JPH07187841A - 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents

多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池

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JPH07187841A
JPH07187841A JP5337636A JP33763693A JPH07187841A JP H07187841 A JPH07187841 A JP H07187841A JP 5337636 A JP5337636 A JP 5337636A JP 33763693 A JP33763693 A JP 33763693A JP H07187841 A JPH07187841 A JP H07187841A
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porous sintered
sintered body
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fuel cell
lanthanum manganite
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Shinji Kawasaki
真司 川崎
Hirotake Yamada
裕丈 山田
Kazuyo Mori
和代 森
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NGK Insulators Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • H01M4/9025Oxides specially used in fuel cell operating at high temperature, e.g. SOFC
    • H01M4/9033Complex oxides, optionally doped, of the type M1MeO3, M1 being an alkaline earth metal or a rare earth, Me being a metal, e.g. perovskites
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ランタンマンガナイトからなる多孔質焼結体を
固体電解質燃料電池の空気極材料としたとき、900〜
100℃の温度と、室温〜600℃の温度との間で加熱
─冷却サイクルをかけたとき、他の構成材との間でクラ
ックが発生した。このクラックを防止するため、多孔質
焼結体に安定性を与えることである。 【構成】多孔質焼結体を構成するランタンマンガナイト
のBサイトのマンガン原子の一部が、銅、鉄、チタン及
び亜鉛からなる群より選ばれた一種以上の金属原子によ
って置換されている。室温と1000℃との間の熱サイ
クルによって生ずる寸法収縮が、熱サイクル1回当たり
0.01%以下である。好ましくは、上記金属原子によ
るBサイトの置換割合が0.02%以上、20%以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質焼結体及びこれ
を空気極材料として用いた固体電解質型燃料電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC)は、
1000℃の高温で作動するため電極反応が極めて活発
で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分
極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変
換効率が他の燃料電池に比べて著しく高い。更に、構造
材は全て固体から構成されるため、安定かつ長寿命であ
る。
【0003】SOFCの開発事業においては、高温で安
定な材料の探索が重要である。SOFCの空気極材料と
しては、現在、ランタンマンガナイト焼結体が有望と見
られている(エネルギー総合工学、13、2、52〜6
8頁、1990年)。こうしたランタンマンガナイト焼
結体においては、ほぼ化学量論的組成のものやAサイト
(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの(マンガン
リッチな組成)も知られている。また、Aサイトが一部
欠損した組成のランタンマンガナイト焼結体は、室温か
ら1000℃へと温度が上昇すると、重量が減少するこ
とが報告されている(J.Electrochem.S
oc.138,5,1519〜1523頁,1991
年)。この場合には、800℃近辺から焼結体の重量が
減少し始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、AサイトにC
a、Srをドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体が、自己支持型の空気極管を含む空気極の材
料として有望視されている。ところが、こうした多孔質
焼結体について、次の問題があることを、本発明者が初
めて発見した。
【0005】即ち、SOFCの発電温度である900〜
1100℃の温度と、室温〜600℃の温度との間で加
熱−冷却サイクルをかけると、上記の多孔質焼結体から
なる空気極管と、単電池の他の構成材料との間でクラッ
クが発生し、単電池の破壊が生ずることが判明した。し
かも、この単電池を1000℃で長時間動作させても、
このようなクラックは全く発生しなかった。従って、こ
の現象は、上記の多孔質焼結体の焼成収縮によるもので
