JPH0421885Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、衛生設備等に設けられる洗面ユニツ
トに係り、特にパブリツク設備用として最適な洗
面ユニツトに関する。

〔従来の技術〕

従来、洗面器及び水栓を備えた洗面ユニツトと
して、第１図及び第２図に示すようにカウンター
５０をブラケツト５１によつて支持するものが一
般に主としてパブリツク用として利用されてい
る。ブラケツト５１は壁面５２にアンカーボルト
５３を利用して固定され、その上面にカウンター
５０を載せてこれを支持している。

このうようにブラケツト５１を利用する場合で
は、カウンター５０のレベルはブラケツト５１の
取付け状態によつて決定される。このため、ブラ
ケツト５１のレベル設定や姿勢等を高い精度で行
う必要があるが、２本のブラケツト５１をそれぞ
れ適正に壁面５２に固定するにはかなりの熟練が
必要であり、施工性に難点があつた。また、カウ
ンター５０の重量を支持するために、壁面５２の
強度を大きくする必要があり、取付位置によつて
は補強工事を行なわなければならない。

このようなブラケツト５１を利用した支持構造
に代えて、第３図に示すようにカウンター５０を
箱型のキヤビネツト５５の上に載置するようにし
たものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、キヤビネツト５５を通常の収納用と
して扉５６や引き出し５７を設けることは、必ず
しもパブリツク用としては好ましくない。たとえ
ば、扉や引き出しをキヤビネツト５５に含めると
コスト高になり、またパブリツク用として用いる
場合にはこれらの収納部は不要であり、却つてい
たずらされやすい。

更に、カウンター５０のエプロン５０ａが扉５
６と引き出し５７の開閉に支障がないように、カ
ウンター５０のレベルをスペーサ５８によつて嵩
上げする必要がある。このため、カウンター５０
のレベルを一定とした場合、キヤビネツト５５の
有効高さはエプロン５０ａの分だけ低くなり、収
納容量は小さくなつてしまう。したがつて、収納
機能をキヤビネツト５５に持たせていても、パブ
リツク専用とする場合では、収納部は必要でない
ことや収納容量も小さくなることから、扉５６や
引き出し５７を設けること自体が無駄になる。

また、第４図に示すように、カウンター５０の
下面から洗面ボール５９が下に突き出るため、キ
ヤビネツト５５はこの洗面ボール５９と干渉しな
い据付けが必要となる。このため、左右のキヤビ
ネツト５５の間の距離は或る一定以上に制限さ
れ、据付間口が狭い場合には設置できないことも
ある。

以上のように、キヤビネツトをカウンターの支
持に兼用する場合では、引き出しや扉を利用した
収納部を設けることは、パブリツク施設としては
却つて不適当であり、エプロン付きであれば収納
自体の機能が十分に果たせない。また、洗面ボー
ルによつて据付間口の大きさも制限され、据付の
自由度も小さくなる等の問題がある。

そこで、本考案は、主としてパブリツク設備用
として適切に利用できしかも間口が狭くても支障
なく設置できるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、カウ
ンターから下へ突き出る洗面ボールを備え、前記
カウンターの間口方向の両端部の下面を受けて支
持する一対のキヤビネツトを設けた洗面ユニツト
であつて、前記一対のキヤビネツトは、正面から
見て据付け間口の外側を向いた面に側板と、該側
板の前縁及び背縁にそれぞれ一体化されて間口方
向に伸び且つその伸延端を開放した２枚の幕板と
を備え、前記２枚の幕板どうしの距離を前記洗面
ボールの奥行き寸法よりも大きくし、更に前記一
対のキヤビネツトのそれぞれを、前記側板が据付
け間口方向の外側に向いた姿勢に配置し、前記キ
ヤビネツトの２枚の幕板の間に前記洗面ボールが
入り込む位置まで該キヤビネツトを間口方向へ設
置可能としたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を
具体的に説明する。

