JP5183046B2 - 繊維強化弾性体 - Google Patents

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Description

本発明は、耐磨耗性に優れた繊維強化弾性体に関し、タイヤ、搬送ローラ、工業用ホース、工業用ベルト、日用雑貨品、自動車ホース等の種々の部材に用いられる繊維強化弾性体に関する。
特許文献1には、(A)繊維強化熱可塑性組成物と、(C)第2のエラストマーとを混練した繊維強化弾性体が開示されている。この繊維強化弾性体によれば、モジュラスや引張強さ等の強度特性に優れることが開示されている。
一方、市場においては、耐磨耗性に優れる繊維強化弾性体の要求が高い。
特許3379208号公報
しかし、上述の特許文献1に開示の技術は耐磨耗性について開示がないことから、耐磨耗性についての改善が図られていない。一般に、耐磨耗性に優れる弾性体としては、ポリウレタンエラストマーが知られているが、ポリウレタンエラストマーは製造工程が複雑で高価である為、ポリウレタンエラストマーと代変え可能な耐磨耗性を有する繊維強化弾性体が望まれていた。
そこで、本発明は、モジュラスや引張強さ等の強度特性に優れると共に耐磨耗性に優れ、特にポリウレタンエラストマーと代変え可能な耐磨耗性を有する繊維強化弾性体の提供を目的としている。
前記課題を解決するために、本発明は、(a)第1のポリオレフィン100重量部、(b)(a)成分と異なる第1のエラストマー10〜400重量部、(c)熱可塑性ポリアミド10〜400重量部からなる組成物であって、(a)成分と(b)成分がマトリックスを構成しており、該マトリックス中に(c)成分が平均繊維径1μm以下の微細な繊維として分散しており、且つ(c)成分が(a)成分及び(b)成分と化学結合している(A)繊維強化熱可塑性組成物と、(B)第2のポリオレフィンと、
(C)(b)成分及び(B)成分と異なり且つ第2のエラストマーとしてのスチレン系熱可塑性エラストマーと、(D)(B)成分と異なり且つ反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーと、を混練して製造したことを特徴とする繊維強化弾性体である。
(B)第2のポリオレフィンが50〜200重量部に対して、(A)繊維強化熱可塑性組成物が1〜70重量部と、(C)第2のエラストマーが10〜450重量部含むことが好ましい。
(D)反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーは、1〜50重量部含むことが好ましい。
次に、本発明の繊維強化弾性体の各組成物及び製造について説明する。(A)繊維強化熱可塑性組成物は、(a)ポリオレフィン、(b)第1のエラストマー、及び(c)熱可塑性ポリアミドを主要な構成成分とし、(a)成分と(b)成分とがマトリックスを成しており、(c)成分の殆どが平均繊維径1μm以下の微細な繊維として当該マトリックス中に分散しているという構造を有している。そして、(c)成分の微細な繊維は、当該マトリックスと化学結合している。
以下、この繊維強化熱可塑性組成物の(a)成分、(b)成分、及び(c)成分について説明する。
(a)第1のポリオレフィンは、80〜250℃の融点を有するものである。又、50℃以上のビカット軟化点、特に50〜200℃のビカット軟化点をもつものも好ましく用いられる。このようなポリオレフィンとしては、C2〜C8のオレフィンの単独重合体や共重合体、及び、C2〜C8のオレフィンとスチレンやクロロスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体、C2〜C8のオレフィンと酢酸ビニルとの共重合体、C2〜C8のオレフィンとアクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、C2〜C8のオレフィンとメタアクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、及びC2〜C8のオレフィンとビニルシラン化合物との共重合体が好ましく用いられるものとして挙げられる。具体的には、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルシラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及びプロピレン・スチレン共重合体、等がある。又、塩素化ポリエチレンや臭素化ポリエチレン等のハロゲン化ポリオレフィンも好ましく用いられる。これらのポリオレフィンは1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
次に(b)第1のエラストマーについて説明する。(b)第1のエラストマーは、第1のポリオレフィンと異なるものであり、室温でゴム状の所謂エラストマーと呼ばれる高分子ならどのようなのでも用い得るが、好ましいものとしてはガラス転移点温度が0℃以下のエラストマー、特に好ましいものとしてはガラス転移点温度が−20℃以下のエラストマーが挙げられる。
