JP2553295B2 - 多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents

多孔質焼結体の製造方法

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JP2553295B2 JP5070093A JP7009393A JP2553295B2 JP 2553295 B2 JP2553295 B2 JP 2553295B2 JP 5070093 A JP5070093 A JP 5070093A JP 7009393 A JP7009393 A JP 7009393A JP 2553295 B2 JP2553295 B2 JP 2553295B2
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質焼結体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC) の開発事
業においては、高温で安定な材料の探索が重要である。
SOFCの空気極材料としては、現在、ランタンマンガナイ
ト焼結体が有望と見られている(エネルギー総合工学、
13, 2, 52 〜68頁、1990年) 。こうしたランタンマンガ
ナイト焼結体においては、ほぼ化学量論的組成のものや
Aサイト(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの
(マンガンリッチな組成)も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に、AサイトにCa
, Sr をドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体が、自己支持型の空気極管を含む空気極の材
料として有望視されている。ところが、こうした多孔質
焼結体について、次の問題があることが明らかになっ
た。
【0004】即ち、SOFCの発電温度である 900〜1100℃
の温度と、室温〜600 ℃の温度との間で加熱−冷却サイ
クルをかけると、上記の多孔質焼結体からなる空気極管
と、単電池の他の構成材料との間でクラックが発生し、
単電池の破壊が生ずることが判明した。しかも、この単
電池を1000℃で長時間動作させても、このようなクラッ
クは全く発生しなかった。従って、この現象は、上記の
多孔質焼結体の焼成収縮によるものではなく、上記の熱
サイクルによる寸法変化に起因するものと考えられた。
【0005】本出願人は、先に、特願平4−275954号明
細書において、ストロンチウムやカルシウムによるAサ
イトの置換量を従来よりも多くすると、上記の熱サイク
ルによる寸法収縮が小さくなることを初めて開示した。
しかし、この知見の延長上において本発明者が更に研究
を進めると、非常に困難な問題のあることが判明した。
【0006】即ち、例えば La0.85 Sr0.15 MnO3 の組成
を持つ多孔質焼結体の熱膨張係数は、ジルコニア固体電
解質と同等であり、従ってSOFCの固体電解質膜との密着
性は極めて優れている。ところが、この組成では、上記
の加熱−冷却サイクルに伴う寸法収縮が熱サイクル1回
当たり 0.021%にもなり、しかも熱サイクルを繰り返し
ても寸法収縮が収束しない。このため、熱サイクルをか
け続けると、空気極の寸法収縮が進み、固体電解質膜の
剥離や空気極の破壊が生じる。
【0007】一方、 La0.75 Sr0.25 MnO3 の組成を持つ
多孔質焼結体であれば、上記の熱サイクルによる寸法収
縮はほとんど見られなかった。ところが、この熱膨張係
数は従来よりも大きくなるため、ジルコニア固体電解質
の熱膨張係数とかなり差がある。このため、固体電解質
膜を空気極上に形成するときに、膜の剥離や破壊が生じ
ることがあった。また、SOFCを運転するときも、やはり
固体電解質膜の剥離や破壊が生じた。
【0008】本発明の課題は、上記の熱サイクルに対す
る寸法安定性をランタンマンガナイト多孔質焼結体に付
与するのと共に、多孔質焼結体の熱膨張係数の増加を抑
えることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ストロンチウ
ム及びカルシウムからなる群より選ばれた一種以上の金
属原子によってAサイトの一部が置換されたペロブスカ
イト構造のランタンマンガナイトからなる多孔質焼結体
を製造する方法であって、Aサイトの置換量が相対的に
大きい組成のランタンマンガナイトからなる第一の粒子
と、Aサイトの置換量が相対的に小さい組成のランタン
マンガナイトからなる第二の粒子との混合粉末に少なく
とも結合材及び造孔材を加えて成形し、この成形体を焼
成して前記多孔質焼結体を得ることを特徴とする、多孔
質焼結体の製造方法に係るものである。
【0010】
【作用】まず前記した、900 〜1100℃の温度と室温〜 6
00℃の温度との間の熱サイクルによる寸法収縮につい
て、更に詳述する。従来は、カルシウムの置換量を10〜
20%とし、ストロンチウムの置換量を5〜15%とするこ
とが行われていた。
【0011】ところが、かかる組成のランタンマンガナ
