JP2849864B2 - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に関するもの
で、詳しくは迅速処理しても現像処理ムラやローラーマ
ークの発生がなく、かつ感度、コントラストなどの写真
特性を改良したハロゲン化銀写真感光材料に関するもの
である。
〔発明の背景〕
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の処理工程は益々迅
速化の方向にあって、短時間に高品質の情報を得ること
が要求されている。
しかし、感光材料を例えば全処理時間が20秒以上60秒
未満の迅速処理で処理すると、感度の減少をもたらすと
言う問題が発生する。この感度減少に対しては、ハロゲ
ン化銀乳剤量を増量することにより対応できるものの、
乳剤量を増すと次のような負効果を招く結果となる。
(a) 定着が不十分となる。
(b) フィルムの水洗が不十分となる。
(c) フィルムの乾燥が不十分となる。
などの重大な問題を発生する。
従って感光材料に迅速処理適性を与えるには、ハロゲ
ン化銀量を減量しても感度及び最高濃度の減少を伴わな
い技術の開発が必要となる。
従来より、ハロゲン化銀写真感光材料の感度を高める
目的から種々の技術が提案されているが、その一つとし
て、ハロゲン化銀粒子調製時に粒子成長促進剤或は物理
熟成促進剤として有機化合物を用いることが提案されて
いる。
例えば米国特許第3,271,157号、同3,531,289号、同3,
574,628号などでは、有機チオエーテルを物理熟成時に
用いており、更に特開昭53−57817号では有機テルル化
合物をハロゲン化銀粒子形成時に用いて、ハロゲン化銀
乳剤感度を上昇せしめることが開示されている。
しかしながら、これら技術のいずれもが、迅速処理に
て充分に高い濃度と低いカブリを得ることは困難で、こ
の点を解決しようとすると、感度やコントラストなどの
性能が犠牲となる。
例えば、高感度のX線撮影用写真感光材料に適用し、
自動現像機で渡り部分も含めて全処理時間を20秒から60
秒内で迅速処理すると、カブリが高く粒状性が劣るなど
の欠点があった。
カブリを改良する手段としては、種々の添加剤を乳剤
或は現像液中に用いることが知られているが、いずれも
感度、コントラスト及び最高濃度の低下をもたらして好
ましくなく、更に粒状性を改良する手段としてもバイン
ダーゼラチン量を増すことも知られているが、同様に感
度、最高濃度及びガンマの低下を招く結果となった。
又、一般に迅速処理では、現像液が高pHで高温のため、
感光材料の耐圧性が劣化し、例えば自動現像機の搬送ロ
ーラー圧力により所謂ローラーマークを発生し、画像の
劣化を招き易い。
このように従来技術にあっては、写真特性上から、高
感度でカブリが低く、かつコントラストが良好で迅速処
理してもローラーマークの発生などのないハロゲン化銀
写真感光材料は得られていないのが現状であった。
〔発明の目的〕
従って、本発明の第1の目的は所定の感度を有し、か
つコントラストが良好で超迅速処理に適したハロンゲン
化銀写真感光材料を提供することである。
本発明の第2の目的は、高温度、高pHで超迅速現像処
理した場合、現像処理ムラや搬送ローラー圧力によるロ
ーラーマークの発生がないハロゲン化銀写真感光材料を
抵抗することである。
本発明の第3の目的は、露光後、全現像処理時間が20
秒以上60秒未満で、上述の特性を有するハロゲン化銀写
真感光材料の現像処理方法を提供することである。その
他の目的は以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明の目的は、以下により達成されることを見いだ
し本発明を成すに至った。
即ち、(1)支持体の少なくとも一方の側に、少なく
とも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が凝集高分子
剤により溶存物を除去(脱塩)した種晶から成長させた
ハロゲン化銀粒子であり、かつ下記一般式〔I〕、〔I
I〕又は〔III〕で表される化合物の少なくとも1種の存
在下で粒子形成されたハロゲン化銀粒子であり、更にそ
のハロゲン化銀粒子が凝集高分子剤により脱塩した粒子
であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
一般式〔I〕 Y1−Te−Y2 式中、Y1,Y2は、同じか又は異なってもよい置換又は
無置換の脂肪族基を表し、その少なくとも一方は、ヒド
ロキシ基、アミノ基、アンモニウム基、エーテル基、チ
オエーテル基、セレノエーテル基、メルカプト基、カル
バモイル基、カルボンアミド基、スルホニル基、スルフ
ァモイル基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ基、
アシルオキシ基、ウレイド基、チオウレイド基、チオア
ミド基、オキシスルホニル基、オキシカルボニルアミノ
基、スルホン酸又はその塩、スルフィン酸又はその塩、
リン酸又はその塩、リン酸エステル基、ホスフィノ基又
は複素環基で置換されているものを表す。
一般式〔II〕 Y3−R1−Se−R2−Y4 一般式〔III〕 Y3−R1−Se−R3 式中、R1,R2は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素
