JPH07309975A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH07309975A
JPH07309975A JP10115394A JP10115394A JPH07309975A JP H07309975 A JPH07309975 A JP H07309975A JP 10115394 A JP10115394 A JP 10115394A JP 10115394 A JP10115394 A JP 10115394A JP H07309975 A JPH07309975 A JP H07309975A
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裕之 寺谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異方性が高く、疲労性及び低発熱性に優れた
ゴム組成物を提供する。 【構成】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のゴム成分100重量部に対
して、アミド基を有する熱可塑性エラストマーからなる
繊維1〜100重量部と、オレフィン系樹脂1〜100
重量部で、かつ、前記アミド基を有する熱可塑性エラス
トマーからなる繊維とオレフィン系樹脂との配合比が3
/7〜7/3であることからなるゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異方性が高く、疲労性
及び低発熱性に優れたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用タイヤ、コンベアベル
ト、ホース等の各種ゴム製品は、ますます性能の高度化
が要求され、疲労性、低発熱性等の特性の高度な両立が
求められている。
【0003】従来、加工性に優れ、しかも加硫物の強度
及びモジュラスが優れたゴム組成物を得るために、加硫
可能なゴムにナイロン、ポリエステル、ビニロンなどの
短繊維を配合することが知られている。例えば、特開昭
59−43041号公報には、ゴムとそれに埋封したナ
イロン繊維が、ノボラック型フェノールホルムアルデヒ
ド系樹脂の初期縮合物を介してグラフト結合している強
化ゴム組成物が記載されている。しかしながら、このゴ
ム組成物では、ゴム、ナイロン繊維の混練物に樹脂硬化
剤を配合し、ゴムの中で硬化させるため、ナイロン繊維
とゴムとのグラフト結合の調節が難しく、また、使用で
きるゴムも限定され、そのうえ、ナイロン繊維含量の少
ないゴム組成物しか得ることができなかった。
【0004】これを解決するために、特公平3−499
32号公報には、芳香族ポリアミドパルプ短繊維とフェ
ノール系樹脂をゴムに混練することにより短繊維補強と
樹脂補強を行い、これらによって高弾性率化できるゴム
組成物が記載されている。しかしながら、このゴム組成
物では、ゴム分子と芳香族ポリアミドパルプ短繊維とが
直接結合していないので、補強効率が低く、更に短繊維
自体がゴム中で破壊核として作用し、ゴムの疲労耐久性
とクリープ性を著しく低下させる欠点を有し、また、パ
ルプ状の繊維をバンバリーミキサー等の混練機を用いて
ゴム中に分散させるため、分散レベルが極めて低く、あ
る量を越えると短繊維の配合量に対する補強効果が低下
し、更に増量されると、混練、押出しが極めて困難とな
る欠点を有している。
【0005】また、目的の弾性率を得るために、短繊維
配合ゴムにカーボンブラック、ノボラック型フェノール
樹脂を添加することが発想されるが、カーボンブラック
やノボラック型フェノール樹脂を添加することにより、
ゴムの粘度が大幅に増大し、混練り、シート化、熱入
れ、押出しなどの各工程にて、作業が極めて難しくなる
ばかりでなく、短繊維が、所望する方向に配列し難くな
り、短繊維を配合する効果が、大幅に低下してしまうと
いう欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑み、これらの課題を解決するものであり、異方
性が高く、疲労性及び低発熱性に優れたゴム組成物を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、鋭意研究を行った結果、特定の繊維と、
特定の樹脂とをジエン系ゴム成分に配合することによ
り、繊維補強だけでは従来なし得なかった上記目的のゴ
ム組成物を得ることに成功し、本発明を完成するに至っ
たのである。すなわち、本発明のゴム組成物は、天然ゴ
ム及びジエン系合成ゴムからなる群から選ばれた少なく
とも1種のゴム成分100重量部に対して、アミド基を
有する熱可塑性エラストマーからなる繊維1〜100重
量部と、オレフィン系樹脂1〜100重量部で、かつ、
前記アミド基を有する熱可塑性エラストマーからなる繊
維とオレフィン系樹脂との配合比が3/7〜7/3であ
ることを特徴とする。前記熱可塑性エラストマーからな
る繊維はナイロン6からなること、オレフィン系樹脂は
ポリプロピレンからなることが好ましい。また、熱可塑
性エラストマーからなる繊維の平均径は、0.1〜1.
