JP3400070B2 - 多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents
多孔質焼結体の製造方法Info
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Description
法に関するものであり、例えば、固体電解質型燃料電池
の空気電極として有用な多孔質焼結体を製造する方法に
関するものである。
1000°Cの高温で作動するため電極反応が極めて活
発で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、
分極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー
変換効率が他の燃料電池に比べて著しく高い。更に、構
造材は全て固体から構成されるため、安定かつ長寿命で
ある。SOFCの開発事業においては、高温で安定な材
料の探索が重要である。SOFCの空気極材料として
は、現在、ランタンマンガナイト焼結体が有望と見られ
ている(エネルギー総合工学、13、2、52〜68
頁、1990年)。こうしたランタンマンガナイト焼結
体においては、ほぼ化学量論的組成のものやAサイト
(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの(マンガン
リッチな組成)が知られている。特に、AサイトにC
a、Srをドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体が、自己支持型の空気極管を含む空気極の材
料として有望視されている。
孔質焼結体について、次の問題があることを、本発明者
が初めて発見した。即ち、SOFCの発電温度である9
00〜1100℃の温度と、室温〜600℃の温度との
間で加熱−冷却サイクルをかけると、上記の多孔質焼結
体からなる空気極管と、単電池の他の構成材料との間で
クラックが発生し、単電池の破壊が生ずることが判明し
た。しかも、この単電池を1000℃で長時間動作させ
ても、このようなクラックは全く発生しなかった。従っ
て、この現象は、上記の多孔質焼結体の焼成収縮による
ものではなく、上記の熱サイクルによる寸法変化に起因
するものと考えられた。
る安定性を、ペロブスカイト型複合酸化物からなる多孔
質焼結体に付与することである。
ト型の複合酸化物であって、この複合酸化物のBサイト
が少なくともマンガンによって占められている複合酸化
物からなる多孔質焼結体を製造するのに際して、粒度分
布のメディアン径が5μm以上である複合酸化物の粉末
に、バインダー及び該複合酸化物粉末100重量部に対し2
〜8重量部の増孔剤を添加して成形し、この成形体を焼
成して多孔質焼結体を製造することを特徴とする。
る多孔質焼結体の寸法収縮現象について、説明する。本
発明者は、従来のランタンマンガナイト多孔質焼結体に
ついて、900〜1100°Cの温度と、室温〜600
°Cの温度との間で、加熱−冷却サイクルをかけ、その
安定性を試験してみた。このランタンマンガナイトは、
Bサイトは特に置換されておらず、Aサイトの10mo
l%〜20mol%がカルシウムによって置換されてい
るものであり、又は、Aサイトの10mol%〜15m
ol%がストロンチウムによって置換されているもので
あった。
熱サイクル1回当り0.01〜0.04%程度収縮する
ことが判明した。しかも、この熱サイクルによる収縮
は、100回の熱サイクルをかけても収束せず、100
回の熱サイクルで数%にも及ぶことが判明した。このよ
うに空気極が収縮すると、単電池の他の構成材料との間
でクラックが発生し、単電池の破壊の原因となる。
究を進めた。この研究の過程で、特に、多孔質焼結体の
製造プロセスについて研究を重ねた。
ン、炭酸カルシウム等の原料粉末をバインダーと混合し
て焼成し、ランタンマンガナイトの合成物を製造し、こ
の合成物を粉砕して合成粉末を製造した。この合成粉末
に増孔剤及びバインダーを混合して成形し、管状の成形
体を得、この成形体を焼成して管状の多孔質焼結体を得
ていた。
結果、合成粉末の粒度が、熱サイクル収縮に対して極め
