JPH07256813A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH07256813A
JPH07256813A JP6053463A JP5346394A JPH07256813A JP H07256813 A JPH07256813 A JP H07256813A JP 6053463 A JP6053463 A JP 6053463A JP 5346394 A JP5346394 A JP 5346394A JP H07256813 A JPH07256813 A JP H07256813A
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JP
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oxide layer
zinc oxide
metal
film
laminate
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JP6053463A
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English (en)
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Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ガスバリア性、可視領域における透
明性、紫外線及び近赤外線の遮断性、導電性を有する積
層体を提供する。 【構成】透明性を有する基材フィルム2に、3価以上の
金属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層3
と、金属酸化物層4を順次積層してなり、酸化亜鉛層3
は、酸化亜鉛単独の薄膜とした場合に生じる、各種雰囲
気下で温度上昇による酸化亜鉛中の吸着酸素が薄膜中で
化学吸着状態となり抵抗値の増大することが抑制され、
酸化亜鉛の有する400nm以下の波長の紫外線遮蔽特
性、1.5μm以上の波長の近赤外線遮断性、導電性、
ガスバリア性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装材料に用いられる
積層体であり、とくにガスバリア性(耐透湿性、耐透気
性)と、可視領域における透明性と、400nm以下の
波長の紫外領域及び1.5μm以上の波長の近赤外領域
での光線遮断性と、導電性とを有する積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品、精密電子部品等の
包装材料に用いられる積層体は、内容物の変質、とくに
食品においては蛋白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、
さらに味、鮮度を保持するために、また無菌状態での取
扱いが必要とされる医薬品においては有効成分の変質を
抑制し、効能を維持するために、さらに精密電子部品に
おいては金属部分の腐食、絶縁不良等を防止するため
に、積層体を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変
質させる気体による影響を防止する必要があり、これら
気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求
められている。
【0003】そのため、従来から塩化ビニリデン樹脂を
コートしたポリプロピレン(KOP)やポリエチレンテ
レフタレート(KPET)或いはエチレンビニルアルコ
ール共重合体(EVOH)など一般にガスバリア性が比
較的高いと言われる高分子樹脂組成物をガスバリア材と
して包装材料に用いた包装フィルムやAlなどの金属か
らなる金属箔、適当な高分子樹脂組成物(単独では、高
いガスバリア性を有していない樹脂であっても)にAl
などの金属又は金属化合物を蒸着した金属蒸着フィルム
を包装材料に用いた包装フィルムが一般的に使用されて
きた。
【0004】ところが、上述の高分子樹脂組成物のみを
用いてなる包装フィルムは、Alなどの金属又は金属化
合物を用いた箔や蒸着膜を形成した金属蒸着フィルムに
比べるとガスバリア性に劣るだけでなく、温度・湿度の
影響を受けやすく、その変化によってはさらにガスバリ
ア性が劣化することがる。一方、Alなどの金属又は金
属化合物を用いた箔や蒸着膜を形成した金属フィルム
は、温度・湿度などの影響を受けることは少なく、ガス
バリア性に優れるが、包装体の内容物を透視して確認す
ることができないとする欠点を有していた。
【0005】そこで、これらの欠点を克服した包装用材
料に用いられる積層体として、例えば米国特許第344
2686、特公昭63−28017号公報等に記載され
ているような酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム等の金属酸化物を高分子フィルム上に、真空蒸着
法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成
したフィルムが開発されている。このフィルムは透明性
及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知
られ、金属蒸着フィルムでは得ることのできない透明
性、ガスバリア性の両方を有する包装用材料として好適
とされている。
【0006】そして、これらの蒸着フィルムからなる積
層体は、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんど
