JP3975184B2 - 複合体型混合導電体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素イオン、電子混合導電性及び酸素透過機能を有する、更に詳しくは、燃料電池の電極材料、空気からの酸素分離又は天然ガスの部分酸化に供される酸素透過膜として好適に使用され得る複合体型混合導電体の製造方法に関し、特に固体原料(酸化物、炭酸塩等)を用いて複合体型混合導電体を製造する方法に関する。
燃料電池に必要な水素を製造する手法として、メタン(CH4)を主成分とする天然ガ
ス改質が最も現実的かつ効率的と考えられている。天然ガス改質の方法としては、従来より、以下の反応式(1)による水蒸気改質法が知られている。この水蒸気改質法によれば、以下の反応式(2)によるシフト反応を利用することにより1モルのメタンから4モルの水素を製造することが可能である。ところが、水蒸気改質法においては、(1)の反応時に200kJ/mol程度の大きな吸熱を伴う。したがって、定常運転に到るまでの起動時間が長くかかり、かつ反応を維持するために大量の熱を供給する必要がある。
CH4+H2O→CO+3H2…(1)
CO+H2O→CO2+H2…(2)
水素の製造方法としては、水蒸気改質法の他に、以下の式(3)の反応式による部分酸化法も知られている。部分酸化法は、上記シフト反応を用いることにより1モルのメタンから3モルの水素を製造することができる。また、式(3)の反応は36kJ/mol程度の発熱反応であり、エネルギー効率、起動性の観点から望ましい天然ガスの改質方法と言える。ところが、部分酸化法は、酸化剤として空気を用いると水素が窒素との混合ガスとして生成されるためその濃度が低い。酸化剤として純酸素を用いると水素濃度が低くなるということはないがコストが高くなる等の問題があるため、水蒸気改質法に比べて注目の度合いが小さかった。
CH4+1/2O2→CO+2H2…(3)
ところが、部分酸化法に酸素透過性のセラミックスを用いると以上の問題点が解消される。つまり、酸素イオンと電子のみが伝導できる混合導電体としての酸素透過性セラミックスを挟んで、その一方の側に空気、他方の側に天然ガスを供給することにより、純酸素が天然ガス側に供給され、メタン側で部分酸化反応が引き起こされる。
この混合導電体としては、従来、単相型ペロブスカイト型構造酸化物を中心に開発が進められてきたが、近時、複合体型の混合導電体も着目されている。複合体型混合導電体は、酸素イオン導電体相と電子導電体相の複相から構成されるものである。複合体型混合導電体は、酸素イオン導電体と電子導電体を個別に選択できるため、材料の選択範囲が広く、かつ見掛けの混合導電性を両者の体積比率で制御しうるという利点がある。一方で、酸素の吸収・放出に寄与する場所が酸素分子、酸素イオン導電体及び電子導電体の3相が共存する3重点に限られるため、結晶組織を微細にすることが望まれる。また、酸素イオン導電体と電子導電体との間で化学反応が起こり、その界面に酸素イオン及び電子の移動を阻害する絶縁相が形成されないことが要求される。
以上の特性を備えた複合体型混合導電体として、非特許文献1には、Gdがドープされた酸化セリウムを酸素イオン導電体相とし、スピネル型Fe複合酸化物を電子導電体相とするセラミックス焼成体が開示されている。このセラミックス焼成体は、典型的には、酸素イオン導電体相がCe0.8Gd0.21.8から構成され、電子導電体相がMFe24(M
=Co、Mn)から構成される。この複合体型混合導電体をGDC/MFOと言うことがある。
Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.756 2003 Materials Research Society "Preparation and Oxygen Permeability of Gd-Doped Ceria and Spinel-Type Ferrite Composites" 米国特許第3330697号公報
