JPH07272725A - 二次電池負極用炭素材料の製造方法 - Google Patents

二次電池負極用炭素材料の製造方法

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JPH07272725A
JPH07272725A JP6085421A JP8542194A JPH07272725A JP H07272725 A JPH07272725 A JP H07272725A JP 6085421 A JP6085421 A JP 6085421A JP 8542194 A JP8542194 A JP 8542194A JP H07272725 A JPH07272725 A JP H07272725A
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岡 卓 司 原
木 香 ▲高▼
Ko Takagi
Hitomi Hatano
仁 美 羽多野
Noriyoshi Fukuda
田 典 良 福
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リチウムイオン二次電池の負極用炭素として平
均粒径が好適に制御された球状の炭素質を効率良く得る
ことができる二次電池負極用炭素材料の製造方法を提供
する。 【構成】フリーカーボンを含有するコールタールを35
0〜500℃で熱処理して得られるメソフェーズカーボ
ン小球体を、 粉砕を行い平均粒径を3〜10μmとし、さらに10
℃/hr以下の昇温速度で600〜700℃の温度範囲
内まで昇温し、該温度範囲内での熱処理を行い、その
後、1000〜3000℃で焼成する。 粉砕を行い平均粒径を3〜10μmとし、その後酸化
性雰囲気中で300℃以下の温度で酸化処理を施し、そ
の後、1000〜3000℃で焼成する。 得られるメソフェーズカーボン小球体を600〜70
0℃の温度範囲内で熱処理し、その後粉砕を行い平均粒
径を3〜10μmとした後に1000〜3000℃で焼
成する。 得られるメソフェーズカーボン小球体を1000〜3
000℃で焼成し、さらに粉砕して平均粒径を3〜10
μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は近年急速に開発が進めら
れているリチウムイオン二次電池の負極に使用される炭
素材料の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池は優れた電池容
量とサイクル寿命を有し、また環境汚染上の問題の少な
いことから現在の主流であるニッケル・カドミウム電池
に代わる次世代の二次電池として注目を浴びている。リ
チウムイオン二次電池が実用化可能となったのは、負極
材料として安全性に問題のあったリチウム金属に代わ
り、リチウムイオンをインターカレートした炭素材料が
安定したドープ材料となりうることが発見されてからで
あり、リチウムイオン二次電池の実用化と性能向上に果
たす炭素材料の役割は大きい。こうした中で炭素材料に
関する多くの発明考案がなされてきた。中でも、特開平
4−115458号、特開平4−184862号、特開
平4−188559号、特開平4−190556号、特
開平4−190557号、特開平4−332484号等
に、ピッチ類を熱処理する際にピッチ中に生成するメソ
フェーズカーボン小球体を高温処理した炭素材料の使用
が、リチウムイオン二次電池の負極に適していることが
示されている。
【0003】これは、メソフェーズカーボン小球体が数
十〜数μmの微小な球体であり、リチウムイオンの挿入
・離脱のサイトが多いこと、電極製造時において電極の
単位表面積当たりの炭素材料の充填率が大きくとれるこ
とに加えて、メソフェーズカーボン小球体が1000℃
以上の高温処理によって適度な黒鉛構造を取りうること
に起因するためと考えられている。
【0004】炭素を用いたリチウムイオン二次電池で
の、負極におけるリチウムイオンの挿入・離脱の機構は
現在の処充分に理解されてはいない。黒鉛層間化合物と
の類似性から黒鉛構造との関連性が言われているもの
の、電解質や溶媒などの電池の構成要素により最適な黒
鉛構造は異なると言われている。
【0005】たとえば、特開平4−190556号で
は、炭素のX線回折におけるC軸方向の結晶格子の厚み
(Lc)が200Å以下であって、かつA軸方向の結晶
格子の厚み(La)との比Lc/Laが1.3以上であ
る炭素材料が負極として良い性能を与えること、また、
特開平4−190557号では、Laが150Å以上で
あって、かつLc/Laが1.67以下である炭素材料
が負極として良い性能を与えることが述べられている。