なく、蒸着後の後加工として包装容器、包装袋等に加工
される。例えば、包装袋は、蒸着フィルムをさらに他の
基材と貼り合わせ、製袋工程により袋状に加工されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透明性
を有する金属酸化物薄膜からなる積層体は、紫外線を遮
蔽する機能が全くないため、紫外線の照射により内容物
が変質するおそれがある。それを防止するために積層体
の基材フィルム中に金属或いは金属酸化物からなる紫外
線吸収剤を混入するか、積層体の表面に紫外線吸収剤を
含むコーティング剤をコートするにより紫外線遮断性を
付与することが行なわれているが、金属或いは金属酸化
物からなる紫外線吸収剤は有色であるので、積層体は有
色となる。とくに紫外線遮断性を向上させるために紫外
線吸収剤の混入量、或いはコーティング量(コーティン
グ膜厚)を増やすと色が一段と濃くなり、可視領域での
光線透過率が低下し、内容物の透視性が悪化する。
【0008】また金属酸化物薄膜は導電性がないため、
内容物が誘電体である場合に、静電気の発生により包装
材が内容物に付着し包装袋から取り出しにくくなること
や、さらに塵・埃などが付着し包装袋の汚れや取り出し
た内容物に付着し汚染することがある。そのため積層体
の基材フィルム中に金属或いは金属酸化物からなる導電
性付与剤を混入するか、積層体の表面に導電性付与剤を
含むコーティング剤をコートするにより導電性を付与す
ることが行なわれているが、紫外線吸収剤と同様に導電
性付与剤も有色であり、積層体は有色となる。導電性を
向上させるためにその混入量或いはコーティング量(コ
ーティング膜厚)を増やすと色が一段と濃くなり、可視
領域での光線透過率が低下し、内容物の透視性が悪化す
る。
【0009】また1.5μm以上の以上の波長の近赤外
線を遮蔽するには、さらに赤外線遮蔽剤として異なる物
質を混入又はコーティングする必要がある。
【0010】そこで本発明は、ガスバリア性(耐透湿
性、耐透気性)と、可視領域における透明性と、400
nm以下の波長の紫外線及び1.5μm以上の波長の近
赤外線の遮断性と、導電性とを有する積層体を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、透明性を有する基材フィルムに、3価以上の金属、
若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層と、金属酸
化物層を順次積層してなることを特徴とする積層体であ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、3価以上の金属、若しくは半導体が
アルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、珪
素、イットリウム、イッテルビウム、インジウムあるい
はタリウムであることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、金属酸化物層が酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウムの少なくとも一つであるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、金属酸化物層上にヒートシール性を
有する透明樹脂層を設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の積層体によれば、3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層とすることに
より、酸化亜鉛単独の薄膜とした場合に生じる、各種雰
囲気下で温度上昇によって酸化亜鉛中の吸着酸素が薄膜
中で化学吸着状態となり抵抗値の増大が抑制され、酸化
亜鉛の有する400nm以下の波長の紫外線を遮蔽する
特性が保持される。
【0016】また、ガスバリア性に優れる金属酸化物層
を積層することで、気体の遮断とともに水分・酸素に対
して劣化し易い酸化亜鉛層を保護する。これにより積層
体は導電性、ガスバリア性、透明性を示す。
【0017】さらにヒートシール性を有する透明樹脂層
の形成により、包装袋など包装材への加工が可能とな
る。
【実施例】
【0018】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0019】図1は本発明の積層体の構成を示す説明図
であり、図2〜図*は本発明の積層体の他の構成を示す
説明図であり、図*は本発明の積層体による光線透過率
を表すグラフである。
【0020】図1の1は本発明の積層体であり、基材フ
ィルム2上に3価以上の金属、若しくは半導体をドープ
してなる酸化亜鉛層3、金属酸化物層4が順次積層され
ており、さらに図2に示すように金属酸化物層4上に保
護層5を設けることができる。保護層5は金属酸化物層
4の保護のために設けられ、光線透過率に影響が少ない
ことが必要である。さらに図3に示すように袋状包装体
などに加工する際に接着部として利用される金属酸化物
層4上にヒートシール性を有する透明樹脂層6を形成す
ることができる。
【0021】基材フィルム2は、透明性を有する高分子
材料であり、とくに無色透明であればよく、通常、包装
材料として用いられるものが好ましい。例えば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニト
リルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸
