JP3154390B2 - 繊維強化弾性体組成物の製造法 - Google Patents
繊維強化弾性体組成物の製造法Info
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Description
ジュラス及び強度に優れた繊維強化弾性体組成物に関す
るもので、タイヤにおけるトレッドやサイドウオールな
どのタイヤ外部部材、カーカス、ビード、ベルト、チェ
ーファーなどのタイヤ内部部材やホース、ベルト、ゴム
ロール、ゴムクローラなどの工業製品などに好ましく用
いられる。
エン、エチレン−プロピレンゴムなどの加硫可能なゴム
状ポリマーに短繊維を分散させモジュラスや強度などを
改善した組成物、即ち繊維強化弾性体組成物は、ナイロ
ン、ポリエステル、ビニロンなどの短繊維を配合し、必
要に応じて加硫するという方法で製造されてきた。
組成物は、自動車のタイヤ部材などとして用いるには、
強度や伸びが不足していたので、これらの点を改善した
繊維強化弾性体組成物が求められてきた。このような要
求に応える繊維強化弾性体組成物として、例えば、ナイ
ロンなどの短繊維がサブミクロンの平均径を有する微細
な繊維である繊維強化弾性体組成物が提案されてきた。
例えば、加硫可能なゴムとナイロン及び結合剤をナイロ
ンの融点以上の温度で溶融混練し、得られた混練物をナ
イロンの融点以上の温度で紐状に押出し、得られた紐状
物を延伸又は圧延するという方法により得られる繊維強
化弾性体組成物及びこれに加える加硫可能なゴム及び加
硫剤を配合し加硫するという方法で得られる。このよう
な方法における結合剤としてレゾール型アルキルフェノ
ールフォルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を用いた製
法は特開昭58−79037号公報に、結合剤してノボ
ラック型アルキルフェノールフォルムアルデヒド系樹脂
を用いた製法は特開昭59−43041号公報に、結合
剤としてシランカップリング剤を用いた製法は特開昭6
3−81137号公報、特開昭63−179945号公
報及び特願平6−70810号公報に記載されている。
ンを配合した場合、極めて固くなるという問題があっ
た。このため、繊維強化弾性体組成物に他の加硫可能な
ゴムや加硫剤などを配合する時には人手により切断しな
ければならず、又、繊維強化弾性体組成物中のナイロン
繊維や加硫可能なゴムが十分に分散しないことがあっ
た。これを防止するためには、混練時間を延長したり、
繊維強化弾性体組成物を加温し軟化させてから加硫可能
なゴムなどを配合するなどの必要があり、このことが繊
維強化弾性体組成物の生産性の低下やコストの上昇の原
因となってきた。その上、繊維の配向方向のモジュラス
や耐疲労性は高いが、繊維の配向方向と直角な方向のモ
ジュラスや耐疲労性は極めて低いという問題があった。
また、工程が複雑で再現性が低いことも問題であった。
に優れ且つ低コストで製造でき、且つモジュラスや耐疲
労性についての繊維の配向方向とこれに直角の方向とで
の差が少ない繊維強化弾性体組成物の製造法を提供する
ことを目的とする。
可塑性樹脂組成物、即ち(1)成分(a)のガラス転移
温度が0℃以下のゴム状ポリマー(第1のエラストマ
ー)と成分(b)のポリオレフィンを成分(d)のシラ
ンカップリング剤で溶融混練処理するか、又は成分
(a)の第1のエラストマーと成分(d)で処理した成
分(b)のポリオレフィンを溶融混練処理し、マトリッ
クスを調製する第1工程、(2)成分(c)の熱可塑性
ポリアミドを、上記マトリックスと成分(c)のいずれ
の融点より高い温度で溶融混練し、次いで押出する第2
工程、(3)上記押出し物を成分(c)の融点より低く
成分(b)のポリオレフィンの融点より高い温度で延伸
及び/又は圧延する第3工程からなる繊維強化熱可塑性
樹脂組成物、及び(B)ガラス転移温度が0℃以下のゴ
ム状ポリマー(第2のエラストマー)を溶融混練する第
4工程からなる繊維強化弾性体組成物であって、且つ第
1のエラストマーと第2のエラストマーの合計量100
重量部に対して、成分(b)の割合が1〜40重量部、
成分(c)の微細な繊維の割合が1〜70重量部、成分
(c)は70重量%以上が微細な繊維として分散してい
ることを特徴とする繊維強化弾性体組成物の製造法が提
供される。
成物は、(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物、即ち、以
下、成分 (a)の第1のエラストマー,成分 (b),成
分(c)を主要な構成成分とし、成分 (a)と成分
(b)からなるマトリックス中に、成分(c)の殆どが
微細な繊維として分散しているという構造を有してい
る。そして、上記成分(c)の微細繊維は、成分 (a)
及び成分 (b)と、その界面で結合している熱可塑性樹
脂組成物に、追加の(B)第2のエラストマーを混練し
た繊維強化弾性体組成物、この組成物に更に硫黄などの
加硫剤及び必要に応じて加硫助剤を添加した加硫物の製
造法が提供される。
熱可塑性樹脂組成物と(B)第2のエラストマーを混練
して製造することができる混練比は、(B)第2のエラ
ストマーと(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物の重量比
が20/1〜0.1/1の範囲で、その混練温度は、繊
維強化熱可塑性樹脂組成物中の微細な短繊維を構成する
成分(c)の融点より低く、成分(b)の融点より高い
温度である繊維強化弾性体組成物の製造法が提供され
る。
成物の製造法における各工程及び主要な構成成分を具体
的に説明する。 第1工程 第1工程は、成分 (a)の第1のエラストマー及び成分
(b)のポリオレフィンからなるマトリックスを調製す