原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも一つより構成
される2価の基を表し、R3はアルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表
す。
Y3,Y4は、各々ヒドロキシ基、アミノ基、アンモニウ
ム基、エーテル基、チオエーテル基、セレノエーテル
基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニル
オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ウレイド基、チ
オウレイド基、オキシスルホニル基、オキシカルボニル
基、オキシカルボニルアミノ基、スルホン酸又はその
塩、カルボン酸又はその塩又は複素環基を表す。
(2) ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する場合
の全処理時間が、20秒以上60秒未満であることを特徴と
する上記(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法によって達成された。
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
一般に、写真用ハロゲン化銀乳剤の製造工程におい
て、物理熟成を終了したハロゲン化銀乳剤は過剰のハロ
ゲン化物をはじめとして硫酸アルアリ塩、アンモニウム
などの可溶性塩類を除去するための脱塩工程を行うのが
普通である。
脱塩法としては例えばヌードル法、透析法或は凝析沈
降法などが知られているが、そのうちの凝析沈降法は他
の方法に比して優れることから広く実用化されている。
本発明に係る乳剤は、例えば、保護コロイドを含む溶
液中に、水溶性銀塩溶液と、水溶性ハロゲン化物溶液を
添加して調製され、その後生成したハロゲン化銀粒子
を、凝集高分子剤により保護コロイドと共に懸濁液より
凝集せしめ、懸濁液中の溶存物を除去脱塩することによ
り得ることができる。
ここで保護コロイドを含む水溶液とは、ゼラチンその
他の親水性コロイドを構成し得る物質(バインダーとな
り得る物質など)により保護コロイドが水溶液中に形成
されているものをいい、好ましくはコロイド状の保護ゼ
ラチンを含有する水溶液である。
本発明を実施する際、上記保護コロイドとしてゼラチ
ンを用いる場合は、ゼラチンは石灰処理されたもので
も、酸を使用して処理されたものでも、どちらでもよ
い。
保護コロイドとして用いることができるゼラチン以外
の親水性コロイドとしては、例えばゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体;アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニル
ピラゾール等の単一或は共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質がある。
尚、本発明の感光材料において、必要に応じて形成さ
れる保護層、バッキング層、中間層等の写真構成層に用
いることのできる親水性コロイドとしては、ゼラチンを
用いるのが有利であるが、それ以外の上記親水性コロイ
ドも単独或はゼラチンと共に用いることができる。
水溶性銀塩溶液、水溶性ハロゲン化物溶液とは、所望
のハロゲン化銀を得るために反応させるもので、適宜所
望のハロゲン化銀組成により選択され、組み合わされ
る。
凝集高分子剤とは、ハロゲン化銀粒子を保護コロイド
と共に凝集せしめることができる高分子物質を言う。か
かる凝集高分子剤により、保護コロイドであるゼラチン
等を凝集させてゲル化し、液中の可溶性塩類などの溶存
物を除去する工程(いわゆる脱塩工程)を行う。
本発明において、凝集高分子剤(凝集ゼラチン剤)と
しては各種のものを用いることができるが、好ましくは
凝集ゼラチン剤としては、ゼラチン分子のアミノ基の50
%以上を置換した変性ゼラチンが有利である。ゼラチン
のアミノ基に対する置換例は米国特許2,691,582号、同
2,614,928号、同2,525,753号に記載がある。
有用な置換基としては、 (1) アルキルアシル、アリールアシル、アセチル及
び置換、無置換のベンゾイル等のアシル基 (2) アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル
等のカルバモイル基、 (3) アルキルスルホニル、アリールスルホニル等の
スルホニル基、 (4) アルキルチオカルバモイル、アリールチオカル
バモイル等のチオカルバモイル基、 (5) 炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、 (6) 置換、無置換のフェニル、ナフチル及びピリジ
ル、フリル等の芳香族複素環等のアリール基、 が挙げられる。
就中、好しい凝集ゼラチン剤はアシル基(−COR1)、
カルバモイル基 によるものである。
前記R1は置換、無置換の脂肪族基(例えば炭素数1〜
18個のアルキル基、アリル基)、アリール基又はアラル
キル基(例えばフェネチル基)であり、R2は水素原子、
脂肪族基、アリール基、アラルキル基である。特に好ま
しいものはR1がアリール基、R2が水素原子の場合であ