・未延伸のどちらでも良く、機械的強度、寸法安定性を
有するものが良い。さらに平滑性が優れ、かつ添加剤の
量が少ないフィルムが好ましい。とくに二軸方向に任意
に延伸されたポリエチレンナフタレートが用いられてい
る。これらはフィルム状に加工して用いられる。
【0022】また、この基材2の薄膜積層面を、薄膜の
密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低
温プラズマ処理、イオンボンバード処理、オゾン処理を
施しておいてもよく、さらに薬品処理、溶剤処理などを
施してもよい。
【0023】基材2は厚さはとくに制限を受けるもので
はないが、包装用材料としての適性、他の層を積層する
場合もあること、薄膜を形成する場合の加工性を考慮す
ると、実用的には6〜300μmの範囲で、包装用材料
の用途では12〜50μmとすることが好ましい。
【0024】また量産性を考慮すれば、連続的に薄膜を
形成できるように長尺状フィルムとすることが望まし
い。
【0025】次に酸化亜鉛層3は、3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛からなり、この
3価以上の金属、半導体は、アルミニウム、ホウ素、ス
カンジウム、ガリウム、珪素、イットリウム、イッテル
ビウム、インジウム、タリウムから選択される。この酸
化亜鉛層3は、膜厚の制御が可能であれば、いかなる成
膜方法も用いることが可能である。薄膜の生成には通常
の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法や
CVD法のような化学的気相析出法を用いることができ
る。なお、酸化亜鉛層3の酸化亜鉛に代わる導電性を有
する金属酸化物として金属をドープした酸化スズ、イン
ジウム−スズ酸化物などがあるが、酸化スズは着色して
おり、インジウム−スズ酸化物はインジウムが高価であ
るということを考慮すれば、本発明の積層体には酸化亜
鉛が適する。
【0026】3価以上の金属、若しくは半導体をドープ
してなる酸化亜鉛層3の形成方法は、通常の真空蒸着法
により薄膜形成可能であるが、その状態では金属光沢が
あり可視領域での光線透過率が低下することがあるた
め、好ましくは所定の酸素分圧下で発生させたプラズマ
空間を通過させ、基材フィルム2上に析出させる反応性
蒸着法を用いることが好ましい。
【0027】酸化亜鉛は真性格子欠陥による半導体であ
り、そのエネルギーギャップは、おおよそ3.2eVで
あることから、400nm以下の波長の紫外線の遮蔽特
性を有する。そこで、酸化亜鉛への3価以上の金属、若
しくは半導体の添加は、酸化亜鉛層の導電性の向上と、
酸化亜鉛の単独薄膜とした場合に生じる各種雰囲気下に
おいて、周囲の温度上昇によって酸化亜鉛中の吸着酸素
が薄膜中で化学吸着状態となり抵抗値の増大をアルミニ
ウムなどの金属をドーパントとして用いることで、それ
を抑制するためである。これにより薄膜の光学的吸収端
を低波長側に僅かにシフトさせることができ、しかもM
oss−Burstein効果による近赤外領域におい
て吸収が生じる。
【0028】酸化亜鉛層3の膜厚は50〜200nmが
好ましい。酸化亜鉛層3の膜厚が50nmを下回る場合
は、紫外線の遮蔽能力が十分でなく、電気抵抗値も数M
Ω/□以上と大きい。また200nmを越えると、薄膜
の柔軟性が乏しくなり、内部応力により酸化亜鉛薄膜に
クラックが生じ易くなり、ガスバリア性(耐湿性、耐透
気性)が悪化するおそれがあるためである。なお、前述
の膜厚の酸化亜鉛層3の導電性は、亜鉛過剰の状態で良
好である。
【0029】金属酸化物層4は、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物を形成材料と
して用いることができ、通常の真空蒸着法、スパッタリ
ング等の物理的気相析出法やCVD法のような化学的気
相析出法を用いることができる。とくに前述の金属酸化
物の中からは、生産性、透明性から酸化マグネシウムが
好ましい。
【0030】金属酸化物層4の膜厚は、50〜200n
mであることが好ましい。膜厚が50nmを下回ると、
ガスバリア性(耐湿性、耐透気性)が不十分であり、2
00nmを越えると、薄膜の柔軟性が乏しくなり、内部
応力により酸化亜鉛薄膜にクラックが生じ易くなり、ガ
スバリア性(耐湿性、耐透気性)が劣化する。
【0031】図2に示すように積層体7の金属酸化物層
4上に設けられる保護層5は、特定波長領域の光線透過
性を有し、かつ耐磨耗性を有する樹脂類、例えば金属酸
化物層4への擦れや傷に対する保護効果を得るものであ
ればよい。例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デン
プン、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリメタクリル
酸メチル・ポリメタクリル酸エチルなどのメタクリル樹
脂の単独または共重合物、ポリスチレン、アクリル−ス
チレン共重合物、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ク
ロマン樹脂、ABS樹脂、ニトロセルロース等の樹脂或
いはフッソ系樹脂、ケイ素系樹脂を混入させた樹脂をそ
のまま、或いはトルエン、キシレン等の溶剤に溶解又は
分散させたものをスピンコート法、ロールコート法、ナ
イフエッジ法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法など塗布・印刷方法を用いて、保護層5
