JPH07278360A - 繊維強化弾性体及びその製造方法 - Google Patents
繊維強化弾性体及びその製造方法Info
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- JPH07278360A JPH07278360A JP7081094A JP7081094A JPH07278360A JP H07278360 A JPH07278360 A JP H07278360A JP 7081094 A JP7081094 A JP 7081094A JP 7081094 A JP7081094 A JP 7081094A JP H07278360 A JPH07278360 A JP H07278360A
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Abstract
ックス中に、熱可塑性ポリアミドが微細繊維状に分散し
ており、該微細繊維がシランカップリング剤を介してマ
トリックスと結合している繊維強化熱可塑性組成物に、
追加のエラストマーを混練して、エラストマー100重
量部に対して、ポリオレフィンが1〜40重量部、熱可
塑性ポリアミドが1〜70重量部となるようにした繊維
強化弾性体。 【効果】モジュラス及び耐疲労性の方向性が少ない。無
人で連続的に製造できる。
Description
ラス及び強度に優れた繊維強化弾性体に関する。本発明
の繊維強化弾性体は、タイヤにおけるドレッドやサイド
ウォール等のタイヤ外部部材、カーカス、ビード、ベル
ト、チェーファー等のタイヤ内部部剤や、ホース、ベル
ト、ゴムロール、ゴムクローラー等の工業製品に好まし
く用いられる。
リブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等の加硫
可能なゴム中に短繊維を分散させモジュラスや強度等を
改善した組成物、即ち繊維強化弾性体は、エラストマー
にナイロン、ポリエステル、ビニロン等の短繊維を配合
し、必要に応じて加硫するという方法で製造されてき
た。
は、自動車のタイヤ部材等として用いるには、強度や伸
びが不足していたので、これらの点を改善した繊維強化
弾性体が求められていた。このような要求に応える繊維
強化弾性体として、例えば、ナイロン等の短繊維がサブ
μの平均繊維径を有する微細な繊維である繊維強化弾性
体が提案された。かかる繊維強化弾性体は、例えば、加
硫可能なゴムとナイロン及び結合剤をナイロンの融点以
上の温度で溶融混練し、得られた混練物を当該ナイロン
の融点以上の温度で紐状に押し出し、得られた紐状物を
延伸又は圧延するという方法により得られる繊維強化ゴ
ム及びこれに追加の加硫可能なゴム及び加硫剤を配合し
加硫するという方法で得られる。かかる製法において結
合剤としてレゾール型アルキルフェノールホルムアルデ
ヒド系樹脂の初期縮合物を用いた製法は特開昭58−7
9037に、結合剤としてノボラック型アルキルフェノ
ールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を用いた製法
は特開昭59−43041に、結合剤としてシランカッ
プリング剤を用いた製法は特開昭61−225858に
記載されている。
は、引張強度やモジュラスに優れるだけでなく、高い引
き裂き抵抗性を有しており、且つ伸びも大きいという特
徴を有する。しかし、上記の繊維強化ゴムは加硫可能な
ゴム中にナイロン等の微細な繊維が分散した構造を有し
ているので、ペレット化は極めて困難でありシート状或
いは塊状でしか得られなかった。又、ナイロンを大量に
配合した場合、極めて固くなるという問題もあった。こ
のため、この繊維強化ゴムは、他の加硫可能なゴムや加
硫剤と配合するとき人手により切断しなければならず、
また、繊維強化ゴム中のナイロンの繊維や加硫可能なゴ
ムが充分に分散しないことがあった。これを防止するた
めには、混練時間を延長したり、繊維強化ゴムを加温し
軟化させてから加硫可能なゴム等を配合したりする等す
る必要があり、このことが強化弾性体の生産性の低下や
コスト上昇の原因となってきた。この繊維強化ゴムは、
繊維の配向方向のモジュラスや耐疲労性は高いものの、
繊維の配向方向と直角の方向のモジュラスや耐疲労性は
極めて低いという問題があった。本発明は、これらの問
題を解決し、生産性に優れ且つ低コストで製造でき、且
つモジュラスや耐疲労性についても繊維の配向方向とこ
れと直角の方向とで差が少ない繊維強化弾性体、及びそ
の製造法を提供することを目的とする。
ン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中にアミド基を
有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物であって、
(a)成分と (b)成分がマトリックスを構成しており、該
マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として分散して
おり、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)成分と結
合している繊維強化熱可塑性組成物、及び (B)第2のエラストマー、を混練してなる繊維強化弾性
体であって、且つ、第1と第2のエラストマーの合計量
100重量部に対し、 ポリオレフィンの割合・・・1〜40重量部、 主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細な繊
維の割合・・・1〜70重量部、 である繊維強化弾性体、及びその製造方法に関する。
又、本発明は、 (A)繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a) ポリオレフィ
ン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中にアミド基を
有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物であって、
(a)成分と (b)成分がマトリックスを構成しており、該
マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として分散して
おり、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)成分と結
合している繊維強化熱可塑性組成物、及び (B)第2のエラストマー、を混練してなる繊維強化弾性
体であって、第1と第2のエラストマーの合計量100
