JPH0721632B2 - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH0721632B2
JPH0721632B2 JP12319087A JP12319087A JPH0721632B2 JP H0721632 B2 JPH0721632 B2 JP H0721632B2 JP 12319087 A JP12319087 A JP 12319087A JP 12319087 A JP12319087 A JP 12319087A JP H0721632 B2 JPH0721632 B2 JP H0721632B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、ハロゲン化銀乳剤の液滴が重合性化合物中に
分散している液状の感光性組成物に関する。
[発明の背景] ハロゲン化銀の潜像が形成された部分において、還元剤
の作用により重合性化合物を重合させて画像を形成する
方法に利用される感光材料が、特公昭45-11149号、同47
-20741号、同49-10697号、特開昭57-138632号、同57-14
2638号、同57-176033号、同57-211146号、同58-107529
号、同58-121031号、同58-169143号各公報記載の画像形
成方法において示されている。
上記方法の改良として、特開昭61-69062号、同61-73145
号各公報に、乾式処理で高分子化合物の形成を行なうこ
とができる方法が記載されている。上記方法は、感光性
銀塩(ハロゲン化銀)、還元剤、架橋性化合物(重合性
化合物)及びバインダーからなる感光層を支持体上に担
持させた記録材料(感光材料)を使用するものである。
上記方法およびそれに用いる感光材料については、特開
昭61-183640号、同61-188535号、同61-228441号各公報
にも記載がある。
これらの感光材料の一つに、ハロゲン化銀を重合性化合
物の油滴(またはマイクロカプセル)中に分散させたも
のがある。上記構成の感光材料は、感度が向上すると共
に鮮鋭度の高い画像が得られるという利点がある。この
感光材料の製造においては、ハロゲン化銀乳剤の液滴を
重合性化合物中に微細に分散させた感光性組成物を使用
することが好ましい。ハロゲン化銀乳剤を重合性化合物
のような有機溶媒中に乳化させる方法は、『リサーチ・
ディスクロージャー誌、1979年、18755』等に記載され
ているが、これらの方法を用いても、ハロゲン化銀乳剤
の液滴を重合性化合物中において充分に微細に分散させ
ることは困難であった。
[発明の要旨] 本発明の目的は、ハロゲン化銀乳剤の液滴が重合性化合
物中に微細に分散している感光性組成物を提供すること
である。
本発明は、ハロゲン化銀乳剤の液滴が重合性化合物中に
分散されてなる液状の感光性組成物であって、 実質的に炭化水素鎖からなる主鎖を有し、該主鎖の一部
が、エーテル結合、カルボキシル基および/またはスル
ホン酸基(カルボキシル基およびスルホン酸基は、アル
カリ金属塩またはアンモニウム塩の状態であってもよ
い)を含む親水性基によって置換されているポリマーが
上記重合性化合物中に溶解していることを特徴とする感
光性組成物を提供するものである。
[発明の効果] 本発明の感光性組成物は、上記ポリマーを溶解状態で含
有する重合性化合物にハロゲン化銀乳剤の液滴が微細に
分散されてなる乳化物である。
上記ポリマーは、実質的に炭化水素鎖からなる疎水性の
主鎖を有するため、重合性化合物中に溶解させることが
できる。そして、上記ポリマーは親水性基を有すること
で、ハロゲン化銀乳剤を重合性化合物中に非常に微細に
分散し、さらにこの分散状態を保持することができる。
従って本発明の感光性組成物を用いることで、感度およ
び得られる画像の鮮鋭度が向上した感光材料を製造する
ことができる。
さらに上記ポリマーは、ハロゲン化銀乳剤と重合性化合
物の界面にハロゲン化銀を凝集させる作用も有してい
る。すなわち、ポリマーの親水性基に含まれるエーテル
結合、カルボキシル基およびスルホン酸基からなる群よ
り選ばれる官能基は、ハロゲン化銀の配位子として機能
するものと推定される。ハロゲン化銀乳剤と重合性化合
物の界面に凝集したハロゲン化銀は、感光性組成物の外
部から与えられる光エネルギーを容易かつ有効に利用す
ることができる。従って、本発明の感光性組成物は、非
常に感度が高いという効果を有する。
[発明の詳細な記述] 本発明の感光性組成物に使用されるポリマーは、実質的
に炭化水素鎖からなる主鎖を有し、該主鎖の一部が、エ
ーテル結合、カルボキシル基および/またはスルホン酸
基を含む親水性基によって置換されているものである。
ポリマーに含まれている上記親水性基の数は、重合性化
合物に対する溶解性およびハロゲン化銀乳剤の分散能力
に応じて決定される。例えば、重合性化合物の極性が高
