JPH0411593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は衛生設備室に関する。

（従来の技術） 例えば浴槽や便器それに洗面器等の衛生機器を
単独若しくは複数種類組合せて室内に設備した所
謂衛生設備室は、日常の生活に不可欠な存在とし
て多様性に富み、最近では、部屋側壁に洗面カウ
ンターを突設したものが諸所に見受けられる。

斯かる衛生設備室の洗面カウンター下方の空間
は、好適な収納スペースとして三次元的に利用さ
れることが多く、そうした場合、数枚の化粧板か
ら成る囲いでカウンターの少なくとも一部の下方
を取囲み、見映え良くしており、囲いが部屋床面
にまで及ぶような場合、通常であれば、その下縁
沿いに幅木を設けて部屋床面との見切りを着けて
いる。

然るに、そうした囲い内の空間を収納スペース
として利用するには、外部との連結口が必要とな
る。

そこで、従来は、一部の化粧板のみを手前に開
かせるか、囲い全体を幅木と共に一体的に取外す
ようにしていた。

（考案が解決しようとする問題点） この為、前者の場合、囲い内に幅木上縁と面一
の底板を張つておかないと重量物を取出し憎く、
また、後者の場合には、囲いの置場所に困るとい
つた問題があつた。

本考案は斯かる従来の衛生設備室における問題
点を有効に解決すべく為されたもので、その目的
とする処は、洗面カウンターの下囲い内に底板を
張つておかずとも重量物の出し入れを支障なく行
なえ、しかも囲いの置場所に困るようなことのな
い衛生設備室を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案は、部屋側壁に
洗面カウンターを突設すると共にこのカウンター
の少なくとも一部の下方を化粧板で囲い、この化
粧板の下縁沿いに幅木を設けて部屋床面との見切
りを着けた衛生設備室において、上記化粧板の一
部と、上記幅木の対応する部分とを夫々取外し自
在とした。

（作用） 上記手段によれば、幅木を一部取外せるので、
化粧板の内方に位置する床面と外方の床面とが直
接面一に出会い、重量物であつても出し入れを支
障なく行なえる。また、化粧板の一部と幅木の対
応する部分を取外すだけなので、置場所にも困ら
ない。

（実施例） 以下、添付図面に基ずき、本考案の一実施例に
係る衛生設備室の説明を行なう。

先ず、第４図を参照して、衛生設備室の全体構
成に付き説明する。

第４図は衛生設備室全体の横断平面図である。

図中、Ｒは衛生設備室の全体を示す。衛生設備
室Ｒは、床パンPf上に適宜な壁パネルPw₁〜Pw₈
を建て並べコーナー部及び平部を壁パネル裏面の
フレームを利用してクランプバネを嵌合させるこ
とにより接続する。天井は壁パネル裏面上部のフ
レームに天井廻し縁を嵌合させ接続し全体として
箱型の部屋空間を画成することにより所謂スリー
インワンタイプのユニツト式バスルームとして構
成され、床パンPfは建物躯体の床上に設置され
ている。そして、正面右側の外開きドアDrを開
けると、タイル貼りの床面Ftが広がり、正面奥
に洗面カウンター１が、また左手にバスタブBt
が見える。洗面カウンター１は、平面視略Ｐ字状
のFRP製カウンター本体２とその湾曲左半部２
ａに設けられたボール形状の陶器製洗面器３とか
ら成り、蓋付きの上側点検孔Hiを備える直線状
右半部２ｂの下方がカウンターエプロン、即ち、
囲い４で覆われた収納スペースSaとなつている。
囲い４の手前には大便器５が据付けられ、温水を
噴出して利用者の股間部を洗浄する洗浄装置とし
てのウオシユレツト６が載設されている。ウオシ
ユレツト６は上記スペースSa中に置かれたコン
トロールボツクス７により機能面での制御を受
け、ボツクス７はトイレツトペーパーホルダRp
と同じ壁パネルPw₁に配設された操作パネル８か
ら指令信号を受けて作動する。図中、Oiは天井
に形成された点検用開口、Trは床下への排水用
トラツプである。

次いで、第５図を参照して、カウンター１の下
廻りの構造を説明する。

第５図は衛生設備室の要部断面図である。

カウンター１は、壁パネルPw₄より水平に突出
する一対のブラケツト９，９の各基端部及び先端
部からアーム１０……を出して洗面器３の縁部３
ａ下面を受け、同縁部３ａの上面にカウンター本
体２の湾曲左半部２ａを載置冠着し、その際カウ
ンター本体２外縁沿いの帯状垂下部２ｃでブラケ
ツト９の周りまで覆い隠し、カウンター本体２の
後縁部は側壁Wsに密着させ、以つて、同本体２
の右半部２ｂ下面を壁パネルPw₃やPw₂に突設し
たブラケツト１１やＬアングル１２等の支持材に
止着固定することにより、水平にセツトされてい
る。

