JP4209227B2 - クランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置 - Google Patents
クランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面(円筒状外周面及びその両側の湾曲状隅部を含む)を焼入処理や焼戻処理などのために高周波誘導加熱する高周波誘導加熱方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、4気筒エンジン用クランクシャフト1を示すものであって、このクランクシャフト1は、中心軸X(ジャーナル部の軸線と同じ)を軸心とするジャーナル部2a,2b,2c,2d,2eと、中心軸Xに対して偏心した位置にあるピン部3a,3b,3c,3dと、カウンターウエイト部4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4hと、フランジ部5とを鍛造加工により一体に成形して成るものである。複数気筒エンジン用クランクシャフトであればピン部3は複数設けられ、図5に示す4気筒エンジン用クランクシャフト1の場合には、4つのピン部3a〜3dが設けられる。そして、これらのピン部3a〜3dは、中心軸Xの軸線方向に沿って所定の間隔を隔てた箇所において、互いに隣接するカウンターウエイト部4の間にそれぞれ配置される。また、中心軸Xの軸線方向において互いに隣接する各ピン部3a〜3dは、エンジンの形式に応じて、中心軸Xの回りに所定の位相角度だけ異なる角度位置に配設される。なお、図5に示す4気筒エンジン用クランクシャフト1の場合には、左右両端側のピン部3a,3d(中心軸Y1 を有する)が互いに同じ位相角度の箇所に配設されると共に、これらのピン部3a,3d間のピン部3b,3c(中心軸Y2 を有する)が互いに同じ位相角度の箇所に配設され、左右両端側のピン部3a,3dと中間位置のピン部3b,3cとが互いに180度の位相角度をもって配設される。
【0003】
この種のクランクシャフト1にあっては、従来より、クランクシャフト1のジャーナル部2a〜2e及びピン部3a〜3dの外周面にそれぞれ高周波誘導加熱による焼入を施すことにより、耐摩耗性並びに疲労強度の向上を図るようにしている。ここで、クランクシャフト1のピン部3a〜3d(以下においては、統括的にピン部3と記載する)を高周波誘導加熱する場合を例にとって説明すると、次の通りである。
【0004】
図6は、ピン部3の外周面Sを焼入処理に際して高周波誘導加熱するために従来より用いられている高周波誘導加熱装置8を示すものである。この高周波焼入装置8は、図6に明示するように、真鍮製又は樹脂製の一対の側板10a,10b間に挟持状態で保持され、かつ、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるピン部3の外周面Sの上半分部分に対向配置される半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル(半開放鞍型コイル)11と、この高周波誘導加熱コイル11に高周波電流を供給する高周波電源12と、前記一対の側板10a,10に固定された例えば3つのセラミック製又は超硬合金製のガイド部材(チップ部材)13a,13b,13cとを備えている。
【0005】
上述の高周波誘導加熱コイル11は、図6及び図7に示すように、コイル頭部を構成する左右一対の第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bと、これらの一対の加熱コイル部分14a,14bとを互いに接続する接続導体部15a,15b,15cと、一対の接続導体部15a,15bにそれぞれ接続された給電リード部16a,16bとから成り、上述の給電リード部16a,16bが高周波電源12に接続されている。なお、このような構造のコイル体としては、例えば特開2001−181739号に開示されているものがある。ここで、高周波誘導加熱コイル11の第1の加熱コイル部分14aについて詳述すると、この第1の加熱コイル部分14aは、図7に明示するように、互いに平行な一対の円弧状加熱導体部17a,18aと、円弧状加熱導体部17aの一端と円弧状加熱導体部18aの一端とを互いに接続する直線状加熱導体部19aと、円弧状加熱導体部17a,18aの他端と接続導体部15a,15cの一端とをそれぞれ接続する直線状加熱導体部20a,21aとから構成され、全体として湾曲したほぼ矩形形状となされている。また、第2の加熱コイル部分14bも上述の第1の加熱コイル部分14aと同様に構成され、一対の加熱コイル部分14a,14bが左右対称の配置関係をもって対応配置されている。なお、図7においては、第2の加熱コイル部分14bの一対の円弧状加熱導体部17b,18b、直線状加熱導体部19b、接続導体部15a,15c、及び給電リード部16bが図示されているが、既述の直線状加熱導体部20a,21aに相当する部分の直線状加熱導体部20b,21bは、隠れた位置にあるため、図示されていない。
【0006】
また、給電リード部16a,16bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)に接続され、このトランスには高周波電源20から所定の高周波電流が供給されるように構成されている。
【0007】
上述の高周波誘導加熱装置8によりクランクシャフト1のピン部3の外周面Sを焼入処理或いは焼戻処理などのために高周波誘導加熱するに際しては、図外の昇降機構により高周波誘導加熱装置8を所定の待機位置から下降移動させてガイド部材13bを介してピン部3の外周面S上に載置し、ガイド部材13a〜13cをピン部3の外周面Sに当接せしめることにより高周波誘導加熱コイル11をピン部3の外周面Sの上半分部分に対して僅かな間隔を隔てて対向配置する。この状態の下で、クランクシャフト1を図外の回転駆動機構によりクランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動する。これに伴い、ピン部3が前記中心軸Xを中心として公転運動する。この際、高周波誘導加熱装置8が図外の追従機構によりピン部3に追従すると共に、高周波誘導加熱コイル11の第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bが左右対称位置においてピン部3の外周面Sの上半分部分に対して常に対向配置された状態を維持する。
【0008】
このような状態の下で、高周波電源12から図外のトランス並びに給電リード部16a,16b、接続導体部15a,15bを順次に介して高周波誘導加熱コイル11の第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bに高周波電流を供給し、これによりピン部3の外周面Sを誘導加熱する。次いで、ピン部3の外周面Sが所要の焼入温度に誘導加熱された時点で、高周波電源12から高周波誘導加熱コイル11への高周波電流の供給を遮断すると共に、ピン部3の外周面Sに焼入冷却水噴射手段(図示せず)により焼入冷却水を噴射する。これにより、ピン部3の外周面Sが急速冷却されてその表面に焼入硬化層が形成される。