い場合には親水性基の数を多くし、極性が低い場合には
親水性基の数を少なくすることが好ましい。一般的に
は、親水性基の数はポリマーの主鎖に含まれる炭素原子
の数の1乃至47.5%であることが好ましく、2乃至40%
であることがさらに好ましい。
カルボキシル基およびスルホン酸基を有する親水性基の
例としては、下記式(I)で表わされる基を挙げること
ができる。なお、本明細書において、『アルキル基』お
よび『アルキレン基』は、直鎖でも分岐を有していても
よい。
−X11 a1 b2 cY(I) 上記式(I)におけるX1は、−COO−、−CONR2−および
フェニレン基からなる群より選ばれる二価の基である。
上記R2は水素原子または炭素原子数が1乃至6個のア
ルキル基である。また、フェニレン基は一個以上の置換
基を有していてもよい。
1およびD2は、それぞれ、アルキレン基、アラルキレ
ン基およびフェニレン基からなる群より選ばれる二価の
基である。なお、各基は一個以上の置換基を有していて
もよい。アルキレン基およびアラルキレン基のアルキレ
ン部分の炭素原子数は、1乃至6個であることが好まし
い。これらのうちでは、アルキレン基が好ましい。
E1は、−COO−、−CO−、−OCO−、−NHCO−、−NHCONH
−−CONH−、−S−、−O−および−SO2−からなる群
より選ばれる二価の基である。これらのうちでは、−CO
O−および−CONH−が好ましい。
Yは、カルボキシル基またはスルホン酸基である。各基
は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩の状態であっ
てもよい。
上記式(I)におけるa、bおよびcは、それぞれ、0
または1である。a、bおよびcの値の組み合わせにつ
いては特に制限はない。a、bおぼいcが、いずれも0
であってもよい。
エーテル結合を有する親水性基の例としては、下記式
(II)で表わされる基を挙げることができる。
−X21p2 q2r5(II) 上記式(II)におけるX2は、−COO−、−CONR4−および
フェニレン基からなる群より選ばれる二価の基である。
上記R4は水素原子または炭素原子数が1乃至6個のア
ルキル基である。また、フェニレン基は一個以上の置換
基を有していてもよい。
1およびJ2は、それぞれ、炭素原子数が1乃至6個の
アルキレン基である。上記炭素原子数は、2個または3
個であることが特に好ましい。
E2は、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−NHCO
NH−、−CO−、−S−および−SO2−からなる群より選
ばれる二価の基である。これらのうちでは、−CO−が好
ましい。
5は、炭素原子数が1乃至6個のアルキル基である。
pは1乃至25の整数であり、qは0または1であり、そ
してrは0乃至20の整数である。なお、pとrの和は3
以上であることが好ましい。
以上述べたような親水性基を有するポリマーは、主鎖の
炭素原子を2個づつ有するくり返し単位からなることが
好ましい。そして、ポリマーを構成する全くり返し単位
のうち2%乃至95%が上記親水性基を有するくり返し単
位であることがさらに好ましく、4%乃至80%が上記親
水性基を有するくり返し単位であることが特に好まし
い。
上記親水性基を有するくり返し単位のうち、カルボキシ
ル基およびスルホン酸基を有する親水性基の例を下記式
(I−2)に示す。
上記式(I−2)におけるX1、D1、D2、E1、Y、
a、bおよびCは、いずれも、前述した式(I)と同様
な定義を有する。
上記式(I−2)におけるR1は、水素原子または炭素
原子数が1乃至6個のアルキル基である。R1は、水素
原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
親水性基を有するくり返し単位のうち、エーテル結合を
有する親水性基の例を下記式(II−2)に示す。
上記式(I−2)におけるX2、J1、J2、E2、R5
p、qおよびrは、いずれも、前述した式(II)と同様
な定義を有する。
上記式(II−2)におけるR3は、水素原子または炭素
原子数が1乃至6個のアルキル基である。R3は、水素
原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
本発明に用いるポリマーは、以上述べたような親水性基
を有するくり返し単位に加えて、疎水性のくり返し単位
を含むコポリマーを構成していることが好ましい。疎水
性のくり返し単位としては、親水性基を有しないオレフ
ィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレ
ン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エステル類等の
