JP2022061738A - 蒸着フィルム及びそれを用いたガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

蒸着フィルム及びそれを用いたガスバリアフィルムの製造方法 Download PDF

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Atsumitsu Sakurai
健太 大沢
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Abstract

【課題】帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材と蒸着膜の密着性を強化し、熱水処理後においても密着性が高いデラミネーションの発生しない蒸着フィルムおよびそれを用いたガスバリアフィルムを提供することを目的とする。【解決手段】帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材の少なくとも一方の面に蒸着層、被覆層がこの順で積層された蒸着フィルムであって、熱水処理後の前記基材と前記蒸着層との密着強度が1.0N/15mm以上であることを特徴とする蒸着フィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、食品、医薬品、エレクトロニクス製品等の包装分野に用いられるガスバリア材としての蒸着フィルム及びそれを用いたガスバリアフィルムに関するものである。
食品、エレクトロニクス製品等の包装に用いられる包装材料において、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持する観点から、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性が求められることがある。ガスバリア性を有する包装材料として、温度、湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔を蒸着層として用いた蒸着フィルムが知られている。
蒸着フィルムの他の構成として、高分子材料で形成された基材フィルム上に、真空蒸着やスパッタ等により酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィルムが知られている(例えば特許文献1参照。)。これらのガスバリア蒸着フィルムは、透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有する。基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のものがよく用いられている。
特開昭60-49934号公報
粉体やエレクトロニクス製品等の包装材料は、内容物の特性上、帯電防止性を有することが有効である。この帯電防止性は、内容物と接する包材内面に必要であることは勿論、直接接しない部材においても必要であることが知られている。例えば鰹節の包材では、包材外面の帯電性が内容物充填時に影響し、帯電防止性が小さい外装材を用いると、その帯電性のために鰹節が引き寄せられ、包装材シール部に噛み込まれ、密閉不良を起こす。このため、外装材はガスバリア性があり尚かつ帯電防止性があることが望まれている。しかしながら、帯電防止性を有する基材に、従来方式での蒸着層を施すと、帯電防止剤の作用により、基材と蒸着層に十分な密着性が得られない。これは、帯電防止剤が基材最表面に偏析し、蒸着層との密着性を阻害するためと考えられている。
この問題を解決するために、従来からプラズマを用いることによって、インライン前処理によりプラスチック基材上の金属または金属酸化物蒸着の密着性を改善するという試みが行われていた。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材と蒸着膜の密着性を強化し、熱水処理後においても高い密着性が得られデラミネーションの発生しない蒸着フィルムおよびそれを用いたガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第一の態様は、
帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材の少なくとも一方の面に蒸着層、被覆層がこの順で積層された蒸着フィルムであって、
熱水処理後の前記基材と前記蒸着層との密着強度が1.0N/15mm以上であることを
特徴とする蒸着フィルムである。
本発明の第二の態様は、
帯電防止機能を有する高分子材料からなり、表面抵抗が1.0×1011Ω/□以上である基材の少なくとも一方の面に蒸着層を形成する工程と、前記蒸着層上に被覆層を形成する工程とを備える蒸着フィルムの製造方法である。
本発明によれば、帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材と、蒸着膜との密着性を強化し、熱水処理後においても高い密着性が得られデラミネーションの発生しない蒸着フィルムおよびそれを用いたガスバリアフィルムを提供することが可能である。
本発明の簡単な1実施形態に係るガスバリアフィルムの模式断面図である。
以下、本発明の1実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスバリアフィルム1の模式断面図である。ガスバリアフィルム1は、蒸着フィルム20と、接着剤層50と、シーラント層60とを備えている。そして、蒸着フィルム20は、基材10と、前処理層10aと、蒸着層30と、被覆層40と、からなる。