イトからなる多孔質焼結体について上記の加熱−冷却サ
イクルをかけて安定性を試験してみると、意外なこと
に、上記の多孔質焼結体が熱サイクル1回当り 0.02 〜
0.1 %程度収縮することが判明した。しかも、この熱サ
イクルによる収縮は、100 回の熱サイクルをかけても収
束せず、100 回の熱サイクルで数%にも及ぶことが判明
した。このように空気極が収縮すると、単電池の他の構
成材料との間でクラックが発生し、単電池の破壊の原因
となる。
【0012】この機構は、現在のところ不明である。し
かし、熱サイクルに伴って、重量の増減が観察され、大
気中の 800℃以上の温度域で酸素が結晶中に出入りし、
この出入りに伴って結晶格子が歪み、金属原子の物質移
動が促進され、一種の焼結が生じているものと推測され
る。また、多孔質焼結体の熱サイクルに伴なう寸法収縮
量は、焼結体を構成する結晶粒径、熱サイクル時の昇降
温速度、雰囲気中の酸素分圧によって、若干異なってく
る。即ち、結晶粒径が小さいほど、昇降温速度が小さい
ほど、雰囲気中の酸素分圧が高いほど、多孔質焼結体の
寸法収縮が大きいことが判った。
【0013】本出願人は、特願平4-275954 号明細書に
おいて、カルシウムの置換量をAサイトの25%以上、35
%以下に特定すると、室温と1000℃との間の熱サイクル
によって生ずる寸法収縮を熱サイクル1回当たり0.01%
以下に抑えうることを開示した。また、ストロンチウム
をドープした場合には、ストロンチウムの置換量を20%
以上、40%以下に特定すると、同様の効果が得られるこ
とも開示した。しかし、これらの場合には、前記したよ
うに、固体電解質よりも熱膨張係数がかなり大きくなっ
た。
【0014】本発明者は、かかる二律背反を技術的に解
決すべく研究を進めていた。この過程で、Aサイトのカ
ルシウムもしくはストロンチウムの置換量が相対的に大
きい組成のランタンマンガナイトからなる第一の粒子
と、Aサイトの置換量が相対的に小さい組成のランタン
マンガナイトからなる第二の粒子とを混合し、原料粉末
とすると、やはり前記の熱サイクルによる寸法収縮を抑
制できることを確認した。しかも、第一の粒子を単独で
原料粉末として使用した場合にくらべて、熱膨張係数の
増加がほとんどないという意外な事実を発見し、本発明
に到達した。
【0015】こうした作用が得られる理由は明らかでは
ない。しかし、溶融温度の低い第一の粒子は、第二の粒
子よりも速やかに熔融する。この結果、多孔質焼結体の
微構造において、骨格の表面部分は相対的にストロンチ
ウム又はカルシウムが多く、骨格の内部は少なくなるも
のと考えられる。
【0016】おそらく、相対的にストロンチウムやカル
シウムの置換量の多い表面部分において、上記の熱サイ
クルに伴う酸素の出入りが防止されているものと考えら
れる。また、ストロンチウムやカルシウムの置換量の少
ない骨格内部が熱膨張に対して主として寄与しているも
のと考えられる。
【0017】
【実施例】本発明におけるランタンマンガナイトの化学
組成は、Bサイトにマンガン以外の置換原子を含んでい
てよく、含んでいなくとも良い。Bサイトにマンガン以
外の置換原子を含んでいる場合は、この置換原子とし
て、鉄、クロム、チタン、コバルト、マグネシウム、亜
鉛、銅、アルミニウム及びニッケルからなる群より選択
することができる。また、この置換量は、Bサイトの10
%以下とすることが好ましい。また、不可避的不純物の
存在も許容される。
【0018】本発明の多孔質焼結体は、特に、熱サイク
ルに対して安定な高温電極材料として好ましく使用でき
る。こうした高温電極材料としては、核融合炉、MHD
発電等における電極材料がある。また、本発明の多孔質
焼結体は、SOFC用の空気極材料として、特に好適に
使用できる。更に、自己支持型の空気極基体の材料とし
て用いることが好ましい。
【0019】こうした空気極基体は、単電池の母材とし
て用いられるものであり、空気極基体上に、固体電解質
膜、燃料電極膜、インターコネクター、セパレータなど
の各構成部分が積層される。この際、空気極基体の形状
は、両端が開口した円筒形状、一端が開口し、他端が閉
塞された有底円筒形状、平板形状などであってよい。
【0020】多孔質焼結体の気孔率は、5〜40%とする
ことが好ましい。また、これをSOFC用の空気極材料
として用いる場合には、更に気孔率を15〜40%とするこ
とが好ましく、25〜35%とすると一層好ましい。この場
合は、空気極の気孔率を15%以上とすることで、ガス拡
散抵抗を小さくし、気孔率を40%以下とすることで、実
用上充分な強度も確保することができる。
【0021】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験1)Mn3O4粉末、 La2O3粉末及び SrCO3粉末を、
後述する所定の組成となるようにアトライターで混合
し、空気中で1580℃で10時間保持してランタンマンガナ
イト合成物を得た。次いで、この合成物をトロンメル中
でジルコニア玉石を用いて、後述する粒径となるように
微粉砕し、乾燥した。
【0022】表1に示す各例に対応して、原料粉末を準
備した。即ち、比較例1,2においてはLa1-x Srx MnO3