エチレン性不飽和モノマーより誘導されるくり返し単位
であることが好ましい。
上記エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、エチ
レン、ブタジエン、イソブチレン、アクリロニトリル、
メチルビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ビニルトルエ
ン、クロロメチルスチレン、p−クロロスチレン、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアク
リレート、iso−ブチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタク
リレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル
メタクリレート、フルフリルメタクリレート、フェニル
メタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、
イタコン酸ジエチルおよびマレイン酸ジブチルを挙げる
ことができる。これらのうちでは、アクリル酸またはメ
タクリル酸と炭素原子数1乃至6のアルキルアルコール
またはシクロヘキシルアルコールとのエステルが特に好
ましい。
以下に本発明のポリマーとして好ましく用いることがで
きるコポリマーの具体例を示す。各例において、左側に
示されるくり返し単位が前述した親水性基を有するくり
返し単位に相当し、右側に示されるくり返し単位が疎水
性のくり返し単位に相当する。
本発明で用いるポリマーの分子量は、ポリマーを重合性
化合物(本発明の組成物において溶媒もしくは分散媒と
しても機能する)へ溶解させた場合の溶液の粘度および
分散能力に応じて決定される。すなわち、ポリマーの分
子量については、ポリマーの分子量が大きすぎると溶液
粘度が高くなりすぎてハロゲン化銀乳剤の液滴を分散さ
せるための攪拌が困難となり、分子量が小さすぎると、
ハロゲン化銀の分散能力が低下する点を考慮する。通
常、分子量は5000〜1000万、好ましくは1万〜200万の
範囲である。
本発明の感光性組成物において上記ポリマーは、ハロゲ
ン化銀乳剤に対して0.1乃至20重量%の範囲で使用する
ことが好ましく、0.1乃至10重量%の範囲で使用するこ
とがより好ましく、0.5乃至5重量%の範囲で使用する
ことがさらに好ましい。
本発明に用いることができるポリマーは、一部のものが
既に市販されているが、前述したようなモノマーを重合
させて調製することもできる。あるいは各種ポリマーを
加水分解、エーテル化、カルボキシル化、スルホン化等
により修飾することで得ることができる。
以下にモノマーを共重合させる方法によるポリマーの合
成例を示す。他のポリマーについても同様の方法で合成
することができる。
[合成例1] ポリ−(テトラエチレンオキシメチルメタクリレート−
コ−メチルメタクリレートの合成 300mlの三つ口フラスコに、テトラエチレンオキシメチ
ルメタクリレート11.7g、メチルメタクリレート38.3gお
よびトルエン190mlを入れた。上記フラスコを窒素気流
下、攪拌しながら80℃まで加熱し、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.30gを10mlのトルエ
ンに溶解させたものを加え、2時間加熱を続け、さらに
同濃度の2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)のトルエン溶液10mlを加えて2時間加熱攪拌を続け
た。上記反応液を室温まで冷却後、1のn−ヘキサン
中に攪拌下徐々に注入し、析出物を濾取した。これを20
0mlのn−ヘキサンを用いて2回洗浄した後、乾燥する
ことで、標記ポリマーが47.2gの白色物として得られ
た。収量は94.4%であった。
以下、本発明の感光性組成物を構成するハロゲン化銀乳
剤および重合性化合物について順次説明する。
ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀としては、塩
化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀のいずれの粒子も用いることができる。
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は、表面と内部とが均
一であっても不均一であってもよい。表面と内部で組成
の異なった多重構造を有するハロゲン化銀粒子について
は、特開昭57-154232号、同58-108533号、同59-48755
号、同59-52237号公報、米国特許第4433048号および欧
州特許第100984号各明細書に記載がある。また、特願昭
61-25576号明細書に記載されているように、シェル部分