本発明で用いられる基材10は、帯電防止機能を有するプラスチック材料からなり、蒸着薄膜層の透明性を生かすために可能であれば透明なフィルム基材であることが好ましい。基材の例としては、前記プラスチック材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン類の少なくとも一種類以上を成分に持つプラスチック材料、それらの少なくとも一種類以上を共重合成分に持つプラスチック材料、もしくはそれらの化学修飾体の少なくとも一種類以上を成分に持つプラスチック材料が挙げられる。前記ポリエステル類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートの単体もしくはそれらの共重合体からなる材料が例示される。基材は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。本発明におけるプラスチック材料としては、加工面表層がプロピレンとエチレンの共重合体もしくは、プロピレンとエチレンや1-ブテンなどとの共重合体が望ましい。基材10は、プロピレンとエチレンの共重合体もしくは、プロピレンとエチレンや1-ブテンなどとの共重合体の単層、もしくは、少なくとも基材10の一方の表層がプロピレンとエチレンの共重合体もしくは、プロピレンとエチレンや1-ブテンなどとの共重合体であり以外の層はホモポリマーである積層構成を用いることが出来る。
また、本発明で用いられる基材10は、帯電防止機能を有するプラスチック材料であることが特徴であり、表面抵抗率が、1×1011[Ω/□]以上であることが望ましい。表面抵抗率が、この値より小さいと基材と蒸着層に十分な密着性が得られない。帯電防止機能の付与に際しては、基材10の表層に帯電防止剤を使用することができる。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が例示できる。
基材10の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。尚プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を形成する場合の加工性
を考慮すると、実用的には3~200μmの範囲が好ましく、特に6~30μmとすることが好ましい。
蒸着層を形成する前に、基材表面に前処理層10aとしてガスバリア性や密着性を向上させるために熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂などのコーティング層を設けたり、イオンビーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理などを行ってもよい。前処理層や形成方法は特に限定されない。生産性の観点からインラインで行うことが可能なプラズマ処理が好ましい。プラズマ処理は、プラズマ密度を高めるために磁石を用いても良い。またプラズマ処理を行う際に使用するガスは酸素、窒素、アルゴン、ヘリウムのいずれかもしくは複数から選択することができる。
蒸着層30は、金属アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素を含むいずれかを主成分とし、酸素、水蒸気等の、所定の気体に対してガスバリア性を発揮する層である。蒸着層30は、透明でも、不透明でもいずれでもよい。
蒸着層30の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成・成膜方法により異なるが、一般的には3~300nmの範囲内で適宜設定できる。蒸着層30の厚さが3nm未満であると、均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、蒸着層としての機能を十分に発揮しない場合がある。蒸着層30の厚さが300nmを越えると、蒸着層30が硬くなり、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、蒸着層30に亀裂を生じてガスバリア性を失う可能性がある。蒸着層30の厚さは、特に6~150nmの範囲内が好ましい。
蒸着層30の形成方法に制限はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、プラズマ気相成長法(CVD)などを使用できる。プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法などを組み合わせると、蒸着層を緻密に形成してガスバリア性や密着性を向上できる。
被覆層40は、蒸着層30のガスバリア性をさらに高める。被覆層40は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合してコーティング剤を調製する。このコーティング剤を蒸着層30上に塗布した後、乾燥することで、被覆層40を形成できる。
被覆層40を形成するためのコーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。コーティング剤に用いられる水溶性高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示できる。特に、PVAを用いると、優れたガスバリア性が得られるため好ましい。PVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化することで得られる。PVAとして、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVA、酢酸基が数%しか残存していない完全PVAのいずれも用いることができる。両者の中間のPVAを用いてもよい。
コーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si、Alの金属、R:CH3、等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウムAl[OCH(CHなどを例示できる。シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3-アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するもの、トリス‐(3‐トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどを例示できる。コーティング剤の塗布方法に制限はなく、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を適宜選択できる。
