JP2993086B2 - 食品保存剤 - Google Patents

食品保存剤

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JP2993086B2 JP2247251A JP24725190A JP2993086B2 JP 2993086 B2 JP2993086 B2 JP 2993086B2 JP 2247251 A JP2247251 A JP 2247251A JP 24725190 A JP24725190 A JP 24725190A JP 2993086 B2 JP2993086 B2 JP 2993086B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品の保存剤に関する。さらに詳しくは、酸
素を吸収しつつ、且つエチルアルコールを蒸散する食品
保存剤に関する。
〔従来の技術〕
食品等の保存方法として、かび、酵母、細菌類の増殖
抑制を主目的としてエチルアルコールの噴霧添加等が実
施されてきた。しかし、この方法の場合、エチルアルコ
ールを直接食品へ添加する為、風味上問題となる場合が
多かった。
即ち、エチルアルコールを液状で添加する為、添加量
の調節が困難であり、添加量が多すぎると本来の食品の
風味、香りがアルコール臭気により隠蔽されてしまい、
逆に少なすぎると、かび、酵母、細菌類の増殖抑制効果
が十分に発揮されないとの問題点があった。
更に、エチルアルコールの噴霧添加のみでは、食品の
酸化に起因する品質劣化(変色、油脂の酸化等)を防ぐ
ことは出来なかった。
一方、最近食品の保存方法の一つとして脱酸素剤を用
いて、食品容器内の酸素を除去する方法が普及してき
た。しかし、この脱酸素剤による保存方法のみでは、嫌
気性菌による腐敗を防止できず、また、かび等による食
品の変質が起きるまでに容器内の酸素を除去しなければ
ならない欠点があった。
ところで、特開昭55−109444公報には、酸素を吸収し
つつ、且つエチルアルコールを蒸散する食品保存剤とし
て鉄粉とエタノールとからなる食品保存剤組成物が開示
されている。この技術は嫌気性菌に対しても効力を有す
る食品保存剤として有効なものであった。
しかしながら、同公報に記載の組成物のように、脱酸
素活性をもつ鉄粉をエタノールと共存させると、酸素吸
収した場合アセトアルデヒドが生成し異臭が発生すると
いった問題があった。
この対策として特開昭62−186941公報には高分子アミ
ンをアセトアルデヒド吸収剤として配合する方法が開示
されているが、この方法はアミン臭を発生するなどの問
題があり実際的でなかった。
また、特公平1−15271公報にはアスコルビン酸を主
剤とする脱酸素成分とエタノール水溶液からなる食品保
存剤組成物が開示されている。この方法は鉄粉を主剤と
する食品保存剤に較べはるかにアセトアルデヒド発生量
が少なくなると言う利点があるものの高価なアスコルビ
ン酸を使用するためコストが高くなる難点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、酸素を吸収しつつかつエチルアルコ
ールを蒸散する食品保存剤として、使用中にアセトアル
デヒドの異臭を発生することなく、且つ安価な食品保存
剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するための手段は糖アルコール、ア
ルカリ性物質、30%以上のエチルアルコール溶液および
遷移金属化合物からなる組成物を食品保存剤とすること
である。
本発明における糖アルコールとしては炭素数3〜6の
糖アルコールが挙げられ、より具体的には、グリセリン
等の炭素数3の糖アルコール、エリスリトール等の炭素
数4の糖アルコール、アラビトール、キシリトール、ア
ビニトール等の炭素数5の糖アルコール、ソルビトー
ル、マンニトール等の炭素数6の糖アルコールが例示さ
れる。特に好ましいのはグリセリンである。
アルカリ性物質としては、アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が好まし
く、アルカリ金属の水酸化物が特に好ましい。具体的に
