JPH07249484A - リード接点付加熱誘導子 - Google Patents

リード接点付加熱誘導子

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JPH07249484A
JPH07249484A JP3719394A JP3719394A JPH07249484A JP H07249484 A JPH07249484 A JP H07249484A JP 3719394 A JP3719394 A JP 3719394A JP 3719394 A JP3719394 A JP 3719394A JP H07249484 A JPH07249484 A JP H07249484A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、構造が複雑なクランクシャフトの
ジャーナル部等に良好な焼入層を形成することができる
リード接点付加熱誘導子を提供することを目的とする。 【構成】 リード接点付加熱コイル1は、半円弧状に形
成された導体部材2、3、4、5と、この導体部材2、
3及び導体部材4、5の間にそれぞれ挟まれて各導体部
材間を絶縁する絶縁部材6、7とから形成された半円弧
状誘導子8、9と、各導体部材2〜5の両端に設けられ
て、電流供給ケーブルを接続するとともに半円弧状誘導
子8、9同志を接続するリード接点部11〜16とによ
り構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リード接点付加熱誘導
子に係り、詳細には、クランクシャフトのピンジャーナ
ル部分の焼入れに好適なリード接点付加熱誘導子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、クランクシャフトのようにピン部
やジャーナル部の径が小さい場合の被焼入れ部の加熱用
コイルとしては、例えば、本出願人によって先に出願さ
れた特公昭48−14216号公報に記載された「高周
波加熱処理分割型誘導子」があり、また、特公昭56−
24356号公報に記載された「二次誘導子組合せ型誘
導加熱コイル」がある。
【0003】すなわち、前者の場合、1ターン誘導子を
3分割として焼入時に分割した内の可動コイルをシリン
ダーにより他方の固定コイルの端面に渉触させて誘導子
を構成する構造である。また、後者の場合は、一次誘導
子と二次誘導子とを移動可能に組合せることによって、
所定対向面を被加熱部材の周に沿う構成の加熱部を形成
し、その加熱部を構成する一次誘導子側の加熱導体の被
加熱部材への対向面と二次誘導子側の加熱導体とを相対
的に変化させることによって、被加熱部材に所望の形状
の焼入層を得られるようにしている。
【0004】しかし、この加熱コイルの場合、通常のク
ランクシャフトのピン部やジャーナル部を加熱する場合
には問題ないが、ピン部に接続する連結部のショルダが
極めて小質量の形状を有するクランクシャフトを加熱す
る場合は、ピン部のトップ側に連結するショルダ部分ま
でが加熱されてしまい、急冷、焼入れ時にショルダ部分
の焼割れが生じたり、焼割れを生じないまでも硬度が高
くなっているため、使用時に欠けが発生する等の問題が
発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のクランクシャフトのピン部やジャーナル部の径が小
さい被焼入れ部の加熱用コイルにあっては、前者は、分
割誘導子で常時一定の押圧力で誘導子を構成する構造で
あり、後者は、一次誘導子と二次誘導子を備え、その一
次誘導子と二次誘導子の被加熱部材との相対位置関係を
調整し、あるいは一次誘導子と二次誘導子の形状を調整
して焼入れ部を調整する構成となっていたため、以下に
述べるような問題点があった。
【0006】(1)焼入れ幅のバラツキが大きい。
【0007】すなわち、図10に示すように、円周状で
の焼入れ幅のバラツキが3〜4mm程度と大きく、油穴
部近傍での焼入れ幅が大きくなる。これは、被加熱部材