重量部に対し、 ポリオレフィンの割合・・・1〜40重量部、 主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細な繊
維の割合・・・1〜70重量部、 であり、且つ、第1のエラストマー及び/又は第2のエ
ラストマーが加硫されている繊維強化弾性体、及びその
製造方法に関する。
塑性組成物、即ち (a)ポリオレフィン及び (b)エラスト
マーからなるマトリックス中に、(c) 熱可塑性ポリアミ
ド等の主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微
細な繊維が分散している熱可塑性組成物に、追加のエラ
ストマー即ち第2のエラストマーを混練した組成物であ
る。また、この組成物に更に硫黄などの加硫剤及び必要
に応じて加硫助剤を添加して、加硫したものも含む。
られる繊維強化熱可塑性組成物及び第2のエラストマー
について説明する。最初に繊維強化熱可塑性組成物につ
いて説明する。この繊維強化熱可塑性組成物は、 (a)ポ
リオレフィン、 (b)エラストマー(以下第1のエラスト
マーという)、及び (c)主鎖中にアミド基を有する熱可
塑性ポリマーを主要な構成成分とし、(a) 成分と(b) 成
分とがマトリックスを成しており、(c) 成分の殆どが微
細な繊維として当該マトリックス中に分散しているとい
う構造を有している。そして、(c) 成分の微細な短繊維
は、当該マトリックスと結合している。
成分、(b) 成分、及び(c) 成分について説明する。
0〜250℃の融点を有するものである。又、50℃以
上のビカット軟化点、特に50〜200℃のビカット軟
化点をもつものも好ましく用いられる。このようなポリ
オレフィンとしては、C2 〜C8 のオレフィンの単独重
合体や共重合体、及び、C2 〜C8 のオレフィンとスチ
レンやクロロスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族
ビニル化合物との共重合体、C2 〜C8 のオレフィンと
酢酸ビニルとの共重合体、C2 〜C8 のオレフィンとア
クリル酸或いはそのエステルとの共重合体、C2 〜C8
のオレフィンとメタアクリル酸或いはそのエステルとの
共重合体、及びC2 〜C8 のオレフィンとビニルシラン
化合物との共重合体が好ましく用いられるものとして挙
げられる。具体的には、例えば、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロ
ピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダ
ム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ4−メチル
ペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレ
ン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸
プロピル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合
体、エチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合
体、エチレン・アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、
エチレン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレ
ン・ビニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビ
ニルシラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及
びプロピレン・スチレン共重合体、等がある。又、塩素
化ポリエチレンや臭素化ポリエチレン、クロロスルホン
化ポリエチレン等のハロゲン化ポリオレフィンも好まし
く用いられる。これらのポリオレフィンは1種のみ用い
てもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
は、第1のエラストマーであって、室温でゴム状の所謂
エラストマーと呼ばれる高分子ならどのようなのでも用
い得るが、好ましいものとしてはガラス転移点温度が0
℃以下のエラストマー、特に好ましいものとしてはガラ
ス転移点温度が−20℃以下のエラストマーが挙げられ
る。
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン
・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴ
ム、ニトリル・クロロプレンゴム、ニトリル・イソプレ
ンゴム、アクリレート・ブタジエンゴム、ビニルピリジ
ン・ブタジエンゴム、ビニルピリジン・スチレン・ブタ
ジエンゴム、スチレン・クロロプレンゴム、スチレン・
イソプレンゴム、カルボキシル化スチレン・ブタジエン
ゴム、カルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン
・イソプレンブロック共重合体、カルボキシル化スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体、カルボキシル化スチ
レン・イソプレンブロック共重合体等のジエン系ゴム、
塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン
ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エ
チレン・ブテンゴム、エチレン・ブテン・ジエン三元共
重合体等のポリオレフィン系ゴム、ポリ塩化三フッ素化
エチレン、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、フッ
素ゴム、水素添加NBR等の、ポリメチレン型の主鎖を
有するゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エ
ピクロロヒドリン重合体、エチレンオキシド・エピクロ
ロヒドリン・アリルグリシジルエーテル共重合体、プロ
ピレンオキシド・アリルグリシジルエーテル共重合体
等、主鎖に酸素原子を有するゴム、ポリフェニルメチル
シロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチ
ルシロキサン、ポリメチルブチルシロキサン等のシリコ