からなる平均粒径cμmの粒子を、原料粉末とした。本
発明例3,4,5ではLa1-x Srx MnO3からなる平均粒径
cμmの粒子と、La1-y SryMnO3からなる平均粒径dμ
mの粒子とを、a mol%:b mol%の割合でロッキング
ミキサーで乾式混合し、原料粉末とした。
【0023】
【表1】
【0024】各原料粉末に対し、造孔剤としてセルロー
スを添加すると共に、結合剤としてポリビニルアルコー
ルの20重量%水溶液を添加した。この混合比は、セルロ
ース:ボリビニルアルコール水溶液:混合粉末=5:1
0:100(重量比) とした。
【0025】こうして得た混合物をニーダーで混練し、
混練物を真空脱気し、プランジャーに入れて押出成形
し、押出物を切断し、縦 200mm、横 100mm、厚さ 10mm
の平板状成形体を得た。これを空気中で乾燥し、電気炉
内に入れた。100 ℃/時間で昇温し、表2に示す焼成温
度で4時間焼成した。
【0026】まず、各試料の気孔率を水置換法にて測定
した。この結果は表2に示す。次に、各試料を大気中に
て 200℃/時間で600 ℃まで昇温し、その後 600℃と10
00℃との間で 200℃/時間の昇降温速度にて10回熱サイ
クルをかけて、室温に降温した。この際、各熱サイクル
において、600 ℃と1000℃では各々30分間一定温度を保
持した。マイクロメータを用いて加熱前後の寸法測定を
行い、熱サイクル1回当りの寸法収縮率を算出した。ま
た、各試料について、熱膨張係数を測定した。
【0027】
【表2】
【0028】本発明例3〜5では、熱膨張係数が比較例
1と同等であり、かつ比較例1に比べて熱サイクルによ
る寸法収縮率が極めて小さい。比較例2では熱サイクル
による寸法収縮は小さいが、熱膨張係数が大きくなって
いる。
【0029】本発明例3〜5の中ではLa0.75 Sr0.25 Mn
O3からなる粒子の粒径を小さくするほど、またLa0.95 S
r0.05 MnO3からなる粒子の粒径を大きくするほど、熱サ
イクルによる寸法収縮が一層小さくなるし、焼成温度も
低下させることができる。特に、ストロンチウムの置換
量が大きい粒子の粒径は、1.0 μm以下とすると一層好
ましい。ストロンチウムの置換量が小さい粒子の粒径
は、9.0 μm以上とすることが好ましい。
【0030】こうした作用効果が得られる理由は明らか
ではないが、ストロンチウム置換量の大きい組成の粒子
が急速に溶融し、被膜を形成しているものと考えられ
る。
【0031】また、表2に示す各試料の表面に、それぞ
れ、平均粒径5μmの8mol イットリア安定化ジルコニ
アからなる粉末をプラズマ溶射した。こうして得た積層
体を、1400℃で2時間、空気中で加熱処理し、膜厚50±
5μmの固体電解質膜を形成した。この積層体について
前記の熱サイクル試験を行い、この後の外観を検査し
た。各例について10個の試料を試験した。この結果を表
3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】比較例1の試料では、熱サイクルによって
破壊が生じ易い。比較例2では、1400℃での熱処理の段
階で、多孔質焼結体と固体電解質膜との熱膨張差により
クラック等が発生した。本発明の範囲内では、熱サイク
ル1回当りの寸法収縮率が0.01%以下の例4,例5にお
いて、固体電解質膜の破壊が全く見られなかった。
【0034】また、本発明者は、比較例1において、室
温から1000℃まで温度を上昇及び下降させて熱膨脹計に
よって寸法変化を測定した。この結果、寸法の収縮現象
は、温度下降時の 900℃〜800 ℃の温度範囲で起こって
いることを突き止めた。従って、この温度範囲で、酸素
原子の吸収や金属原子の移動が生じているものと推定さ
れる。また、本実験の条件である 600℃と1000℃の間で
の熱サイクルによる結果は、室温と1000℃との間の熱サ
イクルによる結果と同じになる。
【0035】また、比較例1の試料を、大気中1000℃で
10時間保持し、室温へと降温した後、加熱前と加熱後と
の寸法変化率を測定したところ、0.025 %の収縮を示し
た。一方、表2を見ると、焼成後の10回の熱サイクルに
ついて、熱サイクル1回当たりの寸法収縮率は最大 0.0
36%であった。従って、0.025 %の収縮は、熱サイクル
1回分の寸法収縮量にほぼ相当する。この結果から、上
記した 0.025%の寸法収縮は、1000℃で10時間保持して
いる間に生じたのではなく、室温から1000℃の間を昇降
温させた降温過程の間に生じたものである。言い換える
と、多孔質焼結体の上記熱サイクルによる収縮現象は、
高温で多孔質焼結体を保持したことによる焼結の進行と
は、全く別の機構によって生じている。
【0036】(実験2)実験1において、各粉末の組
成、混合比、平均粒径を、表4に示すように変更した。
【0037】
【表4】
【0038】表4から解るように、比較例1,2は、実
験1に示したものと同じである。本発明例6,7では、
比較例1で用いたのと同じLa0.85 Sr0.15 MnO3からなる
粒子に、Srの置換量が35%又は25%のものを混合した。
従って、混合粉末における平均値では、Srの置換量が15