る工程からなる。マトリックスの調製法としては、成分
(a)、成分 (b)及び成分(d)のシランカップリン
グ剤を溶融混練する方法、成分 (b)を成分(d)と溶
融混練し次いで成分 (a)と溶融混練する方法が挙げら
れる。溶融混練温度は、成分 (b)の融点より高い温度
であり、溶融混練は、樹脂やゴムの混練に通常用いられ
ている装置で行うことができる。このような装置として
は、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキス
トルーダー、オープンロール、一軸混練機、二軸混練機
などが用いられる。これらの装置の中では短時間で且つ
連続的に溶融混練が行える点で二軸混練機が最も好まし
い。
て、室温でゴム状のエラストマーでありガラス転移温度
が0℃以下のゴム状ポリマーであるものが好ましい。特
に好ましくはガラス転移点温度が−20℃以下のもので
ある。このような具体例としては、天然ゴム(NR)、
イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル
・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、
塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリル・クロロプレンゴム、ニトリル・
イソプレンゴム、アクリレート・ブタジエンゴム、ビニ
ルピリジン・ブタジエンゴム、ビニルピリジン・スチレ
ン・ブタジエンゴムなどのジエン系ゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエ
ンゴム(EPDM)、エチレン・ブテンゴム、エチレン
・ブテン・ジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロ
ロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)などのポリオ
レフィン系ゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴ
ム、ポリ塩化三フッ素化ゴム、フッ素化ゴムなどのポリ
メチレン型の主鎖を有するゴム、エピクロロヒドリンゴ
ム、エチレンオキシド・エピクロルヒドリンゴムなどの
主鎖に酸素原子を有するゴム、ポリフェニルメチルシロ
キサンゴム、ポリメチルエチルシロキサンゴムなどのシ
リコーンゴム、ニトロソゴム、ポリエステルウレタンゴ
ム、ポリエーテルウレタンゴムなどの主鎖に炭素原子の
他窒素原子及び酸素原子を有するゴムなどが挙げられ
る。又、これらのゴムをエポキシ変性したもの、シラン
変性、或いはマレイン化したものも挙げられる。更に成
分 (a)の別の具体例として、熱可塑性のブタジエン・
スチレンブロックコポリマー、オレフィン系ゴム、ウレ
タン系ゴム、ポリエステル系ゴム、1,2−ポリブタジ
エン系ゴム、ポリアミド系ゴム、塩化ビニル系ゴムなど
を挙げることができる。
80〜250℃の範囲の融点のものが好ましい。又、5
0℃以上、特に好ましくは50〜200℃のビカット軟
化点を有するものも用いられる。このような好適な例と
しては、炭素数2〜8のオレフィンの単独重合体や共重
合体、及び、炭素数2〜8のオレフィンとスチレンやク
ロロスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル
化合物との共重合体、炭素数2〜8のオレフィンと酢酸
ビニルとの共重合体、炭素数2〜8のオレフィンとアク
リル酸あるいはそのエステルとの共重合体、炭素数2〜
8のオレフィンとメタアクリル酸あるいはそのエステル
との共重合体、及び炭素数2〜8のオレフィンとビニル
シラン化合物との共重合体が好ましく用いられるものと
して挙げられる。
エチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピ
レンランダム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ
4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセ
ン−1、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・
アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸プロ
ピル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、
エチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エ
チレン・アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、エチレ
ン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン・ビ
ニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルシ
ラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及びプロ
ピレン・スチレン共重合体などがある。又、塩素化ポリ
エチレンや臭素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリ
エチレンなどのハロゲン化ポリオレフィンも好ましく用
いられる。
かで特に好ましいものとしては、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ
プロピレン(PP)、エチレン・プロピレンブロック共