また、特開平4−188559号では、格子面間隔(d
002)が3.45Å以下であって、かつLcが300
Å以上である炭素材料が負極として良い性能を与えると
している。さらに、特開平4−184862号では、d
002が3.35〜3.40であって、かつLcおよび
Laが200Å以上であり、かつ真密度が2.00〜
2.25g/cm2 である炭素材料がリチウムイオン二
次電池負極用炭素材料として好適であることが述べられ
ている。
【0006】このようにリチウムイオン二次電池負極用
炭素材料としての最適な黒鉛構造は千差万別であり、そ
れぞれの電池が好適な黒鉛構造をもつ炭素材料を提供す
ることが必要となっており、黒鉛構造の制御が負極用炭
素材料を提供するにあたって重要な課題となっている。
【0007】一方、電池という限られた空間において最
大の電池容量を実現するには、負極用炭素材料の集電板
上での充填率を最大にする必要があり、このため球形を
有するメソフェーズカーボン小球体は好適とされる。ま
た、この際にメソカーボン小球体の粒径は重要である。
たとえば特開平5−36413号では、粒径が5〜10
μm以下の炭素質材料の使用によって自己放電が起きる
こと、および大粒径炭素の存在により、これがセパレー
ターを貫通して内部ショートが発生しやすくなる他、充
填密度の低下が起きて放電容量等の点において不都合が
生じることが述べられている。このため、電池に好適な
粒径をもつ炭素材料を提供することが必要となってい
る。
【0008】しかしながら、メソフェーズカーボン小球
体は高温処理(約500〜600℃)時に融着を起こ
し、球体の維持が困難となるため、工業的に安定して上
記の特性(高充填率)を有する負極材に適した炭素材料
を供給することは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般にメソフェーズカ
ーボン小球体は、石油ピッチやコールタール、コールタ
ールピッチ、エチレンボトム油等を常圧もしくは加圧下
において350〜500℃で熱処理することによって発
生する光学的異方性小球体を、トルエン、ピリジン、タ
ール軽油、粗ナフタレン油、洗浄油、脱晶アントラセン
油等の溶剤でマトリックス成分と呼ばれる小球体以外の
成分と分離することで得られる。さらに、得られたメソ
フェーズカーボン小球体を不活性ガス雰囲気下もしくは
還元性ガス雰囲気下で1000〜3000℃で焼成処理
することによりリチウムイオン二次電池負極用炭素材料
とする。
【0010】しかしながら、こうして得られる炭素材料
は原料とするピッチやタールの品質、熱処理での条件に
よって粒径は数μm〜数十μmと変動する。また、かか
る製造方法では、大きい昇温温度で1000℃の加熱処
理を実施すると、メソフェーズカーボン小球体中に残る
軽質分の影響でメソフェーズ小球体の軟化が促進されて
溶融焼結することにより、平均粒径が好適に制御された
球状の炭素質を効率よく得ることはできなくなる。
【0011】したがって、本発明は、上述した従来技術
の欠点を解消し、リチウムイオン二次電池の負極用炭素
として平均粒径が好適に制御された球状の炭素質を効率
良く得ることができる二次電池負極用炭素材料の製造方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解説するための手段】上記のような問題点は、
次のような方法をとることにより解決することができ
る。
【0013】 本発明者らは、メソフェーズ小球体の
溶融が550℃までに起きること、さらに、溶融の程度
は昇温速度によって異なり、昇温速度が遅いほど溶融の
程度が少なくなることを見出した。したがって、メソフ
ェーズ小球体を目標とする粒度に粉砕した後、溶融のお
きる温度以上の600〜700℃までの熱処理を10℃
/hr以下の昇温速度で実施することによって粒子の融
着が起きにくくなるため、粉砕した粒度を維持したまま
で炭素材の製造が可能である。 また、熱処理時の溶融を防止するために不融化処理
を行うことも有効である。これには酸化性雰囲気下で3
00℃以下の温度で酸化処理を実施すればよい。 また、本発明者らは、メソフェーズ小球体の溶融が
550℃までに起きること、さらに、焼結の進行する反
応がさらに高温であることを見出した。したがって、溶
融のおきる温度で熱処理した小球体は焼結力が弱く粉砕
が容易であることから、600〜700℃の温度範囲内
まで熱処理した後、ここで一旦熱処理を停止して粉砕し
て粒度を調整してやれば、その後の1000〜3000
℃の熱処理を行っても球形が維持され、なおかつ好適な
黒鉛化度の炭素質球体が得られる。 また、これら以外の方法として、1000〜300
0℃の熱処理を行った後に粉砕を実施することも有効で