の沃化銀の比率が高いハロゲン化銀粒子を用いてもよ
い。
ハロゲン化銀粒子の晶癖についても特に制限はない。例
えば、特願昭61-55509号明細書に記載されているよう
に、アスペクト比が3以上の平板状粒子を用いてもよ
い。
なお、上記ハロゲン化銀粒子としては、特願昭61-21458
0号明細書に記載されているように、比較的低カブリ値
のハロゲン化銀粒子を用いることが好ましい。
感光性組成物に用いるハロゲン化銀には、ハロゲン組
成、晶癖、粒子サイズ等が異なった二種以上のハロゲン
化銀粒子を併用することもできる。
ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布についても特に制限
はない。例えば、特願昭61-55508号明細書に記載されて
いるように、粒子サイズ分布がほぼ均一である単分散の
ハロゲン化銀粒子を用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤に含まれる、ハロゲン化銀粒子の平均
粒子サイズは、0.001乃至5μmであることが好まし
く、0.001乃至2μmであることがさらに好ましい。
ハロゲン化乳剤の調製は、酸性法、中性法またはアンモ
ニア法などの公知方法のいずれのを用いても実施するこ
とができる。
可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩との反応形式としては、
片側混合法、同時混合法またはこれらの組合せのいずれ
でもよい。粒子を銀イオン過剰条件下で形成する逆混合
法およびpAgを一定に保つコントロールド・ダブルジェ
ット法も採用できる。また、粒子成長を早めるため、添
加する銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量または
添加速度を上昇させてもよい(特開昭55-158124号、同5
5-158124号各公報および米国特許第3650757号明細書参
照)。
本発明の感光性組成物に用いるハロゲン化銀乳剤は、主
として潜像が粒子表面に形成される表面潜像型であって
も、粒子内部に形成される内部潜像型であってもよい。
内部潜像型乳剤と造核剤とを組合せた直接反転乳剤を使
用することもできる。この目的に適した内部潜像型乳剤
は、米国特許第2592250号、同第3761276号各明細書およ
び特公昭58-3534号、特開昭58-136641号各公報等に記載
されている。上記乳剤に組合せるのに好ましい造核剤
は、米国特許第3227552号、同第4245037号、同第425551
1号、同第4266013号、同第4276364号および西独国公開
特許(OLS)第2635316号各明細書に記載されている。
本発明の感光性組成物の製造に使用されるハロゲン化銀
乳剤の調製においては、保護コロイドとして親水性コロ
イドを用いることが好ましい。親水性コロイドの例とし
ては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分
子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋
白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、セルロース硫酸エステル類等のようなセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘
導体;およびポリビニルアルコール、ポリビニルアルコ
ール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単一あるいは共重合体のような多種の合成親水性高分
子物質を挙げることができる。これらのうちでは、ゼラ
チンが好ましい。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン
のほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いても
よく、またゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いる
ことができる。
ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の形成段階にお
いて、ハロゲン化銀溶剤としてアンモニア、有機チオエ
ーテル誘導体(特公昭47-386号公報参照)および含硫黄
化合物(特開昭53-144319号公報参照)等を用いること
ができる。また粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩等を共存
させてもよい。さらに高照度不軌、低照度不軌を改良す
る目的で塩化イリジウム(IIIまたはIV)、ヘキサクロ
ロイリジウム塩アンモニウム等の水溶性イリジウム塩、
