JP4367770B2 - 誘導加熱方法及び誘導加熱コイル - Google Patents

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Description

本発明は、被加熱物の平坦面のうち所定の環状部分を所定の深さだけ誘導加熱する誘導加熱方法及び誘導加熱コイルに関する。
平坦面が形成されたワーク(被加熱物)が産業界で広く使用されている。このようなワークの平坦面を環状(リング状)に焼入れすることがある。この焼入れに際しては、平坦面の焼入部分とほぼ同じサイズの円形の誘導加熱コイルを平坦面に向き合わせて配置しておき、この平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱することにより環状の被加熱部分(以下、環状部分という)を形成してその直後に急冷する。
ところが、電磁誘導によってワークの環状部分に流れる渦電流はこの環状部分の最短距離を通る傾向にあるので、環状部分のうち内側部分には外側部分よりも多くの渦電流が通ることとなる。この理由は、円形の誘導加熱コイルでは、この誘導加熱コイル径の内側における磁界の強さが近接効果(加熱コイル効果)によってその外側よりも強いからである。この結果、この内側部分は外側部分よりも深くまで焼入温度に加熱されることとなる。従って、焼入硬化層の深さは内側部分では深く、外側部分では浅くなり、一様な深さの焼入硬化層が得られない。
ところで、ワークの平坦面の全体に一様な深さの焼入硬化層を形成する技術として、誘導加熱コイルの中心が平坦面の中心から偏心するように誘導加熱コイルを配置しておき、ワークを回転させながらその平坦面を誘導加熱する技術が知られている(特許文献1)。
特公昭58−39887号公報
上記した技術では、ワークの平坦面を環状に焼入れすることができないという問題と、誘導加熱コイルの中心が平坦面の中心から偏心しているのでエネルギー効率が悪いという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、ワークの平坦面を環状に一様な深さに誘導加熱できる誘導加熱方法及び誘導加熱コイルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の誘導加熱方法は、被加熱物の平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
(1)所定の外径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて環状に誘導加熱することにより環状の被加熱部分を形成し、続いて、前記第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第2誘導加熱コイルを前記環状の被加熱部分に向き合わせて誘導加熱することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の第2の誘導加熱方法は、被加熱物の平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
(2)所定の内径をもつ円弧状の第2誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて環状に誘導加熱することにより環状の被加熱部分を形成し、続いて、前記第2誘導加熱コイルの内径と同一又は略同一の外径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルを前記環状の被加熱部分に向き合わせて該環状の被加熱部分を誘導加熱することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の第3の誘導加熱方法は、被加熱物の平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
(3)所定の外径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルと、該第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第2誘導加熱コイルとが連続した略円形の誘導加熱コイルを形成しておき、
(4)該誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて配置し、
(5)前記平坦面のいずれかの点を中心にして該誘導加熱コイルと前記被加熱物を相対的に回転させて、前記平坦面を環状に誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成することを特徴とするものである。
ここで、
(6)その中心角が90°以上300°以下の範囲内の前記第2誘導加熱コイルを用いてもよい。
また、上記目的を達成するための本発明の誘導加熱コイルは、被加熱物の平坦面を誘導加熱する誘導加熱コイルにおいて、
(7)所定の外径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルと、
(8)該第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第2誘導加熱コイルとを備え、
(9)これら第1及び第2誘導加熱コイルが連続した略円形状であることを特徴とするものである。
ここで、
(10)前記第2誘導加熱コイルは、その中心角が90°以上300°以下の範囲内のものであってもよい。
