JPH0726965Y2 - スライド式化粧容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は開閉自在に蝶着された身容器と蓋体とよりなる
開閉容器を別に設けた外ケースにスライド自在に収納し
たスライド式化粧容器に関するものである。

〈従来の技術〉 従来のこの種の化粧容器としては、例えば実公昭12-126
66号公報（第１公知技術）、実開昭63-156971号公報
（第２公知技術）等が知られている。

即ち、前者の第１公知技術は、開閉自在に蓋板を連設し
た身容器を外ケース内に摺動自在に収納した化粧容器で
ある。

また、第２公知技術は、収納物を収納した蓋付内箱を外
箱の中に摺動自在に収納した容器である。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、前述の第１公知技術及び第２公知技術は、単に
身容器或いは内箱を外ケース或いは外箱の中にスライド
自在に収納したに過ぎないので、搬送時や使用する直前
等に身容器等が外ケース等より不用意に脱落してしまう
問題があった。

本考案は従来のこれ等の問題点に鑑み開発された全く新
規な技術であって、特に外ケースの内側に収納した化粧
容器が不用意に脱落することを防止し、かつ容器が落下
した際にも蓋が自動的に開いたりすることなく、化粧料
等が容器の外に飛散することを防止可能とした化粧容器
に関するものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、前述の従来の問題点を根本的に改善した技術
であって、その考案の要旨は、身容器に蓋体を開閉自在
に蝶着して構成した開閉容器を外ケース内にスライド自
在に収納し、かつ該開閉容器と外ケースとの間に弾性部
材を介在させたスライド式容器に於いて、前記身容器の
先端頭側部に折曲可能な第１係合突部を突設し、外ケー
ス奥側壁に該第１係合突部を押圧して湾曲させることが
出来る押ボタンと前記第１係合部と係合し得る第２係合
突部とを側壁に切込を穿設して夫々隣接して設けると共
に、該第２係合突部を押ボタンよりも外ケース内に突出
して入口側に設け、かつ外ケースの入口側壁内に第１係
合突部と係合し得る第３係合突部を突設したことを特徴
としたスライド式化粧容器である。

〈作用〉 本考案に係る化粧容器は、前述の如く、身容器の先端頭
側部に折曲可能な第１係合突部を突設し、かつこの身容
器を収納する外ケースの奥内側壁に第２係合突部を突設
したので、これ等の第１及び第２係合突部を相互に係合
することによって、外ケース内に収納した身容器を安定
した状態で外ケース内に固定することが出来る。

また、外ケースには、前記第２係合突部に隣接して押ボ
タンを設けたので、この押ボタンを押圧することによっ
て、前述の第１及び第２係合突部の係合を解除して、外
ケースより身容器を引き出すことが出来る。

更に、外ケースの入口側壁に前記第１係合突部と係合し
得る第３係合突部を設けたので、外ケースより身容器を
引き出しても、一定の位置でこれを停止せしめて、脱落
することを防止することが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係る化粧容器の一実施例を具体的に説
明すると、第１図は本考案の化粧容器の全体の構成及び
使用する状態を示す斜視説明図、第２図はその内部の平
面図、第３図及び第４図は夫々開閉容器を外ケースに収
納した状態の要部の拡大断面図、第５図は第１図に於け
る状態の外ケース内部を開示した平面図である。

第１図乃至第５図に於いて、１は開閉容器であって、従
来のコンパクト容器と同様に身容器２の背部に蝶番ピン
３を介して蓋体４が開閉自在に蝶着され、かつ該蓋体４
と身容器２とはフック係合が施されていないで構成され
ている。身容器２には化粧料５及び化粧具６が夫々その
表面に設けた凹所に収納されている。また、蓋体４の天
井面には鏡７が装着されている。

８は筒状の外ケースであって、その一端には出入口が設
けられており、前記開閉容器１はこの出入口よりスライ
ド自在に出し入れし得る如く構成されている。

前記身容器２の頭部中央には特に第２図及び第５図に示
す如く、底面中央に凸起９を有する所定の深さを持った
凹穴10が穿設され、かつこの凹穴10内には凹穴10の深さ
よりも充分に大きい長さを持ったスプリング11が挿入さ
れ、更に該凸起９に係合されて装着されている。

従って、開閉容器１をこの外ケース８内に挿入し際に
は、このスプリング11によって開閉容器１を抜け方向
（図に於ける右方向）に常にスライドするように付勢し
ている。また身容器２の頭部片側には折曲可能な突片12
が周りから独立して頭部方向（図に於ける左方向）に起
立されると共に、この突片12の先端外側には第１係合突
部13が突設れている。

