JPH07267748A - 多孔質焼結体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質焼結体及びその製造方法

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JPH07267748A
JPH07267748A JP6061114A JP6111494A JPH07267748A JP H07267748 A JPH07267748 A JP H07267748A JP 6061114 A JP6061114 A JP 6061114A JP 6111494 A JP6111494 A JP 6111494A JP H07267748 A JPH07267748 A JP H07267748A
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JP
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porous sintered
sintered body
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calcium
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JP6061114A
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English (en)
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Takuya Hiramatsu
拓也 平松
Masao Nishioka
正雄 西岡
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • H01M4/9025Oxides specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
    • H01M4/9033Complex oxides, optionally doped, of the type M1MeO3, M1 being an alkaline earth metal or a rare earth, Me being a metal, e.g. perovskites
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】ペロブスカイト型の複合酸化物からなる多孔質
焼結体において、熱間収縮を一層小さくできるようにす
ること。こうした多孔質焼結体を製造するのに際して、
従来よりも高い焼成温度で、同等の気孔率を有する多孔
質焼結体を焼成できるようにすること。 【構成】複合酸化物のAサイトに、希土類原子及びイッ
トリウムからなる群より選ばれた一種以上の主金属原子
が含有されており、Bサイトにマンガンが含有されてお
り、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、コバ
ルト、マグネシウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、チタ
ン及び亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の置換金属
原子が含有されている。置換金属原子の含有割合が相対
的に高い相3が多孔質焼結体1に散在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば固体電解質型燃
料電池の空気電極として有用な、多孔質焼結体及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC)は、
1000°Cの高温で作動するため電極反応が極めて活
発で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、
分極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー
変換効率が他の燃料電池に比べて著しく高い。更に、構
造材は全て固体から構成されるため、安定かつ長寿命で
ある。SOFCの開発事業においては、高温で安定な材
料の探索が重要である。SOFCの空気極材料として
は、現在、ランタンマンガナイト焼結体が有望と見られ
ている(エネルギー総合工学、13、2、52〜68
頁、1990年)。こうしたランタンマンガナイト焼結
体においては、ほぼ化学量論的組成のものやAサイト
(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの(マンガン
リッチな組成)が知られている。特に、AサイトにC
a、Srをドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体が、自己支持型の空気極管を含む空気極の材
料として有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした空気極材料
は、1000°C程度の高温に長時間さらされるため、
高温での熱間収縮をできるだけ小さくすることが必要で