非特許文献1に開示される複合体型混合導電体は、Ce0.8Gd0.22-δ−MFe24(M=Co、Mn)混合組成物をペッチーニ法(詳しくは特許文献1)により作製している。液相法に属するペッチーニ法によれば、分子レベルでの各構成元素の混合状態に優れる混合粉末を得ることができる。そのため、1300℃という比較的低温度における焼成によりGdがドープされた焼成体を得ることができる。
しかし、ペッチーニ法のために用意される生原料は、Ce(NO33・6H2O、Gd
(NO33・5H2O、Co(NO33・6H2O、Mn(NO33・6H2O、Fe(N
33・9H2Oであり、更にキレート錯体配位子として無水クエン酸、重合剤としてエ
チレングリコールが必要である。このようにペッチーニ法は、特別な出発原料等が必要な液相法であることから、生産性、コストの観点からすると、より実用的な製造方法の登場が期待されている。
また、焼成体の組織を微細にするために、より低温度で焼成できることが望ましい。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、生産性に優れかつGDC/MFOを低コストで得ることのできる複合体型混合導電体の製造方法の提供を課題とする。加えて本発明は、低温度での焼成が可能な複合体型混合導電体の製造方法の提供を課題とする。
GDC/MFOを得る際の原料として酸化物粉末を用いることは、前述したペッチーニ法のような液相法に比べて生産性に優れ、かつコスト的にも有利である。出発原料となり得るCeO2、Gd23、Co34、Fe23は、セラミックスの原料として、容易に入
手することができるからである。CeO2、Gd23、Co34、Fe23を原料粉末と
して混合し、その後焼成することにより、GDCとMFOを生成させることができる。ところが、本発明者等の検討によると、GDCを得る、つまりGdをCeO2中に十分にド
ープさせるためには1600℃程度の高温度域での焼成が必要となる。しかし、このような高温度域での焼成を行なうと、結晶粒子が異常に成長してしまい、複合体型混合導電体として要求される結晶粒の微細化という要求を満足することができない。一方で、微細結晶粒が得られる程度の温度で焼成を行なうと、GdをCeO2中に十分にドープさせるこ
とができず、また緻密化が不十分である。さらに、CeO2、Gd23、Co34、Fe23を原料粉末とした場合に、GDC、MFO以外の異相の生成が顕著に観察された。
そこで本発明者等は、Co34及びFe23とともに焼成する前に、GdをCeO2
ドープさせ、しかる後にGdがドープされたCeO2をCo34及びFe23とともに結
晶粒が粗大化しない温度域で焼成するプロセスによりGDC/MFOの製造を試みた。その結果、得られたGDC/MFOは、微細な結晶組織を有する緻密な焼成体から構成され、かつ異相の発生を低減することができた。しかも、ペッチーニ法による従来のGDC/MFOと同等又はそれ以上の酸素透過性を得ることができた。
本発明は以上の知見に基づくものであり、組成式:Ce1−XGd2−X/2(ただし、0<X<0.5)で表されるGdがドープされた酸化セリウムから構成される酸素イオン導電体相と、組成式:MFe(ただし、M=Mn、Co及びNiの1種又は2種以上)で表されるスピネル型Fe複合酸化物から構成される電子導電体相とを含み、それぞれの相が焼成により結合した複合体型混合導電体の製造方法であって、Gdがドープされた酸化セリウム粉末と、スピネル型Fe複合酸化物を生成しうる組成物粉末又はスピネル型Fe複合酸化物粉末との混合物からなる所定形状の成形体を得る工程と、成形体を焼成する工程と、を備えることを特徴とする複合体型混合導電体の製造方法である。
本発明において、Gdがドープされた酸化セリウム粉末は、酸化セリウム粉末と酸化ガトリニウム粉末の混合物を所定温度に加熱保持する第1の合成処理により生成することができる。また、酸化セリウム粉末及び/又は酸化ガトリニウム粉末としては、他の金属元素を含む複合酸化物を用いることもできる。さらに、Ce、Gdを含む炭酸塩粉末を第1の合成処理に用いることもできる。