重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ4−メチルペ
ンテン−1(P4MP1)、エチレン・酢酸ビニル共重
合体(EVA)、及びエチレン・ビニルアルコール共重
合体が挙げられ、中でも、メルトフローインデックスが
0. 2〜50g/10分の範囲のものが最も好ましいも
のとして挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、
2種以上を組合わせてもよい。
例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルエチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルエチ
ルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノ
プロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキ
シエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム(クロライ
ド)〕プロピルメトキシシラン、及びスチリルジアミノ
シランなどが挙げられる。中でも、アルコキシ基などか
ら水素原子を奪って脱離し易い基及び/又は極性基とビ
ニル基とを有するものが特に好ましく用いられる。
分 (b)100重量部に対し、0.1〜2. 0重量部の
範囲が好ましく、特に好ましくは0. 2〜1. 0重量部
の範囲である。シランカップリング剤の量が0. 1重量
部よりも少ないと、強度の高い組成物が得られず、シラ
ンカップリング剤の量が2. 0重量部よりも多いとモジ
ュラスに優れた組成物が得られない。シランカップリン
グ剤の量が0. 1重量%より少ないと、成分(a)及び
成分(b)との間に強固な結合が形成されず、強度の低
い組成物しか得られない。一方、シランカップリング剤
の量が5. 5重量%より多いと、成分(c)は良好な微
細繊維にならないので、やはりモジュラスに劣る組成物
しか得られない。
る場合は、有機過酸化物を併用することができる。有機
過酸化物としては、1分間の半減期温度が、成分(a)
の融点或いは成分(c)の融点のいずれか高い方と同じ
温度ないし、この温度より30℃程高い温度範囲である
ものが好ましく用いられる。具体的には1分間の半減期
温度が110〜200℃程度のものが好ましく用いられ
る。
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタ
ン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリン酸n−
ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキサン)プロパン、パーオキシネ
オデカン酸2,2,4−トリメチルペンチル、パーオキ
シネオデカン酸α−クミル、パーオキシネオヘキサン酸
t−ブチル、パーオキシピバリン酸t−ブチル、パーオ
キシ酢酸t−ブチル、パーオキシラウリル酸t−ブチ
ル、パーオキシ安息香酸t−ブチル、パーオキシイソフ
タル酸t−ブチルなどが挙げられる。中でも、1分間の
半減期温度が、溶融混練温度ないしこの温度より30℃
程高い温度の範囲であるもの、具体的には1分半減期温
度が80〜260℃程度のものが好ましく用いられる。
(b)のポリオレフィンの分子鎖上にラジカルが形成さ
れ、このラジカルがシランカップリング剤と反応するこ
とにより、成分(b)成分とシランカップリング剤との
間の反応を促進させると考えられる。このときの有機過
酸化物の使用量は、成分(b)100重量部に対して
0. 01〜1. 0重量部の範囲が好ましい。
レン、或いはスチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体を用いるときは、有機過酸化物を用いなくても
よい。天然ゴムやポリイソプレン、及びスチレン・イソ
プレン・スチレンブロック共重合体のようにイソプレン
構造を持つゴムは、混練時にメカノケミカル反応によっ
て主鎖の切断が起こり、主鎖末端に−COO・基を有す
る一種の過酸化物が生成し、これが上記の過酸化物と同
様の作用をするものと考えられるからである。
び成分(b)からなるマトリックスと成分(c)の主鎖
にアミド基を有する熱可塑性ポリマーとを、成分
(a)、成分(b)及び成分(c)のいずれの融点より
高い温度で溶融混練し、次いで押出し調製する。 第2
工程での溶融混練は、成分(d)のシランカップリング
剤が存在しないのでバンバリー型ミキサー、及び二軸混
練機などの強大な剪断速度下で混練できる装置に限定さ
れる。
紡糸口金或いはインフレーションダイ又はTダイから押
出す。紡糸、押出しのいずれも成分(c)の融点より高
い温度で実施する必要がある。具体的には、成分(c)
の融点より高い温度、この融点より30℃高い温度の範
囲で実施することが好ましい。本工程で成分(c)の融
点より低い温度で溶融、混練を行っても、混練物は成分
(a)と成分(b)からなるマトリックス中に成分
(c)の微細な粒子が分散した構造にはならない。従っ
て、かかる混練物を紡糸、延伸しても、成分(c)は微
細な繊維にはなり得ない。
熱可塑性ポリアミドあり、融点135〜350℃の範囲
のものが用いられ、しかも成分(b)ポリオレフィンの
融点より高いものであり、中でも融点160〜265℃
の範囲のものが好ましい。かかる成分(c)は、熱可塑
性ポリアミドであり、押出し及び延伸によって強靱な繊
維を与えるという理由から、熱可塑性ポリアミドが挙げ
られる。
イロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共