ある。多孔質焼結体の熱間収縮を減少させる方法として
は、多孔質焼結体の焼成温度を上昇させることが考えら
れる。しかし、焼成温度を上昇させると、多孔質焼結体
の焼結が進ので、気孔率が小さくなってしまい、各用途
に使用できなくなる。特に、固体電解質型燃料電池の空
気極においては、空気極と固体電界質膜と気相との三相
界面へと空気を供給するため、空気極の気孔率は所定値
以上とする必要がある。従って、多孔質焼結体の気孔率
の減少を防止しつつ、その熱間収縮を一層抑制するため
には、焼成の際に、材料の焼結を抑制することにより、
焼成温度が上昇しても、気孔率が下がらないようにする
必要がある。
【0004】この方法としては、焼成すべき粉末の粒径
を大きくすることが考えられる。しかし、原料の粒径を
大きくすると、焼結後の多孔質焼結体の微構造におい
て、各粒子が大きくなり、多孔質焼結体の性質が変化し
てしまう。特に、固体電解質型燃料電池の空気極におい
ては、空気極を構成する粒子が大きくなると、空気極と
固体電界質膜と気相との三相界面の面積が小さくなり、
発電出力が減少する。
【0005】本発明の課題は、ペロブスカイト型の複合
酸化物からなる多孔質焼結体において、熱間収縮を一層
小さくできるようにすることである。
【0006】また、本発明の課題は、ペロブスカイト型
の複合酸化物からなる多孔質焼結体を製造するのに際し
て、焼成すべき粉末の粒径以外の要因によって、従来よ
りも高い焼成温度で、同等の気孔率を有する多孔質焼結
体を焼成できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多孔質焼結
体は、ペロブスカイト型の複合酸化物からなり、複合酸
化物のAサイトに、希土類原子及びイットリウムからな
る群より選ばれた一種以上の主金属原子が含有されてお
り、複合酸化物のBサイトにマンガンが含有されてお
り、複合酸化物に、カルシウム、ストロンチウム、アル
ミニウム、コバルト、マグネシウム、ニッケル、クロ
ム、銅、鉄、チタン及び亜鉛からなる群より選ばれる一
種以上の置換金属原子が含有されており、置換金属原子
の含有割合が相対的に高い相が散在していることを特徴
とする。
【0008】また、本発明に係る製造方法は、希土類原
子及びイットリウムからなる群より選ばれた一種以上の
主金属原子を含む原料と、マンガンを含む原料と、カル
シウム、ストロンチウム、アルミニウム、コバルト、マ
グネシウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、チタン及び亜
鉛からなる群より選ばれる一種以上の置換金属原子を含
む原料とを乾式混合し、この混合粉末を焼成してペロブ
スカイト型の複合酸化物からなる合成物を製造し、この
合成物を粉砕、成形して成形体を得、この成形体を焼成
することにより多孔質焼結体を製造することを特徴とす
る。
【0009】
【作用】本発明者は、ペロブスカイト構造のランタンマ
ンガナイトからなる多孔質焼結体について、製造方法を
詳細に検討した。従来は、酸化ランタン、酸化マンガ
ン、炭酸カルシウム等の原料粉末をそれぞれ秤量し、湿
式アトライターで30分間混合し、温度を90°C程度
にまで上げて乾燥し、焼成し、ランタンマンガナイトの
合成物を製造した。次いで、この合成物を、湿式トロン
メルによって所定の粒度になるまで粉砕し、この粉末に
成形用のバインダーを添加して混練し、この混練物を土
練機で成形し、成形体を乾燥し、これを焼成していた。
【0010】ここで、酸化ランタン、酸化マンガン等の
原料粉末を秤量した後、湿式アトライターで混合するの
は、各原料粉末を均一に混合し、原料の混合ムラを無く
するためである。
【0011】しかし、本発明者は、あえてこの混合方法
を、乾式法に変更した。具体的には、ロッキングミキサ
ーを使用して、解砕刃によって各原料を粉砕しつつ乾式
混合してみた。むろん、こうした混合方法は、湿式法に
比べると、各原料の混合状態が不均一になると考えられ
るために、従来は採用されなかったものである。
【0012】この結果、合成物の粉末を成形し、この成
形体を最終的に焼成する段階において、焼成温度を従来
よりも上昇させても、多孔質焼結体の気孔率を従来と同
等に保持できることが判明した。即ち、ランタンマンガ
ナイトの合成物を粉砕してその粉末を製造し、この粉末
を成形し、焼成するのであるが、このランタンマンガナ
イト粉末が焼結しにくい性質を有していたのである。
【0013】この結果、得られた多孔質焼結体について
は、耐熱性が従来よりも飛躍的に向上し、その熱間収縮
が顕著に減少した。しかも、この多孔質焼結体の他の物
性については、特に変化は見られないことが判明した。
【0014】本発明者は、更に、こうして得られた多孔
質焼結体について、その微構造をX線回折法によって分
析した。この結果、多孔質焼結体の全体が、単一のペロ
ブスカイト構造からなっており、偏析は見られなかっ
た。しかし、この一方、電子プローブマイクロアナライ
ザー(EPMA)法によって分析した結果、カルシウム
等の置換金属原子の含有割合が高い相が、不均一に散在
していることが判明した。
【0015】従って、おそらく前記した乾式混合法の段
階で、各原料の混合状態が不均一な部分が原料中に残
り、このため、合成物中に置換金属原子の含有割合が高