【0009】
また、図8は、別の形状の半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル(半開放鞍型コイル)30を備える従来の高周波誘導加熱装置31を示すものである。この高周波誘導加熱装置31は、図8に示すように、真鍮製又は樹脂製の一対の側板10a,10b間に挟持状態で保持され、かつ、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるピン部3(ピン部3a〜3d)の外周面Sの上半分部分に対向配置される1つの加熱コイル部分29を有する高周波誘導加熱コイル30を備えている。なお、その他の構成は、図6の高周波誘導加熱装置8と同様である。
【0010】
上述の高周波誘導加熱コイル30は、図8及び図9に示すように、コイル頭部)を構成する1つの加熱コイル部分29と、この加熱コイル部分29に接続された一対の給電リード部32a,32bとから成り、上述の給電リード部32a,32bが高周波電源12に接続されている。なお、このような構造のコイル体の類似物としては、例えば特開平3−183724号に開示されているものがある。ここで、高周波誘導加熱コイル30の加熱コイル部分29の構成について詳述すると、この加熱コイル部分29は、図9に明示するように、互いに平行な一対の円弧状加熱導体部33a,33bと、円弧状加熱導体部33aの一端と円弧状加熱導体部33bの一端とを互いに接続する直線状加熱導体部34と、円孤状導体部33a,33bの他端と給電リード部32a,32bの一端とをそれぞれ接続する直線状加熱導体部35a,35bとから構成されている。
【0011】
そして、給電リード部32a,32bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)を介して高周波電源12に接続されており、この高周波電源12から所定の高周波電流が高周波誘導加熱コイル30の加熱コイル部分29に供給されるように構成されている。
【0012】
なお、上述の高周波誘導加熱装置31は、特に、ピン部3或いはジャーナル部2の直径が小さい小型のクランクシャフトを高周波誘導加熱するのに有効である。その理由を述べると、次の通りである。すなわち、図6の高周波誘導加熱装置8にあっては高周波誘導加熱コイル11の頭部が2つの加熱コイル部分14a,14bに2分割されており、円弧状加熱導体部17aと17bとが周方向で2つに分割されると共に円弧状加熱導体部18aと18bとが周方向で2つに分割されているため、ピン部3a〜3d或いはジャーナル部2a〜2eの直径が小さい場合には、円弧状加熱導体部17a,17b及び18a,18bの弧長が相対的に短くなり加熱効率が悪くなるが、図8の高周波誘導加熱装置31にあっては、高周波誘導加熱コイル30の加熱コイル部分29の円弧状加熱導体部33a,33bが2つに分割されていないので、ピン部3の外周面S(又はジャーナル部2の外周面H)に対向する円弧状加熱導体部33a,33bの弧長が上記の場合よりも相対的に長くなり、これに起因して加熱効率が向上するためである。
【0013】
図8の高周波誘導加熱装置31により、例えばクランクシャフト1のピン部3の外周面Sを焼入処理などのために高周波誘導加熱するに際しては、図外の昇降機構により高周波誘導加熱装置31を所定の待機位置から下降移動させてガイド部材13a〜13cを介してピン部3の外周面S上に載置し、ガイド部材15bをピン部3の外周面Sに当接せしめることにより高周波誘導加熱コイル30をピン部3の外周面Sの上半分部分に対して僅かな間隔を隔てて対向配置する。この状態の下で、クランクシャフト1を図外の回転駆動機構によりクランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動する。これに伴い、ピン部3が前記中心軸Xを中心として公転運動する。この際、高周波誘導加熱装置31が図外の追従機構によりピン部3に追従すると共に、高周波誘導加熱コイル30の加熱コイル部分29がピン部3の外周面Sの上半分部分に対して常に対向配置された状態を維持する。
【0014】
このような状態の下で、高周波電源12から図外のトランス並びに給電リード部32a,32bを順次に介して高周波誘導加熱コイル30の加熱コイル部分29に高周波電流を供給し、これによりピン部3の外周面Sを誘導加熱する。次いで、ピン部3の外周面Sが所要の焼入温度に誘導加熱された時点で、高周波電源12から高周波誘導加熱コイル30への高周波電流の供給を遮断すると共に、ピン部3の外周面Sに焼入冷却水噴射手段(図示せず)により焼入冷却水を噴射する。これにより、ピン部3の外周面Sが急速冷却されてその表面に焼入硬化層が形成される。
【0015】
図10(a)〜(c)は、高周波誘導加熱コイル11又は30の断面形状の代表的な例、並びに、上述の如き焼入工程によりピン部3の外周面Sに得られる望ましい(理想的な)硬化層パターンP1 ,P2 ,P3 をそれぞれ示している。なお、図10(a)のようにピン部3の外周面(円筒状外周面)Sのみに焼入硬化層パターンP1 を形成する焼入は平焼入と称され、図10(b)のようにピン部3の外周面Sからその両側のR部(円弧状隅部)Mに連なる焼入硬化層パターンP2 を形成する焼入はフィレットR焼入と称され、図10(c)のようにピン部3の外周面Sから片側のR部M及びスラスト部(平面部)Nに連なる焼入硬化層パターンP3 を形成する焼入は片フィレットR焼入と通常呼ばれている。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−181739号公報
【特許文献2】
特開平3−183724号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高周波誘導加熱装置8(又は31)により形成される焼入硬化層P1 ,P2 ,P3 は、図11〜図13に示すように焼入硬化層深さが不均一になる傾向がある。この理由を、以下に述べる。
【0018】
まず、図11(a)は、従来の高周波誘導加熱装置8の平焼入用の高周波誘導加熱コイル11の断面(図6においてD−D線で破断した断面)を示す図である。図11(a)に示すように、高周波誘導加熱コイル8の第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bを構成する円弧状加熱導体部17a,18a,17b,18bのうちの円弧状加熱導体部17a及び17bは、クランクシャフト1の中心軸Xに沿う方向において互いに同位置に配置されて前記ピン部3の外周面Sに対向されると共に、円弧状加熱導体部18a及び18bは、前記中心軸Xに沿う方向において互いに同位置に配置されてピン部3の外周面Sに対向されるため、前記中心軸Xを中心とするピン部3の公転運動中は、円孤状加熱導体部17a及び17bがピン部3の外周面Sに対応する位置であってかつピン部3の円周方向において同一の領域α1 を通過すると共に、円弧状加熱導体部18a及び18bがピン部3の外周面Sに対応する位置であってかつピン部3の円周方向において同一の領域α2 を通過することになる。