ある。
【0014】すなわち本発明は、フリーカーボンを含有
するコールタールを350〜500℃で熱処理し、生成
するメソフェーズカーボン小球体をピッチマトリックス
から有機溶剤で洗浄分離した後、粉砕を行い平均粒径を
3〜10μmとし、さらに10℃/hr以下の昇温速度
で600〜700℃の温度範囲内まで昇温し、該温度範
囲内での熱処理を行い、その後、1000〜3000℃
で焼成することを特徴とする二次電池負極用炭素材料の
製造方法を提供するものである。
【0015】また本発明は、フリーカーボンを含有する
コールタールを350〜500℃で熱処理し、生成する
メソフェーズカーボン小球体をピッチマトリックスから
有機溶剤で洗浄分離した後、粉砕を行い平均粒径を3〜
10μmとし、その後酸化性雰囲気中で300℃以下の
温度で酸化処理を施し、その後、1000〜3000℃
で焼成することを特徴とする二次電池負極用炭素材料の
製造方法を提供するものである。
【0016】また本発明は、フリーカーボンを含有する
コールタールを350〜500℃で熱処理し、生成する
メソフェーズカーボン小球体をピッチマトリックスから
有機溶剤で洗浄分離した後、得られるメソフェーズカー
ボン小球体を600〜700℃の温度範囲内で熱処理
し、その後粉砕を行い平均粒径を3〜10μmとした後
に1000〜3000℃で焼成することを特徴とする二
次電池負極用炭素材料の製造方法を提供するものであ
る。
【0017】さらに本発明は、フリーカーボンを含有す
るコールタールを350〜500℃で熱処理し、生成す
るメソフェーズカーボン小球体をピッチマトリックスか
ら有機溶剤で洗浄分離した後、得られるメソフェーズカ
ーボン小球体を1000〜3000℃で焼成し、さらに
粉砕して平均粒径を3〜10μmとすることを特徴とす
る二次電池負極用炭素材料の製造方法を提供するもので
ある。
【0018】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。メソフ
ェーズカーボン小球体の原料(特にコールタール)中に
はフリーカーボンと呼ばれる成分が含まれている。フリ
ーカーボンとは、コークス炉での上部空間でタールが8
00℃以上に急速に加熱された時に生成する非晶質炭素
であり、難黒鉛化性炭素材料に属しコールタール中のQ
I(キノリン不溶成分)として定量化が可能である。
【0019】コールタール中に含まれるフリーカーボン
(以下FCと称する)量はメソフェーズカーボン小球体
の発生およびかかるメソフェーズカーボン小球体の粒径
およびこれを焼成、黒鉛化した際の黒鉛構造に大きな影
響を及ぼす。このため、コールタール中のFCは0.5
重量%以上であって5.0重量%以下であることが望ま
しい。FCが0.5重量%未満ではメソフェーズカーボ
ン小球体を発生させる400℃前後での熱処理時に、発
生したメソフェーズ小球体が反応中に沈降してコークス
が容易に生成し、球体を工業的に得ることはできない。
また、FCが5.0重量%を越える場合にはメソフェー
ズ小球体中のFC量が多くなり、その後の焼成によって
も黒鉛構造が発達しない。このため、リチウムイオン二
次電池負極用炭素材料として求められる黒鉛構造を満足
しない。
【0020】このようなコールタールを350〜500
℃で熱処理するとメソフェーズカーボン小球体が生成す
る。これを溶剤で洗浄し、マトリックスからメソフェー
ズカーボン小球体を分離する。この時に使用する溶剤の
種類および洗浄の温度は、得られたメソフェーズカーボ
ン小球体を焼成、黒鉛化した際の黒鉛構造に大きな影響
を及ぼす。なぜなら、これらの洗浄によって得られるメ
ソフェーズカーボン小球体にはキノリン可溶分(QS)
と呼ばれる比較的に分子量の低い成分が残存し、これら
の成分は焼成、黒鉛化を経ることで黒鉛化度の低い非晶
質炭素となるからである。このキノリン可溶分は、メソ
フェーズカーボン小球体を過剰量のアセトンで洗浄した
後、これをさらにキノリンで洗浄することによって溶解
してくる成分として定量できる。
【0021】前記溶剤としては通常、芳香族系の溶剤が
使用される。好適な溶剤はベンゼン、トルエン、ピリジ
ン、キノリン、タール軽油、粗ナフタレン油、洗浄油、
脱晶アントラセン油等のピッチ類に対し強い抽出力を有
する沸点120〜280℃までの範囲に入る有機溶剤を
使用すると良い。これらの有機溶剤は単独で用いても良
いし二種以上を混合して用いても良い。洗浄温度は50
℃から溶剤の沸点までが好適である。これより温度が低
いと洗浄力が極端に低下する。キノリン可溶分は目標と
する黒鉛化度によって異なるが、通常、キノリン可溶分
で50〜0%である。キノリン可溶分が多ければ黒鉛化
したときの黒鉛化度は低下し、少なければ黒鉛化度は高