本発明の誘導加熱方法によれば、先ず、第1誘導加熱コイルで平坦面を環状に誘導加熱する。この誘導加熱では、第1誘導加熱コイルに向き合う平坦面の環状の部分のうちの内側部分ではその外側部分よりも多くの渦電流が通るので、この内側部分が深くまで加熱されるが、外側部分は内側部分よりも浅くしか加熱されない。すなわち、外側部分の被加熱層(外側被加熱層)は内側部分の被加熱層(内側被加熱層)よりも浅い。逆に言えば、内側被加熱層は外側被加熱層よりも深い。このように不均一な(一様でない)深さの被加熱層が形成された環状部分を第2誘導加熱コイルで続けて誘導加熱する。この誘導加熱では、第1誘導加熱コイルの場合と同様に、内側被加熱層が外側被加熱層よりも深くなる。しかし、第2誘導加熱コイルの内径は第1誘導加熱の外径と同一又は略同一であるので、第1誘導加熱コイルで浅くしか加熱されなかった外側被加熱層が、第2誘導加熱コイルの内側被加熱層となって深くまで加熱される。一方、第1誘導加熱コイルで深く加熱された内側被加熱層は、第2誘導加熱コイルではほとんど加熱されない。以上の結果、平坦面のうち環状部分は一様な深さに加熱される。
本発明は、被加熱物の平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱することによりこの平坦面に環状の被加熱部分を形成する技術に実現された。
図1を参照して、本発明の誘導加熱コイルの一例を説明する。
図1(a)は、本発明の一例の誘導加熱コイルを示す平面図であり、(b)は、その側面図である。
誘導加熱コイル10は、所定の外径r1をもつ円弧状の第1誘導加熱コイル20と、この外径r1と同一又は略同一の内径R2をもつ円弧状の第2誘導加熱コイル30とを有する。すなわち、r1≒R2である。なお、外径r1と内径R2を同じ長さにしてもよい。第1誘導加熱コイル20と第2誘導加熱コイル30はともに円弧状であり、共通の中心点Cをもっている。第1誘導加熱コイル20の外径r1と内径r2、及び第2誘導加熱コイル30の外径R1と内径R2は、後述するように被加熱物(ワーク)Wの環状部分W1のサイズ(内径及び外径)によって適宜に決められる。また、第1誘導加熱コイル20の周方向一端部20aは第2誘導加熱コイル30の周方向一端部30aに電気的に接続されており、第1誘導加熱コイル20の周方向他端部20bは第2誘導加熱コイル30の周方向他端部30bに電気的に接続されている。このため、誘導加熱コイル10は、第1誘導加熱コイル20と第2誘導加熱コイル30が連続した略円形状に形成されている。第1誘導加熱コイル20の中心角Θ1は、60°以下270°以上の範囲内であり、第2誘導加熱コイル30の中心角Θ2は90°以上300°以下の範囲内である。なお、常に、中心角Θ1+中心角Θ2=360°となる。また、内径がR2で外径がR1となる環状の被加熱層(範囲)とするためには、中心角Θ1≒中心角Θ2≒180°にする。
なお、後述する図4に示すように、中心角Θ2が180°を超えて300°以下の場合、第1誘導加熱コイル20を流れる電流の密度は第2誘導加熱コイル30のそれよりも少なくなるので、被加熱層の形状が第2誘導加熱コイル30の形状に近似するものとなり、一方、中心角Θ2が90°以上180°以下の場合、第2誘導加熱コイル30を流れる電流の電流密度は第1誘導加熱コイル20のそれよりも少なくなるので、被加熱層の形状が第1誘導加熱コイル20の形状に近似するものとなる。このような効果は、第1誘導加熱コイル20と第2誘導加熱コイル30の(合成コイル)円周上の長さ(面積)比率により得られる効果であり、被加熱層の加熱(焼入)幅を任意に設定可能となる、中心角Θ1と中心角Θ2は、ワークWの加熱幅を適宜に得るために適正な角度に決定される。
第1誘導加熱コイル20と第2誘導加熱コイル30の境界部分の一方には電気的絶縁材12を挟んで一対の導電体14,14が接続されており、これら導電体14,14は高周波電源(図示せず)に接続されている。この高周波電源から誘導加熱コイル10に高周波電力が供給されているとき、ある一瞬では矢印A方向に電流が通る。
図2と図3を参照して、誘導加熱コイル10を用いて被加熱物(ワーク)の平坦面を環状に所定の深さだけ誘導加熱する誘導加熱方法を説明する。
図2(a)は、ワークの平坦面に近接させて配置された誘導加熱コイルを示す平面図であり、(b)は、第1誘導加熱コイルのみによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図であり、(c)は、第2誘導加熱コイルのみによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図であり、(d)は、第1及び第2誘導加熱コイルによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図である。図3(a)は、ワークの被加熱層と第1誘導加熱コイルの位置関係を模式的に示す断面図であり、(b)は、ワークの被加熱層と第2誘導加熱コイルの位置関係を模式的に示す断面図である。
ワークWの平坦面Waを環状に所定の深さだけ誘導加熱することによりこの平坦面に環状の被加熱部分(環状部分W1という)を形成する方法を説明する。ここでいう被加熱部分とは、加熱されたときに略同じ(一様な)深さまで略同じ(一様な)温度になる部分をいい、この温度と略同じ温度であってもこの深さよりも浅い部分は被加熱部分には含まれていない。従って、このワークWを焼入れしたときは、被加熱部分(環状部分W1)では硬化深さが同じ(一様)になる。