を形成する。また熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電
子線硬化型樹脂などの硬化型樹脂、或いはガラスなども
上記特性を有するものであれば使用することができる。
【0032】図3に示すように積層体8に設けられるヒ
ートシール性を有する透明樹脂層6は、袋状包装体など
に形成する際の接着部に利用されるものであり、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれ
らの金属架橋物などの樹脂が用いられる。厚さは目的に
応じて決定されるが、一般的には20〜100μmの範
囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィル
ム状のものをドライラミネート法、ノンソルベントラミ
ネート法により積層する方法、上記樹脂を加熱溶融させ
カーテン状に押し出し、貼り合わせるエキストルーショ
ンラミネート法など公知の方法により積層することがで
きる。
【0033】上記層構成からなる積層体は、3価以上の
金属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層と金
属酸化物層を積層することにより、酸化亜鉛層による可
視領域における透明性と、400nm以下の波長の紫外
領域及び1.5μm以上の波長の近赤外領域での光線遮
断性と、導電性と、ガスバリア性及び金属酸化物層によ
るより高ガスバリア性を得ることができる。
【0034】さらにヒートシール性を有する透明樹脂層
を設けることにより、袋状包装体などへのに加工が用意
となる。また図示はしないが保護層5を設けた場合に基
材フィルム2側にヒートシール性を有する透明樹脂層を
設けてもよい。また保護層5上に透ヒートシール性を有
する透明樹脂層を設けてもよく、さらにそれぞれの条件
を満たすものであれば保護層とヒートシール性を有する
透明樹脂層を兼ねるようにしてもよい。
【0035】次に本発明を、実施例を挙げて詳細に説明
する。
【0036】<実施例1〜5>透明性を有する基材フィ
ルム2に厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム(帝人社製S)を使用し、基材フ
ィルムと2重量%の酸化アルミニウムを含む酸化亜鉛の
粉末を所定の位置に配置した真空装置内を1×10-6
orr以下までに排気した後、酸素ガスを6×10-4
orr導入し、電子銃で酸化亜鉛粉末を加熱蒸発させ、
高周波(13.56MHz)放電により酸素プラズマ
(500W)を発生させ、100nm/minの成膜速
度で酸化亜鉛層3を50nmの膜厚に形成し、さらに
0、50、100、200、300nmのそれぞれの膜
厚を有する酸化マグネシウムからなる金属酸化物層4
を、酸化亜鉛層が形成された基材フィルムと酸化マグネ
シウムの粉末を予め所定の位置に配置した真空装置内を
1×10-6Torr以下までに排気した後、酸化マグネ
シウム粉末を加熱蒸発させ、100nm/minの成膜
速度で反応性真空蒸着法により形成し、積層体1を作製
した。
【0037】このように作製した積層体1を、20℃−
100%RHの測定条件で酸素透過率(オクストラン1
0/50A モダンコントロール社製)、40℃−90
%RHの測定条件で水蒸気透過率(パーマトランW6
モダンコントロール社製)、抵抗値(直流四端子法)、
光線透過率(ダブルビーム分光光度計UV−3200島
津製作所社製)の各測定を行い、酸素透過率・水蒸気透
過率は表に示し、また抵抗値は各実施例中に記載し、光
線透過率は図4のグラフに示す。なお表中の総合評価
は、作製直後の酸素透過率が1.5g/m2 /24h以
下、水蒸気透過率が3cc/m2 /24h以下であっ
て、40℃−90%RH保存雰囲気中に10日間放置す
う耐環境試験を行い、再度酸素透過率・水蒸気透過率を
測定し悪化(値の上昇)が50%以下であるものを○、
それを越えるものを×とした。また表の総合評価欄の*
は、耐環境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が50%
を越えて悪化(値の上昇)した例に付記したものであ
る。
【0038】実施例1〜5において作製した積層体1を
上述の各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を
表1に、光線透過率を図*のbに、それぞれ結果を示
す。これらから400nm以下の紫外線を60%程度遮
蔽(40%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を
30%程度遮蔽した。また抵抗値は、数kΩ/□以下で
あり、帯電を除去することができた。なお実施例5は、
耐環境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が80%上昇
した。
【0039】<実施例6〜10>実施例1〜5と同様に
基材フィルム2上にアルミニウムをドープした酸化亜鉛
層3を100nmの膜厚に、酸化マグネシウムからなる
金属酸化物層4を0、50、100、200、300の
各膜厚に真空蒸着法により順次形成し積層体1を作製し
た。
【0040】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表1
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を50%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であり、
帯電を除去することができた。なお実施例10は、耐環