て重要であることを発見し、本発明に至った。
μm以上である複合酸化物粉末を成形し、この成形体を
焼成して多孔質焼結体を製造すれば、多孔質焼結体の熱
サイクル収縮量が、顕著に減少することが判明した。
と1000°Cとの間の熱サイクルによって生ずる寸法
収縮を、上記の熱サイクル1回当たり0.01%以下に
抑えることができた。これにより、900〜1100°
Cの温度と、室温〜600°Cの温度との間で加熱−冷
却サイクルをかけても、多孔質焼結体と他の構成材料と
の間でクラックが発生しないことを確認した。
1%以下である」とは、多孔質焼結体を焼結させた後、
最初の熱サイクルから10回目の熱サイクルまでの各寸
法収縮の平均値を指すものとする。
なう多孔質焼結体の寸法収縮が生ずる機構などについ
て、研究を進めた。この結果、室温から1000°C程
度まで温度上昇させると多孔質焼結体の重量が僅かに減
少し、再び室温に温度降下させると、この重量が元に戻
ることが分かった。また、多孔質焼結体の熱サイクルに
伴う寸法収縮量は、熱サイクル時の昇降温速度、雰囲気
中の酸素分圧によって、若干異なっていた。
ろ不明である。しかし、熱サイクルに伴って、大気中の
800℃以上の温度域で酸素が結晶中に出入りし、この
出入りに伴って結晶格子が歪み、金属原子の物質移動が
促進されているものと推測される。
5μm以上とすることによって、多孔質焼結体において
金属原子の物質移動が生じにくくなっているものと推測
される。
を越えると、複合酸化物粉末を焼結させる工程中に、こ
の焼結体が破損することがあった。
5〜15μmである複合酸化物粉末を準備する際には、
この複合酸化物の原料混合物を混合して混合粉末を製造
し、この混合粉末を成形し、この成形体を焼成して合成
物を製造し、この合成物を粉砕することが好ましい。
1600°Cとすることが好ましい。この原料混合物の
合成温度を下げるほど、最終的な多孔質焼結体の強度は
向上する。これは、原料混合物の合成温度を低くするほ
ど、この焼成によって得られた合成粉末が、次の段階で
焼結し易くなるからである。
インダーを添加して成形し、この成形体を焼成して多孔
質焼結体を製造する。この増孔剤は、比較的に低温で消
失するものである。増孔剤としては、アクリルパウダ
ー、カーボンパウダー、セルロース等が好ましい。
し、増孔剤の添加量を2〜8重量部とする。増孔剤の添加
量が8重量部を超えると、素地全体の均一性を損なう原
因となり、強度が低下し易い。増孔剤の添加量が2重量
部未満であると、強度向上の効果が乏しい。
ル、メチルセルロース、アクリル系バインダー等が好ま
しい。バインダーの添加量は、複合酸化物粉末100重
量部に対し、1〜5重量部とすることが好ましい。
00°Cとすることが好ましい。焼成温度を1300°
C未満とすると、焼結が完全に完了しない。1600°
Cよりも高くすると、焼結体の組織が緻密になりすぎ
る。
酸化物の組成について説明する。複合酸化物のBサイト
は少なくともマンガンによって占められている。好まし
くは、複合酸化物のAサイトが、少なくとも、セリウム
を除く希土類及びイットリウムからなる群より選ばれた
1種以上の金属原子によって占められている。
る。この複合酸化物は、次の組成を有するものが好まし
い。
占め、Mnが複合酸化物のBサイトを占める。Rは、セ
リウムを除く希土類及びイットリウムからなる群より選
ばれた1種の金属原子である。この群とは、イットリウ
ム、ランタン、プラセオジム、プロメチウム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、ネオジム、テルビウ
ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
ム、イッテルビウム、ルテチウムからなる群である。A
は、カルシウム及びストロンチウムからなる群より選ば
れた1種以上の金属原子である。
上、35%以下(x=0.15〜0.35)をカルシウ
ムによって置換する。ここで、多孔質焼結体の熱サイク
ル収縮を一層減少させるために、カルシウムの置換量を
25%以上とすることが好ましい。カルシウムの置換量