重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン4
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、
キシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリ
レンジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジ
アミンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミン
とアゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセ
バシン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフ
タル酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンと
テレフタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフ
タル酸の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタ
ル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル
酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソ
フタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタ
ル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタ
ル酸の重縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフ
タル酸の重縮合体などが挙げられる。
ましい具体例としては、ナイロン6(PA6)、ナイロ
ン66(PA66)、ナイロン6−ナイロン66共重合
体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、
ナイロン11、及びナイロン12などが挙げられる。こ
れらの1種又は2種以上でもよい。これらの熱可塑性ポ
リアミドは、10,000〜200,000の範囲の分
子量を有していることが好ましい。
割合は次の通りである。成分(a)100重量部に対し
成分(b)は30〜500重量部である。好ましくは3
0〜300重量部の範囲であり、特に好ましくは40〜
200重量部の範囲である。成分(b)の割合が30重
量部より少ないと、ペレット状のものが得られない。成
分(b)の割合が500重量部を越えると加工性が悪く
なる。成分(c)は、成分(a)100重量部に対し1
0〜500重量部である。好ましくは20〜400重量
部で、特に好ましくは30〜300重量部である。成分
(c)の割合が10重量部より少ないと、生産性が低
く、コストアップの要因となる。一方、成分(c)の割
合が500重量部を越えると、組成物中で微細な繊維と
して存在する成分(c)の割合が少なくなり過ぎるの
で、かかる組成物を成形しても、平滑な表面を有する成
形品が得られにくくなると共に強度が著しく低下する。
上記マトリックス中に均一に分散している。具体的に
は、その70重量%、好ましくは80重量%、特に好ま
しくは90重量%以上が微細な繊維として分散してい
る。成分(c)の微細な繊維は、平均繊維径が1μm以
下であり、特に好ましい範囲は0.05〜0.8μmの
範囲である。アスペクト比(繊維長/繊維径)は10以
上である。そして、成分(c)は成分(a)と成分
(b)のいずれとも界面で結合している。成分(c)に
対して結合した成分(a)及び成分(b)の和が1〜2
0重量%、特に5〜15重量%の範囲が好ましい。
は糸状の押出物を延伸及び/又は圧延して、成分(c)
を繊維形状に変換させて、繊維強化繊維熱可塑性樹脂組
成物を得る。紡糸口金或いはインフレーションダイ又は
Tダイなどから押出し、次いでこれを延伸及び/又は圧
延する工程において、紡糸又は押出によって、混練中の
成分(c)の微粒子が繊維に変形する。この繊維は、そ
れに引続く延伸又は圧延によって延伸処理され、より強
固な繊維となる。従って、紡糸及び押し出しは(c)成
分の融点以上の温度で実施する必要があり、延伸及び圧
延は(c)成分の融点よりも低い温度で実施する必要が
ある。
は圧延は、例えば混練物を紡糸口金から押し出して紐状
ないし糸状に紡糸し、これをドラフトを掛けつつホビン
などに巻き取るなどの方法で実施できる。ここでドラフ
トを掛けるとは、紡糸口金速度より巻取速度を高くとる
ことを言う。巻取速度/紡糸口金速度の比(ドラフト
比)は、1.5〜100の範囲とすることが好ましく、
更に好ましくは2〜70の範囲、特に好ましくは3〜5
0である。
冷却、延伸、又は圧延処理して行われる。冷却・延伸又
は圧延処理は、成分(c)の融点より10℃以下の低い
温度で行われる。延伸及び圧延することにより、より強
固な繊維が形成されるので繊維強化熱可塑性樹脂組成物
としての特性がより発揮できてより好ましい。
は圧延ロールなどで連続的に圧延することによって実施
できる。更に、混練物をインフレーション用ダイやTダ
イから押し出しつつ、これをドラフトを掛けつつロール
などに巻き取ることによっても実施できる。又、ドラフ
トを掛けつつロールに巻き取る代わりに圧延ロールなど
で圧延してもよい。圧延或いは延伸後の繊維強化熱可塑
性樹脂組成物はペレット化することが好ましい。ペレッ
ト化することにより追加のエラストマー即ち第2のエラ
ストマーと均一に混練できるからである。
物は、成分(a)と成分(b)はマトリックスを形成し