本発明において、スピネル型Fe複合酸化物を生成しうる組成物粉末としては、酸化性雰囲気中の加熱によりスピネル型Fe複合酸化物を生成する酸化物粉末、炭酸塩粉末を用いることができる。スピネル型Fe複合酸化物粉末は、元素Mを含む組成物粉末(例えば酸化物粉末、炭酸塩粉末)と鉄を含む組成物粉末(例えば酸化物粉末、炭酸塩粉末)の混合物を所定温度に加熱保持する第2の合成処理により生成することができる。また、元素Mを含む組成物粉末及び/又は鉄を含む組成物粉末としては、他の金属元素を含む複合化合物を用いることもできる。
ここで、第1の合成処理は1500〜1700℃の温度範囲で保持し、第2の合成処理は600〜1000℃の温度範囲で保持し、焼成は1100〜1150℃の温度範囲で保持することができる。
以上の本発明により、得られる焼成体の平均結晶粒径を1μm以下と微細にすることができる。この焼成体は、Ce1−XGd2−X/2で表される結晶粒と、MFeで表される結晶粒とが均一に分布している。しかも、Ce1−XGd2−X/2で表される結晶粒同士が焼成体内において導電ネットワークを形成し、また、MFeで表される結晶粒同士もまた焼成体内において導電ネットワークを形成する。
本発明においては、電子導電体相についても焼成前に合成しておくことが望ましい。後述する実施例に示すように、焼成の促進にとって望ましいからである。したがって本発明においては、酸化セリウム及び酸化ガドリニウムを含む原料組成物を所定温度にて加熱保持することにより酸素イオン導電体相用組成物を生成し、酸化コバルト、酸化マンガン及び酸化ニッケルの1種又は2種以上と酸化鉄を含む原料組成物を所定温度にて加熱保持することにより電子導電体相用組成物を生成し、酸素イオン導電体相用組成物及び電子導電体相用組成物を混合前及び/又は混合後に粉砕することにより粉砕粉末を作製し、この粉砕粉末を造粒して顆粒を作製し、顆粒を所定形状に成形し、得られた成形体を焼成する工程を経る複合体型混合導電体の製造方法を採用することが望ましい。
本発明によれば、生産性に優れかつGDC/MFOを低コストで得ることができる製造方法を提供できる。また本発明によると、1300℃以下の低温度での焼成によっても緻密で微細組織を有するGDC/MFOを製造することができる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
はじめに、図1に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態による製造工程概略を説明する。
図1に示すように、酸素イオン導電体相生成のための出発原料としてCeO2粉末及び
Gd23粉末を用意する。また、電子導電体相生成のための出発原料としてCo34粉末及びFe23粉末を用意する。
CeO2粉末及びGd23粉末、並びにCo34粉末及びFe23粉末は、各々混合・
粉砕される。混合・粉砕は、公知の機器、例えばボールミルにより行なうことができる。
なお、ここでは酸素イオン導電体相生成のための出発原料としてCeO2粉末及びGd23粉末、電子導電体相生成のための出発原料としてCo34粉末及びFe23粉末と酸化
物粉末を用意した。しかし、これは本発明の一例であり、酸化物以外の炭酸塩粉末を用いることもできる。
CeO2粉末及びGd23粉末からなる混合粉末は、次いで、合成処理に供される。こ
の合成処理は、上記混合粉末を所定の温度に加熱保持することにより、GdをCeO2
ドープさせることによりGDCを生成する処理である。このGDCを得るための合成処理は、本発明の最も特徴的な事項である。この合成処理は、後に行なう焼成に先立って行われるため、仮焼きということができる。
合成処理における加熱温度は、1500〜1700℃の範囲で適宜選択される。1500℃未満ではGDCの生成が不十分である。一方、合成処理のみを目的とするのであれば、加熱温度の上限に制限を設ける理由はないが、必要以上の温度の加熱はエネルギーの浪費になることから、本発明においては加熱温度の上限を1700℃とすることを推奨する。具体的な加熱温度は、処理に供される粉末の粒度、あるいは得たいGDCの組成等によって適宜調整すればよい。例えば、得たいGDCの組成が同一であっても、処理に供される粉末の粒度が小さければ相体的に低めの温度、逆に処理に供される粉末の粒度が大きければ相体的に高めの温度で加熱する必要がある。