(b)第1のエラストマーとして用いられるものとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、ニトリル・クロロプレンゴム、ニトリル・イソプレンゴム、アクリレート・ブタジエンゴム、ビニルピリジン・ブタジエンゴム、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・クロロプレンゴム、スチレン・イソプレンゴム、カルボキシル化スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・ブテンゴム、エチレン・ブテン・ジエン三元共重合体等のポリオレフィン系ゴム、ポリ塩化三フッ素化エチレン、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、フッ素ゴム、水素添加NBR等の、ポリメチレン型の主鎖を有するゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、エピクロロヒドリン重合体、エチレンオキシド・エピクロロヒドリン・アリルグリシジルエーテル共重合体、プロピレンオキシド・アリルグリシジルエーテル共重合体等、主鎖に酸素原子を有するゴム、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルブチルシロキサン等のシリコーンゴム、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ニトロソゴム、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン等、主鎖に炭素原子の他窒素原子及び酸素原子を有するゴム、等が挙げられる。又、これらのゴムをエポキシ変性したものや、シラン変性、或いはマレイン化したものも好ましく用いられる。
次に(c)熱可塑性ポリアミドについて説明する。(c)熱可塑性ポリアミドはシランカップリング剤で変性して使用できる。好ましいものとしては融点が135℃から350℃のものが挙げられ、特に好ましいものとして融点が150℃から300℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられる。
熱可塑性ポリアミドとして用いられるものは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとアゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体等が挙げられる。
これらの熱可塑性ポリアミドの内、最も好ましいものとしては融点160〜265℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン11、及びナイロン12等が挙げられる。
本発明で使用される(A)繊維強化熱可塑性組成物において、(a)ポリオレフィンと(b)第1のエラストマーはマトリックスを形成している。このマトリックスは、(b)成分が(a)成分中に島状に分散した構造を採っていてもよく、又、その逆に(a)成分が (b)成分中に島状に分散した構造を採っていてもよい。(a)成分と(b)成分は、その界面で互いに結合していることか好ましい。
(c)熱可塑性ポリアミド成分は、その殆どが平均繊維径1μm以下の微細な繊維として上記マトリックス中に分散している。具体的には、その70重量%、好ましくは80重量%、特に好ましくは90重量%以上が微細な繊維として分散している。(c)成分の繊維は、平均繊維径が1μm以下であり、特に好ましい範囲は0.05〜0.8μmの範囲である。アスペクト比(繊維長/繊維径)は1.0以上であり、熱可塑性ポリアミド成分は粒子状のもの(アスペクト比が1.0)を含む。そして、(c)成分は、(a)成分及び(b)成分からなる上記マトリックスと、その界面で化学結合している。これは、例えば以下のようにして確かめることができる。先ず、(a)成分及び(b)成分のみを溶解する溶媒例えばキシレン等の中で繊維強化熱可塑性組成物を還流し、(a)成分及び(b)成分を除去する。残った(c)成分の繊維を溶媒に溶かし、NMRを測定すると、(a)成分及び(b)成分に由来するピークが観察できる。このことは、当該繊維の表面に(a)成分及び(b)成分が何らかの形で結合していることを示していると考えられる。