のセットの度に、分割誘導子を渉触して、1ターン誘導
子を構成するため、誘導子の接触可能な面積は、誘導子
を構成する部材の両端切断面の接触でしかないため、分
割コイルの被加熱部材に対向する加熱部の接点当りが変
動し、その接点の接触面積が一定せず、被加熱部材表面
に誘導される電流が不安定になって、接点部分で加熱さ
れる被加熱部の焼入れ幅が一定しなくなる。
【0008】(2)焼入れ深さが深くなる。
【0009】すなわち、図11に焼入層の断面を示すよ
うに、焼入れ深さが3〜4mm程度と深くなる。これ
は、加熱コイルが1ターンコイルのため、そのコイル幅
中央部における磁束発生が密になり、コイル幅中央部に
対向する被加熱部材の焼入れ深さが深くなる傾向にあ
る。このため、ジャーナル部に設けられている油穴がオ
ーバーヒートして、図12に示すように油穴に割れが生
じる場合がある。
【0010】(3)焼入れした後の被加熱部材の熱変形
が、0.5〜0.6mmと大きい。 このため、焼入れした後に、この歪みを取るための再加
工が必要になる。
【0011】(4)加熱コイルが大きいため、狭い間隔
の被加熱部を加熱することができない。
【0012】すなわち、従来の加熱コイルの場合、被加
熱部材の加熱部の幅が、例えば、図13に示すように、
18mm位までの物は加熱可能であるが、加熱部の幅が
18mm以下の物の場合は、上記(2)と同様に、加熱
誘導子の厚みを薄くすると、電力の集中が起き、焼入れ
深さが深くなるため、加熱することができない。
【0013】このため、加熱コイルの消耗が早く、繰り
返し使用可能加熱回数が5万回程度で交換する必要があ
る。
【0014】〔目的〕本発明は、上記従来の多くの課題
を解決し、構造が複雑なクランクシャフトのジャーナル
部等に良好な焼入層を形成することができるリード接点
付加熱誘導子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は次の通り
である。
【0016】請求項1記載の発明は、一組の半円弧状導
体部材間に絶縁部材を挟んで形成した加熱誘導子の両端
部に外周方向に突出するリード接点を形成し、この半円
弧状加熱誘導子を一方側の構成部材とし、一組の同一半
円弧状加熱誘導子の両端部に外周方向に突出するリード
接点を形成した半円弧状加熱誘導子を他方側の構成部材
とし、前記一方側半円弧状加熱誘導子の円中心に対して
前記他方側半円弧状加熱誘導子を180度の位置に対向
配置し、リード接点の所定箇所を接続することにより略
円筒形の2ターン加熱誘導子を形成するとともに、2タ
ーン加熱誘導子の内周部に被加熱部材を囲む加熱部を構
成し、この2ターン加熱誘導子の出力リード接点に高周
波電源を接続し、当該高周波電源から2ターン加熱誘導
子に供給される高周波電力により、被加熱部材表面を加
熱するとともに、前記円弧状導体部材間に挟まれる絶縁
部材に対向する被加熱部材表面の加熱を軽減し、当該被
加熱部材表面の加熱深さ及び加熱幅を均一化することを
特徴としている。
【0017】請求項2記載の発明は、複数組の半円弧状
導体部材間に絶縁部材を挟んで形成した加熱誘導子の両
端部に外周方向に突出するリード接点を形成し、この半
円弧状加熱誘導子を一方側の構成部材とし、複数組の同
一半円弧状加熱誘導子の両端部に外周方向に突出するリ
ード接点を形成した半円弧状加熱誘導子を他方側の構成
部材とし、前記一方側半円弧状加熱誘導子の円中心に対
して前記他方側半円弧状加熱誘導子を180度の位置に
対向配置し、リード接点の所定箇所を接続することによ
り略円筒形の複数ターン加熱誘導子を形成するととも
に、複数ターン加熱誘導子の内周部に被加熱部材を囲む
加熱部を構成し、この複数ターン加熱誘導子の出力リー
ド接点に高周波電源を接続し、当該高周波電源から複数
ターン加熱誘導子に供給される高周波電力により、被加
熱部材表面を加熱するとともに、前記円弧状導体部材間
に挟まれる絶縁部材に対向する被加熱部材表面の加熱を
軽減し、当該被加熱部材表面の加熱深さ及び加熱幅を均
一化することを特徴としている。