ている。そして、成分(a)が成分(b)中に島状に分
散した構造をとっている。そして、成分(a)と成分
(b)は互いに界面で結合している。更に成分 (a)、
成分 (b)及び成分(c)からなり、成分 (a)と成分
(b)とがマトリックスを形成しており、成分(c)の
殆どが微細な繊維としてマトリックス中に均一に分散し
た構造であり、成分(c)の微細な繊維は、マトリック
スと結合している。
いずれとも界面で結合する。 この界面結合の存在は、
成分(a)と成分(b)のいずれにも溶解する溶媒、例
えばキシレンなどの中で繊維強化熱可塑性樹脂組成物を
熱抽出すると成分(a)と成分(b)は、抽出除去され
る。残った成分(c)の繊維をo-ジクロロベンゼン−フ
ェノール混合溶媒(85:15)に溶解してNMRで測
定すると成分(a)と成分(b)に由来するピークが観
測されることにより証明される。
して説明したが、成分(a)、成分(b)、成分(c)
及び成分(d)を供給できる第1供給口、第2供給口及
び第3供給口を有し、且つ各供給口に対応する第1混練
帯、第2混練帯及び第3混練帯を有する二軸混練機を用
いて一括して連続的なプロセスで処理することも可能で
ある。そうすることにより経済的、安定的、安全な製造
法になる。
ットをガラス転移温度が0℃以下のゴム状ポリマー即ち
第2のエラストマーを溶融混練する工程である。溶融混
練する方法は、第2のエラストマーと繊維強化熱可塑性
樹脂組成物を下記の重量比で、しかも、成分 (a)、成
分 (b)及び成分 (c)を下記の組成の範囲になるよう
に調製して、成分 (b)の融点より高い温度であり、成
分 (c)の融点より低い温度で溶融混練する。溶融混練
は樹脂やゴムの混練に通常用いられている装置で行うこ
とができる。このような装置としては、バンバリー型ミ
キサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープ
ンロール、一軸混練機、二軸混練機などが用いられる。
混練時間は1〜5分で、繊維強化弾性体組成物が得られ
る。
ち繊維強化熱可塑性樹脂組成物に追加するエラストマー
は、先に繊維強化熱可塑性樹脂組成物の成分(a)の第
1のエラストマーとして使用されるものと同様のものが
使用される。従って、室温でゴム状のエラストマー、好
ましくはガラス転移温度が0℃以下、特に好ましくはガ
ラス転移温度が−20℃以下のエラストマーが挙げられ
れ、それらは、前述記載の成分(a)から選択される。
第2のエラストマーは、第1のエラストマーと同一であ
ってもよく、異なっていてもよく、2種以上組み合わせ
てもよい。
第2のエラストマーの合計量100重量部に対して、成
分(b)のポリオレフィンの割合が1〜40重量部、好
ましくは2〜30重量部、成分(c)の熱可塑性ポリア
ミドの微細な繊維の割合は1〜70重量部、好ましくは
2〜55重量部である。成分(b)の割合が40重量部
より多いと、ゴム弾性のない繊維強化弾性体組成物しか
得られない。一方、成分(b)の割合が1重量部より少
ないと、繊維強化弾性体組成物の物性は、特に耐疲労性
が著しい方向性をもつようになり、繊維の配向と直角の
方向の物性が低くなるから好ましくない。成分(c)の
微細な繊維の割合が1重量部より少ないと、低モジュラ
スの繊維強化弾性体組成物しか得られない。一方、成分
(c)の微細な繊維の割合が70重量部より多いと、伸
びの小さな繊維強化弾性体組成物しか得られない。
通り繊維強化熱可塑性樹脂組成物と第2のエラストマー
を混練して製造することができる。得られる繊維強化弾
性体組成物中の第1と第2のエラストマーの合計量に対
するポリオレフィン及び微細な繊維の割合が上記の範囲
内にあれば、第2のエラストマーと繊維強化熱可塑性樹
脂組成物との混練割合は特に限定されないが、第2のエ
ラストマーと繊維強化熱可塑性樹脂組成物との重量比が
20/1〜0.1/1、特に10/1〜0.5/1の範
囲が、混練操作が行い易い点で好ましい。
ストマーの混練温度は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中
の微細な繊維を構成する成分(c)の熱可塑性ポリアミ
ドの融点より低く、成分(b)のポリオレフィンの融点
より高い温度である必要がある。この熱可塑性ポリアミ
ドの融点より高い温度で混練すると、繊維強化熱可塑性
樹脂組成物中の微細な繊維が融解して球状の粒子などに
変形してしまうから好ましくない。また、成分(b)の
ポリオレフィンの融点より低い温度で混練すると微細な
繊維の分散が悪く、目的とする強度、伸びが得られな
い。具体的には、成分(c)の熱可塑性ポリアミドの融
点より20℃低く、成分(b)のポリオレフィンの融点
より10℃高い温度である。
ペレット状のものを用いることが好ましい。ペレット状
の繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用いれば、繊維強化熱
可塑性樹脂組成物は第2のエラストマーと均一に混練で
き、微細な繊維が均一に分散した繊維強化弾性体組成物
が容易に得られるからである。
スオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を投入し
混練する。この時、混練物の温度が上昇するが、成分
(c)の熱可塑性ポリアミドの融点より高くならないよ
う必要に応じて温度制御する。好ましくは160〜18
0℃で、混練時間は1〜5分である。この時には各種加
硫剤及び加硫助剤を一緒に室温〜100℃で必要量をそ
れぞれ混練してもよい。十分分散させてシート状に引き
出す。得られたシートを成形・加硫すると繊維強化弾性
体の加硫物が得られる。この時の加硫剤の量は、第1と
第2のエラストマーの合計量100重量部に対して0.