い部分が微視的に残留し、合成物を粉砕した後も、この
部分が残留したものと考えられる。
【0016】しかも、このように微視的な不均一部分が
合成物の中に残留すると、全体が均一な場合と比較し
て、焼結が進行しにくくなるものと考えられる。また、
こうした部分が多孔質焼結体中に残留していると、結果
的に、後に高温に多孔質焼結体をさらした時に、熱間収
縮が小さくなるものと考えられる。おそらく、こうした
不均一部分が、熱による原子の移動を阻害しているもの
と推測される。
【0017】
【実施例】本発明の多孔質焼結体及びその製造方法は、
広くマンガナイト一般に対して適用できるが、特に、主
金属原子がランタンであることが好ましい。ランタンを
含有する原料が酸化ランタンである場合には、酸化ラン
タンを湿式混合すると水酸化ランタンになるが、乾式混
合すると酸化ランタンのままで保持される。このため、
合成反応に影響が生じ、合成物中に不均一部分が残留し
易くなるものと考えられる。
【0018】本発明の製造方法においては、希土類原子
及びイットリウムからなる群より選ばれた一種以上の主
金属原子を含む原料と、マンガンを含む原料と、カルシ
ウム、ストロンチウム、アルミニウム、コバルト、マグ
ネシウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、チタン及び亜鉛
からなる群より選ばれる一種以上の置換金属原子を含む
原料とを準備する。これは、粉末であることが好まし
い。
【0019】これらの各原料を秤量し、乾式法によって
混合する。この際には、混合と同時に、原料を解砕する
ことが好ましい。次いで、この混合粉末を焼成し、複合
酸化物を合成する。この複合酸化物の合成温度は、12
00〜1600°Cとすることが好ましい。
【0020】好ましくは、複合酸化物からなる合成粉末
に少なくとも増孔剤及びバインダーを添加して成形し、
この成形体を焼成して多孔質焼結体を製造する。増孔剤
は、比較的に低温で消失するものである。増孔剤として
は、アクリルパウダー、カーボンパウダー、セルロース
等が好ましい。
【0021】この際、複合酸化物粉末100重量部に対
し、増孔剤の添加量を2〜8重量部とすることが好まし
い。増孔剤の添加量が8重量部を越えると、素地全体の
均一性を損なう原因となり、強度が低下し易い。増孔剤
の添加量が2重量部未満であると、強度向上の効果が乏
しい。
【0022】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、アクリル系バインダー等が好ま
しい。バインダーの添加量は、複合酸化物粉末100重
量部に対し、1〜5重量部とすることが好ましい。
【0023】成形体の焼成温度は、1300°C〜16
00°Cとすることが好ましい。焼成温度を1300°
C未満とすると、焼結が完全に完了しない。1600°
Cよりも高くすると、焼結体の組織が緻密になりすぎ
る。
【0024】好ましい複合酸化物の組成について、例示
する。まず、好ましい態様においては、複合酸化物のA
サイトに、カルシウム及びストロンチウムからなる群よ
り選ばれた一種以上の金属原子が含有されている。この
複合酸化物は、次の一般式(I)の組成を有するものが
好ましい。
【0025】
【数1】R1-X X MnO3 (I)
【0026】ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを
占め、Mnが複合酸化物のBサイトを占める。Rは、希
土類及びイットリウムからなる群より選ばれた1種以上
の金属原子である。Aは、カルシウム及びストロンチウ
ムからなる群より選ばれた1種以上の置換金属原子であ
る。xは、この置換金属原子の含有割合であり、0.0
5以上、0.50以下が好ましい。更に、Rとしては、
ランタンが好ましい。
【0027】また、次の一般式(II)の組成を有する複合
酸化物が好ましい。
【0028】
【数2】R1-X X Mn1-Z z 3 (II)
【0029】R、Aは、前記した金属原子である。E
は、Bサイトに含有されており、アルミニウム、コバル
ト、マグネシウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、チタン
及び亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の置換金属原
子である。
【0030】xは、この置換金属原子の含有割合であ
り、0.05以上、0.50以下が好ましい。zは、
0.35以下とすることが好ましい。(x+z)は、
0.05以上、0.50以下とすることが好ましい。
【0031】また、他の好ましい組成においては、複合
酸化物のAサイトに、前記主金属原子が二種類以上含有
されており、カルシウム及びストロンチウムからなる群
より選ばれた一種以上の置換金属原子が含有されてい
る。この複合酸化物の組成は、好ましくは下記一般式(I
II) 式によって表されるものである。
【0032】
【数3】R1-X-Y X Y MnO3 (III)
【0033】R、A、Dが複合酸化物のAサイトを占め
る。Aは、カルシウム及びストロンチウムからなる群よ
り選ばれた一種以上の置換金属原子である。R、Dは前
記主金属原子であり、互いに異なっている。xは、0.