【0018】また、請求項3記載の発明のように、前記
2ターン加熱誘導子あるいは前記複数ターン加熱誘導子
の外周に冷却水を噴射する水冷ジャケットを設け、前記
加熱部に囲まれる被加熱部材を加熱後に当該水冷ジャケ
ットから冷却水を噴射して被加熱部材及び2ターン加熱
誘導子あるいは複数ターン加熱誘導子自身を冷却するこ
とが有効である。
【0019】
【作用】本発明の手段の作用は次の通りである。
【0020】請求項1記載の発明によれば、一組の半円
弧状導体部材間に絶縁部材を挟んで形成した加熱誘導子
の両端部に外周方向に突出するリード接点を形成し、こ
の半円弧状加熱誘導子を一方側の構成部材とし、一組の
同一半円弧状加熱誘導子の両端部に外周方向に突出する
リード接点を形成した半円弧状加熱誘導子を他方側の構
成部材とし、前記一方側半円弧状加熱誘導子の円中心に
対して前記他方側半円弧状加熱誘導子を180度の位置
に対向配置し、リード接点の所定箇所を接続することに
より略円筒形の2ターン加熱誘導子を形成し、この2タ
ーン加熱誘導子の形状、幅、または絶縁物の厚さを調整
することで、被加熱部材表面の焼入れ幅及び焼入れ深さ
を選択することができる。
【0021】また、半円弧状導体部材の両端部外周方向
に突出するリード接点を形成することで、従来の加熱誘
導子の被加熱部材に対向する加熱部の接点当りが変動し
て、接点の接触面積が一定しなかったものが、リード接
点を形成することで、確実に接触面積を確保することが
でき、常に一定の電流を加熱誘導子に供給することがで
きる。
【0022】さらにまた、請求項3記載の発明のよう
に、前記2ターン加熱誘導子あるいは前記複数ターン加
熱誘導子の外周に冷却水を噴射する水冷ジャケットを設
け、前記加熱部に通される被加熱部材を加熱後に当該水
冷ジャケットから冷却水を噴射して被加熱部材及び2タ
ーン加熱誘導子あるいは複数ターン加熱誘導子自身を冷
却するすることが有効である。
【0023】したがって、被加熱部材表面の任意位置を
選択的に加熱焼入れ処理することができるとともに、そ
の焼入層の幅方向及び深さ方向をより均一かつ浅く形成
することができる。
【0024】その結果、加熱焼入れ処理を行った後の被
加熱部材の熱変形度合を従来に比べて格段に小さくする
ことができ、従来のように油穴に割れ等を発生させるこ
とを回避することができるとともに、歪みを取るための
加工処理も省略することができる。
【0025】さらに、加熱焼入れ処理後は、水冷ジャケ
ットから放射される焼入水により被加熱部材と加熱部を
構成する半円弧状誘導子を同時に冷却することができる
ため、加熱コイルの繰り返し使用可能加熱回数を増やし
て大幅に長寿命化することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図を参照して
説明する。
【0027】図1〜図9は、本発明のリード接点付加熱
コイルの一実施例を示す図である。まず、構成を説明す
る。
【0028】図1は、リード接点付加熱コイル1を構成
する各構成部材を分割した状態の外観斜視図である。図
1において、リード接点付加熱コイル1は、半円弧状に
形成された導体部材2、3、4、5と、この導体部材
2、3及び導体部材4、5の間にそれぞれ挟まれて各導
体部材間を絶縁する絶縁部材6、7とから形成された半
円弧状誘導子8、9と、各導体部材2〜5の両端に設け
られて、電流供給ケーブル(図示せず)を接続するとと
もに半円弧状誘導子8、9同志を接続するリード接点部
2´、3´、11〜16とにより構成されている。
【0029】この図1において、半円弧状誘導子8、9
同志をリード接点部11〜16で接続することにより、
図2に示すように2ターンコイル20を形成し、リード
接点部2´、3´に接続される電流供給ケーブルを介し
て供給される供給電流Iは、同図に示す矢印方向に流れ
る。
【0030】また、この2ターンコイル20の内周に
は、被加熱部材を非接触状態で囲む加熱部20aが形成
され、電流供給ケーブルを介して供給される供給電流に