被覆層40の厚さは、コーティング剤の組成や塗工条件等によって異なり、特に制限はない。ただし、被覆層40の乾燥後膜厚が0.01μm未満の場合は、均一な塗膜にならず十分なガスバリア性を得られない場合がある。乾燥後膜厚が50μmを超える場合は被覆層40にクラックが生じ易くなる。したがって、被覆層40の好適な厚さは、例えば0.01~50μmの範囲である。被覆層40の最適な厚さは、0.1~10μmの範囲である。
シーラント層60は、ガスバリアフィルム1を用いて袋状包装体などを形成する際に熱融着により接合される層である。シーラント層60の材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂材料を例示できる。シーラント層60厚さは目的に応じて決められるが、例えば15~200μmの範囲である。
接着剤層50は、シーラント層60と被覆層40とを接合する。接着剤層50を用いることで、シーラント層60となる樹脂フィルムと、蒸着層30および被覆層40を形成した基材10とを、ドライラミネーションにより貼り合わせることができる。接着剤層50の材料としては、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を例示できる。被膜層40の上に印刷層、介在フィルム、シーラント層等を積層させて、包装材料とすることが出来る。
次に、上記の構成を有する本実施形態の蒸着フィルム20の製造方法について説明する。まず、基材10の一方の面に蒸着層30を形成する(第一工程)。次に、上述したコーティング剤を蒸着層30上に塗布、乾燥して、蒸着層上に被覆層40を形成して(第二工程)、蒸着フィルム20を作製する。さらに、蒸着フィルム20の被覆層40上に接着剤50を塗布し、シーラント層60となる樹脂フィルムを貼り合わせる(第三工程)と、ガスバリアフィルム1が完成する。
本実施形態のガスバリアフィルム1について、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は実施例および比較例の具体的内容により、何ら限定されない。
(実施例1)
基材10として、帯電防止剤を含み、ポリプロピレンとエチレンを共重合したフィルム(厚さ20μm、表面抵抗1.0×1011Ω/□)を使用した。基材10の真空装置内において、アルミニウムを蒸発させ、電子ビーム蒸着法により金属アルミニウムからなる蒸着層30(厚さ50nm)を形成した。
蒸着層30上に、下記(1)液と(2)液とを重量比6:4で混合したコーティング剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、厚さ0.4μmの被覆層40を形成し、蒸着フィルム20を作製した。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソ
プロピルアルコール重量比 90:10)。
最後に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤50を用いて、ドライラミネート法により、被覆層40上に未延伸ポリプロピレンフィルム60(厚さ70μm)を貼り合わせ、実施例1のガスバリアフィルム1を得た。
(実施例2)
蒸着材料をAlとし、酸素を導入して酸化アルミニウムからなる厚さ10nmの蒸着層30を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例2のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例3)
蒸着材料をSiOとし、酸化珪素からなる厚さ30nmの蒸着層30を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例3のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例4)
基材に前処理10aとしてArガスによるプラズマ処理を行い(基材の表面抵抗が2.0×1012Ω/□に変化)連続してアルミニウムを形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例4のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例5)
基材に前処理10aとしてArガスによるプラズマ処理を行い(基材の表面抵抗が2.0×1012Ω/□に変化)連続して酸化アルミニウムを形成した点を除き、実施例2と同様にして実施例5のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例6)
基材に前処理10aとしてArガスによるプラズマ処理を行い(基材の表面抵抗が2.0×1012Ω/□に変化)連続して酸化珪素を形成した点を除き、実施例3と同様にして実施例6のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例7)
基材に前処理10aとしてウレタン樹脂層50を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例7のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例8)
基材に前処理10aとしてウレタン樹脂層50を形成した点を除き、実施例2と同様にして実施例8のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例9)
基材に前処理10aとしてウレタン樹脂層50を形成した点を除き、実施例3と同様にして実施例9のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例10)
表面抵抗が1.0×1012Ω/□の基材10を用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例10のガスバリアフィルム1を作製した。
(実施例11)
表面抵抗が1.0×1013Ω/□の基材10を用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例11のガスバリアフィルム1を作製した。