る。
以下に凝集ゼラチン剤の具体例をアミノ基置換基によ
って例示する。
:例示凝集ゼラチン剤(アミノ基置換基): 脱塩に使用する凝集ゼラチン剤の添加量は、特に制限
はないが脱塩時に保護膠質として含まれているゼラチン
の0.3〜10倍量(重量)が適当であり、特に好ましくは
1〜5倍量(重量)である。
又、本発明に用いる凝集剤としては、例えば下記一般
式〔P〕で表される凝集高分子剤も挙げられる。
一般式〔P〕 式中のR1,R2は、それぞれ同じか又は異なってもよい
炭素数1〜8のアルキル基を表す。
Z,Yはそれぞれ式−COOM基、−COOR3基又は 基を表す。
Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基
を表し、R3は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を
表す。
R4,R5は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基でR4とR5は互いに結合して複素環を形成してもよ
い。nは10〜102の整数を表す。
上記一般式〔P〕において、R1,R2のアルキル基とは
炭素数1〜8のもので、より好ましくは1〜5の例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基などが挙げられる。
これらのアルキル基は置換基を有していてもよい。R3
は炭素数1〜20のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜
12の例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基などでこれら
のアルキル基は置換可能な置換基を有していてもよい。
アリール基としては例えばフェニル基を表す。R4,R5
は、R3と同義のアルキル基を表し、R4とR5が互いに結合
して形成する複素環としては、例えばピリジル基、モル
ホリノ基、イミダゾール基などである。
以下に一般式〔P〕で表される高分子化合物の具体例
を示す。
上記化合物は、凝集高分子剤とて知られたもので、市
販品としても容易に入手可能なものである。
前記一般式〔P〕で表される凝集高分子剤は分子量と
して103〜106好ましくは3×103〜2×105であり、添加
量は乳剤に含まれているゼラチンに対し重量比で1/50〜
1/4好ましくは1/40〜1/10である。
本発明の実施態様においては、これらの凝集高分子剤
を添加した後pHを調整してAgX乳剤を凝析せしめる。凝
析を行わせるpHとしては、2.0以上5.5以下で、好ましく
は、3.8以上5.0以下である。
pH調整に用いる酸には特に制限はないが、酢酸、くえ
ん酸、サルチル酸等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸
等の無機酸が好ましく用いられる。高分子凝集剤に併用
して重金属イオン例えばマグネシエウムイオン、カドミ
ウムイオン、鉛イオン、ジルコニウムイオン等を添加し
てもよい。
脱塩は1回でも数回繰返してもかまわない。数回繰返
す場合、脱塩の度に凝集高分子剤を添加してもよいが、
最初に凝集高分子剤を添加しただけでもよい。
次に一般式〔I〕の化合物について詳述する。
式中、Y1,Y2の脂肪族基としては、アルキル基、アル
ケニル基及びシクロアルキル基を指し、アルキル基とし
ては炭素数1〜30のアルキル基(例えばメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ドデシル、n−
ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソステアリル、エ
イコシル基など)、アルケニル基としては、炭素数2〜
20のアルケニル基(例えばアリル、ブテニル、オクテニ
ル、ドデセニル、オレイル基など)が挙げられる。シク
ロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロ
ペンチル、シクロヘプチル、シクロドデシル基などであ
る。
Y1,Y2で表される脂肪族基として、アミノ基(例えば
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ基など)、ア
ンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基)、エ
ーテル基(例えばメトキシ、フェノキシ基など)、チオ
エーテル基(例えばメチルチオ、フェニルチオ基な
ど)、セレノエーテル基(例えばメチルセレノ、フェニ
ルセレノ基など)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル基な
ど)、カルボンアミド基(例えばアセトアミド、ベンゾ
アミド基など)、スルファモイル基(例えばスルファモ
イル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル
基など)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホン
アミド基など)、スルホニルオキシ基(例えばメタンス
ルホニルオキシ基)、アシルオキシ基(例えばアセチル