より加熱部20aに囲まれる被加熱部材表面に誘導電流
を発生させて被加熱部材表面を加熱することによって、
焼入れを行う。
【0031】なお、絶縁部材6、7には、ポリエステル
ガラスクロスやIG板等が利用される。
【0032】図3は、図1のリード接点付加熱コイル1
を構成する半円弧状誘導子8、9に水冷ジャケット2
1、22を取り付けた状態の外観斜視図である。
【0033】この水冷ジャケット21、22は、半円弧
状誘導子8、9をそれぞれ図中上下方向から覆うように
取り付けられ、各水冷ジャケット21、22には、2ヶ
所づつ焼入水を供給する焼入水取入口21a、21b、
22a、22bが設けられている。これらの焼入水取入
口21a、21b、22a、22bは、それぞれ水冷ジ
ャケット21、22内を貫通して形成された放水孔(図
示せず)に通じており、図中加熱部20aに囲まれる被
加熱部材表面に対して焼入水を放出するように形成され
ている。
【0034】したがって、本実施例のリード接点付加熱
コイル1では、水冷ジャケット21、22を取り付け可
能としたため、加熱部20aに囲まれて加熱焼入れ後の
被加熱部材表面は、焼入水取入口21a、21b、22
a、22bを通して放水孔から放射される焼入水により
冷却されるとともに、半円弧状誘導子8、9自身も焼入
水によって冷却されるため、繰り返し使用する場合の使
用回数を従来の加熱しないコイルに比べてコイルの多く
かることができ、コイルの寿命を延ばすことができる。
【0035】また、図中“A,B,C”で示す矢印は、
加熱部20aにセットされて加熱される被加熱部材の焼
入れ状態を比較する際に基準となる加熱位置を示してい
る。次に、本実施例の動作を説明する。
【0036】以下、本実施例のリード接点付加熱コイル
1を利用してクランクシャフトのジャーナル部を加熱焼
入れする場合について説明する。
【0037】まず、上記図1に示したように、本実施例
のリード接点付加熱コイル1は、従来のように形状の異
なる一次誘導子と二次誘導子から構成されるものではな
く、略同一構成の半円弧状誘導子8、9を分割して構成
し、複数ターンとするため、ジャーナル部の幅が狭く小
径のクランクシャフトに対しても、そのジャーナル部の
幅及び径に合わせて、2ターンコイル20を形成する上
記図1に示した導体部材2〜5の半径と幅及び導体部材
2〜5の間に挟まれる絶縁部材6、7の幅または形状を
設計変更するだけで容易に対応することができる構成と
なっている。
【0038】このため、本実施例のリード接点付加熱コ
イル1を利用することによって、上記従来の図13に示
した加熱要部の幅が18mm以下の被加熱物に対しても
容易に対応することができるとともに、幅の狭い小径部
の円周表面を一度に短時間で加熱して焼入れすることが
できるため、従来に比べて供給電力を抑えることができ
る。
【0039】本実施例のリード接点付加熱コイル1の加
熱部20aに通して加熱焼入れ処理したクランクシャフ
トのジャーナル部における焼入れ層の状態の一例を図4
〜図6に示す。これらの図は、加熱焼入れ処理されたジ
ャーナル部表面をエッチング処理して焼入層と非焼入層
を明確にしたものである。
【0040】まず、図4は、上記図3に示した加熱部2
0aを形成する内周において加熱されたクランクシャフ
トのジャーナル部表面の一部を示す図である。この図4
において、ジャーナル部には、油穴が設けられており、
図4において示される“A部,B部,C部”は、それぞ
れ上記図3に示した加熱部20aの加熱位置に対向する
位置を示している。
【0041】また、図5(a)、(b)は、その加熱焼
入れ処理されたジャーナル部の“A部,B部”の焼入層
の断面を示す図であり、図6(a)〜(c)は、その加
熱焼入れ処理されたジャーナル部の“C部”の焼入層の
断面を示す図である。
【0042】したがって、本実施例のリード接点付加熱
コイル1を利用して加熱焼入れ処理をすると、図4に示
すジャーナル部の焼入層の幅方向及び図5及び図6に示
すジャーナル部の焼入層の深さ方向を、従来の加熱コイ