この環状部分W1は内径がr2であって、第1誘導加熱コイル20の内径r2に等しい。また、環状部分W1の外径はr3であり、第1誘導加熱コイル20の外径r1よりも大きくて、第2誘導加熱コイル30の外径R1よりも小さい。すなわち、r1<r3<R1 である。
誘導加熱コイル10の中心点Cが環状部分W1の中心点C’(本発明にいう平坦面のいずれかの点の一例である)に一致するように、環状部分W1の上方に近接させて誘導加熱コイル10を配置する。その後、高周波電源から誘導加熱コイル10に電力を供給しながら誘導加熱コイル10とワークWを相対的に回転させる。ここでは、環状部分W1の中心点C’を中心にしてワークWを回転させた。
第1誘導加熱コイル20のみによる誘導加熱の場合、図2(b)及び図3(a)に示すように、環状部分W1のうち第1誘導加熱コイル20のほぼ真下に相当する部分(被加熱部分)H1のみが誘導加熱される。この場合、被加熱部分H1のうちの内側部分H1aではその外側部分H1bよりも多くの渦電流が通るので、図2(b)に示すように、この内側部分H1aが深くまで加熱されるが、外側部分H1bは内側部分H1aよりも浅くしか加熱されない。すなわち、外側部分H1bの被加熱層(外側被加熱層H1bとする)は内側部分H1aの被加熱層(内側被加熱層H1aとする)よりも浅い。逆に言えば、内側被加熱層H1aは外側被加熱層H1bよりも深い。
上記と同様に、第2誘導加熱コイル30のみによる誘導加熱の場合、図2(c)に示すように、環状部分W1のうち第2誘導加熱コイル30のほぼ真下に相当する部分(被加熱部分)H2のみが誘導加熱される。この場合、被加熱部分H2のうちの内側部分H2aではその外側部分H2bよりも多くの渦電流が通るので、この内側部分H2aが深くまで加熱されるが、外側部分H2bは内側部分H2aよりも浅くしか加熱されない。すなわち、外側部分H2bの被加熱層(外側被加熱層H2bとする)は内側部分H2aの被加熱層(内側被加熱層H2aとする)よりも浅い。逆に言えば、内側被加熱層H2aは外側被加熱層H2bよりも深い。
上述したように誘導加熱コイル10の中心点Cが環状部分W1の中心点C’に一致するように、環状部分W1の上方に近接させて誘導加熱コイル10を配置しておき、高周波電源から誘導加熱コイル10に電力を供給しながら環状部分W1の中心点C’を中心にしてワークWを回転させる。これにより、ワークWが回転し始めた直後には、環状部分W1のうち第1誘導加熱20に向き合っている部分(例えばH1に相当する部分)では、先ず、図2(b)及び図3(a)に示すように被加熱部分H1が形成される。その後、ワークWの回転に伴って、被加熱部分H1に重なって(重畳して)被加熱部分H2が形成される。この結果、図2(d)と図3(b)に示すように環状部分W1には一様な深さの被加熱層H3が形成される。
一方、ワークWが回転し始めた直後には、環状部分W1のうち第2誘導加熱コイル30に向き合っている部分(例えばH2に相当する部分)では、先ず、図2(c)に示すように被加熱部分H2が形成される。その後、ワークWの回転に伴って、被加熱部分H2に重なって(重畳して)被加熱部分H1が形成される。この結果、図2(d)と図3(b)に示すように、環状部分W1には一様な深さの被加熱層H3が形成される。ワークWを繰り返して回転させることにより被加熱部分H1と被加熱部分H2が繰り返して形成される。この結果、環状部分W1には一様な深さの被加熱層H3がいっそう確実に形成されることとなる。
なお、ワークWが鋼製であって被加熱層H3を焼入温度まで一様に加熱した直後に、この被加熱層H3に冷却液を噴射して急冷することにより環状部分W1には一様な深さ(図2(d)のhで示す深さ)の硬化層が得られることとなる。
図4を参照して、上記の中心角Θ2が変化することに起因して被加熱層の幅を変える技術を説明する。
図4は、中心角Θ2を変化させることにより幅が変わった被加熱層を示す模式図であり、(a)は、中心角Θ2が180°(中心角Θ1も180°)のときの被加熱層を示し、(b)は、中心角Θ2が300°(中心角Θ1は60°)のときの被加熱層を示し、(c)は、中心角Θ2が90°(中心角Θ1は270°)のときの被加熱層を示す。この図では、図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
中心角Θ1=中心角Θ2=180°の場合は、(a)に示すように、内径r2で外径R1となる広い幅の環状で一様な深さの被加熱層H4が得られる。中心角Θ2=300°で中心角Θ1=60°の場合は、第1誘導加熱コイル20を流れる電流の密度は第2誘導加熱コイル30のそれよりも少なくなるので、(b)に示すように被加熱層の形状が第2誘導加熱コイル30の形状に近似するものとなり、内径R2で外径R1となる環状で一様な深さの被加熱層H5が得られる。中心角Θ2=90°で中心角Θ1=270°の場合は、第2誘導加熱コイル30を流れる電流の電流密度は第1誘導加熱コイル20のそれよりも少なくなるので、(c)に示すように、内径r2で外径r1となる環状で一様な深さの被加熱層H6が得られる。