境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が75%上昇し
た。
【0041】<実施例11〜15>実施例1〜5と同様
に基材フィルム上にアルミニウムをドープした酸化亜鉛
層3を200nmの膜厚に、酸化マグネシウムからなる
金属酸化物層4を0、50、100、200、300の
各膜厚に真空蒸着法により順次形成し積層体1を作製し
た。
【0042】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表1
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を70%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であり、
帯電を除去することができた。なお実施例15は、耐環
境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が90%上昇し
た。
【0043】<比較例1〜5>実施例1〜5と同様に基
材フィルム上に酸化マグネシウムからなる金属酸化物層
4を0、50、100、200、300の各膜厚に真空
蒸着法により順次形成し積層体を作製した。
【0044】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表1
に、光線透過率を図4のaに、それぞれ結果を示す。光
線透過率は基材フィルムのみの場合と同じであり、40
0nm以下の紫外線及び1.5μm以上の近赤外線を遮
蔽する効果を有していないことがわかる。また抵抗値は
数MΩ/□以上と大きく、帯電を除去することはできな
かった。
【0045】<比較例6〜10>実施例1〜5と同様に
基材フィルム上にアルミニウムをドープした酸化亜鉛層
を300nmの膜厚に、酸化マグネシウムからなる金属
酸化物層を0、50、100、200、300の各膜厚
に真空蒸着法により順次形成し積層体を作製した。
【0046】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表1
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を90%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であり、
帯電を除去することができた。なお実施例17〜20の
積層体は、耐環境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が
80〜100%上昇した。
【0047】<比較例11>実施例1〜5と同様に基材
フィルム上に酸化マグネシウムからなる金属酸化物層を
100の膜厚に、アルミニウムをドープした酸化亜鉛層
を300nmの膜厚に真空蒸着法により順次形成し積層
体を作製した。
【0048】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表1
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を50%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であった
が、直ぐに酸化と思われる現象が生じ、抵抗値が増大し
た。
【0049】
【表1】
【0050】<実施例16〜18>実施例3、8、13
と同様に基材フィルム2上にアルミニウムをドープした
酸化亜鉛層3、酸化マグネシウムからなる金属酸化物層
4を真空蒸着法により順次形成した積層体上に未延伸ポ
リプロピレン(CCP)(昭和電工社製 ショーレック
ス アロマーU)40μmを二液硬化型ウレタン系接着
剤を用いてドライラミネート法により積層しヒートシー
ル性を有する透明樹脂層6を形成した。
【0051】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表2に
結果を示す。
【0052】
【表2】
【0053】<実施例19〜22>酸化マグネシウムの
代わりに酸化珪素を金属酸化物層とする以外は実施例1
〜5と同様に基材フィルム2上にアルミニウムをドープ
した酸化亜鉛層3を300nmの膜厚に、酸化珪素から
なる金属酸化物層4を50、100、200、300の
各膜厚に真空蒸着法により順次形成し積層体を作製し
た。
【0054】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表3
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を90%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であり、
帯電を除去することができた。なお実施例22は、耐環
境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が90%上昇し
た。
【0055】<実施例23〜26>酸化マグネシウムの
代わりに酸化アルミニウムを金属酸化物層とする以外は
実施例1〜5と同様に基材フィルム2上にアルミニウム
をドープした酸化亜鉛層3を300nmの膜厚に、酸化
アルミニウムからなる金属酸化物層4を50、100、
200、300の各膜厚に真空蒸着法により順次形成し
積層体を作製した。
【0056】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表3
に、光線透過率を図4のcに、それぞれ結果を示す。こ
れらから400nm以下の紫外線を85%程度遮蔽(1