【0019】
従って、ピン部3の外周面Sは、ピン部3の円周方向においてそれぞれ同一の領域である領域α1 及びα2 が集中的に加熱される一方、嶺域α1 ,α2 間の領域βは、主に熱伝導に依って昇温されることとなる。このような不均一な加熱の結果として得られる焼入硬化層パターンPは、図11(b)に示すように、前記加熱導体部17a,17b及び18a,18bにそれぞれ対向する前記領域α1 及びα2 の部分における焼入硬化層深さが相対的に深く、円弧状加熱導体部17aと18aとの間、並びに、円弧状加熱導体部17bと18bとの間に対向する領域βの焼入硬化層深さが相対的に浅くなるような傾向が現れる。特に、焼入硬化層深さを浅くした場合や、加熱時間が短い場合には、そのような傾向が非常に顕著に現れる。
【0020】
また、ピン部3の幅が広い場合には、第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bの直線状加熱導体部19a,19b,20a,20a,21b,21bの長さが長くなり、加熱導体としてピン部3の外周面Sの中央近傍部分(幅方向中央箇所)の加熱に寄与するため、焼入硬化層深さの不均一は発生しにくい。しかし、幅狭のピン部3を加熱する場合には、前記直線状加熱導体部の長さが短くなり、一対の円弧状加熱導体部17aと18a、17bと18bにより誘導加熱が行われるため、ピン部3の幅方向の中央近傍部分は誘導加熱されにくくなり、その結果、上述した短時間加熱による焼入硬化層パターンPと同様の傾向が現れる。
【0021】
なお、フィレットR焼入の場合(図12(a),(b)参照)、及び、片R焼入の場合(図13(a),(b)参照)に関しても、上記の理由により、同様の傾向が生じる。
【0022】
さらに、高周波誘導加熱装置8の高周波誘導加熱コイル11は、ピン部3の外周面Sの上側の略1/2周にのみ対向しているため、誘導加熱完了直後にピン部3の外周面Sのうち高周波誘導加熱コイル11の第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bが対向している上面側と開放側に位置する下面側とでは、焼入硬化層深さが異なってしまうといった問題もある。なお、このような現象は、上述の如き傾向と同様に、特に短時間加熱の場合に発生し易い。
【0023】
なお、以上のような問題は、高周波誘導加熱装置31についても同様な理由で発生するため、その説明を省略する。
【0024】
本発明は、このような問題を解決するべくなされたものであって、その目的は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面をその全周にわたり短時間で均一加熱することができ、従って焼入硬化層深さの不均一を解消し得て良好な(均一な)焼入硬化層パターンを得ることのでき、或いは焼入硬化層の各部における硬化層深さを任意に調整することができるクランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、複数の高周波誘導加熱コイルをクランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面上に設置する際に、前記ピン部又はジャーナル部の外周面に僅かな隙間を隔てて対向配置される前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面の全周を取り囲むと共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置し、この状態の下で、前記クランクシャフトを前記クランクシャフトの中心軸を中心に回転させると共に前記複数の高周波誘導加熱コイルを前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に追従させながら、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ高周波電流を供給することにより、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしている。
また、本発明では、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面上にガイド部材を介して高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトを前記クランクシャフトの中心軸を中心に回転させて前記高周波誘導加熱コイルを前記ピン部又はジャーナル部の外周面に追従させながら前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するようにしたクランクシャフトの高周波加熱装置において、
前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いに異なる外周面上の領域にそれぞれ対向配置される加熱コイル部分を有する複数の高周波誘導加熱コイルを備え、
前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置して、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて取り囲み、この状態の下で、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、
前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしている。
また、本発明では、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に対向配置される前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を互いに同一の形状に構成すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分は、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に対して直交し、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の幅方向の2等分箇所において前記中心軸に直交する軸線に対して回転対称の位置関係を持って配置するようにしている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4並びに図5及び図9を参照して説明する。なお、図1〜図4において、図5〜図13と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る高周波誘導加熱装置40を示すものであって、この高周波誘導加熱装置40は、真鍮製又は樹脂製の一対の側板41a,41b間に挟持状態で保持された第1の高周波誘導加熱コイル30aと、真鍮製又は樹脂製の一対の側板42a,42b間に挟持状態で保持された第2の高周波誘導加熱コイル30bとを備えている。