はなく、上記の熱サイクルによる寸法変化に起因するも
のと考えられた。
【0006】本発明の課題は、上記の熱サイクルに対す
る安定性をランタンマンガナイト多孔質焼結体に付与す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多孔質焼結
体は、ペロブスカイト構造のランタンマンガナイトから
なり、銅、鉄、チタン及び亜鉛からなる群より選ばれた
一種以上の金属原子によってランタンマンガナイトのB
サイトのマンガン原子の一部が置換され、室温と100
0℃との間の熱サイクルによって生ずる寸法収縮が熱サ
イクル1回当たり0.01%以下であることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明者は、900〜1100℃の温度と、室
温〜600℃の温度との間で、AサイトにCa、Sr等
をドープしたランタンマンガナイトからなる多孔質焼結
体に対して加熱−冷却サイクルをかけ、その安定性を試
験してみた。この結果、上記の多孔質焼結体が熱サイク
ル1回当たり0.01〜0.1%程度収縮することが判
明した。しかも、この熱サイクルによる収縮は、100
回の熱サイクルをかけても収束せず、100回の熱サイ
クルで数%にも及ぶことが判明した。このように空気極
が収縮すると、単電池の他の構成材料との間でクラック
が発生し、単電池の破壊の原因となる。
【0009】この機構は、現在のところ不明である。し
かし、熱サイクルに伴って、大気中の800℃以上の温
度域で酸素が結晶中に出入りし、この出入りに伴って結
晶格子が歪み、金属原子の物質移動が促進されているも
のと推測される。また、多孔質焼結体の熱サイクルに伴
う寸法収縮量は、焼結体を構成する結晶粒径、熱サイク
ル時の昇降温速度、雰囲気中の酸素分圧によって、若干
異なってくる。即ち、結晶粒径が小さいほど、昇降温速
度が小さいほど、雰囲気中の酸素分圧が高いほど、多孔
質焼結体の寸法収縮が大きいことが判った。
【0010】本発明者は、上記の知見に基づき、更に検
討を進めた結果、多孔質焼結体を構成するランタンマン
ガナイトのBサイトの一部を、銅、鉄、チタン及び亜鉛
からなる群より選ばれた一種以上の金属原子によって置
換すると、上記の熱サイクルによる寸法収縮が顕著に抑
制されることを見出した。この機構は明らかではない。
また、上記した特定の金属原子のみが有効である理由
も、明らかではない。
【0011】「寸法収縮が熱サイクル1回当たり0.0
1%以下である」とは、多孔質焼結体を焼結させた後、
最初の熱サイクルから10回目の熱サイクルまでの各寸
法収縮の平均値を指すものとする。
【0012】本発明のランタンマンガナイト焼結体にお
いて、Bサイトのマンガン原子の一部を、上記の金属以
外に、アルミニウム、コバルト、マグネシウム及びニッ
ケルからなる群より選ばれた一種以上の金属原子によっ
て置換することもできる。
【0013】そして、Bサイトにおけるマンガン原子以
外の金属原子の置換割合は、0.02%以上、20%以
下とすることが好ましく、5%以上、20%以下とする
ことが更に好ましい。この置換割合が0.02%未満で
あると収縮抑制効果が顕著ではなく、20%を超える
と、電気伝導度が著しく低下する。
【0014】本発明の多孔質焼結体を構成するランタン
マンガナイトにおいては、Aサイトにアルカリ土類金属
や希土類元素をドープすることができる。この元素とし
ては、スカンジウム、イットリウム、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、
ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、
ルテチウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
ラジウムから選択する。
【0015】また、ランタンマンガナイトは非化学量論
的組成をとりうるので、多孔質焼結体の製造工程におい
て不可避的に混入する若干の不純物に由来するランタン
マンガナイトの組成変動は、許容されるものとする。
【0016】本発明の多孔質焼結体は、特に、熱サイク
ルに対して安定な高温電極材料として好ましく使用でき
る。こうした高温電極材料としては、核融合炉、MHD
発電等における電極材料がある。
【0017】また、本発明の多孔質焼結体は、SOFC
用の空気極材料として、特に好適に使用できる。更に、
自己支持型の空気極基体の材料として用いることが好ま
しい。こうした空気極基体は、単電池の母材として用い
られるものであり、空気極基体上に、固体電解質膜、燃
料電極膜、インターコネクター、セパレータなどの各構
成部分が積層される。この際、空気極基体の形状は、両
端が開口した円筒形状、一端が開口し、他端が閉塞され
た有底円筒形状、平板形状などであってよい。このう
ち、上記したいずれかの円筒形状のものが、熱応力がか
かりにくく、ガスシールが容易なので、特に好ましい。
【0018】多孔質焼結体の気孔率は、5〜40%とす
ることが好ましい。また、これをSOFC用の空気極材
料として用いる場合には、更に気孔率を15〜40%と
することが好ましく、25〜35%とすると一層好まし
い。この場合は、空気極の気孔率を15%以上とするこ
とで、ガス拡散抵抗を小さくし、気孔率を40%以下と
することで、ある程度の強度も確保することができる。
【0019】本発明の多孔質焼結体をSOFC用の空気
極材料として使用する場合には、多孔質焼結体の熱膨張
率を、固体電解質膜や燃料電極膜などの熱膨張率に近く
しなければならない。そして、この固体電解質膜をイッ
トリア安定化ジルコニアで形成する場合には、ランタン
マンガナイトのAサイトにおけるカルシウムの置換量は
10〜30%とすることが好ましく、ストロンチウムの
置換量は5〜20%とすることが、熱膨張を固体電解質
