JP2659667B2 - シスタミンの製造方法 - Google Patents

シスタミンの製造方法

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cystamine
peroxide
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清一 鈴木
祐治朗 五嶋
正雄 北野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シスタミンの新規な製
造法に関するものである。シスタミンは、医薬、農薬な
どの原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、シスタミンはシステアミンを酸化
して製造されている。詳しくのべると、システアミンは
遊離の状態では不安定なため、一般には安定な塩酸塩ま
たは硫酸塩として入手され、これらのシステアミン塩を
過酸化水素などで酸化し、精製してシスタミン塩酸塩ま
たはシスタミン硫酸塩の形態で製造されている。しかし
ながら、これらのシスタミン塩を医薬、農薬などの原料
として用いる場合には、遊離のシスタミン部分が必要で
あって、塩酸部分または硫酸部分は廃棄物になることが
多く、遊離のシスタミンを得るためには、水酸化ナトリ
ウムなどで中和し、分離・精製する必要がある。
【0003】また、硫化水素2−アミノエチルを硫化ナ
トリウムと硫黄共存下に反応させてシスタミンを製造す
る方法(特開昭58−35168号)、硫化水素2−ア
ミノエチルと多硫化アンモニウムを反応させてシスタミ
ンを製造する方法(特開昭60−67456号)も提案
されている。しかしながら、これらの方法は過剰の硫黄
分を必要とするので、大量の無機物が廃棄物として排出
され、反応混合物から目的のシスタミンを分離・精製す
るのに煩雑な操作を必要とし、反応時間も30時間以上
もの長時間を要し、工業的に満足な方法ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医
薬、農薬などの原料として有用なシスタミンを遊離の状
態で、かつ簡単な工程で、収率よく、品質よく工業的に
有利に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、従来の方法とは全く異なる新規な合成法を
見いだした。即ち本発明は、一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、RおよびRは各々独立して炭
素原子数1〜5のアルキル基を表わす)で示される2,
2−ジアルキルチアゾリジンと過酸化物を水の存在下に
反応させることを特徴とするシスタミンの製造方法であ
る。
【0008】この反応により、式(2)で示されるシス
タミンと一般式(3)で示されるジアルキルケトンが生
成する。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】(式中、RおよびRは各々独立して炭
素数1〜5のアルキル基を表わす)。
【0012】
【作用】本発明に用いる一般式(1)の2,2−ジアル
キルチアゾリジンとしては、前記のようにRおよびR
は各々独立して炭素原子数1〜5のアルキル基である
が、好ましくは炭素原子数1〜3のアルキル基であり、
具体的には、例えば2,2−ジメチルチアゾリジン、2
−メチル−2−エチルチアゾリジン、2,2−ジエチル
チアゾリジン、2−メチル−2−プロピルチアゾリジ
ン、2,2−ジ−n−プロピルチアゾリジン、2−メチ
ル−2−n−ブチルチアゾリジン、2−メチル−2−イ
ソブチルチアゾリジン、2,2−ジイソブチルチアゾリ
ジン、2−メチル−2−ペンチルチアゾリジン等が挙げ
られ、これらの化合物の1種または2種以上の混合物が
使用される。
【0013】本発明に用いる過酸化物としては、過酸化
ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化
クロム、過酸化チタン、過酸化鉛等の金属過酸化物、過
酸化酸RCOOOH、過酸化ジアルキルROOR、過酸
化アシルRCOOOCOR等の有機過酸化物、過酸化水
素、過酸化アンモニウム、過酸化硫黄、過酸化塩素、過
酸化炭酸、過酸化窒素、過酸化硫酸、過酸化燐等が挙げ
られ、これらの化合物の1種または2種以上の混合物が
使用されるが、反応後の反応混合物から遊離のシスタミ
ンを分離する際、廃棄物を極力削減するためには過酸化
水素を単独で用いることが好ましい。
【0014】過酸化水素は水溶液として市販されてお
り、簡便には、2,2−ジアルキルチアゾリジンに市販
の過酸化水素水溶液を添加すればよい。また、反応を穏
和に行うなどの目的で不活性な溶媒を用いてもよい。こ
の溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エス
テル類、ケトン類等が挙げられ、これらを単独または2
種以上を混合して用いてもよいが、経済的効果の観点よ
り水を反応溶媒として用いることが好ましい。例えば
2,2−ジアルキルチアゾリジンを予め水溶液にしてか
ら過酸化水素を添加してもよい。
【0015】反応は定量的に進行するので、2,2−ジ
アルキルチアゾリジン1モルに対して過酸化物を0.5
モル反応させればよいが、通常、2,2−ジアルキルチ
アゾリジン1モルに対して過酸化物は0.4〜1.0モ
ル、より好ましくは0.5〜0.7モルで反応を行な
う。過酸化物が少ないと反応混合物中に未反応の2,2
−ジアルキルチアゾリジンが残存し、また過酸化物を余
