JPH07258204A - チオアリール化合物の製造方法 - Google Patents
チオアリール化合物の製造方法Info
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Abstract
ン化合物の金属塩とアルコキシカルボニルアルキルチオ
アリール化合物を工業的に製造する方法を提供する。 【構成】 ジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の
水酸化物とを、一般式2 の硫黄化合物の存在下で反応させるアリールメルカプタ
ン化合物アルカリ金属塩の製造方法と、前記金属塩と、
ハロゲノ脂肪酸エステル化合物とを、pH7〜10の条
件下で反応させる、一般式5 のアルコキシカルボニルアルキルチオアリール化合物の
製造方法、及び、アリールメルカプタン化合物アルカリ
金属塩を単離しない前記化合物の製造方法。
Description
して有用なアルコキシカルボニルアルキルチオアリール
化合物及びその関連化合物の製造方法に関するものであ
る。
を鉄粉或いは亜鉛末を用いて還元することによりアリー
ルメルカプタン化合物を製造する方法が知られている
が、使用した鉄粉や亜鉛末の処理がはん雑である。又、
ジスルフィド化合物からアルカリ水酸化物を用いてアリ
ールメルカプタン化合物を得る場合においては、比較的
穏和な反応条件下で実施できるという利点があるもの
の、特に目的物であるアリールメルカプタン化合物が生
成後に一部酸化され、アリールスルフィン酸等を副生す
るために、収率が悪いという難点があり、従って、アル
コキシカルボニルアルキルチオアリール化合物を製造す
るための中間行程としては不向きであった。
物の一種である5,5’−(2,4−ジハロゲノアニリ
ン)ジスルフィド
カルボニルチオアニリン誘導体は、 不安定であり、単離すること自体についても好結果が得
られるものではなく、高価な置換アリールジスルフィド
化合物を原料とする場合には、目的とするアルコキシカ
ルボニルアルキルチオアリール化合物を工業的に製造す
ることは困難であった。
する課題は、容易な操作で収率よく、アリールメルカプ
タン化合物の金属塩を、そして、アルコキシカルボニル
アルキルチオアリール化合物を工業的に製造する方法を
提供することにある。
記の課題を解決すべく、アルコキシカルボニルアルキル
チオアリール化合物の製造方法について鋭意研究した結
果、意外にもアリールジスルフィド化合物をアルカリ金
属水酸化物と反応させる際に、硫黄化合物を共存させる
ことにより、対応するアリールメルカプタン化合物アル
カリ金属塩に収率よく変換できること、又、このように
して得られたアリールメルカプタン化合物アルカリ金属
塩に、対応するハロゲノ脂肪酸エステル化合物をpH7
〜10という条件下で反応させることにより、容易にし
かも収率よく、アルコキシカルボニルアルキルチオアリ
ール化合物に変換できること、及び、これらの反応は同
一反応器内で連続して実施できること等を見いだし、こ
れらの知見に基づき本発明を完成した。
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
わされるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水
酸化物とを、一般式
数を示す。)で表わされる硫黄化合物の存在下で反応さ
せることを特徴とする、一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩の
製造方法と、一般式
表わされるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩
と、一般式
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、
す。)で表わされるアルコキシカルボニルアルキルチオ
アリール化合物の製造方法、及び、一般式
されるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水酸
化物とを、一般式
される硫黄化合物の存在下で反応させ、得られる一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩を
単離することなく、一般式
で表されるハロゲノ脂肪酸エステル化合物とを、pH7
〜10の条件下で反応させることを特徴とする、
す。)で表わされるアルコキシカルボニルアルキルチオ
アリール化合物の製造方法を提供する。
塩の製造 本発明において使用する一般式(1)で表されるジスル
フィド化合物としては、式中の置換基R1が水素原子;
ハロゲン原子、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、又は、ヨウ素原子;アミノ基;アシルアミノ基、
具体的には炭素数1〜6のアシルアミノ基、より具体的
には例えばアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル
基、ペンタノイル基、又は、ヘキサノイル基で置換され
たアシルアミノ基;アルキル基、具体的には炭素数1〜
6のアルキル基、より具体的には例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基(本
明細書における「アルキル基」は、例えばシクロヘキシ
ル基等のシクロアルキル基を包含する);アルコキシ
基、具体的には酸素原子に結合するアルキル部分が前記
アルキル基であるアルコキシ基;フェニル基;アルキル
アミノ基、具体的には窒素原子に結合するアルキル部分
が前記アルキル基であるアルキルアミノ基;ジアルキル
アミノ基、具体的には窒素原子に結合するアルキル部分