が35%を越えると、多孔質焼結体の平均線熱膨張率が
急激に増大する。
(x=0.10〜0.40)をストロンチウムによって
置換する。ここで、多孔質焼結体の熱サイクル収縮を一
層減少させるために、ストロンチウムの置換量を20%
以上とすることが好ましい。ストロンチウムの置換量が
40%を越えると、多孔質焼結体の平均線熱膨張率が急
激に増大する。
しい。
占め、Mn、Eが複合酸化物のBサイトを占める。R
は、セリウムを除く希土類及びイットリウムからなる群
より選ばれた1種の金属原子である。Aは、カルシウム
及びストロンチウムからなる群より選ばれた1種以上の
金属原子である。
ルト、銅、マグネシウム、ニッケル、鉄、チタン及び亜
鉛からなる群より選ばれた一種以上の金属原子Eによっ
て、ランタンマンガナイトのBサイトのマンガン原子の
一部を置換することが好ましい。
原子Eの置換割合は、0.02%以上、20%以下(z
=0.0002〜0.20)とすることが好ましく、5
%以上、20%以下(z=0.05〜0.20)とする
ことが更に好ましい。この置換割合が0.02%未満で
あると収縮抑制効果が顕著ではなく、20%を超える
と、電気伝導度が低下する。
5%以上、35%以下(x=0.15〜0.35)をカ
ルシウムによって置換する。ここで、多孔質焼結体の熱
サイクル収縮を一層減少させるために、カルシウムの置
換量を25%以上(x=0.25以上)とすることが好
ましい。カルシウムの置換量が35%を越えると、多孔
質焼結体の平均線熱膨張率が急激に増大する。
(x=0.10〜0.40)をストロンチウムによって
置換する。ここで、多孔質焼結体の熱サイクル収縮を一
層減少させるために、ストロンチウムの置換量を20%
以上とすることが好ましい。ストロンチウムの置換量が
40%を越えると、多孔質焼結体の平均線熱膨張率が急
激に増大する。
酸化物のAサイトが、カルシウム及びストロンチウムか
らなる群より選ばれた一種以上の第一の金属原子によっ
て占められており、かつ、セリウムを除く希土類及びイ
ットリウムからなる群より選ばれた二種以上の第二の金
属原子によって占められており、Aサイトのうち5〜7
0mol%が第一の金属原子によって占められており、
複合酸化物のBサイトにマンガンが含有されている。
式によって表されるものである。
占め、Mn、Eが複合酸化物のBサイトを占める。
なる群より選ばれた一種以上の第一の金属原子である。
Rは、セリウムを除く希土類及びイットリウムからなる
群より選ばれた二種以上の第二の金属原子である。この
群とは、ランタン、イットリウム、プラセオジム、ネオ
ジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガド
リニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、
エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムか
らなる群である。第二の金属原子Rは、ランタン、プラ
セオジム、ネオジム、サマリウム、ジスプロシウム、ガ
ドリニウム、イットリウムからなる群より選ばれたもの
が好ましい。
した場合には、ランタンの割合は1%〜94%とするこ
とが好ましい。この場合には、第二の金属原子Rの他方
の置換割合は、Aサイトのうち1〜80%とするのが好
ましく、20〜60%とするのが更に好ましい。
サイトのうち5〜70%(x=0.05〜0.70)と
するが、25〜50%とするのが更に好ましい。
ネシウム、ニッケル、鉄、チタン及び亜鉛からなる群よ
り選ばれた一種以上の第三の金属原子Eであり、Bサイ
トの残部がマンガンによって占められている。ここで、
第三の金属原子Eの置換割合Zは、0%とすることがで
き、この場合には、複合酸化物のBサイトがマンガンに
よって占められる。従って、上記の一般式は、づぎのよ
うに表示される。
て置換する場合には、この置換割合Zは20%以下とす
るのが好ましく、5〜20%とするのが更に好ましい。
原子Eの合計金属原子数に対する、A及びRの金属原子
数の合計の比率(Aサイトの原子数の合計/Bサイトの
原子数の合計)は、複合酸化物中において単一相を得る