更に外ケース８の頭部片側壁には、特に第１図及び第３
図に示す如く、前記第１係合突部13を押圧し得る押ボタ
ン14がコ状切込15によって内側に折曲可能な如く穿設さ
れている。この押ボタン14の外面の一部は外方に突出さ
れて突部14aを形成している。外ケース８の内側壁に
は、前記身容器２の第１係合突部13と係合される第２係
合突部16が前記コ状切込15の外縁に沿って前記押ボタン
14よりも内方に突出してかつ並列に突設されている。従
って、これ等の第１係合突部13と第２係合突部16との係
合によって、スプリング11により外ケース８の出入口側
に付勢される開閉容器１のスライドを停止させている。

また、17は第３係合突部であって、外ケース８の出入口
側の内側面で前記第１係合突部13と対応する位置に突設
されている。従って、外ケース８より抜け出した開閉容
器１は第１係合突部13がこの第３係合突部17に係合する
ことにより、外ケース８からの抜け落ちが防止されてい
る。

本考案に係る化粧容器の使用について説明すると次の通
りである。

即ち携帯時には第２図及び第３図に示す如く、開閉容器
１を外ケース８内に挿入し、第１係合突部13を第２係合
突部に16に係合させることによって開閉容器１を外ケー
ス８内に安定た状態で収納する。

次に開閉容器１内に収納された化粧料５或いは化粧具６
を取り出す場合には、第４図に示す如く、押ボタン14を
外ケース８の内方に押圧することによって、第１係合突
部13と第２係合突部16との係合を開放すると、スプリン
グ11の作用で開閉容器１は外ケース８の出入口より自動
的に抜け出し、第５図に示す如く、第１係合突部13が第
３係合突部17に係合された状態で開閉容器１は外ケース
８によって支持される。この状態で蓋体４を開くことに
よって、特に第１図に示す如く、化粧料５と化粧具６を
露出して取り出すことが出来る。

上記実施例に於ける開閉容器１と外ケース８との係合手
段、或いは開閉容器１を外ケース８の出入口側に付勢す
る手段は夫々必要に応じて従来公知の他例の種々の手段
を利用することが出来る。

〈考案の効果〉 本考案に於いて上述の如く、身容器と蓋体とを蝶着した
開閉容器を外ケースにスライド自在に収納したので、携
帯時や或いは使用する前に化粧容器を落下させたり、振
動を与えた場合でも開閉容器の蓋が簡単に開かず、これ
によって化粧料や化粧具が飛散することを防止出来る。

また、身容器に設けた第１係合突部と外ケースに設けた
第２係合突部とを相互に係合することによって、外ケー
ス内で身容器を安定した状態で収納することが出来る。
かつ外ケースに設けた押ボタンを作動させることによっ
て、前記第１係合突部の係合を解除して、身容器を外ケ
ースより容易に引き出すことができる。

かつ、第２係合突部は押ボタンに並列すると共に、押ボ
タンよりも外ケースの内方に突出しているので、身容器
をスライドさせた場合には、第１係合突部を第２係合突
部にスムーズにかつ正確に係合させることが出来る。

更に、外ケースからの身容器の引き出しは、外ケースの
入口側壁に設けた第３係合突部によって制限することが
出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の化粧容器の全体の構成及び使用する状
態を示す斜視説明図、第２図はその内部の平面図、第３
図及び第４図は夫々開閉容器を外ケースに収納した状態
の要部の拡大断面図、第５図は第１図に於ける状態の外
ケースの内部を開示した平面図である。 １は開閉容器、２は身容器、３は蝶番ピン、４は蓋体、
５は化粧料、６は化粧具、７は鏡、８は外ケース、９は
凸起、10は凹穴、11はスプリング、12は突片、13,16,17
は夫々係合突部、14は押ボタン、14aは突部、15コ状切
込である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】身容器に蓋体を開閉自在に蝶着して構成し
   た開閉容器を外ケース内にスライド自在に収納し、かつ
   該開閉容器と外ケースとの間に弾性部材を介在させたス
   ライド式容器に於いて、前記身容器の先端頭側部に折曲
   可能な第１係合突部を突設し、外ケース奥側壁に該第１
   係合突部を押圧して湾曲させることが出来る押ボタンと
   前記第１係合部と係合し得る第２係合突部とを側壁に切
   込を穿設して夫々隣接して設けると共に、該第２係合突
   部を押ボタンよりも外ケース内に突出して入口側に設
   け、かつ外ケースの入口側壁内に第１係合突部と係合し
   得る第３係合突部を突設したことを特徴としたスライド
   式化粧容器。