ーンゴム、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ニトロ
ソゴム、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン
等、主鎖に炭素原子の他窒素原子及び酸素原子を有する
ゴム、等が挙げられる。又、これらのゴムをエポキシ変
性したものや、シラン変性、或いはマレイン化したもの
も好ましく用いられる。
は、主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーであっ
てシランカップリング剤で変性されたものである。
としては、熱可塑性ポリアミド及び尿素樹脂が挙げられ
る。これらの内、好ましいものとしては融点が135℃
から350℃のものが挙げられ、特に好ましいものとし
て融点が150℃から300℃の熱可塑性ポリアミドが
挙げられる。
6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合
体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシ
リレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレン
ジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミ
ンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとア
ゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシ
ン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタル酸
の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の
重縮合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸の重
縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソフタ
ル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフタル
酸の重縮合体等が挙げられる。
ましいものとしては、、最も好ましいものとしては融点
160〜265℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられ、具
体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイ
ロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン46、ナイロン11、及びナイロン12等が挙
げられる。
て、(a) 成分と(b) 成分はマトリックスを形成してい
る。このマトリックスは、 (b)成分が (a)成分中に島状
に分散した構造を採っていてもよく、又、その逆に (a)
成分が (b)成分中に島状に分散した構造を採っていても
よい。(a) 成分と(b) 成分は、その界面で互いに結合し
ていることか好ましい。
上記マトリックス中に分散している。具体的には、その
70重量%、好ましくは80重量%、特に好ましくは9
0重量%以上が微細な繊維として分散している。(c) 成
分の繊維は、平均繊維径が1μm以下であることが好ま
しく、特に好ましい範囲は0. 05〜0. 8μmの範囲
である。アスペクト比(繊維長/繊維径)は10以上で
あることが好ましい。そして、(c) 成分は、(a) 成分及
び(b) 成分からなる上記マトリックスと、その界面で結
合している。これは例えば以下のようにして確かめるこ
とができる。先ず、(a) 成分及び(b) 成分のみを溶解す
る溶媒例えばキシレン等の中で繊維強化熱可塑性組成物
を還流し、(a) 成分及び(b) 成分を除去する。残った
(c) 成分の繊維を溶媒に溶かし、NMRを測定すると、
(a) 成分及び(b) 成分に由来するピークが観察できる。
このことは、当該繊維の表面に(a) 成分及び(b) 成分が
何らかの形で結合していることを示していると考えられ
る。
は次の通りであることが好ましい。(a) 成分100重量
部に対し(b) 成分は10〜400重量部の範囲が好まし
く、特に20〜250重量部の範囲が好ましく、50〜
200重量部の範囲が最も好ましい。(a) 成分100重
量部に対し(b) 成分の割合が300重量部より多いと、
ペレット化の困難な繊維強化熱可塑性組成物しか得られ
ないから好ましくない。(c) 成分の割合は、(a) 成分1
00重量部に対し10〜400重量部の範囲であること
が好ましく、特に5〜300重量部の範囲が好ましく、
10〜300重量部の範囲が最も好ましい。(c) 成分の
割合が、(a) 成分100重量部に対し400重量部を越
えると、繊維強化熱可塑性組成物中で (c)成分の微細な
繊維が形成されないので、このような繊維強化熱可塑性
組成物を用いて繊維強化弾性体を製造しても、強度の高
い繊維強化弾性体は得られないからである。
な工程によりして製造できる。本発明の繊維強化熱可塑
性組成物は、以下の工程、即ち、(1)(a) 成分と (b)成
分からなるマトリックスを調製する工程、(2)(c) 成分
を結合剤と反応させる工程、(3)上記マトリックスと、
結合剤と反応させた(c) 成分とを溶融、混練する工程、
(4)得られた混練物を、(c) 成分の融点以上の温度で押
し出し、次いで(c) 成分の融点より低い温度で延伸及び
/又は圧延する工程、により製造できる。
ックスを調製する工程について説明する。(a)成分と
(b) 成分からなるマトリックスを調製するには、例えば
(a) 成分を先に結合剤とともに溶融混練して反応させ、
これと(b) 成分とを溶融・混練すればよい。又、(a) 成
分と(b) 成分とを結合剤とともに溶融、混練してもよ
い。溶融、混練は、樹脂やゴムの混練に通常用いられて
いる装置で行うことができる。このような装置として
は、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキス
トルーダー、オープンロール、一軸混練機、二軸混練機
等が挙げられる。
し0. 1〜2. 0重量部の範囲が好ましく、特に好まし
くは0. 2〜1. 0重量部の範囲である。結合剤の量が
0.1重量部よりも少ないと、強度の高い組成物が得ら
れず、2. 0重量部よりも多いとモジュラスに優れた組
成物が得られない。