【0028】
高周波誘導加熱装置40に備えられる2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bは、それぞれ、図9の高周波誘導加熱コイル30と同様に構成されたコイル体、すなわち高周波誘導加熱コイル30と同様に構成された加熱コイル部分29を有するコイル体であり、互いに同一の形状に構成されている。
【0029】
また、互いに同一の形状を有する上述の2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bは、左右位置において互いに反対向きとなされて互いに対向配置されており、一対の円弧状加熱導体部33a,33bと、直線状加熱導体部34と、一対の直線状加熱導体部35a,35bとから成る第1の高周波誘導加熱コイル30aの加熱コイル部分29が、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるクランクシャフト1のピン部3の外周面Sの一方側の側面半分部分に対向配置されるように構成されると共に、第2の高周波誘導加熱コイル30bの加熱コイル部分29が、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるクランクシャフト1のピン部3の外周面Sの他方側の側面半分部分に対向配置されるように構成されている。かくして、第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bの各々の加熱コイル部分29の円弧状加熱導体部33a,33bが、ピン部3の中心軸Yに沿う方向において互いにオフセットした配置関係をもって互いに対向するような状態で、ピン部3の直径に対応する直径の円周上に沿って配置されるようになっている。
【0030】
また、図1に示すように、第1の高周波誘導加熱コイル30aの給電リード部32a,32bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)を介して第1の高周波電源12aに接続されると共に、第2の高周波誘導加熱コイル30bの給電リード部32a,32bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)を介して第2の高周波電源12bに接続されている。かくして、第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bには、上述の第1及び第2の高周波電源12a,12bから図外のトランスをそれぞれ介して所定の高周波電流が供給されるように構成されている。
【0031】
さらに、第1の高周波誘導加熱コイル30aが取付けられている一対の側板41a,41b間には、第1の高周波誘導加熱コイル30aに対応する箇所に一対のガイド部材43a,43bが取付けられており、第2の高周波誘導加熱コイル30bが取付けられている一対の側板42a,42b間には、前記第2の高周波誘導加熱コイル30bに対応する箇所に一対のガイド部材44a,44bが取付けられている。かくして、前記2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bは、これらのガイド部材43a,43b及び44a,44bを介して、加熱対象であるピン部3の中心軸Yを挟む左右2方向からこのピン部3の外周面Sに対して僅かな隙間を隔てて対向配置され、これによりピン部3の外周面Sのほぼ全周が第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bの加熱コイル部分29にて取り囲まれた状態となるように構成されている。
【0032】
図2(a)及び(b)は、上述の高周波誘導加熱装置40の図1中のA−A線断面の例を示すものであって、図2(a)は、平焼入用高周波誘導加熱装置としての高周波誘導加熱コイル30a,30bを備えた高周波誘導加熱蓑置40のA−A線断面図であり、図2(b)は、フィレットR焼入用高周波誘導加熱装置としての高周波誘導加熱コイル30a,30bを備えた高周波誘導加熱装置40のA−A線断面図である。
【0033】
図2(a),(b)中において、加熱対象であるピン3に対する2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bの位置関係に関して共通している点は、2台の高周波誘導加熱コイル30a,30bの加熱コイル部分29が、ピン部3の中心軸Yと直交しかつピン部3の幅方向を2等分する箇所(ピン部3の幅方向の2等分箇所)においてピン部3の中心軸Yに直交する軸線Zを中心とした回転対称な位置関係をもって配置され、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33a,33bと第2の高周波誘導加熱コイル30bの円弧状加熱導体部33a,33bとがピン部3の中心軸Yに沿う方向において全て異なる位置に配置されるように設定されていることである。更に詳しく述べると、第1の高周波誘導加熱コイル30aの構成要素である一対の円弧状加熱導体部33a,33bが挟む領域(一対の円弧状加熱導体部33a,33b間の領域)、すなわち第1の高周波誘導加熱コイル30aのみでは誘導加熱されにくい領域β1 には、もう一方の第2の高周波誘導加熱コイル30bの円弧状加熱導体部33aが対向するように配置されると共に、もう一方の第2の高周波誘導加熱コイル30bの構成要素である一対の円弧状加熱導体部33a,33bが挟む領域(一対の円弧状加熱導体部33a,33b間の領域)、すなわち第2の高周波誘導加熱コイル30bの加熱コイル部分29のみでは誘導加熱されにくい領域β2 には、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33bが対向するように2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイルが対向配置されるように構成されている。そのため、ピン部3の外周面Sは、中心軸Yに沿う方向(ピン幅方向)のほぼ全域が第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bのそれぞれの円弧状加熱導体部33a,33bと対向する状態になる。なお、図2中のα1 〜α4 は、各加熱導体部33a,33bによる加熱領域である)。
【0034】