0μm、平均長さLと平均径Dの比(L/D)は8以上
であることが好ましい。前記オレフィン系樹脂の融点は
130〜200℃であることが好ましい。加硫促進剤あ
るいは加硫剤を含まない練りステージにおける最終練り
温度がオレフィン系樹脂の融点より3℃以上高いことが
好ましい。
【0008】
【作用】本発明のゴム組成物は、天然ゴム及びジエン系
合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種のゴム
成分100重量部に対して、アミド基を有する熱可塑性
エラストマーからなる繊維と、オレフィン系樹脂とをそ
れぞれ特定量配合することにより構成したものであり、
これらのアミド基を有する熱可塑性エラストマーからな
る繊維及びオレフィン系樹脂とが互いに相乗することに
より初めて異方性が高く、疲労性及び低発熱性に優れた
ゴム組成物が得られるという新たな事実に基づくもので
あり、それぞれの条件を部分的に満足しても本発明の目
的は達成されないものである(この点に関しては、更に
実施例等で詳しく説明する)。
【0009】以下、本発明の内容を説明する。本発明に
好適に使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム
(NR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン
−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴ
ム(BR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム
(CR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化
ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPDM)などが挙げられ、これらのゴムを単独若
しくは2種以上併用することができる。
【0010】本発明において用いるアミド基を有する熱
可塑性エラストマー(以下、「ポリアミド」という)と
しては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン61
2、ナイロン6/66の共重合を含むポリアミド、及び
これらの2種以上の混合ポリアミド等を挙げることがで
きる。使用するポリアミドの分子量は8000以上が好
ましく、マスターバッチを作るときの混練りの温度との
兼ね合いから、その融点は170〜240℃の範囲にあ
るものが好ましい。このポリアミドの配合量は、例え
ば、マスターバッチであるポリアミド及び後述するオレ
フィン系樹脂との補強ゴムにジエン系ゴムを更に混練す
ることにより、適宜調整することができる。また、本発
明のゴム組成物の中で、ポリアミドは短繊維の形で含ま
れ、物性面及び加工面より、短繊維としてのポリアミド
の量という見方が必要で、その配合量は、上記ジエン系
ゴム成分100重量部に対して1〜100重量部、好ま
しくは、2.5〜50重量部、さらに好ましくは5〜3
0重量部である。ポリアミドの配合量が1重量部未満で
は、本発明の効果を発揮することができず、また、10
0重量部超過では、作業性が著しく低下し、加工性が困
難となり好ましくない。
【0011】本発明のゴム組成物中におけるポリアミド
は、ゴム分子と何らかの結合状態であればよいが、例え
ば、グラフト結合等、化学的に結合していることが好ま
しい。このポリアミドは、その断面が円形又はそれに類
する形であり、平均径Dは、0.1〜1.0μm、好ま
しくは、0.1〜0.8μmであり、さらに好ましく
は、その90重量%以上が1.0μm以下であり、その
平均繊維長Lは10μm以上で、かつ、その90重量%
以上が1000μm以下のものが好ましい。平均径Dが
1.0μmを越えると、繊維端部にて発生する応力集中
により、疲労耐久性の低下を招来する。また、ポリアミ
ドの平均長さLと平均径Dの比(L/D)が大きいほ
ど、配向しやすくなり異方性を高める効果がある。よっ
て、ポリアミドの理想的な特性としては、径を小さく、
L/Dを大きくすることが好ましいといえる。そこで、
L/Dは8以上であることが必要で、好ましくは50〜
5000である。L/Dが8未満であると、異方性を高
めることができず、好ましくない。なお、本発明で用い
るポリアミドは、ゴム中にて溶融延伸するため、きわめ
て、ミクロな繊維であり、大幅な疲労耐久性の向上が実
