JPH0122564Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンパクト容器に関する。

［従来技術］ 従来のコンパクト容器においては、容体の収納
凹部に、パンケーキ等を充填したレフイル皿を嵌
合して使用し、充填物を使い切つた後、新しいレ
フイル皿を嵌合する方式のものが一般的であつ
た。

上記容器においては、使用済のレフイル皿を取
出す際に、容体底部に小孔を設け、下方よりこの
小孔に、ピンを挿通してレフイル皿を押上げる必
要がある等、その着脱が不便であつた。

そこで、中皿の着脱を簡単にした化粧用コンパ
クトが提案されている（実開昭59−61711号）。こ
の化粧用コンパクトは、身と蓋に枢着されたボス
に対し、中皿を連結片と連結部によつて着脱自在
にした構造となつている。この構造の場合、中皿
をボスより外すには、中皿をボスに対し揺動させ
て連結片と連結部の結合を解除しなければならな
い。そのため、その操作がたいへん面倒であり、
また、着脱時にこの揺動により中皿内の化粧料が
外部へ飛散したりパフが中皿外へ落ちるおそれが
ある。さらに、コンパクトの使用中に中皿の底部
から上方に力が働いた場合に、中皿がボスより外
れてしまうという問題がある。

そこで本考案は、容体の着脱操作を容易にした
コンパクト容器を提供するものである。

［本考案の解決手段］ 本考案のコンパクト容器は、容体と、前記容体
を着脱自在に係合する容体保持用ヒンジ部材と、
前記ヒンジ部材にヒンジ式結合された蓋体と、容
体の下方に前記ヒンジ部材と同軸にヒンジ式結合
された下部容体とからなり、前記容体の後端部に
おいて左右一対の係合突片が後方へ突設され、前
記一対の係合突片の外側面に係止突部がそれぞれ
設けられ、前記ヒンジ部材は前記係合突片を収納
し得る箱型に形成され、その両側部において前記
係止突部と係合する係合用開口が設けられたもの
である。

［作用］ 上記構成の蓋体と下部容体とを有するコンパク
ト容器の容体をヒンジ部材に結合させるには、容
体後端部の一対の係合突片を箱型のヒンジ部材へ
挿入し、係合突片の外側面に設けた係止突部が係
合用開口を通過すると、係止突部が係合用開口内
に係合して外方に広がり、容体とヒンジ部材とが
結合される。

また、容体をヒンジ部材を外す場合には、容体
の係合突部を互いに内方に押圧することにより係
止突部とヒンジ部材の係合用開口との係合を解除
しつつ、容体を外方に引くことによりヒンジ部材
から離脱させることができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

１０は容体であつて、後述するとおり容体保持
用ヒンジ部材１２を介して蓋体１４と下部容体５
６とヒンジ式に連結される（第１図と第２図参
照）。

容体１０はその収納用開口において、水平方向
のフランジ１６を延設してなる。容体１０の後端
部において、一対の係合突片１８，１８が後方に
突設されており、前記両係合突片１８，１８の間
には、横方向に細長い案内部材２０が配されてい
る。

容体保持用のヒンジ部材１２は、断面が横方向
に細長い中空箱型形状を成しており、その後端部
近傍において、横方向に延びたヒンジピン挿通用
の小孔２２が形成されている。ヒンジ部材１２の
左右両側部においては、その前後方向の中央にお
いて係合用開口２４，２４が設けられている（第
３図参照）。ヒンジ部１２の上壁２６および下壁
２８は、いずれもその幅方向の中央部において、
厚肉部３０，３２を有している。前記厚肉部３
０，３２に対応して容体１０側の案内部材２０
は、その左右両端部において上下方向のフランジ
３４，３４を有し、両フランジ３４，３４間にお
いて、薄肉部３６を有している。（第４図参照）。

容体１０をヒンジ部材１２の方向に進行させ、
一対の係合突片１８，１８および案内部材２０を
ヒンジ部材１２の箱型中空部３８に挿入する。こ
のとき、係合突片１８，１８の先端部外側面に設
けた先細状の係止突部４０，４０間の間隔がヒン
ジ部材１２の中空部３８の幅より若干大に形成さ
れているため、係合突片１８，１８は若干内方へ
弾性的に屈曲されながら、ヒンジ部材１２の中空
部３８内を進行する。この際、案内部材２０の薄
肉部３６が、ヒンジ部材１２側の厚肉部３０，３
２と係合し、容体１０の摺動動作の案内の役割を
果す。容体１０がヒンジ部材１２の最奥部まで進
入したとき、係合突片１８の係止突部４０は係合
用開口２４を通過して弾性的に外方へ拡がり、係
止突部４０の容体１０側の係止段部４２が係合用
開口２４における容体１０側に配した係止段部４
４と係合して、容体１０の離脱を防止する。容体
１０の係止突部４０，４０を互いに内方に押圧す
ることにより、係止突部４０の係止段部４２と、
ヒンジ部材１２の係止段部４４との係合を解除し
つつ、容体１０を外方向に引くことにより、これ
を離脱させることが可能である。