このような状態で、中心軸Xを中心にクランクシャフトを回転駆動させて、図外の追従機構により前記中心軸Xを中心として公転運動するピン部3に第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bを追従させながら、これらの第2及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bに第1及び第2の高周波電源12a,12bからそれぞれ高周波電流を供給することにより、加熱対象であるピン部3の外周面Sに対して既述のような配置関係をもって配置された2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bによってピン部3の外周面Sで各々の誘導加熱されにくい領域β1 、β2 を互いに補完するように均一に誘導加熱することが可能となる。
【0035】
なお、上述した誘導加熱の態様は、クランクシャフト1のジャーナル部2の誘導加熱においても同様である。
【0036】
また、図2(c)は、上述の高周波誘導加熱装置40の図1中のA−A線断面図の他の例を示すものであり、クランクシャフト1のジャーナル部2aの外周面H,片側のR部M,及びスラスト部Nに連続する焼入硬化層を形成させる片フィレットR焼入用高周波誘導加熱装置としての高周波誘導加熱コイル30a,30bを備えた高周波誘導加熱装置40のA−A線断面図であり、特に片側にカウンターウエイト部が隣接しないジャーナル部2a(図5参照)に高周波焼入を施行する場合において有効である。
【0037】
ジャーナル部2aにはその一方側(図5では右側)にカウンターウエイト部4aが隣接しているが、このカウンターウエイト4a側のR部Mと外周面Hに連続した焼入硬化層を形成する場合には、図1に示すように2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bをジャーナル部2aの中心軸Xを挟む左右2方向から対向配置した状態の下で高周波誘導加熱が行なわれる。すなわち、図2(c)に示すように、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33aがジャーナル部2aの外周面Hに対して僅かな隙間を隔てて対向配置され、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33bがジャーナル部2のR部Mの近傍に配置される。そして、第2の高周波誘導加熱コイル30bの一対の円弧状加熱導体部33a,33bは、図2(c)に示すように、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33aの加熱領域を挟み込むように配置され、第2の高周波誘導加熱コイル30bの円弧状加熱導体部33bが第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33a,33b間の領域に対応する位置に配置される。
【0038】
なお、第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33a,33bの断面形状は、フィレットR焼入用高周波誘導加熱装置を構成する高周波誘導加熱コイルと類似形状をとり、第2の高周波誘導加熱コイル30bの円弧状加熱導体部33a,33bの断面形状は、平焼入用高周波誘導加熱装置を構成する半開放鞍型加熱コイルと類似形状である(図2(c)参照)。
【0039】
上述したように、ジャーナル部2aの高周波誘導加熱に際しても、図2(a),(b)に示すピン部3の高周波誘導加熱の場合と同様に、2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a及び30bの円弧状加熱導体部33a,33bがジャーナル部2の中心軸Xに沿う方向において全て異なる位置に配置するようにしている。更に詳しくは、第1の高周波誘導加熱コイル30aの構成要素である一対の円弧状加熱導体部33a,33bが挟む領域、すなわち第1の高周波誘導加熱コイル30aのみでは誘導加熱されにくい領域γ1 ,γ2 に第2の高周波誘導加熱コイル30bの円弧状加熱導体部33a,33bをそれぞれ対向配置すると共に、第2の高周波誘導加熱コイル30bの構成要素である一対の円弧状加熱導体部33a、33bが挟む、誘導加熱されにくい領域γ3 に第1の高周波誘導加熱コイル30aの円弧状加熱導体部33aを対向配置するように、2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bを配置するようにしている。これにより、ジャーナル部2aの外周面Hは、中心軸Xに沿う方向においてほぼ全域が第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bのそれぞれの円弧状加熱導体部33a,33bに対向配置された状態になるように構成されている。
【0040】
従って、このような状態で、中心軸Xを中心として回転駆動されたクランクシャフト1の回転運動に伴って公転運動を行うピン部に高周波誘導加熱装置40を追従させて高周波誘導加熱を行なうと、既述の如く平焼入及びフィレットR焼入の場合と同様に配置された2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bによってジャーナル部2aの外周面Hにおいてそれぞれ誘導加熱されにくい領域γ1 ,γ2 ,及びγ3 を互いに補完するように均一に誘導加熱することが可能となる。
【0041】
さらに、上述した片側のR部Mとスラスト部Nに硬化層を形成させる片フィレットR焼入用高周波誘導加熱装置としての2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bを備えた高周波誘導加熱装置40によれば、これらの高周波誘導加熱コイル30a,30bに高周波電流を供給するに際し、同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給可能なようにしているため、ジャーナル部2aの外周面H及びR部Mに形成される焼入硬化層深さを調整することが可能である。
【0042】
前述したようにジャーナル部2aには片側にカウンターウエイト部4aがあり、もう一方の側にはカウンターウエイト部がないため、ヒートマス(熱質量)に極端な差があり、ヒートマスの大きいカウンターウエイト4a側のR部Mにおける焼入硬化層深さは、熱伝導により熱が奪われるため焼入硬化層深さが浅くなり易く、反対側(カウンターウエイトが無い側)はヒートマスが小さいので加熱され易く、焼入硬化層深さが深くなる傾向がみられる。
【0043】