(a)第1のポリオレフィン、(b)第1のエラストマー及び(c)熱可塑性ポリアミドの割合は次の通りであることが好ましい。(a)成分100重量部に対し(b)成分は10〜400重量部の範囲が好ましく、特に20〜250重量部の範囲が好ましく、50〜200重量部の範囲が最も好ましい。(a)成分100重量部に対し(b)成分の割合が300重量部より多いと、ペレット化の困難な繊維強化熱可塑性組成物しか得られないから好ましくない。(c)成分の割合は、(a)成分100重量部に対し10〜400重量部の範囲であることが好ましく、特に5〜300重量部の範囲が好ましく、10〜300重量部の範囲が最も好ましい。(c)成分の割合が、(a)成分100重量部に対し400重量部を越えると、繊維強化熱可塑性組成物中で(c)成分の微細な繊維が形成されないので、このような繊維強化熱可塑性組成物を用いて繊維強化弾性体を製造しても、強度の高い繊維強化弾性体は得られないからである。
本発明の(A)繊維強化熱可塑性組成は以下の工程により製造できる。(1)第1工程では、(a)成分と(b)成分からなるマトリックスを調製する。(2)第2工程では(c)成分をシランカップリング剤と反応させる。(3)第3工程では、上記マトリックスと、シランカップリング剤と反応させた(c)成分とを溶融、混練する。(4)第4工程では、得られた混練物を、(c)成分の融点以上の温度で押し出し、次いで(c)成分の融点より低い温度で延伸及び/又は圧延する。
(1)第1工程において、(a)成分と(b)成分からなるマトリックスを調製するには、例えば(a)成分を先に結合剤とともに溶融混練して反応させ、これと(b)成分とを溶融・混練すればよい。又、(a)成分と(b)成分とを結合剤とともに溶融、混練してもよい。溶融、混練は、樹脂やゴムの混練に通常用いられている装置で行うことができる。このような装置としては、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープンロール、一軸混練機、二軸混練機等が挙げられる。
結合剤の量は、(a)成分100重量部に対し0.1〜2.0重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.2〜1.0重量部の範囲である。結合剤の量が0.1重量部よりも少ないと、強度の高い組成物が得られず、2.0重量部よりも多いとモジュラスに優れた組成物が得られなくなるおそれがある。
結合剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ノボラック型アルキルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型アルキルフェノールホルムアルデヒド初期縮合物、ノボラック型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、レゾール型フェノールホルムアルデヒド初期縮合物、不飽和カルボン酸及びその誘導体、有機過酸化物等、高分子のカップリング剤として通常用いられているものを用いることができる。これらの結合剤の内、(a)成分や(b)成分をゲル化させることが少なく且つこれらの成分の界面に強固な結合を形成し得る点で、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム(クロライド)〕プロピルメトキシシラン、及びスチリルジアミノシラン等、ビニル基、及びアルキロキシ基等他から水素原子を奪って脱離し易い基及び/又は極性基を有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
結合剤としてシランカップリング剤を用いる際は、有機過酸化物を併用することができる。有機過酸化物としては、1分半減期温度が、(a)成分の融点或いは(b)成分の融点のいずれか高い方と同じ温度、乃至この温度より30℃程高い温度の範囲であるものが好ましく用いられる。具体的には1分半減期温度が110〜200℃程度のものが好ましく用いられる。かかる有機過酸化物としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリン酸n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン、パーオキシネオデカン酸2,2,4−トリメチルペンチル、パーオキシネオデカン酸α−クミル、パーオキシネオヘキサン酸t−ブチル、パーオキシピバリン酸t−ブチル、パーオキシ酢酸t−ブチル、パーオキシラウリル酸t−ブチル、パーオキシ安息香酸t−ブチル、パーオキシイソフタル酸t−ブチル等が挙げられる。
有機過酸化物の使用量は、(a)成分100重量部に対し0.01〜1.0重量部の範囲が好ましい。但し、(a)成分と(b)成分とをシランカップリング剤とともに溶融、混練してシラン変性する場合において(b)成分に天然ゴムやポリイソプレンを用いるときは、有機過酸化物を用いなくてもよい。天然ゴムやポリイソプレンのようにイソプレン構造を持つゴムは、混練時にメカノケミカル反応によって主鎖の切断が起こり、主鎖末端に−COO・基を有する一種の過酸化物が生成し、これが上記の有機過酸化物とほぼ同様の作用をすると考えられるからである。
