技術的手段） 以上の技術的課題を達成する為の本考案の技術
的手段は、手洗器と収納キヤビネツトとを夫々別
体に形成し、該収納キヤビネツトをキヤビネツト
体と巾木体とに分解し、該巾木体の前面に蹴込面
を設け、該蹴込面後方に収納ボツクス又は冷暖房
換気用機器を形成するとともに、キヤビネツト体
下縁に蹴込面上縁と重なり合う寸法誤差吸収用の
垂下面を垂設することである。

（作用） 以上の手段によれば、本考案は、開口部に、上
位から順次手洗器、キヤビネツト体、巾木体を嵌
入固定すると、垂下面が蹴込面上縁と重なり合つ
て、キヤビネツト体と巾木体との間に生ずる様々
な間隔の〓間を吸収隠蔽するとともに、蹴込面後
方におけるキヤビネツト体の下位に、収納ボツク
ス又は冷暖房換気機器を配設する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

先ず、第１図〜第５図に示す実施例について説
明する。

第１図及び第２図は洗面所、トイレルーム等の
壁面Ｂに設けた開口部B′へ、手洗器１、収納キ
ヤビネツト２、からなる手洗いユニツトＡを取付
けた状態を示している。

開口部B′は、手洗いユニツトＡの高さ及び幅
に対応し且つ該ユニツトＡの背面部分を嵌入可能
に、壁面Ｂの下端付近から所要の高さまで開穿さ
れた縦長の開口で、その左右側縁裏面には夫々縦
棧Ｃが縦設され、上縁裏面及び中途部分には手洗
器１の上縁、下縁と対応する上位、下位の横棧
Ｄ，D′が横設されており、その開口裏側を収納
スペースB″とし、手洗いユニツトＡの背面部分
を収納して、該ユニツトＡを半埋込状に壁面Ｂに
取付けるようになつている。

手洗器１は背面部１１とボール部１２とからな
る陶製の一体成形品で、ボール部１２の上方には
吐水口１３を、この吐水口１３の左又は右側には
吐水口１３に給水する給水弁１４を備えてなり、
背面部１１を収納スペースB″へ嵌入するととも
に、その上縁及び下縁を夫々上記した上位、下位
の横酸Ｄ，D′へ固定して、開口部B′へ半埋込状
に取付けられている。

背面部１１は、その上縁を、上縁立面１１ａと
その上縁立面１１ａ外端から背面方向に上縁水平
面１１ｂを延設して形成されたリム１１ｃによつ
て形成し、同様にして左右側縁も形成し、そのリ
ム１１ｃで囲まれた内面部分を背面方向に且つ開
口部B′へ嵌込み可能に膨出した背面凹部１１ｄ
を凹設してなつている。

ボール部１２は背面凹部１１ｄ下端を前方へ膨
出して背面部１１と一体に形成する。その前壁部
１２ａには、略全長に渉つてボール部１２の湾曲
形状に沿うように載置用凹段部１２ｂを段設形成
し、この凹段部１２ｂの前縁には起立面１２ｃを
形成する。

収納キヤビネツト２は、キヤビネツト体２ａ
と、巾木体２ｂとから形成されている。

キヤビネツト体２ａは、合成樹脂等の所望な材
料を用いて一体成形した収納機能部２１と、その
収納機能部２１を開閉する扉２２とで構成されて
いる。

収納機能部２１は前記手洗器１のリム１１ｃと
同様に形成されたリム２１ａによつて４周縁を囲
むとともに、そのリム２１ａで囲まれた内面部分
を背面方向に且つ開口部B′へ嵌込み可能に膨出
して収納凹部２１ｂを凹設してなり、前記リム２
１ａにおける上縁リム２１a′を、前記起立面１２
ｃに対応して湾曲形状に形成して、手洗器１の前
記載置用凹段部１２ｂに当接係合するようにし、
又、下縁リム２１a″にはその下端にわたつて、キ
ヤビネツト体２ａの下位に配設される巾木体２ｂ
の上縁内側に差込まれる垂下面２１ｃを垂設して
いる。