ために、0.85以上、1.05以下とすることが好ま
しい。
トとBサイトとの相対的比率は、煩雑なので示していな
いが、この相対的比率は、偏析を生じないような公知の
範囲である。更に、Rの金属原子としてランタン等を使
用し、ジルコニアからなる固体電解質を設けた場合に
は、例えば、La2 Zr2 O7 からなる高抵抗層が生じ
ない組成にすることが特に好ましい。
は非化学量論的組成をとりうるので、多孔質焼結体の製
造工程において不可避的に混入する若干の不純物に由来
する複合酸化物の組成変動は、許容される。特に、Rと
してランタンを使用した場合に、前記不純物に由来する
ランタンマンガナイトの組成変動は、許容される。
特に、熱サイクルに対して安定な高温電極材料として好
ましく使用できる。こうした高温電極材料としては、核
融合炉、MHD発電等における電極材料がある。
用の空気極材料として、特に好適に使用できる。更に、
自己支持型の空気極基体の材料として用いることが好ま
しい。こうした空気極基体は、単電池の母材として用い
られるものであり、空気極基体上に、固体電解質膜、燃
料電極膜、インターコネクター、セパレータなどの各構
成部分が積層される。この際、空気極基体の形状は、両
端が開口した円筒形状、一端が開口し、他端が閉塞され
た有底円筒形状、平板形状などであってよい。このう
ち、上記したいずれかの円筒形状のものが、熱応力がか
かりにくく、ガスシールが容易なので、特に好ましい。
ることが好ましい。また、これをSOFC用の空気極材
料として用いる場合には、更に気孔率を15〜40%と
することが好ましく、25〜35%とすると一層好まし
い。この場合は、空気極の気孔率を15%以上とするこ
とで、ガス拡散抵抗を小さくし、気孔率を40%以下と
することで、ある程度の強度も確保することができる。
極材料として使用する場合には、多孔質焼結体の平均線
熱膨張率を、固体電解質膜や燃料電極膜などの平均線熱
膨張率に近くしなければならない。そして、この固体電
解質膜がイットリア安定化ジルコニアである場合には、
25°C〜1000°Cの間の平均線熱膨張率は10.
5×10-6K-1であることが知られている。
する。 (実験用試料の製造)出発原料として、La2 O3 、C
aCO3 、Mn3 O4 、NiOの各粉末を使用した。表
1、2、3に示す各組成比率となるように、各例につい
て、所定量の出発原料を秤量し、混合した。この混合粉
末を、コールドアイソスタティックプレス法により、1
tf/cm2 の圧力で成形し、成形体を作製した。この
成形体を、大気中、1500℃で15時間熱処理し、後
述する各組成のペロブスカイト型複合酸化物を合成し
た。
砕し、後述する各粒度分布を有するペロブスカイト型複
合酸化物の合成粉末を作製した。次に、この合成粉末
に、水と、有機バインダーとしてのアクリル系バインダ
ーを加え、混合し、水分40%のスラリーを調製し、ス
プレードライヤーで造粒した。その後、この造粒粉と増
孔剤としてのアクリルパウダーを乾式混合し、コールド
アイソスタティックプレス法により、1tf/cm2 の
圧力で成形して、円環形状の成形体を製造し、この管状
成形体を1600°Cで4〜20時間焼成した。この管
状焼結体から、長さ50mmの管状試料を切り出した。
ロブスカイト型複合酸化物のメディアン径を測定した。
具体的には、蒸留水30ccと、分散剤であるラベリン
10%水溶液とを混合して溶媒を製造し、この溶媒中
に、試料粉末100mgを加え、ホモジナイザーによっ
て3分間分散させ、懸濁液を得た。この懸濁液を用い
て、株式会社島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定
装置「SALD─2000」を用いて、粒度分布のメデ
ィアン径を測定した。
各試料番号1─1〜5─7を、それぞれ乳鉢にて粉砕
し、粉末法にてX線回折測定を行った。この結果、各試
料番号の各回折パターンは、ほぼ同じであり、かつ単一
相を示していた。
料番号1─1〜5─7において、カルシウム及びニッケ
ルは、それぞれ確かにペロブスカイト型複合酸化物の結
晶中に固溶していた。