り過剰に用いるとシスタミンの収率が低下する。
【0016】この反応は比較的速く、発熱反応である。
反応温度は通常−10〜100℃の範囲内で行なうが、
反応温度が高い程シスタミンの収率が低下するため、よ
り好ましくは−10〜30℃、最も好ましくは0〜20
℃の範囲内で行なう。また、反応は常圧下、加圧下、ま
たは減圧下のいずれでも可能である。
【0017】反応後、必要に応じて該反応混合物よりシ
スタミンを分離精製することができる。分離精製方法と
しては、通常抽出、蒸留等が用いられる。反応における
過酸化物として、過酸化水素を用いる場合は、副生ジア
ルキルケトンおよび水を通常の蒸留操作により反応系外
に留去し、残渣として遊離のシスタミンを得ることがで
きる。さらに該残渣を蒸留することにより、より純度の
高いシスタミンを得ることができる。この蒸留中におい
ても温度が高すぎるとシスタミンの収率が低下するた
め、減圧下に、100℃以下で行うことが好ましい。
【0018】本発明に用いる一般式(1)の2,2−ジ
アルキルチアゾリジンは、エチレンイミン、硫化水素お
よび一般式(3)のジアルキルケトンから合成できる
(アナーレン デル ケミー(Ann. der Chemie) 56
,210(1950))。
【0019】従って、本発明の方法を行なった後、シス
タミンを分離する際に系外に排出される一般式(3)の
ジアルキルケトンを回収し、一般式(1)の2,2−ジ
アルキルチアゾリジンの合成原料として再利用するのが
好ましい。こうすることによって、廃棄物を削減するこ
とができ、工業的に非常に優れた製造方法となる。
【0020】
【実施例】
実施例1 攪拌装置、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに
2,2−ジメチルチアゾリジンを1170g(10モ
ル)および水500gを入れた後、攪拌下に、液温を5
〜10℃に保ちながら35重量%の過酸化水素水544
g(5.6モル)を約2時間かけて滴下し、滴下終了後
10℃で1時間保った後、反応液中のシスタミン濃度を
液体クロマトグラフで分析した結果34重量%であり、
反応収率では99%に相当する。次に減圧下で100℃
まで昇温し、副生アセトンおよび水を留去して、残渣と
してシスタミンを得た。得られたシスタミンの収率を液
体クロマトグラフで定量分析した結果、94%であっ
た。
【0021】更に、得られたシスタミンを薄膜蒸発器を
用いて1mmHgの減圧下、145℃で加熱蒸留し、精
製した。得られたシスタミンの純度を液体クロマトグラ
フで分析した結果、純度99.0%であった。
【0022】実施例2 2,2−ジメチルチアゾリジン1170g(10モ
ル)、水160gおよび35重量%過酸化水素水777
g(8モル)を用いた以外は、実施例1と同様に操作を
行った。
【0023】副生アセトンおよび水を留去した後のシス
タミンの収率を液体クロマトグラフで定量分析した結
果、84%であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、医薬、農薬など
の原料として有用なシスタミンを遊離の状態で得ること
ができる。しかも、反応は定量的であり、反応混合物か
らシスタミンを分離するのも容易であり、簡単な設備・
工程で収率よく、品質よく、廃棄物も少なく、工業的に
有利にシスタミンが得られる。
【0025】更に、本発明の方法によって得られたシス
タミンを更に適宜蒸留等により精製してもよいし、塩酸
塩などの誘導体に変えるのも容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 正雄 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株式会社日本触媒 川崎製造所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、RおよびRは各々独立して炭素原子数1〜
    5のアルキル基を表わす)で示される2,2−ジアルキ
    ルチアゾリジンと、過酸化物を水の存在下に反応させる
    ことを特徴とするシスタミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記過酸化物が過酸化水素である請求項
    1に記載のシスタミンの製造方法。
JP15239793A 1992-06-29 1993-06-23 シスタミンの製造方法 Expired - Lifetime JP2659667B2 (ja)

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JP15239793A JP2659667B2 (ja) 1992-06-29 1993-06-23 シスタミンの製造方法
US08/082,619 US5368760A (en) 1992-06-29 1993-06-25 Method for production of cystamine and alkylene oxide adduct thereof, additive for aqueous lubricant, and aqueous lubricant

Applications Claiming Priority (3)

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JP17086392 1992-06-29
JP4-170863 1992-06-29
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