オキシ、ベンゾイルオキシ基など)、ウレイド基(例え
ばウレイド、メチルウレイド、エチルウレイド、フェニ
ルウレイド基など)、チオウレイド基(チオウレイド、
メチルチオウレイド基など)、オキシカルボニルアミノ
基(例えばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカル
ボニルアミノ基など)、オキシスルホニル基(例えばメ
トキシスルホニル基)、ホスフィノ基(例えばジフェニ
ルホスフィノ基など)が挙げられる。
複素環としては、例えばピリジン、ピペリジノ、モル
ホリノ、ピラゾリル、チエニル、イミダゾリル、トリア
ゾリル、テトラゾリル、チオゾリル、オキサゾリル、チ
オジアゾリル、ポリアザインデニル環基などの各基で置
換されているものが挙げられる。
以下、本発明の一般式〔I〕で表される具体的化合物
例を示すが、本発明これらに限定されるものではない。
上記の本発明に係る一般式〔I〕のテルロエーテル化
合物は、合成法として例えば「ジャーナル オブ メデ
ィシナル ケミストリー」(Journal of Medicinal Che
mistry)Vol 26.1293〜1300頁(1983年)或は「インオ
ルガニック ケミストリー」(Inorganic Chemistry)V
ol 18.2696〜2700頁(1979年)又は特開平2−118566号
明細書などに記載の方法を参考にして容易に得ることが
できる。
次に本発明に係る一般式〔II〕及び〔III〕の化合物
について詳述する。
式中、R1,R2は、*A1−XnA2−を表し、*のとこ
ろでセレン原子と結合するものとする。A1,A2は各々独
立に直鎖又は分岐のアルキレン基(例えばメチレン、エ
チレン、プロピレン、ブチレンなど)、シクロアルキレ
ン基(例えばシクロヘキシレン基)、アルケニレン基、
アラルキレン基、アリーレン基を表す。
X1は−O−、−S−、−Se−、 を表し、nは0〜3、R4,R5,R6,R7,R8,R9及びR10は置換
もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、等)、置換もしく
は無置換のアリール基(例えば、フェニル基、2−メチ
ルフェニル基、等)、置換もしくは無置換のアルケニル
基(例えば、プロペニル基、1−メチルビニル基、
等)、又は置換もしくは無置換のアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、等)を表す。
一般式〔II〕、〔III〕のY3,Y4は各々独立にヒドロキ
シ基、カルボン酸又はその塩(例えばアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、等)、スルホン酸又はその塩(例えば
アルカリ金属塩、アンモニウム塩、等)、それぞれアル
キル基、アリール基で置換されてもよいアミノ基(塩の
形も含む。例えば無置換アミノ基、ジメチルアミノ基、
ジメチルアミノ基の塩酸塩、アニリノ基、等)、アンモ
ニウム基(例えば、トリメチルアンモニウムクロリド
基、等)、エーテル基(例えば、メトキシ基、エトキシ
基、フェノキシ基、等)、チオエーテル基(例えば、メ
チルチオ基、フェニルチオ基、等)、セレノエーテル基
(例えば、メチルセレノ基、エチルセレノ基、4−メチ
ルフェニルセレノ基、等)、ウレイド基(例えば、無置
換ウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウ
レイド基、等)、チオウレイド基(例えば、無置換チオ
ウレイド基、3−メチルチオウレイド基、等)、オキシ
カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ基、フェノキシカルボニルアミノ基、等)、アシル基
(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、等)、スルホニ
ル基(例えば、メチルスルホニル基、等)、カルバモイ
ル基(例えば、無置換カルバモイル基、ジメチルカルバ
モイル基、等)、カルボンアミド基(例えば、ホルムア
ミド基、アセトアミド基、ベンゾイルアミド基、等)、
スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル基、
ジメチルスルファモイル基、等)、スルホンアミド基
(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホン
アミド基、等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオ
キシ基、ベンゾイルオキシ基、等)、スルホニルオキシ
基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、等)、オキシ
カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、等)、オキシスルホニル基(例えば、
メトキシスルホニル基、等)、複素環基(例えば、1−
モルホリノ基、1−ピペリジノ基、2−ピリジル基、4
−ピリジル基、2−チエニル基、1−ピラゾリル基、2
−イミダゾリル基、2−テトラヒドロフリル基、テトラ
ヒドロチエニル基、等)を表す。
R3は置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、等)、
