JPH07246332A - 酸素吸収剤 - Google Patents

酸素吸収剤

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JPH07246332A
JPH07246332A JP7008910A JP891095A JPH07246332A JP H07246332 A JPH07246332 A JP H07246332A JP 7008910 A JP7008910 A JP 7008910A JP 891095 A JP891095 A JP 891095A JP H07246332 A JPH07246332 A JP H07246332A
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oxygen
iron powder
oxygen absorbent
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Ryuzo Ueno
隆三 上野
Shinya Takada
慎也 高田
Tatsuo Kanayama
龍男 金山
Akihiko Tabata
昭彦 田畑
Kazunori Hatanaka
和憲 畑中
Tomoo Fujigami
朝生 藤上
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Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温においても酸素吸収能に優れ畜肉加工品
の変色を抑制できる酸素吸収剤を得ること。 【構成】 (i)活性化鉄粉および(ii)アルミニウムの水
酸化物からなり、水酸化物が鉄粉100重量部に対して
10〜40重量部であり、実質上水分を含まない酸素吸
収剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素吸収剤およびそれ
を用いる食品の保存方法に関する。さらに詳しくは錆の
発生が抑制され、かつ低温保存において充分な酸素吸収
能を有する水分依存型の酸素吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酸素吸収剤は食品保存技術の一つ
として利用されている。酸素吸収剤の素材としては、安
全性、速度、コスト等の面からは鉄粉を使用したものが
主流である。酸素吸収剤の反応様式としては、水分を剤
自体に含有する自力反応型と水分を共存する食品からの
水蒸気として得ることにより反応する水分依存型に分類
される。また、流通機構の発達にともなって、低温下で
流通・販売される食品が増加している。これらの食品に
対して酸素吸収剤が使用され始めているが、この場合、
使用される酸素吸収剤には低温下で充分な酸素吸収能を
発現することが要求される。特に畜肉加工食品であるハ
ム等では、予めスライスしたものをトレーなどに封入し
た状態で流通・販売される商品がみられるようになっ
た。この場合、商品は小売店において蛍光灯のもとに曝
される状態で陳列されるため、商品パック内に酸素が存
在する場合、ハム等の表面の色が退色し、商品価値がな
くなるという問題がある。そこでこのような商品につい
ても酸素吸収剤の使用が検討されつつある。
【0003】しかしながら、低温下で流通・販売される
食品に対応できるような酸素吸収剤は見あたらず、必要
以上に大きなサイズの酸素吸収剤を用いることが試みら
れているが、未だ充分ではない。特に取扱の容易な水分
依存型の酸素吸収剤においてこの傾向が強い。また、水
分依存型の酸素吸収剤の場合、錆の発生が大きな問題点
としてあげられる。流通・販売段階で錆が発生すると酸
素吸収剤の包材に浸み出し商品としての美観を損ねた
り、錆が食品を汚染して商品価値そのものがなくなるな
どの問題があるため、その解決が望まれている。
【0004】特開平5−177130号公報や特開平5
−237373号公報には、酸素吸収能を高める試みが
なされているが、これらはいわゆる自力反応型の酸素吸
収剤に関するものであり、特定の比表面積を有すること
を特徴とするが、錆の発生については検討が不十分であ
り、むしろ錆の発生が助長されると予測される処方を含
んでいる。錆の発生の防止としては、シリコン樹脂やフ
ッ素樹脂の使用(特開昭57−135041号公報)、シ