膜と整合させるうえで好ましい。
【0020】特開平1─200560号公報において
は、ランタンマンガナイト系のペロブスカイト型複合酸
化物において、La1-X X Mn1-y y 3 の組成を
有する電極材料が開示されている。ここで、Aは、C
a、Srであり、Bは、ニッケル、クロムである。0≦
X≦0.4であり、0<y≦0.25である。こうした
組成の電極材料を採用することにより、バルクの導電率
(σ)及び界面導電率(σE )を向上させ、電極抵抗と
分極電位とを低下させている。
【0021】しかし、本発明における、熱サイクルに伴
う多孔質焼結体の収縮という課題は全く認識されておら
ず、本発明に至るような動機付けが全く存在しない。ま
た、特開平1─200560号公報の実施例を見ると明
らかなように、Aサイトにおけるカルシウムの置換量が
40%であり、熱膨張係数の点でSOFC用の空気極と
しては不適当である(第3頁第1表)。
【0022】本発明の多孔質焼結体を製造するには、好
ましくは、上記の組成となるように原料を混合し、この
混合物を焼成してランタンマンガナイトを合成し、この
合成物を粉砕してランタンマンガナイト粉末を製造す
る。この粉末に、有機バインダーと造孔剤とを混合して
成形し、この成形体を焼成して多孔質焼結体を得る。
【0023】
【実施例】(実験用試料の製造) 出発原料として、La2 3 、CaCO3 、Mn
3 4 、NiO、CuO、CoO、ZnO、TiO、A
2 3 、Fe2 3 、MgO、MoO3 、V2 5
各粉末を使用した。表1,表2、表3に示す組成比率と
なるように、各例について、所定量の出発原料を秤量
し、混合した。この混合粉末を、コールドアイソスタテ
ィックプレス法により、1tf/cm2 の圧力で成形
し、成形体を作製した。この成形体を、大気中、110
0℃で40時間熱処理し、表1、表2、表3に示す組成
のランタンマンガナイトを合成した。
【0024】この合成体をボールミルにて粉砕し、平均
粒径が約3〜6μm のランタンマンガナイト粉末を作製
した。次に、このランタンマンガナイト粉末に有機バイ
ンダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プ
レス法にて角板を成形した。この成形体を大気中125
0℃で5時間焼成して焼結体を得、この焼結体から、縦
3mm、横4mm、長さ40mmの角棒を切り出し、実験用試
料とした。
【0025】(測定)まず、表1、表2、表3に示す実
施例の試料1〜17及び比較例の試料21を乳鉢にて粉
砕し、粉末法にてX線回折測定を行った。この結果、本
発明の実施例に係る試料1〜17の各回折パターンは、
比較例に係る試料21の回折パターンとほぼ同じであ
り、かつ単一相を示している。
【0026】これらのX線回折パターンからみて、試料
1〜17において、ニッケル、銅、コバルト、亜鉛、チ
タン、アルミニウム、鉄は、それぞれ確かにランタンマ
ンガナイト結晶中に固溶していた。
【0027】次いで、各試料の気孔率を水置換法にて測
定した。この結果を表1、表2、表3に示す。
【0028】次に、各試料を大気中にて200℃/時間
で600℃まで昇温し、その後600℃と1000℃と
の間で、200℃/時間の昇降温速度にて10回熱サイ
クルをかけ、室温まで降温した。この際、各熱サイクル
において、600℃と1000℃では各々30分間一定
温度を保持した。その後、マイクロメータを用いて各試
料の寸法を測定し、熱サイクル前後の寸法収縮率を計算
した。これらの測定結果を表1,表2、表3に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】試料番号1〜17及び21〜25において
は、Aサイトの20%がカルシウムによって置換されて
いる系について、実験している。試料番号2、4では、
Bサイトの5%又は10%を、亜鉛又は銅によって置換
しているが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は0.0
09%に抑えられている。試料番号1では、Bサイトの
5%がニッケルによって置換され、5%が銅によって置
換されているが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は
0.005%である。
【0033】試料番号3では、Bサイトの5%がコバル
トによって置換され、10%が亜鉛によって置換されて
いるが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は0.005
%である。試料番号5では、Bサイトの5%がチタンに
よって置換され、10%がニッケルによって置換されて
いるが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は0.002
%である。試料番号6では、Bサイトの5%がアルミニ
ウムによって置換され、15%がチタンによって置換さ
れているが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は0.0
06%である。試料番号7では、Bサイトの5%がニッ
ケルによって置換され、15%が鉄によって置換されて
いるが、熱サイクル1回当たりの寸法収縮は0.005
%である。
【0034】比較例の試料番号21では、Bサイトに置
換元素が存在していないが、寸法収縮量は、熱サイクル
1回当たり0.041%である。
【0035】試料番号8〜15においても、本発明に従
うことにより、寸法収縮率が顕著に減少していることが
判る。試料番号16、17においては、Bサイトにおけ
る置換割合が25%に達しており、寸法収縮率は非常に
低減されている。しかし、置換元素の種類が同じである
試料番号1、3と比較すると、電気伝導度は半分程度ま