カウンター１の本体左半部２ａ側の下方は、オ
ープンなメンテナンス用スペースSmとなつてい
る。そして、右半部２ｂ側下方の前記収納スペー
スSaを覆い隠す平面視略『へ』の字状（第４図）
の囲い４を化粧用ボード材１３と、その下縁沿い
に設けられた幅木１４とで構成し、夫々、壁パネ
ルPw₂より直角に出て壁パネルPw₃と平行に延在
する長辺側の部分、即ち、ボード１３ａ及び幅木
片１４ａを正面側に見せ、その各左縁より斜め後
方に折れて壁パネルPw₃に至る短辺側の部分、即
ちボード１３ｂ及び幅木片１４ｂで両スペース
Sa，Sm間を仕切つている。

メンテナンス用スペースSmでは、洗面器３の
下底中央から室外への排水管Poが導出され、そ
の左右に室外よりの給湯管１５及び給水管１６が
並走しており、管１５，１６は連通管路１５ａ，
１６ａを介してカウンター１上面に臨む湯水混合
栓Vhに接続され、途中、夫々、分枝１７，１８
が引き出されている。

一方、収納スペースSaには上方寄りにロータ
ンクTlを配設し、その下底から導出したフラツ
シユパイプFlを囲い４の正面ボード１３ａに開口
する不図示の取合穴を介して手前の大便器５（第
４図）に接続している。そして、パイプFl下方に
設置したコントロールボツクス７の受湯ポート７
ａ及び受水ポート７ｂに上記給湯及び給水管１
５，１６よりの分枝１７，１８を導き、ボツクス
７からは室内側及び室外側への連絡配管配線群
Gi，Goを取外し、前者Giは正面ボード１３ａの
もう一つの取合穴１９に嵌着されたコンジツト２
０に導入し、後者Goは壁パネルPw₃に開口する
取合穴２１から導出する。

以上において、本実施例では、洗面カウンター
１下方の収納スペースSaを覆う囲い４の化粧用
ボード材１３と幅木１４を、そのメンテナンス用
スペースSmに臨む各部分、即ち、ボード１３ｂ
及び幅木片１４ｂが共に取外し自在となる如く構
成している。

ここで、第１図乃至第３図を参照して洗面カウ
ンター１下方の囲い４の具体的構造に付き説明す
る。

第１図は洗面カウンター下方の囲いの展開図、
第２図は同要部の拡大図、第３図は第２図の３−
３線拡大断面図で化粧要ボード材の着設状態を併
せ示したものである。

囲い４は、支持フレーム２２と、これに張られ
た前記化粧用ボード材１３及び幅木１４とにより
出隅形状に構成される。

フレーム２２は、側壁Wsに止着固定された両
端の縦枠２３，２４及び床Ft上に立設された出
隅部の支柱２５と、その上部２３ａ，２４ａ，２
５ａ外側面間（即ち、２３ａ−２５ａ間と２５ａ
−２４ａ間）及び下部２３ｂ，２４ｂ，２５ｂ外
側面間（即ち、２３ｂ−２５ｂ間と２５ｂ−２４
ｂ間）に止着架設された上枠２６，２７及び下枠
２８，２９とから成り、縦枠２３，２４及び支柱
２５には、夫々、直角、鋭角及び鈍角のアングル
材が、また、上枠２６，２７及び下枠２８，２９
には長方形断面の細板材が使用されている。そし
て、長辺側の上枠２６及び下枠２８は、その両端
部を対応する縦枠２３と支柱２５の各外側面２３
ｃ，２５ｃに全幅に亘り当接させて、止着固定さ
れており、一方、短辺側の上枠２７及び下枠２９
は縦枠２４の外側面２４ｃの場合その略全幅に及
ぶようにするが、支柱２５の対応する外側面２５
c′に対してはその略半幅のみに当接させて、ビス
止めされ、外側面２５c′のみ残りの半幅側には、
上枠２７及び下枠２９より夫々若干下方及び上方
寄りの位置に、ボード受用金物としてのスクエア
ピース３０……が止着されている。

本実施例では、斯かる支持フレーム２２の短辺
側下枠２９の後面に、外形略『凹』字状の板材か
ら成る幅木キヤリア３１を止着垂設しており、キ
ヤリア３１の下端は床面Ftに及ぶ。