が前記アルキル基であるジアルキルアミノ基;ベンジル
基;芳香族アシル基、具体的にはベンゾイル基;脂肪族
アシル基、具体的には炭素数1〜6の脂肪族アシル基、
より具体的には例えばアセチル基、プロピオニル基、ブ
タノイル基、ペンタノイル基、又はヘキサノイル基等で
あるものを挙げることができる。
化合物の(R1)nにおけるnは1〜5の整数を示し、
上記説明した置換基R1がそれぞれの母核に1〜5個結
合していることを意味している。置換基R1の結合位置
に特に制限はなく、又、上記nが2以上のとき、置換基
R1は同一或いは相異なっていてもよい。
には式(6)
化合物におけるR4は、水素原子又は炭素数1〜6のア
シル基、具体的には例えばアセチル基、プロピオニル
基、ブタノイル基、ペンタノイル基又はヘキサノイル基
を表し、X2、X3はハロゲン原子、具体的にはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表している。
水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等を例示することができ、このアル
カリ金属水酸化物は、所望により2種以上を混用しても
良い。又、アルカリ金属水酸化物は、通常1〜50重量
%、好ましくは5〜20重量%の水溶液として使用し、
その使用量としては、ジスルフィド化合物1モルに対し
てアルカリ金属水酸化物として2モル以上あればよい
が、反応速度等を考慮し、通常は2〜20モル、好まし
くは4〜6モルの範囲で使用する。
(2)の硫黄化合物としては、例えば硫化カリウム(一
般式(2)においてM1=K、i=2)、硫化ナトリウ
ム(同じくM1=Na、i=2)、硫化リチウム(同じ
くM1=Li、i=2)、水硫化ナトリウム(同じくM1
=Na、i=1)、水硫化カリウム(同じくM1=K、
i=1)、水硫化リチウム(同じくM1=Li、i=
1)、硫化カリウムナトリウム(同じくM1=K及びN
a、i=2)等を挙げることができる。尚、硫黄化合物
は所望により2種以上を混用しても良い。
化合物1モルに対し0.1〜0.9、好ましくは0.2
〜0.7モルの範囲であれば良く、使用量が上記範囲よ
り少ないと系内での目的生成物の安定性の改善効果が充
分でなく、上記範囲より多すぎても得られる効果に大差
はないので、作業性や経済性において不利なだけであ
る。
とアルカリ金属水酸化物との反応は、通常は上記アルカ
リ金属水酸化物を溶解した水溶液中で、通常は10℃〜
反応系の還流温度、好ましくは30℃〜120℃の温度
範囲で、通常は常圧下で行われる。この際の原料等の投
入順序にはなんら制限はなく、どのような順で投入して
も差し支えないのであり、反応生成物である上記一般式
(3)で表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ
金属塩は、通常はその水溶液として得ることができる。
アルカリ金属M1と、一般式(2)の硫黄化合物におけ
るアルカリ金属M1とが異なる場合は、得られる一般式
(3)のアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩が
異なるアルカリ金属塩の混合物となるが、本発明では差
し支えない。
内に例えばメタノール、エタノール、プロパノール、i
−プロパノール等のアルコール類を、ジスルフィド化合
物に対して0.1〜2l/モル、好ましくは0.1〜1
l/モル共存させてもよく、このようにした場合は反応
速度が向上することが判っており、反応終了後はこのア
ルコール類を蒸留等により回収すれば、反応生成物を例
えばその水溶液として得ることができる。
ル化合物の製造 本発明において使用するアリールメルカプタン化合物ア
ルカリ金属塩は、一般式(3)で表されるものであり、
この化合物は、好ましくは上記説明した本発明の方法に
より製造されたものである。
(4)のハロゲノ脂肪酸エステル化合物としては、式中
のX1がハロゲン原子、R2がアルキレン基を示すから、
具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子を1つ有する炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖、又は脂環
構造を有するモノハロゲノアルキル基、更に具体的に
は、例えばモノクロロメチル基、1−クロロエチル基、
2−クロロエチル基、1−クロロプロピル基、1−クロ
ロイソプロピル基、1−クロロブチル基、1−クロロ−
i−ブチル基、1−クロロ−t−ブチル基、1−クロロ
−sec−ブチル基、1−クロロペンチル基、1−クロ
ロイソペンチル基、1−クロロネオペンチル基、1−ク
ロロヘキシル基、1−クロロシクロヘキシル基、モノブ
ロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル
基、1−ブロモプロピル基、1−ブロモイソプロピル
基、1−ブロモブチル基、1−ブロモ−i−ブチル基、
1−ブロモ−t−ブチル基、1−ブロモ−sec−ブチ
ル基、1−ブロモペンチル基、1−ブロモイソペンチル
基、1−ブロモネオペンチル基、1−ブロモヘキシル
基、1−ブロモシクロヘキシル基、モノヨードメチル
基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、1−ヨ
ードプロピル基、1−ヨードイソプロピル基、1−ヨー
ドブチル基、1−ヨード−i−ブチル基、1−ヨード−
t−ブチル基、1−ヨード−sec−ブチル基、1−ヨ
ードペンチル基、1−ヨードイソペンチル基、1−ヨー
ドネオペンチル基、1−ヨードヘキシル基、1−ヨード
シクロヘキシル基、モノフルオロメチル基、1−フルオ
ロエチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロプロ
ピル基、1−フルオロイソプロピル基、1−フルオロブ
チル基、1−フルオロ−i−ブチル基、1−フルオロ−
t−ブチル基、1−フルオロ−sec−ブチル基、1−
フルオロペンチル基、1−フルオロイソペンチル基、1
−フルオロネオペンチル基、1−フルオロヘキシル基
(前記アルキル基と同様、1−フルオロシクロヘキシル
基等も包含される。)等が結合したエステルである。
おけるR3は、炭素数1〜6のアルキル基、具体的には
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、sec−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等である。
ルメルカプタン化合物アルカリ金属塩と式(4)のハロ
ゲノ脂肪酸エステル化合物とは、好ましくは、水、及
び、実質的に上記両化合物の反応に不活性で水に相溶し
ない有機溶媒とからなる不均一溶媒中で反応させるもの
であり、この反応で使用できる「実質的に反応に不活性
で水と相溶しない有機溶媒」としては、芳香族炭化水素
類、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素
類;脂肪族炭化水素類、具体的には例えばペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類等を例示することがきる。
肪酸エステル化合物を反応させるに先立って、原料とな
る式(3)のアリールメルカプタン化合物アルカリ金属
塩の水溶液を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭
酸塩、三級アミン及び/又は鉱酸によって弱塩基性、す
なわちpH7〜10にしておく。この目的で用いるアル
カリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩としては、具
体的には例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リ
チウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸リ
チウムを、三級アミンとしてはトリエチルアミン等を例
示することができる。アルカリ金属炭酸塩、三級アミ
ン、及びアルカリ金属重炭酸塩は所望により2種以上を
混用しても良い。又、鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等を例示することができる。
からアルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸
塩をアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩1モル
に対して1モル以上、好ましくは2〜10モルの範囲で
添加したのち、前記鉱酸を適宜量用いてpHを7〜1
0、好ましくは7〜9の範囲に調整するが、アルカリ金
属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩又は三級アミ
ンを用いずに、直接鉱酸により上記のpH範囲に調整し
ても差し支えない。尚、このpH調整は水溶液の温度が
100℃以下、好ましくは30℃以下になるようにす
る。
のなされたアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩
を含む水層に、前記ハロゲノ脂肪酸エステル化合物を添
加し、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃
の温度範囲で、通常は常圧下で反応を行うことにより、
目的化合物である上記式(5)で表されるアルコキシカ
ルボニルアルキルチオアリール化合物を得るのである。
量は、アリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩1モ
ルに対して1モル以上あればよいが、反応速度等を考慮
すると、通常は1〜5モル、好ましくは1〜2モルの範
囲で使用すればよい。
ル化合物の連続的製造 上記式(3)のアリールメルカプタン化合物アルカリ金
属塩が例えば不安定であり、これを単離することが好ま
しくない場合は、単離することなく式(4)のハロゲノ
脂肪酸エステル化合物と反応させても良く、このように
することにより、例えば前記式(6)で表されるジスル
フィド化合物より、式(7)
を示す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチ
オアリール化合物を製造することができる。
具体的に説明する。
ス−(5−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ル)ジスルフィド176.6g(0.5モル)、10%
水酸化ナトリウム水溶液1200g(水酸化ナトリウム
として3.0モル)、2−プロパノール300ml及び
60%硫化ナトリウム32.5g(0.25モル)を仕
込み、還流下、2時間加熱攪拌し、反応終了後、2−プ
ロパノールを減圧留去してから室温まで冷却し、4−ク
ロロ−2−フルオロ−5−メルカプトアニリンのナトリ
ウム塩の水溶液を得た。液体クロマトグラフィーにより
分析した結果、収率は96.1%であった〔ビス−(5
−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニル)ジスル
フィド基準〕。
1と同様に操作して、4−クロロ−2−フルオロ−5−
メトキシカルボニルチオアニリンのナトリウム塩の水溶
液を得た。液体クロマトグラフィーにより分析した結