孔率を水置換法にて測定した。この結果を表1、表2、
表3に示す。
号を大気中にて200℃/時間で600℃まで昇温し、
その後600℃と1000℃との間で、200℃/時間
の昇降温速度にて10回熱サイクルをかけ、室温まで降
温した。この際、各熱サイクルにおいて、600℃と1
000℃では各々30分間一定温度を保持した。その
後、マイクロメータを用いて各試料の寸法を測定し、熱
サイクル前後の寸法収縮率を計算した。熱サイクル1回
あたりの寸法収縮率を、表1、表2、表3に示す。ま
た、図1は、各実験番号における、多孔質焼結体の熱サ
イクル収縮と、合成粉末の粒度分布のメディアン径との
関係を示すグラフである。
うに、合成粉末のメディアン径を5μm以上にすると、
多孔質焼結体の熱サイクル収縮が顕著に減少した。多孔
質焼結体の組成及び気孔率が変わっても、合成粉末のメ
ディアン径と多孔質焼結体の熱サイクル収縮との間のこ
の関係は、ほぼ一定であった。
いて、室温から1000℃まで温度を上昇及び下降さ
せ、熱膨張計によって多孔質焼結体の寸法変化を測定し
た。この結果、寸法の収縮現象は、温度下降時の900
℃〜800℃の温度範囲で起こっていることを突き止め
た。従って、この温度範囲で、酸素原子の吸収や金属原
子の移動が生じているものと推定される。また、本実験
の条件である600℃と1000℃の間での熱サイクル
による結果は、室温と1000℃との間の熱サイクルに
よる結果と同じになる。
10時間保持し、室温へと降温した後、加熱前と加熱後
との寸法変化率を測定したところ、0.028%の収縮
を示した。一方、表3を見ると、焼成後の10回の熱サ
イクルについて、熱サイクル1回当たりの寸法収縮率は
0.026%であった。
ル1回分の寸法収縮量にほぼ相当する。この結果から、
上記した0.026%の寸法収縮は、1000℃で10
時間保持している間に生じたのではなく、1000℃か
ら室温へと下降した降温過程の間に生じたものである。
言い換えると、多孔質焼結体の上記熱サイクルによる収
縮現象は、高温で多孔質焼結体を保持したことによる焼
結の進行とは、全く別の機構によって生じている。
よれば、室温と1000°Cとの間の熱サイクルによっ
て生ずる多孔質焼結体の寸法収縮を、非常に小さく抑え
ることができる。これにより、上記の加熱−冷却サイク
ルをかけても、多孔質焼結体と他の構成材料との間でク
ラックが発生するのを、防止できる。
ル収縮と、合成粉末の粒度分布のメディアン径との関係
を示すグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】ペロブスカイト型の複合酸化物であって、
この複合酸化物のBサイトが少なくともマンガンによっ
て占められている、下記[数1]、[数2]及び[数3]から
なる群から選択される式で表される複合酸化物からなる
多孔質焼結体であって、室温と1000℃との間の熱サ
イクルによって生ずる寸法収縮が、この熱サイクル1回
当たり0.01%以下である多孔質焼結体を製造する方
法において、粒度分布のメディアン径が5〜15μmである
前記複合酸化物の粉末に、バインダー及び該複合酸化物
粉末100重量部に対し2〜8重量部の増孔剤を添加して成
形し、この成形体を焼成して多孔質焼結体を製造するこ
とを特徴とする、多孔質焼結体の製造方法。 【数1】 R1-XAXMnO3 (ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを占め、Mn
が複合酸化物のBサイトを占める。Rは、セリウムを除
く希土類及びイットリウムからなる群より選ばれた1種
の金属原子である。Aは、カルシウム及びストロンチウ
ムからなる群より選ばれた1種以上の金属原子であ
る。) 【数2】 R1-XAXMn1-ZEZO3 (ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを占め、M
n、Eが複合酸化物のBサイトを占める。Rは、セリウ
ムを除く希土類及びイットリウムからなる群より選ばれ
た1種の金属原子である。Aは、カルシウム及びストロ
ンチウムからなる群より選ばれた1種以上の金属原子で
ある。Eは、アルミニウム、コバルト、銅、マグネシウ