一方で、Co34粉末及びFe23粉末からなる混合粉末も合成処理に供される。この合成処理は、上記混合粉末を所定の温度に加熱保持することにより、CFOを生成する処理である。なお、図1では元素MとしてCoを用いているため、MFOをCFOと表記している。
この合成処理における加熱温度は、600〜1000℃の範囲から適宜選択される。600℃未満の温度では合成反応が十分に進行せず、また1000℃を超えると粒成長を促し、焼結を進めるからである。また、加熱保持時間は、0.5〜5hrの範囲とすればよい。後述するように、CFO生成のための合成処理は、本発明において任意である。
合成処理により得られたGDC及びCFOは各々粉砕される。粉砕は、例えばボールミルを用いることができる。粉砕は、GDC及びCFOともに、平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲になるように行なうのが望ましい。なお、各々の粉砕を行なわずに、混合後に粉砕することもできる。
粉砕されたGDC及びCFOは、所定の配合比となるように混合されるとともに粉砕される。この混合・粉砕もボールミルを用いることができる。
混合・粉砕された粉末は、次いで、顆粒に造粒される。顆粒への造粒は、例えば、粉砕粉末にバインダを添加した後に、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥することにより得ることができる。また、オシレート法により粉砕粉末を顆粒に造粒することもできる。
顆粒に造粒されたGDC及びMFOからなる混合粉末は、次いで、所定形状に成形される。成形の形状は、GDC/MFOとして最終的に得たい形状を想定して設定される。
得られた成形体は、成形体中に含まれるバインダを除去(脱バインダ)した後に焼成に供される。なお、脱バインダは、使用するバインダの種類により、その分解温度に応じて適宜選択される。例えばバインダにPVA(ポリビニールアルコール)を用いた場合、大気中、500〜700℃の温度範囲に0.5〜3hr程度保持すればよい。
焼成は大気中で行なうことができる。加熱温度は1100〜1300℃の範囲から選択される。1100℃未満では緻密な焼成体を得ることができず、逆に1300℃を超えると結晶粒が粗大化する。本発明においては、GDCあるいはさらにCFOを予め生成しておくというプロセスを採用することにより、後述する実施例にも示すように、より低温の焼成温度で高い焼成密度を得ることを可能にした。加熱保持の時間は、0.1〜10hr
の範囲とすることが望ましい。
以上では、電子導電体相を構成するためのCo34粉末及びFe23粉末を合成処理する形態について説明した。しかし本発明は、Co34粉末及びFe23粉末を合成処理することなく、図2に示すように、Co34粉末及びFe23粉末を、粉砕されたGDC粉末と混合・粉砕することができる。
本発明により得られる複合体型混合導電体は、酸素イオン導電体相が組成式:Ce1-X
GdX2-X/2(ただし、0<X<0.5)で表されるガドリニウム(Gd)添加セリア(CeO2)から構成され、結晶構造は蛍石型面心立方晶である。Xが0.5以上になると
、結晶構造がMn23型体心立方晶となる。したがって、本発明では、Xを0.5未満とする。望ましいXの値は0.1〜0.3である。
また、本発明により得られる複合体型混合導電体は、電子導電体相が組成式:MFe2
4(ただし、M=Mn、Co及びNiの1種又は2種以上)で表されるスピネル型Fe
複合酸化物から構成される。
本発明により得られる複合体型混合導電体は、酸素イオン導電体相を構成するGDC結晶粒と電子導電体相を構成するMFO結晶粒が焼成により結合された組織を有する。GDC結晶粒及びMFO結晶粒は、ともに平均粒径が1μm以下、さらには0.5μm以下であることが望ましい。前述したように、複合体型混合導電体においては、酸素の吸収・放出に寄与する場所が、酸素分子、酸素イオン導電体及び電子導電体の3相が共存する3重点に限られる。そのため、高い酸素透過量を得るために微細な結晶組織が要求されるからである。