リコンオイルの使用(特開昭60−139334号公報)
や粘着性素材の使用(特開平4−290545号公報)な
どが検討されているが、未だ充分とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は低温流通・販
売される食品の劣化防止をも可能にする、低温下におい
ても充分な酸素吸収能を発現し、かつ錆の発生が防止さ
れた酸素吸収剤を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、i)活性化鉄粉
およびii)アルミニウムの水酸化物からなり、この水酸
化物の含有量が鉄粉100重量部に対して10〜40重
量部であり、実質的に水分を含まないことを特徴とする
酸素吸収剤、およびこの酸素吸収剤とともに封入するこ
とを特徴とする食品の保存方法に関する。
【0007】本発明の酸素吸収剤は酸素吸収剤の反応様
式から分類すれば、水分依存型に属するので、実質的に
水分を有さない。従って、本発明の酸素吸収剤の水分含
量は2%以下、好ましくは1%以下である。本発明にお
いて、活性化鉄粉とは、自身が酸化されて酸素を吸収す
る粉体状の金属鉄である。
【0008】本発明に使用される鉄粉としては、例えば
ガス還元された還元鉄粉、海綿状の噴霧鉄粉、高密度電
流で生成する電解鉄粉などの鉄粉、鋳鉄、鋼、鉄合金等
の鉄製品を粉砕したものが挙げられる。また、この鉄粉
は、不純物を含むものあるいは部分的に酸化されたもの
であってもよい。
【0009】この鉄粉において、比表面積は0.05m2
/g以上、好ましくは0.1m2/g以上であり、平均粒
径は50〜300μm、好ましくは75〜150μmで
あることが望ましい。比表面積が0.05m2/g以下の
場合は、錆の発生は少ないが低温における酸素吸収能が
劣る。平均粒径が300μm以上の場合は、酸素吸収速
度が低下し、平均粒径が50μm以下の場合は、他成分
との混合が不均一となり、また粉塵等により作業性が著
しく低下する。
【0010】活性化鉄粉の調製は、公知の方法のいずれ
かにおいても可能であるが、例えば以下の方法が有効で
ある。 (1)塩類(ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物等)
の水溶液を鉄粉に接触させた後、水分を除去する方法。 (2)上記塩類と鉄粉を単純にあるいは機械的に混合する
方法。 (3)上記塩類の代わりに、鉱酸(塩酸、硫酸等)または有
機酸(クエン酸、シュウ酸等)の水溶液を鉄粉に接触させ
た後、水分を除去する方法。
【0011】これらの方法のうち、特に好ましい方法
は、塩類としてハロゲン化物を用い、鉄粉と直接混合す
るか、水溶液として添加混合後水分を除去する方法であ
る。この時のハロゲン化物の使用量は、特に限定されな
いが、通常鉄粉100重量部に対して0.01〜20重
量部、好ましくは0.1〜10重量部である。ハロゲン
化物としては、特にハロゲン化金属が好ましく、例え
ば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、
臭化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属類、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化カ
ルシウム等のハロゲン化アルカリ土類金属類、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛等の塩化金属が挙げられる。
【0012】本発明においてアルミニウムの水酸化物
は、鉄粉が酸化して生成する酸化鉄(錆)の微粒子が包材
を透過して、包材表面に析出することを防止する。その
理由は明らかでないが、アルミニウムの水酸化物の表面
に錆の微粒子が付着するか、あるいはアルミニウムの水
酸化物の表面を介して錆の微粒子が粗大化されるものと
考えられる。使用されるアルミニウムの水酸化物として
は、ヒドラージ系の水酸化物アルミニウム、ベーマイト
系の水酸化物アルミニウム、ギブサイト系の水酸化物ア
ルミニウム、あるいはそれらの水和物が挙げられるが、
鉄粉と均一に混合しやすく、最も経済的なヒドラージ系
の水酸化物アルミニウムが好ましい。アルミニウムの水
酸化物の使用量は鉄粉100重量部に対して10〜40