は例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
カルシウム等が好ましく、これらの中でも水酸化カルシ
ウムが特に好ましい。アルカリ性物質は一種または二種
以上の併用で用いることができる。糖アルコールに対す
るアルカリ性物質の混合量は糖アルコール100部(重量
部、以下、同じ。)に対し10部以上が好ましく、30〜5,
000部が更に好ましい。アルカリ性物質の混合量が上記
範囲より少ない場合、組成物としての酸素吸収量が小さ
くなるので好ましくなく、またアルカリ性物質の混合量
が上記範囲より多くなると、単位重量当たりの酸素吸収
量が小さくなるので組成物を包装する包材を大きくする
必要があり、食品包装体への装填面での不備が生じると
ともに、外観面でも好ましくない。
エチルアルコール溶液の濃度は、密閉系内に蒸散する
エチルアルコールの食品保存への効果の観点から、30%
以上、好ましくは50%以上である。
遷移金属化合物としては遷移金属のハロゲン化物、硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、
有機酸塩、その他の複塩、キレート化合物等が挙げられ
る。遷移金属としては鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、マンガン等が用いられるが、好ましいのは鉄、銅、
マンガン等であり、特に好ましいのは反応速度の速いマ
ンガンである。
遷移金属化合物の好ましい具体例として塩化第一鉄、
塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一銅、塩
化第二銅、硫酸第二銅、水酸化第二銅、クエン酸塩、酒
石酸銅、塩化マンガン、臭化マンガン、酢酸マンガン、
水酸化マンガン等を挙げることが出来る。これら遷移金
属化合物は必要に応じて一種または二種以上併用して添
加されるもので、本発明の組成物の触媒として働き、そ
の配合量は糖アルコール100部に対し、1部以上が好ま
しく、5部以上が特に好ましい。
フィラーの添加は必ずしも必要ではないが、たとえば
粒状組成物の流動性を改善し取扱いを容易にするのに効
果がある。
フィラーの具体例としては活性炭、ゼオライト、パー
ライト、珪藻土、活性白土、シリカ、カオリン、タル
ク、ベントナイト、活性アルミナ、石膏、シリカアルミ
ナ、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、カー
ボンブラック、水酸化アルミニウム、酸化鉄等の粉末ま
たは粒状物が挙げられる。
本発明において上述した各成分の混合方法は特に制限
はないが、たとえば粒状物に液を噴霧含浸させるなどの
方法を採用することができる。また、エチルアルコール
溶液をフィラーに含浸させ、他の成分とは別に通気性包
材に充填するなどの方法を採ることもできる。
上記組成物を包装する包装材料としては、エチルアル
コールガスと酸素が十分通気することが必要で、例えば
有孔ポリエチレンフィルムをラミネートした紙包材等が
用いられる。
本発明において食品は、密閉容器内に上記食品保存剤
とともに封入することにより、エチルアルコールが蒸散
されつつ容器内の酸素が除去され、長期間風味を保持し
つつ保存することが可能となる。しかもこの間、アセト
アルデヒドの異臭が発生することなく保存することが可
能となる。
本発明は各種食品の保存に有効であるが、特にカステ
ラ等の菓子、パン、カスタードクリーム入りケーキ、マ
ロングラッセ、どら焼き、最中、甘納豆、まんじゅう、
羊羹(飴製品)、水餅米、調理米、ピザ、餅、白玉粉や
生パン粉、ラーメン、うどん、そばなどの生麺、ゆで
麺、佃煮、チーズと魚肉の珍味類、ハム、ソーセージ、
ベーコン、サラミなどの畜肉加工品、明太子、味付け数
の子などの魚卵製品、魚の開き、丸干し、くん製などの
塩干物、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練製品等、
水分活性が0.65以上のかび、酵母、細菌などの微生物の
変敗を受けやすい食品の保存に好適である。
本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 グリセリン0.5g、50%エチルアルコール水溶液1g、塩