1〜5.0重量部、特に0.5〜3.0重量部の範囲が
好ましい。加硫助剤の量は、第1と第2のエラストマー
の合計量100重量部に対して0.01〜2.0重量
部、特に0.1〜1.0重量部の範囲が好ましい。
黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなど
の金属酸化物などが用いられる。加硫助剤としては、ア
ルデヒド・アンモニア類、アルデヒド・アミン類、グア
ニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、
ジチオカルバメート類、キサンテートなどが用いられ
る。
どを添加した場合の加硫温度は、100〜180℃程度
が好ましい。但し、加硫温度は、繊維強化弾性体組成物
中の微細な繊維を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも低
い温度である必要がある。この熱可塑性樹脂の融点以上
の温度で加硫を行うと、繊維強化熱可塑性樹脂組成物の
調製の段階で形成された繊維が溶解してしまい、モジュ
ラスの高い繊維強化弾性体組成物が得られないからであ
る。
ほかカーボンブラック、ホワイトカーボン、活性炭酸カ
ルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム、ハイスチレン樹
脂、フェノール樹脂、リグニン、変成メラミン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油樹脂などの補助剤、炭酸カル
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、亜鉛華、珪
草土、再生ゴム、粉末ゴム、エボナイト粉など各種の充
填剤、アミン・アルデヒド類、アミン・ケトン類、アミ
ン類、フェノール類、イミダゾール類、含硫黄系酸化防
止剤、含燐系酸化防止剤などの安定剤、及び各種顔料を
含んでいてもよい。
ついてより具体的に説明するが本発明はこれらの実施例
の範囲に限定されるものではない。実施例及び比較例に
おいて、繊維強化熱可塑性樹脂組成物、繊維強化弾性体
組成物の物性は以下のようにして測定した。 未加硫物性 ペレット化の可否:可能;○、不可能;×で評価した。 繊維形状・形態・分散性と平均繊維径:o−ジクロルベ
ンゼンとキシレンの混合溶媒(o−ジクロルベンゼンと
キシレンの混合溶媒;容量比50:50)中で100℃
で還流して繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の成分(a)
及び成分(b)を抽出、除去し、残った繊維を電子顕微
鏡で観察し、微細な繊維で分散している場合は分散性良
好;○、微細な繊維で分散していない場合は分散性不
良;×、で評価した。分散性良好な場合は、分散した微
細繊維200本について、上記の電子顕微鏡画像から繊
維径を測定し、その平均を求めて平均繊維径とした。結
合率:成分(a)及び成分(b)のみを溶解する溶媒、
キシレン中で繊維強化弾性体組成物を還流し、成分
(a)及び成分(b)を除去する。残った繊維を乾燥後
秤量し、この重量をWCとする。そして、組成物中の成
分(c)の重量WCOに対する割合(WC −W CO )/WCO
×100を求めて、これを結合率とする。
び伸び:3号ダンベルに打ち抜いて、JIS K625
1に準じて測定した。 定荷重疲労:3号ダンベルに打ち抜いて、70kg/cm2の
荷重を繰り返し懸けて引張り、ダンベルが切断するまで
の回数を表示した。 引裂強度: JIS K6252に準じてJIS−Bタ
イプで測定した。 硬度: JIS K6253に準じてJIS−Aタイプ
で測定した。 発熱性: ASTM D623Aに準じて測定してΔT
(℃)で示した。
分(b)としてポリプロピレン〔宇部興産(株)製、ウ
ベポリプロ JI09、融点165〜170℃、メルト
フローインデックス9g/10分)、成分(c)として
ナイロン6(宇部興産株式会社製、宇部ナイロン102
2B、融点215〜220℃ 分子量30,000)を
用いた。まず、成分(b)100重量部に対し0. 5重
量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、及び0. 1重量部の4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシバレリン酸n−ブチルエステルと溶融混練(温度:
210℃)変性した。上記のように変成した成分(b)
を成分(a)とバンバリー型ミキサーで溶融混練してマ
トリックスを調製した。これを170℃でダンプ後ペレ
ット化した。このマトリックスと成分(c)を240℃
に加温した二軸混練機で混練し混練物をペレット化し
た。これを245℃に設定した二軸混練機で紐状に押し
出し、ドラフト比10で常温で引き取りつつペレタイザ
ーでペレット化した。ペレットを180℃でプレスでシ
ート状に成形した。このシートは平滑な表面を有してい
た。このシートからサンプルを採取し、それぞれ物性を
測定した。成分(c)は微細な繊維状に分散し平均繊維
径は0.2〜0.3μm の範囲であり、NMR測定では
成分(c)のピークの他、成分(a)及び成分(b)に
由来するピークが認められた。各成分の配合割合とナイ
ロン6繊維の性質を表1に示した。
サンプル1と同様に行って、ペレット化させた。このペ
レットについて、それぞれの物性を測定した。結果を表
1に示す。
分(b)ポリプロピレンを使用せずにサンプル1と同様
に行った。しかし、ペレット化できなかった。抽出残差
の電子顕微鏡観察では、微細な繊維は観察された。結果
を表1に示す。
ナイロン6を88重量部使用した以外はサンプル1と同
様に行って、ペレット化させた。このペレットについ
て、それぞれの物性を測定した。結果を表1に示す。
善ポリマー(株)、ケミレッツ−HD3070,融点1
30℃,MFI=8.0g/10min.〕、成分
(c)ナイロン6 130重量部を用いた。成分(a)