または塩化ロジウム等の水溶性ロジウム塩を用いること
ができる。
ハロゲン化銀乳剤は、沈殿形成後あるいは物理熟成後に
可溶性塩類を除去してもよい。この場合は、ヌーデル水
洗法や沈降法に従い実施することができる。ハロゲン化
銀乳剤は、未後熟のまま使用してもよいが通常は化学増
感して使用する。通常型感材用乳剤において公知の硫黄
増感法、還元増感法、貴金属増感法等、あるいは特開昭
62-947公報記載の増感色素を用いる増感法を単独または
組合せて用いることができる。これらの化学増感を含窒
素複素環化合物の存在下で行なうこともできる(特開昭
58-126526号、同58-215644号各公報参照)。
本発明の感光性組成物に使用できる重合性化合物は、特
に制限はなく公知の重合性化合物を使用することができ
るが、付加重合性または開環重合性を有する化合物であ
ることが好ましい。付加重合性を有する化合物としては
エチレン性不飽和基を有する化合物、開環重合性を有す
る化合物としてはエポキシ基を有する化合物が好まし
い。
本発明に使用することができる重合性化合物の具体例と
しては、アクリル酸エステル類に関し、n−ブチルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリ
ルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレー
ト、ジシクロヘキシルオキシエチルアクリレート、ノニ
ルフェニルオキシエチルアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ポリオキシエチレン化ビスフェニノールAのジアクリレ
ート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオンアル
デヒドとトリメチルロールプロパン縮合物のジアクリレ
ート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオンアル
デヒドとペンタエリスリトール縮合物のトリアクリレー
ト、ポリヒドロキシポリエーテルのポリアクリレート、
ポリエステルアクリレートおよびポリウレタンアクリレ
ート等を挙げることができる。
また他の具体例としては、メタクリル酸エステル類に関
し、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールメ
タクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラメタクリレートおよびポリオキシアルキル
化ビスフェノールAのジメタクリレート等を挙げること
ができる。
上記アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル
類以外にも、ジビニルベンゼン等のスチレン類、あるい
はビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック
ポリグリシジルエーテル、エポキシ化油脂およびエポキ
シ化ポリブタジエン等のグリシジルエーテル類等も好ま
しい具体例として挙げることができる。
上記重合性化合物は、単独で使用しても二種以上を使用
してもよい。なお、低粘度と高粘度の重合性化合物を必
要に応じて任意の割合で混合することで、製造時におけ
る溶液粘度を調整することができる。
本発明の感光性組成物において、上記重合性化合物は、
ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀1重量部に対
して、5乃至12000重量部の範囲で使用することが好ま
しく、10乃至1000重量部の範囲で使用することがさらに
好ましい。
本発明の感光性組成物は、以上の構成として感光材料の
製造に使用することができるが、任意の成分として、還
元剤、色画像形成物質、増感色素、有機銀塩、ラジカル
発生剤、各種画像形成促進剤、熱重合防止剤、熱重合開
始剤、現像停止剤、けい光増白剤、退色防止剤、ハレー
ションまたはイラジエーション防止用染料または顔料、
加熱または光照射により脱色する性質を有する色素、マ
ット剤、スマッジ防止剤、可塑剤、水放出剤、バインダ
ー、光重合開始剤、重合性化合物の溶剤、水溶性ビニル
ポリマー等を含有させることができる。
本発明の感光性組成物は、以下に述べるように製造する
ことができる。
本発明の感光性組成物の製造においては、第一に前述し
た親水性基を有するポリマーを重合性化合物に溶解させ
て、ついでポリマーが溶解している重合性化合物中にハ
ロゲン化銀乳剤を添加混合することが好ましい。
上記重合性化合物とハロゲン化銀乳剤の割合は、ホモジ
ナイザー、ブレンダー、ミキサーあるいは他の一般に使
用される攪拌機等を用いて攪拌することにより容易に実
施することができる。
前述した任意の成分は、この段階において感光性組成物