くなる。
【0022】洗浄後のメソフェーズ小球体は窒素などの
不活性雰囲気下もしくは減圧下で乾燥させて洗浄溶剤を
除去する。
【0023】乾燥したメソフェーズカーボン小球体は以
下の方法で粉砕、熱処理を経て黒鉛化した球状の炭素質
粒子とするが、これには先述した4法のいずれも用いる
ことが可能である。目標とする球状炭素質粒子の平均粒
径は3〜10μmであるのが望ましい。平均粒径が3μ
mに満たない場合には自己放電が著しくなる、副反応が
起きるなど望ましくない。また平均粒径が10μmを越
えると極板上への炭素材の充填密度が低下し、体積当た
りの容量が低下する。
【0024】(方法1)乾燥後のメソフェーズカーボン
小球体を粉砕し平均粒径を3〜10μmとする。この際
に使用される粉砕機は一般的に使用されるどのような粉
砕機でも使用可能であるが、粉砕後の粒子の形状から、
より望ましくはジェットミルが好適である。粉砕後のメ
ソフェーズカーボン小球体は10℃/hr以下の昇温速
度で600〜700℃の温度で熱処理される。昇温速度
が10℃/hrを超えると粒子表面が溶融し粒子同士の
融着が発生して望ましくない。この後、さらに1000
〜3000℃までの温度で熱処理し黒鉛化する。
【0025】(方法2)粉砕までは方法1と同様に行
い、その後、不融化を実施する。不融化には通常行われ
る空気酸化が好適である。粉砕後のメソフェーズカーボ
ン小球体を空気中またはCO2 等の酸化性ガス雰囲気下
にて300℃以下の温度で、後工程である1000〜3
000℃の温度範囲で行う熱処理時に溶融しなくなるま
で酸化する。この後、さらに1000〜3000℃まで
の温度で熱処理し黒鉛化する。
【0026】(方法3)乾燥後のメソフェーズカーボン
小球体を600〜700℃の温度で熱処理する。熱処理
後に得られる塊状の炭素質を粉砕し平均粒径を3〜10
μmとする。この際に使用される粉砕機は一般的に使用
されるどのような粉砕機でも使用可能であるが、粉砕後
の粒子の形状から、より望ましくはジェットミルが好適
である。この後、さらに1000〜3000℃までの温
度で熱処理し黒鉛化する。
【0027】(方法4)乾燥後のメソフェーズカーボン
小球体を1000〜3000℃までの温度で熱処理し黒
鉛化し、塊状の黒鉛化物を粉砕し平均粒径を3〜10μ
mとする。この際に使用される粉砕機は一般的に使用さ
れるどのような粉砕機でも使用可能であるが、粉砕後の
粒子の形状からより望ましくはジェットミルが好適であ
る。
【0028】本発明方法においては、黒鉛化後の炭素材
の球形度維持の面からは、方法1または方法2が最も好
ましい。これは低温(350〜500℃)での熱処理後
の段階で、粉砕を行えば、カーボンの硬度が小で、軽度
の粉砕で良く、球形度が最も良好に保持されるためであ
る。
【0029】本発明方法において、黒鉛化後の炭素材の
球形度維持および粉砕装置の保守の面からは方法3が好
ましい。これは中温(600〜700℃)での熱処理後
粉砕を行えば、カーボンの硬度が未だそれ程大となって
おらず比較的軽度の粉砕で良く、球形度が良好に保持さ
れ、またメソフェーズカーボン小球体の軽質分が除去さ
れているため粉砕装置内へのカーボン付着が防止される
ためである。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 <実施例1>フリーカーボン(QI)を1.5%含有す
るコールタール10重量部を450℃で0.2hr熱処
理してメソフェーズカーボン小球体を生成させた。かか
る熱処理ピッチをタール中油(bp130〜250℃)
60重量部を使用して140℃で2回の洗浄を行い、ピ
ッチマトリックス中から平均粒径22μmのメソフェー
ズカーボン小球体3.4重量部を分離した。かかる小球
体を窒素雰囲気下で100℃で7時間で乾燥させた。さ
らにジェットミルを使用し平均粒径5.0μmの粉末と
した。これをアルゴン雰囲気下で昇温速度5℃/hrで
600℃まで昇温し、さらに、3時間で2500℃まで
昇温し黒鉛化した。黒鉛化した試料のSEM写真を図1
に示す。得られた炭素質球体の平均粒径は4.6μmで
球形を維持しており、X線回折による解析から、d(0
02)=3.39Å、Lc(002)=360Åであっ
た。
【0031】<実施例2>粉砕までを実施例1と同様の
方法で得たメソカーボン小球体を空気中にて250℃で
酸化した後、アルゴン雰囲気下で3時間で2500℃ま
で昇温し黒鉛化した。得られた炭素質球体の平均粒径は
4.4μmで球形を維持しており、X線回折による解析
から、d(002)=3.39Å、Lc(002)=3
60Åであった。
【0032】<実施例3>乾燥までを実施例1と同様の