複合体型混合導電体中における酸素イオン導電体相と電子導電体相は、電子導電体相が5〜40体積%の範囲で存在することが望ましい。5%未満ではパーコレーションの観点から電子導電体相のネットワーク形成が困難であり、また、40%を超えると、一般に、電気導電率は電子導電体>>イオン導電体の関係にあるためにイオン伝導が不足するからである。電子導電体相は、望ましくは10〜30体積%、さらに望ましくは15〜25体積%とする。
非特許文献1には、GDC/MFOには、酸素イオン導電体相と電子導電体相以外に、ペロブスカイト型構造のGdFeO3の生成が報告されているが、本発明の製造方法によ
れば、GdFeO3の生成を抑制することができる。
以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
酸素イオン導電体相用の酸化物原料であるCeO2とGd23を所定の混合比となるよ
うに秤量し、ボールミルで湿式混合した。混合物を乾燥して得られた粉末をペレット状に成形し、電気炉にて1600℃で2時間保持する合成処理を行なうことにより、酸素イオン導電体相形成用のCe0.8Gd0.21.9組成物を得た。これを粉砕し、平均粒径(D5
0)=0.3μmの酸素イオン導電体相用粉末を得た。なお、平均粒径(D50)は、マイクロトラック粒子径分布装置9320HRA(X−100)によって測定した。
電子導電体相の酸化物原料であるCo34とFe23を所定の混合比となるように秤量し、ボールミルで湿式混合した。混合物を乾燥して得られた粉末を電気炉にて700℃で2時間保持する合成処理を行なうことにより、電子導電体相用のCoFe24組成物を得た。これを粉砕し、平均粒径(D50)=0.4μmの電子導電体相用粉末を得た。
以上で得られた酸素イオン導電体相用粉末と電子導電体相用粉末を8:2の配合比(モル比)でボールミルにより湿式混合した。それを乾燥して得られた粉末に対してPVA(ポリビニルアルコール)6wt%水溶液を10wt%添加して、乳鉢で混ぜ合わせ顆粒を
得た。得られた顆粒を油圧式ハンドプレスにてφ25mm×1mmのペレット状の成形体を得た。得られた成形体を600℃、2時間、大気中で脱バインダ処理をした後、1000〜1450℃、3時間、大気中で焼成し、複合体型混合導電体を得た。
酸素イオン導電体相用の酸化物原料であるCeO2とGd23を所定の混合比となるよ
うに秤量し、ボールミルで湿式混合した。混合物を乾燥して得られた粉末をペレット状に成形し、電気炉にて1600℃で2時間保持する合成処理を行なうことにより、酸素イオン導電体相形成用のCe0.8Gd0.21.9組成物を得た。これを粉砕し、平均粒径(D5
0)=0.3μmの酸素イオン導電体相用粉末を得た。
以上で得られた酸素イオン導電体相用粉末、Co34粉末及びFe23粉末を所定の割合で混合し、ボールミルで湿式混合した。なお、混合は、Co:Fe=1:2(原子比)、Ce0.8Gd0.21.9:CoFe24=8:2(モル比)となるようにその比率を定め
た。それを乾燥して得られた粉末に対してPVA(ポリビニルアルコール)6wt%水溶液を10wt%添加して、乳鉢で混ぜ合わせ顆粒を得た。得られた顆粒を油圧式ハンドプレスにてφ25mm×1mmのペレット状の成形体を得た。得られた成形体を600℃、2時間、大気中で脱バインダ処理をした後、1000〜1400℃、3時間、大気中で焼成し、複合体型混合導電体を得た。
(比較例)
酸素イオン導電体相の酸化物原料であるCeO2粉末及びGd23粉末、ならびに電子
導電体相用の酸化物原料であるCo34粉末及びFe23粉末を所定の割合で混合し、ボールミルで湿式混合した。なお、混合は、Ce:Gd=8:2(原子比)、Co:Fe=1:2(原子比)、Ce0.8Gd0.21.9:CoFe24=8:2(モル比)となるよう
にその比率を定めた。混合物を乾燥して平均粒径(D50)=0.4μmのCeO2、G
23、Co34及びFe23からなる混合粉末を得た。
以上で得られた混合粉末に対してPVA(ポリビニルアルコール)6wt%水溶液を10wt%添加して、乳鉢で混ぜ合わせ顆粒を得た。得られた顆粒を油圧式ハンドプレスにてφ25mm×1mmのペレット状の成形体を得た。得られた成形体を600℃、2時間、大気中で脱バインダ処理をした後、1000〜1400℃、3時間、大気中で焼成し、複合体型混合導電体を得た。