そこで、カウンターウエイト部4a側のR部Mの焼入硬化層深さを深くし、反対側の焼入硬化層深さを浅くするためには、まず、第1の高周波誘導加熱コイル30aに第1の高周波電源12aより高周波電流を供給し、次いで所要時間経過後に第2の高周波誘導加熱コイル30bに第2の高周波電源12bより高周波電流を供給することにより、R部Mの近傍部分が先に昇温を開始してこれに続いて外周面Hが昇温するため、R部Mには深い焼入硬化層を、そして外周面Hは浅い焼入硬化層をそれぞれ得ることができる。
【0044】
また、片側のR部Mとスラスト部Nに硬化層を形成させる片R焼入用高周波誘導加熱装置としての2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30bを備えた高周波誘導加熱装置40は、これらの高周波誘導加熱コイル30a、30bに供給する高周波電流の大きさは各々任意に選択調整可能であるため、ジャーナル部2aの外周面とR部の硬化層深さを調整することが可能である。
【0045】
例えば、ジャーナル部2aのR部Mには深い焼入硬化層を形成すると共に外周面Hには浅い焼入硬化層を形成する場合には、第1の高周波誘導加熱コイル30aに供給する高周波電流を、第2の高周波誘導加熱コイル30bに供給する高周波電流の大きさによりも相対的に小さくすればよい。この場合には、R部Mの近傍箇所に流れる誘導電流の値は外周面Hに流れる誘導電流の値よりも大きくなるため、R部Mには外周面Hよりも深い焼入硬化層を形成することができる。
【0046】
図3は本発明の別の実施形態に係る高周波誘導加熱装置50を示すものであって、この高周波誘導加熱装置50は、真鍮製又は樹脂製の一対の側板41a,41b間に挟持状態で保持された第1の高周波誘導加熱コイル11aと、真鍮製又は樹脂製の一対の側板42a,42b間に挟持状態で保持された第2の高周波誘導加熱コイル11bとを備えている。
【0047】
高周波誘導加熱装置50に備えられる2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bは、それぞれ、図7の高周波誘導加熱コイル11と同様に構成されたコイル体、すなわち高周波誘導加熱コイル11と同様に構成された第1及び第2の加熱コイル部分14a,14bを有するコイル体であり、互いに同一の形状に構成されている。
【0048】
また、互いに同一の形状を有する上述の2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bは、左右位置において互いに反対向きとなされて互いに対向配置されており、第1の高周波誘導加熱コイル11aの加熱コイル部分14a,14bが、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるクランクシャフト1のピン部3の外周面Sの一方側の側面半分部分に対向配置されるように構成されると共に、第2の高周波誘導加熱コイル11bの加熱コイル部分14a,14bが、クランクシャフト1の中心軸Xを中心に回転駆動されるクランクシャフト1のピン部3の外周面Sの他方側の側面半分部分に対向配置されるように構成されている。かくして、第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bの各々の加熱コイル部分14a,14bが、ピン部3の中心軸Yに沿う方向において互いにオフセットした配置関係をもって互いに対向した状態で、ピン部3の直径に対応する直径の円周上に沿って配置されている。
【0049】
また、図7に示すように、第1の高周波誘導加熱コイル11aの給電リード部16a,16bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)を介して第1の高周波電源12aに接続されると共に、第2の高周波誘導加熱コイル11bの給電リード部16a,16bは、高周波電流供給用のトランス(図示せず)を介して第2の高周波電源12bに接続されている。かくして、第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bには、上述の第1及び第2の高周波電源12a,12から図外のトランスをそれぞれ介して所定の高周波電流が供給されるように構成されている。
【0050】
さらに、本実施形態の高周波誘導加熱装置50にあっては、第1の高周波誘導加熱コイル11aが取付けられる一対の側板41a,41bには例えば3つのセラミック製又は超硬合金製のガイド部材51a,51b,51cが固定されており、第2の高周波誘導加熱コイル11bが取付けられる一対の側板42a,42bには第2の高周波誘導加熱コイル11bの加熱コイル部分14a,14b間の1箇所にのみガイド部材51dが固定されている。
【0051】
図4(a)は、図3におけるB−B線断面を示すものであり、第1の高周波誘導加熱コイル11aの加熱コイル部分14a,14bの一対の円弧状加熱導体部17a,18aと17b,18bとがピン部3のR部Mの近傍にそれぞれ配置され、これらの円弧状加熱導体部17a,17bが同一円周上に配置されると共に円弧状加熱導体部18a,18bが同一円周上に配置される。
【0052】
図4(b)は、図3におけるC−C線断面を示すものであり、第2の高周波誘導加熱コイル11bの第1の加熱コイル部分14aの一対の円弧状加熱導体部17a,18aと、第2の加熱コイル部分14bの一対の円弧状加熱導体部17b,18bとは、ピン部3の外周面S上にそれぞれの加熱領域が重複しないように互いにオフセットされた位置に配置される。そして、第2の高周波誘導加熱コイル11bによる加熱領域は、第1の高周波誘導加熱コイル11aの円弧状加熱導体部17a,17bと18a,18bとによる加熱領域の間に位置するように配置される。
【0053】
従って、ピン部3の外周面S及びR部Mの近傍領域の全てが前記2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bの円弧状加熱導体部17a,17b,18a,18bに対向するため、外周面Sの全周面にわたって均一に誘導加熱を行うことができる。
【0054】
また、前述した片R焼入の場合と同様に、2台の高周波誘導加熱コイル11a,11bに高周波電流を時間差を以て供給することにより、或いはそれぞれに供給する高周波電流の大きさを各々適宜選択することにより、R部M及び外周面Sの昇温速度を調整することにより硬化層全体の深さを任意に調整可能である。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、本発明の別の実施形態における高周波誘導加熱装置50の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bの形状は、2台とも従来の高周波誘導加熱装置 の高周波誘導加熱コイル11と同等の構成のものとしたが、一方を高周波誘導加熱コイル30と同等形状のものとしても良く、さらに、既述の実施形態では両方のR部Mの近傍に配置された第1の高周波誘導加熱コイル11aと外周面Sに対向配置された第2の高周波誘導加熱コイル11bに供給する高周波電流の大きさを調節することにより焼入硬化層各部の深さを調整するようにしているが、この2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル11a,11bに異なる周波数の高周波電流を供給することにより焼入硬化層各部の深さを調整するようにしてもよい。