チタネートカップリング剤、ノボラック型アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型アルキ
ルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体、有機過酸化物等、高分子のカップ
リング剤として通常用いられているものを用いることが
できる。これらの結合剤の内、(a) 成分や(b) 成分をゲ
ル化させることが少なく且つこれらの成分の界面に強固
な結合を形成し得る点で、シランカップリング剤が好ま
しい。シランカップリング剤としては、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシ
シラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタ
クリロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム
(クロライド)〕プロピルメトキシシラン、及びスチリ
ルジアミノシラン等、ビニル基、及びアルキロキシ基等
他から水素原子を奪って脱離し易い基及び/又は極性基
を有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
る際は、有機過酸化物を併用することができる。有機過
酸化物としては、1分半減期温度が、 (a)成分の融点或
いは(b) 成分の融点のいずれか高い方と同じ温度ないし
この温度より30℃程高い温度の範囲であるものが好ま
しく用いられる。具体的には1分半減期温度が110〜
200℃程度のものが好ましく用いられる。かかる有機
過酸化物としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ
−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−
t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシバレリン酸n−ブチルエステル、2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサ
ン)プロパン、パーオキシネオデカン酸2,2,4−ト
リメチルペンチル、パーオキシネオデカン酸α−クミ
ル、パーオキシネオヘキサン酸t−ブチル、パーオキシ
ピバリン酸t−ブチル、パーオキシ酢酸t−ブチル、パ
ーオキシラウリル酸t−ブチル、パーオキシ安息香酸t
−ブチル、パーオキシイソフタル酸t−ブチル等が挙げ
られる。
重量部に対し0. 01〜1. 0重量部の範囲が好ましい
プリング剤とともに溶融、混練してシラン変性する場合
において(b) 成分に天然ゴムやポリイソプレン、或いは
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体を用
いるときは、有機過酸化物を用いなくてもよい。天然ゴ
ムやポリイソプレン、及びスチレン・イソプレン・スチ
レンブロック共重合体のようにイソプレン構造を持つゴ
ムは、混練時にメカノケミカル反応によって主鎖の切断
が起こり、主鎖末端に−COO・基を有する一種の過酸
化物が生成し、これが上記の有機過酸化物とほぼ同様の
作用をすると考えられるからである。
る工程について説明する。(c) 成分は、予め結合剤と溶
融混練して反応させてから上記マトリックスと溶融混練
してもよいし、結合剤の存在下で上記マトリックスと溶
融混練してもよい。溶融混練は、樹脂やゴムの混練に通
常用いられている装置、例えばバンバリー型ミキサー、
ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープンロー
ル、一軸混練機、及び二軸混練機等で行うことができる
ことは、上記マトリックス調製の場合と同様である。
分と結合剤の合計量を100重量%としたとき、0. 1
〜5. 5重量%の範囲が好ましく、0. 2〜5. 5重量
%の範囲が特に好ましく、0. 2〜3重量%の範囲が最
も好ましい。
チタネートカップリング剤、ノボラック型アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型アルキ
ルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体、有機過酸化物等、高分子のカップ
リング剤として通常用いられているものを用いることが
できる。これらの結合剤の内、(c) 成分をゲル化させる
ことが少なく、且つマトリックスとの界面に強固な結合
を形成し得る点で、シランカップリング剤が最も好まし
い。シランカップリング剤としては、アルキルオキシ基
等、脱水反応や脱アルコール反応等により (c)成分の−
NHCO−結合の窒素原子と結合を形成し得る基を有す
るものがが挙げられる。かかるシランカップリング剤と
しては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン、ビニルト
リアセチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキシエチ
ル)−N,N−ジメチルアンモニウム(クロライド)〕
プロピルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、及びスチリルジア
ミノシラン、γ- ウレイドプロピルトリエトキシシラン
等が挙げられる。
分とを溶融、混練する温度は、(c)成分の融点以上であ
る必要がある。(C) 成分の融点よりも低い温度で溶融、
混練を行っても、混練物は、マトリックス中に(c) 成分
の微細な粒子が分散した構造にはならず、従って、係る
混練物を紡糸、延伸しても、(c) 成分は微細な繊維には
なり得ないからである。又、混練温度は、(a) 成分のポ
リオレフィンの融点又はビカット軟化点以上の温度であ
ることが好ましい。
いはインフレーションダイ又はTダイから押し出し、次
いでこれを延伸又は圧延する。
て、混練物中の(c) 成分の微粒子が繊維に変形する。こ
の繊維は、それに引き続く延伸又は圧延によって延伸処
理され、より強固な繊維となる。従って、紡糸及び押出
は(c) 成分の融点以上の温度で実施する必要があり、延
伸及び圧延は(c) 成分の融点よりも低い温度で実施する
必要がある。
いは圧延は、例えば、混練物を紡糸口金から押し出して
紐状乃至糸状に紡糸し、これをドラフトを掛けつつボビ
ン等に巻き取る等の方法で実施できる。ここでドラフト
を掛けるとは、紡糸速度よりも巻取速度を高くとること
をいう。巻取速度/紡糸速度の比(ドラフト比)は1.