置換もしくは無置換のシクロアルキル基(例えば、シク
ロヘキシル基、シクロペンチル基、等)、置換もしくは
無置換のアリール基(例えば、フェニル基、2−メチル
フェニル基、等)、置換もしくは無置換のアルケニル基
(例えば、プロペニル基、1−メチルビニル基、等)、
又は置換もしくは無置換のアラルキル基(例えば、ベン
ジル基、フェネチル基、等)を表す。
以下、本発明の一般式〔II〕及び〔III〕で表される
具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
上記の本発明に係る一般式〔II〕、〔III〕の有機セ
レノエーテル化合物は、例えばザ ケミストリー オブ
オルガニック セレニウム エンド テルリウム コ
ンパウンズ」(The Chemistry of organic Selenium an
d Tellurium Compounds)Vol−2.P495(1987)、J.Am.C
hem.Soc.60.619(1938)、Anorg.Allg.Chem.352.295(1
967)などに記載の方法又はそれに準じた合成法によっ
て得ることができる。
本発明における上記一般式〔I〕、〔II〕及び〔II
I〕の化合物は、ハロゲン化銀乳剤の製造工程時に用い
てよく、好ましくはハロゲン化銀粒子の沈澱生成時から
物理熟成時又は化学熟成時で、このうち特に好ましいの
は物理熟成時である。
使用量は、化合物の種類、乳剤条件などにより一様で
はないが、ハロゲン化銀1モル当たり0.001〜100gの広
範囲に用いてよく、ハロゲン化銀粒子形成時に使用する
場合は、0.003〜30g、好ましくは0.01〜10gである。
又、化学熟成時に使用する場合は、0.001〜10g、好ま
しくは0.003〜1gでよい。
本発明に係るテルロエーテル型化合物又はセレノエー
テル型化合物を使用するには、水又は親水性溶媒例えば
メタノールなどに溶解してからハロゲン化銀乳剤に添加
してよく、又、ハロゲン化銀粒子形成時に用いる場合
は、保護コロイド、例えばゼラチン液或はハライド液、
硝酸銀溶液などに予め添加しておいてもよい。
本発明に係る一般式〔I〕、〔II〕及び〔III〕の化
合物は、他の増感剤、例えばチオエーテル類や、チオシ
アン酸塩、例えばロダンアンモン、或はアンモニアなど
と組み合わせて用いてもよい。
以上のようにして得られる本発明のハロゲン化銀写真
感光材料は、画像露光後、現像処理する場合、全処理時
間が20秒以上60秒未満で処理されることである。
本発明に係る全処理時間とは、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料を像露光後、自動現像機の感材挿入口であ
るローラーに挿入してから現像槽、定着槽及び水洗槽を
経て乾燥部出口の最終ローラーに達するまでの時間をい
う。
この全処理工程時間が20秒以上60秒未満であって、よ
り好ましくは20秒〜60秒で、特に好ましくは50秒以下で
ある。
又、処理温度は60℃以下で、好ましくは20〜45℃であ
る。
下記に全処理時間の内訳について、その一例を示す。
処理工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 挿 入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 定着+渡り 33 8.2 水洗+渡り 25 7.2 スクイズ 40 5.7 乾 燥 45 8.1 計 − 45.0 本発明の好ましい態様としては、ハロゲン化銀粒子の
沈澱生成時、それに続く物理熟成時から脱塩工程時まで
の任意の時期に一般式〔I〕、〔II〕又は〔III〕の化
合物の少なくとも1種を加えることで、特に、好ましく
は物理熟成時に添加することである。
本発明の好ましい態様としては、一般式〔I〕、〔I
I〕又は〔III〕の化合物の少なくとも1種を含んで最適
に物理熟成された乳剤は、凝集高分子剤によって脱塩さ
れる。
本発明の感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀及び塩化
銀のいずれのハロゲン化銀を用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、
八面体、十四面体のような規則的(regular)な結晶体
を有するものでもよく、又球状、板状などのような変則
的(irregular)な結晶形を持つもの、或は、これら結
晶形の複合形を持つものでもよい。更にリサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure、以下RDと略
す),225巻,22534,20〜58頁(1983年)に記載された平
板粒子であってもよい。又、特公昭41−2086号に記載さ
れている内部潜像型ハロゲン化銀粒子と表面潜像型ハロ
ゲン化銀粒子とを組み合わせたものも用いることができ
る。
本発明に用いられる写真乳剤は、ピー・グラフキデス
(P.Glafkides)著「シミー・エ・フィジーク・フォト
グラフィーク(Cheimie et Physique Photographiqu
e)」,ポール・モンテル(Paul Montel)社刊(1967
年)、ジー・エフ・ダフィン(G.F.Duffin)著「フォト