以上の実施例1、実施例2及び比較例で得られた複合体型混合導電体(焼成体)の焼成温度と相体密度の関係を求めた。なお、相体密度はアルキメデス法により求めた。その結果を図3に示す。
図3に示すように、予め酸素イオン導電体相を合成しておくことにより、緻密化温度を低温側にシフトできる易焼結性を示すことがわかる。特に、電子導電体相をも予め合成した実施例1は、顕著な易焼結性を示す。このことは、緻密な結晶組織が要求されるGDC/MFOにとって、本発明による製造方法が有効であることを示している。95%以上の相体密度を得ようとする場合、実施例1では1100℃、実施例2では1150℃の焼成温度で足りるのに対して、比較例は1200℃で焼成する必要がある。
実施例1により得られた複合体型混合導電体の焼成温度と平均結晶粒径の関係を求めた。なお、平均結晶粒径はコード法により求めた。結果を図4に示す。
図4に示すように、平均結晶粒径は焼成温度の上昇に伴い、急激に増大する。酸素透過特性は、平均結晶粒径に反比例する為、緻密性が得られる範囲で可能な限り低温で焼成することが望まれる。本発明によれば1100℃、3時間、大気中の焼成を行なうことにより、相対密度95%以上、平均結晶粒径0.3μm以下という緻密かつ微細な組織を得ることができる。
実施例1により得られた複合体型混合導電体及び比較例により得られた複合体型混合導電体について焼成温度と酸素イオン導電体相の格子定数の関係を求めた。なお、格子定数は、株式会社リガク製X線回折装置RINT2500により得られた回折パターンから最小2乗法により求めた。結果を図5に示す。
CeO2のイオン導電性はGdのドープ量が20%で最大値を取ることが知られている
が、図5に示すように、比較例のうち1100℃で焼成した場合、酸素イオン導電体相の格子定数は5.416Å以下と小さく、GdがCeO2中に7〜8%程度しかドープされ
ていないことが伺われる、これに対して実施例1は、格子定数が5.420Å以上と大き
く、15%程度ドープされていると推定される。
前述したように、GDC/MFOには、ペロブスカイト型構造のGdFeO3(GFO
)が異相として生成される。この異相は、生成しないか又は生成量が低減されることが望ましい。そこで、実施例1、実施例2及び比較例について、上記X線回折装置RINT2500により得られた回折パターン(図6に示す)に基づきGFO相の積分強度比(GFO相/(GDC相+MFO相+GFO相))を求めた。
図7に焼成温度とGFOの積分強度比の関係を示している。図7から明らかなように、GDCの合成処理を行なった実施例1及び実施例2は、GFO相の生成が抑制されている。
実施例1、実施例2及び比較例により得られた複合体型混合導電体を用いて酸素透過特性を測定した。
酸素透過特性の測定は以下のようにして行なわれた。図8に示すように、測定される試料S(複合体型混合導電体)を境界として、一方の側を大気室1、他方の側を燃料ガス室2とし、大気室1に供給管3を介して高温の空気(Air)を、また燃料ガス室2には供給管4を介してHeガスを導入する。「試料Sと燃料ガス室2との間にはホウケイ酸ガラスからなるガラスリング5が挟まれており、このガラスリング5が1000℃で溶融、凝固することにより試料Sと燃料ガス室2は密着される。この結果、試料Sにより大気室1と燃料ガス室2は隔離されるとともに燃料ガス室2は封止される。測定中に試料Sは、周囲に配設されているヒータ6により所定温度に加熱される。この温度を測定温度という。なお、ガラスリング5の溶融、凝固は測定に先立ち行われ、その後、ガラスリング5は600〜1000℃の測定温度範囲にわたって燃料ガス室2を封止するシールとして機能する。大気室1側から試料Sを透過して燃料ガス室2側に流入した酸素の量をガスクロマト装置7及び4重極型ガス質量分析装置8により分析し、単位時間当りの単位面積当りの透過酸素分子数(jO2)を求めた。