5〜100の範囲とすることが好ましく、2〜50の範
囲とすることが特に好ましい。最も好ましいドラフト比
の範囲は3〜30である。
延ロール等で連続的に圧延することによっても実施でき
る。更に、混練物をインフレーション用ダイやTダイか
ら押し出しつつ、これをドラフトを掛けつつロール等に
巻き取ることによっても実施できる。又、ドラフトを掛
けつつロールに巻き取る代わりに圧延ロール等で圧延し
てもよい。
物はペレットとすることが好ましい。繊維強化熱可塑性
組成物は、ペレットとすることによって追加のエラスト
マー即ち第2のエラストマーと均一に混練できるからで
ある。
る。
マーとしては、先に繊維強化熱可塑性組成物の(b) 成分
の第1のエラストマーとして用いられたものと同様のも
のが用いられる。従って、室温でゴム状の所謂エラスト
マーと呼ばれる高分子ならどのようなのでも第2のエラ
ストマーとして用い得るが、好ましいものとしてはガラ
ス転移点温度が0℃以下のエラストマー、特に好ましい
ものとしてはガラス転移点温度が−20℃以下のエラス
トマーが挙げられる。
としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブ
タジエンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化
ブチルゴム、ニトリル・クロロプレンゴム、ニトリル・
イソプレンゴム、アクリレート・ブタジエンゴム、ビニ
ルピリジン・ブタジエンゴム、ビニルピリジン・スチレ
ン・ブタジエンゴム、スチレン・クロロプレンゴム、ス
チレン・イソプレンゴム、カルボキシル化スチレン・ブ
タジエンゴム、カルボキシル化アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、
スチレン・イソプレンブロック共重合体、カルボキシル
化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、カルボキシ
ル化スチレン・イソプレンブロック共重合体等のジエン
系ゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエ
チレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プ
ロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重
合体、エチレン・ブテンゴム、エチレン・ブテン・ジエ
ン三元共重合体等のポリオレフィン系ゴム、ポリ塩化三
フッ素化エチレン、アクリルゴム、エチレンアクリルゴ
ム、フッ素ゴム、水素添加NBR等の、ポリメチレン型
の主鎖を有するゴム、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー、エピクロロヒドリン重合体、エチレンオキシド・
エピクロロヒドリン・アリルグリシジルエーテル共重合
体、プロピレンオキシド・アリルグリシジルエーテル共
重合体等、主鎖に酸素原子を有するゴム、ポリフェニル
メチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチ
ルエチルシロキサン、ポリメチルブチルシロキサン等の
シリコーンゴム、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、
ニトロソゴム、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウ
レタン等、主鎖に炭素原子の他窒素原子及び酸素原子を
有するゴム、が挙げられる。第2のエラストマーとして
はこれらのゴムを1種のみもちいてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
ーと同一であってもよく異なっていてもよい。
と第2のエラストマーの合計量100重量部に対し、ポ
リオレフィンの割合は1〜40重量部、好ましくは2〜
30重量部、主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマ
ーの微細な繊維の割合は1〜70重量部、好ましくは2
〜55重量部である。ポリオレフィンの割合が40重量
部よりも多いと、ゴム弾性のない繊維強化弾性体しか得
られないという問題がある。一方、ポリオレフィンの割
合が1重量部より少ないと、繊維強化弾性体の物性、特
に耐疲労性が著しい方向性をもつようになり、繊維の配
向と直角の方向の物性が低くなるから好ましくない。微
細な繊維の割合が1重量部より少ないと、モジュラスの
低い繊維強化弾性体しか得られない。一方、微細な繊維
の割合が40重量部より多いと、伸びの小さな繊維強化
弾性体しか得られない。
維強化熱可塑性組成物と第2のエラストマーを混練して
製造することができる。得られる繊維強化弾性体中の第
1と第2のエラストマーの合計量に対するポリオレフィ
ン及び微細な繊維の割合が上記の範囲内にであれば、第
2のエラストマーと繊維強化熱可塑性組成物との混練割
合は特に限定されないが、第2のエラストマーと繊維強
化熱可塑性組成物との重量比が20/1〜0. 1/1、
特に10/1〜0. 5/1の範囲が、混練操作が行い易
い点で好ましい。
マーの混練温度は、当該繊維強化熱可塑性組成物中の微
細な短繊維を構成する熱可塑性ポリマーの融点よりは低
い必要がある。この熱可塑性ポリマーの融点より高い温
度で混練すると、繊維強化熱可塑性組成物中の微細な短
繊維が溶けて球状の粒子等に変形してしまうから好まし
くない。
ット状のものを用いることが好ましい。ペレット状の繊
維強化熱可塑性組成物を用いれば、繊維強化熱可塑性組
成物は第2のエラストマーと均一に混練でき、微細な繊
維が均一に分散した繊維強化弾性体が容易に得られるか
らである。
硫剤及び加硫助剤を一緒に混練してもよい。このときの
加硫剤の量は、第1及び第2のエラストマーの合計量1
00重量部に対して0. 1〜5. 0重量部、特に0. 5
〜3. 0重量部 の範囲が好ましい。加硫助剤の量は、
第1及び第2のエラストマーの合計量100重量部に対
して0. 01〜2. 0重量部、特に0. 1〜1. 0重量
部の範囲が好ましい。
黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の
金属酸化物等が用いられる(加硫剤についてももう少し