次に、(c)成分を上記マトリックスと混練する工程について説明する。(c)成分は、予めシランカップリング剤と溶融混練して反応させてから上記マトリックスと溶融混練してもよいし、シランカップリング剤の存在下で上記マトリックスと溶融混練してもよい。溶融混練は、樹脂やゴムの混練に通常用いられている装置、例えばバンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープンロール、一軸混練機、及び二軸混練機等で行うことができることは、上記マトリックス調製の場合と同様である。
(c)成分に対するシランカップリング剤の割合は、(c)成分とシランカップリング剤の合計量を100重量%としたとき、0.1〜5.5重量%の範囲が好ましく、0.2〜5.5重量%の範囲が特に好ましく、0.2〜3重量%の範囲が最も好ましい。
シランカップリング剤は、(c)成分をゲル化させることが少なく、且つマトリックスとの界面に強固な結合を形成し得る点で、最も好ましい。シランカップリング剤としては、アルキルオキシ基等、脱水反応や脱アルコール反応等により(c)成分の−NHCO−結合の窒素原子と結合を形成し得る基を有するものが挙げられる。かかるシランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム(クロライド)〕プロピルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びスチリルジアミノシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
この工程において、マトリックスと(c)成分とを溶融、混練する温度は、(c)成分の融点以上である必要がある。(c)成分の融点よりも低い温度で溶融、混練を行っても、混練物は、マトリックス中に(c)成分の微細な粒子が分散した構造にはならず、従って、係る混練物を紡糸、延伸しても、(c)成分は微細な繊維にはなり得ないからである。又、混練温度は、(a)成分のポリオレフィンの融点又はビカット軟化点以上の温度であることが好ましい。
上記工程で得られた混練物を、紡糸口金或いはインフレーションダイ又はTダイから押し出し、次いでこれを延伸又は圧延する。
この工程においては、紡糸又は押出によって、混練物中の(c)成分の微粒子が繊維に変形する。この繊維は、それに引き続く延伸又は圧延によって延伸処理され、より強固な繊維となる。従って、紡糸及び押出は(c)成分の融点以上の温度で実施する必要があり、延伸及び圧延は(c)成分の融点よりも低い温度で実施する必要がある。
紡糸又は押出、及びこれに引き続く延伸或いは圧延は、例えば、混練物を紡糸口金から押し出して紐状乃至糸状に紡糸し、これをドラフトを掛けつつボビン等に巻き取る等の方法で実施できる。ここでドラフトを掛けるとは、紡糸速度よりも巻取速度を高くとることをいう。巻取速度/紡糸速度の比(ドラフト比)は1. 5〜100の範囲とすることが好ましく、2〜50の範囲とすることが特に好ましい。最も好ましいドラフト比の範囲は3〜30である。
この工程は、この他、紡糸した混練物を圧延ロール等で連続的に圧延することによっても実施できる。更に、混練物をインフレーション用ダイやTダイから押し出しつつ、これをドラフトを掛けつつロール等に巻き取ることによっても実施できる。又、ドラフトを掛けつつロールに巻き取る代わりに圧延ロール等で圧延してもよい。
延伸或いは圧延後の繊維強化熱可塑性組成物はペレットとすることが好ましい。繊維強化熱可塑性組成物は、ペレットとすることによって追加のエラストマー即ち第2のエラストマーと均一に混練できるからである。
次に、(B)成分である第2のポリオレフィンについて説明する。第2のポリオレフィンとしては、先に(A)繊維強化熱可塑性組成物の(a)成分である第1のポリオレフィンとして用いられたものと同様のものが用いられる。具体的には、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルシラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及びプロピレン・スチレン共重合体、アモルファス/ポリαオレフィン等がある。又、塩素化ポリエチレンや臭素化ポリエチレン等のハロゲン化ポリオレフィンも好ましく用いられる。これらのポリオレフィンは1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
次に、(C)第2のエラストマーについて説明する。第2のエラストマーとしては、第2のポリオレフィンと異なり且つスチレン系熱可塑性エラストマーが用いられ且つ室温でゴム状の所謂エラストマーと呼ばれる高分子が、第2のエラストマーとして用い得るが、好ましいものとしてはガラス転移点温度が0℃以下のエラストマー、特に好ましいものとしてはガラス転移点温度が−20℃以下のエラストマーが挙げられる。