ム、ニッケル、鉄、チタン及び亜鉛からなる群より選ば
れた一種以上の金属原子である。) 【数3】 R1-XAXMn1-ZEZO3 (ここで、R、Aが複合酸化物のAサイトを占め、M
n、Eが複合酸化物のBサイトを占める。Aは、カルシ
ウム及びストロンチウムからなる群より選ばれた一種以
上の第一の金属原子である。Rは、セリウムを除く希土
類及びイットリウムからなる群より選ばれた二種以上の
第二の金属原子である。Eは、アルミニウム、コバル
ト、銅、マグネシウム、ニッケル、鉄、チタン及び亜鉛
からなる群より選ばれた一種以上の第三の金属原子であ
り、Bサイトの残部がマンガンによって占められてい
る。) - 【請求項2】前記[数1]で表される複合酸化物におい
て、Aサイトの15%以上、35%以下(x=0.15
〜0.35)をカルシウムによって置換することを特徴
とする請求項1に記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項3】前記[数1]で表される複合酸化物におい
て、Aサイトの10%以上、40%以下(x=0.10
〜0.40)をストロンチウムによって置換することを
特徴とする請求項1に記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項4】前記[数2]で表される複合酸化物におい
て、Bサイトにおけるマンガン原子以外の金属原子Eの
置換割合を、0.02%以上、20%以下(z=0.0
002〜0.20)とすることを特徴とする請求項1に
記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項5】前記[数2]で表される複合酸化物におい
て、Aサイトの15%以上、35%以下(x=0.15
〜0.35)をカルシウムによって置換することを特徴
とする請求項1に記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項6】前記[数2]で表される複合酸化物におい
て、Aサイトの10%以上、40%以下(x=0.10
〜0.40)をストロンチウムによって置換することを
特徴とする請求項1に記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項7】前記[数3]で表される複合酸化物におい
て、第一の金属原子Aによる置換割合Xを、Aサイトの
うち5〜70%(x=0.05〜0.70)とすること
を特徴とする請求項1に記載の多孔質焼結体の製造方
法。 - 【請求項8】前記[数3]で表される複合酸化物におい
て、第二の金属原子Rのうち一方をランタンとし、該ラ
ンタンの割合を1%〜94%とすることを特徴とする請
求項1に記載の多孔質焼結体の製造方法。 - 【請求項9】前記[数3]で表される複合酸化物におい
て、金属原子Eの置換割合Zが0%の場合であり、下記
[数4]で表されることを特徴とする請求項8に記載の多
孔質焼結体の製造方法。 【数4】 R1-XAXMnO3 - 【請求項10】前記多孔質焼結体が自己支持型電極であ
る、請求項1〜9のいずれか一つの項に記載の多孔質焼
結体の製造方法。
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JP05717194A JP3400070B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 多孔質焼結体の製造方法 |
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JPH07267751A JPH07267751A (ja) | 1995-10-17 |
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-
1994
- 1994-03-28 JP JP05717194A patent/JP3400070B2/ja not_active Expired - Lifetime
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