果、収率は61.6%であった。〔ビス−(5−アミノ
−2−クロロ−4−フルオロフェニル)ジスルフィド基
準〕。
コに、実施例1で得られた4−クロロ−2−フルオロ−
5−メルカプトアニリンのナトリウム塩(1.0モル相
当)の水溶液と炭酸ナトリウム106g(1.0モル)
を仕込み、温度を30℃以下に保ちながら35%塩酸を
滴下することによりPH9に調整した。ここにトルエン
1000mlを加え、20℃以下でブロモ酢酸メチル1
53g(1.0モル)を滴下し、室温にて30分攪拌し
た後、有機層を分液ロートにより取り出し、これを水洗
した後、溶媒を留去して、4−クロロ−2−フルオロ−
5−メトキシカルボニルチオアニリンを237.9g得
た。液体クロマトグラフィーにより分析した結果、純度
は91.0%であり、収率は86.5%であった。
1と同様に操作し、4−クロロ−2−フルオロ−5−メ
トキシカルボニルチオアニリンを179.1g得た。液
体クロマトグラフィーにより分析した結果、純度は7
8.3%であり、収率は56.2%であった。
ス−(5−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ル)ジスルフィド176.6g(0.5モル)、10%
水酸化ナトリウム水溶液1200g(水酸化ナトリウム
として3.0モル)、2−プロパノール300ml及び
60%硫化ナトリウム32.5g(0.25モル)を仕
込み、還流下、2時間加熱攪拌し、反応終了後、2−プ
ロパノールを減圧留去して得られた4−クロロ−2−フ
ルオロ−5−メルカプトアニリンのナトリウム塩の水溶
液に炭酸ナトリウム106g(1.0モル)を添加し、
温度を30℃以下に保ちながら35%塩酸を滴下するこ
とによりpH9に調整した。ここにトルエン1000m
lを加え、20℃以下でブロモ酢酸メチル153g
(1.0モル)を滴下し、室温にて30分攪拌した後、
有機層を分析ロートにより取り出し、これを水洗した
後、溶媒を留去して、融点56〜60℃の4−クロロ−
2−フルオロ−5−メトキシカルボニルチオアニリンを
227.8g得た。液体クロマトグラフィーにより分析
した結果、純度は91.5%であり、収率は83.5%
であった。
例3と同様に操作し、4−クロロ−2−フルオロ−5−
メトキシカルボニルチオアニリンを得た。結果を表1に
示す。
ィド化合物を原料とした場合であっても、容易な操作に
より、工業的にしかも収率よくアルコキシカルボニルア
ルキルチオアリール化合物を製造できるようになった。
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
されるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水酸
化物とを、一般式
数を示す。)で表される硫黄化合物の存在下で反応させ
ることを特徴とする、一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩の
製造方法。
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよく、又、M1
はアルカリ金属を示す。)で表されるアリールメルカプ
タン化合物アルカリ金属塩と、一般式
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、
す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチオア
リール化合物の製造方法。
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
されるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水酸
化物とを、一般式
数を示す。)で表される硫黄化合物の存在下で反応さ
せ、得られる一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩を
単離することなく、一般式
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、
す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチオア
リール化合物の製造方法。
はハロゲン原子を示す。)で表されるジスルフィド化合
物と、アルカリ金属M1の水酸化物とを、一般式
数を示す。)で表される硫黄化合物の存在下に反応さ
せ、得られるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属
塩を単離すること無く、一般式
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物と、pH7〜10の条件下で反応させる
ことを特徴とする、一般式
意味を示す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキ
ルチオアリール化合物の製造方法。
して有用なアルコキシカルボニルアルキルチオアリール
化合物及びその関連化合物の製造方法に関するものであ
る。
を鉄粉或いは亜鉛末を用いて還元することによりアリー
ルメルカプタン化合物を製造する方法が知られている
が、使用した鉄粉や亜鉛末の処理がはん雑である。又、
ジスルフィド化合物からアルカリ水酸化物を用いてアリ
ールメルカプタン化合物を得る場合においては、比較的
穏和な反応条件下で実施できるという利点があるもの
の、特に目的物であるアリールメルカプタン化合物が生
成後に一部酸化され、アリールスルフィン酸等を副生す
るために、収率が悪いという難点があり、従って、アル
コキシカルボニルアルキルチオアリール化合物を製造す