グラフィック・エマルジョン・ケミストリィ(Photogra
phic Emulsion Chemistry)」,ザ・フォーカル・プレ
ス(The Focal press)社刊(1966年)、ヴィ・エル・
ゼリクマンら(V.L.Zelikmanet al)「メイキング・ア
ンド・コーティング・フォトグラフィック・エマルジョ
ン(Making and Coating Photographic Emulsion)」,
ザ・フォーカル・プレス社刊(1964年)などに記載され
た方法を用いて調製することができる。
ハロゲン化銀乳剤は、当分野で公知の硫黄増感法、還
元像感法、貴金属像感法など、又はこれらの組み合わせ
により化学増感されてもよく、又メチン色素その他によ
って分光増感されてもよい。
本発明の感光材料に用いられる支持体としては、例え
ばポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレ
ン、セルローストリアセテートのようなセルロース誘導
体、ポリエチレンテレフタレートのようなポレエステル
フィルム又はバライタ紙、合成紙或は紙等の両面をこれ
らのポリマーフィルムで被覆したシートからなる支持体
等が含まれる。
本発明に用いる支持体には、ハレーション防止層を設
けることもできる。この目的のためにはカーボンブラッ
ク或は各種の染料、例えばオキソノール、アゾ、スチリ
ル、アントラキノン、メロシアニン及びトリ(又はジ)
アリールメタン等の染料を挙げることができる。
その他、本発明の感光材料に用いられる化学増感剤、
分光増感剤、カブリ防止剤、安定剤、硬膜剤、可塑剤、
潤滑剤、塗布助剤、増白剤、紫外線吸収剤、カプラー、
色画像安定剤等については特に制限はなく、例えばRD,1
76巻,17643,22〜28頁(1978)の記載を参考にすること
ができる。
本発明の感光材料は、通常の白黒感光材料(撮影用感
光材料、X−レイ感光材料、印刷用感光材料、白黒印画
紙等)、通常のカラー感光材料(カラーネガフィルム、
カラー印画紙、カラーリバーサルフィルム等)、銀塩拡
散転写プロセス、ダイトランスファープロセス、銀色素
漂白法、熱現像感光材料などに用いることができるが、
特に高温迅速処理用感光材料、高感度感光材料に有効で
ある。
これら感光材料の処理については、エル・エフ・エー
・メースン(L.F.A.Mason)著「フォトグラフィック・
プロセッシング・ケミストリィ(Photographic Process
ing Chemistry)」,ザ・フォーカル・プレス社刊(197
5年)やRD,176巻,17643(前出),28〜31頁の記載を参考
にできる。
〔実施例〕
以下に、本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の
実施の態様は、これらに限定されない。
実施例−1 〔A〕 種晶の調製 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブ
ルジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含
む沃臭化銀の単分散立方晶粒子を調製した。
得られた粒子を含む反応液を2分割し、それぞれ下記
に示すような脱塩を行ない2種類の種晶(T−1,T−
2)を得た。
−T−1の脱塩方法− 混合終了した反応液に40℃のまま、後記の〔化合物−
I〕とMgSO4をそれぞれ15g/モルAgX,60g/モルAgX加え、
3分撹拌したのち静止しデカンテーションにより過剰の
塩を除去する。その後40℃の純水2.1/モルAgXを加
え、分散させたのち、MgSO4を30g/モルAgX加え、3分撹
拌したのち静置しデカンテーションを行った。次にゼラ
チンを添加し55℃に保ち20分撹拌して再分散さT−1を
得た。
−T−2の脱塩方法− 混合終了した反応液に40℃のまま、凝集ゼラチン剤と
して例示G−8(アミノ基修飾率92%)を38g添加し、
3分撹拌したのちKOH 0.13g/モルAgXを添加し、pHを4.0
にして静置、デカンテーションを行った。
その後40℃の純水2.1/モルAgXを加えたのち、KOH
0.25g/モルAgXを加え、pHを5.8にして5分撹拌後、HNO3
(1.7N)1.5ccモルAgXを加え、pHを4.3にして静置、デ
カンテーションした。その後ゼラチンとKOH 0.2g/モルA
gXを加え、pHを5.8にして再分散しT−2を得た。
−球型乳剤〈B〉−の調製− 上述の〔A〕で得られたT−1,T−2の種晶を用いて
粒子成長を行った。まず40℃に保たれた保護ゼラチン溶
液(必要によってはアンモニアを含む。)の8.5中に
種晶T−1を溶解させ、更に酢酸によりpHを調整した。
この母液に3.2規定のアンモニア性銀イオン水溶液をダ
ブルジェット法で添加した。
この場合、pHとEAgは沃化銀含有率及び晶癖により随
時変化させた。
即ちpAgを7.3、pHを9.7に制御し沃化銀含有率が35モ
ル%の層を形成させた。
次にpHを8〜9に変化させpAgは7.0に保ち粒子を成長
させた。
その後、臭化カリ溶液をノズルで8分かけて添加しpA
gを11.0に落とし、臭化カリ溶液の添加後3分で混合を
終了した。次に酢酸でpHを6.0に落とした。得られた乳
剤は、粒子全体の沃化銀含有率が2モル%の平均粒径0.