%より大きくなる。各例について、実験1と同様の試験
を行った。この結果を表5,表6に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】本発明例6,7においては、実験1におけ
る本発明例3〜5にくらべて、熱サイクルによる寸法収
縮率は同等であるが、熱膨張係数は僅かに大きくなる。
しかし、ジルコニア固体電解質膜を形成した試料に対し
て熱サイクルをかけても、膜の破壊は生じなかった。従
って、熱膨張係数、熱サイクルによる寸法収縮率は、共
に許容範囲内にある。
【0042】また、本発明例6,7では、本発明例3〜
5にくらべ、焼成温度が若干高い。これは易焼結性の、
ストロンチウムの置換量の多い粒子の量を、本発明例3
〜5にくらべて減らしたからである。本実施例では、固
体電解質膜を形成する際、プラズマ溶射膜を1400℃で加
熱処理する。この点、本発明例6,7では、焼成温度が
1560℃以上になるので、1400℃での加熱処理による収縮
はほとんどない。
【0043】(実験3)実験1において、各粒子の組成
(x,y)、混合比、平均粒径を、表7に示すように変
更した。
【0044】
【表7】
【0045】本発明例8,9において、混合粉末全体の
平均値では、ストロンチウムの置換量が15%になるよう
にした。実験1と同様の試験を行った結果を表8,表9
に示す。
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】本発明例8,9では、熱膨張係数が比較例
1と同じになるし、熱サイクル収縮率も極めて小さい。
特に、本発明例9では、x=0.35の置換量の大きい組成
の粒子を用い、その平均粒径を 0.3μmまで小さくする
ことで、熱サイクルによる寸法収縮が比較例2と同等に
なっている。本発明例8,9は、それぞれ本発明例4,
5よりも、熱サイクルによる寸法収縮が小さいが、これ
は、ストロンチウム置換量のより大きい組成の粒子を用
いたからであろう。
【0049】(実験4)実験1と同様の実験を行った。
ただし、La1-x Cax MnO3の組成の粒子と、La1- y Cay Mn
O3の組成の粒子とを混合した。x, y, a, b, c, d
の値を表10に示す。
【0050】
【表10】
【0051】即ち、本発明例12, 13では、混合粉末にお
けるカルシウムの平均置換量を、20mol%にした。実験
1と同様の実験を行った結果を表11, 12に示す。
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】上記の結果から解るように、カルシウムの
置換量が20%,30%の場合は、比較例1,2とそれぞれ
同じ問題が生じている。一方、本発明例12,13において
は、比較例10と同等の熱膨張係数が得られるうえ、熱サ
イクルによる寸法収縮も比較例10の1/10程度である。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって製造
した多孔質焼結体によれば、室温〜600 ℃と 900〜1100
℃との間の熱サイクルによる寸法収縮を抑制できると共
に、従来の多孔質焼結体と同等の熱膨張係数を有するも
のを得ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストロンチウム及びカルシウムからなる
    群より選ばれた一種以上の金属原子によってAサイトの
    一部が置換されたペロブスカイト構造のランタンマンガ
    ナイトからなる多孔質焼結体を製造する方法であって、
    Aサイトの置換量が相対的に大きい組成のランタンマン
    ガナイトからなる第一の粒子と、Aサイトの置換量が相
    対的に小さい組成のランタンマンガナイトからなる第二
    の粒子との混合粉末に少なくとも結合材及び造孔材を加
    えて成形し、この成形体を焼成して前記多孔質焼結体を
    得ることを特徴とする、多孔質焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一の粒子の平均粒径が前記第二の
    粒子の平均粒径よりも小さい、請求項1記載の多孔質焼
    結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一の粒子の平均粒径が1μm以下
    であり、前記第二の粒子の平均粒径が9μm以上であ
    る、請求項2記載の多孔質焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第一の粒子におけるAサイトの置換
    量が0.25以上であり、前記第二の粒子におけるAサイト
    の置換量が 0.2以下である、請求項1記載の多孔質焼結
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一の粒子におけるAサイトの置換
    量が0.35〜0.45であり、前記第二の粒子におけるAサイ
    トの置換量が0.05〜0.15である、請求項4記載の多孔質
    焼結体の製造方法。
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