05以上、0.50以下が好ましい。
【0034】「希土類原子及びイットリウムからなる
群」とは、セリウム、ランタン、イットリウム、プラセ
オジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、
ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、
ルテチウムからなる群である。
【0035】更に、Rがランタンであることが好ましい
し、この場合において、更に、Dが、プラセオジム、ネ
オジム、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、
イットリウムからなる群より選ばれていることが好まし
い。この場合において、更に、Dによる置換割合yは、
Aサイトのうち1〜80%とするのが好ましく、20〜
50%とするのが更に好ましい。更に、Aサイトにおけ
るランタンの割合(1−x−y)は、1%〜76%とす
ることが好ましい。
【0036】また、複合酸化物の組成は、好ましくは下
記一般式(IV) 式によって表されるものである。
【0037】
【数4】La1-X-Y X Y Mn1-z z 3 (IV)
【0038】R、Dは、前記主金属原子である。A、E
は、前記置換金属原子である。
【0039】xは、0.05以上、0.50以下が好ま
しい。zは、0.35以下とすることが好ましい。(x
+z)は、0.05以上、0.50以下とすることが好
ましい。
【0040】更に、Rがランタンであることが好ましい
し、この場合において、更に、Dが、プラセオジム、ネ
オジム、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、
イットリウムからなる群より選ばれていることが好まし
い。この場合において、更に、Dによる置換割合yは、
Aサイトのうち1〜80%とするのが好ましく、20〜
50%とするのが更に好ましい。更に、Aサイトにおけ
るランタンの割合(1−x−y)は、1%〜76%とす
ることが好ましい。
【0041】複合酸化物は非化学量論的組成をとりうる
ので、多孔質焼結体の製造工程において不可避的に混入
する若干の不純物に由来する複合酸化物の組成変動は、
許容される。また、上記の各一般式においては、定比組
成の一般式を示したが、不定比組成の複合酸化物を使用
することができる。
【0042】本発明によって製造した多孔質焼結体は、
高温電極材料として特に好ましく使用できる。こうした
高温電極材料としては、核融合炉、MHD発電等におけ
る電極材料がある。
【0043】また、本発明の多孔質焼結体は、固体電解
質型燃料電池の空気極材料として、特に好適に使用でき
る。更に、自己支持型の空気極基体の材料として用いる
ことが好ましい。こうした空気極基体は、単電池の母材
として用いられるものであり、空気極基体上に、固体電
解質膜、燃料電極膜、インターコネクター、セパレータ
などの各構成部分が積層される。この際、空気極基体の
形状は、両端が開口した円筒形状、一端が開口し、他端
が閉塞された有底円筒形状、平板形状などであってよ
い。このうち、上記したいずれかの円筒形状のものが、
熱応力がかかりにくく、ガスシールが容易なので、特に
好ましい。
【0044】多孔質焼結体の気孔率は、5〜40%とす
ることが好ましい。また、これを固体電解質型燃料電池
の空気極材料として用いる場合には、更に気孔率を15
〜40%とすることが好ましく、25〜35%とすると
一層好ましい。この場合は、空気極の気孔率を15%以
上とすることで、ガス拡散抵抗を小さくし、気孔率を4
0%以下とすることで、ある程度の強度も確保すること
ができる。
【0045】以下、更に具体的な実験結果について説明
する。 (本発明試料の製造)出発原料として、La2 3 、C
aCO3 及びMn3 4 の各原料粉末を使用した。La
0.80Ca0.20MnO3 の組成比率となるように、所定量
の出発原料粉末を秤量し、ロッキングミキサーによっ