具体的に列挙した方がよいと思われます)。加硫助剤と
してはアルデヒド・アンモニア類、アルデヒド・アミン
類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、 チ
ウラム類、ジチオカルバメ−ト、キサンテート等が用い
られる。本発明の繊維強化弾性体に加硫剤等を添加した
場合の加硫温度は、100〜180℃程度が好ましい。
但し、加硫温度は、繊維強化弾性体中の微細な繊維を構
成する熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度である必要が
ある。この熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加硫を行う
と、折角繊維強化熱可塑性組成物の調製の段階で形成さ
れた繊維が溶けてしまい、モジュラスの高い繊維強化弾
性体が得られないからである。
カーボンブラック、ホワイトカーボン、活性炭酸カルシ
ウム、超微粉珪酸マグネシウム、ハイスチレン樹脂、フ
ェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロン
インデン樹脂、石油樹脂等の等の補強剤、炭酸カルシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、亜鉛華、珪藻
土、再生ゴム、粉末ゴム、エボナイト粉等各種の充填
剤、アミン・アルデヒド類、アミン・ケトン類、アミン
類、フェノール類、イミダゾール類、含硫黄系酸化防止
剤、含燐系酸化防止剤などの安定剤、及び各種含量を含
んでいてもよい。
耐疲労性については、従来の繊維強化弾性体と比較して
方向性が少なく、繊維の配向方向と直角の方向のモジュ
ラスや耐疲労性も優れている。本発明の繊維強化弾性体
は、各種のエラストマーと、繊維強化熱可塑性組成物、
即ちポリオレフィンと第1のエラストマー中に熱可塑性
ポリアミド等からなる微細な繊維が分散した組成物を混
練して製造できる。この繊維強化熱可塑性組成物は極め
て容易にペレット化できるから、第2のエラストマーと
極めて容易に且つ均一に混練でき、本発明の繊維強化弾
性体が容易に得られる。又、この混練は一軸混練機や二
軸混練機等のスクリュー混練機を用いて行えるので、繊
維強化熱可塑性組成物のペレットと第2のエラストマー
を自動的に供給する装置をスクリュー混練機に付加する
ことにより、本発明の繊維強化弾性体の無人生産も容易
に行える。
ついて具体的に説明する。実施例及び比較例において、
繊維強化熱可塑性組成物中の(c) 成分の分散形状の観
察、及び得られた繊維強化弾性体のモジュラス、引張強
度、伸び、及び定加重疲労について以下のようにして測
定した。 (1)繊維強化熱可塑性組成物中の(c) 成分の分散形状の
観察:各サンプルのペレットをo−ジクロルベンゼンと
キシレンの混合溶媒(容量比50:50)中で100℃
で還流して中のポリオレフィン及びエラストマーを抽
出、除去し、残った繊維を電子顕微鏡で観察した。 (2)繊維強化弾性体のモジュラス、引張強度、及び伸
び:繊維強化弾性体を打ち抜いて3号ダンベルとし、こ
れについてJISK6251に準拠して測定した。 (3)繊維強化弾性体の定加重疲労強度 繊維強化弾性体を打ち抜いて3号ダンベルとし、これに
70kg/cm2 の荷重を繰り返し掛けて引っ張り、ダンベ
ルが切断するまでの回数で評価した。
製、ウベポリプロ JI09 融点165〜170℃、
メルトフローインデックス9g/10分)を用い、(b)
成分として天然ゴム(NR、SMR−L)を、(c) 成分
としてナイロン6(宇部興産製、宇部ナイロン1030
B、融点215〜220℃、分子量30,000)を用
いた。(a) 成分は、当該(a) 成分100重量部に対し
0. 5重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、及び0. 1重量部の4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシバレリン酸n−ブチルエーテルと溶融混練し
て変性した。(c) 成分は、当該(c) 成分100重量部に
対し1. 0重量部のN−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランと溶融混練して変性した。
先ず、上記のようにして変性した(a) 成分100重量部
を、(b) 成分100重量部とバンバリー型ミキサーで混
練しマトリックスを調製した。これを170℃でダンプ
後ペレット化した。次いでこのマトリックスと(c) 成分
100重量部を、240℃に加温した二軸混練機で混練
し、混練物をペレット化した。得られた混練物を245
℃にセットした一軸押出機で紐状に押し出し、ドラフト
比10で引き取りつつペレタイザーでペレット化した。
得られたペレットをo−ジクロルベンゼンとキシレンの
混合溶媒中で還流して、ポリオレフィン及びNRを除去
し、残った繊維の形状や直径を電子顕微鏡で観察したと
ころ、平均繊維径0. 2μの繊維で有ることが確認でき
た。
合を、(a) 成分のポリプロピレン100重量部に対し2
00重量部に増量した以外は、サンプル1と同様にし
て、サンプル2を調製し、これをペレット化した。得ら
れたペレットをo−ジクロルベンゼンとキシレンの混合
溶媒中で還流して、ポリオレフィン及びNRを除去し、
残った繊維の形状や直径を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均繊維径0. 2μの繊維で有ることが確認でき
た。
00重量部、(c) 成分のナイロン6の割合を100重量
部とし、(a) 成分のポリプロピレンを使用しなかった以
外は、サンプル1と同様にしてサンプル3を調製した。
得られたサンプル3をo−ジクロルベンゼンとキシレン
の混合溶媒中で還流して、ポリオレフィン及びNRを除
去し、残った繊維の形状や直径を電子顕微鏡で観察した
ところ、平均繊維径0. 2μの繊維で有ることが確認で
きた。しかしサンプル3はうまくペレット化できなかっ
た。
を100重量部、 (b)成分の天然ゴムを75重量部、
(c)成分のナイロン6を87. 5重量部とした以外は、
サンプル1と同様にしてサンプル4を調製し、これをペ
レット化した。得られたペレットをo−ジクロルベンゼ
ンとキシレンの混合溶媒中で還流して、ポリオレフィン