重量部であり、10重量部より少ない場合は錆の析出防
止効果が不十分であり、40重量部より多い場合は低温
下における酸素吸収能が不十分である。
【0013】本発明の酸素吸収剤は、通常、食品と混和
しないように紙、不織布、マイクロポーラスフィルム、
プラスチックフィルム等の通気性包材で包装し、食品と
隔離した状態で用いられる。好ましい使用形態として
は、前述した通気性包材で袋を作り、その中に本発明の
酸素吸収成分を充填した状態で使用する方法があげられ
る。包材として非通気性材料を用い、使用時これを穿孔
などにより通気性にしてもよい。
【0014】本発明を実施するに際しては、本発明の酸
素吸収剤と食品とは、当然、外気と遮断された状態で共
存在させるのが好ましく、特にガスバリア性に優れた包
材で密封された状態で存在させるのが望ましい。このよ
うな包材としてはガラスビン、金属缶、アルミラミネー
ト、アルミ蒸着フイルム、ポリ塩化ビニリデンコートフ
イルム、ポリエステルフイルム、またはこれらのラミネ
ートフイルム、シートなどがあげられる。
【0015】本発明に適用される食品としては、本発明
の酸素吸収剤が水分依存性に属するので、酸素吸収能を
発現するために食品からの水分の移行が必要である。従
って、一定量以上の水分を有する食品が必要であり、水
分活性として0.75程度以上の食品が好ましい。具体
的な食品としては、例えば、ハム、ソーセージ、ベーコ
ンなどの畜肉加工食品、サキイカ、ちくわ、かまぼこな
どの水産加工食品あるいは水産練製品、つくだに、とろ
ろこぶ、おぼろこぶ等の海藻加工食品、うどん、そば、
ラーメン、スパゲッティなどの麺類、饅頭、どら焼き、
ケーキ、シュークリームなどの和・洋菓子、米飯、赤
飯、モチ、ピザ、味噌などの穀類加工食品等があげられ
る。
【0016】本発明の酸素吸収剤は、低温保存される食
品の劣化に対しても優れた保存効果を発現する。ここで
低温保存とは、通常、15℃以下での保存を意味し、好
ましくは−5〜15℃である。本発明の酸素吸収剤は、
例えば4℃の保存において24時間程度で系内の残存酸
素濃度を0.1%以下とすることが可能となる。
【0017】なお、本発明の実施に際しては、本発明の
酸素吸収剤と食品をガスバリア性に優れた包材で密封さ
れた状態で存在させる場合にガスバリア性の包材で形成
された系内に窒素ガスや炭酸ガスを充填することも可能
である。
【0018】以下、本発明を実施例、試験例によりさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0019】・実施例1 COガス還元方式で製造された比表面積2.5m2/g、
平均粒径120μmの鉄粉100重量部に、1.2重量
部のNaClを含む食塩水を添加混合し、水分を2%以下
まで乾燥させた。次に20重量部のヒドラージ系Al(O
H)3(中心粒径50μm)を混合して酸素吸収組成物を得
た。この酸素吸収組成物の1.5gをポリエチレンテレ
フタレートとポリエチレンのラミネートフィルム(A)と
ポリプロピレン製微多孔膜(NFシート、徳山曹達(株)
製)とポリエチレン及びポリプロピレンからなる不織布
(サンモア、日本バイリーン(株)製)をラミネートし、フ
ッ素系撥水撥油剤で処理したシート(B)(ガーレー式透
気度約80秒/100ml)の間に4方シールすることに
よって包装し、酸素吸収剤を得た。
【0020】・実施例2〜4 実施例1のAl(OH)3の混合量を10、30および40
重量部とした他は実施例1と同様にして酸素吸収剤を得
た。
【0021】・実施例5 COガス還元で製造された比表面積2.5m2/g、平均
粒径120μ、嵩密度2.2g/mlの鉄粉100重量
部に市販の微粒塩(NaCl)(中心粒子径180μ)とヒ
ドラージ系水酸化アルミニウム(中心粒子径50μ)を
1:3の重量比で混合粉砕したもの4重量部、及び前記
水酸化アルミニウム22重量部をV字ブレンダーで混合
し酸素吸収組成物をえた。
【0022】・比較例1 実施例1のAl(OH)3を使用しない他は実施例1と同様
にして酸素吸収剤を得た。
【0023】・比較例2〜4 実施例1のAl(OH)3の混合量をそれぞれ7、50、お
よび200重量部とした他は実施例1と同様にして酸素
吸収剤を得た。
【0024】・比較例5〜8 実施例1のAl(OH)3の代わりにBaSO4(中心粒径7
0μm)、CaCO3(中心粒径5μm)、シリカゲル(中心粒