で減少しており、この点では、Bサイトにおける置換元
素の割合を20%以下にすることが好ましいと言える。
【0036】試料番号22、23では、Bサイトにモリ
ブデン、バナジウムを置換しているが、寸法収縮率は、
熱サイクル1回当たり、0.04%程度であり、比較例
の試料番号21と同程度に過ぎず、寸法収縮の低減とい
う作用効果は見られない。
【0037】試料番号24、25では、銅又は亜鉛の置
換割合があまりに少ないので、寸法収縮の低減量が、他
の例に比べると劣っている。この意味では、置換割合を
0.02%以上とすることが好ましい。
【0038】表1、表2、表3から解るように、置換元
素の種類によって若干の違いはあるものの、全体とし
て、Bサイトを上記元素で置換することにより、多孔質
焼結体の熱サイクル収縮が抑制されている。この置換量
は、特に5〜20%とするのが好ましい。
【0039】また、本発明者は、表3の試料21につい
て、室温から1000℃まで温度を上昇及び下降させ、
熱膨張計によって多孔質焼結体の寸法変化を測定した。
この結果、寸法の収縮現象は、温度下降時の900℃〜
800℃の温度範囲で起こっていることを突き止めた。
従って、この温度範囲で、酸素原子の吸収や金属原子の
移動が生じているものと推定される。また、本実験の条
件である600℃と1000℃の間での熱サイクルによ
る結果は、室温と1000℃との間の熱サイクルによる
結果と同じになる。
【0040】また、試料21を、大気中1000℃で1
0時間保持し、室温へと降温した後、加熱前と加熱後と
の寸法変化率を測定したところ、0.03%の収縮を示
した。一方、表3を見ると、焼成後の10回の熱サイク
ルについて、熱サイクル1回当たりの寸法収縮率は0.
041%であった。
【0041】従って、0.03%の収縮は、熱サイクル
1回分の寸法収縮量にほぼ相当する。この結果から、上
記した0.03%の寸法収縮は、1000℃で10時間
保持している間に生じたのではなく、1000℃から室
温へと下降した降温過程の間に生じたものである。言い
換えると、多孔質焼結体の上記熱サイクルによる収縮現
象は、高温で多孔質焼結体を保持したことによる焼結の
進行とは、全く別の機構によって生じている。
【0042】また、多孔質焼結体の平均熱膨張係数は、
Caの置換量が約0.2(20%)のときに極小とな
り、Srの置換量が約0.1(10%)のときに極小と
なった。固体電解質であるイットリア安定化ジルコニア
と熱膨張係数を整合させ、長期的に安定したセルを得る
ためには、Caの置換量を0.1以上、0.3以下とす
ることが好ましく、0.15以上、0.25以下とする
ことが一層好ましい。同じ理由で、Srの置換量Xは
0.05以上、0.20以下とすることが好ましく、
0.10以上、0.20以下とすることが一層好まし
い。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、多
孔質焼結体を構成するランタンマンガナイトのBサイト
のマンガン原子の一部を、銅、鉄、チタン及び亜鉛から
なる群より選ばれた一種以上の金属原子で置換すること
で、上記の熱サイクルによる多孔質焼結体の寸法収縮を
抑制することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペロブスカイト構造のランタンマンガナ
    イトからなる多孔質焼結体であって、銅、鉄、チタン及
    び亜鉛からなる群より選ばれた一種以上の金属原子によ
    って前記ランタンマンガナイトのBサイトのマンガン原
    子の一部が置換され、室温と1000℃との間の熱サイ
    クルによって生ずる寸法収縮が熱サイクル1回当たり
    0.01%以下であることを特徴とする多孔質焼結体。
  2. 【請求項2】 前記Bサイトのマンガン原子の一部が、
    アルミニウム、コバルト、マグネシウム及びニッケルか
    らなる群より選ばれた一種以上の金属原子によって置換
    されている、請求項1記載の多孔質焼結体。
  3. 【請求項3】 前記Bサイトにおけるマンガン原子以外
    の金属原子の置換割合が、0.02%以上、20%以下
    である、請求項1又は2記載の多孔質焼結体。
  4. 【請求項4】 カルシウム及びストロンチウムからなる
    群より選ばれた一種以上の金属原子によってランタンマ
    ンガナイトのAサイトのランタン原子の一部が置換され
    ている、請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の、多
    孔質焼結体。
  5. 【請求項5】 気孔率が5%以上、40%以下である、
    請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の、多孔質焼結
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の多孔質焼結体によって空
    気極が形成されていることを特徴とする、固体電解質型
    燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記空気極が支持体としても機能してい
    る、請求項6記載の固体電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】 前記空気極が円筒型である、請求項7記
    載の固体電解質型燃料電池。
JP5337636A 1993-12-28 1993-12-28 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 Pending JPH07187841A (ja)

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