るための中間行程としては不向きであった。
物の一種である5,5’−(2,4−ジハロゲノアニリ
ン)ジスルフィド
チオアニリン誘導体は、不安定であり、単離すること自
体についても好結果が得られるものではなく、高価な置
換アリールジスルフィド化合物を原料とする場合には、
目的とするアルコキシカルボニルアルキルチオアリール
化合物を工業的に製造することは困難であった。
する課題は、容易な操作で収率よく、アリールメルカプ
タン化合物の金属塩を、そして、アルコキシカルボニル
アルキルチオアリール化合物を工業的に製造する方法を
提供することにある。
記の課題を解決すべく、アルコキシカルボニルアルキル
チオアリール化合物の製造方法について鋭意研究した結
果、意外にもアリールジスルフィド化合物をアルカリ金
属水酸化物と反応させる際に、硫黄化合物を共存させる
ことにより、対応するアリールメルカプタン化合物アル
カリ金属塩に収率よく変換できること、又、このように
して得られたアリールメルカプタン化合物アルカリ金属
塩に、対応するハロゲノ脂肪酸エステル化合物をpH7
〜10という条件下で反応させることにより、容易にし
かも収率よく、アルコキシカルボニルアルキルチオアリ
ール化合物に変換できること、及び、これらの反応は同
一反応器内で連続して実施できること等を見いだし、こ
れらの知見に基づき本発明を完成した。
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
されるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水酸
化物とを、一般式
数を示す。)で表される硫黄化合物の存在下で反応させ
ることを特徴とする、一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩の
製造方法と、一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩
と、一般式
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、
す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチオア
リール化合物の製造方法、及び、一般式
れるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水酸化
物とを、一般式
れる硫黄化合物の存在下で反応させ、得られる一般式
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩を
単離することなく、一般式
で表されるハロゲノ脂肪酸エステル化合物とを、pH7
〜10の条件下で反応させることを特徴とする、
す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチオア
リール化合物の製造方法を提供する。
塩の製造 本発明において使用する一般式(1)で表されるジスル
フィド化合物としては、式中の置換基R1が水素原子;
ハロゲン原子、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子、又は、ヨウ素原子;アミノ基;アシルアミノ基、
具体的には炭素数1〜6のアシルアミノ基、より具体的
には例えばアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル
基、ペンタノイル基、又は、ヘキサノイル基で置換され
たアシルアミノ基;アルキル基、具体的には炭素数1〜
6のアルキル基、より具体的には例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基(本
明細書における「アルキル基」は、例えばシクロヘキシ
ル基等のシクロアルキル基を包含する。);アルコキシ
基、具体的には酸素原子に結合するアルキル部分が前記
アルキル基であるアルコキシ基;フェニル基;アルキル
アミノ基、具体的には窒素原子に結合するアルキル部分
が前記アルキル基であるアルキルアミノ基;ジアルキル
アミノ基、具体的には窒素原子に結合するアルキル部分
が前記アルキル基であるジアルキルアミノ基;ベンジル
基;芳香族アシル基、具体的にはベンゾイル基;脂肪族
アシル基、具体的には炭素数1〜6の脂肪族アシル基、
より具体的には例えばアセチル基、プロピオニル基、ブ
タノイル基、ペンタノイル基、又はヘキサノイル基等で
あるものを挙げることができる。
化合物の(R1)nにおけるnは1〜5の整数を示し、
上記説明した置換基R1がそれぞれの母核に1〜5個結
合していることを意味している。置換基R1の結合位置
に特に制限はなく、又、上記nが2以上のとき、置換基
R1は同一或いは相異なっていてもよい。
には一般式(6)
化合物におけるR4は、水素原子又は炭素数1〜6のア
シル基、具体的には例えばアセチル基、プロピオニル
基、ブタノイル基、ペンタノイル基又はヘキサノイル基
を表し、X2、X3はハロゲン原子、具体的にはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表している。
水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等を例示することができ、このアル
カリ金属水酸化物は、所望により2種以上を混用しても
良い。又、アルカリ金属水酸化物は、通常1〜50重量
%、好ましくは5〜20重量%の水溶液として使用し、
その使用量としては、ジスルフィド化合物1モルに対し
てアルカリ金属水酸化物として2モル以上あればよい
が、反応速度等を考慮し、通常は2〜20モル、好まし
くは4〜6モルの範囲で使用する。