(比較例1)
表面抵抗が1.0×10Ω/□点の基材10を用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例1のガスバリアフィルム1を作製した。
(比較例2)
比較例1の基材10に前処理10aとしてArガスによるプラズマ処理を行い(基材の表面抵抗が2.0×1010Ω/□に変化)連続して酸化珪素を形成した点を除き、実施例3と同様にして比較例2のガスバリアフィルム1を作製した。
(比較例3)
比較例1の基材に前処理10aとしてウレタン樹脂層50を形成した点を除き、実施例3と同様にして比較例3のガスバリアフィルム1を作製した。
<評価1:熱水処理後の密着性評価>
各例のガスバリアフィルム1を2枚、シーラント層60を対向させて重ね、三辺を熱融着により接合して、各例のパウチ(包装容器)を作製した。各例のパウチに内容物として水を充填した後、開放している一辺を熱融着により封止した。その後、熱水処理として、ボイル処理(90℃30分)を行った。熱水処理後、JIS K6854-2に準拠して各例のパウチの内容物と接していた部位から試験片を切り出し、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC-1250を用いて測定した。
<評価2:熱水処理後のガスバリア性評価>
上記手順で作製した各例のパウチを作製および熱水処理した後、パウチを開封してガスバリアフィルム1の酸素透過度(単位:cc/m・day・atm、測定条件:30℃-70%RH)、および水蒸気透過度(単位:g/m・day、測定条件:40℃-90%RH)を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022061738000002
実施例4~6から、前処理のプラズマ処理によって密着性は増し、ガスバリア性も維持できる。実施例7~9から、前処理の熱硬化性樹脂層によって密着性は増し、さらに酸素バリア性も向上する。実施例1~11から、基材表面の表面抵抗率が、1.0×1011[Ω/□]以上の帯電防止機能があると、高い密着性が得られ、比較例1~3からわかるように、表面抵抗値が1.0×1011[Ω/□]より低くなると、密着性はかなり低下し、デラミネーションの現象が起きやすくなる。
以上から、基材表面の表面抵抗率が、1.0×1011[Ω/□]以上の帯電防止機能があると、熱水処理後においても十分な密着性が得られデラミネーションの発生しない、且つ、高いガスバリア性を有する蒸着フィルム20およびガスバリアフィルム1が得られることがわかった。
1・・・ガスバリアフィルム
10・・・基材
10a・・・前処理層
20・・・蒸着フィルム
30・・・蒸着層
40・・・被覆層
50・・・接着剤層
60・・・シーラント層

Claims (12)

  1. 帯電防止機能を有する高分子材料からなる基材の少なくとも一方の面に蒸着層、被覆層がこの順で積層された蒸着フィルムであって、
    熱水処理後の前記基材と前記蒸着層との密着強度が1.0N/15mm以上であることを特徴とする蒸着フィルム。
  2. 前記基材の少なくとも一方の面の表面抵抗が1.0×1011Ω/□以上であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着フィルム。
  3. 請求項1~2のいずれかに記載の基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層及び紫外線硬化性樹脂層のいずれか、またはプラズマ処理による表面処理層が設けられていることを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の基材は、ポリプロピレンからなることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  5. 前記ポリプロピレンが、プロピレンとエチレンの共重合体もしくは、プロピレンとエチレンや1-ブテンなどとの共重合体からなることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  6. 請求項1に記載の蒸着層がアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素のいずれかを主成分とすることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  7. 請求項1または6に記載の蒸着層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド及びまたはその加水分解物およびまたはその重合物の少なくとも一種以上を成分に持つ複合皮膜を設けたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の蒸着フィルムの被覆層に接着層を介してヒートシール可能な熱可塑性樹脂からなるシーラント層を積層したことを特徴とするガスバリアフィルム。
  9. 90℃以上の温度で30分以上の熱水処理を行った後の30℃70%RH下における酸素透過率が3cc/m・day・atm以下、40℃90%RH水蒸気透過率が1g/m・day以下であることを特徴とする請求項8に記載のガスバリアフィルム。
  10. 帯電防止機能を有する高分子材料からなり、表面抵抗が1.0×1011Ω/□以上である基材の少なくとも一方の面に蒸着層を形成する工程と、前記蒸着層上に被覆層を形成する工程とを備える蒸着フィルムの製造方法。
  11. 帯電防止機能を有する高分子材料からなり、表面抵抗が1.0×1011Ω/□以上である基材の少なくとも一方の表面にプラズマ処理を施す工程と、プラズマ処理面上に蒸着層を形成する工程と、前記蒸着層上に被覆層を形成する工程とを備える蒸着フィルムの製造方法。
  12. 前記請求項10または11に記載の蒸着フィルムの被覆層上に接着層を介しヒートシール層を形成する工程とを備える帯電防止機能を有するガスバリアフィルムの製造方法。
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