現できるものである。
【0012】本発明において用いるオレフィン系樹脂と
しては、例えば、低密度ポリエチレン(L−PE)、高
密度ポリエチレン(H−PE)、ポリプロピレン(P
P)等が挙げられる。オレフィン系樹脂の融点は、13
0〜200℃、好ましくは150〜170℃である。融
点が130℃未満であると、加硫後のゴム物性である発
熱性を低下させることができず、また、融点が200℃
をこえると、加工性が悪化し、ゴム練り時に溶解せず、
好ましくない。
【0013】オレフィン系樹脂の配合量は、マスターバ
ッチであるオレフィン系樹脂及び上記ポリアミドとの補
強ゴムにジエン系ゴムを更に混練することにより、適宜
調整することができ、上記ジエン系ゴム成分100重量
部に対して1〜100重量部、好ましくは、2.5〜5
0重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。オ
レフィン系樹脂の配合量が1重量部未満では、本発明の
効果を発揮することができず、また、100重量部超過
では、作業性が著しく低下し、加工性が困難となり好ま
しくない。さらに、前記ポリアミドとオレフィン系樹脂
との配合比は、3/7〜7/3であり、好ましく、4/
6〜6/4であり、その配合比が3/7未満であると、
異方性、疲労性が低下し好ましくなく、また、配合比が
7/3超過では、発熱性が高くなり好ましくない。
【0014】次に、本発明におけるゴム組成物の製造方
法の一例を挙げる。ここで用いる材料及びその量は上述
したとおりである。まず、ジエン系ゴム及びアミン系老
化防止剤を1〜3分間程度混練りし、次いで、ポリアミ
ド、オレフィン系樹脂を投入して混練りしポリアミド及
びオレフィン系樹脂の融点以上の温度まで上昇させ溶融
させる。次いで、必要に応じてフェノール樹脂オリゴマ
ー等のカップリング剤を添加し、さらに混練りしてマス
ターバッチを得る。次いで、押し出し機にて、このマス
ターバッチを押し出し、延伸してポリアミド繊維・オレ
フィン系樹脂で強化されたゴム組成物を得る。
【0015】更に得られたマスターバッチ(グラフト結
合により、ジエン系ゴムをポリアミド及びオレフィン系
樹脂で補強したもの)に対し、配合物中のポリアミド及
びオレフィン系樹脂を目的量に調節するため、ジエン系
ゴムを適宜添加し、ゴム工業で通常使用されるカーボン
ブラック、硫黄、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
老化防止剤、カーボンブラック以外の例えば、シリカ等
の充填剤、ノボラック型フェノール樹脂、プロセスオイ
ル等を適宜添加し、バンバリーミキサー、ニーダー等に
より混練りし、目的のゴム組成物を得ることができる。
この混練りは、加硫促進剤あるいは加硫剤を含まない練
りステージにおいて最終練り温度がオレフィン系樹脂の
融点より3℃以上高い温度となるように30秒〜10分
で混練りする。上記練り後の最終練り温度がオレフィン
系樹脂の融点より3℃以上高い温度とするのは、オレフ
ィン系樹脂を完全に溶融させてオレフィン系樹脂の良好
な分散とポリアミドへの融着を促進させるためである。
なお、加硫温度はオレフィン系樹脂の融点より3℃以上
高く設定することが好ましい。3℃以上高くすると、オ
レフィン系樹脂の分散及びポリアミドへの融着しやすく
なるからである。
【0016】本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムとポ
リアミドとが化学的に結合すると共に、該ポリアミドに
はオレフィン系樹脂が融着された状態となり、該ポリア
ミドの特性である耐破断性、疲労性の向上及びオレフィ
ン系樹脂の特性である異方性の向上が複合化されること
により異方性が高く、疲労性及び低発熱性に優れたもの
となる。従って、ポリアミド、オレフィン系樹脂、カー
ボンブラック、硫黄、加硫促進剤などの配合量を、目的
とする物性に適宜調節することによりベルト、カーカ
ス、ビードなどのタイヤ内部部材、トレッド、サイドウ
ォールなどのタイヤ外部部材として、または、コンベア
ベルト、ホース等の各種ゴム製品などに好適に使用する
ことができる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例及び比較例等により、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
等によって、何等限定されるものではない。