(C)第2のエラストマーとして用いられるものとしては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン/ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン/プロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン/プロピレン共重合体、スチレン・エチレン/ブチレン共重合体、スチレン・1,4ブタジエン/ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・(エチレン・エチレン/プロピレン)・スチレン共重合体、カルボキシル化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、カルボキシル化スチレン・イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。第2のエラストマーとしてはこれらのゴムを1種のみもちいてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の繊維強化弾性体においては、上述の(A)繊維強化熱可塑性組成物と、(B)第2のポリオレフィンと、(C)第2のエラストマーとを混練する。混練は、溶融混練であるが、樹脂やゴムの混練に通常用いられている装置、例えばバンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープンロール、一軸混練機、及び二軸混練機等で行うことができる。
上述の(A)繊維強化熱可塑性組成物と、(B)第2のポリオレフィンと、(C)第2のエラストマーとの配合は、好ましくは(B)第2のポリオレフィンが50〜200重量部に対して、(A)繊維強化熱可塑性組成物が1〜70重量部であり、(C)第2のエラストマーは10〜450重量部である。
(B)第2のポリオレフィンが50重量部よりも少ないと、繊維強化弾性体の物性、特に応力が低く、磨耗性に劣り物性面で好ましくない。200重量部よりも多くなると、ゴム弾性のない繊維強化弾性体しか得られないという問題がある。
(A)繊維強化熱可塑性組成物が1重量部よりも少ないと、繊維強化弾性体の物性、特に耐疲労性、磨耗性などが劣る。一方、微細な繊維を含む(A)繊維強化熱可塑性組成物が70重量部より多いと、伸びの小さな繊維強化弾性体しか得られないおそれがある。
(C)第2のエラストマーが10重量部よりも少ないと、ゴム弾性の少ない繊維強化弾性体しか得られず、450重量部よりも多くなると、繊維強化弾性体の物性、特に耐疲労性、耐摩耗性が低下するおそれがある。
(A)繊維強化熱可塑性組成物と、(B)第2のポリオレフィンと、(C)第2のエラストマーとの混練温度は、(A)繊維強化熱可塑性組成物中の微細な短繊維を構成する(c)熱可塑性ポリアミドの融点よりは低い必要がある。この熱可塑性ポリアミドの融点より高い温度で混練すると、繊維強化熱可塑性組成物中の微細な短繊維が溶けて球状の粒子等に変形してしまうから好ましくない。
また、(A)繊維強化熱可塑性組成物としてはペレット状のものを用いることが好ましい。ペレット状の繊維強化熱可塑性組成物を用いれば、(A)繊維強化熱可塑性組成物は(B)第2のポリオレフィンと、(C)第2のエラストマーと均一に混練でき、(c)成分の微細な繊維が均一に分散した繊維強化弾性体が容易に得られるからである。
尚、この混練の際、(D)反応性相溶化剤を混練し、必要に応じて、加硫剤を一緒に混練してもよい。反応性相溶化剤としては、例えば、エチレン系コポリマーが用いられるが、エチレン系コポリマーを用いる場合には、(B)第2のポリオレフィンが100重量部に対して、好ましくは1乃至50重量部である。
エチレン系コポリマーとしては、例えば、エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/グリシジルメタクリレート/酢酸ビニル共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/アクリル酸メチル共重合体、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アイオノマー樹脂、エチレン/メタクリル酸共重合体がある。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリン酸n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン、パーオキシネオデカン産2,2,4−トリメチルペンチル、パーオキシネオデカン酸α−クミル、パーオキシネオヘキサン酸t−ブチル、パーオキシピバリン酸t−ブチル、パーオキシ酢酸t-ブチル、パーオキシラウリル酸t−ブチル、パーオキシ安息香酸t-ブチル、パーオキシイソフタル酸t−ブチルがある。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の金属酸化物等が用いられる。加硫助剤としてはアルデヒド・アンモニア類、アルデヒド・アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、