及びNRを除去し、残った繊維の形状や直径を電子顕微
鏡で観察したところ、平均繊維径0. 2μの繊維で有る
ことが確認できた。
ナイロン6の繊維の形状を表1に示す。
繊維強化熱可塑性組成物(サンプル1、サンプル2)、
第2のエラストマー(NR)、カーボンブラック(HA
F)、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防
止剤(N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン、810−NA)、加硫促進剤(N−オキ
シジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ド、NS)を配合した。配合手順は、160℃にセット
したブラベンダープラストグラフに、NRと繊維強化熱
可塑性組成物を投入し30秒間素練りし、次いでカーボ
ンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、
老化防止剤を投入し4分間混練後、80℃にセットした
オープンロール上で硫黄及び加硫促進剤を配合した。得
られた配合物を145℃で30分間加硫して繊維強化弾
性体を得た。繊維強化熱可塑性組成物中のNRと第2の
エラストマーとして添加したNRの合計に対するナイロ
ン6の微細な繊維の割合は、5重量%(実施例1)から
50重量%(実施例6)の範囲であった。実施例1〜6
の強化弾性体は、全て、ナイロン6の微細な繊維がNR
中に均一に分散していた。 又、モジュラス(100
%、300%)、引張強さ、及び伸びを測定したとこ
ろ、100%モジュラスは66kg/cm2(実施例1)〜2
54kg/cm2(実施例6)と、ナイロンの微細な繊維の全
くない弾性体(比較例2)の21kg/cm2と比較して極め
て高い値となっていた。これは300%モジュラスの場
合についても同様であった。結果を表2に示す。
維強化熱可塑性組成物(サンプル3)、第2のエラスト
マー(NR)、カーボンブラック(HAF)、プロセス
オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N−フェ
ニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、
810−NA)、加硫促進剤(N−オキシジエチレン−
2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、NS)を配合
した。配合は実施例1〜6と同様の手順でおこない、得
られた配合物を145℃で30分間加硫して繊維強化弾
性体を得た。繊維強化熱可塑性組成物中のNRと第2の
エラストマーとして添加したNRの合計に対するナイロ
ン6の微細な繊維の割合は30重量%であった。この強
化弾性体中のナイロン6の微細な繊維の分散は不良であ
った。又、モジュラス(100%、300%)、引張強
さ、及び伸びを測定したところ、100%モジュラスは
174kg/cm2と高かったものの、伸びは110%しかな
かった。結果を表2に示す。
合せず、代わりにNRの割合を100重量部に増やした
他は、実施例1と同様にして弾性体を調製した。得られ
た弾性体には、ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られな
かった。モジュラス(100%、300%)、引張強
さ、及び伸びを測定したところ、100%モジュラスは
21kg/cm2、300%モジュラスは109kg/cm2であ
り、本願実施例1〜6のそれと比べ極めて低い値であっ
た。結果を表2に示す。
Rを75重量部、BR(UBEPOL BR)を20重
量部用いた以外は実施例1と同様にして繊維強化弾性体
を得た。繊維強化熱可塑性組成物中のNRと第2のエラ
ストマーとして添加したNR及びBRの合計に対するナ
イロン6の微細な繊維の割合は5重量%であった。この
強化弾性体中のナイロン6の微細な繊維の分散は良好で
あった。又、モジュラス(100%、300%)、引張
強さ、及び伸びを測定したところ、100%モジュラス
は62kg/cm2、300%モジュラスは182kg/cm2と高
く、伸びも450%と高かった。結果を表2に示す。
合せず、NRの割合を80重量部に増やした他は、実施
例1と同様にして弾性体を調製した。得られた弾性体に
は、ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られなかった。モ
ジュラス(100%、300%)、引張強さ、及び伸び
を測定したところ、100%モジュラスは27kg/cm2、
300%モジュラスは131kg/cm2であり、本願実施例
7のそれと比べ極めて低い値であった。結果を表2に示
す。
い、繊維強化熱可塑性組成物(サンプル4)、第2のエ
ラストマー(NR)、カーボンブラック(HAF)、プ
ロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N
−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジア
ミン、810−NA)、加硫促進剤(N−オキシジエチ
レン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、NS)
を配合した。配合及び加硫は、実施例1〜6と同様にし
て行って繊維強化弾性体を得た。繊維強化熱可塑性組成
物中のNRと第2のエラストマーとして添加したNRの
合計に対するナイロン6の微細な繊維の割合は、3重量
%(実施例8)から7重量%(実施例10)の範囲であ
った。実施例8〜10の強化弾性体は、全て、ナイロン
6の微細な繊維がNR中に均一に分散していた。これら
の強化弾性体について、モジュラス(100%、200
%、300%)、引張強さ、伸び、及び定荷重疲労(荷
重70kg/cm2 )等の物性を測定した。これらの繊維強
化弾性体は、モジュラス、引張強さ、伸び、及び定荷重
疲労等が、繊維の入っていない比較例2の加硫ゴムと比
較して格段に優れているだけでなく、モジュラスと定荷
重疲労については、方向性が少ないことが判った。結果
を表3に示す。
合せず、代わりにNRの割合を100重量部に増やした
他は、実施例8と同様にして弾性体を調製した。得られ