(2)の硫黄化合物としては、例えば硫化カリウム(一
般式(2)においてM1=K、i=2)、硫化ナトリウ
ム(同じくM1=Na、i=2)、硫化リチウム(同じ
くM1=Li、i=2)、水硫化ナトリウム(同じくM1
=Na、i=1)、水硫化カリウム(同じくM1=K、
i=1)、水硫化リチウム(同じくM1=Li、i=
1)、硫化カリウムナトリウム(同じくM1=K及びN
a、i=2)等を挙げることができる。尚、硫黄化合物
は所望により2種以上を混用しても良い。
化合物1モルに対し0.1〜0.9、好ましくは0.2
〜0.7モルの範囲であれば良く、使用量が上記範囲よ
り少ないと系内での目的生成物の安定性の改善効果が充
分でなく、上記範囲より多すぎても得られる効果に大差
はないので、作業性や経済性において不利なだけであ
る。
とアルカリ金属水酸化物との反応は、通常は上記アルカ
リ金属水酸化物を溶解した水溶液中で、通常は10℃〜
反応系の還流温度、好ましくは30℃〜120℃の温度
範囲で、通常は常圧下で行われる。この際の原料等の投
入順序にはなんら制限はなく、どのような順で投入して
も差し支えないのであり、反応生成物である上記一般式
(3)で表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ
金属塩は、通常はその水溶液として得ることができる。
アルカリ金属M1と、一般式(2)の硫黄化合物におけ
るアルカリ金属M1とが異なる場合は、得られる一般式
(3)のアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩が
異なるアルカリ金属塩の混合物となるが、本発明では差
し支えない。
内に例えばメタノール、エタノール、プロパノール、i
−プロパノール等のアルコール類を、ジスルフィド化合
物に対して0.1〜2l/モル、好ましくは0.1〜1
l/モル共存させてもよく、このようにした場合は反応
速度が向上することが判っており、反応終了後はこのア
ルコール類を蒸留等により回収すれば、反応生成物を例
えばその水溶液として得ることができる。
ル化合物の製造 本発明において使用するアリールメルカプタン化合物ア
ルカリ金属塩は、一般式(3)で表されるものであり、
この化合物は、好ましくは上記説明した本発明の方法に
より製造されたものである。
(4)のハロゲノ脂肪酸エステル化合物としては、式中
のX1がハロゲン原子、R2がアルキレン基を示すから、
具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子を1つ有する炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖、又は脂環
構造を有するモノハロゲノアルキル基、更に具体的に
は、例えばモノクロロメチル基、1−クロロエチル基、
2−クロロエチル基、1−クロロプロピル基、1−クロ
ロイソプロピル基、1−クロロブチル基、1−クロロ−
i−ブチル基、1−クロロ−t−ブチル基、1−クロロ
−sec−ブチル基、1−クロロペンチル基、1−クロ
ロイソペンチル基、1−クロロネオペンチル基、1−ク
ロロヘキシル基、1−クロロシクロヘキシル基、モノブ
ロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル
基、1−ブロモプロピル基、1−ブロモイソプロピル
基、1−ブロモブチル基、1−ブロモ−i−ブチル基、
1−ブロモ−t−ブチル基、1−ブロモ−sec−ブチ
ル基、1−ブロモペンチル基、1−ブロモイソペンチル
基、1−ブロモネオペンチル基、1−ブロモヘキシル
基、1−ブロモシクロヘキシル基、モノヨードメチル
基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、1−ヨ
ードプロピル基、1−ヨードイソプロピル基、1−ヨー
ドブチル基、1−ヨード−i−ブチル基、1−ヨード−
t−ブチル基、1−ヨード−sec−ブチル基、1−ヨ
ードペンチル基、1−ヨードイソペンチル基、1−ヨー
ドネオペンチル基、1−ヨードヘキシル基、1−ヨード
シクロヘキシル基、モノフルオロメチル基、1−フルオ
ロエチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロプロ
ピル基、1−フルオロイソプロピル基、1−フルオロブ
チル基、1−フルオロ−i−ブチル基、1−フルオロ−
t−ブチル基、1−フルオロ−sec−ブチル基、1−
フルオロペンチル基、1−フルオロイソペンチル基、1
−フルオロネオペンチル基、1−フルオロヘキシル基
(前記アルキル基と同様、1−フルオロシクロヘキシル
基等も包含される。)等が結合したエステルである。
おけるR3は、炭素数1〜6のアルキル基、具体的には
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、sec−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等である。
リールメルカプタン化合物アルカリ金属塩と一般式
(4)のハロゲノ脂肪酸エステル化合物とは、好ましく
は、水、及び、実質的に上記両化合物の反応に不活性で
水に相溶しない有機溶媒とからなる不均一溶媒中で反応
させるものであり、この反応で使用できる「実質的に反
応に不活性で水と相溶しない有機溶媒」としては、芳香
族炭化水素類、具体的には例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香
族炭化水素類;脂肪族炭化水素類、具体的には例えばペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素類等を例示することがきる。