径30μm)、天然ゼオライトの焼成粉砕品(中心粒径7
5μm)を用いた他は実施例1と同様にして酸素吸収剤を
得た。
【0025】・試験例1 スライスしたボンレスハムに酸素吸収剤を乗せ、ハムで
酸素吸収剤を挟むようハムを2つ折りにしてナイロン/
ポリエチレン製の袋に入れ、袋の端は開封のまま筒状に
巻いて輪ゴムで止めた。このものを10℃の冷蔵庫に保
存し、経日的に観察して、錆が発生するまでの日数を調
べた。この試験を実施例1〜4及び比較例1,2,5〜8
の酸素吸収剤を用いて行った結果を表1に示した。
【表1】
【0026】・試験例2 プラスチックトレーに2枚の冷蔵したロースハム(スラ
イス品)を乗せ、その上に実施例1、3、および4で製
造した各酸素吸収剤(内容量1.5g)を置き、空気25
0mlとともにKナイロン製の袋に密封した。この包装品
を4℃の冷蔵庫で保存し、経時的に包装内の残存酸素濃
度を測定して、残存酸素濃度が<0.1%以下となるま
での所要時間を測定した。また、対照として、比較例
1、3、および4の脱酸素吸収剤及び市販の酸素吸収剤
を用いて同様に試験を行った。結果を表2に示した。
【表2】
【0027】・試験例3 試験例2と同様にして、実施例1及び3で製造した酸素
吸収剤を用いたロースハム包装品を製造し、4℃で16
時間保存した後に、蛍光灯下10℃で6時間保存した。
この保存したハム(2枚)の色を各々色差計(Z−II
型、日本電色工業(株))で測定し、測定されたa値(赤色
度)、b値(黄色度)の比(b/a値)を求めた。また、比較の
ために、酸素吸収剤を使用しないもの、及び市販酸素吸
収剤を使用して同様に包装したものも同時にテストを行
った。結果を表3に示した。尚、このb/a値は一般的に
畜肉製品の発色の程度を表わす指数として用いられてい
るもので数字が小さい方が発色が良好となる。
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の酸素吸収剤を用いると低温保存
条件下でも優れた酸素吸収能を示す。従って従来の酸素
吸収剤では低温保存下で変色を生じていたハム等の畜肉
加工品を変色なく保存することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 49/00 Z (72)発明者 田畑 昭彦 兵庫県宝塚市川面5−5−17 (72)発明者 畑中 和憲 大阪府藤井寺市西古室1−40−2 (72)発明者 藤上 朝生 大阪府茨木市紫明園11−C308

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i)活性化鉄粉およびii)アルミニウムの
    水酸化物からなり、この水酸化物の含有量が鉄粉100
    重量部に対して10〜40重量部であり、実質的に水分
    を含まないことを特徴とする酸素吸収剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸素吸収剤を食品ととも
    に封入することを特徴とする食品の保存方法。
  3. 【請求項3】 食品が低温保存される食品である請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 食品が畜肉加工食品である請求項2記載
    の方法。
JP00891095A 1994-01-24 1995-01-24 酸素吸収剤 Expired - Lifetime JP3571395B2 (ja)

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JP6-5642 1994-01-24
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023005342A (ja) * 2021-06-29 2023-01-18 Dowaエレクトロニクス株式会社 脱酸素剤用鉄粉

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023005342A (ja) * 2021-06-29 2023-01-18 Dowaエレクトロニクス株式会社 脱酸素剤用鉄粉

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