53μmを示す単分散粒子であった。
次のこの反応液に本発明に係る一般式〔I〕の化合物
を表1に示したように添加した。
−平板状乳剤〈B〉−の調製− 特開昭61−6643号の方法によって、単分散性の球型種
乳剤を調製した。
40℃で激しく撹拌したA1液に、B1とC1液をダブルジェ
ット法により30秒で添加し、核の生成を行った。この時
のpBrは1.09〜1.15であった。
1分30秒後、C1を20秒で添加し5分間の熟成を行っ
た。熟成時のKBr濃度は0.071モル/、アンモニア濃度
は0.63モル/であった。
その後pHを6.0に合わせ、前記T−2の方法で脱塩を
行い、水洗を行った。この種乳剤を電子顕微鏡観察した
ところ平均粒径0.26μm、分布の広さ18%の単分散性球
型乳剤であった。次に、これを以下の方法で成長を行っ
た。
前記種乳剤と以下に示す3種の溶液を用い、主として
平板双晶よりなるハロゲン化銀乳剤を調製した。
65℃で激しく撹拌したA2に、B2液とC2液を112分でダ
ブルジェット法にて添加した。この間pHは5.8に、pAgは
9.0に終始保った。B2液とC2液の添加速度は初期と最終
で6.4倍となるように直線的に増加させた。
添加終了後、pHを6.0に合わせた。得られた〈B〉−
の乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ平均粒径1.6
μm、分布の広さ19%の平板状ハロゲン化銀粒子であっ
た。この粒子の平均の粒子直径/粒子厚さは4.9の平板
粒子となった。次にこの反応液に、本発明の例示化合物
を表−1の如く加えた。
それぞれの成長法で得られた〈B〉−と〈B〉−
の乳剤を次に示すような脱塩法(イ)、(ロ)の2種
で、それぞれ過剰な可溶性塩類を除去した。
脱塩方法(イ) 〔添加量は以下いづれもAgX1モル当たりを示す。〕 1. 混合終了した反応液に40℃のまま、後記の〔化合物
I〕を、5.5gとMgSO4 8.5gを加え、3分撹拌した後、静
置し、デカンテーションを行う。
2. 40℃純水1.8を加え、分散させた後、MgSO4 20gを
加え、3分撹拌した後、静置、デカンテーションを行
う。
3. 2の工程をもう1回くり返す。
4. 次にゼラチン15gと水を加え、450ml仕上げた後、55
℃で20分間撹拌し、分散させる。
脱塩方法(ロ) 1. 混合を終了した反応液に40℃の状態で、本発明に係
る前記一般式〔P〕の凝集高分子剤、例示化合物P−2
を50g加え、次いで56wt%酢酸を110ml加えてpHを5.0に
落とし静置、デカンテーションを行う。
2. 40℃の純水1.8を加えた後、KOH 6.8gを加え、pH
を6.0にし、分散させる。分散させた後、56wt酢酸70ml
を加え、pH4.5にし、静置デカンテーションを行う。
3. 2の工程をもう一度くり返す。
4. その後、ゼラチン15gとKOH 1gと水を加え、450mlに
仕上げる。
このようにして得られた乳剤を化学増感及び分光増感
を行った。
即ちチオシアン酸アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫
酸ナトリウムによる金・硫黄増感法を行ってから、安定
剤として4−ヒドロキシ−6−メチル1.3,3a,7−テトラ
インデンを加え、次いでKIの適量と下記の分光増感色素
,をそれぞれ300mg,5mg/モルAgX添加した。
得られた乳剤に、下記に示す添加剤をそれぞれ24種の
乳剤を調製し乳剤塗布液とした。
又、それぞれの乳剤層上には、保護層として下記に示
すゼラチン溶液を調製し保護層用塗布液とした。
得られた2つの塗布液を下引済みのポリエステルフィ
ルム支持体両面に、乳剤層は、銀量として4.9g/m2、ゼ
ラチンが3.5g/m2になるよう塗布し、保護層はゼラチン
が1.0g/m2になるよう毎分100mで2層同時重層塗布した
後、乾燥してハロゲン化銀写真感光材料を作製した。
実施例に用いた化合物の内訳 尚、それぞれの乳剤層には、ハロゲン化銀1モル当り
下記の添加剤が添加される。
又、保護層には、ゼラチン1gにつき、下記の化合物を
加えた。
平均粒径5μmのポリメチル メタクリレート(マット剤) 7mg コロイダルシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル 7mg ホルムアルデヒド(38%水溶液) 3mg グリオキザール(40%水溶液) 2mg 尚、ポリエステルフィルム支持体の両面に塗布した下
引液としては、グリシジルメタクリレート50wt%、メチ
ルメタクリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%
の3種のモノマーからなる共重合体を、その濃度が10wt
%になるように希釈した共重合体分散液を用いた。
このようにして得られた試料のゼラチン量は、片面当
たり3.10g/m2であった。又、塗布銀量は両面で4.5g/m2
であった。
〔センシトメトリーの測定〕
「新編、照明のデータブック」社団法人照明学会編第
1版第2刷39頁に記載の標準の光Bを光源とし、露光時
間0.1秒、3.2cmsでノンフィルターでフィルムの両面に
同一の光量となるように露光した。
上記試料は、SRX−501自動現像機(コニカ(株)製)
を用い、XD−SR現像液(コニカ(株)製)で45秒処理を
行い、各試料の感度を求めた。感度は、黒化濃度が1.0
だけ増加するのに必要な光量の逆数を求め、表2の試料
1の感度を100とした相対感度で表した。
又、コントラストについては、得られた試料を目視で
比較し、コントラストの差を1(劣)〜5(優)の5段
階評価し表1に示した。
〔ローラーマーク性の評価〕
自動現像機のローラーによる圧力マーク=ローラーマ
ークは、以下のようにして評価した。即ち、未露光の状
態で対向式ローラーをもつ自動現像機で処理した。得ら
れた結果を表−1に示す。その時発生したローラーマー
クを目視により、次の5段階に分類して評価した。