ノ脂肪酸エステル化合物を反応させるに先立って、原料
となる一般式(3)のアリールメルカプタン化合物アル
カリ金属塩の水溶液を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
金属重炭酸塩、三級アミン及び/又は鉱酸によって弱塩
基性、すなわちpH7〜10にしておく。この目的で用
いるアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩とし
ては、具体的には例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸リチウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸リチウムを、三級アミンとしてはトリエチル
アミン等を例示することができる。アルカリ金属炭酸
塩、三級アミン、及びアルカリ金属重炭酸塩は所望によ
り2種以上を混用しても良い。又、鉱酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等を例示することができる。
からアルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸
塩をアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩1モル
に対して1モル以上、好ましくは2〜10モルの範囲で
添加したのち、前記鉱酸を適宜量用いてpHを7〜1
0、好ましくは7〜9の範囲に調整するが、アルカリ金
属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩又は三級アミ
ンを用いずに、直接鉱酸により上記のpH範囲に調整し
ても差し支えない。尚、このpH調整は水溶液の温度が
100℃以下、好ましくは30℃以下になるようにす
る。
のなされたアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩
を含む水層に、前記ハロゲノ脂肪酸エステル化合物を添
加し、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃
の温度範囲で、通常は常圧下で反応を行うことにより、
目的化合物である上記一般式(5)で表されるアルコキ
シカルボニルアルキルチオアリール化合物を得るのであ
る。
量は、アリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩1モ
ルに対して1モル以上あればよいが、反応速度等を考慮
すると、通常は1〜5モル、好ましくは1〜2モルの範
囲で使用すればよい。
ル化合物の連続的製造 上記一般式(3)のアリールメルカプタン化合物アルカ
リ金属塩が例えば不安定であり、これを単離することが
好ましくない場合は、単離することなく一般式(4)の
ハロゲノ脂肪酸エステル化合物と反応させても良く、こ
のようにすることにより、例えば前記一般式(6)で表
されるジスルフィド化合物より、一般式(7)
を示す。)で表されるアルコキシカルボニルアルキルチ
オアリール化合物を製造することができる。
具体的に説明する。
ス−(5−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ル)ジスルフィド176.6g(0.5モル)、10%
水酸化ナトリウム水溶液1200g(水酸化ナトリウム
として3.0モル)、2−プロパノール300ml及び
60%硫化ナトリウム32.5g(0.25モル)を仕
込み、還流下、2時間加熱攪拌し、反応終了後、2−プ
ロパノールを減圧留去してから室温まで冷却し、4−ク
ロロ−2−フルオロ−5−メルカプトアニリンのナトリ
ウム塩の水溶液を得た。液体クロマトグラフィーにより
分析した結果、収率は96.1%であった〔ビス−(5
−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニル)ジスル
フィド基準〕。
1と同様に操作して、4−クロロ−2−フルオロ−5−
メトキシカルボニルチオアニリンのナトリウム塩の水溶
液を得た。液体クロマトグラフィーにより分析した結
果、収率は61.6%であった。〔ビス−(5−アミノ
−2−クロロ−4−フルオロフェニル)ジスルフィド基
準〕。
コに、実施例1で得られた4−クロロ−2−フルオロ−
5−メルカプトアニリンのナトリウム塩(1.0モル相
当)の水溶液と炭酸ナトリウム106g(1.0モル)
を仕込み、温度を30℃以下に保ちながら35%塩酸を
滴下することによりpH9に調整した。ここにトルエン
1000mlを加え、20℃以下でブロモ酢酸メチル1
53g(1.0モル)を滴下し、室温にて30分攪拌し
た後、有機層を分液ロートにより取り出し、これを水洗
した後、溶媒を留去して、4−クロロ−2−フルオロ−
5−メトキシカルボニルチオアニリンを237.9g得
た。液体クロマトグラフィーにより分析した結果、純度
は91.0%であり、収率は86.5%であった。
2と同様に操作し、4−クロロ−2−フルオロ−5−メ
トキシカルボニルチオアニリンを179.1g得た。液
体クロマトグラフィーにより分析した結果、純度は7
8.3%であり、収率は56.2%であった。
ス−(5−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ル)ジスルフィド176.6g(0.5モル)、10%
水酸化ナトリウム水溶液1200g(水酸化ナトリウム
として3.0モル)、2−プロパノール300ml及び
60%硫化ナトリウム32.5g(0.25モル)を仕
込み、還流下、2時間加熱攪拌し、反応終了後、2−プ
ロパノールを減圧留去して得られた4−クロロ−2−フ