【0018】本実施例等において、使用したポリアミド
繊維〔ナイロン6(Ny-6)〕及びオレフィン系樹脂
〔ポリプロピレン(PP)〕は、下記表1及び表2に示
される各種である。なお、融点の測定は、下記方法によ
り測定した。 (融点の測定)セイコー電子(株)の示唆熱分析計DS
C200を用いて、昇温速度10℃/分で30℃から2
50℃までの温度範囲で昇温し、得られた吸熱ピークか
ら融点温度を測定した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】(実施例1〜5、比較例1〜12)天然ゴ
ム100重量部及びN−(3−メタクリロイルオキシ−
2−ヒドロキシプロピル)−N´−フェニル−P−フェ
ニレンジアミン〔商品名「ノクラックG−1」,大内新
興化学工業(株)製〕1.0重量部を混練り後、分子量
300000及び融点220℃の6−ナイロン樹脂50
重量部及び融点160℃のポリプロピレン樹脂50重量
部を加え7分間混練りし、練り温度が232℃となり、
6−ナイロンは溶融し、次いで、ノボラック型フェノー
ルホルムアルデヒド初期縮合物2重量部を投入し、さら
にへキサメチレンテトラミン0.2重量部を加えマスタ
ーバッチを得た。次いで、押し出し機にてマスターバッ
チを延伸し、短繊維ポリアミド・オレフィン系樹脂補強
ゴムマスターバッチを得た。なお、本マスターバッチ
は、バンバリーミキサーにて更にジエン系ゴムと混練り
することにより、ポリアミド(6−ナイロン)、オレフ
ィン系樹脂(ポリプロピレン)の配合量を適宜調節する
ことができる。また、使用するポリアミドの粉末の平均
粒径を変えることで、表1に示すようにマスターバッチ
中のポリアミド(6−ナイロン)の平均径(D)、長さ
(L)を得た。また、表2に示す融点の異なるオレフィ
ン系樹脂を使用した。
【0022】次いで、この補強ゴムマスターバッチに下
記表3及び表4に示される配合剤をバンバリーミキサー
にて配合して各種ゴム組成物を作製し、加硫して配向方
向50%モジュラス(M50p)、配向垂直方向50%モ
ジュラス(M50V)、異方性(M50p/M50V)、発熱性
(Tanδ)、繰り返し疲労性(動的クリープ)、破壊
限界Tb(p)、Tb(v)を評価した。これらの結果
を下記表3及び表4に示す。
【0023】上記50%モジュラス(M50p、M50V)、
発熱性(Tanδ)、繰り返し疲労性(動的クリー
プ)、破壊限界Tb(p)、Tb(v)の測定は、下記
の方法により行った。なお、繊維配合方向をp、繊維配
合方向と垂直の方向をvとして表示する。 (1) 50%モジュラス(M50p、M50V) JIS K 6301に準拠して、3号ダンベルを試料
として測定した。 (2) 発熱性(Tanδ) 発熱性をtanδにより評価した。tanδは、レオメト
リクス社製、メカニカルスペクトロメーターを用いて動
的歪1.0%、周波数(振動)52Hzの条件下で25℃
におけるtanδを測定した。
【0024】(3) 繰り返し疲労性(動的クリープ) JIS K 6301に準拠して、初期荷重5kgf/c
m2、動荷重50kgf/cm2で測定した。 (4) 破壊限界Tb(p)、Tb(v) JIS K 6301に準拠して、破壊強度を測定し
た。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】〔上記表3及び表4の考察〕総論的にみる
と、本発明の範囲である実施例1〜5は、本発明の範囲
外となる比較例1〜12に較べ、異方性(M50p
50V)に優れ、発熱性(Tanδ)が低く、繰り返し
疲労性(動的クリープ)に優れ、しかも、破壊限界Tb
(p)、Tb(v)が大きいことが判明した。
【0028】個別的に検討してみると、実施例1、2
は、ポリアミド及びオレフィン系樹脂の物性及びその配
合組成は同量であるが、練り温度(最終)がオレフィン
系樹脂の融点より3℃以上高い温度の場合、すなわち、
実施例1は10℃、実施例2は5℃高い場合であり、融
点との差が高い実施例1の方が異方性が高く、破壊限界
が大きいことがわかる。これに対して比較例1〜3は、
実施例1、2と同様の配合組成であるが、比較例1は、
練り温度(最終)がオレフィン系樹脂の融点より5℃低
い場合であり、オレフィン系樹脂が充分に溶融しないた
め異方性、繰り返し疲労性、破壊限界が低下し好ましく
なく、比較例2は、ポリアミドの物性(L/Dが7.
8)が低い場合であり、特に、異方性が大幅に低下し、
比較例3は、ポリアミドの物性(平均繊維径Dが1.