5%程度透過)し、1.5μm以上の近赤外線を90%
程度遮蔽した。また抵抗値は、数百Ω/□以下であり、
帯電を除去することができた。なお実施例27は、耐環
境試験後の酸素透過率・水蒸気透過率が90%上昇し
た。
【0057】
【表3】
【0058】<実施例27、28>実施例20、24と
同様に基材フィルム2上にアルミニウムをドープした酸
化亜鉛層3、酸化マグネシウムからなる金属酸化物層4
を真空蒸着法により順次形成した積層体上に未延伸ポリ
プロピレン(CCP)(昭和電工社製 ショーレックス
アロマーU)40μmを二液硬化型ウレタン系接着剤
を用いてドライラミネート法により積層しヒートシール
性を有する透明樹脂層6を形成した。
【0059】この積層体を実施例1〜5と同様に上述の
各測定を行なった。酸素透過率・水蒸気透過率を表4に
結果を示す。実施例3、8、13に比べ低い値を示し、
高い酸素透過率・水蒸気透過率を有すると言える。
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明の積層体は、3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層とすることに
より、酸化亜鉛単独の薄膜とした場合に生じる、各種雰
囲気下で温度上昇によって酸化亜鉛中の吸着酸素が薄膜
中で化学吸着状態となり抵抗値の増大を抑制することが
でき、これにより酸化亜鉛薄膜自体が有する400nm
以下の波長の紫外線を遮蔽する特性が保持できる。ま
た、高いガスバリア性を有する金属酸化物層を積層する
ことで、気体の遮断、とくに水分・酸素に対して劣化し
易い酸化亜鉛層を保護することができる。すなわち、こ
のような構成により積層体は包装体の外から内容物の確
認ができ、また紫外線及び近赤外線を遮蔽でき、その紫
外線吸収剤や赤外線吸収剤の露出がなく、内容物への付
着や包装体表面への浮き出しが生じることがない。さら
に帯電による包装体への内容物の付着、包装体の塵、埃
等の付着がない。しかも高いガスバリア性を有するもの
であることから包装用材料として優れた効果を有する。
【0062】またヒートシール性を有する透明樹脂層の
形成により、包装袋など包装材への加工が容易となる。
【0063】さらに本発明の積層体の片側に透明粘着性
層を設けることにより、建物の窓ガラスに貼着する紫外
線遮蔽フィルムとしても利用可能である。
【0064】以上のような極めて高いガスバリア性、透
明性、紫外線・近赤外線遮蔽性、導電性を有する、従来
の包装用材料にない効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の積層体の他の構成を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の積層体の他の構成を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の積層体による光線透過率を表すグラフ
である。
【符号の説明】 1、7、8 積層体 2 基材フィルム 3 酸化亜鉛層 4 金属酸化物層 5 保護層 6 ヒートシール性を有する
透明樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 65/40 D C08J 7/06 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性を有する基材フィルムに、3価以上
    の金属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛層
    と、金属酸化物層を順次積層してなることを特徴とする
    積層体。
  2. 【請求項2】前記3価以上の金属、若しくは半導体がア
    ルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、珪素、
    イットリウム、イッテルビウム、インジウムあるいはタ
    リウムであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物層が酸化珪素、酸化アルミ
    ニウム、酸化マグネシウムの少なくとも一つであること
    を特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. 【請求項4】前記金属酸化物層上にヒートシール性を有
    する透明樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の積層体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0798401A2 (en) * 1996-02-16 1997-10-01 Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated Laminate and method for preparing same
JP2001341225A (ja) * 2000-05-30 2001-12-11 Toppan Printing Co Ltd 透明なガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法
JP2014159153A (ja) * 2013-01-24 2014-09-04 Toray Ind Inc ガスバリア積層体およびそれを用いてなる太陽電池または表示体

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