100重量部と成分(b)75重量部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン0.56部及び0. 1
重量部の4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリン酸
n−ブチルエステルとを同時にバンバリーミキサーで1
60℃で溶融混練しマトリックスを調製した。これを1
70℃でダンプ後ペレット化した。次いでこのマトリッ
クスと成分(c)88重量部を245℃にセットした2
軸混練機で混練し、ペレット化した。得られたペレット
を245℃にセットした1軸押出機で混練し紐状に押し
出し、ドラフト比10で引き取りつつ、ペレタイザーで
ペレット化した。得られたペレットをo−ジクロロベン
ゼンとキシレン混合溶媒中で還流抽出して、成分(a)
と成分(b)のポリエチレンと天然ゴムを除去し、残っ
た微細な繊維を電子顕微鏡観察した。結果を表1に示
す。
練機の代わりバンバリーミキサーを使用し、260℃で
ダンプした以外はサンプル5と同様に行って、ペレット
化した。抽出残差の電子顕微鏡観察では、微細な繊維は
観察された。結果を表1に示す。
(サンプル1、サンプル2)、第2のエラストマー(天
然ゴム:NR)、カーボンブラック(HAF)、プロセ
スオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N−フ
ェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン)、加硫促進剤(N−オキシジエチレン−2−ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド)及び硫黄を配合した。配
合手順は、160℃にセットしたブラベンダープラスト
グラフに、NRと繊維強化熱可塑性樹脂組成物を投入し
30秒間素練りし、次いでカーボンブラック、プロセス
オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を投入し4
分間混練後、80℃にセットしたオープンロール上で硫
黄及び加硫促進剤を配合した。得られた配合物を145
℃で30分間加硫して繊維強化弾性体組成物の加硫物を
得た。
2のエラストマーとして添加したNRの合計に対するナ
イロン6の繊維の割合は、5〜50重量%の範囲であっ
た(実施例1〜6)。実施例1〜6の加硫物は、全てナ
イロン6の微細な繊維がNR中に均一に分散していた。
又、引張物性は、100%モジュラスが7.5〜20.
0MPaとナイロン6の繊維が全くない比較例と比べて
極めて高い値を示した。300%モジュラスの場合も同
様であった。結果を表4に示した。
(サンプル3)、第2のエラストマー(天然ゴム:N
R)、カーボンブラック(HAF)、プロセスオイル、
亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N−フェニル−
N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン)、加硫
促進剤(N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリル
スルフェンアミド)及び硫黄を配合した。配合と加硫は
実施例1〜6と同様な手順で行った。繊維強化熱可塑性
樹脂組成物中のNRと第2のエラストマーとして添加し
たNRの合計に対するナイロン6の繊維の割合は、30
重量%であったが、ナイロン6の微細な繊維の分散は不
良であった。100%モジュラスは17.4MPaと高
かったものの、伸びは110%しかなかった。結果を表
4に示した。
の割合を100重量部に増加した他は、実施例1と同様
にした。ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られなかっ
た。100%モジュラスは2.1MPa、300%モジ
ュラスは10.9PAaであり、本願発明の実施例1〜
6と比較して極めて低い値であった。結果を表4に示し
た。
リブタジエンゴム(BR:UBEPOL BR 15
0)を20重量部を用いた以外は実施例1と同様にし
た。繊維強化熱可塑性樹脂組成物中のNRと第2のエラ
ストマーとして添加したBRの合計に対するナイロン6
の繊維の割合は、5重量%であった。ナイロン6の微細
な繊維の分散は良好であった。100%モジュラスは
7.2MPa、300%モジュラスは18.6MPaと
高く、伸びも450%と高かった。結果を表4に示し
た。
の割合を80重量部に増加した他は、実施例1と同様に
した。ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られなかった。
100%モジュラスは2.7MPa、300%モジュラ
スは13.1MPaであり、本願発明の実施例1〜6と
比較して極めて低い値であった。結果を表4に示した。
用いた以外実施例1と同様に行った。結果を表4に示し
た。実施例7と同様な結果であった。
(サンプル4、サンプル2)、第2のエラストマー(天
然ゴム:NR)、カーボンブラック(HAF)、プロセ
スオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(N−フ
ェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン)、加硫促進剤(N−オキシジエチレン−2−ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド)及び硫黄を配合した。配
合手順は、実施例1と同様にして繊維強化弾性体組成物
の加硫物を得た。繊維強化弾性体組成物中のNRと第2
のエラストマーとして添加したBRの合計に対するナイ
ロン6の繊維の割合は、3〜7重量%であった。ナイロ
ン6の微細な繊維の分散は良好であった。モジュラス
(100、200、300%)、引張強度、伸び及び定
荷重疲労は比較例の場合と比べて格段に優れているだけ