チウラム類、ジチオカルバメ−ト、キサンテート等が用いられる。本発明の繊維強化弾性体に加硫剤等を添加した場合の加硫温度は、100〜180℃程度が好ましい。但し、加硫温度は、繊維強化弾性体中の微細な繊維を構成する(c)熱可塑性ポリアミドの融点よりも低い温度である必要がある。この熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加硫を行うと、折角繊維強化熱可塑性組成物の調製の段階で形成された繊維が溶けてしまうおそれがある。
本発明の繊維強化弾性体には、このほか、カーボンブラック、ホワイトカーボン、活性炭酸カルシウム、超微粉珪酸マグネシウム、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂等の等の補強剤、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、亜鉛華、珪藻土、再生ゴム、粉末ゴム、エボナイト粉等各種の充填剤、アミン・アルデヒド類、アミン・ケトン類、アミン類、フェノール類、イミダゾール類、含硫黄系酸化防止剤、含燐系酸化防止剤などの安定剤、及び各種含量を含んでいてもよい。
本発明の繊維強化弾性体は、引張特性等の強度特性に優れると共に耐磨耗性に優れ、特にポリウレタンエラストマーと代変え可能な耐磨耗性を有する。
本発明の繊維強化弾性体は、(A)繊維強化熱可塑性組成物と(B)第2のポリオレフィンと(C)第2のエラストマーと、(D)反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーとを混練することにより製造でき、この(A)繊維強化熱可塑性組成物は極めて容易にペレット化できるから、(B)ポリオレフィンと(C)第2のエラストマーと極めて容易に且つ均一に混練でき、本発明の繊維強化弾性体が容易に得られる。また、この混練は一軸混練機や二軸混練機等のスクリュー混練機を用いて行えるので、(A)繊維強化熱可塑性組成物のペレットと(B)ポリオレフィンと(C)第2のエラストマーと(D)反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーとを自動的に供給する装置をスクリュー混練機に付加することにより、本発明の繊維強化弾性体の無人生産も容易に行える。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明する。実施例及び比較例において、密度、テーバ磨耗、引裂強度、引張特性(50%引張り応力(M50)、100%引張り応力(M100)、300%引張り応力(M300)、引張強さ(Tb)、伸び(Eb))、及び硬さ(Hs)について以下のようにして測定した。
繊維強化弾性体の引張特性、硬さは、繊維強化弾性体を打ち抜いて3号ダンベルとし、これについてJISK6251に準拠して測定した。密度はJISK7112、テーバ磨耗はJISK6264、引裂強度はJISK6252、硬さ(Hs)はJISK6253に準拠した測定をした。
(A)繊維強化熱可塑性組成物の調製
(a)成分として、ポリプロピレン((株)プライムポリマー製、プライムポリマー J780GP 融点165〜170℃、メルトフローインデックス8g/10分)を用い、(b)成分として天然ゴム(NR、SMR−L)を、(c)成分としてナイロン6(宇部興産製、宇部ナイロン1030B、融点215〜220℃、分子量30,000)を用いた。(a)成分は、当該(a)成分100重量部に対し0.5重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び0.1重量部の4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリン酸n−ブチルエーテルと溶融混練して変性した。(c)成分は、当該(c)成分100重量部に対し1.0重量部のN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランと溶融混練して変性した。先ず、上記のようにして変性した(a)成分100重量部を、(b)成分100重量部とバンバリー型ミキサーで混練しマトリックスを調製した。これを170℃でダンプ後ペレット化した。次いでこのマトリックスと(c)成分100重量部を、240℃に加温した二軸混練機で混練し、混練物をペレット化した。得られた混練物を245℃にセットした 一軸押出機で紐状に押し出し、ドラフト比10で引き取りつつペレタイザーでペレット化した。得られたペレットをo−ジクロルベンゼンとキシレンの混合溶媒中で還流して、ポリオレフィン及びNRを除去し、残った繊維の形状や直径を電子顕微鏡で観察したところ、平均繊維径0.2μの繊維で有ることが確認できた。