第５図は本考案に係る洗面ユニツトを示す斜視
図である。

図において、１は中央部分に洗面ボール２を下
に突き出して取り付けたカウンターであり、その
先端には下に垂れ下がるエプロン３を形成してい
る。また、洗面ボール２の近傍には水栓４が設け
られている。カウンター１は、その間口方向の両
端部を一対のキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌによつ
て支持されている。そして、これらのキヤビネツ
ト５−Ｒ，５−Ｌは同一構造であり、第６図に示
すように互いを左右対称となるようにレイアウト
して床に据え付ける。

右側のキヤビネツト５−Ｒは、レベル調整用の
アジヤスタ６を下面に取付けた台座７及びこの台
座７に固定した底板８によつてその下端部が構成
されている。そして、底板８には、第５図及び第
６図において洗面ユニツトの間口方向の端部に位
置する側板１１が立ち上げ固定されると共に、奥
行き方向の前面には第１幕板９及び背面には第２
幕板１０をそれぞれ設けている。また、内部には
１枚の棚板１２が取り付けられ、上下に２段の収
納部が形成されている。

第１幕板９及び第２幕板１０が中央側を向いた
端縁９ａ，１０ａ側は開放され、キヤビネツト５
−Ｒは洗面ボール２側をオープンとしている。ま
た、第１幕板９、第２幕板１０及び側板１１の上
端９ｂ，１０ｂ，１１ｂも、カウンター１が直接
載る面として開放されている。すなわち、第６図
に示すように、キヤビネツト５−Ｒは前面、背面
及び間口方向の外側面の三方が区画された水平横
断面を持ち、間口方向の中央側及び上方が開いた
構成となつている。そして、第１、第２幕板９，
１０との間の距離は、カウンター１の下面に突き
出た洗面ボール２の奥行き寸法よりも大きい。

また、既に述べたようにキヤビネツト５−Ｒ，
５−Ｌは同一構造であり、それぞれ洗面ユニツト
に中心の鉛直線に対して対称にこれらのキヤビネ
ツト５−Ｒ，５−Ｌがレイアウトされる。このた
め、キヤビネツトとしては同一仕様のものを一組
用意すればよい。したがつて、左側のキヤビネツ
ト５−Ｌは右側のキヤビネツト５ーＲと同一キヤ
ビネツトを使用することができ、対応する部材に
は右側のキヤビネツト５−Ｒと同じ番号を付して
いる。

なお、１３は第１、第２幕板９，１０の上端に
取付けられ、ビス（図示せず）によつてカウンタ
ー１を固定するための連結金具である。

キヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌを用いて洗面ユニ
ツトを取付施工する要領は次のとおりである。

まず、キヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌを第６図に
示すように、第１、第２幕板９，１０のそれぞれ
の端縁９ａ、１０ａが対向するように配置する。
すなわち、それぞれの第１、第２幕板。９，１０
を対角線配置として、これらの第１、第２幕板
９，１０の間の開放部分が対向する姿勢としてレ
イアウトする。そして、それぞれのキヤビネツト
５−Ｒ，５−Ｌのレベルをアジヤスタ６によつて
調整して、第１、第２幕板９，１０及び側板１１
のそれぞれの上端９ｂ，１０ｂ，１１ｂを同じ高
さに設定する。

次に、カウンター１を第５図のように左右のキ
ヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌの上に載せ、連結金具
１３にビス（図示せず）を差し込んでカウンター
１をこれらのキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌに固定
する。そして、水栓４への給水配管及び洗面ボー
ル２からの排水配管を行う。

ここで、間口方向に配置した左右のキヤビネツ
ト５−Ｒ，５−Ｌは、それぞれ洗面ボール２側を
向く面及び上面が開放している。そして、奥行き
方向に配置する第１、第２幕板９，１０の間の距
離をカウンター１から下に突き出る洗面ボール２
の奥行き寸法よりも大きくしておけば、洗面ボー
ル２を含むようにキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌを
第７図のように位置させることができる。このた
め、据付間口が狭い場合では、第７図のように左
右のキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌの間隔を小さく
すると共にカウンター１の両端も間口に合わせて
カツトすれば、洗面ボール２がキヤビネツト５−
Ｒ，５−Ｌの中に納まる据え付けが行える、した
がつて、据付間口が現場によつて異なつていて
も、洗面ボール２がキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌ
に干渉しない組み込みができるため、据付条件の
制限を受けることのない施工が可能となる。