ルを加熱焼入れ処理した場合に比べて均一かつ浅く
(2.5〜3.0mm程度)形成することができる。
【0043】その結果、加熱焼入れ処理を行った後のジ
ャーナル部の熱変形度合を従来に比べて格段に小さくす
ることができ、従来のように油穴に割れ等を発生させる
ことを回避することができるとともに、歪みを取るため
の加工処理も省略することができる。
【0044】その焼入層の浅さ及び熱変形の少なさを利
用して、例えば、図7に示すように、ネジ穴が形成され
て薄い肉圧部分の加熱焼入れ処理を行ったとしても、ネ
ジ穴の形状を歪ませることなく、必要な部分だけに焼入
層を形成することができる。さらに、本実施例のリード
接点付加熱コイル1は、2ターンコイルを構成する半円
弧状誘導子8、9の間に絶縁部材6、7を挟むことによ
って、各ターン内周毎に分離した加熱部20aを形成す
るようにしたため、その絶縁部材6、7の幅を調整する
ことにより、例えば、図8に示すように、各ターン内周
加熱部20aに対向する被加熱部材表面の任意の位置に
2ヶ所の焼入層を形成することができる。
【0045】また、図9に示すように、油穴を避けるよ
うに2ターンコイルの間隔を設計することもでき、油穴
を避けて加熱焼入れ処理をすることもできる。このよう
に油穴を避けた焼入れ処理を可能とすることにより、加
熱焼入れ処理をした後に油穴の面とり加工を0.5〜
1.0mm程度行ったしても、その焼入層が油穴に達し
ていないため、焼割れ等の発生を避けることができる。
【0046】さらに、本実施例のリード接点付加熱コイ
ル1では、加熱焼入れ処理後は、水冷ジャケット21、
22の焼入水取入口21a、21b、22a、22bか
ら注入されて放水孔から放射される焼入水により加熱部
20aを通される被加熱部材とリード接点付加熱コイル
1を構成する半円弧状誘導子8、9自身も冷却するよう
にしたため、コイルの繰り返し使用可能加熱回数を従来
の5万回程度から20万回程度と大幅に長寿命化するこ
とができる。
【0047】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上
記リード接点付加熱コイル1を2ターンコイル構成とし
たが、半円弧状誘導子の数を増やして3〜4ターンのコ
イル構成としてもよい。
【0048】この3〜4ターンコイル構成とした場合
は、被加熱部材表面の複数ヶ所をより多く選択的に加熱
焼入れ処理することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、被加熱部材表面の任意
位置を選択的に加熱焼入れ処理することができるととも
に、その焼入層の幅方向及び深さ方向をより均一かつ浅
く形成することができる。
【0050】その結果、加熱焼入れ処理を行った後の被
加熱部材の熱変形度合を従来に比べて格段に小さくする
ことができ、従来のように被加熱部材の油穴に割れ等を
発生させることを回避することができるとともに、歪み
を取るための加工処理も省略することができる。
【0051】さらに、加熱焼入れ処理後は、水冷ジャケ
ットから放射される焼入水により被加熱部材と加熱部を
構成する半円弧状誘導子を同時に冷却することができる
ため、加熱コイルの繰り返し使用可能加熱回数を増やし
て大幅に長寿命化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリード接点付加熱コイルを構成する各
構成部材を分割した状態の外観斜視図。
【図2】図1のリード接点付加熱コイルにおいて形成さ
れる2ターンコイルを示す図。
【図3】図1のリード接点付加熱コイルを構成する半円
弧状誘導子に水冷ジャケットを取り付けた状態の外観斜
視図。
【図4】図3の加熱部を形成する内周において加熱され
たクランクシャフトのジャーナル部表面の一部を示す
図。
【図5】図4のジャーナル部の“A部,B部”の焼入層
の断面を示す図。
【図6】図4のジャーナル部の“C部”の焼入層の断面
を示す図。
【図7】ネジ穴が形成されている薄い肉圧部分に対して