また、既述の実施形態では、全て、2台の第1及び第2の高周波誘導加熱コイル30a,30b、或いは、11a,11bとしたが、3台以上の高周波誘導加熱コイルをピン部3或いはジャーナル部2に対応配置して高周波誘導加熱を行なうことも可能である。また、既述の実施形態では、高周波誘導加熱による高周波焼入について述べたが、高周波焼戻にも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、複数の高周波誘導加熱コイルをクランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面上に設置する際に、前記ピン部又はジャーナル部の外周面に僅かな隙間を隔てて対向配置される前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面の全周を取り囲むと共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置し、この状態の下で、前記クランクシャフトを前記クランクシャフトの中心軸を中心に回転させると共に前記複数の高周波誘導加熱コイルを前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に追従させながら、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ高周波電流を供給することにより、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしたものであるから、加熱対象であるピン部又はジャーナル部の外周面の幅方向(ピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向)において前記外周面のほぼ全域に複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を対向配置することが可能となり、ピン部或いはジャーナル部の外周面を全周面にわたり熱伝導に依存することなく均一に高周波誘導加熱することができる。従って、熱伝導のために加熱時間を延長することなく、短時間で深さのバラツキの少ない良好な焼入硬化層を形成させることが可能であり、クランクシャフトの熱処理時間を短縮し得て生産性を向上させることができる。
【0057】
また、請求項1に記載の本発明によれば、高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給するようにしているので、各高周波誘導加熱コイルに高周波電流を供給するタイミングを変化させることにより、焼入硬化層の各部の硬化層深さを任意に調整することが可能であり、高周波誘導加熱コイルの調整、交換を伴うことなく、多種多様な焼入仕様に対応することができる。
【0058】
また、請求項1に記載の本発明によれば、複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしているので、各高周波誘導加熱コイルヘ供給する高周波電流の大きさを変化させることにより、焼入硬化層の各部の硬化層深さを任意に調整することができるため、高周波誘導加熱コイルの調整、交換を伴うことなく、多種多様な焼入仕様に対応することができる。
【0059】
また、請求項2に記載の本発明は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いに異なる外周面上の領域にそれぞれ対向配置される加熱コイル部分を有する複数の高周波誘導加熱コイルを備え、複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分をクランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置して、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて取り囲み、この状態の下で、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしたものであるから、クランクシャフトのピン部或いはジャーナル部の全周面にわたり熱伝導に依存することなく均一に加熱することができる。そのため、熱伝導のために加熱時間を延長することなく、短時間で深さのバラツキの少ない良好な焼入硬化層を形成させることが可能であり、クランクシャフトの熱処理時間を短縮し得て生産性を向上させることができる。
【0060】
また、請求項3に記載の本発明は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に対向配置される複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を互いに同一の形状に構成すると共に、複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分は、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に対して直交し、かつ、ピン部又はジャーナル部の幅方向の2等分箇所において前記中心軸に直交する軸線に対して回転対称の位置関係を持って配置するようにしたものであるから、一方の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて加熱しにくい領域を他方の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分により補完的に高周波誘導加熱することができ、均一な加熱処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランクシャフトの高周波誘導加熱方法を実施するために用いられる高周波誘導加熱装置の側面図である。
【図2】図2(a)及び(b)は図1におけるA−A線拡大断面図、図2(c)はジャーナル部を高周波誘導加熱する場合を示す図2(a),(b)と同様の断面図である。
【図3】本発明に係るクランクシャフトの高周波誘導加熱方法を実施するための別の実施形態の高周波焼入装置の側面図である。
【図4】図4(a)は図3におけるB−B線拡大断面図、図4(b)は図3におけるC−C線拡大断面図である。
【図5】4気筒エンジン用クランクシャフトの斜視図である。
【図6】従来のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置の側面図である。。
【図7】図6の高周波誘導加熱装置の構成要素である高周波誘導加熱コイルの概斜視図である。