1)が大きい場合であり、繊維端部で発生する応力集中
により、特に、繰り返し疲労性が大幅に低下することが
判明した。
【0029】実施例3は、実施例1、2と同様の配合組
成であるが、オレフィン系樹脂の融点が140℃の場合
であり、この融点温度でも本発明の効果を発揮すること
ができることが判明した。これに対して比較例4〜6
は、実施例3と同様の配合組成であるが、比較例4はオ
レフィン系樹脂の融点を140℃から更に低く120℃
とした場合であり、発熱性が高くなり好ましくなく、比
較例5は、オレフィン系樹脂の融点を140℃から更に
高く202℃とした場合であり、発熱性が高くなり、ま
た、繰り返し疲労性が大幅に低下し好ましくなく、比較
例6は、ポリアミドのみの(オレフィン系樹脂を配合し
ない)場合であり、この場合特に、異方性が大幅に低下
することが判明した。また、比較例7は、オレフィン系
樹脂のみの(ポリアミドを配合しない)場合であり、特
に、異方性及び繰り返し疲労性が大幅に低下することが
判明した。
【0030】実施例4は、実施例1、2に較べ、ポリア
ミド及びオレフィン系樹脂の配合組成を共に(10重量
部から)5重量部としたものであり、この配合組成でも
本発明の効果を発揮することができることが判明した。
これに対して比較例8は、ポリアミドのみの(オレフィ
ン系樹脂の配合しない)場合であり、特に、繰り返し疲
労性が大幅に低下することが判明し、比較例9は、ポリ
アミドの配合組成を5重量部から10重量部とし、か
つ、オレフィン系樹脂の配合しない場合であり、この場
合、特に、発熱性が大幅に高くなることが判明した。
【0031】実施例5は、実施例1、2に較べ、ポリア
ミド及びオレフィン系樹脂の配合組成を共に(10重量
部から)60重量部とした高い弾性率ゴム配合の場合で
あり、この配合組成でも本発明の効果を発揮することが
でき、特に、繰り返し疲労性を大幅に向上させることが
できることが判明した。これに対して比較例10は、実
施例5に対してM50vをあわせる設定であり、ポリアミ
ドのみの(オレフィン系樹脂を配合しない)場合である
ため、その分カーボンブラックの増量が必要(15重量
部から45重量部)となり、これにより、発熱性が高く
なり、しかも、異方性が小さく、繰り返し疲労性が大幅
に低下することが判明した。また、比較例11と12
は、ポリアミド及びオレフィン系樹脂の配合比がそれぞ
れ10/30(=1/3)、60/20(=3)となる
場合である。比較例11では、実施例1に較べ、オレフ
ィン系樹脂が極端に増量したものであるので、異方性及
び破棄限界が小さく、繰り返し疲労性も低下することが
判明した。比較例12では、実施例5に較べ、ポリアミ
ドが極端に増量したものであるので、異方性が小さくな
り、発熱性も高くなり、繰り返し疲労性も低下すること
が判明した。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ジエン系ゴムとアミド
基を有する熱可塑性エラストマーからなる繊維とが化学
的に結合されると共に、該ポリアミドにはオレフィン系
樹脂が融着された状態となり、該ポリアミド繊維の特性
である耐破断性、疲労性の向上及びオレフィン系樹脂の
特性である異方性の向上が複合化されることとなるの
で、異方性が高く、疲労性及び低発熱性に優れたものと
なり、従って、ベルト、カーカス、ビードなどのタイヤ
内部部材、トレッド、サイドウォールなどのタイヤ外部
部材としてのタイヤ、または、コンベアベルト、ホース
等の各種ゴム製品などに好適に使用することができるゴ
ム組成物が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる
    群から選ばれた少なくとも1種のゴム成分100重量部
    に対して、アミド基を有する熱可塑性エラストマーから
    なる繊維1〜100重量部と、オレフィン系樹脂1〜1
    00重量部で、かつ、前記アミド基を有する熱可塑性エ
    ラストマーからなる繊維とオレフィン系樹脂との配合比
    が3/7〜7/3であることからなるゴム組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーからなる繊維がナ
    イロン6であり、オレフィン系樹脂がポリプロピレンで
    ある請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーからなる繊維の平
    均径Dが0.1〜1.0μmであり、平均長さLと平均
    径Dの比(L/D)が8以上である請求項1記載のゴム
    組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン系樹脂の融点が130〜20
    0℃である請求項1記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 加硫促進剤あるいは加硫剤を含まない練
    りステージにおける最終練り温度がオレフィン系樹脂の
    融点より3℃以上高い請求項1記載のゴム組成物。
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