蓋体１４の後端部において左右に一対の取付部
材４６，４６が突設されており、これら取付部材
４６，４６の間に前記ヒンジ部材１２が嵌合され
て、小孔４８，２２，４８にヒンジピンを挿通す
ることにより、前記ヒンジ部材１２と蓋体１４と
がヒンジ式に結合される。

５０は蓋体１４の内面に取付けた鏡、５２は蓋
体１４の前端部に設けた垂下部であり、その内面
に係合突部５４が設けられている。

５６は、容体１０の下方に取付けられた下部容
体である。下部容体５６の後壁５８において、横
方向の切欠部６０が形成されている。前記切欠部
６０に蓋体１４の一対の取付部材４６，４６が嵌
合され、前記ヒンジピンを介して蓋体１４と下部
容体５６とがヒンジ式に開閉自在に連結される。
６２，６２は、下部容体５６の左右両側壁内面に
設けたスペーサーであつて、前記容体１０のフラ
ンジ１６を支持する。下部容体５６の前壁中央部
には、切欠凹部６４が形成されており、前記切欠
凹部６４の奥端面に係合突部６６が形成されてい
る。この係合突部６６と蓋体１４の前記係合突部
５４との係合により、蓋体１４と下部容体５６と
の係合状態を保持される。

６８は容体１０の前後方向に摺動自在に配され
るスライド部材である。前記スライド部材６８の
左右両側には、開口７０，７０が形成されてお
り、これが前記切欠凹部６４の左右両側内面に設
けた突部７２，７２に遊嵌して、スライド部材６
８が外方に離脱するのを防いでいる。スライド部
材６８の上面は、傾斜面７４を構成し、スライド
部材６８を内方に押込むことにより、この傾斜面
７４が蓋体１４の前記垂下部５２の斜面７６を上
方に押上げて蓋体１４の開放操作を容易となし得
る。

また、容体１０に化粧料を、下部容体５６にパ
フ等を収納することが可能であり、蓋体１４を下
部容体５６に対して閉合することにより、容体１
０および下部容体５６の収納凹部をいずれも外部
より遮断することが可能である。

［考案の効果］ 本考案は上記したように、コンパクト容器の容
体をヒンジ部材に結合させるには、容体後端部の
一対の係合突片を箱型のヒンジ部材へ挿入し、係
合突片の外側面に設けた係止突部が係合用開口を
通過すると、係止突部が係合用開口内に係合して
外方に広がり、容体とヒンジ部材とがワンタツチ
で結合できる。また、容体をヒンジ部材を外す場
合には、容体の係合突部を互いに内方に押圧する
ことにより係止突部とヒンジ部材の係合用開口と
の係合を解除しつつ、容体を外方に引くことによ
りヒンジ部材から離脱させることができる。

したがつて、化粧料等を収納する容体の取り外
しを簡便に行なえるため、着脱操作中に容体内部
の化粧料が飛散したり、パフが落ちたりすること
がなく、コンパクト容器としてはたいへん使い易
いものである。また、コンパクト容器の使用中ヒ
ンジ部材より容体が外れるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す斜視図、第
２図は、前図の分解斜視図、第３図は、要部の一
部切欠平面図、第４図は、前図における−線
断面図である。 符号の説明、１０……容体、１２……容体保持
用ヒンジ部材、１４……蓋体、１６……フラン
ジ、１８……係合突片、２０……案内部材、２２
……小孔、２４……係合用開口、２６……上壁、
２８……下壁、３０……厚肉部、３２……厚肉
部、３４……フランジ、３６……薄肉部、３８…
…中空部、４０……係止突部、４２……係止段
部、４４……係止段部、４６……取付部材、４８
……小孔、５０……鏡、５２……垂下部、５４…
…係合突部、５６……下部容体、５８……後壁、
６０……切欠部、６２……スペーサー、６４……
切欠凹部、６６……係合突部、６８……スライド
部材、７０……開口、７２……突部、７４……傾
斜面、７６……斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容体と、前記容体を着脱自在に係合する容体保
   持用ヒンジ部材と、前記ヒンジ部材にヒンジ式結
   合された蓋体と、容体の下方に前記ヒンジ部材と
   同軸にヒンジ式結合された下部容体とからなり、
   前記容体の後端部において左右一対の係合突片が
   後方へ突設され、前記一対の係合突片の外側面に
   係止突部がそれぞれ設けられ、前記ヒンジ部材は
   前記係合突片を収納し得る箱型に形成され、その
   両側部において前記係止突部と係合する係合用開
   口が設けられたことを特徴とするコンパクト容
   器。