(a)は、本発明の一例の誘導加熱コイルを示す平面図であり、(b)は、その側面図である。 (a)は、ワークの平坦面に近接させて配置された誘導加熱コイルを示す平面図であり、(b)は、第1誘導加熱コイルのみによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図であり、(c)は、第2誘導加熱コイルのみによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図であり、(d)は、第1及び第2誘導加熱コイルによって加熱された被加熱層を模式的に示す断面図である。 (a)は、ワークの被加熱層と第1誘導加熱コイルの位置関係を模式的に示す断面図であり、(b)は、ワークの被加熱層と第2誘導加熱コイルの位置関係を模式的に示す断面図である。 中心角Θ2を変化させることにより幅が変わった被加熱層を示す模式図であり、(a)は、中心角Θ2が180°(中心角Θ1も180°)のときの被加熱層を示し、(b)は、中心角Θ2が300°(中心角Θ1は60°)のときの被加熱層を示し、(c)は、中心角Θ2が90°(中心角Θ1は270°)のときの被加熱層を示す。
符号の説明
10 誘導加熱コイル
20 第1誘導加熱コイル
30 第2誘導加熱コイル

Claims (6)

  1. 被加熱物の平坦面のうちその外周縁よりも内側の部分を環状に誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
    前記環状の被加熱部分の中心から該環状の被加熱部分のうち幅方向中央部までの長さと同一又は略同一の外径及び前記環状の被加熱部分の内径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて誘導加熱し、前記第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径及び前記環状の被加熱部分の外径と同一又は略同一の外径をもつと共に前記第1誘導加熱コイルに連続して略円形を形成する円弧状の第2誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて誘導加熱する際に、前記略円形を形成する前記第1及び第2誘導加熱コイルの円弧の中心角を変えることにより前記環状の被加熱部分の幅を変えることを特徴とする誘導加熱方法。
  2. 被加熱物の平坦面のうちその外周縁よりも内側の部分を環状に誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
    前記環状の被加熱部分の中心から該環状の被加熱部分のうち幅方向中央部までの長さと同一又は略同一の内径及び前記環状の被加熱部分の外径と同一又は略同一の外径をもつ円弧状の第2誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて誘導加熱し、前記第2誘導加熱コイルの内径と同一又は略同一の外径及び前記環状の被加熱部分の内径と同一又は略同一の内径をもつと共に前記第2誘導加熱コイルに連続して略円形を形成する円弧状の第1誘導加熱コイルを前記平坦面に向き合わせて誘導加熱する際に、前記略円形を形成する前記第1及び第2誘導加熱コイルの円弧の中心角を変えることにより前記環状の被加熱部分の幅を変えることを特徴とする誘導加熱方法。
  3. 被加熱物の平坦面のうちその外周縁よりも内側の部分を環状に誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分を形成する誘導加熱方法において、
    前記環状の被加熱部分の中心から該環状の被加熱部分のうち幅方向中央部までの長さと同一又は略同一の外径及び前記環状の被加熱部分の内径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルと、該第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径及び前記環状の被加熱部分の外径と同一又は略同一の外径をもつと共に前記第1誘導加熱コイルに連続して略円形を形成する円弧状の第2誘導加熱コイルとを用意しておき、
    前記略円形を形成する前記第1及び第2誘導加熱コイルの円弧の中心角を変えることにより前記環状の被加熱部分の幅を変えることを特徴とする誘導加熱方法。
  4. 前記中心角が90°以上300°以下の範囲内の前記第2誘導加熱コイルを用いることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載の誘導加熱方法。
  5. 被加熱物の平坦面のうちその外周縁よりも内側の部分を環状に誘導加熱することにより前記平坦面に環状の被加熱部分をその幅を変えて形成するための誘導加熱コイルにおいて、
    前記環状の被加熱部分の中心から該環状の被加熱部分のうち幅方向中央部までの長さと同一又は略同一の外径及び前記環状の被加熱部分の内径と同一又は略同一の内径をもつ円弧状の第1誘導加熱コイルと、
    前記環状の被加熱部分の外径と同一又は略同一の外径及び前記第1誘導加熱コイルの外径と同一又は略同一の内径をもつと共に前記第1誘導加熱コイルに連続して略円形を形成する円弧状の第2誘導加熱コイルとを備え、
    その中心が前記環状の被加熱部分の中心に一致するように前記略円形を形成する前記第1及び第2誘導加熱コイルは、
    それぞれの円弧の中心角の合計が360°を満たすように組み合わされた前記第1及び第2誘導加熱コイルで略円形を形成して前記被加熱物を回転させながら前記被加熱部分を誘導加熱することにより被加熱部分の幅を変えるものであることを特徴とする誘導加熱コイル。
  6. 前記第2誘導加熱コイルは、
    前記中心角が90°以上300°以下の範囲内のものであることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱コイル。
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