て、乾式法で30分間、解砕しつつ混合した。この混合
粉末を、コールドアイソスタティックプレス法により、
1tf/cm2 の圧力で成形し、成形体を作製した。こ
の成形体を、大気中、1580℃で10時間熱処理し、
La0.80Ca0.20MnO3 の組成比率を有するペロブス
カイト型複合酸化物を合成した。
【0046】この合成体を、湿式トロンメルによって、
ジルコニア玉石を使用して粉砕し、平均粒径5.8μm
の合成粉末を作製した。次に、この合成粉末に、水と、
有機バインダーとしてのアクリル系バインダーを加え、
混合し、水分40%のスラリーを調製し、スプレードラ
イヤーで造粒した。その後、この造粒粉と増孔剤として
のアクリルパウダーを乾式混合し、土練機によって成形
して環状の成形体を得た。この成形体を乾燥し、130
0°Cで30分間素焼きしてバインダー分を除去した。
この成形体を、1550°Cで 時間焼成し、管状の
焼結体を製造した。
【0047】(比較試料1の製造)前記した本発明試料
と同様にして、比較試料1を製造した。ただし、所定量
の出発原料粉末を秤量した後、湿式アトライターで30
分間混合した。
【0048】(比較試料2の製造)比較試料1と同様に
して、比較試料2を製造した。ただし、焼成温度は16
15°Cに変更した。
【0049】(X線回折測定)表1に示す各試料につい
て、それぞれ乳鉢にて粉砕し、粉末法にてX線回折測定
を行った。この結果、各試料の各回折パターンは、ほぼ
同じであり、かつ単一相を示していた。これらの各試料
のX線回折パターンからみて、各試料において、カルシ
ウムは、確かにペロブスカイト型複合酸化物の結晶中に
固溶していた。
【0050】(気孔率の測定)次いで、各試料の気孔率
を水置換法にて測定した。この結果を表1に示す。
【0051】(X線プローブマイクロアナライザーによ
る分析)各試料について、X線プローブマイクロアナラ
イザーによって分析を実施した。まず、樹脂を使用し
て、各試料を真空含浸し、各試料を埋め込んだ。次い
で、♯600ダイヤモンドパッドで面出しを行い、ラッ
ピングディスク及び3μmダイヤモンド液で研磨し、次
いでセラミックス定盤及び0.5μmダイヤモンド液で
研磨した。
【0052】次いで、真空蒸着装置によって、200〜
300オングストロームの厚さにカーボンコーティング
した。X線プローブマイクロアナライザーによって面分
析を行った。検量線法を用いて、重量濃度に変換し、濃
度マップとして出力した。
【0053】(熱間収縮率の評価)平面研削機によって
各試料を切断し、試料を切り出した。まず、室温で、こ
の試料の外径(D0 )と長さ(L0 )とを測定した。次
いで、室温から、200°C/時間の速度で1400°
Cまで昇温し、1400°Cで2時間保持し、次いで2
00°C/時間で室温まで降温した。この熱処理の後、
試料の外径(D)と長さ(L)とを測定した。
【0054】そして、(D0 −D)×100/D
0 (%)、(L0 −L)×100/L0 (%)の式に従
い、熱間収縮率を算出した。これらの結果を、表1に示
す。
【0055】
【表1】
【0056】表1からわかるように、比較試料1によれ
ば、焼成温度が1550°Cであり、気孔率が28.5
%であるが、X線プローブマイクロアナライザーによ
り、カルシウムの量には不均一はみられなかった。ま
た、熱間収縮率は0.4%に達していた。
【0057】一方、比較試料2によれば、焼成温度が1
615°Cであり、熱間収縮率は0.2%にまで抑制さ
れているが、気孔率が26.0%にまで低下しており、
焼結が進みすぎている。X線プローブマイクロアナライ
ザーにより、カルシウムの量には不均一はみられなかっ
た。
【0058】これに対し、本発明試料においては、焼成
温度が1615°Cであり、熱間収縮率が0.2%にま
で抑制されており、しかも、気孔率は、比較試料1と同
じ28.5%であって、焼成の進行が抑えられている。
【0059】図1は、X線プローブマイクロアナライザ
ーによる濃度マップから書き起こした平面図である。こ