収納凹部２１ｂはその後半部を開口部B′へ嵌
込み、その内側壁を縦棧Ｃへ螺子止めされてキヤ
ビネツト体２ａを開口部B′へ半埋込状に固定し
ている。

巾木体２ｂは、その前面をキヤビネツト体２ａ
の下縁リム２１a″と略面一状に成形して蹴込面３
１とし、該蹴込面３１の中央には前面口３１ａを
開口するとともに、その口縁を後方に膨出して収
納部３２を凹設し、且つ前面口３１ａには扉３３
を開閉自在に取付けて掃除ブラシ、洗剤等の掃除
用具入の収納ボツクス３を形成してなり、蹴込面
３１の左右両端を夫々開口部B′の左右側縁にお
ける縦棧Ｃに螺子止めして、開口部B′に取付け
られている。なお、蹴込面３１は下縁リム２１
a″と面一にせず、この下縁リム２１a″の後方に面
しても良い。

又、本実施例においては前記上位の横棧Ｄに枠
状金具４が取付けられるとともに手洗器１の上縁
には係合凸片５が、下縁には固定片６が夫々設け
られている。

即ち、枠状金具４は、第５図に示す様に、所望
の高さを有する金属板の両側端をコ形に屈曲し上
位の横棧Ｄへ平行に当接する後片４１とこの後片
４１に対して所望間隔をもつて平行に位置する前
片４２と、この両者の側端同士を連接する側片４
３とで、上下に方形状の開口４４を形成してなる
枠体で、その後片４１を上位の横棧Ｄに螺子止め
固定して該開口４４を突出固定させ、その前縁４
４ａを該上位の横棧Ｄと平行に配置している。

係合突片５は、第４図に示す様に、手洗器１の
上縁におけるリム１１ｃの上縁水平面１１ｂ下面
から壁面Ｂ寄りに下方へ向けて突出し且つ壁面Ｂ
に向けて斜め下方に傾斜して、その前面側に傾斜
面５１を形成してなり、前記枠状金具４の開口４
４へ挿入され、傾斜面５１所望箇所を開口４４の
前縁４４ａへ線状係合させることで、手洗器１上
縁を上位の横棧Ｄに掛止めしている。

固定片６はボール部１２の底壁から上方へ突出
形成され、前記下位の横棧D′へ螺子止め固定さ
れて手洗器１下縁を下位の横棧D′に固定してい
る。

以上の構成からなる手洗いユニツトＡを開口部
B′へ取付ける際には、先ず手洗器１を、その背
面部１１を開口部B′へ嵌込むとともに係合凸片
５を枠状金具４の開口４４へ挿入し、手洗器１の
上縁水平面１１ｂが床面Ｅに対して水平になるよ
うに微調整しながら固定片６を下位の横棧D′へ
螺子止めすることで開口部B′へ半埋込状に固定
する。

次に、手洗器１の下位の開口部分にキヤビネツ
ト体２ａの収納凹部２１ｂを嵌入螺子止めすると
ともに、その上縁リム２１a′を手洗器１の載置用
凹段部１２ｂに当接係合させて、開口部B′に半
埋込状に取り付ける。

最後に、蹴込面３１上縁部とキヤビネツト本体
２ａ下縁に垂設した垂下面２１ｃとが重なるよう
に、キヤビネツト体２ａの下位に巾木体２ｂを配
設し、蹴込面３１両端を開口部B′側縁に螺着し
て、巾木体２ｂを取付ける。

尚、本実施例では、手洗器１及びキヤビネツト
体２ａを半埋込状に取付けたが、略全埋込状とに
取付けるも任意である。

本実施例においては、枠状金具４及び係合凸片
５及び固定片６を設けて、手洗器１を開口部
B′に掛止め固定したので、手洗器１の取付けが
容易に行えるとともに、その取付時における水平
出しが容易に行なえる。

第６図及び第７図は夫々、前記した実施例にお
ける垂下面２１ｃを変形した他の実施例を示して
いる。第６図に示す実施例は垂下面２１ｃを蹴込
面３１上縁の外側に設けており、又、第７図に示
す実施例は第６図における垂下面２１ｃの下縁内
側に、蹴込面３１上縁に嵌合する凹部２１c′を設
けている。