結果を表1に示す。なお、表1の従来例は、非特許文献1に記載されているペッチーニ法による原料を用いて得られた複合体型混合導電体の酸素透過量を示している。表1に示すように、実施例1及び実施例2による複合体型混合導電体は、これまで酸素透過性が優れていると評価されている従来例と同等又はそれ以上の酸素透過特性が得られることがわかった。
Figure 0003975184
本発明による複合体型混合導電体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明による複合体型混合導電体の製造方法の他の例を示すフローチャートである。 実施例1、実施例2及び比較例による複合体型混合導電体の焼成温度と相体密度の関係を示すグラフである。 実施例1による複合体型混合導電体の焼成温度と平均結晶粒径の関係を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例による複合体型混合導電体の焼成温度とGDCの格子定数の関係を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例による複合体型混合導電体のX線回折パターンを示す。 実施例1、実施例2及び比較例による複合体型混合導電体の焼成温度とGFOの積分強度比を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例による酸素透過特性の測定装置概要を示す図である。
符号の説明
1…大気室、2…燃料ガス室、3,4…供給管、5…ガラスリング、6…ヒータ、7…ガスクロマト装置、8…4重極型ガス質量分析装置、S…試料

Claims (6)

  1. 組成式:Ce1-XGd2-X/2(ただし、0<X<0.5)で表されるGdがドープされた酸化セリウムから構成される酸素イオン導電体相と、組成式:MFe(ただし、M=Mn、Co及びNiの1種又は2種以上)で表されるスピネル型Fe複合酸化物から構成される電子導電体相とを含み、それぞれの相が焼成により結合した複合体型混合導電体の製造方法であって、
    Gdがドープされた酸化セリウム粉末と、前記スピネル型Fe複合酸化物を生成しうる組成物粉末又はスピネル型Fe複合酸化物粉末との混合物からなる所定形状の成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼成する工程と、を備えることを特徴とする複合体型混合導電体の製造方法。
  2. Gdがドープされた前記酸化セリウム粉末は、酸化セリウム粉末と酸化ガトリニウム粉末の混合物を所定温度に加熱保持する第1の合成処理により生成されることを特徴とする請求項1に記載の複合体型混合導電体の製造方法。
  3. 前記スピネル型Fe複合酸化物粉末が、元素Mを含む組成物粉末と鉄を含む組成物粉末の混合物を所定温度に加熱保持する第2の合成処理により生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合体型混合導電体の製造方法。
  4. 前記第1の合成処理は1500〜1700℃の温度範囲で保持し、前記第2の合成処理は600〜1000℃の温度範囲で保持し、前記焼成は1100〜1300℃の温度範囲で保持することを特徴とする請求項3に記載の複合体型混合導電体の製造方法。
  5. 前記焼成により得られる焼成体の平均結晶粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合体型混合導電体の製造方法。
  6. 酸化セリウム及び酸化ガドリニウムを含む原料組成物を所定温度にて加熱保持することにより酸素イオン導電体相用組成物を生成し、
    酸化コバルト、酸化マンガン及び酸化ニッケルの1種又は2種以上と酸化鉄を含む原料組成物を所定温度にて加熱保持することにより電子導電体相用組成物を生成し、
    前記酸素イオン導電体相用組成物及び前記電子導電体相用組成物を混合前及び/又は混合後に粉砕することにより粉砕粉末を作製し、
    前記粉砕粉末を造粒して顆粒を作製し、
    前記顆粒を所定形状に成形し、
    得られた成形体を焼成することを特徴とする複合体型混合導電体の製造方法。
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