加熱焼入れ処理した場合の焼入層の断面を示す図。
【図8】2ターン内周加熱部に対向して加熱焼入れ処理
された被加熱部材の焼入層の断面を示す図。
【図9】油穴に合わせて構成した2ターン内周加熱部に
対向して加熱焼入れ処理された被加熱部材の焼入層の断
面を示す図。
【図10】従来の加熱コイルによって加熱焼入れ処理さ
れた被加熱部材の円周状での焼入れ幅の様子を示す図。
【図11】図10の焼入層の断面を示す図。
【図12】従来の加熱コイルによって加熱焼入れ処理さ
れた油穴を有する被加熱部材の円周状での焼入れの様子
を示す図。
【図13】従来の加熱コイルによって加熱焼入れ処理が
可能な被加熱部材の加熱幅を示す図。
【符号の説明】 1 リード接点付加熱コイル 2、3、4、5 導体部材 6、7 絶縁部材 8、9 半円弧状誘導子 2´、3´、11〜16 リード接点部 20 2ターンコイル 20a 加熱部 21、22 水冷ジャケット 21a、21b、22a、22b 焼入水取入口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一組の半円弧状導体部材間に絶縁部材を挟
    んで形成した加熱誘導子の両端部に外周方向に突出する
    リード接点を形成し、この半円弧状加熱誘導子を一方側
    の構成部材とし、 一組の同一半円弧状加熱誘導子の両端部に外周方向に突
    出するリード接点を形成した半円弧状加熱誘導子を他方
    側の構成部材とし、 前記一方側半円弧状加熱誘導子の円中心に対して前記他
    方側半円弧状加熱誘導子を180度の位置に対向配置
    し、リード接点の所定箇所を接続することにより略円筒
    形の2ターン加熱誘導子を形成するとともに、2ターン
    加熱誘導子の内周部に被加熱部材を囲む加熱部を構成
    し、 この2ターン加熱誘導子の出力リード接点に高周波電源
    を接続し、当該高周波電源から2ターン加熱誘導子に供
    給される高周波電力により、被加熱部材表面を加熱する
    とともに、前記円弧状導体部材間に挟まれる絶縁部材に
    対向する被加熱部材表面の加熱を軽減し、当該被加熱部
    材表面の加熱深さ及び加熱幅を均一化することを特徴と
    するリード接点付加熱誘導子。
  2. 【請求項2】複数組の半円弧状導体部材間に絶縁部材を
    挟んで形成した加熱誘導子の両端部に外周方向に突出す
    るリード接点を形成し、この半円弧状加熱誘導子を一方
    側の構成部材とし、 複数組の同一半円弧状加熱誘導子の両端部に外周方向に
    突出するリード接点を形成した半円弧状加熱誘導子を他
    方側の構成部材とし、 前記一方側半円弧状加熱誘導子の円中心に対して前記他
    方側半円弧状加熱誘導子を180度の位置に対向配置
    し、リード接点の所定箇所を接続することにより略円筒
    形の複数ターン加熱誘導子を形成するとともに、複数タ
    ーン加熱誘導子の内周部に被加熱部材を囲む加熱部を構
    成し、 この複数ターン加熱誘導子の出力リード接点に高周波電
    源を接続し、当該高周波電源から複数ターン加熱誘導子
    に供給される高周波電力により、被加熱部材表面を加熱
    するとともに、前記円弧状導体部材間に挟まれる絶縁部
    材に対向する被加熱部材表面の加熱を軽減し、当該被加
    熱部材表面の加熱深さ及び加熱幅を均一化することを特
    徴とするリード接点付加熱誘導子。
  3. 【請求項3】前記2ターン加熱誘導子あるいは前記複数
    ターン加熱誘導子の外周に冷却水を噴射する水冷ジャケ
    ットを設け、前記加熱部に囲まれる被加熱部材を加熱後
    に当該水冷ジャケットから冷却水を噴射して被加熱部材
    及び2ターン加熱誘導子あるいは複数ターン加熱誘導子
    自身を冷却するようにしたことを特徴とする請求項1及
    び請求項2記載のリード接点付加熱誘導子。
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