【図8】従来の別のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置の側面図である。
【図9】図8の高周波誘導加熱装置の構成要素である別の高周波誘導加熱コイルの斜視図である。
【図10】ピン部及びジャーナル部の外周面に形成される好ましい焼入硬化層を示す断面図である。
【図11】図11(a)は従来のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置を用いてピン部の外周面を平焼入のために高周波誘導加熱する場合の高周波誘導加熱コイルの配置関係を示す図6におけるD−D線拡大断面図、図11(b)はピン部の外周面に形成される焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図12】図12(a)は従来のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置を用いてピン部の外周面をフィレットR焼入のために高周波誘導加熱する場合の高周波誘導加熱コイルの配置関係を示す断面図、図12(b)はピン部の外周面に形成される焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図13】図13(a)は従来のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置を用いてピン部の外周面を片R焼入のために高周波誘導加熱する場合の高周波誘導加熱コイルの配置関係を示す断面図、図13(b)はピン部の外周面に形成される焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【符号の説明】
1 4気筒エンジン用クランクシャフト
2(2a〜2e) ジャーナル部
3(3a〜3d) ピン部
11a 第1の高周波誘導加熱コイル
11b 第2の高周波誘導加熱コイル
12a 第1の高周波電源
12b 第2の高周波電源
14a 第1の加熱コイル部分
14b 第2の加熱コイル部分
17a,17b,18a,18b 円弧状加熱導体部
29 加熱コイル部分
30a 第1の高周波誘導加熱コイル
30b 第2の高周波誘導加熱コイル
43a,43b,44a,44b ガイド部材
51a〜51d ガイド部材
H ジャーナル部の外周面
S ピン部の外周面
X クランクシャフトの中心軸
Y ピン部の中心軸
Claims (3)
- 複数の高周波誘導加熱コイルをクランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面上に設置する際に、前記ピン部又はジャーナル部の外周面に僅かな隙間を隔てて対向配置される前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面の全周を取り囲むと共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置し、
この状態の下で、前記クランクシャフトを前記クランクシャフトの中心軸を中心に回転させると共に前記複数の高周波誘導加熱コイルを前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に追従させながら、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ高周波電流を供給することにより、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、
前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしたこと、
を特徴とするクランクシャフトの高周波誘導加熱方法。 - クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面上にガイド部材を介して高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトを前記クランクシャフトの中心軸を中心に回転させて前記高周波誘導加熱コイルを前記ピン部又はジャーナル部の外周面に追従させながら前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するようにしたクランクシャフトの高周波加熱装置において、
前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いに異なる外周面上の領域にそれぞれ対向配置される加熱コイル部分を有する複数の高周波誘導加熱コイルを備え、
前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に沿う方向において互いにオフセットした位置に配置して、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分にて取り囲み、この状態の下で、前記ピン部又はジャーナル部の外周面を高周波誘導加熱するに際し、
前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の幅方向の各部において均一な焼入硬化層、或いは、必要に応じて各部において深さが異なる焼入硬化層を得ることが可能なように、前記複数の高周波誘導加熱コイルにそれぞれ同時に或いは時間差をもって高周波電流を供給すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルに供給する高周波電流の大きさをそれぞれ任意に調整可能にしたこと、
を特徴とするクランクシャフトの高周波誘導加熱装置。 - 前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の外周面に対向配置される前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分を互いに同一の形状に構成すると共に、前記複数の高周波誘導加熱コイルの加熱コイル部分は、前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の中心軸に対して直交し、かつ、前記ピン部又はジャーナル部の幅方向の2等分箇所において前記中心軸に直交する軸線に対して回転対称の位置関係を持って配置するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトの高周波誘導加熱装置。
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JP2003071225A JP4209227B2 (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | クランクシャフトの高周波誘導加熱方法及び装置 |
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