た弾性体には、ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られな
かった。この強化弾性体について、モジュラス(100
%、200%、300%)、引張強さ、伸び、及び定荷
重疲労(荷重70kg/cm2 )等の物性を測定した。モジ
ュラスと定荷重疲労については方向性は殆ど無かったも
のの、実施例8〜10の値に比べ格段に低かった。結果
を表3に示す。
(a) 成分の含まれていないサンプル3を15重量部用
い、第2のエラストマー(NR)の量を90重量部とし
た以外は、実施例8と同様にして繊維強化弾性体を調製
した。繊維強化熱可塑性組成物中のNRと第2のエラス
トマーとして添加したNRの合計に対するナイロン6の
微細な繊維の割合は、5重量%であった。この強化弾性
体について、モジュラス(100%、200%、300
%)、引張強さ、伸び、及び定荷重疲労(荷重70kg/
cm2 )等の物性を測定した結果、比較例4の繊維強化弾
性体は、モジュラス及び引張強については、繊維の配向
方向については、実施例2のものと殆ど差がない値を示
したが、繊維の配向と直角方向ののモジュラス及び耐疲
労性特性は極めて悪かった。結果を表3に示す。
Claims (8)
- 【請求項1】(A) 繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a) ポ
リオレフィン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中に
アミド基を有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物で
あって、 (a)成分と (b)成分がマトリックスを構成して
おり、該マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として
分散しており、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)
成分と結合している組成物、及び (B) 第2のエラストマー、を混練してなる繊維強化弾性
体であって、且つ第1と第2のエラストマーの合計量1
00重量部に対し、 ポリオレフィンの割合・・・1〜40重量部、 主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細な繊
維の割合・・・1〜70重量部、 である繊維強化弾性体。 - 【請求項2】(A)繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a) ポ
リオレフィン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中に
アミド基を有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物で
あって、 (a)成分と (b)成分がマトリックスを構成して
おり、該マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として
分散しており、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)
成分と結合している組成物、及び (B)第2のエラストマー、を混練してなる繊維強化弾性
体であって、第1と第2のエラストマーの合計量100
重量部に対し、 ポリオレフィンの割合・・・1〜40重量部、 主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細な繊
維の割合・・・1〜70重量部、であり、 且つ第1のエラストマー及び/又は第2のエラストマー
が加硫されている、繊維強化弾性体、 - 【請求項3】主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマ
ーの微細な繊維が0. 05〜1. 0μmの平均径を有す
る請求項第1項又は第2項に記載の繊維強化弾性体。 - 【請求項4】第1のエラストマー及び/又は第2のエラ
ストマーが加硫可能なゴムである、請求項第1項〜第3
項のいすれかに記載の繊維強化弾性体。 - 【請求項5】第1のエラストマー及び/又は第2のエラ
ストマーが熱可塑性エラストマーである、請求項第1項
〜第3項のいずれかに記載の繊維強化弾性体。 - 【請求項6】繊維強化熱可塑性組成物中のポリオレフィ
ンが50℃以上の軟化点又は80℃〜250℃の範囲の
融点を有している請求項第1項〜第5項のいずれかに記
載の繊維強化弾性体。 - 【請求項7】(A) 繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a) ポ
リオレフィン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中に
アミド基を有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物で
あって、 (a)成分と (b)成分がマトリックスを構成して
おり、該マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として
分散しており、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)
成分と結合している繊維強化熱可塑性組成物、及び (B) 第2のエラストマー、を混練する、請求項第1項に
記載の繊維強化弾性体の製造方法。 - 【請求項8】(A) 繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a) ポ
リオレフィン、(b) 第1のエラストマー、(c) 主鎖中に
アミド基を有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物で
あって、 (a)成分と (b)成分がマトリックスを構成して
おり、該マトリックス中に(c) 成分が微細な繊維として
分散しており、且つ、(c)成分が、(a) 成分、及び (b)
成分と結合している繊維強化熱可塑性組成物、及び (B) 第2のエラストマー、 (C) 加硫剤、を混練し、次いでこれを加硫する、請求項
第2項に記載の繊維強化弾性体の製造方法。
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