また、カウンター１にエプロン３を設けた場合
には、キヤビネツトに引き出しや扉がある場合に
はこれらと干渉しないようにカウンター１のレベ
ルを上げる嵩上げが必要となる。これに対して、
キヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌの前面は第１、第２
幕板９，１０があるだけなので、扉等の開放スペ
ースが不要となる。このため、嵩上げ等の構造を
省略でき、据付作業が簡単に行えると共にコスト
の低減も可能となる。また、カウンター１のエプ
ロン３が垂れ下がつていても、使い勝手には全く
影響がない。

更に、第１、第２幕板９，１０によつてキヤビ
ネツト５−Ｒ，５−Ｌの内部は前面から覗けない
ようになつている。このため、キヤビネツト５−
Ｒ，５−Ｌの間に潜り込まない限り、これらの内
部を悪用されるといつたこともない。また、左右
のキヤビネツト５−Ｒ，５−Ｌは共通の製品で賄
えるので経済的であることや、備品等の盗難防止
の対策も或る程度達成できるので、パブリツク設
備用として最適に利用できる。

なお、パブリツク専用だけでなく、一般家庭用
としても建屋に組み込めることは無論である。こ
の場合でも、引き出しや扉を持つ収納部付きのキ
ヤビネツトに比べるとコスト安となるほか、間口
が狭くても簡単に据え付けできる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案では、カウンタ
ーの両端部に配置した一対のキヤビネツトの上面
及びカウンターの洗面ボール側を向く面を開放す
ると共に、キヤビネツトの正面を幕板によつて形
成している。このため、キヤビネツトの中に洗面
ボールが入り込むレイアウトが可能なので、間口
に合わせて洗面ユニツトの間口寸法を大きくした
り小さくできる。したがつて、据え付け間口に応
じてカウンターを適切にカツトすれば、据付の制
限を受けることなく施工できる。また、キヤビネ
ツトの前面は幕板として閉じているので、引き出
しや扉等の収納部を設ける場合よりもコスト安と
なり、左右のキヤビネツトを同一仕様品とすれば
更に経済的である。一方、カウンターの下に潜り
込まない限りキヤビネツトの中を窺うことができ
ないので、主としてパブリツク設備用として廉価
で提供でき、キヤビネツトの中も荒らされること
がなく掃除道具等の保管用としても有効利用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗面ユニツトの取付状態を示す
正面図、第２図は同側面図、第３図は従来のカウ
ンタに載置する方式の洗面ユニツトの斜視図、第
４図は同正面図、第５図は本考案に係る洗面ユニ
ツトを示す斜視図、第６図はキヤビネツトの配列
を示す斜視図、第７図は間口寸法を小さくしたと
きの概略正面図である。 １……カウンター、２……洗面ボール、３……
エプロン、４……水栓、５−Ｒ、５−Ｌ……キヤ
ビネツト、６……アジヤスタ、７……台座、８…
…底板、９……第１幕板、１０……第２幕板、９
ａ，１０ａ……端縁、１１……側板、９ｂ，１０
ｂ，１１ｂ……上端、１２……棚板、１３……連
結金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カウンターから下へ突き出る洗面ボールを備
   え、前記カウンターの間口方向の両端部の下面を
   受けて支持する一対のキヤビネツトを設けた洗面
   ユニツトであつて、 前記一対のキヤビネツトは、正面から見て据付
   け間口の外側を向いた面に側板と、該側板の前縁
   及び背縁にそれぞれ一体化されて間口方向に伸び
   且つその伸延端を開放した２枚の幕板とを備え、 前記２枚の幕板どうしの距離を前記洗面ボール
   の奥行き寸法よりも大きくし、 更に前記一対のキヤビネツトのそれぞれを、前
   記側板が据付け間口方向の外側に向いた姿勢に配
   置し、 前記キヤビネツトの２枚の幕板の間に前記洗面
   ボールが入り込む位置まで該キヤビネツトを間口
   方向へ設置可能としたことを特徴とする洗面ユニ
   ツト。