方法で得たメソカーボン小球体を窒素雰囲気下で3時間
で600℃まで昇温して熱処理した後、ジェットミルを
使用して平均粒径5.1μmの粉末とした。さらに、ア
ルゴン雰囲気下で3時間で2500℃まで昇温し黒鉛化
した。得られた炭素質球体の平均粒径は4.5μmで球
形を維持しており、X線回折による解析から、d(00
2)=3.39Å、Lc(002)=360Åであっ
た。
【0033】<実施例4>乾燥までを実施例1と同様の
方法で得たメソカーボン小球体をアルゴン雰囲気下で3
時間で2500℃まで昇温し黒鉛化した。得られた黒鉛
化物をジェットミルを使用して粉砕を行い、平均粒径が
4.5μmの炭素質粉末とした。黒鉛化した試料のSE
M写真を図2に示す。実施例1で得られた黒鉛化試料
(図1)に比べて不定形の粒子が多いことが分かる。X
線回折による解析から、d(002)=3.39Å、L
c(002)=360Åであった。
【0034】<比較例1>実施例1の方法で600℃ま
でを100℃/hrで昇温させたところ、粒子が融着し
元の粒径は維持できなかった。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、コ
ールタールの熱処理により得られるメソフェーズカーボ
ン小球体の球体という特性を、その後の黒鉛化後迄維持
することが可能となり、本発明により製造された炭素質
粉末をリチウムイオン二次電池の負極用炭素に用いた場
合、集電板上での充填率が最大となり、電池容量を大と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた黒鉛化試料の結晶構造を
示す走査型電子顕微鏡による図面代用写真。
【図2】 実施例4で得られた黒鉛化試料の結晶構造を
示す走査型電子顕微鏡による図面代用写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽多野 仁 美 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 福 田 典 良 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フリーカーボンを含有するコールタールを
    350〜500℃で熱処理し、生成するメソフェーズカ
    ーボン小球体をピッチマトリックスから有機溶剤で洗浄
    分離した後、粉砕を行い平均粒径を3〜10μmとし、
    さらに10℃/hr以下の昇温速度で600〜700℃
    の温度範囲内まで昇温し、該温度範囲内での熱処理を行
    い、その後、1000〜3000℃で焼成することを特
    徴とする二次電池負極用炭素材料の製造方法。
  2. 【請求項2】フリーカーボンを含有するコールタールを
    350〜500℃で熱処理し、生成するメソフェーズカ
    ーボン小球体をピッチマトリックスから有機溶剤で洗浄
    分離した後、粉砕を行い平均粒径を3〜10μmとし、
    その後酸化性雰囲気中で300℃以下の温度で酸化処理
    を施し、その後、1000〜3000℃で焼成すること
    を特徴とする二次電池負極用炭素材料の製造方法。
  3. 【請求項3】フリーカーボンを含有するコールタールを
    350〜500℃で熱処理し、生成するメソフェーズカ
    ーボン小球体をピッチマトリックスから有機溶剤で洗浄
    分離した後、得られるメソフェーズカーボン小球体を6
    00〜700℃の温度範囲内で熱処理し、その後粉砕を
    行い平均粒径を3〜10μmとした後に1000〜30
    00℃で焼成することを特徴とする二次電池負極用炭素
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】フリーカーボンを含有するコールタールを
    350〜500℃で熱処理し、生成するメソフェーズカ
    ーボン小球体をピッチマトリックスから有機溶剤で洗浄
    分離した後、得られるメソフェーズカーボン小球体を1
    000〜3000℃で焼成し、さらに粉砕して平均粒径
    を3〜10μmとすることを特徴とする二次電池負極用
    炭素材料の製造方法。
  5. 【請求項5】コールタールのフリーカーボン含有量は
    0.5〜5重量%である請求項1〜4のいずれかに記載
    の二次電池負極用炭素材料の製造方法。
JP08542194A 1994-03-31 1994-03-31 二次電池負極用炭素材料の製造方法 Expired - Lifetime JP3593140B2 (ja)

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