そして、正面ボード１３ａの左縁部を平面視略
は『乙』字状に成形することにより、内方へ折れ
込むデイスタント部ｄと外方へ折曲する止着部ｆ
とを設け、一方、短辺側ボード１３ｂの右縁部に
は内方へ折れ込むデイスタンス部d′のみを形成
し、ボ−ド１３ａの止着部ｆを前記ピース３０に
取付けた状態でデイスタント部ｄ，d′を添い合せ
ると、両ボード１３ａ，１３ｂの外面同士が面一
で出会うように構成している。また、短辺側ボー
ド１３ｂの上端部を後方且つ下方に折り込んで短
辺側上枠２７への係着片３２を設けると共に、下
端部後面に、幅木キヤリア３０の上縁切欠３１ａ
に係脱自在なスプリング３３を突設して、同ボー
ド１３ｂを支持フレーム２２に対し着脱自在とし
ている。尚、ボード１３ａ又は１３ｂの他の縁部
は、適宜なデイスタント部とフレーム２２への止
着部又は側壁Wsへの当接部（例えば、第３図に
示す、ボード１３ｂの左縁部ｃ）を備えて構成す
るのであれば良い。

囲い４の取付は、先ず支持フレーム２２を組立
てて、縦枠２３と支柱２５の各下端部２３ｄ，２
５ｄに長辺側の幅木片１４ａを、また幅木キヤリ
ア３１の両端部に短辺側の幅木片１４ｂを夫々止
着し、以つて、フレーム２２に長辺側のボード１
３ａを止着し、更に短辺側ボード１３ｂを係着し
て行なう。また、幅木片１４ｂの取外しは、ボー
ド１３ｂを手で外した後、下枠２９の両端のビス
２９ａ，２９ｂをドライバー等で回せば、キヤリ
ア３１と共に手前に外せる。本実施例では、幅木
片１４ａの左端部と１４ｂの右端部とを枢着して
おくが、別体としても良い。

尚、支柱２５には上方への延出部２５ｅ設け、
その頂部に支持片３４を取付けてカウンター本体
２（第４図）の右半部２ｂ下面を支承せしめる。
また、正面ボード１３ａには、図示の前記取合穴
１９の外にも、所要の取合用開口やビス穴等を適
宜形成する。

上記実施例によれば、部屋側壁Wsに洗面カウ
ンター１を突設すると共にそのカウンター本体２
の右半部２ｂ下方の空間を化粧用ボード材１３と
幅木１４とから成る囲い４で覆つて収納スペース
Saを画成し、この収納スペースSaにウオシユレ
ツト６のコントロールボツクス７を設置した衛生
設備室Ｒにおいて、メンテナンス用スペースSm
に臨むボード１３ｂと幅木片１４ｂとの双方を取
外し自在としている為、これらを取外した時、ス
ペースSa側の床面FtとSm側の床面Ftとが直接面
一に出会い、コントロールボツクス７の出し入れ
を支障なく行なえる。また、短辺側のボード１３
ｂと、これに対応する下枠２９及び幅木片１４ｂ
それにキヤリア３１を取外すだけなので置場所に
も困らない。

（考案の効果） 以上の説明により明らかな如く、本考案によれ
ば、部屋側壁に洗面カウンターを突設すると共に
このカウンタの少なくとも一部の下方の化粧板で
囲い、この化粧板の下縁沿いに幅木を設けて部屋
床面との見切りを着けた衛生設備室において、上
記化粧板の一部と、上記幅木の対応する部分とを
夫々取外し自在としているので、化粧板の内方に
位置する床面と外方の床面とが直接面一に出会
い、重量物であつても出し入れを支障なく行な
え、また、化粧板の一部と幅木の対応する部分を
取外すだけなので、置場所にも困らない等多くの
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に付き示したもので、
第１図は洗面カウンター下方の囲いの展開図、第
２図は同要部の拡大図、第３図は第２図の３−３
線拡大断面図で化粧用ボード材の着設状態を併せ
示したもの、第４図は衛生設備室全体の横断平面
図、第５図は衛生設備室の要部断面図である。 尚、図中、１は洗面カウンター、２はカウンタ
ー本体、２ａは同本体の右半部、４は囲い、１３
は化粧用ボード材、１３ｂは短辺側ボード、１４
は幅木、１４ｂは短辺側幅木片、２２は支持フレ
ーム、２９は短辺側下枠、３１は幅木キヤリア、
Btはバスタブ、Ftは床面、Ｒは衛生設備室であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 部屋側壁に洗面カウンターを突設すると共に
   該カウンターの少なくとも一部の下方を化粧板
   で囲い、該化粧板の下縁沿いに幅木を設けて部
   屋床面との見切りを着けた衛生設備室におい
   て、 前記化粧板の一部と、前記幅木の対応する部
   分とを夫々取外し自在としたことを特徴とする
   衛生設備室。 (2) 前記衛生設備室はユニツト式バスルームであ
   ることを特徴とする前記実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の衛生設備室。