に溶解または分散させることが好ましい。
本発明の感光性組成物は、白黒あるいはカラーの撮影お
よびプリント用感材、印刷感材、刷版、X線感材、医療
用感材(例えば超音波診断機CRT撮影感材)、コンピュ
ーターグラフィックハードコピー感材、複写機用感材等
の数多くの感光材料の製造に使用することができる。
次に本発明の液状感光性組成物を利用して感光材料を製
造する方法の例について簡単に述べる。
本発明の感光性組成物は、感光材料の製造において、水
性溶媒中に乳化させて使用することが好ましい。また、
特開昭61-275742号公報記載の感光材料のように重合性
化合物の油滴をマイクロカプセル化する場合には、マイ
クロカプセル化に必要な壁材はこの水性乳化物中に添加
し、壁面を形成する処理はこの水性乳化物の段階で実施
することができる。
上記のようにして製造した水性乳化物を、次に適当な支
持体に塗布することによりシート状の感光性材料を得る
ことができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1および比較例1] ハロゲン化銀乳剤の調整 攪拌中のゼラチン水溶液(水1000ml中にゼラチン20gと
臭化カリウム1gを含み、これを1N硫酸を用いてpH3.8に
調整し、さらに70℃に保温したもの)に、臭化カリウム
70gを含有する水溶液600mlと硝酸銀水溶液(水600mlに
硝酸銀0.59モルを溶解させたもの)を同時に50分間にわ
たって等流量で添加した。これが終了して5分後から、
さらに沃化カリウム3.9gを含有する水溶液100mlと硝酸
銀水溶液(水100mlに硝酸銀0.01モルを溶解させたも
の)を同時に5分間にわたって等流量で添加した。この
ようにして平均粒子サイズ0.25μmのコア/シェル構造
を有する単分散14面体沃臭化銀乳剤を調製した。この乳
剤を水洗して脱塩し、収量600gのハロゲン化銀乳剤を得
た。
感光性組成物の調製 トリメチロールプロパントリアクリレート20gに下記第
1表記載のポリマー0.08gを溶解させ、上記ハロゲン化
銀乳剤4gを加えて、ホモジナイザーを用い、15000回転
/分の速度で5分間乳化させて感光性組成物を調製し
た。
光学顕微鏡(倍率800倍)により各感光性組成物中のハ
ロゲン化銀乳剤の液滴の分散状態を観察した。分散状態
を三段階で評価し、第1表にA、B、Cで表わした。A
は微細に分散したもの、Bはわずかに凝集したもの、そ
してCは凝集の激しかったものである。
上記ポリマーのうち、P−2からP−22までは具体例と
して前述したポリマーであり、前述した親水性基を有し
ている。従って、これらの感光性組成物は本発明に従う
ものである。
また、Q−1〜3は下記に示すポリマーで、前述した親
水性基を有していないポリマーである。
第1表から明らかなように、前述した親水性基を有する
ポリマーを用いた本発明の感光性組成物は、前述した親
水性基を有していないポリマーを用いた比較用の感光性
組成物に比較して特に優れたハロゲン化銀の分散性能を
示す。
なお、以下のポリマーは、重合性化合物であるトリメチ
ロールプロパントリアクリレートに溶解しなかった。
[実施例2および比較例2] 重合性化合物を、トリメチロールプロパントリアクリレ
ートから2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオンア
ルデヒドとトリメチロールプロパン縮合物のジアクリレ
ート(日本化薬(株)製)に変更した以外は、実施例1
および比較例1と同様にして感光性組成物を調製し、ハ
ロゲン化銀の分散状態を観察した。結果を第2表に示
す。第2表記載の分散ポリマーは、それぞれ第1表に記
載の分散ポリマーと同じポリマーを意味する。第2表に
おける分散状態の評価A、BおよびCの意味は、第1表
と同様である。
第2表から明らかなように、前述した親水性基を有する
ポリマーを用いた本発明の感光性組成物は、良好なハロ
ゲン化銀の分散性能を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀乳剤の液滴が重合性化合物中
    に分散されてなる液状の感光性組成物であって、 実質的に炭化水素鎖からなる主鎖を有し、該主鎖の一部
    が、エーテル結合、カルボキシル基および/またはスル
    ホン酸基(カルボキシル基およびスルホン酸基は、アル
    カリ金属塩またはアンモニウム塩の状態であってもよ
    い)を含む親水性基によって置換されているポリマーが
    上記重合性化合物中に溶解していることを特徴とする感
    光性組成物。
  2. 【請求項2】ポリマーに含まれている上記親水性基の数
    が、ポリマーの主鎖に含まれる炭素原子の数の1乃至4
    7.5%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】ポリマーに含まれている上記親水性基の数