第８図〜第１０図は前記した実施例における収
納ボツクス３に替えて、冷暖房換気用機器７を形
成した他の実施例を示している。

先ず、第８図及び第９図における実施例につい
て説明すると、図中７１は巾木体２ｂに一体的に
配設された温風ヒーターで、蹴込面３１に形成さ
れた前面口３１ａに、フイルターを内蔵した吸込
口７２及び上下方向若しくは左右方向に傾き自在
な方向翼７３を備えた吹出口７４が形成された前
面板７５を嵌着し、該前面板７５の背面にヒータ
ー７６及びフアン７７からなる温風吹出部７８を
形成してなつている。

又、この温風ヒーター７１は、所望箇所に形成
された電源部及びコントロール部（不図示）に通
電することでその作動及び入切及び風量、温度制
御等が行われて、吸込口７２から吸気を行つて吹
出口７４から温風を吹出すとともに、換気を行う
ようになつている。

第１０図に示す実施例は、前記第９図における
温風吹出部７８に替えて、フアン７７を内蔵した
送風部７９ａを設け、該送風部７９ａに冷暖房装
置（不図示）に連通するダクト７９ｂを連結して
冷温風供給部７９を形成している。

又、図中８ａは収納凹部２１ｂ下面に開穿され
たダクト７９ｂ連結用の点検口で開閉自在な蓋８
ｂによつて閉口されている。

尚、前記第８図及び第９図に示す実施例におけ
るヒーター７６に替えて空気浄化機を配設するこ
とで脱臭フアンを形成するも任意である。

（考案の効果） 以上の様に本考案は、手洗器の下位に収納キヤ
ビネツトを備えた手洗いユニツトにおいて、上記
手洗器と収納キヤビネツトとを夫々別体に形成
し、該収納キヤビネツトをキヤビネツト体と巾木
体とに分割し、該巾木体の前面に蹴込面を設け、
該蹴込面後方に収納ボツクス又は冷暖房換気用機
器を形成するとともに、キヤビネツト体下縁に蹴
込面上縁と重なり合う寸法誤差吸収用の垂下面を
垂設したので、以下の効果を有する。

手洗器及び収納キヤビネツトの成形寸法誤差
及びその取付寸法誤差によつて生ずる様々な間
隔の〓間に対応して、各種サイズの巾木を用意
することなく前記〓間を吸収して開口部に〓間
なく嵌合取付けることができる手洗いユニツト
を提供し得る。

巾木体に冷暖房換気又は収納等の機能を持た
せることができるとともに、巾木体の取付けと
冷暖房換気機器又は収納ボツクスの取付けが同
時に行えるので、冷暖房換気機器又は収納ボツ
クスの取付けに際する手間を省くことができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は手洗い
ユニツトを開口部に取付けた状態の縦断側面図、
第２図は第１図の正面図、第３図は第２図の２−
２拡大断面図、第４図は係合凸片と枠状金具とが
係合した状態の拡大斜視図で一部切欠して示し、
第５図は枠状金具の拡大斜視図、第６図及び第７
図は夫々垂下面の変形例を示す他の実施例におけ
る要部拡大断面図、第８図は巾木体に温風ヒータ
ーを設けた他の実施例における正面図、第９図は
第８図の９−９拡大断面図、第１０図は巾木体に
冷温風供給部を設けた他の実施例における要部拡
大断面図である。 尚、図中１：手洗器、２：収納キヤビネツト、
２ａ：キヤビネツト体、２ｂ：巾木体、３１：蹴
込面、２１ｃ：垂下面、７：冷暖房換気用機器、
３：収納ボツクスとする。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手洗器の下位に収納キヤビネツトを備えた手洗
   いユニツトにおいて、上記手洗器と収納キヤビネ
   ツトを夫々別体に形成し、該収納キヤビネツトを
   キヤビネツト体と巾木体とに分割し、該巾木体の
   前面に蹴込面を設け、該蹴込面後方に収納ボツク
   ス又は冷暖房換気用機器を形成するとともに、キ
   ヤビネツト体下縁に蹴込面上縁と重なり合う寸法
   誤差吸収用の垂下面を垂設してなる手洗いユニツ
   ト。