こで、上記濃度マップにおいて、1の部分が多孔質焼結
体の粒子であり、2の部分は気孔である。2の部分は、
濃度マップにおいては、青色になっている。3の部分
は、カルシウムの含有割合が相対的に高い相であった。
具体的には、1の部分のカルシウムの強度が平均100
であり、3の部分のカルシウムの強度が124〜136
であった。このカルシウムの含有割合が相対的に多い相
3は、X線プローブマイクロアナライザーによる濃度マ
ップにおいて、他の部分から明瞭に区別することができ
る。
【0060】このカルシウム量の多い相3の面積の、多
孔質焼結体1の全体の面積に対する面積比率は、7.2
%であった。
【0061】本発明者は、更にLa0.80Sr0.20MnO
3 の組成を有するペロブスカイト構造の複合酸化物から
なる多孔質焼結体について、これと同様の試験結果を得
た。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ペ
ロブスカイト型の複合酸化物からなる多孔質焼結体にお
いて、気孔率等の他の物性を保持しつつ、熱間収縮を一
層小さくできる。また、こうした多孔質焼結体を製造す
るのに際して、焼成すべき粉末の粒径以外の要因によっ
て、従来よりも高い焼成温度で、同等の気孔率を有する
多孔質焼結体を焼成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線プローブマイクロアナライザーによって得
た、本発明例の多孔質焼結体のカルシウムの濃度マップ
を説明するための平面図である。
【符号の説明】
1 多孔質焼結体 2 気孔 3 カルシウムの含
有割合が相対的に高い相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 4/88 T 8/02 E 9444−4K 8/12 9444−4K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペロブスカイト型の複合酸化物からなる多
    孔質焼結体であって、前記複合酸化物のAサイトに、希
    土類原子及びイットリウムからなる群より選ばれた一種
    以上の主金属原子が含有されており、前記複合酸化物の
    Bサイトにマンガンが含有されており、前記複合酸化物
    に、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、コバ
    ルト、マグネシウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、チタ
    ン及び亜鉛からなる群より選ばれる一種以上の置換金属
    原子が含有されており、前記置換金属原子の含有割合が
    相対的に高い相が散在していることを特徴とする、多孔
    質焼結体。
  2. 【請求項2】前記主金属原子がランタンであり、前記置
    換金属原子がカルシウムである、請求項1記載の多孔質
    焼結体。
  3. 【請求項3】希土類原子及びイットリウムからなる群よ
    り選ばれた一種以上の主金属原子を含む原料と、マンガ
    ンを含む原料と、カルシウム、ストロンチウム、アルミ
    ニウム、コバルト、マグネシウム、ニッケル、クロム、
    銅、鉄、チタン及び亜鉛からなる群より選ばれる一種以
    上の置換金属原子を含む原料とを乾式混合し、この混合
    粉末を焼成してペロブスカイト型の複合酸化物からなる
    合成物を製造し、この合成物を粉砕、成形して成形体を
    得、この成形体を焼成することにより多孔質焼結体を製
    造することを特徴とする、多孔質焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記乾式混合の工程で、原料を解砕しつつ
    混合することを特徴とする、請求項3記載の多孔質焼結
    体の製造方法。
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