でなく、モジュラスと定荷重疲労については方向性が少
ないことが分かった。引き裂き強度も大きい。発熱性は
硬度に対して低く優れていた。結果を表5に示した。
の割合を100重量部に増加した他は、実施例1と同様
にした。ナイロン6の微細な繊維は殆ど見られなかっ
た。モジュラス、引張強度、伸び及び定荷重疲労は比較
例の場合と比べて格段に優れているだけでなく、モジュ
ラスと定荷重疲労については方向性は殆どなかったもの
の、実施例8〜10に比較し格段に低い値であった。発
熱性は硬度が低い割りには大きい。結果を表5に示し
た。
を含まないサンプル3を用い、第2のエラストマー(N
R)の割合を90重量部にした他は実施例1と同様にし
た。ナイロン6の微細な繊維は5重量%であったが分散
不良であった。モジュラス及び引張強度については、繊
維の配向方向の平行方向については実施例と同格の値を
示したが、繊維の配向方向の垂直方向についてはモジュ
ラス及び耐疲労性は極めて悪かった。結果を表5に示し
た。
エラストマーと繊維強化熱可塑性樹脂組成物、即ち、第
1のエラストマーとポリオレフィンからなるマトリック
ス中に、熱可塑性ポリアミドからなる微細な繊維が分散
した組成物を混練して製造することができる。この繊維
強化熱可塑性樹脂組成物は極めて容易にペレット化でき
るから、第2のエラストマーとは極めて容易に且つ均一
に混練でき、本発明の繊維強化弾性体組成物が容易に得
られる。本発明の繊維強化弾性体組成物は電子顕微鏡で
観察すると0.2μm の微細な熱可塑性ポリアミドの繊
維が均一に分散していると共に、ポリアミドと結合した
ポリオレフィンが繊維表面から結晶ラメラを形成し、こ
の結晶ラメラがアンカー効果の役割を果たし、繊維とマ
トリックスのエラストマーとの間の界面結合をより強固
なものとしている。一方、エラストマーと結合したポリ
オレフィンは、0.1μm 以下の微細な粒子としてエラ
ストマー中に均一に分散し、補強充填材の効果を発現し
ている。従って、本発明の繊維強化弾性体組成物は公知
の繊維強化弾性体組成物と比較して高硬度、高モジュラ
ス、耐疲労性、低発熱性(同一硬度で比較した場合)に
優れ、特に繊維の列理に垂直な方向のモジュラス、耐疲
労性に優れている。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物、即ち
(1)成分(a)のガラス転移温度が0℃以下のゴム状
ポリマー(第1のエラストマー)と成分(b)のポリオ
レフィンを成分(d)のシランカップリング剤で溶融混
練処理するか、又は成分(a)の第1のエラストマーと
成分(d)で処理した成分(b)のポリオレフィンを溶
融混練処理し、マトリックスを調製する第1工程、 (2)成分(c)の熱可塑性ポリアミドを、上記マトリ
ックスと成分(c)のいずれの融点より高い温度で溶融
混練し、次いで押出する第2工程、 (3)上記押出し物を成分(c)の融点より低く成分
(b)のポリオレフィンの融点より高い温度で延伸及び
/又は圧延する第3工程からなる繊維強化熱可塑性樹脂
組成物、及び(B)ガラス転移温度が0℃以下のゴム状
ポリマー(第2のエラストマー)を溶融混練する第4工
程からなる繊維強化弾性体組成物であって、且つ第1の
エラストマーと第2のエラストマーの合計量100重量
部に対して、成分(b)の割合が1〜40重量部、成分
(c)の微細な繊維の割合が1〜70重量部、成分(c)は70重量%以上が微細な繊維として分散し
ている ことを特徴とする繊維強化弾性体組成物の製造
法。 - 【請求項2】(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物が成分
(a)の第1のエラストマー、成分(b)及び成分
(c)からなる組成物であって、 成分(a)と成分(b)がマトリックスを構成してお
り、そのマトリックス中に成分(c)が微細な繊維とし
て分散しており、 且つ成分(c)が成分(a)及び成分(b)と結合して
いる繊維強化熱可塑性樹脂組成物である特許請求の範囲
第1項に記載の繊維強化弾性体組成物の製造法。 - 【請求項3】(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物と
(B)第2のエラストマーの混練量比が、(B)第2の
エラストマーと(A)繊維強化熱可塑性樹脂組成物との
重量比20/1〜0.1/1の範囲で、その混練温度
が、繊維強化熱可塑性樹脂組成物中の微細な繊維を構成
する成分(c)の融点より低く、成分(b)の融点より
高い温度である特許請求の範囲第1項に記載の繊維強化
弾性体組成物の製造法。 - 【請求項4】 成分(a)、成分(b)及び成分(c)の
割合は、成分(a)100重量部に対し、成分(b)は
30〜500重量部、成分(c)は10〜500重量部
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に
記載の繊維強化弾性体組成物の製造法。
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JP21776795A JP3154390B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 繊維強化弾性体組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21776795A JP3154390B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 繊維強化弾性体組成物の製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0959435A JPH0959435A (ja) | 1997-03-04 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1995
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