    が、ポリマーの主鎖に含まれる炭素原子の数の2乃至40
    %であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    感光性組成物。
  4. 【請求項4】上記ポリマーはくり返し単位からなり、ポ
    リマーを構成する全くり返し単位のうち2%乃至95%が
    上記親水性基を有するくり返し単位であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】上記ポリマーはくり返し単位からなり、ポ
    リマーを構成する全くり返し単位のうち4%乃至80%が
    上記親水性基を有するくり返し単位であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の感光性組成物。
  6. 【請求項6】上記ポリマーがくり返し単位からなり、ポ
    リマーを構成する全くり返し単位のうち2%乃至95%
    が、下記式(I−2)で表わされるくり返し単位である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の感光性組
    成物: [上記式(I−2)において、 R1は、水素原子または炭素原子数が1乃至6個のアル
    キル基であり、 X1は、−COO−、−CONR2−およびフェニレン基からなる
    群より選ばれる二価の基であり(R2は水素原子または
    炭素原子数が1乃至6個のアルキル基であり、そしてフ
    ェニレン基は一個以上の置換基を有していてもよい)、 D1およびD2は、それぞれ、アルキレン基、アラルキレ
    ン基およびフェニレン基からなる群より選ばれる二価の
    基であり(各基は一個以上の置換基を有していてもよ
    い)、 E1は、−COO−、−CO−、−OCO−、−NHCO−、−NHCON
    H−、−CONH−、−S−、−O−および−SO2−からなる
    群より選ばれる二価の基であり、 Yは、カルボキシル基またはスルホン酸基であり(各基
    は、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩の状態であっ
    てもよい)、そして a、bおよびcは、それぞれ、0または1である]。
  7. 【請求項7】上記ポリマーがくり返し単位からなり、ポ
    リマーを構成する全くり返し単位のうち2%乃至95%
    が、下記式(I−2)で表わされるくり返し単位である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の感光性組
    成物: [上記式(II−2)において、 R3は、水素原子または炭素原子数が1乃至6個のアル
    キル基であり、 X2は、−COO−、−CONR4−およびフェニレン基からなる
    群より選ばれる二価の基であり(R4は水素原子または
    炭素原子数が1乃至6個のアルキル基であり、そしてフ
    ェニレン基は一個以上の置換基を有していてもよい)、 J1およびJ2は、それぞれ、炭素原子数が1乃至6個の
    アルキレン基であり、 E2は、−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−、−NHC
    ONH−、−CO−、−S−および−SO2−からなる群より選
    ばれる二価の基であり、 R5は、炭素原子数が1乃至6個のアルキル基であり、 pは、1乃至25の整数であり、 qは、0または1であり、そして rは、0乃至20の整数である]。
  8. 【請求項8】上記ポリマーが、5000乃至1000万の分子量
    を有するポリマーであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の感光性組成物。
  9. 【請求項9】上記ポリマーを、ハロゲン化銀乳剤に対し
    て0.1乃至20重量%の範囲で含むことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の感光性組成物。
  10. 【請求項10】上記重合性化合物が、エチレン性不飽和
    基を有する化合物であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項項記載の感光性組成物。
  11. 【請求項11】上記重合性化合物を、ハロゲン化銀乳剤
    に含まれるハロゲン化銀1重量部に対して、5乃至12万
    重量部の範囲で含むことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の感光性組成物。
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