ルオロ−5−メルカプトアニリンのナトリウム塩の水溶
液に炭酸ナトリウム106g(1.0モル)を添加し、
温度を30℃以下に保ちながら35%塩酸を滴下するこ
とによりpH9に調整した。ここにトルエン1000m
lを加え、20℃以下でブロモ酢酸メチル153g
(1.0モル)を滴下し、室温にて30分攪拌した後、
有機層を分析ロートにより取り出し、これを水洗した
後、溶媒を留去して、融点56〜60℃の4−クロロ−
2−フルオロ−5−メトキシカルボニルチオアニリンを
227.8g得た。液体クロマトグラフィーにより分析
した結果、純度は91.5%であり、収率は83.5%
であった。
例3と同様に操作し、4−クロロ−2−フルオロ−5−
メトキシカルボニルチオアニリンを得た。結果を表1に
示す。
ィド化合物を原料とした場合であっても、容易な操作に
より、工業的にしかも収率よくアルコキシカルボニルア
ルキルチオアリール化合物を製造できるようになった。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ア
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
わされるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水
酸化物とを、一般式 【化2】 (式中、M1はアルカリ金属を示し、iは1又は2の整
数を示す。)で表わされる硫黄化合物の存在下で反応さ
せることを特徴とする、一般式 【化3】 (式中、R1、M1及びnは前記と同じ意味を示す。)で
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩の
製造方法。 - 【請求項2】 硫黄化合物の存在下でのジスルフィド化
合物とアルカリ金属水酸化物との反応に、更にアルコー
ル類を添加する請求項1に記載のアリールメルカプタン
化合物アルカリ金属塩の製造方法。 - 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ア
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよく、又、M1
はアルカリ金属を示す。)で表わされるアリールメルカ
プタン化合物アルカリ金属塩と、一般式 【化5】 (式中、R2はアルキレン基を、R3はアルキル基を、X
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、 【化6】 (式中、R1、R2、R3及びnは前記と同じ意味を示
す。)で表わされるアルコキシカルボニルアルキルチオ
アリール化合物の製造方法。 - 【請求項4】 一般式 【化7】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ア
シルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、フェニル
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル
基又はアシル基を、nは1〜5の整数を示し、nが2以
上のときR1は同一又は相異なっていてもよい。)で表
わされるジスルフィド化合物と、アルカリ金属M1の水
酸化物とを、一般式 【化8】 (式中、M1はアルカリ金属を示し、iは1又は2の整
数を示す。)で表わされる硫黄化合物の存在下で反応さ
せ、得られる一般式 【化9】 (式中、R1、M1及びnは前記と同じ意味を示す。)で
表されるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属塩を
単離することなく、一般式 【化10】 (式中、R2はアルキレン基を、R3はアルキル基を、X
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物とを、pH7〜10の条件下で反応させ
ることを特徴とする、 【化11】 (式中、R1、R2、R3及びnは前記と同じ意味を示
す。)で表わされるアルコキシカルボニルアルキルチオ
アリール化合物の製造方法。 - 【請求項5】 一般式 【化12】 (式中、R4は水素原子又はアシル基を示し、X2、X3
はハロゲン原子を示す。)で表わされるジスルフィド化
合物と、アルカリ金属M1の水酸化物とを、一般式 【化13】 (式中、M1はアルカリ金属を示し、iは1又は2の整
数を示す。)で表わされる硫黄化合物の存在下に反応さ
せ、得られるアリールメルカプタン化合物アルカリ金属
塩を単離すること無く、一般式 【化14】 (式中、R2はアルキレン基を、R3はアルキル基を、X
1はハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲノ脂肪酸
エステル化合物と、pH7〜10の条件下で反応させる
ことを特徴とする、一般式 【化15】 (式中、R2、R3、R4、及び、X1、X2は前記と同じ
意味を示す。)で表わされるアルコキシカルボニルアル
キルチオアリール化合物の製造方法。 - 【請求項6】 硫黄化合物の存在下でのジスルフィド化
合物とアルカリ金属水酸化物との反応に、更にアルコー
ル類を添加する請求項4又は5に記載のアルコキシカル
ボニルアルキルチオアリール化合物の製造方法。 - 【請求項7】 アリールメルカプタン化合物アルカリ金
属塩とハロゲノ脂肪酸エステル化合物との反応を、水、
及び、実質的に上記化合物の反応に不活性で水に相溶し
ない有機溶媒とからなる不均一溶媒中で行う請求項3乃
至5のいずれかに記載のアルコキシカルボニルアルキル
チオアリール化合物の製造方法。
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