化マンガン0.2g、水酸化カルシウム(粒状)5gを混合し
た後、紙と有孔ポリエチレンをラミネートした包材を用
いて作った通気性包材(縦50mm、横80mm)に収納し、食
品保存剤とした。
また、ソルビット1g、水0.6g、水酸化カルシウム1g、
塩化マンガン0.4g、合成シリカ0.6g、活性炭0.2gを混合
し脱酸素成分とし、更に、50%エチルアルコール水溶液
0.6gを合成シリカ0.5gに含浸させてエタノール発生成分
とし、両者を上記の通気性包材に収納して食品保存剤
とした。
また、比較のため、鉄粉0.5g、20%食塩水0.06g、エ
チルアルコール0.2g、ゼオライト0.4gを混合して上記の
通気性包材に収納し、食品保存剤とした。
3種の食品保存剤を生パン粉50gとともに、ポリ塩化
ビニリデンコートした延伸ナイロンとポリエチレンをラ
ミネートした袋(180X250mm)に入れ、密封後、25℃の
雰囲気に放置した。5日後に系内の酸素濃度とエチルア
ルコール濃度及びアセトアルデヒドの濃度をガスクロマ
トグラフで分析した結果を表1に示す。
袋内の酸素濃度はいずれの食品保存剤の場合も完全に
脱酸素(0.1%以下)され、且つ食品保存に有効なエチ
ルアルコールの発生量も十分であった。
しかしながら、比較例の食品保存剤においてはアセ
トアルデヒドの生成量が多く、分析終了後、開封して臭
いを調べたところ明らかなアセトアルデヒド臭が認めら
れた。これに対し本発明の食品保存剤及びではアセ
トアルデヒドの発生量が分析下限以下であり、且つ開封
してもアセトアルデヒドの異臭を全く感じなかった。
実施例2 実施例1の食品保存剤を生パン粉50gとともに、ポ
リ塩化ビニリデンコートした延伸ナイロンとポリエチレ
ンをラミネートした袋(180X250mm)に入れ、密封後、2
5℃の雰囲気に45日間放置し保存状態を調べた。また、
比較のため食品保存剤を入れないものについても同様の
試験を行った。
食品保存剤を入れた生パン粉は45日後も保存状態は
良好で、袋を開封した際もエチルアルコール臭のみで腐
敗臭やアセトアルデヒド臭は認められなかった。
一方、食品保存剤を入れなかったものについては、開
封時、強い腐敗臭が認められた。
[発明の効果] 本発明の食品保存剤は、 (1)酸素吸収速度が大きいとともに (2)従来の鉄粉−エタノール系の食品保存剤に見られ
たアセトアルデヒド発生の問題が皆無となっており、 (3)さらに、エチルアルコール溶液の濃度が30%以上
に特定されたため、密閉系内に蒸散するエチルアルコー
ルが食品の保存に十分なものとなり、嫌気性菌に起因す
る腐敗防止等に格別の効果を発揮し、 (4)また、本発明に用いる食品保存剤は1剤の構成で
あることから、その製造時、使用時の取扱が簡便であ
り、 (5)更に、高価な原料を使用しないことから、低コス
トでの提供が可能になること、 などの特有の効果を有するものである。
なお、本発明によれば、嫌気性菌をも含めた微生物の
増殖を抑制し、腐敗を防止するとともに、食品中の油の
劣化、味の変化、香気、色変化等をも防止出来ること等
の効果が得られるものであり、いいかえれば、微生物の
増殖を抑制しつつ酸化による食品の品質劣化を防止し、
風味を変質させることなく食品を長期間保存することが
できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−220178(JP,A) 特開 昭62−186941(JP,A) 特開 昭57−189675(JP,A) 特開 昭57−79869(JP,A) 特開 昭55−109444(JP,A) 特公 平1−15271(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 3/3436

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖アルコール、アルカリ性物質、30%以上
    のエチルアルコール溶液および遷移金属化合物からなる
    組成物を通気性包材に充填してなる食品保存剤。
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