5:ローラーマークの発生なし 4:ごく僅かに発生あり 3:やや発生あり(実用許可内) 2:発生が多い(実用許可外) 1:発生が非常に多い 得られた結果を次の表1に示す。
尚、一般式〔I〕の比較化合物として下記を用いた。
(a) 3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール(米国特
許3,021,215号記載) (b) トリブチルテルリウムアイオダイド(特開昭53
−57817号記載) 表−1の結果より、本発明に係る試料は迅速処理して
も感度低下することなく、又、コントラスト、カブリ等
の写真性能に優れ、更に自動現像機のローラーによる圧
力マーク(ローラーマーク)の発生もない試料が得られ
ることがわかる。
No.14〜No.16とNo.24〜No.26で化合物の量変化を行っ
ているが、添加量0.05g/AgX付近が、良好であることが
わかる。
実施例−2 実施例1で作製した試料を、実施例1と同様に露光
し、自動現像機SRX−501で全処理時間が45秒になるよう
に処理した。
〈現像液組成〉 水酸化カリウム 24g 亜硫酸ナトリウム 40g 亜硫酸カリウム 50g ジエチレントリアミン五酢酸 2.4g 硼酸 10g ハドロキノン 35g ジエチレングリコール 11.2g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−
3−ピラゾリドン 1.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g 臭化カリウム 2g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g 水で1とする(pH10.5に調整する) 〈定着液組成〉 チオ硫酸アンモニウム 140g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.025g 水酸化ナトリウム 6g 水で1とする(酢酸でpH5.10に調整する) 現像後の各試料について実施例1と同様に感度、コン
トラスト、カブリ及びローラーマークを評価した。
結果を表−2に示す。
表−2より明らかなように、本発明の試料は前記組成
の現像液、定着液で処理することによって実施例1と同
様の効果を示し、特に感度に対して優れた効果を示すこ
とがわかる。
〔発明の効果〕 上記実施例で説明した通り、本発明により自現機の迅
速処理時に発生するローラーマークの発生を防止し、か
つ、写真性能においても何ら劣化することがないハロゲ
ン化銀写真感光材料を得ることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上の少なくとも一方の側に、少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が凝集高分子
    剤により溶存物を除去(脱塩)した種晶から成長させた
    ハロゲン化銀粒子であり、かつ下記一般式〔I〕、〔I
    I〕又は〔III〕で表される化合物の少なくとも1種の存
    在下で粒子形成されたハロゲン化銀粒子であり、更にそ
    のハロゲン化銀粒子が凝集高分子剤により脱塩した粒子
    であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 Y1−Te−Y2 式中、Y1,Y2は、同じか又は異なってもよい置換又は無
    置換の脂肪族基を表し、その少なくとも一方は、ヒドロ
    キシ基、アミノ基、アンモニウム基、エーテル基、チオ
    エーテル基、セレノエーテル基、メルカプト基、カルバ
    モイル基、カルボンアミド基、スルホニル基、スルファ
    モイル基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ基、ア
    シルオキシ基、ウレイド基、チオウレイド基、チオアミ
    ド基、オキシスルホニル基、オキシカルボニルアミノ
    基、スルホン酸又はその塩、スルフィン酸又はその塩、
    リン酸又はその塩、リン酸エステル基、ホスフィノ基又
    は複素環基で置換されているものを表す。 一般式〔II〕 Y3−R1−Se−R2−Y4 一般式〔III〕 Y3−R1−Se−R3 式中、R1,R2は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原
    子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも一つより構成さ
    れる2価の基を表し、R3はアルキル基、シクロアルキル
    基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表
    す。 Y3,Y4は、各々ヒドロキシ基、アミノ基、アンモニウム
    基、エーテル基、チオエーテル基、セレノエーテル基、
    カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホニル基、ス
    ルファモイル基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ
    基、アシル基、アシルオキシ基、ウレイド基、チオウレ
    イド基、オキシスルホニル基、オキシカルボニル基、オ
    キシカルボニルアミノ基、スルホン酸又はその塩、カル
    ボン酸又はその塩又は複素環基を表す。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する
    場合の全処理時間が、20秒以上60秒未満であることを特
    徴とする請求項(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
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