実施例1〜6及び比較例1〜5において、(C)第2のエラストマーとして、スチレン・エチレン/ブチレン・スチレン ブロックコポリマー(クレイトンポリマージャパン製)を用い、10重量部乃至450重量部で調整した。また、(B)第2のポリオレフィンとして、高密度ポリエチレン(HDPE:E8081(京葉ポリエチレン製))、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA:V210(宇部丸善ポリエチレン製))、ホモポリプロピレン(PP:E200GP(プライムポリマー製))、アモルファス/ポリαオレフィン(APAO:Degussa製)を各々100重量部で調整した。
更に、実施例1乃至6では、上述の(A)繊維強化熱可塑性組成物(SHP)を5又は10重量部混入し、反応性相溶化剤の10乃至20重量部を調整して混合した。反応性相溶化剤としては、エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマー(エチレンターポリマー(住友化学製))を用いた。
各実施例及び比較例では、180℃にセットしたブラベンダープラストグラフに、各組成物を投入して、3分間混練し、得られたものについて、密度、テーバ磨耗、引裂強度、引張特性、硬さを測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜5における各組成物の配合量と、測定した密度、テーバ磨耗、引裂強度、引張特性、硬さを下記1に示す。尚、(A)繊維強化熱可塑性組成物(SHP)及び(D)反応性相溶化剤を混入せずに、(C)第2のエラストマーと(B)第2のポリオレフィンのみを混練したものを比較例1〜4とし、(B)第2のポリオレフィンを混入せずに、(C)第2のエラストマーと(A)繊維強化熱可塑性組成物(SHP)及び(D)反応性相溶化剤のみを混練したものを比較例5とした。
また、表1において、参考例として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(アジペート系)について、密度、テーバ磨耗、引裂強度、引張特性、硬さを示した。
Figure 0005183046
表1から明らかなように、実施例1〜6によれば、テーバ磨耗は1以下〜18mgであり、比較例1〜5のテーバ磨耗の22〜31mgに比較して、耐磨耗性に優れることが明らかである。特に、(C)第2のエラストマーが350重量部よりも少ない実施例1、2、4、6では、テーバ磨耗は2mg以下であり、いずれの比較例1〜5及び参考例よりも桁違いに耐磨耗性に優れていた。
また、(B)第2のポリオレフィンと(C)第2のエラストマーとを同じ割合としている実施例1と比較例1との対比、実施例2と比較例2との対比、実施例3と比較例3との対比、実施例4と比較例4との対比において、引裂強度、モジュラス(M50(50%引張り応力),M100(100%引張り応力)、M300(300%引張り応力))、引張強さ(破断強度)Tbのいずれにおいても実施例の数値が比較例よりも高く、強度特性に優れていた。
尚、テーバ磨耗試験では、一般的にばらつきがあることが知られているが、そのばらつきを考慮しても、各実施例は各比較例や参考例よりも耐磨耗性に優れていた。また、参考例で示す熱可塑性ポリウレタンエラストマーのテーバ磨耗は20mgであり、多少のばらつきがあるとしても、実施例は熱可塑性ポリウレタンエラストマーよりも優れるか同等以上であることから、ポリウレタンエラストマーに対する代変えが可能である。

Claims (3)

  1. (a)第1のポリオレフィン100重量部、(b)(a)成分と異なる第1のエラストマー10〜400重量部、(c)熱可塑性ポリアミド10〜400重量部からなる組成物であって、(a)成分と(b)成分がマトリックスを構成しており、該マトリックス中に(c)成分が平均繊維径1μm以下の微細な繊維として分散しており、且つ(c)成分が(a)成分及び(b)成分と化学結合している(A)繊維強化熱可塑性組成物と、
    (B)第2のポリオレフィンと、
    (C)(b)成分及び(B)成分と異なり且つ第2のエラストマーとしてのスチレン系熱可塑性エラストマーと、
    (D)(B)成分と異なり且つ反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーと、を混練して製造したことを特徴とする繊維強化弾性体。
  2. (B)第2のポリオレフィンが50〜200重量部に対して、(A)繊維強化熱可塑性組成物が1〜70重量部と、(C)第2のエラストマーが10〜450重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化弾性体。
  3. (D)反応性相溶化剤としてのエチレン系コポリマーを1〜50重量部を混入して混練したことを特徴とする請求項2に記載の繊維強化弾性体。
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